トランキングの構成

この章では、トランキングおよびトランキングの構成方法について説明します。

機能情報の確認

ご使用のソフトウェア リリースで、このモジュールで説明されるすべての機能がサポートされているとは限りません。最新の警告および機能情報については、https://tools.cisco.com/bugsearch/ の Bug Search Tool およびご使用のソフトウェア リリースのリリース ノートを参照してください。このモジュールに記載されている機能の詳細を検索し、各機能がサポートされているリリースのリストを確認する場合は、「新機能および変更された機能」の章、または以下の「機能の履歴」表を参照してください。

トランキングに関する情報

トランキングは VSAN トランキングとも呼ばれ、Cisco MDS 9000 シリーズ マルチレイヤ スイッチに特有の機能です。トランキングでは、相互接続ポートが同一物理リンクによって複数の VSAN でフレームを送受信できます。トランキングは E ポートおよび F ポートでサポートされます( E ポートのトランキング および F ポートのトランキング を参照)。

E ポートのトランキング

E ポートをトランキングすると、相互接続ポートが拡張 ISL(EISL)フレーム形式を使用して、同一物理リンクによって複数の VSAN でフレームを送受信できます。

Figure 1. E ポートのトランキング



Note


HP c-Class BladeSystem 用のシスコ ファブリック スイッチおよび IBM BladeCenter 用のシスコ ファブリック スイッチの両方の内部ポートでは、トランキングがサポートされません。

F ポートのトランキング

F ポートをトランキングすると、相互接続ポートが同一物理リンクによって、複数の VSAN でタグ付きフレームを送受信できます。

F ポートのトランキング に、MDS コア スイッチ、NPV スイッチ、サードパーティ製コア スイッチ、および HBA が含まれる SAN で想定されるトランキングのシナリオを示します。

Figure 2. F ポートのトランキング


リンク番号

リンクの説明

1a および 1b

F ポートと N ポートのトランク1

2

F ポートと NP ポートのトランク

3

F ポートと NP ポートのチャネル

4

F ポートと NP ポートのチャネルのトランキング

5

NP ポートとサードパーティ製コア スイッチの F ポートとのトランキング

1 この機能は現在サポートされていません。

主なコンセプト

トランキング機能には、次の重要な概念があります。

  • TE ポート:E ポートでトランク モードをイネーブルにして、このポートをトランキング E ポートとして動作させる場合、そのポートは TE ポートと呼ばれます。

  • TF ポート:F ポートでトランク モードをイネーブルにして( F ポートのトランキング のリンク 2 を参照)、このポートをトランキング F ポートとして動作させる場合、そのポートは TF ポートと呼ばれます。

  • TN ポート:N ポートでトランク モードをイネーブル(現在は未サポート)にして( F ポートのトランキング のリンク 1b を参照)、このポートをトランキング N ポートとして動作させる場合、そのポートは TN ポートと呼ばれます。

  • TNP ポート:NP ポートでトランク モードをイネーブルにして( F ポートのトランキング のリンク 2 を参照)、このポートをトランキング NP ポートとして動作させる場合、そのポートは TNP ポートと呼ばれます。

  • TF ポートチャネル:F ポートチャネルでトランク モードを有効にして( F ポートのトランキング のリンク 4 を参照)、このポートをトランキング F ポートとして動作させる場合、そのポートは TF ポートと呼ばれます。Cisco Port Trunking Protocol(PTP)を使用して、タグ付きフレームが伝送されます。

  • TF-TN ポート リンク:Exchange Virtual Fabrics Protocol(EVFP)を使用して、F ポートを HBA に接続する単一のリンクを確立し、タグ付きフレームを伝送できます( F ポートのトランキング のリンク 1a および 1b を参照)。サーバは、Inter-VSAN Routing(IVR)を使用せずに、TF ポートを使用して複数の VSAN に到達できます。

  • TF-TNP ポート リンク:PTP プロトコルを使用して、TF ポートを TNP ポートに接続する単一のリンクを確立し、タグ付きフレームを伝送できます( F ポートのトランキング のリンク 2 を参照)。PTP もトランキング ポートチャネルをサポートしているため、このプロトコルが使用されます。


    Note


    サードパーティ製 NPV コア スイッチとシスコ NPV スイッチ間の TF-TNP ポート リンクは、EVFP プロトコルを使用して確立されます。
  • ファイバ チャネル VSAN は仮想ファブリックと呼ばれ、VSAN ID の代わりに VF_ID を使用します。デフォルトでは、すべてのポートで VF_ID は 1 です。N ポートがトランキングをサポートしている場合は VSAN ごとに pWWN が定義されます。これは論理 pWWN と呼ばれます。MDS コア スイッチの場合、N ポートが追加の FCID を要求する pWWN は、仮想 pWWN と呼ばれます。

トランキング プロトコル

トランキング プロトコルは、ポートでトランキング処理を行う場合に重要です。このプロトコルでは、次のような処理を実行します。

  • 動作可能なトランク モードのダイナミック ネゴシエーション

  • トランク許可 VSAN の共通のセットの選択

  • ISL(スイッチ間リンク)間の VSAN 不一致の検出

Table 1 に、トランキングおよびチャネリングに使用するプロトコルを示します。

Table 1. サポートされているトランキング プロトコル

トランク リンク

デフォルト

TE-TE ポート リンク

Cisco EPP(PTP)

TF-TN ポート リンク2

FC-LS Rev 1.62 EVFP

TF-TNP ポート リンク

Cisco EPP(PTP)

E または F ポート チャネル

Cisco EPP(PCP)

TF ポートチャネル

Cisco EPP(PTP および PCP)

サードパーティの TF-TNP ポート リンク3

FC-LS Rev 1.62 EVFP

2 これらの機能は現在サポートされていません。
3 これらの機能は現在サポートされていません。

デフォルトでは、トランキング プロトコルは E ポートでイネーブル、F ポートではディセーブルです。トランキング プロトコルがスイッチでディセーブルの場合、そのスイッチのポートは新規トランク コンフィギュレーションを適用できません。既存のトランク設定は影響されません。TE ポートは引き続きトランク モードで機能しますが、以前(トランキング プロトコルがイネーブルだったときに)ネゴシエーションした VSAN だけでトラフィックをサポートします。また、このスイッチに直接接続している他のスイッチも同様に接続インターフェイスで影響を受けます。トランキング以外の ISL 間で、さまざまなポート VSAN からのトラフィックをマージしなければならないことがあります。そのような場合は、トランキング プロトコルをディセーブルにします。


Note


トランキング リンクの両側が同じポート VSAN に属することを推奨します。ポート VSAN が異なる特定スイッチまたはファブリック スイッチでは、片側がエラーを返し、反対側が接続されません。

トランク モード

デフォルトでは、非 NPV スイッチのすべてのファイバ チャネル インターフェイス(モード:E、F、FL、Fx、ST、および SD)でトランク モードがイネーブルです。NPV スイッチのデフォルトでは、トランク モードはディセーブルです。トランク モードを on(イネーブル)、off(ディセーブル)、または auto(自動)に設定できます。2 つのスイッチ間での ISL の両端のトランク モード構成により、リンクのトランキング状態および両端のポート モードが決まります(Table 1 を参照)。

Table 2. スイッチ間のトランク モードのステータス

トランク モードの設定

最終的なステートとポート モード

ポートタイプ

スイッチ 1

スイッチ 2

トランキング ステート

ポート モード

E ポート

オン

auto または on

トランキング(EISL)

TE ポート

オフ

auto、on、または off

トランキングなし(ISL)

E ポート

自動

自動

トランキングなし(ISL)

E ポート

ポートタイプ

コア スイッチ

NPV スイッチ

トランキング ステート

リンク モード

F ポートおよび NP ポート

オン

auto または on

トランキング

TF-TNP リンク

Auto

On

トランキング

TF-TNP リンク

オフ

auto、on、または off

トランキングなし

F-NP リンク


Tip


Cisco MDS 9000 シリーズ マルチレイヤ スイッチでの推奨設定は、トランクの片側が auto、反対側が on です。



Note


サードパーティ製スイッチに接続した場合、E ポートのトランク モード設定は有効になりません。ISL は常にトランキング ディセーブルのステートです。F ポートの場合、EVFP ビットを使用する、サードパーティ製コア スイッチ ACC の物理 FLOGI が設定されていると、EVFP プロトコルによってリンクのトランキングがイネーブルになります。

トランク許可 VSAN リストおよび VF_ID

各ファイバ チャネル インターフェイスには、対応付けられたトランク許可 VSAN リストがあります。TE ポート モードでは、フレームはこのリストに指定された 1 つまたは複数の VSAN で送受信されます。デフォルトの場合、VSAN 範囲(1 ~ 4093)がトランク許可リストに組み込まれています。

スイッチで設定されてアクティブになっている VSAN の共通セットは、インターフェイスのトランク許可 VSAN リストに組み込まれます。これは許可アクティブ VSAN と呼ばれます。トランキング プロトコルは、ISL の両端で allowed-active VSAN のリストを使用して、トラフィックが許可される通信可能な VSAN のリストを判別します。

トランク許可 VSAN のデフォルト構成で、スイッチ 1( 許可アクティブ VSAN のデフォルト構成を参照)に VSAN 1 ~ 5、スイッチ 2 に VSAN 1 ~ 3、スイッチ 3 に VSAN 1、2、4、5 が含まれています。3 つすべてのスイッチに設定された VSAN はすべて、allowed-active です。ただし、ISL の端での許可アクティブ VSAN の共通セットだけが動作状態になります( 許可アクティブ VSAN のデフォルト構成を参照)。

すべての F ポート、N ポート、および NP ポートについて、VF_ID が設定されていない場合のデフォルト VF_ID は 1 です。ポートのトランク許可 VF_ID リストは、トランク許可 VSAN のリストと同一です。VF_ID 4094 は制御 VF_ID と呼ばれ、リンクでトランキングがイネーブルな場合にトランク許可 VF-ID のリストを定義するために使用されます。

F ポートのトランキングおよびチャネリングがイネーブルな場合、任意のインターフェイスの NPV モードで switchport trunk mode on が構成されている場合、または NP ポートチャネルが設定されている場合、構成で使用できる VSAN および VF-ID の範囲は Table 1 で説明されているとおりです。

Table 3. VSAN および VF-ID の予約

VSAN または VF-ID

[説明(Description)]

000h

Virtual Fabric Identifier としては使用できません。

001h(1)~ EFFh(3839)

この VSAN 範囲はユーザ設定に使用できます。

F00h(3840)~ FEEh(4078)

予約済み VSAN。ユーザ設定には使用できません。

FEFh(4079)

EVFP で分離された VSAN。

FF0h(4080)~ FFEh(4094)

ベンダー固有の VSAN に使用します。

FFFh

Virtual Fabric Identifier としては使用できません。


Note


F ポートと N ポートの VF_ID が一致しない場合、タグ付きフレームは交換できません。
Figure 3. 許可アクティブ VSAN のデフォルト構成


許可アクティブ リストから VSAN の選択セットを設定し、トランキング ISL で指定されている VSAN へのアクセスを制御できます。

例として 許可アクティブ VSAN のデフォルト構成 を使用して、インターフェイスごとに許可 VSAN リストを設定できます( 動作可能な許可 VSAN の構成を参照)。たとえば、スイッチ 1 に接続された ISL の許可 VSAN リストから VSAN 2 と VSAN 4 を削除する場合、各 ISL の通信可能な VSAN リストは次のようになります。

  • スイッチ 1 とスイッチ 2 の間の ISL には、VSAN 1 と VSAN 3 が含まれます。

  • スイッチ 2 とスイッチ 3 の間の ISL には、VSAN 1 と VSAN 2 が含まれます。

  • スイッチ 3 とスイッチ 1 の間の ISL には、VSAN 1、VSAN 2、および VSAN 5 が含まれます。

したがって、VSAN 2 だけがスイッチ 1 からスイッチ 3、さらにスイッチ 2 にルーティングできます。

Figure 4. 動作可能な許可 VSAN の構成


注意事項と制約事項

一般的なガイドラインと制限事項

トランキング機能には、次の一般的な設定時の注意事項および制限事項があります。

  • Cisco MDS NX-OS リリース 8.1(1) から Cisco MDS NX-OS リリース 8.2(1) にアップグレードすると、F ポートに switchport trunk mode off コマンドが追加されます。

  • F ポートは Fx モードでトランキングをサポートします。

  • TE、TF、および TNP の各リンク用に設定したトランク許可 VSAN はトランキング プロトコルによって使用され、フレームの送受信ができる許可アクティブ VSAN が判断されます。

  • トランキングがイネーブルの E ポートをサードパーティ製スイッチに接続すると、トランキング プロトコルによって E ポートとしてのシームレスな動作が保証されます。

  • 次のハードウェアでは、F ポートおよび F ポートチャネルのトランキングがサポートされていません。

    • 91x4 スイッチ(NPIV がイネーブルで、NPIV コア スイッチとして使用する場合)

    • 第 1 世代の 2 Gbps ファイバ チャネル スイッチング モジュール

  • コア スイッチでは、物理 pWWN からの物理 FLOGI に対してだけ FC-SP 認証がサポートされます。

  • NPV スイッチはサーバ F ポートで FC-SP 認証をサポートしません。

  • MDS は VSAN 全体で論理 pWWN が一意であることを強制しません。

  • トランキングされた F ポート ログインで DPVM はサポートされません。

  • DPVM 機能はポート VSAN の制御だけに限定されています。これは、EVFP プロトコルでは論理 pWWN で FLOGI を実行した VSAN を変更できないためです。

  • ポート セキュリティ設定は、最初の物理 FLOGI および VSAN ごとの FLOGI の両方に適用されます。

  • FlexAttach がイネーブルにされている F ポートでは、トランキングをサポートしません。

  • MDS 91x4 コア スイッチでハード ゾーン分割を実行できるのは、NPIV またはトランキングのいずれかを実行している F ポートだけです。ただし、NPV モードではゾーン分割がコア F ポートで実行されるため、この制限が適用されません。


Note


ファイバチャネル セキュリティ プロトコル (FC-SP) は、MDS 9710 の 6.2(1) リリースではサポートされていませんが、将来のリリースを対象としています。

アップグレードとダウングレードに関する制限事項

トランキングおよびチャネリング機能には、次のようなアップグレードとダウングレードに関する制限事項があります。

  • リンク上に F ポートのトランキングまたはチャネリングが設定されている場合は、Cisco MDS SAN-OS Release 3.x および NX-OS Release 4.1(1b)、またはそれ以前のリリースにスイッチをダウングレードできません。

  • SAN-OS リリース 3.x から NX-OS リリース 5.0(1) にアップグレードするときに VSAN 4079 を作成していない場合は、NX-OS ソフトウェアによって VSAN 4079 が自動的に作成され、EVFP を使用するために予約されます。

EVFP を使用するために VSAN 4079 を予約していた場合、switchport trunk allowed vsan コマンドによって、VSAN 4079 が許可リストから除外されます(次に示す例を参照)。


	switch(config-if)# switchport trunk allowed vsan 1-4080
	1-4078,4080
	
  • VSAN 4079 を作成してある場合、NX-OS リリース 5.0(1) へのアップグレードは VSAN 4079 に影響しません。

  • NX-OS リリース 5.0(1) からダウングレードした場合、EVFP 用の VSAN の予約は無効になります。

TE ポートと TF-TNP ポートの相違点

TE ポートの場合、そのインターフェイスで VSAN が起動してピアがネゴシエーション フェーズにあるとき、VSAN は初期状態にあります。ハンドシェイクが完了すると、成功した場合はアップの状態に、失敗した場合は分離状態に移行します。Device Manager では、初期化状態ではポート ステータスが黄色で表示され、VSAN がアップすると緑色で表示されます。

次に、TE ポートのトランク VSAN ステートの例を示します。


switch# show interface fc2/15
fc2/15 is trunking
    Hardware is Fibre Channel, SFP is short wave laser w/o OFC (SN)
    Port WWN is 20:4f:00:0d:ec:6d:2b:40
    Peer port WWN is 20:0a:00:0d:ec:3f:ab:80
    Admin port mode is auto, trunk mode is on
    snmp link state traps are enabled
    Port mode is TE
    Port vsan is 1
    Speed is 2 Gbps
    Rate mode is dedicated
    Transmit B2B Credit is 16
    Receive B2B Credit is 250
    B2B State Change Number is 14
    Receive data field Size is 2112
    Beacon is turned off
    Trunk vsans (admin allowed and active) (1,100-101,1101,1163-1166,1216,2172,2182-2183)
    Trunk vsans (up)                       (1,1101,1163-1166,1216,2172,2182-2183)
    Trunk vsans (isolated)                 (100-101)
    Trunk vsans (initializing)             ()

TF ポートの場合、ハンドシェイク後に許可 VSAN のいずれかがアップ状態に移行します。ピアとのハンドシェイクが完了し、それが成功した場合でも、他の VSAN はすべて初期状態となります。対応する VSAN にある、トランキングされた F または NP ポートを使用してサーバまたはターゲットがログインしたとき、各 VSAN は、初期化状態からアップ状態に移行します。


Note


TF ポートまたは TNP ポートの場合、ポートがアップしていてエラーがない場合でも、Device Manager ではポート ステータスが黄色で表示されます。このステータスは、すべての VSAN のログインが成功すると緑色に変化します。

次に、ポートがアップ状態になった後の TF ポート情報の例を示します。


sw7# show interface fc1/13
fc1/13 is trunking (Not all VSANs UP on the trunk)
    Hardware is Fibre Channel, SFP is short wave laser w/o OFC (SN)
    Port WWN is 20:0d:00:0d:ec:6d:2b:40
    Admin port mode is FX, trunk mode is on
    snmp link state traps are enabled
    Port mode is TF
    Port vsan is 1
    Speed is 4 Gbps
    Rate mode is shared
    Transmit B2B Credit is 16
    Receive B2B Credit is 32
    Receive data field Size is 2112
    Beacon is turned off
    Trunk vsans (admin allowed and active) (1,100-101,1101,1163-1166,1216,2172,2182-2183)
    Trunk vsans (up)                       (1)
    Trunk vsans (isolated)                 ()
    Trunk vsans (initializing)             (1101,1163-1166,1216,2172,2182)

次に、サーバーが非内部 FLOGI VSAN にログインしたときの TF ポート情報の例を示します。サーバーが VSAN 2183 にログインすると、VSAN 2183 はアップ状態に移行します。


w7# show interface fc1/13
fc1/13 is trunking (Not all VSANs UP on the trunk)
    Hardware is Fibre Channel, SFP is short wave laser w/o OFC (SN)
    Port WWN is 20:0d:00:0d:ec:6d:2b:40
    Admin port mode is FX, trunk mode is on
    snmp link state traps are enabled
    Port mode is TF
    Port vsan is 1
    Speed is 4 Gbps
    Rate mode is shared
    Transmit B2B Credit is 16
    Receive B2B Credit is 32
    Receive data field Size is 2112
    Beacon is turned off
    Trunk vsans (admin allowed and active) (1,100-101,1101,1163-1166,1216,2172,2
182-2183)
    Trunk vsans (up)                       (1,2183)
    Trunk vsans (isolated)                 ()
    Trunk vsans (initializing)             (1101,1163-1166,1216,2172,2182)

トランキング誤設定の例

VSAN を正しく設定していないと、接続に問題が発生する場合があります。たとえば、2 つの VSAN のトラフィックをマージする場合に、両方の VSAN の不一致が発生します。トランキング プロトコルではリンクの両側で VSAN インターフェイスが確認され、VSAN のマージが回避されます( VSAN の不一致 を参照)。

Figure 5. VSAN の不一致


トランキング プロトコルが潜在的な VSAN の結合を検出し、関連ポートを分離します( VSAN の不一致 を参照)。

2 つの Cisco MDS 9000 シリーズ マルチレイヤ スイッチの間にサードパーティ製スイッチが配置されている場合、トランキング プロトコルは VSAN のマージを検出できません( サードパーティ製スイッチによる VSAN の不一致 を参照)。

Figure 6. サードパーティ製スイッチによる VSAN の不一致


VSAN 2 と VSAN 3 は、ネーム サーバおよびゾーン アプリケーションにおいてオーバーラップするエントリによって事実上結合されます。Cisco DCNM-SAN では、このようなトポロジを検出できます。

デフォルト設定

Table 1 に、トランキング パラメータのデフォルト設定値を示します。

Table 4. デフォルトのトランク設定パラメータ

パラメータ

デフォルト

スイッチ ポートのトランク モード

ON(非 NPV スイッチおよび MDS コア スイッチ)

OFF(NPV スイッチ)

許可 VSAN リスト

1 ~ 4093 のユーザ定義 VSAN ID

許可 VF-ID リスト

1 ~ 4093 のユーザ定義 VF-ID ID

E ポートのトランキング プロトコル

イネーブル

F ポートのトランキング プロトコル

ディセーブル

トランキングの構成

Cisco トランキング プロトコルおよびチャネリング プロトコルの有効化

Cisco トランキングおよびチャネリング プロトコルを有効または無効にするには、次の手順を実行します。

Before you begin

設定の不整合を防ぐには、トランキング プロトコルを有効または無効にする前に shutdown コマンドを使用してすべての E ポートを無効にします。

Procedure


Step 1

switch# configure terminal

コンフィギュレーション モードに入ります。

Step 2

switch(config)# trunk protocol enable

Cisco PTP トランキング プロトコルを有効にします(デフォルト)。

Step 3

switch(config)# no trunk protocol enable

Cisco PTP トランキング プロトコルを無効にします。


F ポートのトランキングおよびチャネリング プロトコルのイネーブル化

F ポートのトランキングおよびチャネリング プロトコルを有効または無効にするには、次の手順を実行します。

Before you begin

矛盾した設定を避けるには、すべてのポートをシャットダウンしてからトランキング プロトコルのイネーブル化またはディセーブル化を行います。

Procedure


Step 1

switch# configure terminal

コンフィギュレーション モードに入ります。

Step 2

switch(config)# feature fport-channel-trunk

F ポートのトランキングおよびチャネリング プロトコルを有効にします(デフォルト)。

Step 3

switch(config)# no feature fport-channel-trunk

F ポートのトランキングおよびチャネリング プロトコルを無効にします。


トランク モードの構成

トランク モードを構成するには、次の手順に従います。

Procedure


Step 1

switch# configure terminal

コンフィギュレーション モードに入ります。

Step 2

switch(config)# interface fc1/1

指定されたインターフェイスを設定します。

Step 3

switch(config-if)# switchport trunk mode on

指定されたインターフェイスのトランク モードをイネーブルにします(デフォルト)。

switch(config-if)# switchport trunk mode off

(オプション)指定されたインターフェイスのトランク モードをディセーブルにします。

switch(config-if)# switchport trunk mode auto

(オプション)トランク モードを、インターフェイスの自動検知を提供する auto モードに構成します。


VSAN の allowed-active リストの設定

インターフェイスに allowed-active VSAN リストを設定するには、次の作業を行います。

Procedure


Step 1

switch# configure terminal

コンフィギュレーション モードに入ります。

Step 2

switch(config)# interface fc1/1

指定されたインターフェイスを設定します。

Step 3

switch(config-if)# switchport trunk allowed vsan 2-4

指定された VSAN の許可リストを変更します。

Step 4

switch(config-if)# switchport trunk allowed vsan add 5

指定された VSAN(5) を新しい許可リストに追加します。

switch(config-if)# no switchport trunk allowed vsan 2-4

(オプション)VSAN 2、3、および 4 を削除します。

switch(config-if)# no switchport trunk allowed vsan add 5

(オプション)追加された許可リストを削除します。


トランキング構成の確認

トランキング構成情報を表示するには、次の作業のいずれかを行います。

コマンド

目的

show interface fc slot/port

トランキング、トランク モード、許可 VSAN、およびステータスを含むインターフェイス構成情報を表示します。

show trunk protocol

トランク プロトコルが有効かどうかを表示します。

show interface trunk vsan numbers

インターフェイスがトランキングを実行しているかどうかと、各トランク インターフェイスの許可 VSAN リストを表示します。

これらのコマンドの出力に表示される各フィールドの詳細については、Cisco MDS NX-OS Command Referenceを参照してください。

show interface コマンドを EXEC モードから呼び出して、TE ポートのトランキング構成を表示します。引数を入力せずに、このコマンドを実行すると、スイッチに設定されたすべてのインターフェイスの情報が表示されます。例 トランキングしたファイバ チャネル インターフェイスの表示トランク ポートの VSAN ごとの情報の表示 を参照してください。

Examples


switch# show interface fc1/13
fc1/13 is trunking
    Hardware is Fibre Channel
    Port WWN is 20:0d:00:05:30:00:58:1e
    Peer port WWN is 20:0d:00:05:30:00:59:1e
    Admin port mode is auto, trunk mode is on
    Port mode is TE
    Port vsan is 1
    Speed is 2 Gbps
    Receive B2B Credit is 255
    Beacon is turned off
    Trunk vsans (admin allowed and active) (1)
    Trunk vsans (up)                       (1)
    Trunk vsans (isolated)                 ()
    Trunk vsans (initializing)             ()
    5 minutes input rate 0 bits/sec, 0 bytes/sec, 0 frames/sec
    5 minutes output rate 0 bits/sec, 0 bytes/sec, 0 frames/sec
      233996 frames input, 14154208 bytes, 0 discards
        0 CRC, 0 unknown class
        0 too long, 0 too short
      236 frames output, 13818044 bytes, 0 discards
      11 input OLS, 12 LRR, 10 NOS, 28 loop inits
      34 output OLS, 19 LRR, 17 NOS, 12 loop inits

Examples


switch# show trunk protocol
Trunk protocol is enabled

Examples


switch# show interface trunk vsan 1-1000
fc3/1 is not trunking
...
fc3/7 is trunking
	Vsan 1000 is down (Isolation due to vsan not configured on peer)
...
fc3/10 is trunking
    Vsan 1 is up, FCID is 0x760001
    Vsan 2 is up, FCID is 0x6f0001
fc3/11 is trunking
    Belongs to port-channel 6
	Vsan 1 is up, FCID is 0xef0000
    Vsan 2 is up, FCID is 0xef0000
...
port-channel 6 is trunking
	Vsan 1 is up, FCID is 0xef0000
    Vsan 2 is up, FCID is 0xef0000

F ポートのトランキングの構成例

次に、トランキングを構成し、NPIV コア スイッチの F ポートと NPV スイッチの NP ポート間の TF-TNP リンクをアップ状態にする例を示します。

Procedure


Step 1

MDS コア スイッチの F ポートのトランキングおよびチャネリング プロトコルを有効にします。

Example:


switch(config)# feature fport-channel-trunk

Step 2

MDS コア スイッチで NPIV を有効にします。

Example:


switch(config)# feature npiv

Step 3

MDS コア スイッチのポート モードを自動、F、または Fx に設定します。

Example:


switch(config)# interface fc1/2
switch(config-if)# switchport mode F

Step 4

MDS コア スイッチのトランク モードをオンに設定します。

Example:


switch(config-if)# switchport trunk mode on

Step 5

NPV スイッチのポート モードを NP に設定します。

Example:


switch(config)# interface fc1/2
switch(config-if)# switchport mode NP

Step 6

NPV スイッチのトランク モードをオンに設定します。

Example:


switch(config-if)# switchport trunk mode on

Step 7

NPIV および NPV スイッチのポート管理状態をオンに設定します。

Example:


switch(config)# interface fc1/2
switch(config-if)# shut
switch(config-if)# no shut

Step 8

設定を保存します。

Example:


switch(config)# copy running-config startup-config