インターフェースの概要

この章では、インターフェイスの概要とその特徴について説明します。

機能情報の確認

ご使用のソフトウェア リリースで、このモジュールで説明されるすべての機能がサポートされているとは限りません。最新の警告および機能情報については、https://tools.cisco.com/bugsearch/ の Bug Search Tool およびご使用のソフトウェア リリースのリリース ノートを参照してください。このモジュールに記載されている機能の詳細を検索し、各機能がサポートされているリリースのリストを確認する場合は、「新機能および変更された機能」の章、または以下の「機能の履歴」表を参照してください。

トランクとポートチャネル

トランキングは VSAN トランキングとも呼ばれ、Cisco MDS 9000 シリーズ ファミリのスイッチに特有の機能です。トランキングでは、相互接続ポートが同一物理リンクによって複数の VSAN でフレームを送受信できます。E および F ポートはトランキングをサポートします。

ポートチャネルは、ファイバ チャネルと FICON トラフィックの両方について、複数の物理 ISL を、帯域幅が大きく、ポートの耐障害性が高い 1 つの論理リンクに集約します。この機能を使用すると、最大 16 の拡張ポート(E ポート)またはトランキング E ポート(TE ポート)をポートチャネルにまとめることができます。ISL ポートは任意のスイッチング モジュールに配置できるため、特定のプライマリ ポートは必要ありません。ポートまたはスイッチング モジュールに障害が発生した場合、ファブリックを再設定しなくても、ポートチャネルは引き続き正常に機能します。

Cisco NX-OS ソフトウェアでは、隣接するスイッチ間でポートチャネル設定情報を交換するときにプロトコルを使用するので、ポートチャネル管理が簡易化されます。たとえば、誤設定の検出や、互換性のある ISL でのポートチャネルの自動作成などの管理機能です。自動設定モードでは、互換性のあるパラメータを使用する ISL によって、チャネル グループが自動的に構成されます。手動操作は必要ありません。

ポートチャネルでは、送信元 FC-ID と接続先 FC-ID、さらにオプションで交換 ID のハッシュを使用して、ファイバ チャネル トラフィックのロード バランスが実行されます。ポートチャネルを使用するロード バランシングは、ファイバ チャネル リンクと FCIP リンクの両方で実行されます。また、Cisco NX-OS ソフトウェアを設定して、コストが同じ複数の FSPF ルート間でロード バランスを実行することもできます。

ファイバ チャネル ポート レートの制限

Cisco MDS 9100 シリーズのファイバ チャネル ポート レートの制限機能によって、4 つのホスト最適化ポートのグループ内で個々のファイバ チャネル ポートに使用できる帯域幅サイズを制御します。1 つまたは複数のファイバ チャネル ポートについて帯域幅を制限すると、使用率が高い状況でも、グループ内の他のポートが使用できる帯域幅を増やすことができます。ポート レートの制限は、発信元での WAN トラフィックを抑制して、ファイバ チャネルと IP データ ネットワーク デバイスの過度なバッファリングを解消する場合にも有効です。

最大 NPIV 制限

NPIV ログインの最大数は、NPV モードで動作するエッジ スイッチのポート レベルでは構成できません。Cisco MDS 9000 リリース 6.2(7) 以降、最大 NPIV 制限機能は、Cisco MDS 9513、MDS 9710、および MDS 9250i スイッチを含むコア NPIV スイッチでサポートされます。ポートごとの最大 NPIV 制限機能を使用すると、ポートごとの制限を構成できます。最大制限が構成されている場合、FDISC を受信するたびに、最大 NPIV 制限を超えているかどうかがチェックされ、超えていると FLOGI を拒否します。最大 NPIV 制限を超えておらず、通常の制限を超えている場合は、FLOGI を処理します。trunk-max-npiv-limit コマンドは、複数の VSAN を持つトランキング モードの F ポートに使用されます。ポートの動作モードがトランキング モードになる場合、このパラメータが使用されます。

拡張クレジット

フル回線レートのファイバ チャネル ポートには、255 以上の標準バッファ クレジットがあります。クレジットを追加することで、ファイバ チャネル SAN 拡張の距離が長くなります。拡張クレジットを使用すると、必要に応じて、モジュールの 6000 を超えるバッファ クレジットのプールから最大 4095 のバッファ クレジットをポートに割り当て、ファイバ チャネル SAN の距離を大幅に拡張することができます。


Note

この機能は、すべての Cisco MDS Director クラス ファブリック スイッチでサポートされていますが、Cisco MDS ファブリック スイッチではサポートされていません。

N ポート仮想化

Cisco NX-OS ソフトウェアは業界標準の N ポート ID バーチャライゼーション(NPIV)をサポートします。NPIV を使用すると、単一の物理ファイバ チャネル リンクで複数の N ポート ファブリックが同時にログインできます。NPIV をサポートする HBA では、ホスト上の各仮想マシン(OS パーティション)についてゾーン分割とポート セキュリティを個別に設定できるようにすることで、SAN セキュリティを改善できます。NPIV はサーバ接続に有効なだけでなく、コアおよびエッジの SAN スイッチ間の接続にも有効です。

N ポート バーチャライザ(NPV)は、コアエッジ SAN のファイバ チャネル ドメイン ID 数を減らすことができる補完的な機能です。NPV モードで動作する Cisco MDS 9000 シリーズ マルチレイヤ スイッチはファブリックに参加せず、コア スイッチ リンクとエンド デバイス間でトラフィックを通過させるだけです。このため、スイッチのドメイン ID は不要です。NPIV は、NPV コア スイッチへのリンクを共有する複数のエンド デバイスにログインするために、NPV モードのエッジ スイッチで使用されます。この機能は、Cisco MDS ブレード スイッチ シリーズ、Cisco MDS 9124 マルチレイヤ ファブリック スイッチ、Cisco MDS 9134 マルチレイヤ ファブリック スイッチ、Cisco MDS 9148 マルチレイヤ ファブリック スイッチ、Cisco MDS 9148S マルチレイヤ ファブリック スイッチ、および Cisco MDS 9396S マルチレイヤ ファブリック スイッチでのみ使用できます。

FlexAttach

SAN 環境の主な問題の 1 つは、サーバのインストールと交換に必要な時間と労力です。これらのプロセスには SAN 管理者とサーバ管理者の両方が関係するため、管理者間の対話と調整に時間がかかる可能性があります。SAN 管理者とサーバ管理者間の対話を回避するには、新しいサーバをインストールするとき、または既存のサーバを交換するときに、SAN の設定を変更しないようにします。FlexAttach では、サーバのインストールや交換時の設定の変更と、SAN 管理者とサーバ管理者に必要な時間と調整を減らすことにより、このような問題に対処します。この機能を使用できるのは、NPV モードを有効にした Cisco MDS 9000 ブレード スイッチ シリーズ、Cisco MDS 9124、Cisco MDS 9134、Cisco MDS 9148 マルチレイヤ ファブリック スイッチ、Cisco MDS 9148S マルチレイヤ ファブリック スイッチ、および Cisco MDS 9396S スイッチだけです。