FLOGI、ネーム サーバー、FDMI、および RSCN データベースの管理

この章では、Cisco MDS 9000 ファミリが提供するファブリック ログイン(FLOGI)データベース、ネーム サーバー機能、Fabric-Device Management Interface、Registered State Change Notification(RSCN)の情報について説明します。内容は次のとおりです。

FLOGIの概要

ファイバ チャネル ファブリックでは、ホストまたはディスクごとにファイバ チャネル ID が必要です。FLOGI テーブルにストレージ デバイスが表示されるかどうかを確認するには、次の項で説明するように show flogi database コマンドを使用します。必要なデバイスが FLOGI テーブルに表示されていれば、FLOGI が正常に行われます。ホスト Host Bus Adapter(HBA)および接続ポートに直接接続されているスイッチ上の FLOGI データベースを検査します。

ネーム サーバー

ネーム サーバー機能は、各 VSAN 内のすべてのホストおよびストレージ デバイスの属性を含むデータベースを維持します。ネーム サーバーでは、情報を最初に登録したデバイスによるデータベース エントリの変更が認められます。

別のデバイスによって登録済みのデータベース エントリの内容を変更(アップデートまたは削除)する必要がある場合は、プロキシ機能が便利です。

このセクションは、次のトピックで構成されています。

ネーム サーバーから送信される一括通知

Cisco MDS 9000 スイッチでのファイバ チャネル プロトコルのパフォーマンスを向上させるため、ネーム サーバーは 1 つの MTS ペイロードで複数の通知を送信することで、リモート エントリ変更通知を最適化します。この MTS 通知を受け取るその他の約 10 個のコンポーネントは、複数の通知ではなく 1 つの一括通知を処理する必要があります。

ネーム サーバーの一括通知の有効化

NX-OS Release 6.2(1) ~ 6.2(7) では、一括通知はデフォルトでは無効です。1 つのスイッチでこの機能を有効にしても、同じファブリック内のその他のスイッチには影響しません。


Note


NX-OS Release 6.2(9) 以降では、一括送信はデフォルトで有効です。
[Restrictions(機能制限)]
  • DMM、IOA、SME などのインテリジェント アプリケーションが有効な場合は常に、一括通知機能はサポートされません。
  • FC リダイレクトの設定は、一括通知機能と常に競合します。

Note


前述の制約はリリース 6.2.7 のみに適用されます。

ネーム サーバーの一括通知を有効にするには、NX-OS Release 6.2(1) ~ 6.2(7) で次の手順を実行します。

Procedure


Step 1

switch# config t

コンフィギュレーション モードに入ります。

Step 2

switch(config)# fcns bulk-notify

switch(config)#

1 つの Messaging and Transaction Services(MTS)ペイロードでの複数ネーム サーバー エントリ変更通知の送信を有効にします。


ネーム サーバーの一括通知の無効化

ネーム サーバーの一括通知を無効にするには、NX-OS Release 6.2(1) ~ 6.2(7) で次の手順を実行します。

Procedure


Step 1

switch# config t

コンフィギュレーション モードに入ります。

Step 2

switch(config)# no fcns bulk-notify

switch(config)#

1 つの Messaging and Transaction Services(MTS)ペイロードでの複数ネーム サーバー エントリ変更通知の送信を無効にします。


NX-OS リリース 6.2(9) のネーム サーバー一括通知の無効化

ネーム サーバーの一括通知を無効にするには、NX-OS Release 6.2(9) 以降で次の手順を実行します

Procedure


Step 1

switch# config t

コンフィギュレーション モードに入ります。

Step 2

switch(config)# fcns no-bulk-notify

switch(config)#

1 つの Messaging and Transaction Services(MTS)ペイロードでの複数ネーム サーバー エントリ変更通知の送信を無効にします。


ネーム サーバーの一括通知の再有効化

NX-OS Release 6.2(9) 以降ですでに無効にした設定を再度有効にするには、次の手順を実行します。

Procedure


Step 1

switch# config terminal

コンフィギュレーション モードに入ります。

Step 2

switch(config)# no fcns no-bulk-notify

switch(config)#

1 つの Messaging and Transaction Services(MTS)ペイロードでの複数ネーム サーバー エントリ変更通知の送信を再び有効にします。


ネーム サーバー プロキシ登録

ネーム サーバー登録要求はすべて、パラメータが登録または変更されたポートと同じポートから送信されます。そのポートにパラメータがないと、要求は拒否されます。

この許可を使用すると、WWN が他のノードに代わって特定のパラメータを登録できるようになります。

ネーム サーバー プロキシの登録

ネーム サーバー プロキシを登録するには、次の手順を実行します。

Procedure


Step 1

switch# config terminal

switch(config)#

コンフィギュレーション モードに入ります。

Step 2

switch(config)# fcns proxy-port 21:00:00:e0:8b:00:26:d0 vsan 2

指定した VSAN のプロキシ ポートを設定します。


重複 pWWN の拒否の概要

FC 標準では、NX-OS は同一スイッチ、同一 VSAN、および同一 FC ドメインですでにログインしている pWWN の任意のインターフェイスでのログインを受け入れます。同じ pWWN が、異なるインターフェイスで同じスイッチにログインしないようにするには、ポート セキュリティ機能を使用します。

デフォルトでは、同一 VSAN の異なるスイッチでの(重複する pWWN による)今後の FLOGI はすべて拒否され、以前の FLOGI が維持されます。これは FC 標準に準拠していません。このオプションを無効にすると、以前の FCNS エントリを削除することで、同一 VSAN の異なるスイッチでの(重複する pWWN による)今後の FLOGI はすべて許可されます。

重複 pWWN の拒否

重複 pWWN を拒否するには、次の手順を実行します。

Procedure


Step 1

switch# configure terminal

switch(config)#

コンフィギュレーション モードに入ります。

Step 2

switch(config)# fcns reject-duplicate-pwwn vsan 1

異なるスイッチでの(重複する pWWN による)今後の FLOGI はすべて拒否され、以前の FLOGI が維持されます。(デフォルト)

Step 3

switch(config)# no fcns reject-duplicate-pwwn vsan 1

以前の FLOGI エントリを削除することで、異なるスイッチでの(重複する pWWN による)今後の FLOGI はすべて許可されます。

ただし、他のスイッチの FLOGI データベースには以前のエントリがまだ含まれています。


ネーム サーバー データベース エントリ

ネーム サーバーはすべてのホストのネーム エントリを FCNS データベースに保管しています。ネーム サーバーは、Nx ポートが他のホストの属性を取得するために(ネーム サーバーへの)PLOGI を実行するときに、Nx ポートによる属性の登録を許可します。Nx ポートが明示的または暗黙的にログアウトする時点で、これらの属性は登録解除されます。

マルチスイッチ ファブリック構成では、各スイッチ上で稼働するネーム サーバー インスタンスが分散型データベースで情報を共有します。スイッチごとに 1 つのネーム サーバー プロセスのインスタンスが実行されます。

ネーム サーバーのデータベース同期の最適化

エンド デバイスが FC4 機能をネーム サーバー データベースに登録しない場合、VHBA(scsi-target とも呼ばれる)コンポーネントがエンド デバイスに対して PRLI を実行し、FC4 機能を検出し、エンド デバイスの代理でネーム サーバーに登録します。VHBA からのこの検出は、ローカル接続デバイスと

リモート接続デバイスの両方に対して実行されています。リモート接続デバイスに対してこの検出を実行する必要はありません。これは、ネーム サーバーは標準ネーム サーバー同期プロトコルを使用してリモート接続デバイスの FC4 機能を取得するためです。したがって、ローカル接続デバイスだけを検出するように、VHBA コンポーネントのデフォルトの動作が変更されました。この動作を変更するには、次の手順を実行します。

Procedure


Step 1

switch(config)# scsi-target discovery

スイッチが、リモート デバイスの fc-4 機能も

検出できるようにします。ただしこれは、

ユーザーがスイッチをリロードするか、またはスイッチをスイッチオーバーする場合のデフォルトの動作ではありません。

Step 2

switch(config)# scsi-target discovery local-only

デフォルトの動作に戻ります。


ネーム サーバー データベースのエントリ数の確認

ネーム サーバー データベースのエントリ数を確認するには、次の手順に従います

Procedure


Step 1

switch# show fcns internal info global

ネーム サーバー データベースのデバイス エントリの数を表示します。

Step 2

switch# show fcns internal info

出力の終わりに、ネーム サーバー データベースのデバイスの数を表示します。


ネーム サーバーのデータベース エントリの表示

指定した VSAN またはすべての VSAN のネーム サーバーのデータベースおよび統計情報を表示するには、show fcns コマンドを使用します(例 ネーム サーバー データベースの表示ネーム サーバー統計情報の表示 を参照)。

ネーム サーバー データベースの表示


switch# show fcns database
--------------------------------------------------------------------------
FCID        TYPE  PWWN                    (VENDOR)        FC4-TYPE:FEATURE
--------------------------------------------------------------------------
0x010000    N     50:06:0b:00:00:10:a7:80                   scsi-fcp fc-gs 
0x010001    N     10:00:00:05:30:00:24:63 (Cisco)           ipfc 
0x010002    N     50:06:04:82:c3:a0:98:52 (Company 1)       scsi-fcp 250 
0x010100    N     21:00:00:e0:8b:02:99:36 (Company A)       scsi-fcp 
0x020000    N     21:00:00:e0:8b:08:4b:20 (Company A)        
0x020100    N     10:00:00:05:30:00:24:23 (Cisco)	        ipfc 
0x020200    N     21:01:00:e0:8b:22:99:36 (Company A)       scsi-fcp 

指定した VSAN のネーム サーバー データベースの表示


switch# show fcns database vsan 1
VSAN 1:
--------------------------------------------------------------------------
FCID        TYPE  PWWN                    (VENDOR)        FC4-TYPE:FEATURE
--------------------------------------------------------------------------
0x030001    N     10:00:00:05:30:00:25:a3 (Cisco)         ipfc
0x030101    NL    10:00:00:00:77:99:60:2c (Interphase)
0x030200    N     10:00:00:49:c9:28:c7:01
0xec0001    NL    21:00:00:20:37:a6:be:14 (Seagate)       scsi-fcp
Total number of entries = 4

ネーム サーバー データベースの詳細の表示


switch# show fcns database detail
------------------------
VSAN:1     FCID:0x030001
------------------------
port-wwn (vendor)     :10:00:00:05:30:00:25:a3 (Cisco)
node-wwn              :20:00:00:05:30:00:25:9e
class                 :2,3
node-ip-addr          :0.0.0.0
ipa                   :ff ff ff ff ff ff ff ff
fc4-types:fc4_features:ipfc
symbolic-port-name    :
symbolic-node-name    :
port-type             :N
port-ip-addr          :0.0.0.0
fabric-port-wwn       :00:00:00:00:00:00:00:00
hard-addr             :0x000000
------------------------
VSAN:1     FCID:0xec0200
------------------------
port-wwn (vendor)     :10:00:00:5a:c9:28:c7:01
node-wwn              :10:00:00:5a:c9:28:c7:01
class                 :3
node-ip-addr          :0.0.0.0
ipa                   :ff ff ff ff ff ff ff ff
fc4-types:fc4_features:
symbolic-port-name    :
symbolic-node-name    :
port-type             :N
port-ip-addr          :0.0.0.0
fabric-port-wwn       :22:0a:00:05:30:00:26:1e
hard-addr             :0x000000
Total number of entries = 2

ネーム サーバー統計情報の表示


switch# show fcns statistics
 
registration requests received = 27
deregistration requests received = 0
queries received = 57
queries sent = 10
reject responses sent = 14
RSCNs received = 0
RSCNs sent = 0

FDMI

Cisco MDS 9000 ファミリ スイッチでは、FC-GS-4 規格に記述されている FDMI 機能がサポートされます。FDMI を使用すると、ファイバ チャネル HBA などのデバイスをインバンド通信によって管理できます。この機能を追加することにより、既存のファイバ チャネル ネーム サーバーおよび管理サーバーの機能を補完します。

FDMI 機能を使用すると、独自のホスト エージェントをインストールしなくても、Cisco NX-OS ソフトウェアは接続先 HBA およびホスト OS(オペレーティング システム)に関する次の管理情報を抽出できます。

  • 製造元、モデル、およびシリアル番号
  • ノード名およびノードのシンボリック名
  • ハードウェア、ドライバ、およびファームウェアのバージョン
  • ホスト オペレーティング システム(OS)の名前およびバージョン番号

FDMI の表示

FDMI データベース情報を表示するには、show fdmi コマンドを使用します。

Cisco MDS NX-OS リリース 9.4(2)より前のすべての HBA 管理サーバーを表示します。


switch# show fdmi database
Registered HBA List for VSAN 1
  10:00:00:00:c9:32:8d:77
  21:01:00:e0:8b:2a:f6:54
switch# show fdmi database detail
Registered HBA List for VSAN 1
-------------------------------
HBA-ID: 10:00:00:00:c9:32:8d:77
-------------------------------
Node Name        :20:00:00:00:c9:32:8d:77
Manufacturer     :Emulex Corporation
Serial Num       :0000c9328d77
Model            :LP9002
Model Description:Emulex LightPulse LP9002 2 Gigabit PCI Fibre Channel Adapter
Hardware Ver     :2002606D
Driver Ver       :SLI-2 SW_DATE:Feb 27 2003, v5-2.20a12
ROM Ver          :3.11A0
Firmware Ver     :3.90A7
OS Name/Ver      :Window 2000
CT Payload Len   :1300000
  Port-id: 10:00:00:00:c9:32:8d:77
-------------------------------
HBA-ID: 21:01:00:e0:8b:2a:f6:54
-------------------------------
Node Name        :20:01:00:e0:8b:2a:f6:54
Manufacturer     :QLogic Corporation
Serial Num       :\74262
Model            :QLA2342
Model Description:QLogic QLA2342 PCI Fibre Channel Adapter
Hardware Ver     :FC5010409-10
Driver Ver       :8.2.3.10 Beta 2 Test 1 DBG (W2K VI)
ROM Ver          :1.24
Firmware Ver     :03.02.13.
OS Name/Ver      :500
CT Payload Len   :2040
  Port-id: 21:01:00:e0:8b:2a:f6:54

指定された VSAN の HBA の詳細の表示


switch# show fdmi database detail vsan 1
Registered HBA List for VSAN 1
-------------------------------
HBA-ID: 10:00:00:00:c9:32:8d:77
-------------------------------
Node Name :20:00:00:10:9b:e0:ff:0c
Manufacturer :Emulex Corporation
Serial Num :FP13662272
Model :LPe36002-M64
Model Description:Emulex LPe36002-M64 2-Port 64Gb Fibre Channel Adapter
Hardware Ver :0000000
Driver Ver :12.6.0.2
ROM Ver :12.8.351.47
Firmware Ver :12.8.351.47
OS Name/Ver :Linux 4.18.0-193.el8.x86_64 #1 SMP Fri Mar 27 14:35:58 UTC 2020
CT Payload Len :245760
Port-id: 10:00:00:10:9b:e0:ff:0c
Supported FC4 types:1 scsi-fcp fc-gs NVMe
Supported Speed :16G 32G 64G
Current Speed :32G
Maximum Frame Size :2048
OS Device Name :/sys/class/scsi_host/host13
Host Name :localhost.localdomain
  Port-id: 10:00:00:00:c9:32:8d:77
-------------------------------
HBA-ID: 21:01:00:e0:8b:2a:f6:54
-------------------------------
Node Name        :20:00:00:24:ff:7e:e6:14
Manufacturer     :QLogic Corporation
Serial Num       :RFD1604J61197
Model            :QLE2742
Model Description:Cisco QLE2742 Dual Port 32Gb FC to PCIe Gen3 x8 Adapter
Hardware Ver     :BK3210407-43 02
Driver Ver       :10.01.00.63.08.0-k
ROM Ver          :3.62
Firmware Ver     :8.08.05 (d0d5)
  Port-id: 21:01:00:e0:8b:2a:f6:54

指定された HBA エントリの詳細の表示


switch# show fdmi database detail hba-id 21:01:00:e0:8b:2a:f6:54 vsan 1
Node Name        :20:01:00:e0:8b:2a:f6:54
Manufacturer     :QLogic Corporation
Serial Num       :\74262
Model            :QLA2342
Model Description:QLogic QLA2342 PCI Fibre Channel Adapter
Hardware Ver     :FC5010409-10
Driver Ver       :8.2.3.10 Beta 2 Test 1 DBG (W2K VI)
ROM Ver          :1.24
Firmware Ver     :03.02.13.
OS Name/Ver      :500
CT Payload Len   :2040
  Port-id: 21:01:00:e0:8b:2a:f6:54

RSCN

Registered State Change Notification(RSCN)は、ファブリック内で行われた変更について各ホストに通知するためのファイバ チャネル サービスです。ホストは(SCR を通じて)ファブリック コントローラに登録することにより、この情報を受信できます。次のいずれかのイベントが発生した場合、適宜通知されます。

  • ファブリックへのディスクの追加または削除
  • ネーム サーバーの登録内容の変更
  • 新しいゾーンの適用
  • IP アドレスの変更
  • ホストの動作に影響するその他の同様なイベント

このセクションは、次のトピックで構成されています。

RSCN 情報の概要

登録先ホストにこれらのイベントを送信するだけでなく、スイッチ RSCN(SW-RSCN)がファブリック内のすべての到達可能なスイッチに送信されます。


Note


スイッチは RSCN を送信して、登録済みのノードに変更が発生したことを通知します。ネーム サーバーに再度クエリーを発行して新しい情報を取得するのは、各ノードの責任範囲です。スイッチが各ノードに送信する RSCN には、変更に関する詳細情報は含まれていません。

RSCN 情報の表示

RSCN 情報を表示するには、show rscn コマンドを使用します(例 登録デバイス情報の表示 および RSCN のカウンタ情報の表示 を参照)。

登録デバイス情報の表示


switch# show rscn scr-table vsan 1
SCR table for VSAN: 1
---------------------------------------------
FC-ID         REGISTERED FOR
---------------------------------------------
0x1b0300      fabric detected rscns
Total number of entries = 1

Note


SCR テーブルは設定不可能です。ホストが RSCN 情報と一緒に SCR フレームを送信する場合にかぎり、入力されます。ホストが RSCN 情報を受信しない場合、show rscn scr-table コマンドはエントリを返しません。

RSCN のカウンタ情報の表示


switch(config)# show rscn statistics vsan 106
Statistics for VSAN: 106
-------------------------
Number of SCR received         = 0
Number of SCR ACC sent         = 0
Number of SCR RJT sent         = 0
Number of RSCN received        = 0
Number of RSCN sent            = 0
Number of RSCN ACC received    = 0
Number of RSCN ACC sent        = 0
Number of RSCN RJT received    = 0
Number of RSCN RJT sent        = 0
Number of SW-RSCN received     = 0
Number of SW-RSCN sent         = 0
Number of SW-RSCN ACC received = 0
Number of SW-RSCN ACC sent     = 0
Number of SW-RSCN RJT received = 0
Number of SW-RSCN RJT sent     = 0
Number of CSWR received        = 3137
Number of CSWR sent            = 0
Number of CSWR ACC received    = 0
Number of CSWR ACC sent        = 3137
Number of CSWR RJT received    = 0
Number of CSWR RJT sent        = 0
Number of CSWR RJT not sent    = 0

multi-pid オプション

RSCN の multi-pid オプションをイネーブルに設定すると、登録済み Nx ポートに対して生成される RSCN に、影響を受けた複数のポート ID が含まれる場合があります。この場合、ゾーン分割ルールを適用してから、影響を受けた複数のポート ID が 1つの RSCN にまとめられます。このオプションをイネーブルにすることによって、RSCN の数を減らすことができます。たとえば、2 つのディスク(D1 と D2)およびホスト(H)がスイッチ 1 に接続されているとします。ホスト H は、RSCN を受信するように登録済みです。D1、D2、および H は同じゾーンに属します。ディスク D1 および D2 が同時にオンラインになると、次のいずれかの処理が適用されます。

  • スイッチ 1 で multi-pid オプションがディセーブルになります。ホスト H に対して 2 つの RSCN が生成されます(1 つはディスク D1 用、もう 1 つはディスク D2 用)。
  • スイッチ 1 で multi-pid オプションがイネーブルになります。ホスト H に対して RSCN が 1 つ生成され、RSCN ペイロードによって関連ポート ID がリストされます(この場合は D1 および D2)。

Note


一部の Nx ポートでは、multi-pid RSCN ペイロードをサポートできないことがあります。その場合は、RSCN の multi-pid オプションを無効にしてください。

multi-pid オプションの設定

multi-pid オプションを設定するには、次の手順を実行します。

Procedure


Step 1

switch# config terminal

switch(config)#

コンフィギュレーション モードに入ります。

Step 2

switch(config)# rscn multi-pid vsan 105

VSAN 105 の RSCN を multi-pid フォーマットで送信します。


ドメイン フォーマット SW-RSCN の抑制

ドメイン フォーマット SW-RSCN は、ローカル スイッチ名またはローカル スイッチ管理 IP アドレスが変更されるとすぐに送信されます。この SW-RSCN は、ISL を介して、他のすべてのドメインおよびスイッチに送信されます。リモート スイッチから、ドメイン フォーマット SW-RSCN を開始したスイッチに対して GMAL コマンドおよび GIELN コマンドを発行すると、変更内容を判別できます。ドメイン フォーマット SW-RSCN によって、一部の他社製の MDS スイッチで問題が発生することがあります(を参照)。

これらの SW-RSCN の ISL を介した送信を抑制するには、次の手順を実行します。

Procedure


Step 1

switch# config terminal

switch(config)#

コンフィギュレーション モードに入ります。

Step 2

switch(config)# rscn suppress domain-swrscn vsan 105

VSAN 105 のドメイン フォーマット SW-RSCN の送信を抑制します。

Note

 
ポート アドレス フォーマット RSCN またはエリア アドレス フォーマット RSCN の送信は抑制できません。

結合 SW-RSCN

Cisco MDS 9000 スイッチでのファイバ チャネル プロトコルのパフォーマンス向上のため、SW-RSCN は遅延され、収集され、1 つの結合 SW-RSCN として単一ファイバ チャネル交換でファブリック内のすべてのスイッチに送信されます。

結合 SW RSCN の有効化

[Restrictions(機能制限)]

  • ファブリック内のすべてのスイッチで Cisco MDS 6.2(7) 以降が実行されている必要があります。
  • この機能には、Cisco MDS 以外のスイッチとの相互運用性はありません。

結合 SW-RSCN を有効にするには、次の手順を実行します。

手順


ステップ 1

switch# config terminal

コンフィギュレーション モードに入ります。

ステップ 2

switch(config)# rscn coalesce swrscn vsan 1

switch(config)#

VSAN 1 の Switch Registered State Change Notification(SWRSCN)の結合を有効にします。デフォルト遅延は 500 ミリ秒です。

ステップ 3

switch(config)# rscn coalesce swrscn vsan 1 delay 800

switch(config)#

VSAN 1 の Switch Registered State Change Notification(SWRSCN)の結合を有効にします。SW-RSCN を最大で 800 ミリ秒遅延します。

(注)  

 
6.2(7) 以降が稼働しているすべてのスイッチでは、デフォルトで結合 SW-RSCN を処理できますが、結合 SW-RSCN の送信は CLI で有効にした後でのみ可能です。

結合 SW-RSCN の無効化

結合 SW-RSCN を無効にするには、次の手順を実行します。

手順


ステップ 1

switch# config terminal

コンフィギュレーション モードに入ります。

ステップ 2

switch(config)# no rscn coalesce swrscn vsan 1

switch(config)#

VSAN 1 の Switch Registered State Change Notification(SWRSCN)の結合を無効にします。


RSCN 統計情報のクリア

カウンタをクリアしたあとに、それらのカウンタを別のイベントに関して表示することができます。たとえば、特定のイベント(ONLINE または OFFLINE イベントなど)で生成された RSCN または SW-RSCN の個数を追跡できます。このような統計情報を利用して、VSAN 内で発生する各イベントへの応答を監視できます。

指定された VSAN の RSCN 統計情報をクリアするには、clear rscn statistics コマンドを使用します。


switch# clear rscn statistics vsan 1 

RSCN 統計情報をクリアした後に show rscn コマンドを実行すると、クリアされたカウンタを表示できます。


switch# show rscn statistics vsan 1
Statistics for VSAN: 1
-------------------------
Number of SCR received         = 0
Number of SCR ACC sent         = 0
Number of SCR RJT sent         = 0
Number of RSCN received        = 0
Number of RSCN sent            = 0
Number of RSCN ACC received    = 0
Number of RSCN ACC sent        = 0
Number of RSCN RJT received    = 0
Number of RSCN RJT sent        = 0
Number of SW-RSCN received     = 0
Number of SW-RSCN sent         = 0
Number of SW-RSCN ACC received = 0
Number of SW-RSCN ACC sent     = 0
Number of SW-RSCN RJT received = 0
Number of SW-RSCN RJT sent     = 0
Number of CSWR received        = 0
Number of CSWR sent            = 0
Number of CSWR ACC received    = 0
Number of CSWR ACC sent        = 0
Number of CSWR RJT received    = 0
Number of CSWR RJT sent        = 0
Number of CSWR RJT not sent    = 0

CFS を使用した RSCN タイマー設定の配布

各スイッチのタイムアウト値は、手動で設定されるため、異なるスイッチが別々の時間にタイムアウトになると、誤設定が生じます。つまり、ネットワーク内の異なる N ポートが別々の時間に RSCN を受信してしまうことがあります。Cisco Fabric Services(CFS)を使用すると、設定情報がファブリック内のすべてのスイッチに自動配信されて、この状況が回避されます。また、SW-RSCN の数も削減します。

RSCN は、配布と非配布の 2 つのモードをサポートしています。配布モードでは、RSCN は CFS を使用して、ファブリック内のすべてのスイッチに設定を配布します。非配布モードでは、影響を受けるのはローカル スイッチに対するコンフィギュレーション コマンドだけです。


Note


すべてのコンフィギュレーション コマンドが配布されるわけではありません。rscn event-tov tov vsan vsan コマンドだけが配布されます。

RSCN タイマーは、初期化およびスイッチオーバーの実行時に CFS に登録されます。ハイ アベイラビリティを実現するため、RSCN タイマー配布がクラッシュし再起動する場合、またはスイッチオーバーが発生した場合には、クラッシュまたはスイッチオーバーが発生する前の状態から、通常の機能が再開されます。


Note


ダウングレードを実行する場合は、事前に、ネットワーク内の RCSN タイマー値をデフォルト値に戻してください。デフォルト値に戻しておかないと、VSAN およびその他のデバイスを経由するリンクがディセーブルになります。

アップグレードまたはダウングレード中の各 Cisco MDS NX-OS リリースの互換性は、CFS が提供する conf-check によってサポートされます。Cisco MDS SAN-OS Release 30 からダウングレードしようとすると、conf-check 警告が表示されます。ダウングレードの前に、RSCN タイマー配信サポートをディセーブルにするように要求されます。

デフォルトでは、RSCN タイマー配信機能はディセーブルになっているため、Cisco MDS SAN-OS Release 3.0 よりも前のリリースからアップグレードするときに互換性があります。

RSCN タイマーの設定

RSCN は、VSAN 単位のイベント リスト キューを維持します。RSCN イベントは、生成されると、このキューに入れられます。最初の RSCN イベントがキューに入ると、VSAN 単位のタイマーが始動します。タイムアウトになると、すべてのイベントがキューから出され、結合 RSCN が登録済みユーザーに送信されます。デフォルトのタイマー値の場合に、登録済みユーザーに送信される結合 RSCN の数が最小になります。配置によっては、ファブリック内の変更を追跡するために、イベント タイマー値をさらに小さくする必要が生じることがあります。


Note


RSCN タイマー値は、VSAN 内のすべてのスイッチで同一にする必要があります。RSCN タイマー設定の配布を参照してください。

Note


ダウングレードを実行する場合は、事前に、ネットワーク内の RCSN タイマー値をデフォルト値に戻してください。デフォルト値に戻しておかないと、VSAN およびその他のデバイスを経由するリンクがディセーブルになります。

RSCN タイマーを設定するには、次の手順を実行します。

Procedure


Step 1

switch# config t

switch(config)#

コンフィギュレーション モードに入ります。

Step 2

switch(config)# rscn distribute

RSCN タイマーの設定の配布をイネーブルにします。

Step 3

switch(config)# rscn event-tov 300 vsan 10

選択した VSAN のイベント タイムアウト値(ミリ秒)を設定します。この例では、VSAN 12 のイベント タイムアウト値は 300 ミリ秒に設定されます。有効値は 0 ~ 2000 ミリ秒です。値をゼロ(0)に設定すると、タイマーはディセーブルになります。

Step 4

switch(config)# no rscn event-tov 300 vsan 10

デフォルト値(ファイバ チャネル VSAN の場合は 2000 ミリ秒、FICON VSAN の場合は 1000 ミリ秒)に戻ります。

Step 5

switch(config)# rscn commit vsan 10

配信する RSCN タイマー設定を VSAN 10 内のスイッチにコミットします。


RSCN タイマー設定の確認

RSCN タイマー設定を確認するには、show rscn event-tov vsan コマンドを使用します。


switch# show rscn event-tov vsan 10
Event TOV : 1000 ms

RSCN タイマー設定の配布

各スイッチのタイムアウト値は、手動で設定されるため、異なるスイッチが別々の時間にタイムアウトになると、誤設定が生じます。つまり、ネットワーク内の異なる N ポートが別々の時間に RSCN を受信してしまうことがあります。Cisco Fabric Service(CFS)インフラストラクチャでは、RSCN タイマー設定情報をファブリック内のすべてのスイッチに自動的に配布することで、この状況を解消します。また、SW-RSCN の数も削減します。『Cisco MDS 9000 Family NX-OS System Management Configuration Guide』を参照してください。

RSCN は、配布と非配布の 2 つのモードをサポートしています。配布モードでは、RSCN は CFS を使用して、ファブリック内のすべてのスイッチに設定を配布します。非配布モードでは、影響を受けるのはローカル スイッチに対するコンフィギュレーション コマンドだけです。


Note


すべてのコンフィギュレーション コマンドが配布されるわけではありません。rscn event-tov tov vsan vsan コマンドだけが配布されます。

Note


RSCN タイマー設定だけが配布されます。

RSCN タイマーは、初期化およびスイッチオーバーの実行時に CFS に登録されます。ハイ アベイラビリティを実現するため、RSCN タイマー配布がクラッシュし再起動する場合、またはスイッチオーバーが発生した場合には、クラッシュまたはスイッチオーバーが発生する前の状態から、通常の機能が再開されます。


Note


show incompatibility system コマンドを使用して以前の Cisco MDS NX-OS リリースにダウングレードする場合に、互換性を指定できます。以前のリリースへのダウングレードの前に、RSCN タイマー配信サポートを無効にする必要があります。

Note


デフォルトでは、RSCN タイマー配信機能は無効になっているため、Cisco MDS SAN-OS Release 3.0 よりも前のリリースからアップグレードするときに互換性があります。

Note


RSCN タイマー設定で CFS 配信が正しく行われるようにするには、ファブリック内のすべてのスイッチで Cisco SAN-OS Release 3.0(1) 以降または Cisco NX-OS 4.1(1b) が稼働している必要があります。

このセクションは、次のトピックで構成されています。

RSCN タイマー設定の配布のイネーブル化

RSCN タイマー設定の配信を有効にするには、次の手順を実行します。

Procedure

Step 1

switch# config terminal

switch(config)#

コンフィギュレーション モードに入ります。

Step 2

switch(config)# rscn distribute

RSCN タイマーの設定の配布をイネーブルにします。

Step 3

switch(config)# no rscn distribute

RSCN タイマーの配布をディセーブル(デフォルト)にします。


ファブリックのロック

データベースを変更するときの最初のアクションによって、保留中のデータベースが作成され、VSAN 内の機能がロックされます。ファブリックがロックされると、次のような状況になります。

  • 他のユーザーがこの機能の設定に変更を加えることができなくなります。
  • コンフィギュレーション データベースのコピーが、最初のアクティブ変更と同時に保留中のデータベースになります。

RSCN タイマー設定の変更のコミット

アクティブ データベースに加えられた変更をコミットする場合、ファブリック内のすべてのスイッチに構成がコミットされます。コミットが正常に行われると、構成の変更がファブリック全体に適用され、ロックが解除されます。

RSCN タイマー設定の変更をコミットするには、次の手順を実行します。

Procedure

Step 1

switch# config t

switch(config)#

コンフィギュレーション モードに入ります。

Step 2

switch(config)# rscn commit vsan 10

RSCN タイマーの変更をコミットします。


RSCN タイマー設定の変更の廃棄

保留中のデータベースに加えられた変更を廃棄(終了)する場合、構成データベースは影響を受けないまま、ロックが解除されます。

RSCN タイマー設定の変更を廃棄するには、次の手順を実行します。

Procedure

Step 1

switch# config t

switch(config)#

コンフィギュレーション モードに入ります。

Step 2

switch(config)# rscn abort vsan 10

RSCN タイマーの変更を廃棄し、保留中のコンフィギュレーション データベースをクリアします。


ロック済みセッションのクリア

RSCN タイマー設定を変更したが、変更をコミットまたは廃棄してロックを解除するのを忘れた場合、管理者はファブリック内の任意のスイッチからロックを解除できます。管理者がこの操作を行うと、ユーザーによる保留データベースの変更は廃棄され、ファブリックのロックは解除されます。


Tip


保留中のデータベースは揮発性ディレクトリでだけ有効で、スイッチが再起動されると廃棄されます。


管理者の特権を使用して、ロックされた DPVM セッションを解除するには、EXEC モードで clear rscn session vsan コマンドを使用します。


switch# clear rscn session vsan 10

RSCN 設定の配布情報の表示

RSCN 設定の配信の登録ステータスを表示するには、show cfs application name rscn コマンドを使用します。


switch# show cfs application name rscn
 Enabled        : Yes
 Timeout        : 5s
 Merge Capable  : Yes
 Scope          : Logical

RSCN 設定の配信のセッション ステータス情報を表示するには、show rscn session status vsan コマンドを使用します。


Note


結合対象のファブリックの RSCN タイマー値が異なる場合、結合は失敗します。

switch# show rscn session status vsan 1
Session Parameters for VSAN: 1
-------------------------------
Last Action                : Commit
Last Action Result         : Success
Last Action Failure Reason : None

設定をコミットした際に有効になる一連のコンフィギュレーション コマンドを表示するには、 show rscn pending コマンドを使用します。


Note


保留中のデータベースには、既存設定と変更された設定の両方が含まれます。

switch# show rscn pending
rscn event-tov 2000 ms vsan 1
rscn event-tov 2000 ms vsan 2
rscn event-tov 300 ms vsan 10

保留中の設定とアクティブな設定の違いを表示するには、 show rscn pending-diff コマンドを使用します。次の例では、VSAN 10 のタイムアウト値が 2000 ミリ秒(デフォルト)から 300 ミリ秒に変更されています。


switch# show rscn pending-diff
- rscn event-tov 2000 ms vsan 10
+ rscn event-tov 300 ms vsan 10

デフォルト設定

Table 1 に、RSCN のデフォルト設定値を示します。

Table 1. デフォルトの RSCN 設定値

パラメータ

デフォルト

RSCN タイマー値

2,000 ミリ秒(ファイバ チャネル VSAN の場合)1,000 ミリ秒(FICON VSAN の場合)

RSCN タイマー設定の配布

ディセーブル

ポート ペーシングの有効化

詳細については、『Cisco MDS 9000 Family NX-OS System Management』を参照してください。