FICON の設定

Fibre Connection(FICON)インターフェイスの機能は、開放型システムとメイン フレーム ストレージ ネットワーク環境の両方をサポートすることによって、Cisco MDS 9000 ファミリを拡張します。Control Unit Port(CUP)をサポートしたことで、FICON プロセッサからスイッチのインバンド管理ができるようになりました。

この章は、次の項で構成されています。

FICON の概要

Cisco MDS 9000 ファミリは、単一のハイ アベイラビリティ プラットフォーム内で Fibre Channel Protocol(FCP)、FICON、iSCSI、NVMe および FCIP 機能をサポートします(共有システム ストレージ ネットワークを参照)。

この FICON 機能は、次のプラットフォームでのみサポートされます:

  • Cisco MDS 9710 スイッチ

  • Cisco MDS 9706 スイッチ

  • Cisco MDS 9250i スイッチ

  • Cisco MDS 9220i スイッチ

  • Cisco MDS 9148V スイッチ

FCP、NVMe と FICON は別個の FC4 プロトコルであり、トラフィックは互いに独立しています。これらのプロトコルを使用しているデバイス間の切り離しには、VSAN を使用する必要があります。

ファブリック バインディング機能は、無許可のスイッチがファブリックに接続したり、現在のファブリック操作を中断するのを防止するのに役立ちます(『Cisco MDS 9000 シリーズ セキュリティ構成ガイド』を参照します)。Registered Link Incident Report(RLIR)アプリケーションを使用することにより、スイッチ ポートから登録済み Nx ポートに LIR を送信できます。

Figure 1. 共有システム ストレージ ネットワーク

このセクションは、次のトピックで構成されています。

FICON の要件

FICON 機能の要件として、次のものが挙げられます。

  • FICON 機能を実装できるスイッチは、次のとおりです。

    • Cisco MDS 9706 および MDS 9710 スイッチ

    • Cisco MDS 9250i および MDS 9220i スイッチ

以前のリリースでは FICON を構成するために MAINFRAME_PKG ライセンスが必要でしたが、NX-OS リリース 9.4(1a)以降では、FICON 機能は NX-OS の基本機能であり、特別なライセンスは必要ありません。

MDS 固有 FICON のメリット

ここでは、Cisco MDS スイッチのその他の FICON のメリットについて説明します。また、次のトピックを取り上げます。

VSAN によるファブリックの最適化

別々の物理ファブリックを実装すると、高度なスイッチ管理が必要になるため、実装コストがかさむのが一般的です。各アイランドのポートは、ファブリック構成によってオーバープロビジョニングされる可能性があります。

Cisco MDS 固有の VSAN テクノロジーを導入すると、オーバープロビジョニング コストの節減、および管理対象スイッチ数の軽減につながるため、これらの物理ファブリック間の効率を向上できます。また、VSAN を使用すると、中断せずに未使用ポートを移動し、共通の冗長物理インフラストラクチャを提供できます(VSAN 固有ファブリックの最適化 を参照)。

Figure 2. VSAN 固有ファブリックの最適化

VSAN を使用すると、SAN のグローバル統合が可能になり、単一の物理ネットワーク上の既存の SAN アイランドを仮想 SAN アイランドに変換できます。これにより、ハードウェアレベルでセキュリティが適用され、アプリケーションどうしまたは部門どうしが切り離されて単一のネットワーク上で共存できるようになります。また、仮想再配線が可能になり、ストレージ インフラストラクチャが強化されます。機器に経費をかけたり機器の物理的再配置を破壊したりせずに、部門間またはアプリケーション間でアセットを移動できます。


Note


どの Cisco MDS スイッチにも VSAN を構成できます。ただし、FICON を有効にできる FICON 機能をサポートできるスイッチ上の VSAN は 8 つ以下に限られます。


メインフレーム ユーザーであれば、VSAN を MDS SAN ファブリック内の FICON LPAR と同様のものと考えればわかりやすいでしょう。スイッチ リソースは、互いに切り離された FICON LPAR(VSAN)にパーティション化できます。このパーティション化の操作は、IBM Z システム メインフルーム サーバー 上でリソースをパーティション化する操作とほぼ同じです。各 VSAN は、固有のファブリック サービス(たとえば、ファブリック サーバー、ネーム サーバーやゾーン サーバー)、FICON CUP、ドメイン ID、Fabric Shortest Path First(FSPF)ルーティング、動作モード、およびセキュリティ プロファイルのセットで構成されています。FICON VSAN は複数のライン カードにまたがることができ、サイズはダイナミックです。たとえば、8 ポート付き VSAN LPAR 1 つを 8 のラインカードにわたって設置することもできます。FICON VSAN には、カスケード設定の複数のスイッチのポートを含めることもできます。Cisco MDS 9000 スイッチング アーキテクチャには一貫した公正さがあるため、「すべてのポートは等しく作成」されます。これにより、他のベンダー製プラットフォームで発生する「ローカル スイッチング」問題を除去して、プロビジョニングを簡素化することができます。FICON VSAN へのポートの追加は、中断のないプロセスです。FICON アドレス指定の制限を受けるため、FICON VSAN の各スイッチで最大ポート数は 254 です。

FCIP のサポート

Cisco MDS 9000 ファミリのマルチレイヤ アーキテクチャは、プロトコルを認識しないスイッチ ファブリックを介して一貫したフィーチャ セットを可能にしています。Cisco MDS 9700 シリーズおよび 9200 シリーズ スイッチは、FCP、NVMe、FICON、および Fibre Channel over IP(FCIP)を 1 つのシステムに透過的に統合します。FICON over FCIP 機能を使用すると、遠く離れた場所にあるメインフレーム リソースにも、コスト効率よくアクセスできます。Cisco MDS 9000 ファミリのプラットフォームでは、ビジネス継続ストラテジをシンプルにするユビキタス IP インフラストラクチャを使用して、IBM PPRC などのストレージ レプリケーション サービスを、メトロを介してグローバルな距離にまで展開できます。

詳細については、『Cisco Nexus 9000 シリーズ IP サービス構成ガイド』を参照してください。

ポートチャネルのサポート

FICON の Cisco MDS 実装では、効率的利用がサポートされているため、安定した大規模 SAN 環境の構築に要するスイッチ間リンク(ISL)のアベイラビリティが向上しています。Cisco MDS スイッチ内での ISL のアベイラビリティおよびパフォーマンスは、ポートチャネルによって強化されます。

ポートチャネルの詳細については、『Cisco MDS 9000 シリーズ インターフェイス構成ガイド』を参照してください。

VSAN による、FICON と FCP の混在への対応

Cisco MDS 9000 ファミリの FICON 対応スイッチは、きわめて複雑な混在環境にも簡単に導入できるようになっています。各サービスに必要な VSAN を簡単に作成して、複数の論理 FICON、Z-Series Linux/FCP、および Open-Systems Fibre Channel Protocol(FCP)ファブリックを 1 つの物理ファブリックにオーバーレイできます。VSAN にはハードウェア独立サービスとプロトコル固有のファブリック サービスの両方が用意されているため、ゾーンベースの混在方式のような複雑さがなく、不安定になるおそれもありません。

Cisco MDS 9000 ファミリのどのスイッチにおいても、FICON 機能はデフォルトでディセーブルになっています。FICON 機能がディセーブルのときは、FC ID をシームレスに割り当てることが可能です。Cisco NX-OS ソフトウェアは混在環境に対応しています。FCP プロトコルと FICON プロトコルの混在に関する問題は、VSAN を実装すれば、Cisco MDS スイッチによって対処されます。

Cisco MDS 9000 ファミリのスイッチおよびディレクタは、FCP プロトコルと FICON プロトコルの混在をポートレベルでサポートしています。これらのプロトコルが同一スイッチ内に混在している場合は、FCP ポートと FICON ポートを切り離すためにVSAN を使用する必要があります。


Tip


混在環境を作成する際は、すべての FICON デバイスを(デフォルト VSAN 以外の)1 つの VSAN に配置し、FCP スイッチ ポートを(デフォルト VSAN 以外の)別個の VSAN に隔離してください。このようにして FCP と FICON を切り離すことにより、接続しているすべてのデバイスに対して正常な通信が保証されます。デフォルトの VSAN(VSAN 1)は、実稼働サービスには使用しないでください。


Cisco MDS 9000 でサポートされている FICON 機能

Cisco MDS 9000 ファミリの FICON 機能としては、次のものがあります。

  • 柔軟性と投資の保護:Cisco MDS 9700 モジュラ スイッチで共通のスイッチング モジュールとサービス モジュールは、Cisco MDS 9000 ファミリによって共有されます。

    Cisco MDS 9700 シリーズ マルチレイヤ ディレクタ ハードウェア設置ガイド』、Cisco MDS 9250i マルチサービス スイッチ ハードウェア設置ガイド』、 および『Cisco MDS 9220i ファブリック スイッチ ハードウェア設置ガイド』を参照してください。

  • 高可用性 FICON 対応ディレクタ:Cisco MDS 9700 シリーズは、すべての主要コンポーネントに対して稼働中のソフトウェア アップグレード、ステートフルなプロセス再起動/フェールオーバー、および十分な冗長性を可能にしたことで、ディレクタ クラスのアベイラビリティの新標準に準拠しています。Cisco MDS 9710 は、FCP、NVMe、および FICON 接続用に最大 384 個の自動検知、64/32/16/10/8/4/2 Gbps ファイバ チャネル ポートと、 FCIP リンクの 1/10/25/40 Gbps IP サービス ポートをサポートします。Cisco MDS 9706 は、FCP、NVMe、および FICON 接続用に最大 192 個の自動検知、64/32/16/10/8/4/2 Gbps ファイバ チャネル ポートと、 FCIP リンクの 1/10/25/40 Gbps IP サービス ポートをサポートします。Cisco MDS 9000 シリーズ 高可用性構成ガイドを参照してください。

  • インフラストラクチャの保護:共通ソフトウェア リリースによって、すべての Cisco MDS 9000 プラットフォーム間でインフラストラクチャを保護できます。「Cisco MDS 9000 NX-OS ソフトウェア アップグレードおよびダウングレード ガイド」を参照してください。

  • VSAN テクノロジー:Cisco MDS 9000 ファミリには、ハードウェアレベルで適用される VSAN テクノロジーが採用されています。VSAN テクノロジーは、単一物理ファブリック内の独立環境に対応しているため、物理インフラストラクチャを安全に共有しながら、FICON 混在のサポートを強化できます。「VSAN の設定と管理」を参照してください。

  • ポートレベルでの構成:BB クレジット、ビーコン モード、およびポート セキュリティをポートごとに設定できます。バッファ間クレジット、ビーコン LED、およびトランキングについては、『Cisco MDS 9000 シリーズ インターフェイス構成ガイド』を参照してください。

  • エイリアス名の構成:スイッチおよび接続されているノード デバイスに、WWN でなくユーザーフレンドリなエイリアスを設定できます。「ゾーンの設定と管理」を参照してください。

  • 包括的なセキュリティ フレームワーク:Cisco MDS 9000 ファミリは、RADIUS および TACACS+ 認証、簡易ネットワーク管理プロトコル バージョン 3(SNMPv3)、ロールベース アクセス コントロール、セキュア シェル プロトコル(SSH)、セキュア ファイル転送プロトコル(SFTP)、VSAN、ハードウェアベースのゾーン分割、ACL、ファブリック バインディング、Fibre Channel Security Protocol(FC-SP)、LUN ゾーン分割、読み取り専用ゾーン、および VSAN ベースのアクセス コントロールをサポートしています。RADIUS、TACACS+、FC-SP、および DHCHAP の詳細については、『Cisco MDS 9000 シリーズ セキュリティ構成ガイド』を参照してください。

  • トラフィックの暗号化:FCIP を介した IP セキュリティがサポートされています。FCIP を介して伝送された FICON、FCP と NVMe トラフィックを暗号化できます。「Cisco MDS 9000 シリーズ 包括的なセキュリティ フレームワーク セキュリティ構成ガイド」を参照してください。

  • ローカル アカウンティング ログ:ローカル アカウンティング ログを表示して、FICON イベントを検出できます。MSCHAP 認証およびローカル AAA サービスの詳細については、『Cisco MDS 9000 ファミリ NX-OS セキュリティ構成ガイド』を参照します。

  • 統合型ストレージ管理:Cisco MDS 9000 FICON 対応スイッチは、IBM CUP 規格に適合しており、IBM Z システム メインフレーム サーバーを使用した FICON 帯域内通信が可能です。「CUP インバンド管理」を参照してください。

  • ポートアドレスベースの構成:FICON ポート名属性は、FICON VSAN のポートに構成できます。FICON ポートの設定を参照してください。

  • 表示できる情報には、次のものがあります。

    • 個別のファイバ チャネル ポート(例:ポート名、ポート番号、ファイバ チャネル アドレス、動作ステート、ポート タイプ、ログイン データなど)

    • ポートに接続されているノード

    • ポートのパフォーマンスおよび統計情報

  • 構成ファイル:構成ファイルを保存して適用します。FICON コンフィギュレーション ファイルを参照してください。

  • FICON および開放型システム管理サーバー機能(インストール済みの場合)。VSAN による、FICON と FCP の混在への対応を参照してください。

  • 拡張カスケード サポート:CUP インバンド管理を参照してください。

  • [日時(Date and time)]:IBM Z Systems サーバーを有効にして、スイッチ上の FICON VSAN の日時を設定します。「ホストでタイムスタンプを制御できるようにする」を参照してください。

  • SNMP トラップの受け取り側およびコミュニティ名を構成します(FICON パラメータの SNMP 制御の設定 を参照)。

  • Call Home の構成:ディレクタ名、場所、説明、および担当者を構成します。Cisco MDS 9000 シリーズ システム管理構成ガイドを参照します

  • 優先するドメイン ID、FC ID の永続性、および主要スイッチの優先度の構成:ドメイン パラメータの構成の詳細については、『Cisco MDS 9000 シリーズ システム管理構成ガイド』を参照してください。

  • 詳細な SPAN(スイッチド ポート アナライザ)診断:Cisco MDS 9000 ファミリには、業界初のインテリジェント診断、プロトコル デコーディング、ネットワーク分析ツール、および統合された Call Home 機能が組み込まれているため、信頼性の向上、迅速な問題解決、およびサービス コストの削減が実現します。SPAN を使用したネットワーク トラフィックのモニタリングの詳細については、『Cisco MDS 9000 シリーズ システム管理構成ガイド』を参照してください。

  • R_A_TOV、E_D_TOV の構成:「ファイバチャネル タイムアウト値」の項(11-1 ページ)を参照してください。

  • ディレクタレベルのメンテナンス作業:障害分析をサポートするために、ディレクタのメンテナンス作業(たとえば、ファームウェア レベルのメンテナンス、ディレクタ ログへのアクセス、データ収集など)を実行します。システム プロセスおよびログのモニタリングの詳細については、『Cisco MDS 9000 シリーズ システム管理構成ガイド』を参照してください。

  • ポート レベルのインシデント アラート:ポート レベルのインシデント アラートを表示およびクリアします。「RLIR 情報のクリア」を参照してください。

FICON のカスケード化

Cisco MDS NX-OS ソフトウェアを使用して、FICON ネットワーク内で複数のスイッチの共存が可能になります。複数のスイッチを構成するには、各スイッチでファブリック バインディングをイネーブルにして構成する必要があります。Cisco MDS 9000 シリーズ セキュリティ構成ガイドを参照してください。

Cisco MDS 9000 シリーズ スイッチでサポートされる FICON トポロジは次のとおりです:

  • シングルホップ/従来のカスケード :このトポロジには、シングルホップ(またはスイッチ間の ISL のセット)を持つ 2 つのスイッチがあります。このサポートは、2004 年に FICON サポートが導入されてから存在しています。

  • マルチホップ カスケード :このトポロジでは、ホスト チャネルと関連する制御ユニット間で最大 4 つのスイッチを使用できます。これらのスイッチ間の ISL は、ファイバ チャネル ISL、ファイバ チャネル ISL で構成されたポート チャネル、FCIP ISL、または FCIP ISL で構成されたポート チャネルです。マルチホップ カスケードは約 2017 年に導入され、z13 System Z サーバー転送から始まります。

FICON VSAN の前提条件

FICON VSAN を稼働状態にするには、次の前提条件を満たしているかどうか確認してください。

  • ゾーン分割機能を使用していない場合は、デフォルト ゾーンを許可するように設定します。


    Tip


    アクティブ ゾーン セットを保存するのに、copy running-config startup-config コマンドを発行する必要はありません。ただし、明示的にフル ゾーン セットを保存するには、copy running-config startup-config コマンドを発行する必要があります。ファブリックに複数のスイッチが含まれている場合は、copy running-config startup-config fabric コマンドを実行する必要があります。fabric キーワードを指定すると、copy running-config startup-config コマンドがファブリック内のすべてのスイッチで実行され、フル ゾーン情報がファブリック内のすべてのスイッチのスタートアップ コンフィギュレーションに保存されます。これは、スイッチのリロードおよび電源再投入時に重要です。


  • VSAN 上で順序どおりの配信をイネーブルにします。「ファイバ チャネル ルーティング サービスおよびプロトコルの設定」を参照してください。

  • VSAN 上でファブリック バインディングをイネーブルにします(必要に応じて設定します)。ファブリック バインディングの詳細については、『Cisco MDS 9000 シリーズセキュリティ構成ガイド』を参照してください。

  • 拡張 FICON カスケードを使用している場合は、スイッチまたは FICON ファブリックの各 FICON VSAN に一意の静的ドメイン ID を構成して、競合する FC ID がスイッチに存在しないことを確認します。ドメイン パラメータの構成の詳細については、『Cisco MDS 9000 ファミリ NX-OS システム管理構成ガイド』を参照してください。

  • 構成されたドメイン ID と要求されたドメイン ID がスイッチで一致し、これらが IBM Z Systems サーバーの HCD 定義でスイッチに構成されているものと一致することを確認します。ドメイン パラメータの構成の詳細については、『Cisco MDS 9000 ファミリ NX-OS システム管理構成ガイド』を参照してください。

  • ゾーン分割を使用している場合は、ゾーンに CUP(エリア FE)を追加します。CUP インバンド管理を参照してください。

上記の前提条件がいずれか 1 つでも満たされていないと、FICON 機能をイネーブルにできません。

FICON ポート番号の設定

FICON 機能に関しては、Cisco MDS スイッチ内のポートが、静的に定義された 8 ビット値(ポート番号 )で識別されます。ポート番号は、最大 255 個まで使用できます。使用できるポート番号設定方式には、次のものがあります。

  • デフォルトのポート数

  • ユーザー割り当てポート番号

このセクションは、次のトピックで構成されています。


Note


FICON ポート番号を割り当てるスイッチ上でFICON 機能を有効にする必要があります(VSAN の FICON をイネーブルにする操作の概要を参照します)。


デフォルトの FICON ポート番号設定方式

Cisco MDS NX-OS ソフトウェアは、シャーシ内のモジュールとスロットに基づいて、デフォルトの FICON ポート番号を割り当てます。スイッチ内の最初のポートは、常にゼロ(0)で開始します(Cisco MDS 9000 ファミリ スイッチのデフォルトの FICON ポート番号設定 を参照)。

Figure 3. Cisco MDS 9000 ファミリ スイッチのデフォルトの FICON ポート番号設定

デフォルトの FICON ポート番号は、前面パネル上のポートの位置に基づいて、モジュールが属しているスロットに固有の値が割り当てられます。すべての Cisco MDS 9000 ファミリ スイッチの各スロットには、48 個のポート番号が割り当てられています。これらのデフォルト番号は、シャーシ内にモジュールが物理的に存在するかどうか、ポートのステータス(アップまたはダウン)、またはモジュールのポート数(24、または 48)に関係なく割り当てられます。モジュールのポートの数の方が、スロットに割り当てられたポート番号の個数よりも少ない場合、超過分のポート番号は使用されません。モジュールのポート数が、スロットに割り当てられたポート番号の個数よりも多い場合、ポート番号を手動で割り当てない限り、超過分のポートは FICON に使用できません。


Note


ficon slot Assign port-numbers コマンドを使用すると、デフォルトでスロットにマッピングされた超過ポートを利用できます。このポートは、他のスロットに追加のポート番号を手動で割り当てることによって、モジュールにポートがないためにアドレス指定できません。ただし、この手順を実行する前に、Cisco MDS 9000 スイッチのデフォルトのポート番号の割り当て(Table 1 Table 1)を確認し、予約済み FICON ポート番号設定方式の概要セクション、FICON ポート番号設定に関するガイドラインセクション、およびスロットへの FICON ポート番号の割り当てセクションを読んで、FICON ポートの番号設定を十分に理解しておくことをお勧めします。



Note


FICON ポート番号にマッピングされるのは、ファイバ チャネル、ポート チャネル、および FCIP ポートだけです。それ以外のタイプのインターフェイスでは、対応するポート番号が生成されません。

次のテーブルは、Cisco MDS 9000 ファミリのスイッチおよびディレクタ用のデフォルトのポート番号の割り当ての一覧です。

Table 1. Cisco MDS 9000 ファミリのデフォルト FICON ポート番号

製品

スロット番号

ポート番号の割り当て

ポート チャネル/FCIP へ

特殊(割り当て不可)ポート番号

Cisco MDS 9250i シリーズ

スロット 1

0 ~ 39

240 ~ 253

254 ~ 255

Cisco MDS 9220i シリーズ

スロット 1

0 ~ 11

240 ~ 253

254 ~ 255

Cisco MDS 9710 ディレクタ

スロット 1

0 ~ 47

240 ~ 253

254 ~ 255

スロット 2

48 ~ 95

スロット 3

96 ~ 143

スロット 4

144 ~ 191

スロット 5:スーパーバイザ

なし

スロット 6:スーパーバイザ

なし

スロット 7

192 ~ 239

スロット 8

なし

スロット 9

なし

スロット 10

なし

Cisco MDS 9706

スロット 1

0 ~ 47

240 ~ 253

254 ~ 255

スロット 2

48 ~ 95

スロット 3:スーパーバイザ

なし

スロット 4:スーパーバイザ

なし

スロット 5

96 ~ 143

スロット 6

144 ~ 191

ポート アドレス

デフォルトでは、ポート番号はポート アドレスと同じです。ポート アドレスはスワッピングできます(ポート スワッピングを参照)。

ポート アドレスをスワッピングするには、ficon swap portnumber コマンドを実行します。

実装ポートおよび非実装ポートのアドレス

実装ポートとは、デフォルトでシャーシ内のスロットに割り当てられるすべてのポート アドレスです(デフォルト設定を参照)。非実装ポートとは、デフォルトでシャーシ内のスロットに割り当てられないすべてのポート アドレスです(デフォルト設定を参照)。

予約済み FICON ポート番号設定方式の概要

250 個のポート番号のいずれかを使用して、スイッチ上のすべてのポートへの割り当てができます。デフォルト設定に示すように、スイッチの物理ポート数が 250 個を超えた場合、デフォルト番号設定方式では超過分のポートにポート番号を設定できません。スイッチの物理ポート数が 250 個を超えた場合は、FICON VSAN に存在しないポートにはポート番号を割り当てないでおく、あるいは同一の FICON VSAN で使用されていない重複ポート番号を割り当てるなどの方法で対処できます。たとえば、FICON VSAN 10 のインターフェイス fc1/1、および FICON VSAN 20 のインターフェイス fc10/1 に、ポート番号 1 を設定できます。


Note


1 つの VSAN に設定できるポート数は、最大 250 個です。

Note


アクティブになっているポートの FICON ポート番号は変更されません。最初に shutdown コマンドを使用して、インターフェイスをディセーブルにする必要があります。

Note


スロットにモジュールが設置されていない場合でも、ポート番号を設定できます。

インストレーション ポートおよび非インストレーション ポート

インストレーション ポートとは、必要なすべてのハードウェアが搭載されているポートです。次の条件のいずれか 1 つが適用される場合、VSAN 内の指定のポート番号を実装ポートにできます。ただし、インストレーション ポートにはできません。

  • モジュールが存在しない場合(たとえば、モジュール 1 が Cisco MDS 9710 ディレクタのスロット1 に物理的に存在していない場合)、ポート番号 0 ~ 47 は非インストレーション ポートと見なされます。

  • Small Form-Factor Pluggable(SFP)ポートが存在しない場合(たとえば、Cisco MDS 9710 ディレクタのスロット 2 に 48 ポート モジュールが挿入されていて、と非 SFP がモジュールに挿入されている場合)、ポート 48 ~ 95 は非インストレーション ポートと見なされます。

  • スロット 1 には、ポート 0 ~ 47 がデフォルトで割り当てられています。VSAN 2 内に存在する物理ポートは、ポート番号 4 の 物理ポート fc1/5 だけです。残りの物理ポートは VSAN 2 内に存在していません。FICON 対応 VSAN では常に、ポート番号 0 ~ 254 は実装ポートと見なされます。つまり、VSAN 2 に存在しているのは、ポート番号 0 ~ 254 と、1 つの物理ポート fc1/4 です。対応する物理ポート 0 ~ 3、および 5 ~ 254 は VSAN 2 内に存在しません。これらのポート番号は VSAN 2 内に物理ポートが存在しないため、FICON VSAN ポート アドレスを表示したときにインストレーション ポート(例:ポート 0 ~ 3、5 ~ 254 など)としては表示されません。

    もう 1 つのシナリオは、VSAN 2 ~ 5 が FICON に対応していて、トランキング対応インターフェイス fc1/1 に VSAN 4 ~ 10 が設定してある場合です。この場合、VSAN 2 と VSAN 3 ではポート アドレス 0 が非インストレーション ポートになります。

  • 該当のポートがポートチャネルの一部であると想定した場合(たとえば、インターフェイス fc 1/1 がポートチャネル 5 に属している場合)、すべての FICON VSAN でポート アドレス 0 が非インストレーション ポートになります。「デフォルト設定」を参照してください。

FICON ポート番号設定に関するガイドライン

FICON ポート番号には、次のガイドラインが適用されます。

  • スーパーバイザ モジュールには、ポート番号割り当てがありません。

  • ポート番号は TE ポートに応じて変更されません。TE ポートは複数の VSAN で使用される間、TE ポート用にシャーシ規模の一意のポート番号を予約しておく必要があります。

  • 各ポートチャネルを割り当て済みの論理的なポート ナンバーのプールから FICON ポート番号に明示的に関連付ける必要があります。

  • ファイバ チャネル ISL が PortChannel のメンバーになると、この物理インターフェイスの FICON ポート番号は、PortChannel に割り当てられた FICON ポート番号の一部になるため、この VSAN からアンインストールされます。

  • ファイバ チャネル ISL が PortChannel から削除されると、この物理インターフェイスの FICON ポート番号は、その一部であるこの VSAN に対してインストールされます。

  • 各 FCIP インターフェイスを論理的な FICON ポート番号に明示的に関連付ける必要があります。

  • FCIP インターフェイスが PortChannel(独自の論理 FICON ポート番号を持つ)のメンバーになると、FCIP インターフェイス自体に関連付けられた論理 FICON ポート番号も保持されます。

  • 論理ポート番号が PortChannel または FCIP インターフェイスに割り当てられていない場合、これらのインターフェイスは FICON VSAN に対して起動しません。

FCIP およびポートチャネルのポート番号の概要」を参照してください。

スロットへの FICON ポート番号の割り当て

show ficon port-number assign コマンドと show ficon first-available port-number コマンドを使用して、使用するポート番号を決定することができます。


Caution


ポート番号を割り当て、変更、またはリリースすると、ポートが再ロードされます。


FICON ポート番号をスロットに割り当てる手順は、次のとおりです。

Procedure


Step 1

switch# config t

switch(config)#

コンフィギュレーション モードに入ります。

Step 2

switch(config)# ficon slot 3 assign port-numbers 0-15, 48-63

スロット 3 の最大 32 のインターフェイス用に FICON ポート番号 0 ~ 15 と 48 ~ 63 を予約します。

Step 3

switch(config)# ficon slot 3 assign port-numbers 0-15, 17-32

スロット 3 の最初の 16 インターフェイス用に FICON ポート番号 0 ~ 15 を予約し、次の 16 のインターフェイス用に 17 ~ 32 を予約します。

Step 4

switch(config)# ficon slot 3 assign port-numbers 0-63

スロット 3 の最大 64 のインターフェイス用に FICON ポート番号 0 ~ 63 を予約します。

Step 5

switch(config)# ficon slot 3 assign port-numbers 0-15, 56-63

スロット 3 の最大 24 のインターフェイス用に予約されている FICON ポート番号を変更します。

Step 6

(Optional) switch(config)# no ficon slot 3 assign port-numbers 0-15, 56-63

FICON ポート番号を解放します。


FICON ポート番号割り当ての表示

スイッチに割り当てられているポート番号を表示するには、 show ficon port-numbers assign コマンドを使用します。


switch# show ficon port-numbers assign
ficon slot 1 assign port-numbers 0-31
ficon slot 2 assign port-numbers 32-63
ficon slot 3 assign port-numbers 64-95
ficon slot 4 assign port-numbers 96-127
ficon logical-port assign port-numbers 128-153

特定のスロットに割り当てられているポート番号を表示するには、show ficon port-numbers assign slot コマンドを使用します。


switch# show ficon port-numbers assign slot 2
ficon slot 2 assign port-numbers 32-63

論理ポート用に予約されているポート番号を表示するには、 show ficon port-numbers assign コマンドを使用します。


switch# show ficon port-numbers assign logical-port
ficon logical-port assign port-numbers 128-153

FCIP およびポートチャネルのポート番号の概要

FCIP および PortChannel は、ポート番号に明示的にバインドしておかないと、FICON 対応 VSAN で使用できません。

FICON ポートの設定FICON およびポートチャネル インターフェイス用の FICON ポート番号の予約、およびFCIP インターフェイスへのポート番号のバインドを参照してください。

デフォルト ポート番号が使用可能な場合(Table 1を参照)、あるいはファイバ チャネル インターフェイス用に予約されていないポート番号のプールからポート番号を予約する場合(予約済み FICON ポート番号設定方式の概要を参照)、デフォルト ポート番号を使用できます。

FCIP または PortChannel インターフェイスのバインドに最初に使用できるポート番号を確認するには、show ficon first-available port-number コマンドを使用します(使用可能なポート番号の表示 を参照)。


Tip


マッピングのインターフェイスとなるポート番号を表示するには、show ficon vsan portaddress brief コマンドを使用します。ポートチャネル/FCIP 範囲内で、PortChannel または FCIP インターフェイスに割り当てられていないポート番号を割り当てることができます(要約形式でのポート番号情報の表示) を参照)。


FICON およびポートチャネル インターフェイス用の FICON ポート番号の予約

FCIP やポートチャネルなどの論理インターフェイスを使用する予定がある場合は、使用する論理インターフェイス用にポート番号を予約しておく必要があります。

FICON ポート番号を論理インターフェイス用に予約するには、次の手順を実行します。

Procedure


Step 1

switch# config t

switch(config)#

コンフィギュレーション モードに入ります。

Step 2

switch(config)# ficon logical-port assign port-numbers 230-249

FCIP および PortChannel インターフェイス用にポート番号 230 ~ 249 を予約します。

Step 3

switch(config)# ficon logical-port assign port-numbers 0xe6-0xf9

FCIP および PortChannel インターフェイス用にポート番号 0xe6 ~ 0xf9 を予約します。

Note

 
アクティブなポート番号は変更できません。shutdown コマンドを使用してインターフェイスを無効にし、no ficon portnumber コマンドを使用してポート番号をアンバインドする必要があります。「FICON ポートの設定」を参照してください。

Step 4

switch(config)# no ficon logical-port assign port-numbers 230-249

ポート番号を解放します。

Note

 
インターフェイスのアクティブなポート番号はリリースできません。shutdown コマンドを使用してインターフェイスを無効にし、no ficon portnumber コマンドを使用してポート番号をアンバインドする必要があります。「FICON ポートの設定」を参照してください。

FC ID の割り当て

FICON には予測可能なスタティック FC ID 割り当て方式が必要です。FICON がイネーブルのときは、接続先ポートのポート アドレスに応じた FC ID がデバイスに割り当てられます。ポートアドレスは、ファブリック アドレスの中央バイトを構成しています。また、ファブリック内のデバイスはすべて、ファブリック アドレスの最終バイトが同一である必要があります。最終バイト値はデフォルトでは 0 ですが、他の値を設定することも可能です。


Note


FICON VSAN のドメイン ID は、静的である必要があるため、FICON 対応 VSAN では、固定的 FC ID を構成できません。


Cisco MDS スイッチ用に、ダイナミック FC ID 割り当て方式が用意されています。VSAN 上で FICON を有効または無効にすると、すべてのポートがシャット ダウンし、ダイナミック FC ID からスタティック FC ID に、あるいはその逆方向にスイッチングされます(FICON 用スタティック FC ID の割り当てを参照)。

Figure 4. FICON 用スタティック FC ID の割り当て

FICON の設定

Cisco MDS 9000 ファミリのどのスイッチにおいても FICON はデフォルトでディセーブルになります。Device Manager を使用すると、VSAN 単位で FICON をイネーブルにできます。

このセクションは、次のトピックで構成されています。

VSAN の FICON をイネーブルにする操作の概要

スイッチ上のどの VSAN においても FICON はデフォルトでディセーブルになります。

VSAN 単位で FICON をイネーブルにするには、次の方法があります。

  • 自動 setup ficon コマンドを使用します。

    基本 FICON 設定のセットアップを参照してください。

  • 各前提条件を手動でアドレッシングします。

    FICON の概要を参照してください。

  • Device Manager を使用します。

  • Cisco MDS スイッチで FICON FICON 機能をイネーブルにすると、次の制約が適用されます。

    • FICON 対応 VSAN では、順序どおりの配信をディセーブルにできません。

    • FICON 対応 VSAN では、ファブリック バインディングまたはスタティック ドメイン ID 設定をディセーブルにできません。

    • ロードバランシング方式が Source ID(SID)-Destination ID(DID)に変更されます。SID—DID—OXID に戻すことはできません。

    • IPL コンフィギュレーション ファイルが自動的に作成されます。

    FICON コンフィギュレーション ファイルの概要を参照してください。


Tip


同一の FICON 対応スイッチにログインしている複数ユーザーは、Device Manager を使用して、FICON の自動保存を起動できます。Device Manager は FICON 対応スイッチであれば機種に関係なく定期自動保存を実行するため、結果として FICON キー カウンタが増加します。キー カウンタの増加から、実際には発生しなかった変更を特定できます。こうした変更を回避するために、FICON 対応スイッチを Device Manager の 1 インスタンスだけに監視させる設定を推奨します。


スイッチでの FICON の有効化

Cisco MDS 9000 ファミリのどのスイッチにおいても FICON はデフォルトで無効化されます。VSAN で FICON を有効にすることで、スイッチで FICON を明示的または暗黙的に有効にできます。ただし、すべての VSAN で FICON を無効にしても、スイッチの FICON は無効になりません。FICON を明示的に無効にする必要があります。

スイッチの FICON をグローバルに有効または無効にするには、次の手順を実行します。

Procedure


Step 1

switch# config t

switch(config)#

コンフィギュレーション モードに入ります。

Step 2

switch(config)# feature ficon

スイッチの FICON をグローバルにイネーブルにします。

Step 3

switch(config)# no feature ficon

スイッチで FICON をグローバルに無効化し、すべての FICON 設定を削除します。


基本 FICON 設定のセットアップ

ここでは、Cisco MDS 9000 ファミリ スイッチの特定の VSAN で FICON をセットアップする方法を、手順を追って説明します。


Note


任意のプロンプトで Ctrl-C キーを押すと、残りの設定オプションを飛ばして、設定手順を先に進めることができます。

Tip


事前に設定された質問に応答しない場合、または任意の質問の回答を省略する場合は、Enter キーを押します。デフォルトの回答が見つからない場合(たとえば、スイッチ名)、スイッチは以前の設定を使用して、次の質問にスキップします。


FICON を有効にして設定するには、次の手順を実行します。

Procedure


Step 1

EXEC コマンド モードで setup ficon コマンドを入力します。


switch# setup ficon
                --- Ficon Configuration Dialog ---
This setup utility will guide you through basic Ficon Configuration
on the system.
Press Enter if you want to skip any dialog. Use ctrl-c at anytime
to skip all remaining dialogs.

Step 2

yes と入力して(デフォルトは yes )、基本 FICON 設定セットアップを開始します。


Would you like to enter the basic configuration dialog (yes/no) [yes]: yes

FICON セットアップ ユーティリティでは、手順に従って、基本的な設定プロセスを完了できます。どのプロンプトでも、Ctrl-C キーを押すと、設定プロセスが終了します。

Step 3

FICON を有効にする必要がある VSAN の番号を入力します。


Enter vsan [1-4093]:2

Step 4

VSAN を作成するには、yes と入力します(デフォルトは yes )。


vsan 2 does not exist, create it? (yes/no) [yes]: yes

Step 5

VSAN の選択を確定するには、yes と入力します(デフォルトは yes )。


Enable ficon on this vsan? (yes/no) [yes]: yes

Note

 
この時点で VSAN がまだ作成されていない場合は、ソフトウェアにより作成されます。

Step 6

指定された FICON VSAN のドメイン ID 番号を入力します。


Configure domain-id for this ficon vsan (1-239):2

Step 7

カスケード モードで FICON を設定するには、yes と入力します(デフォルトは no )。no を入力する場合は、ステップ 8 に進みます(CUP インバンド管理を参照)。


Would you like to configure ficon in cascaded mode: (yes/no) [no]: yes
  1. 接続された FICON スイッチのピア WWN を割り当てます。

    
    Configure peer wwn (hh:hh:hh:hh:hh:hh:hh:hh): 11:00:02:01:aa:bb:cc:00
    
  2. 接続された FICON スイッチのピア ドメイン ID を割り当てます。

    
    Configure peer domain (1-239) :4
    
  3. 追加のピアを設定する場合は yes と入力します(ステップ 7a と 7b を繰り返します)。追加のピアを設定しない場合は no と入力します。

    
    Would you like to configure additional peers: (yes/no) [no]: no
    

Step 8

SNMP に対し既存のポート接続パラメータの変更を許可するには、yes と入力します(デフォルトは yes )(FICON パラメータの SNMP 制御の設定を参照)。


Enable SNMP to modify port connectivity parameters? (yes/no) [yes]: yes

Step 9

必要に応じて、ホスト(メインフレーム)がポート接続パラメータを変更できるようにするには、no と入力します(デフォルトは no )(ホストで FICON ポート パラメータを変更できるようにするにはを参照)。


Disable Host from modifying port connectivity parameters? (yes/no) [no]: no

Step 10

yes と入力し(デフォルトは yes )、active equals saved 機能を有効にします(実行構成の自動保存を参照)。


Disable Host from modifying port connectivity parameters? (yes/no) [no]: no

Step 11

追加の FICON VSAN を設定するには、yes と入力します(デフォルトは yes )。


Disable Host from modifying port connectivity parameters? (yes/no) [no]: no

Step 12

ここまでに入力した設定を確認して修正します。

Step 13

設定に問題がなければ、no と入力します(デフォルトは no )。

Note

 
説明のため、次の設定では異なる FICON 設定の VSAN を 3 つ示しています。次に、さまざまな FICON シナリオでのこれらの設定による出力の例を示します。

次の構成が適用されます:

fcdomain domain 2 static vsan 1
fcdomain restart disruptive vsan 1
fabric-binding database vsan 1
swwn 11:00:02:01:aa:bb:cc:00 domain 4
fabric-binding activate vsan 1
zone default-zone permit vsan 1
ficon vsan 1
no host port control
fcdomain domain 3 static vsan 2
fcdomain restart disruptive vsan 2
fabric-binding activate vsan 2 force
zone default-zone permit vsan 2
ficon vsan 2
no host port control
no active equals saved
vsan database
vsan 3
fcdomain domain 5 static vsan 3
fcdomain restart disruptive vsan 3
fabric-binding activate vsan 3 force
zone default-zone permit vsan 3
ficon vsan 3
no snmp port control
no active equals saved
Would you like to edit the configuration? (yes/no) [no]: no

Step 14

この設定を使用および保存する場合は、yes と入力します(デフォルトは yes )。実装されたコマンドが表示されます。指定された VSAN で FICON が有効になった後で、EXEC モード スイッチ プロンプトが再び表示されます。


Use this configuration and apply it? (yes/no) [yes]: yes
`fcdomain domain 2 static vsan 1`
`fcdomain restart disruptive vsan 1`
`fabric-binding database vsan 1`
`swwn 11:00:02:01:aa:bb:cc:00 domain 4`
`fabric-binding activate vsan 1`
`zone default-zone permit vsan 1`
`ficon vsan 1`
`no host port control`
`fcdomain domain 3 static vsan 2`
`fcdomain restart disruptive vsan 2`
`fabric-binding activate vsan 2 force`
`zone default-zone permit vsan 2`
`ficon vsan 2`
`no host port control`
`no active equals saved`

Note

 
新しい VSAN が作成された場合、2 つの追加コマンド(vsan database vsan number )が表示されます。

`vsan database`
`vsan 3`
`in-order-guarantee vsan 3`
`fcdomain domain 2 static vsan 3`
`fcdomain restart disruptive vsan 3`
`fabric-binding activate vsan 3 force`
`zone default-zone permit vsan 3`
`ficon vsan 3`
`no snmp port control`
Performing fast copy config...done.
switch#

VSAN での手動での FICON のイネーブル化


Note


ここでは、VSAN 上で手動で FICON をイネーブルにする手順について説明します。自動セットアップを使用して(推奨)、所定の VSAN 上で FICON をイネーブルにしてある場合は、実行構成の自動保存に進んでください。

VSAN 上で FICON を手動で有効にするには、次の手順を実行します。

Procedure


Step 1

switch# config t


switch(config)#

コンフィギュレーション モードに入ります。

Step 2

switch(config)# vsan database


switch(config-vsan-db)# vsan 5 
switch(config-vsan-db)# show vsan usage 
4 vsan configured
configured vsans:1-2,5,26
vsans available for configuration:3-4,6-25,27-4093
switch(config-vsan-db)# exit 

VSAN 5 を有効にします。

Step 3

switch(config)# in-order-guarantee vsan 5

VSAN 5 の順序どおりの配信をアクティブにします。

ファイバ チャネル ルーティング サービスおよびプロトコルの設定を参照してください。

Step 4

switch(config)# fcdomain domain 2 static vsan 2

VSAN 2 のドメイン ID を構成します。

ドメイン パラメータの構成の詳細については、『Cisco MDS 9000 ファミリ NX-OS システム管理構成ガイド』を参照してください。

Step 5

switch(config)# fabric-binding activate vsan 2 force

VSAN 2 のファブリック バインディングをアクティブにします。

Cisco MDS 9000 シリーズ セキュリティ構成ガイドを参照してください。

Step 6

switch(config)# zone default-zone permit vsan 2

VSAN 2 に許可するデフォルト ゾーンを設定します。

Step 7

switch(config)# ficon vsan 2

switch(config-ficon)#

VSAN 2 で FICON を有効にします。

Step 8

switch(config)# no ficon vsan 6

VSAN 6 で FICON 機能を無効にします。

Step 9

switch(config-ficon)# no host port control

メインフレーム ユーザーに対し、スイッチをオフライン状態に移行することを禁止します。

ホストでスイッチをオフラインに移行できるようにするには」を参照してください。


[code-page] オプションの構成

FICON ストリングは、拡張 2 進化 10 進コード(EBCDIC)フォーマットで符号化されます。コード ページ オプションの詳細については、IBM システム Z サーバーのマニュアルを参照してください。

Cisco MDS スイッチは、 international-5 france brazil germany italy japan spain-latinamerica uk 、および us-canada (デフォルト)EBCDIC フォーマット オプションをサポートします。


Tip


この設定は、オプションです。使用する EBCDIC フォーマットが不明な場合は、us-canada (デフォルト)オプションを引き続き使用することを推奨します。


VSAN で code-page オプションを設定するには、次の手順を実行します。

Procedure


Step 1

switch# config t

switch(config)#

コンフィギュレーション モードに入ります。

Step 2

switch(config)# ficon vsan 2

switch(config-ficon)#

VSAN 2 で FICON を有効にします。

Step 3

switch(config-ficon)# code-page italy

italy EBCDIC フォーマットを設定します。

Step 4

switch(config-ficon)# no code-page

(任意)us-canada EBCDIC フォーマットを使用する出荷時デフォルトに戻します。


ホストでスイッチをオフラインに移行できるようにするには

デフォルトでは、ホストでスイッチをオフライン状態に移行できます。スイッチをオフラインにするには、ホストから「Set offline」コマンド(x'FD')を CUP に送信します。

ホストでスイッチをオフライン状態に移行できるようにするには、次の手順を実行します。

Procedure


Step 1

switch# config terminal

switch(config)#

コンフィギュレーション モードに入ります。

Step 2

switch(config)# ficon vsan 2

switch(config-ficon)#

VSAN 2 で FICON を有効にします。

Step 3

switch(config-ficon)# no host control switch offline

メインフレーム ユーザーに対し、スイッチをオフライン状態に移行することを禁止します。

Step 4

switch(config-ficon)# host control switch offline

ホストでスイッチをオフライン状態(デフォルト)に移行できるようにし、ポートをシャットダウンします。


ホストで FICON ポート パラメータを変更できるようにするには

デフォルトでメインフレーム ユーザーに許可されるのはスイッチのクエリーだけであり、Cisco MDS スイッチの FICON パラメータ設定は許可されません。

メインフレーム ユーザーが FICON パラメータを設定できるようにするには、host port control コマンドを使用します。

ホスト(メインフレーム)で Cisco MDS スイッチの FICON パラメータの設定を許可するには、次の手順を実行します。

Procedure


Step 1

switch# config terminal

switch(config)#

コンフィギュレーション モードに入ります。

Step 2

switch(config)# ficon vsan 2

switch(config-ficon)#

VSAN 2 で FICON を有効にします。

Step 3

switch(config-ficon)# no host port control

メインフレーム ユーザーに対し、Cisco MDS スイッチで FICON パラメータの設定を禁止します。

Step 4

switch(config-ficon)# host port control

メインフレーム ユーザーに対し、Cisco MDS スイッチで FICON パラメータの設定を許可します(デフォルト)。


ホストでタイムスタンプを制御できるようにする

デフォルトでは、各 VSAN のクロックはスイッチ ハードウェアと同一のクロックになります。Cisco MDS 9000 ファミリ スイッチにおいて各 VSAN は、仮想ディレクタとなっています。各仮想ディレクタに存在するクロックと時刻は異なる場合があります。VSAN ごとの別々のクロックを保守するために、VSAN 固有のクロックとハードウェアベースのディレクタ クロックとの差分が Cisco NX-OS ソフトウェアによって保守されています。IBM システム Z サーバーで時刻が設定されると、クロック間の差異が Cisco NX-OS ソフトウェアにより更新されます。ホストがクロックを読み取ると、VSAN クロックと現在のディレクタ ハードウェア クロックとの差分が計算され、値がメインフレームに提示されます。

VSAN クロックの現行時刻は、show ficon vsan vsan-id show ficon 、および show accounting log コマンドの出力に示されます。

タイムスタンプのホスト制御を設定するには、次の手順を実行します。

Procedure


Step 1

switch# config terminal

switch(config)#

コンフィギュレーション モードに入ります。

Step 2

switch(config)# ficon vsan 2

switch(config-ficon)#

VSAN 2 で FICON を有効にします。

Step 3

switch(config-ficon)# no host set-timestamp

メインフレーム ユーザーに対し、VSAN 固有のクロックを変更することを禁止します。

Step 4

switch(config-ficon)# host set-timestamp

ホストでこのスイッチのクロックを設定できるようにします(デフォルト)。


タイム スタンプのクリア


Note


タイム スタンプは、メインフレームではなく Cisco MDS スイッチでのみクリアできます。

VSAN クロックをクリアするには、EXEC モードで clear ficon vsan vsan-id timestamp コマンドを使用します。


switch# clear ficon vsan 20 timestamp

FICON パラメータの SNMP 制御の設定

FICON パラメータの SNMP 制御を設定するには、次の手順を実行します。

Procedure


Step 1

switch# config t

switch(config)#

コンフィギュレーション モードに入ります。

Step 2

switch(config)# ficon vsan 2

switch(config-ficon)#

VSAN 2 で FICON を有効にします。

Step 3

switch(config-ficon)# no snmp port control

SNMP ユーザーに対し FICON パラメータの設定を禁止します。

Step 4

switch(config-ficon)# snmp port control

SNMP ユーザーに対し FICON パラメータの設定を許可します(デフォルト)。


FICON デバイスの従属関係の概要

FICON では、現在実行されているセッションのデバイス従属関係を制御することによって、Cisco MDS 9000 ファミリ スイッチ上で複数のメインフレーム、CLI、および SNMP セッション間のアクセスをシリアル化する必要があります。他のセッションに設定変更の実行を許可するには、所定の従属関係を使用可能にする必要があります。


Caution


この作業により、現在実行中のセッションが破棄されます。


FICON デバイスの従属関係のクリア

現在のデバイス従属関係をクリアするには、EXEC モードで clear ficon vsan vsan-id allegiance コマンドを実行します。

switch# clear ficon vsan 1 allegiance

実行構成の自動保存

Cisco MDS NX-OS には、スタートアップ コンフィギュレーションに加えられた設定変更を自動保存するオプションが用意されています。この自動保存によって、スイッチのリブート後も、新しい設定が消去されずに済みます。デフォルトでは、Active=Saved active equals saved オプションがすべての FICON VSAN で自動的に有効になっています。

Table 1 は、さまざまなシナリオでの Active = Saved オプション active equals saved コマンドの結果と、実行 コンフィギュレーションからスタートアップ コンフィギュレーションに暗黙的にコピーした結果(copy running start copy running-config startup-config コマンドを示したものです。

ファブリック内の任意の FICON 対応 VSAN で Active=Saved オプション active equals saved コマンドがイネーブルな場合は、次のようになります(Table 1の番号 1 と番号 2 を参照)。

  • 設定変更はすべて(FICON 固有のものかどうかに関係なく)、永続ストレージに自動的に保存され(暗黙的に copy running start が実行され)、さらにスタートアップ コンフィギュレーション内に保管されます。

  • FICON 固有の設定変更は、ただちに IPL ファイルに保存されます(FICON コンフィギュレーション ファイル を参照)。

Active=Saved option active equals saved コマンドがファブリック内のすべての FICON 対応 VSAN で有効にされていない場合、FICON 固有の設定変更が IPL ファイルに保存されず、暗黙の copy running startup コマンドは、実行されないため、実行構成をスタートアップ構成に明示的に保存する必要があります。 copy running start コマンドを明示的に使用します( Table 1の番号 3 を参照)。

Table 2. アクティブな FICON およびスイッチ設定の保存

番号

FICON 対応 VSAN かどうか

active equals saved がイネーブルかどうか

暗黙的 copy running start

が発行されたかどうか

注意事項

1

はい

(すべての FICON VSAN で)イネーブル

暗黙的

FICON の変更内容は IPL ファイルに書き込まれました。

FICON 以外の変更内容は、スタートアップ コンフィギュレーションおよび永続ストレージに保存されます。

2

はい

(1 つの FICON VSAN で)イネーブル

暗黙的

active equals saved オプションがイネーブルな VSAN でだけ、FICON の変更は IPL ファイルに書き込まれました。

FICON 以外の変更内容は、スタートアップ コンフィギュレーションおよび永続ストレージに保存されます。

3

はい

(すべての FICON VSAN で)ディセーブル

非暗黙的

FICON の変更内容は IPL ファイルに書き込まれません。

copy running start コマンドを明示的に発行した場合に限り、FICON 以外の変更内容が永続ストレージに保存されます。

4

いいえ

N/A


Note


active equals saved が有効な場合、Cisco NX-OS ソフトウェアでは、FICON 設定で copy running startup コマンドを実行する必要がありません。スイッチまたはファブリックが複数の FICON 対応 VSAN で構成されており、これらの VSAN の 1 つで active equals saved が有効な場合、FICON 以外の設定を変更すると、すべての設定がスタートアップ コンフィギュレーションに保存されます。

実行コンフィギュレーションを自動的に保存するには、次の手順を実行します。

Procedure


Step 1

switch# config terminal

switch(config)#

コンフィギュレーション モードに入ります。

Step 2

switch(config)# ficon vsan 2

switch(config-ficon)#

VSAN 2 で FICON を有効にします。

Step 3

switch(config-ficon)# active equals saved

スイッチまたはファブリック内のすべての VSAN の自動保存機能をイネーブルにします。

Step 4

switch(config-ficon)# no active equals saved

(任意)この VSAN の自動保存を無効にします。


FICON ポートの設定

Cisco MDS 9000 ファミリ スイッチでは、ポート アドレス単位で FICON の設定を実行できます。

ポートがインストールされていないポートの場合でも、Cisco MDS スイッチではポート アドレスベースの構成が可能です。この設定がポートに適用されるのは、ポートがインストレーション ポートになった場合です。

このセクションは、次のトピックで構成されています。

PortChannel へのポート番号のバインド


Caution


FICON がすべての VSAN で無効になっていると、PortChannel または FCIP インターフェイスへのポート番号割り当てがすべて失われます(復元できません)。


PortChannel を FICON ポート番号にバインドする(関連付ける)と、そのインターフェイスを起動できます。

FICON ポート番号に PortChannel をバインドするには、次の手順を実行します。

Procedure


Step 1

switch# config terminal

switch(config)#

コンフィギュレーション モードに入ります。

Step 2

switch(config)# interface Port-channel 1

switch(config-if)#

PortChannel インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。

Step 3

switch(config-if)# ficon portnumber 234

選択された PortChannel ポートに FICON ポート番号を割り当てます。


FCIP インターフェイスへのポート番号のバインド

FICON ポート番号に FCIP インターフェイスをバインドする(関連付ける)ことで、そのインターフェイスを起動できます。

FICON ポート番号に FCIP インターフェイスをバインドするには、次の手順を実行します。

Procedure


Step 1

switch# config t

switch(config)#

コンフィギュレーション モードに入ります。

Step 2

switch1(config)# interface fcip 51

switch1(config-if)#

FCIP インターフェイス(51)を作成します。

Step 3

switch(config-if)# ficon portnumber 208

選択された FCIP インターフェイスに FICON ポート番号を割り当てます。


ポート ブロッキングの設定

ポートをブロックした場合、ポートは運用停止状態のままになります。ポートのブロックを解除すると、ポートの初期化が試行されます。ブロックされているポート上では、データおよび制御トラフィックが許可されません。

物理ファイバ チャネル ポートをブロックした場合は引き続き、ブロックされたポート上に Off-Line State(OLS)プリミティブ シーケンスが転送されます。


Note


FICON VSAN 内のゾーン分割デバイスは、現在禁止されている FICON ポートと競合する可能性があるため、使用しないでください。ゾーン分割とポート禁止を同一 VSAN 内で使用することは推奨されません。

Caution


CUP ポート(0XFE)は、ブロックまたは禁止できません。


シャットダウンしているポートは、ブロック解除しても初期化されません。


Note


shutdown /no shutdown ポート状態は、block /no block ポート状態に依存しません。

VSAN のポート アドレスをブロックまたはブロック解除するには、次の手順を実行します。

Procedure


Step 1

switch# config terminal

switch(config)#

コンフィギュレーション モードに入ります。

Step 2

switch(config)# ficon vsan 2

switch(config-ficon)#

VSAN 2 で FICON を有効にします。

Step 3

switch(config-ficon)# portaddress 1 - 5

switch(config-ficon-portaddr)#

詳細な設定を行うため、ポート アドレス 1 ~ 5 を選択します。

Step 4

switch(config-ficon-portaddr)# block

一連のポート アドレスを無効にし、運用停止状態で維持します。

Step 5

switch(config-ficon-portaddr)# no block

選択されたポート アドレスを有効にし、工場出荷時デフォルト(ポート アドレスがブロックされていない状態)に戻します。


ポートの禁止

実装ポート間の相互通信を禁止するには、複数ポート間の禁止を設定します。複数ポート間の禁止により、指定されたポート間の相互通信は禁止されます。


Tip


ポートチャネル インターフェイスまたは FCIP インターフェイスは、使用禁止には設定できません。


非実装ポートは、常に使用禁止になります。また、禁止設定は常に対称的に適用されます。ポート 0 に対してポート 15 との通信を禁止すると、ポート 15 に対しても自動的にポート 0 との通信が禁止されます。


Note


インターフェイスがすでに E モードまたは TE モードに設定されている場合は、対象のポートを使用禁止にしようとしても、禁止設定が拒否されます。同様に、非稼働状態のポートは、使用禁止にしてしまうと E モードまたは TE モードで起動できません。

ポート禁止のデフォルト状態の設定

デフォルトでは、スイッチに実装されるインターフェイスではポート禁止が無効になっています。Cisco MDS SAN-OS Release 3.0(2) の時点では、各自が作成した VSAN でデフォルトのポート禁止状態を有効に変更し、実装されるポートで必要に応じてポート禁止を無効にすることを選択できます。また、デフォルトの変更後に作成された FICON コンフィギュレーション ファイルでのみ、新しいデフォルト設定が反映されます(FICON コンフィギュレーション ファイルを参照)。

スイッチに実装されているすべてのインターフェイスでデフォルトのポート禁止設定を変更するには、次の手順を実行します。

Procedure

Step 1

switch# config terminal

switch(config)#

コンフィギュレーション モードに入ります。

Step 2

switch(config)# ficon port default-state prohibit-all

スイッチで実装されているすべてのインターフェイスのデフォルトとして、ポート禁止を有効にします。

Step 3

switch(config)# no ficon port default-state prohibit-all

スイッチで実装されているすべてのインターフェイスのデフォルトとして、ポート禁止を無効にします(デフォルト)。


ポート禁止の設定

VSAN のポート アドレスを禁止する手順は、次のとおりです。

Procedure

Step 1

switch# config t

switch(config)#

コンフィギュレーション モードに入ります。

Step 2

switch(config)# ficon vsan 2

switch(config-ficon)#

VSAN 2 で FICON を有効にします。

Step 3

switch(config-ficon)# portaddress 7

switch(config-ficon-portaddr)#

詳細な設定を行うため、ポート アドレス 7 を選択します。

Step 4

switch(config-ficon-portaddr)# prohibit portaddress 3-5

VSAN 2 のポート アドレス 7 に対し、ポート 3、4、および 5 に対する通信を禁止します。

Step 5

switch(config-ficon-portaddr)# no prohibit portaddress 5

以前の禁止状態からポート アドレス 5 を解除します。


ポート アドレス名の割り当て

ポート アドレス名を割り当てるには、次の手順を実行します。

Procedure


Step 1

switch# config t

switch(config)#

コンフィギュレーション モードに入ります。

Step 2

switch(config)# ficon vsan 2

switch(config-ficon)#

VSAN 2 で FICON を有効にします。

Step 3

switch(config-ficon)# portaddress 7

switch(config-ficon-portaddr)#

詳細な設定を行うため、ポート アドレス 7 を選択します。

Step 4

switch(config-ficon-portaddr)# name SampleName

ポート アドレスに名前を割り当てます。

Note

 
ポート アドレス名は、24 文字までの英数字に制限されています。

Step 5

switch(config-ficon-portaddr)# no name SampleName

以前に設定されたポート アドレス名を削除します。


RLIR の概要

Registered Link Incident Report(RLIR)アプリケーションを使用することにより、スイッチ ポートから登録済み Nx ポートに Link Incident Record(LIR)を送信できます。

Cisco MDS 9000 ファミリの FICON 対応スイッチでは、RLIR Extended Link Service(ELS)から検出された LIR が、Established Registration List(ERL)に登録済みのメンバーに送信されます。

マルチスイッチ トポロジの場合、Distribute Registered Link Incident Record(DRLIR)の Inter-Link Service(ILS)が RLIR ELS とともに、到達可能なすべてのリモート ドメインに送信されます。スイッチは DRLIR ILS を受信すると、RLIR ELS を抽出して ERL のメンバーに送信します。

RLIR ELS の受信に関与する Nx ポートは、Link Incident Record Registration(LIRR)ELS 要求をスイッチ上の管理サーバーに送信します。RLIR は VSAN 単位で処理されます。

copy running-config startup-config コマンドを入力すると、RLIR データが永続ストレージに書き込まれます。

実行コンフィギュレーションをスタートアップ コンフィギュレーションに copy すると、RLIR データが永続的ストレージに書き込まれます。

RLIR 優先ホストの指定

RLIR フレームを受信する優先ホストを指定できます。MDS スイッチが優先ホストに RLIR フレームを送信するのは、次の条件が満たされた場合だけです。

  • VSAN 内に、登録機能が「always receive」に設定され、RLIR に登録されているホストがない。VSAN に「always receive」として登録されているホストが 1 つ以上ある場合、RLIR はそれらのホストにのみ送信され、設定された優先ホストには送信されません。

  • 優先ホストが、登録機能が「conditionally receive」に設定されて登録されている。


Note


登録されているすべてのホストの登録機能が「conditionally receive」に設定されている場合は優先ホストが RLIR フレームを受信します。

指定できる RLIR 優先ホストは、VSAN ごとに 1 つだけです。デフォルトでは、登録機能が「always receive」に設定されているホストがない場合、スイッチは登録機能が「conditionally receive」に設定されている VSAN のホストの 1 つに RLIR フレームを送信します。

VSAN の RLIR 優先ホストを指定するには、次の手順を実行します。

Procedure


Step 1

switch# config terminal

switch(config)#

コンフィギュレーション モードに入ります。

Step 2

switch(config)# rlir preferred-cond fcid 0x772c00 vsan 5

VSAN 5 の RLIR 優先ホストとして FC ID 0x772c00 を指定します。(FC ID 0x772c00 は一例です。)

Step 3

(Optional) switch(config)# no rlir preferred-cond fcid 0x654321 vsan 2

VSAN 5 の RLIR 優先ホストとして FC ID 0x772c00 を削除します。


Example

RLIR 優先ホスト設定を表示するには、show rlir erl コマンドを使用します。


switch# show rlir erl
Established Registration List for VSAN: 5
----------------------------------------------
FC-ID LIRR FORMAT REGISTERED FOR
----------------------------------------------
0x772c00 0x18 conditional receive(*)
0x779600 0x18 conditional receive
0x779700 0x18 conditional receive
0x779800 0x18 conditional receive
Total number of entries = 4
(*) - Denotes the preferred host

RLIR 情報の表示

show rlir statistics コマンドは、LIRR、RLIR、および DRLIR フレームの完全な統計情報を表示します。受信フレーム数、送信フレーム数、および拒否フレーム数が表示されます。特定の VSAN の VSAN 統計情報を取得するため、VSAN ID を指定します。VSAN ID を指定しないと、アクティブなすべての VSAN の統計情報が表示されます(例 すべての VSAN の RLIR 統計情報の表示 および 指定した VSAN の RLIR 統計情報の表示 を参照)。

すべての VSAN の RLIR 統計情報の表示


switch# show rlir statistics 
Statistics for VSAN: 1
------------------------
Number of LIRR received      = 0
Number of LIRR ACC sent      = 0
Number of LIRR RJT sent      = 0
Number of RLIR sent          = 0
Number of RLIR ACC received  = 0
Number of RLIR RJT received  = 0
Number of DRLIR received     = 0
Number of DRLIR ACC sent     = 0
Number of DRLIR RJT sent     = 0
Number of DRLIR sent         = 0
Number of DRLIR ACC received = 0
Number of DRLIR RJT received = 0
Statistics for VSAN: 100
-------------------------
Number of LIRR received      = 26
Number of LIRR ACC sent      = 26
Number of LIRR RJT sent      = 0
Number of RLIR sent          = 815
Number of RLIR ACC received  = 815
Number of RLIR RJT received  = 0
Number of DRLIR received     = 417
Number of DRLIR ACC sent     = 417
Number of DRLIR RJT sent     = 0
Number of DRLIR sent         = 914
Number of DRLIR ACC received = 828
Number of DRLIR RJT received = 0

指定した VSAN の RLIR 統計情報の表示


switch# show rlir statistics vsan 4
Statistics for VSAN: 4
-------------------------
Number of LIRR received      = 0
Number of LIRR ACC sent      = 0
Number of LIRR RJT sent      = 0
Number of RLIR sent          = 0
Number of RLIR ACC received  = 0
Number of RLIR RJT received  = 0
Number of DRLIR received     = 0
Number of DRLIR ACC sent     = 0
Number of DRLIR RJT sent     = 0
Number of DRLIR sent         = 0
Number of DRLIR ACC received = 0
Number of DRLIR RJT received = 0

show rlir erl コマンドは、スイッチで RLIR 受信のために登録されている Nx ポートのリストを表示します。VSAN ID を指定しない場合は、すべてのアクティブ VSAN の詳細が表示されます(例 すべての ERL の表示 および 指定された VSAN の ERL の表示 を参照)。

すべての ERL の表示


switch# show rlir erl
Established Registration List for VSAN: 2
----------------------------------------------
FC-ID       LIRR FORMAT    REGISTERED FOR
----------------------------------------------
0x0b0200    0x18           always receive
Total number of entries = 1
Established Registration List for VSAN: 100
----------------------------------------------
FC-ID       LIRR FORMAT    REGISTERED FOR
----------------------------------------------
0x0b0500    0x18           conditional receive
0x0b0600    0x18           conditional receive
Total number of entries = 2

すべての ERL の表示 では [Registered For] 列に FC ID が conditional receive であると示されている場合に、後続の RLIR の有効な受信者として送信元ポートが登録されます。他の ERL の受信者が選択されない場合にのみ、この送信元ポートが RLIR の受信者として選択されます。

すべての ERL の表示 では [Registered For] 列に FC ID が always receive であると示されている場合に、後続の RLIR の有効な受信者として送信元ポートが登録されます。この送信元ポートは LIR の受信者として常に選択されます。


Note


どの N ポートにも always receive RLIR が登録されていない場合、または RLIR の配信がいずれかのポートで失敗する場合は、conditional receive RLIR に登録されているポートに RLIR が送信されます。

指定された VSAN の ERL の表示


switch# show rlir erl vsan 100
Established Registration List for VSAN: 100
----------------------------------------------
FC-ID       LIRR FORMAT    REGISTERED FOR
----------------------------------------------
0x0b0500    0x18           conditional receive
0x0b0600    0x18           conditional receive
Total number of entries = 2

Note


LIR 履歴の表示 から 指定されたポート番号の最近の LIR の表示 では、ホストのタイム スタンプ(* で示す)が使用可能な場合、スイッチのタイム スタンプと共に出力されます。ホストのタイム スタンプが使用可能ではない場合は、スイッチのタイム スタンプだけが出力されます。

LIR 履歴の表示


switch# show rlir history
Link incident history
----------------------------------------------------------------------------------------------------------------
 Host Time Stamp         Switch Time Stamp       VSAN   Domain   Port    Intf        Link Incident       Loc/Rem
----------------------------------------------------------------------------------------------------------------
 Sep 20 12:42:44 2006    Sep 20 12:42:44 2006    ****    ****    0x0b    fc1/12      Loss of sig/sync     LOC
 Reported Successfully to: [0x640001] [0x640201]
 Sep 20 12:42:48 2006    Sep 20 12:42:48 2006    ****    ****    0x0b    fc1/12      Loss of sig/sync     LOC
 Reported Successfully to: [0x640001] [0x640201]
 *** ** **:**:** ****    Sep 20 12:42:51 2006    1001    230     0x12    ****        Loss of sig/sync     REM
 Reported Successfully to: [0x640001] [0x640201]
 Sep 20 12:42:55 2006    Sep 20 12:42:55 2006    ****    ****    0x0b    fc1/12      Loss of sig/sync     LOC
 Reported Successfully to: None [No Registrations]
 *** ** **:**:** ****    Sep 20 12:45:56 2006    1001    230     0x12    ****        Loss of sig/sync     REM
 Reported Successfully to: None [No Registrations]
 *** ** **:**:** ****    Sep 20 12:45:56 2006    1001    230     0x12    ****        Loss of sig/sync     REM
 Reported Successfully to: None [No Registrations]
 Sep 20 12:52:45 2006    Sep 20 12:52:45 2006    ****    ****    0x0b    fc1/12      Loss of sig/sync     LOC
 Reported Successfully to: None [No Registrations]
**** - Info not required/unavailable

LIR 履歴の表示


switch# show rlir history
Link incident history
----------------------------------------------------------------------------
*Host Time Stamp
 Switch Time Stamp          Port   Interface   Link Incident
----------------------------------------------------------------------------
*Sun Nov 30 21:47:28 2003
 Sun Nov 30 13:47:55 2003     2        fc1/2   Implicit Incident
*Sun Nov 30 22:00:47 2003
 Sun Nov 30 14:01:14 2003     2        fc1/2   NOS Received
*Sun Nov 30 22:00:55 2003
 Sun Nov 30 14:01:22 2003     2        fc1/2   Implicit Incident
*Mon Dec 1 20:14:26 2003
 Mon Dec  1 12:14:53 2003     4        fc1/4   Implicit Incident
*Mon Dec 1 20:14:26 2003
 Mon Dec  1 12:14:53 2003     4        fc1/4   Implicit Incident
*Thu Dec 4 04:43:32 2003
 Wed Dec  3 20:43:59 2003     2        fc1/2   NOS Received
*Thu Dec 4 04:43:41 2003
 Wed Dec  3 20:44:08 2003     2        fc1/2   Implicit Incident
*Thu Dec 4 04:46:53 2003
 Wed Dec  3 20:47:20 2003     2        fc1/2   NOS Received
*Thu Dec 4 04:47:05 2003
 Wed Dec  3 20:47:32 2003     2        fc1/2   Implicit Incident
*Thu Dec 4 04:48:07 2003
 Wed Dec  3 20:48:34 2003     2        fc1/2   NOS Received
*Thu Dec 4 04:48:39 2003
 Wed Dec  3 20:49:06 2003     2        fc1/2   Implicit Incident
*Thu Dec 4 05:02:20 2003
 Wed Dec  3 21:02:47 2003     2        fc1/2   NOS Received
...

指定されたインターフェイスの最近の LIR の表示


switch# show rlir recent interface fc1/1-4
Recent link incident records
-------------------------------------------------------------------------------
Host Time Stamp          Switch Time Stamp        Port Intf   Link Incident
-------------------------------------------------------------------------------
Thu Dec 4 05:02:29 2003  Wed Dec 3 21:02:56 2003   2   fc1/2  Implicit Incident
Thu Dec 4 05:02:54 2003  Wed Dec 3 21:03:21 2003   4   fc1/4  Implicit Incident

指定されたポート番号の最近の LIR の表示


switch# show rlir recent portnumber 1-4
Recent link incident records
--------------------------------------------------------------------------------
Host Time Stamp          Switch Time Stamp        Port Intf    Link Incident
--------------------------------------------------------------------------------
Thu Dec 4 05:02:29 2003  Wed Dec 3 21:02:56 2003   2   fc1/2   Implicit Incident
Thu Dec 4 05:02:54 2003  Wed Dec 3 21:03:21 2003   4   fc1/4   Implicit Incident

Cisco SAN-OS Release 3.0(3) 以降、show rlir history コマンド出力には、他のスイッチから DRLIR として受信したリモート リンク インシデントが示されます。RLIR は、以前の Cisco NX-OS リリースと同様に DRLIR の結果として生成されます(LIR 履歴の表示 を参照)。

RLIR 情報のクリア

指定された VSAN の既存の統計情報をすべてクリアするには、clear rlir statistics コマンドを使用します。


switch# clear rlir statistics vsan 1

すべてのインターフェイスのすべてのリンク インシデント レコードが記録されている RLIR 履歴をクリアするには、clear rlir history コマンドを使用します。


switch# clear rlir history 

指定したインターフェイスの最近の RLIR 情報をクリアするには、clear rlir recent interface コマンドを使用します。


switch# clear rlir recent interface fc 1/2

指定したポート番号の最近の RLIR 情報をクリアするには、clear rlir recent portnumber コマンドを使用します。


switch# clear rlir recent portnumber 16

FICON コンフィギュレーション ファイル

各 FICON 対応 VSAN 上で、最大 16 個の FICON コンフィギュレーション ファイルを(永続ストレージに)保存できます。ファイル フォーマットの所有権は IBM に帰属します。これらのファイルは、帯域内 CUP プロトコルを使用して IBM ホストから読み取りおよび書き込みできます。また、これらの FICON コンフィギュレーション ファイルを処理するには、Cisco MDS CLI を使用します。


Note


名前が同じ複数の FICON コンフィギュレーション ファイルは、それぞれ別個の VSAN に属している限り、同一のスイッチに配置できます。たとえば、VSAN 1 と VSAN 3 の両方で、XYZ という名前のコンフィギュレーション ファイルを作成することもできます。

VSAN で FICON 機能がイネーブルになっているときは常に、IPL という名前のスタートアップ FICON コンフィギュレーション ファイルが使用されます。この IPL ファイルは、VSAN で FICON をイネーブルにするとただちに、デフォルトのコンフィギュレーションで作成されます。


Caution


VSAN 上で FICON をディセーブルにした場合、FICON コンフィギュレーション ファイルはすべて失われます。いったん失われると復元できません。


FICON コンフィギュレーション ファイルには、次のコンフィギュレーションが実装ポート アドレスごとに格納されています。

  • ブロック

  • 禁止マスク

  • ポート アドレス名


Note


Cisco MDS スイッチで使用される標準コンフィギュレーション ファイルには、VSAN の FICON 対応属性、ポートチャネル インターフェイスと FCIP インターフェイスに対するポート番号のマッピング、ポート番号とポートアドレスのマッピング、ポートおよびトランクで許可されている各ポートの VSAN 設定、順序保証、スタティック ドメイン ID の設定、ファブリック バインディング設定などが格納されています。

Cisco MDS スイッチで使用される標準構成ファイルの詳細については、『Cisco MDS 9000 シリーズ基本設定の構成ガイド』を参照してください。

このセクションは、次のトピックで構成されています。

FICON コンフィギュレーション ファイルの概要

コンフィギュレーション ファイルに同時にアクセスできるのは、常に 1 人のユーザーだけです。

  • このファイルにユーザー 1 がアクセスしている間、ユーザー 2 はアクセスできません。
  • このファイルへのアクセスを試みたユーザー 2 に対しては、エラーが出されます。
  • ユーザー 1 が非アクティブ状態のまま 15 秒が過ぎると、ファイルは自動的に閉じられ、許可されている他のユーザーが使用できるようになります。

スイッチへのアクセスを許可されているホスト、SNMP、または CLI ユーザーはいずれも、FICON コンフィギュレーション ファイルにアクセスできます。Cisco NX-OS ソフトウェアのロック メカニズムによって、同時アクセスは 1 人のユーザーだけに許可されます。このロックは、新規に作成されたファイル、および以前に保存されたファイルに適用されます。どのファイルにアクセスする際にも、あらかじめファイルをロックし、ファイル キーを取得する必要があります。ロック要求が発生するたびに毎回、新しいファイル キーがロック メカニズムによって使用されます。15 秒間のロック タイムアウト期限が切れると、キーは廃棄されます。ロック タイムアウト値は変更できません。

保存済みコンフィギュレーション ファイルの実行コンフィギュレーションへの適用

保存されているファイルの設定を実行コンフィギュレーションに適用するには、ficon vsan number apply file filename コマンドを使用します。


switch# ficon vsan 2 apply file SampleFile

FICON 構成ファイルの編集

構成ファイル サブモードでは、FICON 構成ファイルの作成および編集が許可されます。指定したファイルが存在しない場合は、作成されます。保存可能なファイル数は最大 16 個です。各ファイル名には、最大 8 文字の英数字を使用できます。

指定された FICON 構成ファイルの内容を編集するには、次の手順を実行します。

Procedure


Step 1

switch# config t

switch(config)#

コンフィギュレーション モードに入ります。

Step 2

switch(config)# ficon vsan 2

switch(config-ficon)#

VSAN 2 で FICON を有効にします。

Step 3

switch(config-ficon)# file IplFile1

switch(config-ficon-file)#

VSAN 2 の FICON 構成ファイル IplFile1 にアクセスします。このファイルが存在しない場合は、作成されます。

Note

 
すべての FICON ファイル名は、最大 8 文字の英数字に制限されています。

Step 4

switch(config-ficon)# no file IplFileA

(任意)以前に作成された FICON 構成ファイルを削除します。

Step 5

switch(config-ficon-file)# portaddress 3

switch(config-ficon-file-portaddr)#

ポート アドレス 3 のサブモードを開始して、IplFile1 という名前の構成ファイルの内容を編集します。

Note

 
実行構成は現在の設定に適用されません。構成が適用されるのは、ficon vsan number apply file filename コマンドが実行される場合だけです。

Step 6

switch(config-ficon-file-portaddr)# prohibit portaddress 5

構成ファイル IplFile1 の内容を編集し、ポート アドレス 5 に対してポート アドレス 3 へのアクセスを禁止します。

Step 7

switch(config-ficon-file-portaddr)#block

構成ファイル IplFile1 の内容を編集し、特定のポート アドレス範囲をブロックし、運用停止状態で維持します。

Step 8

switch(config-ficon-file-portaddr)#name P3

構成ファイル IplFile1 の内容を編集し、P3 という名前をポート アドレス 3 に割り当てます。この名前が存在ししない場合は、作成されます。存在する場合は上書きされます。


FICON コンフィギュレーション ファイルの表示

すべての FICON 構成ファイルの内容を表示するには、show ficon vsan vsan-id file all コマンドを使用します。


switch# show ficon vsan 69 file all 
File IPL      is locked
FICON configuration file IPL3     in vsan 69
Description:                         
		Port address 0(0)
			Port name is                         
			Port is not blocked
			Prohibited port addresses are 255(0xff)

		Port address 1(0x1)
			Port name is                         
			Port is not blocked
			Prohibited port addresses are 255(0xff)

		Port address 2(0x2)
			Port name is                         
			Port is not blocked
			Prohibited port addresses are 255(0xff)

特定の FICON 構成ファイルの内容を表示するには、 show ficon vsan vsan-id file name コマンドを使用します。

switch# show ficon vsan 69 file name IPL3
FICON configuration file IPL3     in vsan 69
	Description:                         
	Port address 0(0)
		Port name is                         
		Port is not blocked
		Prohibited port addresses are 255(0xff)

	Port address 1(0x1)
		Port name is                         
		Port is not blocked
		Prohibited port addresses are 255(0xff)

	Port address 2(0x2)
		Port name is                         
		Port is not blocked
		Prohibited port addresses are 255(0xff)

特定の FICON ポートの FICON 構成ファイルの情報を表示するには、show ficon vsan vsan-id filename filename portaddress コマンドを使用します。


switch# show ficon vsan 69 file name IPL3 portaddress 2
FICON configuration file IPL3     in vsan 69
Description:                         
	Port address 2(0x2)
		Port name is                         
		Port is not blocked
		Prohibited port addresses are 255(0xff)

FICON コンフィギュレーション ファイルのコピー

既存の FICON コンフィギュレーション ファイルをコピーするには、EXEC モードで ficon vsan vsan-id copy file existing-file-name save-as-file-name コマンドを使用します。

switch# ficon vsan 20 copy file IPL IPL3

既存のコンフィギュレーション ファイルのリストを表示するには、show ficon vsan vsan-id コマンドを実行します。


switch# show
 ficon vsan 20

Ficon information for VSAN 20
  Ficon is online
  VSAN is active
  Host port control is Enabled
  Host offline control is Enabled
  User alert mode is Disabled
  SNMP port control is Enabled
  Host set director timestamp is Enabled
  Active=Saved is Enabled

  Number of implemented ports are 250
  Key Counter is 5
  FCID last byte is 0
  Date/Time is same as system time (Wed Dec 3 20:10:45.924591 2003)

  Device Allegiance not locked
  Codepage is us-canada
  Saved configuration files
    IPL
    IPL3

ポート スワッピング

FICON ポート スワッピング機能は、メンテナンス専用に提供されています。

FICON ポート スワッピング機能を実行すると、old-port-number および new port-number に関連付けられているすべての設定(例:VSAN 設定)がスワッピングされます。

Cisco MDS スイッチは、実在しないポートに対してもポート スワッピングを実行できますが、その際は次のような制約が伴います。

  • スワッピング対象は、FICON 固有の設定(禁止、ブロック、およびポート アドレスのマッピング)だけです。

  • 他のシステム設定はスワッピングされません。

  • 他のシステム設定はいずれも、既存のポートでだけ維持されます。

  • 無制限の加入過多率がイネーブルになっているモジュール内のポートを、加入過多率が制限されているモジュール内のポートとスワッピングすると、帯域幅が劣化することがあります。


Tip


Active=Saved チェックボックスをオンにすると、任意の FICON VSAN 上で active equals saved が有効になり、スワッピングされた設定が自動的にスタートアップ コンフィギュレーションに保存されます。それ以外の場合は、ポートをスワッピングした後すぐに、実行コンフィギュレーションを明示的に保存しておく必要があります。


いったんポートをスワッピングし終えると、次の処理が自動的に実行されます。

  • 古いポートと新しいポートがシャットダウンされます。

  • ポート設定がスワッピングされます。

ポートを稼働状態にする際は、対象のポートを明示的にシャットダウンしてから、トラフィックを再開する必要があります。


Note


最新の FICON 情報を表示するには、[Refresh] ボタンをクリックする必要があります。実行構成の自動保存を参照してください。

ficon swap portnumber コマンドは、対象の 2 つのポートにのみ関連します。この VSAN に依存しないコマンドを EXEC モードで実行する必要があります。Cisco MDS NX-OS は、ポート スワップを実行する前に VSAN でポート番号の重複を調べます。

ficon swap portnumber old-port-number new-port-number after swap noshut コマンドを指定してポートを起動する場合は、no shutdown コマンドを明示的に実行してトラフィックを再開する必要があります。

このセクションは、次のトピックで構成されています。

ポート スワッピングの概要

FICON ポート スワッピング機能を使用する際は必ず、次のガイドラインに従ってください。

  • 論理ポート(ポートチャネル、FCIP リンク)に対しては、ポート スワッピングがサポートされません。old-port-number new-port-number はいずれも、論理ポートとして設定できません。
  • ポートチャネルに属する物理ポート間では、ポート スワッピングがサポートされません。old-port-number new-port-number はいずれも、ポートチャネルに属する物理ポートとしては設定できません。
  • ポート スワッピングを実行する前に、Cisco NX-OS ソフトウェアは互換性チェックを実行します。2 つのポート設定に互換性がないと、ポート スワッピングが拒否され、該当する理由コードが出力されます。たとえば、BB_credits に 25 が割り当てられているポートと、BB_credits(設定不能なパラメータ)に許可されている最大値が 12 の OSM ポートとをスワッピングしようとした場合、ポート スワッピング操作は拒否されます。
  • ポート スワッピングを実行する前に、Cisco NX-OS ソフトウェアは互換性チェックを実行して、拡張 BB_credits 設定を検証します。
  • ポートに(一部の非互換パラメータ用の)デフォルト値がある場合、ポート スワッピング操作が許可され、ポートはそのデフォルト値を保持します。
  • ポート スワッピングには、ポート トラッキング情報が取り込まれません。ポート トラッキング情報は、個別に設定する必要があります(『Cisco MDS 9000 Family NX-OS Quality of Service Configuration Guide』を参照)。

Note


32 ポート モジュール ガイドラインは、ポート スワップ設定にも適用されます(『Cisco MDS 9000 Family NX-OS Interfaces Configuration Guide』を参照)。

ポート スワッピング

スイッチ上に重複するポート番号がない場合は、物理ファイバ チャネル ポート(ポート番号を除く)を次の手順でスワップできます。

Procedure


Step 1

EXEC モードで ficon swap portnumber old-port-number new-port-number コマンドを発行します。

Note

 
MDS スイッチで、コマンドに指定されている old-port-number または new-port-number と同じポート番号のインターフェイスが複数ある場合、ficon swap portnumber コマンドは失敗する可能性があります。

指定したポートはシャットダウンされます。

Step 2

2 つのポート間の前面パネル ポート ケーブルを物理的に交換できます。

Step 3

各ポートで no shutdown コマンドを実行し、トラフィック フローを許可します。

Note

 
ficon swap portnumber old-port-number new-port-number after swap noshut コマンドを指定すると、ポートは自動的に初期化されます。

ポート番号が重複しているスイッチのポートのスワッピング

スイッチで重複するポート番号がある場合は、物理ファイバ チャネル ポート(重複するポート番号を含む)を次の手順でスワップできます。

Procedure


Step 1

EXEC モードで ficon swap interface old-interface new-interface コマンドを実行します。

指定したインターフェイスはシャットダウンされます。

Step 2

2 つのポート間の前面パネル ポート ケーブルを物理的に交換できます。

Step 3

各ポートで no shutdown コマンドを実行し、トラフィック フローを許可します。

Note

 
ficon swap interface old-interface new-interface after swap noshut コマンドを指定すると、ポートは自動的に初期化されます。

FICON テープ アクセラレーション

テープ デバイスには順次性があるため、FCIP リンクを介したテープ デバイスに対して I/O 操作が実行されるたびに、FCIP リンクに遅延が発生します。FCIP リンクを介したラウンドトリップ時間が増えると、スループットは著しく減少するため、結果としてバックアップ時間は長くなります。また、各 I/O 操作を終えてから次の I/O に達するまで、テープ デバイスはアイドル状態になります。I/O 操作が仮想テープを対象する場合を除き、テープ ヘッドの操作開始と停止によってテープ寿命が縮まります。

Cisco MDS NX-OS ソフトウェアは、次のリンクを介した FICON テープ書き込み操作に対してアクセラレーションを提供します。

  • メインフレーム ドライブとネイティブ テープ ドライブ(IBM と Sun/STK の両方)の間のリンク

  • Virtual Storage Management(VSM)とテープ ドライブ(Sun/STK)の間のバックエンド リンク

FCIP を介した FICON テープ アクセラレーションにより、次のようなメリットがあります。

  • アイドル時間が短縮される結果、テープ デバイスが効率的に利用されます。

  • 遅延が増加したときのスループットの持続性が向上します。

  • FCP テープ アクセラレーションと似ていますが、競合は発生しません。


Note


FCIP を介した FICON テープ読み取りアクセラレーションは、Cisco MDS NX-OS Release 5.0(1) 以降でサポートされています。詳細については、FICON テープ読み取りアクセラレーション設定を参照してください。

次のイメージは、サポートされている構成を表示します。

Figure 5. IBM/StorageTek(STK)ライブラリに直接アクセスするホスト
Figure 6. スタンドアロン IBM-Virtual Tape Server(VTS)/STK-Virtual Shared Memory(VSM)にアクセスするホスト
Figure 7. ピアツーピア Virtual Tape Server(VTS)にアクセスするホスト
Figure 8. ピアツーピア Virtual Tape Server(VTS)にアクセスするホスト

Note


FCIP テープ アクセラレーションの詳細については、『Cisco MDS 9000 シリーズ IP サービス 構成ガイド』を参照してください。

FICON テープ アクセラレーション設定

FICON テープ アクセラレーションの設定に関しては、次のような考慮事項があります。

  • 標準 FICON 設定だけでなく、FICON テープ アクセラレーションも、FCIP インターフェイスの両端でイネーブルにしておく必要があります。一端だけで FICON テープ アクセラレーションをイネーブルにした場合、アクセラレーションは発生しません。
  • FICON テープ アクセラレーションは、VSAN 単位でイネーブルになります。
  • 複数の ISL が同一の VSAN 内に存在する(ポートチャネルまたは FSPF でロード バランスされている)場合、FICON テープ アクセラレーション機能は無効になります。
  • 同じ FCIP インターフェイス上で、ファイバ チャネル書き込みアクセラレーションと FICON テープ アクセラレーションの両方をイネーブルに設定できます。
  • FICON テープ アクセラレーションをイネーブルまたはディセーブルにすると、FCIP インターフェイス上のトラフィックが中断されます。

FICON テープ アクセラレーションを設定するには、次の手順を実行します。

Procedure


Step 1

switch# config t

switch(config)#

コンフィギュレーション モードに入ります。

Step 2

switch(config)# interface fcip 2

switch(config-if)#

FCIP インターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション サブモードを開始します。

Step 3

switch(config-if)# ficon-tape-accelerator vsan 100


This configuration change will disrupt all traffic on the FCIP interface in all
VSANs.  Do you wish to continue? [no] y 

FCIP インターフェイスを介した FICON テープ アクセラレーションをイネーブルにします。

Step 4

switch(config-if)# no ficon-tape-accelerator vsan 100


This configuration change will disrupt all traffic on the FCIP interface in all 
VSANs.  Do you wish to continue? [no] y 

FCIP インターフェイスを介した FICON テープ アクセラレーションをディセーブルにします(デフォルト)。


What to do next

show running-config コマンドを使用して、FCIP 設定で FICON テープ アクセラレーションを確認します。


switch# show running-config | begin "interface fcip"
interface fcip2
  ficon-tape-accelerator vsan 100
  no shutdown
...

FICON テープ読み取りアクセラレーション設定

FICON テープ アクセラレーションに適用される設定のガイドラインと制限はすべて、FICON テープ読み取りアクセラレーションにも適用されます。FICON テープ アクセラレーションと FICON テープ読み取りアクセラレーションは共存可能です。

FICON テープ読み取りアクセラレーションを有効にするには、次の手順を実行します。

Procedure


Step 1

switch# config t

switch(config)#

コンフィギュレーション モードに入ります。

Step 2

switch(config)# interface fcip 2

switch(config-if)#

FCIP インターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション サブモードを開始します。

Step 3

switch(config-if)# ficon-tape-read-accelerator


This configuration change will disrupt all traffic on the FCIP interface in all
VSANs.  Do you wish to continue? [no]

FCIP インターフェイスを介した FICON テープ読み取りアクセラレーションを有効にします。

Step 4

switch(config-if)# no ficon-tape-read-accelerator


This configuration change will disrupt all traffic on the FCIP interface in all
VSANs.  Do you wish to continue? [no]

FCIP インターフェイスを介した FICON テープ読み取りアクセラレーションを無効にします(デフォルト)。


FICON VSAN のオフライン状態への移行

VSAN で停止する必要があるすべてのポートをログアウトするには、EXEC モードで ficon vsan vsan-id offline コマンドを実行します。

オフライン状態を解除し、ポートが再びログオンできるようにするには、EXEC モードで EXEC レベルの ficon vsan vsan-id online コマンドを実行します。


Note


このコマンドは、このコマンドの発行が許可されているホストから発行できます(ホストでスイッチをオフラインに移行できるようにするには を参照)。

CUP インバンド管理

CUP プロトコルを介して、アクセス コントロールの設定が行われ、メインフレーム コンピュータから統合型ストレージ管理機能が提供されます。Cisco MDS 9000 FICON 対応スイッチは、IBM CUP 規格に適合しており、帯域内管理が可能です。


Note


CUP 仕様の所有権は IBM に帰属します。

CUP は Cisco MDS 9000 ファミリのスイッチおよびディレクタによってサポートされます。CUP 機能を使用すると、メインフレームは Cisco MDS スイッチを管理し、ポート パフォーマンスやデバイス トポロジ検出などの非同期情報をスイッチに送信できます。

ゾーンへの CUP の配置

ゾーンに CUP を配置するには、次の手順を実行します。

Procedure


Step 1

必要な VSAN に許可するデフォルト ゾーンを設定します。


switch# config terminal
switch(config)# zone default-zone permit vsan 20

Step 2

必要な VSAN に対して show fcns database コマンドを発行し、必須 FICON CUP WWN を取得します。


switch# show fcns database vsan 20
VSAN 20:
--------------------------------------------------------------------------
FCID        TYPE  PWWN                    (VENDOR)        FC4-TYPE:FEATURE
--------------------------------------------------------------------------
0x0d0d00    N     50:06:04:88:00:1d:60:83 (EMC)           FICON:CU
0x0dfe00    N     25:00:00:0c:ce:5c:5e:c2
 (Cisco)         FICON:CUP
0x200400    N     50:05:07:63:00:c2:82:d3 (IBM)           scsi-fcp FICON:CU f..
0x200800    N     50:05:07:64:01:40:15:0f (IBM)           FICON:CH
0x20fe00    N     20:00:00:0c:30:ac:9e:82 (Cisco)         FICON:CUP
Total number of entries = 5

Note

 
このファブリック内に複数の FICON:CUP WWN が存在する場合は、所定のゾーンに FICON:CUP WWN の pWWN をすべて追加する必要があります。前述の出力例には複数の FICON:CUP が含まれており、これはカスケード設定を示しています。

Step 3

示されている FICON:CUP WWN をゾーン データベースに追加します。


switch(config)# zone name Zone1 vsan 20
switch(config-zone)# member pwwn 25:00:00:0c:ce:5c:5e:c2

制御ユニットの情報の表示

制御ユニットの情報の表示 に、設定されている制御デバイスの情報を示します。

制御ユニットの情報の表示


switch# show ficon control-device sb3
Control Unit Image:0x80b9c2c
VSAN:20 CU:0x20fe00 CUI:0 CUD:0 CURLP:(nil)
ASYNC LP:(nil) MODE:1 STATE:1 CQ LEN:0 MAX:0
PRIMARY LP:   VSAN:0 CH:0x0 CHI:0 CU:0x0 CUI:0
ALTERNATE LP: VSAN:0 CH:0x0 CHI:0 CU:0x0 CUI:0
Logical Path:0x80b9fb4
VSAN:20 CH:0x200600 CHI:15 CU:0x20fe00 CUI:0 STATE:1 FLAGS:0x1
LINK: OH:0x0 OC:0x0 IH:0x0 IC:0x0
DEV:  OH:0x0 OC:0x0 IH:0x0 IC:0x0
SENSE: 00 00 00 00 00 00 00 46
       30 20 00 00 00 00 00 00
       00 00 00 00 00 00 00 00
       00 00 00 00 00 00 00 00
IUI:0x0 DHF:0x0 CCW:0x0 TOKEN:0x0 PCCW:0x0 FCCW:0x0 PTOKEN:0x0 FTOKEN:0x0
CMD:0x0 CCW_FLAGS:0x0 CCW_COUNT:0 CMD_FLAGS:0x0 PRIO:0x0 DATA_COUNT:0
STATUS:0x0 FLAGS:0x0 PARAM:0x0 QTP:0x0 DTP:0x0
CQ LEN:0 MAX:0 DESTATUS:0x0

FICON 情報の表示

このセクションは、次のトピックで構成されています。

FICON アラートの受信

設定された FICON 情報の表示 では、ユーザー アラート モードが Enabled であり、FICON 設定の変更を示すアラートを受信することが出力に示されています。

設定された FICON 情報の表示


switch# show ficon
Ficon information for VSAN 20
  Ficon is online
  VSAN is active
  Host port control is Enabled
  Host offline control is Enabled
  User alert mode is Enabled
  SNMP port control is Enabled
  Host set director timestamp is Enabled
  Active=Saved is Disabled
  Number of implemented ports are 250
  Key Counter is 73723
  FCID last byte is 0
  Date/Time is set by host to Sun Jun 26 00:04:06.991999 1904
  Device allegiance is locked by Host
  Codepage is us-canada
  Saved configuration files
    IPL
    _TSIRN00

FICON ポート アドレス情報の表示

ポート アドレス情報の表示ポート アドレス カウンタ情報の表示 では、FICON ポート アドレス情報を表示します。

ポート アドレス情報の表示


switch# show ficon vsan 2 portaddress
Port Address 1 is not installed in vsan 2
    Port number is 1, Interface is fc1/1
    Port name is
    Port is not admin blocked
    Prohibited port addresses are 0,241-253,255
Port Address 2 is not installed in vsan 2
    Port number is 2, Interface is fc1/2
    Port name is
    Port is not admin blocked
    Prohibited port addresses are 0,241-253,255
...
Port Address 249 is not installed in vsan 2
    Port name is
    Port is not admin blocked
    Prohibited port addresses are 0,241-253,255
Port Address 250 is not installed in vsan 2
    Port name is
    Port is not admin blocked
    Prohibited port addresses are 0,241-253,255

使用可能なポート番号の表示


switch# show ficon first-available port-number
Port number 129(0x81) is available

要約形式でのポート番号情報の表示 では、ポート番号がインストールされている場合、対応するインターフェイスが [Interface] 列に示されています。ポート番号がアンインストールされている場合、この列には何も表示されず、アンバインドされているポート番号であることを示します。たとえば、要約形式でのポート番号情報の表示 ではアンバインドされているポート番号は 56 です。

要約形式でのポート番号情報の表示


switch# show ficon vsan 2 portaddress 50-55 brief
-------------------------------------------------------------------------------
Port    Port    Interface          Admin     Status           Oper   FCID
Address Number                     Blocked                    Mode
-------------------------------------------------------------------------------
50      50      fc2/18              on        fcotAbsent       --     --
51      51      fc2/19              off       fcotAbsent       --     --
52      52      fc2/20              off       fcotAbsent       --     --
53      53      fc2/21              off       fcotAbsent       --     --
54      54      fc2/22              off       notConnected     --     --
55      55      fc2/23              off       up               FL     0xea0000
56      56                          off       up               FL     0xea0000

ポート アドレス カウンタ情報の表示 では、FICON のバージョン形式 1(32 ビット形式)のカウンタを表示します。

ポート アドレス カウンタ情報の表示


switch# show ficon vsan 20 portaddress 8 counters
Port Address 8(0x8) is up in vsan 20
    Port number is 8(0x8), Interface is fc1/8
    Version presented 1, Counter size 32b
    242811 frames input, 9912794 words
      484 class-2 frames, 242302 class-3 frames
      0 link control frames, 0 multicast frames
      0 disparity errors inside frames
      0 disparity errors outside frames
      0 frames too big, 0 frames too small
      0 crc errors, 0 eof errors
      0 invalid ordered sets
      0 frames discarded c3
      0 address id errors
    116620 frames output, 10609188 words
      0 frame pacing time
    0 link failures
    0 loss of sync
    0 loss of signal
    0 primitive seq prot errors
    0 invalid transmission words
    1 lrr input, 0 ols input, 5 ols output
    0 error summary

FICON コンフィギュレーション ファイル情報の表示

指定した FICON コンフィギュレーション ファイルの内容の表示FICON コンフィギュレーション ファイルの指定したポート アドレスの表示 では、FICON コンフィギュレーション ファイル情報を表示します。

指定した FICON コンフィギュレーション ファイルの内容の表示


switch# show ficon vsan 3 file IPL
FICON configuration file IPL      in vsan 3
    Port address 1
        Port name is
        Port is not blocked
        Prohibited port addresses are 0,81-253,255
    Port address 2
        Port name is
        Port is not blocked
        Prohibited port addresses are 0,81-253,255
    Port address 3
        Port name is
        Port is not blocked
        Prohibited port addresses are 0,81-253,255
    Port address 4
        Port name is
        Port is not blocked
        Prohibited port addresses are 0,81-253,255
...
Port address 80
        Port name is
        Port is not blocked
        Prohibited port addresses are 0,81-253,255
    Port address 254
        Port name is
        Port is not blocked
        Prohibited port addresses are 0,81-253,255

すべての FICON コンフィギュレーション ファイルの表示


switch# show ficon vsan 2 
Ficon information for VSAN 2
  Ficon is enabled
  VSAN is active
  Host control is Enabled
  Host offline control is Enabled
  Clock alert mode is Disabled
  User alert mode is Disabled
  SNMP control is Disabled
  Active=Saved is Disabled
  Number of implemented ports are 250
  Key Counter is 9
  FCID last byte is 0
  Date/Time is same as system time(Sun Dec 14 01:26:30.273402 1980)
  Device Allegiance not locked
  Codepage is us-canada
  Saved configuration files
    IPL
    IPLFILE1

FICON コンフィギュレーション ファイルの指定したポート アドレスの表示


switch# show ficon vsan 2 file iplfile1 portaddress 1-7
FICON configuration file IPLFILE1 in vsan 2
    Port address 1
        Port name is
        Port is not blocked
        Prohibited port addresses are 0,241-253,255
    Port address 2
        Port name is
        Port is not blocked
        Prohibited port addresses are 0,241-253,255
    Port address 3
        Port name is P3
        Port is not blocked
        Prohibited port addresses are 0,241-253,255
...
    Port address 7
        Port name is
        Port is not blocked
        Prohibited port addresses are 0,241-253,255

設定された FICON の状態の表示

VSAN で FICON が有効な場合は、その VSAN のポート アドレス情報を表示できます(FICON が有効な場合の指定したポート アドレスの表示 を参照)。

FICON が有効な場合の指定したポート アドレスの表示


switch# show ficon vsan 69 portaddress 5
Port Address 5(0x5) is up in vsan 69
Port number is 5(0x5), Interface is fc1/6
	Port name is                         
	Admin port mode is auto
	Port mode is F, FCID is 0xc00500
	Peer is type 008561 model T01 manufactured by IBM
	Serial num is 00000007AFB8, FICON tag is 0x80A9

ポート管理状態の表示

管理上ブロック解除されたポートの表示管理上ブロック解除されたポートの表示 では、FICON ポートの管理状態を表示します。ポートがブロックされた場合、show ficon vsan number portaddress number コマンドはポートのブロック ステートを表示します。特定のポートが禁止されている場合、このコマンドは、禁止されている具体的なポート(3)とデフォルトで禁止されているポート(0、241 ~ 253、および 255)も表示します。名前が割り当てられている場合は、その名前も表示されます。

管理上ブロック解除されたポートの表示


switch# show ficon vsan 2 portaddress 2
Port Address 2(0x2) is not installed in vsan 2
    Port number is 2(0x2), Interface is fc1/2
    Port name is
    Port is not admin blocked
    Prohibited port addresses are 0,241-253,255(0,0xf1-0xfd,0xff)
    Admin port mode is auto
    Peer is Unknown

管理上ブロックされたポートの表示


switch# show ficon vsan 2 portaddress 1
Port Address 2(0x2) is not installed in vsan 2
    Port number is 2(0x2), Interface is fc1/2
    Port name is SampleName
    Port is admin blocked
    Prohibited port addresses are 0,241-253,255(0,0xf1-0xfd,0xff)
    Admin port mode is auto
    Peer is Unknown

バッファ情報の表示

指定された VSAN の履歴バッファの表示 では、[Key Counter] 列に、Cisco MDS スイッチに保持されている 32 ビット値が表示されます。この値は、該当する VSAN のいずれかのポートの状態が変わったときに増加します。キー カウンタ(32 ビット値)は、FICON 関連の設定が変更されたときに増加します。チャネル プログラムの起動時に、この値がホスト プログラムによって増加し、複数のポートに対して操作が実行されることがあります。ディレクトリ履歴バッファには、キー カウンタ値ごとに、変更されたポート アドレス設定のログが記録されます。

ディレクトリ履歴バッファは、前回キー カウンタに値が格納された後にポート状態が変わったかどうかを判別するためのメカニズムを備えています。

指定された VSAN の履歴バッファの表示


switch# show ficon vsan 20 director-history
Director History Buffer for vsan 20
---------------------------------------------
Key Counter           Ports Address
                      Changed
---------------------------------------------
74556                 43
74557                 44
74558                 45
74559                 46
74560                 47
74561                 48
74562                 49
74563                 50
74564                 51
74565                 52
74566                 53
74567                 54
74568                 55
74569                 56
74570                 57
74571                 58
74572                 59
74573                 60
74574                 61
74575                 62
74576                 63
74577                 64
74578
74579
74580                 1-3,5,10,12,14-16,34-40,43-45,47-54,56-57,59-64
74581                 3,5
74582                 64
74583
74584                 1-3,10,12,14-16,34-40,43-45,47-54,56-57,59-64
74585                 1
74586                 2
74587                 3

履歴バッファの表示

ディレクトリ履歴バッファの [Key Counter] 列に、Cisco MDS スイッチに保持されている 32 ビット値が表示されます。この値は、該当する VSAN のいずれかのポートの状態が変わったときに増加します。キー カウンタ(32 ビット値)は、FICON 関連の設定が変更されたときに増加します。チャネル プログラムの起動時に、この値がホスト プログラムによって増加し、複数のポートに対して操作が実行されることがあります。ディレクトリ履歴バッファには、キー カウンタ値ごとに、変更されたポート アドレス設定のログが記録されます。

ディレクトリ履歴バッファは、前回キー カウンタに値が格納された後にポート状態が変わったかどうかを判別するためのメカニズムを備えています。

実行コンフィギュレーションの FICON 情報の表示

実行コンフィギュレーション情報の表示 では、実行コンフィギュレーションの FICON 関連情報を表示します。

実行コンフィギュレーション情報の表示


switch# show running-config 
Building Configuration ...
in-order-guarantee
vsan database
  vsan 11 name “FICON11” loadbalancing src-dst-id
  vsan 75 name “FICON75” loadbalancing src-dst-id
fcdomain domain 11 static vsan 11
fcdomain domain 119 static vsan 75
fcdroplatency network 100 vsan 11
fcdroplatency network 500 vsan 75
feature fabric-binding
fabric-binding database vsan 11
  swwn 20:00:00:0d:ec:01:20:c0 domain 10
fabric-binding database vsan 75
  swwn 20:00:00:0d:ec:00:d6:40 domain 117
fabric-binding activate vsan 11
fabric-binding activate vsan 75
ficon vsan 75
interface port-channel 1
  ficon portnumber 0x80
  switchport mode E
snmp-server user mblair network-admin auth md5 0x688fa3a2e51ba5538211606e59ac292
7 priv 0x688fa3a2e51ba5538211606e59ac2927 localizedkey
snmp-server user wwilson network-admin auth md5 0x688fa3a2e51ba5538211606e59ac29
27 priv 0x688fa3a2e51ba5538211606e59ac2927 localizedkey
snmp-server host 171.71.187.101 traps version 2c public udp-port 1163
snmp-server host 172.18.2.247 traps version 2c public udp-port 2162
vsan database
  vsan 75 interface fc1/1
...
interface mgmt0
  ip address 172.18.47.39 255.255.255.128
  switchport speed 100
  switchport duplex full
no system health
ficon vsan 75
  file IPL

スタートアップ コンフィギュレーションの FICON 情報の表示

スタートアップ コンフィギュレーションの表示 では、スタートアップ コンフィギュレーションの FICON 関連情報を表示します。

スタートアップ コンフィギュレーションの表示


switch# show startup-config 
...
ficon vsan 2
file IPL

スタートアップ コンフィギュレーション ステータスの表示 では、暗黙的に発行された copy running start コマンドに対するスイッチの応答を表示します。この場合、明示的に copy running start コマンドを再度発行するまで、バイナリ コンフィギュレーションのみが保存されます(Table 1 を参照)

スタートアップ コンフィギュレーション ステータスの表示


switch# show startup-config
No ASCII config available since configuration was last saved internally
on account of 'active=saved' mode.
Please perform an explicit 'copy running startup` to get ASCII configuration

FICON 関連のログ情報の表示

FICON 機能のログ レベルの表示 およびFICON 関連ログ ファイルの内容の表示 では、FICON 関連の設定のロギング情報を表示します。

FICON 機能のログ レベルの表示


switch# show logging level ficon
Facility        Default Severity        Current Session Severity
--------        ----------------        ------------------------
ficon                   2                       2
0(emergencies)          1(alerts)       2(critical)
3(errors)               4(warnings)     5(notifications)
6(information)          7(debugging)

FICON 関連ログ ファイルの内容の表示


switch# show logging logfile
...
2024 Jan 29 12:45:40.784113 Challenger-9710 %PORT-5-IF_UP: %$VSAN 69: 2024 Mon Jan 29   16:45:40.122353%$ Interface fc2/17 is up in mode F   
2024 Jan 29 12:45:40.857400 Challenger-9710 %PORT-5-IF_UP: %$VSAN 69: 2024 Mon Jan 29 16:45:40.122371%$ Interface fc2/14 is up in mode F   
2024 Jan 29 12:45:40.866201 Challenger-9710 %PORT-5-IF_UP: %$VSAN 69: 2024 Mon Jan 29 16:45:40.122373%$ Interface fc1/6 is up in mode F   
2024 Jan 29 12:45:40.882935 Challenger-9710 %PORT-5-IF_UP: %$VSAN 69: 2024 Mon Jan 29 16:45:40.122378%$ Interface fc1/22 is up in mode F   
2024 Jan 29 12:45:40.942220 Challenger-9710 %PORT-5-IF_UP: %$VSAN 69: 2024 Mon Jan 29 16:45:40.122392%$ Interface fc2/16 is up in mode F   
2024 Jan 29 12:45:40.943643 Challenger-9710 %PORT-5-IF_UP: %$VSAN 69: 2024 Mon Jan 29 16:45:40.122392%$ Interface fc2/19 is up in mode F   

デフォルト設定

Table 1 に、FICON 機能のデフォルト設定を示します。

Table 3. FICON のデフォルト設定

パラメータ

デフォルト

FICON 機能

ディセーブル

ポート番号

いつもポート アドレスと同じ

FC ID の最終バイト値

0(ゼロ)

EBCDIC フォーマット オプション

US-Canada

スイッチのオフライン状態

ホストでスイッチをオフライン状態に移行可能

メインフレーム ユーザー

Cisco MDS スイッチで FICON パラメータを設定可能

各 VSAN のクロック

スイッチのハードウェア クロックと同じ

ホストのクロック制御

このスイッチのクロックを、ホストで設定可能

SNMP ユーザー

FICON パラメータの設定

ポート アドレス

ブロックされない

使用禁止ポート

Cisco MDS 9200 シリーズ スイッチのポート 90 ~ 253、およびポート 255

Cisco MDS 9500 シリーズ スイッチのポート 250 ~ 253、およびポート 255