DDAS

Cisco MDS 9000 シリーズのすべてのスイッチは、ファブリック全体での Distributed Device Alias Service(デバイス エイリアス)をサポートしています。デバイス エイリアス配信により、エイリアス名を手動で再度入力することなく、VSAN 間で HBA(ホスト バス アダプタ)を移動できます。

この章は、次の項で構成されています。

デバイス エイリアスについて

Cisco MDS 9000 ファミリ スイッチで機能(ゾーン分割、QoS、ポート セキュリティなど)を設定するために、デバイスの port WWN(pWWN)を指定する必要がある場合は、これらの機能を設定するたびに、正しいデバイス名を割り当てる必要があります。デバイス名が正しくないと、予期しない結果が生じることがあります。この問題を回避するには、わかりやすい pWWN 名を定義し、必要に応じて、この名前をすべてのコンフィギュレーション コマンドで使用します。この章では、これらのわかりやすい名前をデバイス エイリアス と表します。

デバイス エイリアスのモード

デバイス エイリアス基本モードおよび拡張モード

デバイス エイリアスの機能は、基本モードと拡張モードの 2 つをサポートしています。


Note


  • NX-OS プロセス(zone、dpvm、ivr など)などのアプリケーションの場合、device-alias が基本モードの場合、device-alias 構成はそれらの PWWN にマッピングされます。一方、デバイス エイリアスが拡張モードの場合、アプリケーションのデバイス エイリアス構成は PWWN にすぐにマッピングされませんが、ネイティブ フォームまたはフォーマットと呼ばれるアプリケーションで構成されたままになります。

  • Cisco MDS NX-OS リリース 8.5(1) 以降、デフォルトのデバイス エイリアス モードは拡張モードです。


基本モードでデバイス エイリアスを使用する場合、ゾーン、DPVM、IVR などの NX-OS プロセスは、デバイス エイリアス名を構成内の関連付けられた pWWN にすぐに展開します。たとえば、デバイス エイリアス メンバーをゾーンに追加すると、デバイス エイリアス メンバーではなく pWWN メンバーとして追加されます。したがって、デバイス エイリアス エントリの pWWN を変更しても、(デバイス エイリアスを除く)すべての構成は更新されません。古いエントリを削除してゾーンを再構成することで、そのデバイス エイリアスを含むゾーンを手動で編集する必要があり、古い PWWN エントリを削除し、現在更新された PWWN を持つ同じデバイス エイリアス名でそれを追加し直すことで、PWWN が使用されるその他の構成を再構成する必要があります。 それが完了したら、変更に適した方法で構成をアクティブにする必要があります。たとえば、ゾーンが変更された場合、必要に応じてゾーン セットを再アクティブ化してコミットする必要があります。

拡張モードでデバイス エイリアスを使用する場合、ゾーン、DPVM、IVR などの NX-OS プロセスは、デバイス エイリアス名を pWWN に拡張するのではなく、指定されたとおりの構成内にネイティブに保存します。アプリケーションは、デバイス エイリアス データベースの変更を追跡し、すべての変更(たとえば、デバイス エイリアスの名前変更)を適用するために必要な処理を行います。

このモードでは、構成がネイティブ形式で受け付けられるため、デバイス エイリアスの pWWN が変更されると、そのデバイス エイリアスが含まれているゾーンまたはその他の構成が自動的に更新されます。

モード設定の変更

デバイス エイリアス モードが基本モードから拡張モードに変更されると、対応するアプリケーションはこの変更について通知されます。アプリケーションでは、ネイティブ フォーマットでデバイス エイリアスベース設定を受け付け始めます。


Note


デバイス エイリアスは以前に基本モードで実行されていたため、アプリケーションには前のネイティブ デバイス エイリアス設定はありません。

アプリケーションはネイティブ フォーマットの既存のデバイス エイリアス設定をチェックします。デバイス エイリアスがネイティブ フォーマットである場合、アプリケーションは要求を拒否し、デバイス エイリアス モードを基本に変更できません。

すべてのネイティブのデバイス エイリアス設定(ローカル スイッチとリモート スイッチの両方を含む)が明示的に削除されるか、またはモードを基本モードに戻す前にすべてのデバイス エイリアス メンバーが対応する pWWN に置き換えられる必要があります。

デバイス エイリアス モード配信

デバイス エイリアス配信が有効になっていると、モードの変更があった場合は常に、デバイス エイリアスがネットワーク内の他のスイッチに配信されます。

デバイス エイリアス差分限定配信

Cisco MDS NX-OS リリース 7.3(0)D1(1) 以降、Cisco MDS スイッチではデバイス エイリアス差分限定配信機能がサポートされています。

この機能がファブリック内のすべてのスイッチで有効な場合は、ファブリック内でデータベース全体ではなくセッション コマンドだけが送信されます。これにより、拡張性が向上します。

ファブリック内のすべてのスイッチでデバイス エイリアス差分限定配信機能が有効な場合、DDAS では 20,000 エントリに対応できます。この機能は、デフォルトでイネーブルにされています。


Note


ファブリック内のすべてのスイッチで Cisco MDS NX-OS リリース 7.3(0)D1(1) 以上が稼働しており、デバイス エイリアス差分限定配信機能が有効であることを確認してください。


デバイス エイリアス差分限定配信の設定

デバイス エイリアス差分限定配信機能を設定するには、次の手順を実行します。

Procedure

Step 1

switch# configure terminal

コンフィギュレーション モードに入ります。

Step 2

switch(config)# device-alias distribute diffs-only

スイッチで差分限定配信を有効にします。

次に、スイッチでデバイス エイリアス差分限定配信機能を有効にし、この機能のステータスを表示する例を示します。

Example:

switch(config)# device-alias distribute diffs-only
switch(config)# show device-alias status
Fabric Distribution: Enabled
Diffs-only Distribution: Enabled
Database:- Device Aliases 1  Mode: Basic
			Checksum: 0x43a9fe35852e91354543d712c3ec9d3
デバイス エイリアス差分限定配信ステータスの表示

次に、ファブリックとスイッチでデバイス エイリアス差分限定配信機能が有効である場合に、アクティブ セッション中のデバイス エイリアスのステータスを表示する例を示します。

Example:

switch(config-device-alias-db)# show device-alias status
Fabric Distribution: Enabled
Diffs-only Distribution: Disabled 
Database:- Device Aliases 0 Mode: Basic
Checksum: 0xf6bd6b3389b87233d462029172c8612
Locked By:- User "CLI/SNMPv3:admin" SWWN 20:00:54:7f:ee:1c:2d:40
Pending Database:- Device Aliases 1 Mode: Basic
Diffs-only Distribution capability in the fabric: Enabled                                                                   
Diffs-only distribution in Session: Enabled

次に、ファブリックとスイッチでデバイス エイリアス差分限定配信機能が無効である場合に、アクティブ セッション中のデバイス エイリアスのステータスを表示する例を示します。

Example:

switch(config-device-alias-db)# show device-alias status
Fabric Distribution: Enabled
Diffs-only Distribution: Disabled
Database:- Device Aliases 0 Mode: Basic
Checksum: 0xf6bd6b3389b87233d462029172c8612
Locked By:- User "CLI/SNMPv3:admin" SWWN 20:00:54:7f:ee:1c:2d:40
Pending Database:- Device Aliases 1 Mode: Basic
Diffs-only Distribution capability in the fabric: Disabled 
SWWN which doesnot support Diffs-only Distribution:
20:00:54:7f:ee:1c:2d:40
20:00:54:7f:e1:1c:2c:40        
Diffs-only distribution in Session: Disabled

Note

 
セッション中は、Diffs-only distribution in session のステータスは変化しません。

Step 3

switch(config)# no device-alias distribute diffs-only

デバイス エイリアス差分限定配信を無効にします。

次に、スイッチでデバイス エイリアス差分限定配信機能を無効にし、この機能のステータスを表示する例を示します。

Example:

switch(config)# no device-alias distribute diffs-only
switch(config)# show device-alias status
Fabric Distribution: Enabled
Diffs-only Distribution: Disabled
Database:- Device Aliases 1  Mode: Basic
           Checksum: 0x43a9fe35852e91354543d712c3ec9d3

差分限定配信機能が有効なデバイス エイリアスのマージ

次の状況では、デバイス エリアスのマージが失敗します。

  • 12,000 を超えるエントリが設定されており、デバイス エイリアス差分限定配信機能が有効なスイッチを、この機能をサポートしていないファブリックに追加する場合。
  • デバイス エイリアス差分限定配信機能が無効なスイッチを、12,000 を超えるエントリが設定されており、デバイス エイリアス差分限定配信機能が有効なファブリックに追加する場合。
マージ失敗の表示

次に、ファブリックの 1 つで 12,000 を超えるエントリがサポートされていない場合にデバイス エイリアスのマージに失敗する例を示します。


switch(config)# show cfs merge status name device-alias
Physical-fc Merge Status: Failed [ Wed Jan 20 10:00:34 2016 ]
Failure Reason: One of the merging fabrics cannot support more than 12Kdevice-al
iases

Note


12,000 を超えるデバイス エイリアス エントリをサポートするには、ファブリック内のすべてのスイッチで差分限定配信機能を有効にする必要があります。ファブリック内のすべてのスイッチで差分限定配信機能が有効になっていない場合は、12,000 を超えるエントリを設定しないことを推奨します。

さまざまなモードのデバイス エイリアスのマージ

2 つのファブリックが異なるデバイス エイリアス モードで稼働している場合は、デバイス エイリアスのマージが失敗します。マージ プロセス中に、モードの自動変換は発生しません。この問題は解決する必要があります。

アプリケーション レベルでは、マージはアプリケーションとファブリックの間で行われます。たとえば、ゾーン マージは E ポートが稼働しているときに発生し、IVR、PSM/DPVM マージは CFS が原因で発生します。このマージは、デバイス エイリアス マージに全面的に依存するわけではありません。

拡張ファブリックで実行されているアプリケーションに、ネイティブ デバイス エイリアス設定がある場合は、他のファブリックがネイティブ デバイス エイリアスベースの設定をサポートできるが、基本モードで実行されている場合でも、アプリケーションはマージに失敗します。この問題は解決する必要があります。デバイス エイリアス マージの問題が解決されたら、各アプリケーションをそれに応じて修正する必要があります。

同じファブリック内にある複数のスイッチでデバイス エイリアス データベースの不一致がある場合、次の問題が発生します。

pWWN に関連付けられているデバイス エリアスのメンバーがスイッチに存在しない場合でも、そのデバイス エイリアスがポート セキュリティ/DPVM データベースに含まれている。pWWN に関連付けられているデバイス エリアスのメンバーがスイッチに存在している場合でも、そのデバイス エイリアスがポート セキュリティ/DPVM データベースに含まれていない。

マージ失敗およびデバイス エイリアス モード不一致の解決

2 つのファブリックが異なるモードで実行され、デバイス エイリアス マージがファブリック間で失敗する場合、1 つのモードまたはもう 1 つのモードを選択することにより、矛盾を解決できます。そうでない場合には、拡張モードを有効にできません。基本モードを選択した場合、拡張ファブリック上で実行されているアプリケーションはデバイス エイリアス マージに準拠している必要があります。

ネイティブのデバイス エイリアス設定がない場合、アプリケーション マージは成功しますが、モードの不一致のため、デバイス エイリアス マージは失敗します。


Note


デバイス エイリアスが特定のスイッチ上で基本モードで実行されている場合、アプリケーションは SNMP 経由のネイティブのデバイス エイリアス設定を受け付けないようにする必要があります。

Note


拡張モードが有効になると Confcheck が追加され、拡張モードが無効になると Confcheck は削除されます。ネイティブ フォーマットのデバイス エイリアス設定がある場合、アプリケーションは confcheck を追加し、設定の削除後に confcheck を削除する必要があります。

デバイス エイリアスの機能

デバイス エイリアスには、次のような特徴があります。

  • デバイス エイリアスの情報は、VSAN 設定に依存しません。
  • デバイス エイリアス設定および配信は、ゾーン サーバーおよびゾーン サーバー データベースとは無関係です。
  • データを失うことなく、従来のゾーン エイリアス設定をインポートできます。
  • デバイス エイリアス アプリケーションは Cisco Fabric Services(CFS)インフラストラクチャを使用して、効率的なデータベースの管理および配布を実現します。デバイス エイリアスでは調整済み配信モードが使用され、配信範囲はファブリック全体に及びます(『Cisco MDS 9000 Family NX-OS System Management Configuration Guide』を参照)。
  • デバイス エイリアスを使用してゾーン、IVR ゾーン、または QoS 機能を設定した場合に、これらの設定を表示すると、自動的にそれぞれの pWWN とともにデバイス エイリアスが表示されます。

デバイス エイリアスの前提条件

デバイス エイリアスには、次の要件があります。

  • デバイス エイリアスを割り当てることができるのは pWWN だけです。

  • pWWN とそれがマッピングされるデバイス エイリアスとの間のマッピングは、1 対 1 の関係になる必要があります。pWWN は 1 つのデバイス エイリアスにだけマッピングでき、デバイス エイリアスは 1 つの pWWN にだけマッピングできます。

  • Cisco MDS NX-OS リリース 9.2(2) より前では、デバイス エイリアス名は 64 文字の英数字に制限されていました。Cisco MDS NX-OS リリース 9.2(2) 以降、デバイス エイリアス名は 63 文字の英数字に制限されています。デバイス エイリアス名には、次の文字を 1 つ以上含めることができます。

    • a ~ z および A ~ Z

    • 1 ~ 9

    • -(ハイフン)および _(下線)

    • $(ドル記号)および ^(キャレット)記号


    Note


    Cisco MDS NX-OS リリース 9.2(2) より前のリリースでは、デバイス エイリアス名の長さが 64 文字の場合、DPVM とその他のアプリケーション データベースが適切に更新されません。デバイス エイリアス名の長さを 63 文字に制限してください。

ゾーン エイリアスとデバイス エイリアスの比較

Table 1 に、ゾーンベースのエイリアス設定とデバイス エイリアス設定の違いを示します。

Table 1. ゾーン エイリアスとデバイス エイリアスの比較

ゾーン ベースのエイリアス

デバイス エイリアス

エイリアスは指定した VSAN に限定されます。

VSAN 番号を指定せずにデバイス エイリアスを定義できます。また、同一の定義を何の制約もなく 1 つまたは複数の VSAN で使用できます。

ゾーン エイリアスは、ゾーン分割設定の一部です。他の機能の設定にはエイリアス マッピングを使用できません。

pWWN を使用するすべての機能にデバイス エイリアスを使用できます。

エンド デバイスを指定するのにすべてのゾーン メンバ タイプを使用できます。

pWWN は、IP アドレスなどの新しいデバイス エイリアスと使用するときだけサポートされます。

設定はゾーン サーバー データベースに格納されていて、他の機能には使用できません。

デバイス エイリアスは、ゾーン分割に限定されていません。デバイス エイリアスの設定は、FCNS、ゾーン、fcping、traceroute、および IVR アプリケーションに使用できます。

show zoneset active、show flogi database、show fcns database などの show コマンドの出力には、FC エイリアスは関連付けられている WWN と共に表示されません。

show zoneset active、show flogi database、show fcns database などの show コマンドの出力には、デバイス エイリアスは関連付けられている WWN と共に表示されます。

FC エイリアスはアクティブ ゾーンセットの一部として配信されず、FC 標準に基づき完全なゾーン データベースの一部としてのみ配信されます。

デバイス エイリアスは CFS を介して配信されます。

デバイス エイリアス データベース

デバイス エイリアス機能は 2 つのデータベースを使用して、デバイス エイリアス設定を受け入れ、実装します。

  • 有効なデータベース:ファブリックが現在使用しているデータベース
  • 保留中のデータベース:保留中のデバイス エイリアス設定の変更は保留中のデータベースに保存されます。

デバイス エイリアス設定を変更する場合、変更している間はファブリックがロックされたままの状態なので、変更をコミットまたは廃棄する必要があります。

ここでは、次の内容について説明します。

デバイス エイリアスの作成

保留データベースにデバイス エイリアスを作成する手順は、次のとおりです。

Procedure


Step 1

switch# config t

switch(config)#

コンフィギュレーション モードに入ります。

Step 2

switch(config)# device-alias database

switch(config-device-alias-db)#

保留データベース コンフィギュレーション サブモードを開始します。

Step 3

switch(config-device-alias-db)# device-alias name Device1 pwwn 21:01:00:e0:8b:2e:80:93

pWWN によって識別されるデバイスのデバイス名(Device1)を指定します。これが最初に入力されたデバイス エイリアス コンフィギュレーション コマンドであるため、保留データベースへの書き込みを開始し、同時にファブリックをロックします。

Step 4

switch(config-device-alias-db)# no device-alias name Device1

pWWN によって識別されるデバイスのデバイス名(Device1)を削除します。

Step 5

switch(config-device-alias-db)# device-alias rename Device1 Device2

既存のデバイス エイリアス(Device1)を新しい名前(Device2)に変更します。

デバイス エイリアス設定を表示するには、show device-alias name コマンドを使用します。


switch# show device-alias name x
device-alias name x pwwn 21:01:00:e0:8b:2e:80:93

デバイス エイリアスの配布について

デフォルトでは、デバイス エイリアスの配布はイネーブルになっています。デバイス エイリアス機能は、調整済み配信メカニズムを使用して、変更をファブリック内のすべてのスイッチに配信します。

変更をコミットしていない状態で配布をディセーブルにすると、コミット作業は失敗します。

失敗ステータスの表示


switch# show
 device-alias status
Fabric Distribution: Disabled
Database:- Device Aliases 25
Status of the last CFS operation issued from this switch:
==========================================================
Operation: Commit
Status: Failed (Reason: Operation is not permitted as the fabric distribution is
 currently disabled.)

Note


Cisco MDS NX-OS Release 6.2.9 以降では、write erase コマンドを使用しない場合、DDAS(分散デバイス エイリアス サービス)の ASCII 設定の再生に長い時間がかかります。

デバイス エイリアスの作成の概要

最初のデバイス エイリアス タスクを実行すると、どのデバイス エイリアス タスクであるかに関係なく、デバイス エイリアス機能に対してファブリックが自動的にロックされます。ファブリックがロックされると、次のような状況になります。

  • 他のユーザーがこの機能の設定に変更を加えることができなくなります。
  • 有効なデータベースのコピーが取得され、保留データベースとして使用されます。この時点からの変更は、保留データベースに対して行われます。保留データベースへの変更をコミットするかまたは破棄(abort )するまで、保留データベースは有効のままです。

デバイス エイリアス設定のベスト プラクティスの概要

デバイス エイリアス設定のベスト プラクティスの一部として、デバイス エイリアス セッションでは次のガイドラインを取り入れる必要があります。

rename コマンドの設定時にデバイス エイリアス名を再利用する場合、コマンドが失敗し、拒否リストに移動されます。

拒否された device-alias コマンドの表示


switch(config-device-alias-db)# device-alias name dev10 pwwn 10:10:10:10:10:10:10:10
switch(config-device-alias-db)# device-alias rename dev10 new-dev10
Command rejected. Device-alias reused in current session :dev10
Please use 'show device-alias session rejected' to display the rejected set of commands and for the device-alias best-practices recommendation.
switch(config-device-alias-db)#       

add または delete コマンドの設定時に PWWN を再利用する場合、コマンドが失敗し、拒否リストに移動されます。


switch(config-device-alias-db)# device-alias name dev11 pwwn 11:11:11:11:11:11:11:11
switch(config-device-alias-db)# no device-alias name dev11
Command rejected. Pwwn reused in current session: 11:11:11:11:11:11:11:11 is mapped to device-alias dev11
Please use 'show device-alias session rejected' to display the rejected set of commands and for the device-alias best-practices recommendation.
switch(config-device-alias-db)#

以前に rename コマンドで名前が変更されたデバイス エイリアス名を add コマンドで再利用する場合、コマンドが失敗し、拒否リストに移動されます。


switch(config-device-alias-db)# device-alias rename da3 new-da3
switch(config-device-alias-db)# device-alias name da3 pwwn 2:2:2:2:3:3:3:3
Command rejected. Device-alias name reused in current session: da3
Please use 'show device-alias session rejected' to display the rejected set of commands and for the device-alias best-practices recommendation.
switch(config-device-alias-db)#  

拒否されたコマンドのセットを表示するには、show device-alias session rejected コマンドを使用します。


switch(config-device-alias-db)# show device-alias session rejected
To avoid command rejections, within a device alias session
Do not reuse:
a) a device alias name while configuring a rename command
b) a PWWN while configuring an add or delete command
c) a device alias name already renamed while configuring add command
 
Rejected commands must be committed in a separate device alias session
which may cause traffic interruption for those devices. Plan accordingly.
Refer to this command in the NX-OS Command Reference Guide
for more information about device alias configuration best practices
 
Rejected Command List
---------------------
device-alias rename dev10 new-dev10
no device-alias name dev11
device-alias name da3 pwwn 02:02:02:02:03:03:03:03
switch(config-device-alias-db)# #  

変更のコミット

保留中のデータベースに行われた変更内容をコミットした場合、次のイベントが発生します。

  1. 有効データベースの内容が、保留データベースの内容で上書きされます。

  2. 保留中のデータベースの内容が空になります。

  3. ファブリック ロックがこの機能に対して解除されます。

変更をコミットするには、次の手順を実行します。

Procedure


Step 1

switch# config terminal

switch(config)#

コンフィギュレーション モードに入ります。

Step 2

switch(config)# device-alias commit

現在アクティブなセッションに対する変更をコミットします。

ファブリック内のスイッチがロックされ、ブランク コミットになるたびに、次の警告が表示されます。


WARNING: Device-alias DB is empty in this switch. 
Initiating a commit from this switch will clear [wipe out] Device-alias DB across all the 
switches in the fabric, losing Device-alias full DB config permanently. 
Do you want to continue? (y/n) [n]

Note

 
device-alias commit の完了後、デバイス エイリアス配信に参加しているすべてのスイッチで実行コンフィギュレーションが変更されます。その後、 copy running-config startup-config fabric コマンドを使用して、ファブリック内のすべてのスイッチで running-config を startup-config に保存できます。

デバイス エイリアスの保留中差分表示の有効化

device-alias commit 実行時の保留中差分の表示とその後の確認を有効にするには、次の手順を実行します。

Procedure


Step 1

switch# config t

switch(config)#

コンフィギュレーション モードに入ります。

Step 2

switch(config)# device-alias confirm-commit

デバイス エイリアスの confirm commit オプションを有効にします。

Step 3

switch(config)# device-alias commit


The following device-alias changes are about to be committed
+ device-alias name Device1 pwwn 21:01:00:e0:8b:2e:80:93
Do you want to continue? (y/n) [n] y

device-alias confirm-commit コマンドが有効な場合、保留中のデータベースがコミットされると、コンソールに保留中差分が表示され、ユーザーに対し [Yes] または [No] を選択するよう求めるプロンプトが表示されます。device -alias confirm-commit コマンドが無効な場合は、保留中差分は表示されず、ユーザーに対して [Yes] または [No] の選択は求められません。


変更の破棄

保留中のデータベースで行われた変更内容を廃棄した場合、次のイベントが発生します。

  1. 有効なデータベースの内容は影響を受けません。
  2. 保留中のデータベースの内容が空になります。
  3. ファブリック ロックがこの機能に対して解除されます。

デバイス エイリアス セッションを廃棄する手順は、次のとおりです。

Procedure


Step 1

switch# config terminal

switch(config)#

コンフィギュレーション モードに入ります。

Step 2

switch(config)# device-alias abort

現在アクティブなセッションを廃棄します。

廃棄操作のステータスを表示するには、show device alias status コマンドを使用します。


switch# show
 device-alias status
Fabric Distribution: Enabled
Database:- Device Aliases 24
Status of the last CFS operation issued from this switch:
==========================================================
Operation: Abort
Status: Success

ファブリックのロックの上書き

ユーザーがデバイス エイリアス作業を行ったが、変更のコミットや廃棄を行ってロックを解除するのを忘れていた場合、管理者はファブリック内の任意のスイッチからロックを解除できます。管理者がこの操作を行うと、ユーザーによる保留データベースの変更は廃棄され、ファブリックのロックは解除されます。


Tip


変更は volatile ディレクトリだけで使用でき、スイッチを再起動すると廃棄されます。


デバイス エイリアス セッションをクリアするには、CONFIGURATION モードで clear device-alias session コマンドを使用します。


switch(config)# clear device-alias session

クリア操作のステータスを確認するには、show device-alias session status コマンドを使用します。


switch(config)# show device-alias session status
Last Action Time Stamp     : None
Last Action                : None
Last Action Result         : None
Last Action Failure Reason : none

データベースの内容のクリア

すべてのデータベースの内容をクリアするには、CONFIGURATION モードで clear device-alias database コマンドを使用します。


switch(config)# clear device-alias database
To verify the status of the clear device-alias database 
command, use the show device-alias database 
command.
switch(config)# show device-alias database

統計情報のクリア

すべての統計情報をクリアするには、CONFIGURATION モードで clear device-alias statistics コマンドを使用します。


switch# clear device-alias statistics

デバイス エイリアスの配布のディセーブル化とイネーブル化

デバイス エイリアスの配信をディセーブルまたはイネーブルにする手順は、次のとおりです。

Procedure


Step 1

switch# config t

switch(config)#

コンフィギュレーション モードに入ります。

Step 2

switch(config)# no device-alias distribute

配布をディセーブルにします。

Step 3

switch(config)# device-alias distribute

配布をイネーブルにします(デフォルト)。

デバイス エイリアス配信のステータスを表示するには、show device-alias status コマンドを使用します(次の例を参照)。


配信が有効な場合のデバイス エイリアス ステータスの表示


switch# show 
device-alias status
Fabric Distribution: Enabled <-------------------------------Distribution is enabled
Database:-Device Aliases 24
Locked By:-User “Test” SWWN 20:00:00:0c:cf:f4:02:83<-Lock holder’s user name and switch ID
Pending Database:- Device Aliases 24
Status of the last CFS operation issued from this switch:
==========================================================
Operation: Enable Fabric Distribution
Status: Success

switch# show
 device-alias status
Fabric Distribution: Disabled
Database:- Device Aliases 24
Status of the last CFS operation issued from this switch:
==========================================================
Operation: Disable Fabric Distribution
Status: Success

レガシー ゾーン エイリアス設定の変換の概要

次の制約事項を満たす場合、レガシー ゾーン エイリアス設定をインポートし、データを失うことなくこの機能を使用できます。

  • 各ゾーン エイリアスには、メンバが 1 つだけあります。
  • メンバのタイプは pWWN です。
  • ゾーン エイリアスの名前および定義は、既存のデバイス エイリアス名のものと同じであってはならない。

名前の競合がある場合、ゾーン エイリアスはインポートされません。


Tip


ご使用の設定の要件に応じて、必要なゾーン エイリアスをデバイス エイリアス データベースにコピーしてください。


インポート操作が終了し、commit 操作を行うと、変更されたエイリアス データベースが物理ファブリック内のほかのすべてのスイッチに配布されます。この時点で、ファブリック内の他のスイッチに設定を配信する必要がない場合は、abort 処理を実行して、マージ変更内容をすべて破棄できます。

このセクションは、次のトピックで構成されています。

ゾーン エイリアスのインポート


Note


デバイス エイリアスでは、同じセッションでデバイス エイリアス エントリをデータベースにインポートして手動で追加することはできません。


特定の VSAN のゾーン エイリアスをインポートするには、次の手順を実行します。

SUMMARY STEPS

  1. switch# config t
  2. switch(config)# device-alias import fcalias vsan 3

DETAILED STEPS

  Command or Action Purpose

Step 1

switch# config t

Example:


switch# config t
switch(config)# 

コンフィギュレーション モードに入ります。

Step 2

switch(config)# device-alias import fcalias vsan 3

指定された VSAN の fcalias 情報をインポートします。

ゾーン セットのデバイス エイリアス情報を表示するには、show zoneset コマンドを使用します(次の例を参照)。

ゾーン セット情報のデバイス エイリアスの表示


switch# show zoneset
zoneset name s1 vsan 1
  zone name z1 vsan 1
    pwwn 21:01:00:e0:8b:2e:80:93 [x] <---------------Device alias displayed for each pWWN.
    pwwn 21:00:00:20:37:39:ab:5f [y]
zone name z2 vsan 1
    pwwn 21:00:00:e0:8b:0b:66:56 [SampleName]
    pwwn 21:00:00:20:37:39:ac:0d [z]

例:アクティブ ゾーン セットのデバイス エイリアスの表示

 

switch# show zoneset active
zoneset name s1 vsan 1
  zone name z1 vsan 1
  * fcid 0x670100 [pwwn 21:01:00:e0:8b:2e:80:93] [x]
    pwwn 21:00:00:20:37:39:ab:5f [y]
  zone name z2 vsan 1
  * fcid 0x670200 [pwwn 21:00:00:e0:8b:0b:66:56] [SampleName]
    pwwn 21:00:00:20:37:39:ac:0d [z]

デバイス エイリアス統計情報のクリア

(デバッグ目的で)デバイス エイリアス統計情報をクリアするには、clear device-name statistics コマンドを使用します。


switch# clear device-alias statistics

データベース マージの注意事項

CFS マージのサポートの詳細については、『Cisco MDS 9000 シリーズ NX-OS システム管理構成ガイド』を参照してください。

2 つのデバイス エイリアス データベースを結合する場合は、次の注意事項に従ってください。

  • 名前が異なる 2 つのデバイス エイリアスが同一の pWWN にマッピングされていないことを確認します。

  • 異なる 2 つの pWWN が同一のデバイス エイリアスにマッピングされていないことを確認します。

  • マージ対象の両方のファブリックで類似のデバイス エイリアス モードであることを確認します。

デバイス エイリアス設定の確認

デバイス エイリアス情報を表示するには、show device-alias コマンドを使用します。次の例を参照してください。

有効なデータベースの設定されているすべてのデバイス エイリアスの表示


switch# show 
device-alias database
device-alias name SampleName pwwn 21:00:00:e0:8b:0b:66:56
device-alias name x pwwn 21:01:00:e0:8b:2e:80:93
Total number of entries = 2

switch# show 
device-alias database pending
There are no pending changes

switch# show 
device-alias database pending
device-alias name x pwwn 21:01:00:e0:8b:2e:80:93
device-alias name SampleName pwwn 21:00:00:e0:8b:0b:66:56
device-alias name y pwwn 21:00:00:20:37:39:ab:5f
device-alias name z pwwn 21:00:00:20:37:39:ac:0d
Total number of entries = 4

switch# show 
device-alias name x pending
device-alias name x pwwn 21:01:00:e0:8b:2e:80:93

switch# show 
device-alias pwwn 21:01:00:e0:8b:2e:80:93 pending
device-alias name x pwwn 21:01:00:e0:8b:2e:80:93

switch# show 
device-alias database pending-diff
- device-alias name Doc pwwn 21:01:02:03:00:01:01:01
+ device-alias name SampleName pwwn 21:00:00:e0:8b:0b:66:56

switch# show 
device-alias pwwn 21:01:01:01:01:11:01:01 
device-alias name Doc pwwn 21:01:01:01:01:11:01:01

switch# show flogi database
---------------------------------------------------------------------------
INTERFACE  VSAN    FCID            PORT NAME               NODE NAME
---------------------------------------------------------------------------
fc2/9      1     0x670100  21:01:00:e0:8b:2e:80:93  20:01:00:e0:8b:2e:80:93
                           [x
] <---------------------------------------------Device alias name
fc2/12     1     0x670200  21:00:00:e0:8b:0b:66:56  20:00:00:e0:8b:0b:66:56
                           [SampleName
] <---------------------------------Device alias name
Total number of flogi = 2

switch# show fcns database
VSAN 1:
--------------------------------------------------------------------------
FCID        TYPE  PWWN                    (VENDOR)        FC4-TYPE:FEATURE
--------------------------------------------------------------------------
0x670100    N     21:01:00:e0:8b:2e:80:93 (Qlogic)        scsi-fcp:init
                  [x
]
0x670200    N     21:00:00:e0:8b:0b:66:56 (Qlogic)        scsi-fcp:init
                  [SampleName
]
Total number of entries = 2

switch# fcping device-alias x vsan 1
28 bytes from 21:01:00:e0:8b:2e:80:93 time = 358 usec
28 bytes from 21:01:00:e0:8b:2e:80:93 time = 226 usec
28 bytes from 21:01:00:e0:8b:2e:80:93 time = 372 usec

switch# fctrace device-alias x vsan 1
Route present for : 21:01:00:e0:8b:2e:80:93
20:00:00:05:30:00:4a:e2(0xfffc67)

デバイス エイリアスは、使用可能な場合、device-alias コマンドまたはゾーン固有の member pwwn コマンドを使用して設定されるメンバに関係なく表示されます。


switch# show 
device-alias statistics
        Device Alias Statistics
===========================================
Lock requests sent: 2
Database update requests sent: 1
Unlock requests sent: 1
Lock requests received: 1
Database update requests received: 1
Unlock requests received: 1
Lock rejects sent: 0
Database update rejects sent: 0
Unlock rejects sent: 0
Lock rejects received: 0
Database update rejects received: 0
Unlock rejects received: 0
Merge requests received: 0
Merge request rejects sent: 0
Merge responses received: 2
Merge response rejects sent: 0
Activation requests received: 0
Activation request rejects sent: 0
Activation requests sent: 2
Activation request rejects received: 0

デフォルト設定

Table 1 に、デバイス エイリアス パラメータのデフォルト設定値を示します。

Table 2. デフォルトのデバイス エイリアス パラメータ

パラメータ

デフォルト

使用中のデータベース

有効なデータベース

変更を受け入れるデータベース

保留中のデータベース

デバイス エイリアス ファブリック ロックの状態

最初のデバイス エイリアス作業でロックされる

デバイス エイリアスのマージ失敗の解決

データベースをマージする際に発生する最も一般的な問題は、デバイス エイリアスのマージの失敗です。デバイス エイリアスのマージに失敗する場合は、問題を特定するために、マージが開始されたスイッチの Syslog メッセージを確認することをお勧めします。各ファブリック内のマージを処理したアプリケーション サーバーでは、このメッセージに「Merge Master」の用語が表示されます。

この例では、Syslog メッセージに、データベースの不一致の結果としてマージに失敗したことが示されています。


2007 Apr  9 15:52:42 switch-1 %CFS-3-MERGE_FAILED: Merge failed for app device-alias, local switch wwn 20:00:00:0d:ec:2f:c1:40,ip 172.20.150.38, remote switch wwn 20:00:00:0d:ec:04:99:40, ip 172.20.150.30 
2007 Apr  9 15:52:42 switch-1 %DEVICE-ALIAS-3-MERGE_FAILED: Databases could not be merged due to mismatch.


(注)  


デバイス エイリアス データベースのマージまたは再マージを開始するには、device-alias distribute コマンドを使用します。スイッチのデバイス エイリアス データベースをファブリック内の他のすべてのスイッチにプッシュするには、device-alias commit コマンドを使用します。スイッチのデバイス エイリアス データベースがマージされていない(show cfs merge status name device-alias コマンドの出力に複数の「Merge Master」が表示されている)場合、device-alias commit コマンドを実行すると、マージされていないデバイス エイリアス データベースが上書きされます。

デバイス エイリアスのベスト プラクティス

ここでは、デバイス エイリアスを作成して使用するときに実行する必要のあるベスト プラクティスを示します。

  • 可能な場合はいつでも、デバイス エイリアスを使用してワールド ワイド ネーム(WWN)の管理を簡素化する必要があります。WWN ではなくエイリアスを使用してデバイスを識別する方が簡単です。そのため、WWN を簡単に識別するには、エイリアスを WWN に割り当てる必要があります。

  • デバイス エイリアス名は大文字と小文字が区別されます。

  • 可能なかぎり、デバイス エイリアスは拡張モードで操作してください。拡張モードでは、アプリケーションは、エイリアスをポート ワールド ワイド ネーム(pWWN)に拡張せずに、ネイティブ形式のデバイス エイリアス名を受け入れます。ゾーン サーバー、VSAN 間ルーティング(IVR)、Port Security Manager(PSM)、ダイナミック ポート VSAN メンバーシップなどのアプリケーションは、デバイス エイリアス メンバーシップの変更を自動的に追跡して適用するため、変更は 1 ヵ所で行うことができます。


    (注)  


    相互運用モードの VSAN は拡張モード設定を受け入れません。
  • デバイス エイリアス設定を事前にプランニングし、一貫した命名規則を実装します。

  • すべてのデバイス エイリアス設定の文書化されたバックアップを保持します。

  • マージの失敗の解決を試みる前に、マージ後の最終的なデバイス エイリアス データベースがどのようなものになるかをプランニングします。これにより、誤ってデバイス エイリアス エントリが上書きされてトラフィックが中断することを回避できます。


    注意    


    Cisco Fabric Services(CFS)のマージの失敗を解決するためにブランク コミットを実行しないでください。ブランク コミットでは、すべてのスイッチのデバイス エイリアス データベースが、ローカル スイッチのデバイス エイリアス データベースで上書きされます。

    (注)  


    ブランク コミットは、変更がない(モード変更を含む)場合またはリモート スイッチのデバイス エイリアス データベースがローカル スイッチのデバイス エイリアス データベースで上書きされても問題がない場合に使用されるデバイス エイリアス コミットです。

    次の理由により、デバイス エイリアスの不一致が発生する場合があります。

    • デバイス エイリアス名の重複:デバイス エイリアス名は同じでも pWWN が異なります。このようなシナリオでは、show device-alias merge status コマンドによりマージの失敗の理由が「Reason: Another device-alias already present with the same name」と表示されます。

    • pWWN の重複:デバイス エイリアス名は異なっているのに pWWN が同じです。このようなシナリオでは、show device-alias merge status コマンドによりマージの失敗の理由が「Reason: Another device-alias already present with the same pwwn」と表示されます。


    (注)  


    デバイス エイリアスの変更が適用されるたびに、更新されたすべてのスイッチで実行コンフィギュレーションをスタートアップ コンフィギュレーションにコピーする必要があります。ファブリック内のすべてのスイッチについて実行コンフィギュレーションをスタートアップ コンフィギュレーションにコピーするには、copy running-config startup-config fabric コマンドを使用します。デバイス エイリアスの変更が適用された後に実行コンフィギュレーションをスタートアップ コンフィギュレーションにコピーしない場合、スイッチがリロードするかスイッチの電源が切れて再起動すると、スタートアップ コンフィギュレーションに正しいデバイス エイリアス データベースがないために、マージに失敗します。
  • 64 文字の英数字を使用してデバイス エイリアス名を構成している場合、Cisco MDS NX-OS リリース 9.2(2) 以降のリリースにアップグレードすることはできません。詳細については、Cisco MDS 9000 NX-OS ソフトウェア アップグレードおよびダウングレード ガイド、リリース 9.xを参照してください。

デバイス エイリアスの不一致の解決

既存のデバイス エイリアス データベースを持つスイッチを既存のファブリックに追加しようとすると、次の理由により、競合が発生する場合があります。
  • 同じデバイス エイリアス名が使用されているのに、pWWN が異なっている。

  • 同じ pWWN が使用されているのに、デバイス エイリアス名が異なっている。

デバイス エイリアス名の重複を解決するには、次の手順を実行します。

手順


ステップ 1

show cfs merge status name device-alias コマンドを実行して CFS またはデバイス エイリアス マージ失敗の Syslog を調べて、マージが失敗したことを確認します。


switch-1# show cfs merge status name device-alias

Physical-fc Merge Status: Failed 
[Sun Sep 25 14:45:55 2016]
Failure Reason: Another device-alias already present with the same pwwn

Local Fabric
--------------------------------------------------------------------------------
Switch WWN              IP Address                             
--------------------------------------------------------------------------------
20:00:54:7f:ee:1b:0e:b0 10.127.103.211        [Merge Master] <<< Merge Master#1
                         [switch-1]

Total number of switches = 1

Remote Fabric
--------------------------------------------------------------------------------
Switch WWN              IP Address                             
--------------------------------------------------------------------------------
20:00:54:7f:ee:1b:0e:50 10.197.111.54         [Merge Master] <<< Merge Master#2

Total number of switches = 1

(注)  

 

適切にマージされたデバイス エイリアス アプリケーションでは、「Merge Master」が1つだけ表示されます。上記の例のように複数の「Merge Master」がある場合は、デバイス エイリアス データベースがマージされていないことを示しています。

ステップ 2

デバイス エイリアスの配布を無効にするために、マージが失敗したスイッチで no device-alias distribute コマンドを使用します。


switch-1# configure terminal
switch-1(config)# no device-alias distribute

ステップ 3

スイッチでマージの失敗を解決します。マージ失敗の解決を参照してください。


マージ失敗の解決

ここでは、マージの失敗を解決する方法に関する情報を提供します。

重複するデバイス エイリアス名(デバイス エイリアス名は同じでも pWWN が異なる)の解決


(注)  


同じデバイス エイリアス名が異なる pWWN を指すために使用されている場合、デバイス エイリアス名は重複していると見なされます。


ファブリックに重複するデバイス エイリアス名が存在するかどうかを確認するには、次の手順を実行します。

手順

ステップ 1

show device-alias merge status コマンドを実行して、マージが失敗した理由がデータベースの不一致であるかどうかを確認します。


switch# show device-alias merge status
    	Result: Failure
    	Reason: Another device-alias already present with the same name

(注)  

 

適切にマージされたデバイス エイリアス アプリケーションでは、「Merge Master」が1つだけ表示されます。上記の例のように複数の「Merge Master」がある場合は、デバイス エイリアス データベースがマージされていないことを示しています。

ステップ 2

CFS またはデバイス エイリアス マージ失敗の Syslog を調べて、マージが失敗したことを確認します。または、show cfs merge status name device-alias コマンドを実行して、マージのステータスを確認します。


switch# show cfs merge status name device-alias
Physical-fc  Merge Status: Failed [ Mon Apr  9 15:57:58 2007 ] <===Merge status 
     	Local Fabric
    	-------------------------------------------------------------------------
     	Switch WWN                	IP Address
    	-------------------------------------------------------------------------
     	20:00:00:0d:ec:2f:c1:40 	172.20.150.38       [Merge Master] <<< Merge Master#1
                             		switch-1
    	Total number of switches = 1

     	Remote Fabric
    	-------------------------------------------------------------------------
     	Switch WWN                	IP Address
    	-------------------------------------------------------------------------
     	20:00:00:0d:ec:04:99:40 	172.20.150.30       [Merge Master] <<< Merge Master#2
                             		switch-2
    	Total number of switches = 1

ステップ 3

スイッチで使用されている Cisco MDS NX-OS のリリースに応じて、次のいずれかのコマンドを実行します。

  • Cisco MDS NX-OSリリース 8.1(1) 以降

    show device-alias merge conflicts コマンドを実行して、マージ失敗の原因となっているデバイス エイリアスと pWWN を表示します。

    (注)  

     

    Merge Master として示されているスイッチから show device-alias merge conflicts コマンドを実行します。

    次の例では、同じデバイス エイリアス名(A1)が 2 つの異なる pWWN(ローカル スイッチの pWWN とピア スイッチの pWWN)に割り当てられています。

    
    switch-1# show device-alias merge conflicts
    Merge Status : Failure 
    Peer Switch SWWN : 20:00:00:0d:ec:24:f5:00 
    Conflicts : 
    1. Conflicting Pwwns : 1 
    -------------------------------------------------------------------------
    Local PWWN 				Peer PWWN 			Device-alias 
    -------------------------------------------------------------------------
    pwwn 0:01:01:01:01:01:01:02 	pwwn :01:01:01:01:01:01:03 	A1
    
    
  • Cisco MDS NX-OS リリース 7.3 とそれ以前のリリース

    デバイス エイリアス データベースを手動で比較して、重複するデバイス エイリアス名を特定します。

    次の例では、同じデバイス エイリアス名(A1)が 2 つの異なる pWWN(ローカル スイッチの pWWN とピア スイッチの pWWN)に割り当てられています。

    Merge Master#1 からの結果:

    
    switch-1# show device-alias database
    ...output trimmed to show only mismatched device-alias
    device-alias name A1 pwwn 21:01:01:01:01:01:01:02
    
    switch-2# show device-alias database
    ...output trimmed to show only mismatched device-alias
    device-alias name A1 pwwn 21:01:01:01:01:01:01:03
    
    

ステップ 4

device-alias name name pwwn id コマンドを実行して、一方のスイッチの pWWN をもう一方のスイッチの pWWN と一致するように変更します。

(注)  

 
この手順は、no device-alias distribute コマンドを実行してデバイス エイリアスの配布を無効にした後に実行してください。

次の例では、switch-1 の pWWN 21:01:01:01:01:01:01:02 が switch-2 の pWWN 21:01:01:01:01:01:01:03 と一致するように変更されます。


switch-1# configure
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
switch-1(config)# device-alias database
switch-1(config-device-alias-db)# no device-alias name A1
switch-1(config-device-alias-db)# show device-alias database | i A1
switch-1(config-device-alias-db)# device-alias name A1 pwwn 21:01:01:01:01:01:01:03
switch-1(config-device-alias-db)# show device-alias database | i A1
device-alias name A1 pwwn 21:01:01:01:01:01:01:03

ステップ 5

重複するデバイス エイリアス名がさらに存在する場合は、手順 ステップ 3 と 手順 ステップ 4 を実行して、重複デバイス エイリアス名の問題を解決します。

ステップ 6

device-alias distribute コマンドを使用して、デバイス エイリアスの配布を有効にしてマージを開始します。


switch-1(config)# device-alias distribute

ステップ 7

show cfs merge status name device-alias コマンドを使用して、マージが成功したかどうかを出力で確認します。


重複する pWWN (デバイス エイリアス名が異なっているのに pWWN が同じ)の解決

同じ pWWN がファブリック内の異なるデバイス エイリアス名にマッピングされていることを確認するには、次の手順を実行します。

手順

ステップ 1

show device-alias merge status コマンドを実行して、マージが失敗した理由がデータベースの不一致であるかどうかを確認します。


switch# show device-alias merge status
    	Result: Failure
Reason: Another device-alias already present with the same pwwn.

(注)  

 

適切にマージされたデバイス エイリアス アプリケーションでは、「Merge Master」が1つだけ表示されます。上記の例のように複数の「Merge Master」がある場合は、デバイス エイリアス データベースがマージされていないことを示しています。

ステップ 2

CFS またはデバイス エイリアス マージ失敗の Syslog を調べて、マージが失敗したことを確認します。または、show cfs merge status name device-alias コマンドを実行して、マージのステータスを確認します。


switch# show cfs merge status name device-alias
Physical-fc  Merge Status: Failed [ Mon Apr  9 15:57:58 2007 ] <===Merge status 
     	Local Fabric
    	-------------------------------------------------------------------------
     	Switch WWN              	IP Address
    	-------------------------------------------------------------------------
     	20:00:00:0d:ec:2f:c1:40 	172.20.150.38       [Merge Master] <<< Merge Master#1
                             		switch-1
    	Total number of switches = 1

     	Remote Fabric
    	-------------------------------------------------------------------------
     	Switch WWN              	IP Address
    	-------------------------------------------------------------------------
     	20:00:00:0d:ec:04:99:40 	172.20.150.30       [Merge Master] <<< Merge Master#2
                             		switch-2
Total number of switches = 1

ステップ 3

スイッチで使用されている Cisco MDS NX-OS のリリースに応じて、次のいずれかのコマンドを実行します。

  • Cisco MDS NX-OSリリース 8.1(1) 以降

    show device-alias merge conflicts コマンドを使用して、マージ失敗の原因となっているデバイス エイリアスと pWWN を表示します。no device-alias distribute コマンドを実行し、その後に device-alias distribute コマンドを実行して、マージの競合に関する情報を更新します。

    (注)  

     

    Merge Master として示されているスイッチから show device-alias merge conflicts コマンドを実行します。

    次の例では、pWWN 21:01:01:01:01:01:01:02 が switch-1のデバイス エイリアス A3 と switch-2 のデバイス エイリアス A1 にマッピングされています。

    
    switch-1# show device-alias merge conflicts
    Merge Status : Failure
    Peer Switch SWWN : 20:00:00:0d:ec:24:f5:00
    Conflicts :
    1. Conflicting Device-aliases : 1
    -------------------------------------------------------------------------
    Local Device-alias 	Peer Device-alias 		PWWN
    -------------------------------------------------------------------------
    A3 	A1 		pwwn 			21:01:01:01:01:01:01:02
    
    
  • Cisco MDS NX-OS リリース 7.3 とそれ以前のリリース

    デバイス エイリアス データベースを手動で比較して、マージ失敗の原因となっている pWWN を特定します。

    手順 ステップ 1 でマージが失敗したスイッチで、show device-alias database コマンドを使用して、2 つの異なるデバイス エイリアス名にマッピングされている pWWN が存在するかどうかを確認します。

    この例では、pWWN 21:01:01:01:01:01:01:02 が switch-1のデバイス エイリアス A3 と switch-2 のデバイス エイリアス A1 にマッピングされています。

    
    switch-1# show device-alias database
    device-alias name A3 pwwn 21:01:01:01:01:01:01:02 
    Total number of entries = 1 
    
    switch-2# show device-alias database
    device-alias name A1 pwwn 21:01:01:01:01:01:01:02
    
    

ステップ 4

device-alias name name pwwn id コマンドを実行して、一方のスイッチのデバイス エイリアス名をもう一方のスイッチのデバイス エイリアス名と一致するように変更します。

(注)  

 
この手順は、no device-alias distribute コマンドを実行してデバイス エイリアスの配布を無効にした後に実行してください。

次の例では、switch-1 のデバイス エイリアス名 A3 が switch-2 のデバイス エイリアス名 A1 と一致するように変更されています。


switch-1# configure
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
switch-1(config)# device-alias database
switch-1(config-device-alias-db)# no device-alias name A3
switch-1(config-device-alias-db)# device-alias name A1 pwwn 21:01:01:01:01:01:01:02

ステップ 5

重複するデバイス エイリアス名がさらに存在する場合は、手順 ステップ 3 と 手順 ステップ 4 を実行して、重複デバイス エイリアス名の問題を解決します。

ステップ 6

device-alias distribute コマンドを使用して、デバイス エイリアスの配布を有効にしてマージを開始します。


switch-1(config)# device-alias distribute

ステップ 7

show cfs merge status name device-alias コマンドを使用して、マージが成功したかどうかを出力で確認します。


モード不一致の解決

デバイス エイリアス機能は、基本モードまたは拡張モードのいずれかで動作します。2 つのファブリックでモードが異なる場合、ファブリック間の CFS マージは失敗します。

2 つのファブリックでデバイス エイリアス モードが異なっていることを確認するには、次の手順を実行します。

手順


ステップ 1

CFS またはデバイス エイリアス マージ失敗の Syslog を調べて、マージが失敗したことを確認します。または、show cfs merge status name device-alias コマンドを実行して、マージのステータスを確認します。


switch# show cfs merge status name device-alias
Physical-fc  Merge Status: Failed [ Mon Apr  9 15:57:58 2007 ] <===Merge status 
     	Local Fabric
    	-------------------------------------------------------------------------
     	Switch WWN              	IP Address
    	-------------------------------------------------------------------------
     	20:00:00:0d:ec:2f:c1:40 	172.20.150.38       [Merge Master] <<< Merge Master#1
                             	switch-1
    	Total number of switches = 1
     	Remote Fabric
    	-------------------------------------------------------------------------
     	Switch WWN              	IP Address
    	-------------------------------------------------------------------------
     	20:00:00:0d:ec:04:99:40 	172.20.150.30       [Merge Master] <<< Merge Master#2
                             	switch-2
 	Total number of switches = 1


ステップ 2

show device-alias merge status コマンドを使用して、マージが失敗した理由がモードの不一致であることを確認します。モードの不一致がある場合、出力には理由として「Databases could not be merged due to mode mismatch」または「One of the merging fabrics cannot support device-alias Enhanced mode. 」と表示されます。


switch# show device-alias merge status
    	Result: Failure
    	Reason: Databases could not be merged due to mode mismatch.

ステップ 3

show device-alias status コマンドを使用して、各ファブリックのデバイス エイリアス モードを確認します。

この例では、switch-1 は拡張モードで動作していますが switch-2 は基本モードで動作しています。


switch-1# show device-alias status
Fabric Distribution: Enabled
Database:- Device Aliases 2 Mode: Enhanced

switch-2# show device-alias status
    	Fabric Distribution: Enabled
    	Database:- Device Aliases 2 Mode: Basic

ステップ 4

デバイス エイリアス モードの不一致が検出されたら、no device-alias distribute コマンドを使用して、デバイス エイリアスの配布を無効にします。

ステップ 5

スイッチで変更するモードに応じて、device-alias mode enhanced コマンドを使用して拡張モードに変更するか、no device-alias mode enhanced コマンドを使用してスイッチ モードを基本モードに変更します。

(注)  

 
  • Cisco MDS NX-OS リリース 8.5(1) より以前では、デフォルトのデバイス エイリアス モードは基本モードでした。Cisco MDS NX-OS リリース 8.5(1) 以降、デフォルトのデバイス エイリアス モードは拡張モードです。

  • デバイス エイリアス モードを拡張から基本に変更する必要があるのにアプリケーションにネイティブ形式のデバイス エイリアス設定が含まれている場合は、すべてのネイティブ デバイス エイリアス設定を明示的に削除するか、すべてのデバイス エイリアス メンバーを対応する pWWN で置き換えるまで、デバイス エイリアス モードを変更できません。

ステップ 6

device-alias distribute コマンドを使用して、デバイス エイリアスの配布を有効にしてマージを開始します。


検証失敗の解決

デバイス エイリアスのマージが競合なく実行される場合、結果のデバイス エイリアス データベースは、マージされる両方のファブリックの各スイッチ上の登録されているアプリケーションで検証されます。何らかの理由でアプリケーションがマージされたデータベースの検証に失敗した場合、デバイス エイリアスのマージは失敗します。

アプリケーションの検証の失敗が原因でデバイス エイリアス データベースのマージが失敗したことを確認するには、次の手順を実行します。

手順


ステップ 1

CFS またはデバイス エイリアス マージ失敗の Syslog を調べて、マージが失敗したことを確認します。または、show cfs merge status name device-alias コマンドを実行して、マージのステータスを確認します。

ステップ 2

show device-alias merge status コマンドを使用して、マージが失敗した理由がアプリケーションの検証失敗であることを確認します。


switch# show device-alias merge status
    	Result: Failure
    	Reason: This is a non device-alias error.

ステップ 3

Syslog メッセージを調べます。検証が拒否されたスイッチの Syslog と、マージを管理しているスイッチの Syslog には、関連するエラー メッセージが表示されます。

この例は、検証が拒否されたスイッチのメッセージの例を示しています。


2007 Apr 10 00:00:06 switch-2 %DEVICE-ALIAS-3-MERGE_VALIDATION_REJECTED: 
Failed SAP: 110 Reason: inter-VSAN zone member cannot be in more than one 
VSAN Expln:

この例は、マージを管理している、検証が拒否されたスイッチの Syslog メッセージを示しています。


2007 Apr  9 16:41:22 switch-1 %DEVICE-ALIAS-3-MERGE_VALIDATION_FAILED: Failed
SWWN: 20:00:00:0d:ec:04:99:40 Failed SAP: 110 Reason: inter-VSAN zone member cannot be in more than one 
VSAN Expln:

ステップ 4

マージを管理しているスイッチで show device-alias internal validation-info コマンドを使用して、出力を調べます。

この例は、スイッチ 20:00:00:0d:ec:04:99:40(switch-2)上の SAP 110 によって検証が拒否されたことを示しています。ステータス メッセージには、失敗の理由とシステム アプリケーション番号が示されています。


switch# show device-alias internal validation-info
    	Validation timer:    0s
	Per SAP Info Table:
   	===================
      	SAPS:  0
    	MTS Buffer Array Details:
    	=========================
      	Buffers:  0
    	Local Status:
    	=============
      	Num Reqs Sent:  0 20:00:00:0d:ec:04:99:40
      	Num SAPs Done:  0
      	Failed SAP   :  0    Status: success    Expln:
    	Remote Status:
    	==============
      	CFS Resp Rcvd: TRUE
      	Failed SWWN  : 20:00:00:0d:ec:04:99:40
SAP : 110 Status: inter-VSAN zone member cannot be in more than one VSAN <=== Status
      	Expln:

ステップ 5

show system internal mts sup sap number description コマンドを使用して、検証を拒否したスイッチ上の設定を拒否したアプリケーションを確認します。

この例では、デバイス エイリアスの検証を拒否したアプリケーションは IVR プロセスです。

switch# show system internal mts sup sap 110 description 
IVR-SAP

ステップ 6

デバイス エイリアスの検証の失敗を分析します。この分析は、検証に失敗したアプリケーションおよびデバイス エイリアス データベース設定によって異なります。

この例では、IVR が検証に失敗しています。この問題をトラブルシューティングするには、まず、マージされているデバイス エイリアス データベースを確認します。各ファブリックのマージを管理しているスイッチから show device-alias database コマンドを使用します。

switch# show device-alias database
device-alias name A1 pwwn 21:01:01:01:01:01:01:01
device-alias name A2 pwwn 21:01:01:01:01:01:01:02 => Pre-merge: A2 defined on switch-1
Total number of entries = 2

switch# show device-alias database
device-alias name A1 pwwn 21:01:01:01:01:01:01:01 => Pre-merge: A2 not defined on switch-2
Total number of entries = 1
Because IVR is enabled on switch-2, review the IVR zone set.
switch# show ivr zoneset
zoneset name s1
  	zone name z1
      	pwwn 21:01:01:01:01:01:01:02 vsan    1 autonomous-fabric-id  1
      	device-alias A2              vsan    2 autonomous-fabric-id  1

データベース マージの前にデバイス エイリアス A2 が switch-2 で定義されていません。switch-1 と switch-2 の間のマージのために、デバイス エイリアス A2 は switch-2 で使用可能になり、A2 は pWWN 21:01:01:01:01:01:01:02 にマッピングされます。

IVR ゾーン z1 のデバイス エイリアス ベースのメンバー A2 は解決され、pWWN 21:01:01:01:01:01:01:02 にマッピングされて、VSAN 2 のメンバーになります。ただし、pWWN 21:01:01:01:01:01:01:02はすでに VSAN 1 のメンバーです。デバイス エイリアスのマージのために実行されるマッピングにより、IVR 設定が不適切なものになります。同じ pWWN を複数の VSAN のメンバーにすることはできません。

IVR 設定が不適切なものになると、VSAN 2 の pWWN はデバイス エイリアス(A2)を使用して定義される一方で、VSAN 1 のメンバーは実際の pWWN を使用して定義されます。IVR は、この状況を検出し、デバイス エイリアスの検証を拒否します。その結果、デバイス エイリアスのマージに失敗します。


データベース競合の解決

デバイス エイリアス データベースのエントリが登録済みアプリケーションの設定と競合する場合、デバイス エイリアス データベースのコミットで検証プロセスに失敗します。デバイス エイリアス データベースまたはアプリケーション設定を修正してください。

検証に失敗したアプリケーションと失敗の理由を確認するには、次の手順を実行します。

手順


ステップ 1

device-alias commit コマンドを使用して、出力を確認します。

次の例は、デバイス エイリアス データベースとアプリケーション設定の間に競合があるためにコミットが失敗したことを示しています。


switch# configure terminal
Enter configuration commands, one per line.  End with CNTL/Z.
switch(config)# device-alias commit
inter-VSAN zone member cannot be in more than one VSAN ===> reason for commit failure

ステップ 2

コミットによって発行されたスイッチの Syslog を調べて、どのアプリケーション設定がデバイス エイリアス データベースと競合しているのかを確認します。

この例は、sWWN 20:00:00:0d:ec:04:99:40(switch-2)上の SAP 110(IVR)が検証を拒否したためにデバイス エイリアスのコミットが失敗したことを示しています。


2007 Apr 10 11:54:24 switch-1 %DEVICE-ALIAS-3-VALIDATION_FAILED: Failed=>Validation Status
SWWN: 20:00:00:0d:ec:04:99:40 Failed SAP: 110 Reason: inter-VSAN zone ==>Switch and SAP member cannot be in more than one VSAN Expln:                         ==>Reason
2007 Apr 10 11:54:24 switch-1 %DEVICE-ALIAS-3-COMMIT_FAILED: Failed to  ==>Commit status commit the pending database: inter-VSAN zone member cannot be in more ==>Reason than one VSAN

ステップ 3

検証が拒否されたスイッチの Syslog を確認します。

この例は、次の Syslog がスイッチ 2 で出力されることを示しています。


2007 Apr 10 19:13:08 switch-2 %DEVICE-ALIAS-3-VALIDATION_REJECTED: Failed 
SAP: 110 Reason: inter-VSAN zone member cannot be in more than one VSAN ==>SAP and reason

ステップ 4

既存のデバイス エイリアス データベース(目的の変更点を含む)とアプリケーション設定を比較して、競合を確認します。

この例では、show device-alias database コマンドおよび show ivr zoneset コマンドと、コミットの前に実行されたデバイス エイリアス データベースの変更のコンソール ログが使用されています。この比較から、新しいデバイス エイリアス A2 の定義により IVR ゾーン z1 の拡張デバイス エイリアス メンバー A2 が、すでにゾーン z1 のメンバーになっている pWWN 21:01:01:01:01:01:01:02 に解決されていることが分かります。この pWWN は VSAN 1 のメンバーとして直接定義されていますが、拡張デバイス エイリアス A2 は VSAN 2 のメンバーとして定義されています。この設定は IVR では許可されません。IVR は、この設定上の問題を検出し、デバイス エイリアス データベースの検証を拒否します。


switch# show device-alias database          ===> existing device alias database
device-alias name A1 pwwn 21:01:01:01:01:01:01:01
Total number of entries = 1
switch# show ivr zoneset                    ===> display existing IVR zone set
zoneset name s1
zone name z1
pwwn 21:01:01:01:01:01:01:02  vsan    1 autonomous-fabric-id  1
      	device-alias A2               vsan    2 autonomous-fabric-id  1
switch# configure terminal
Enter configuration commands, one per line.  End with CNTL/Z.
switch(config)# device-alias database
switch(config-device-alias-db)# device-alias name A2 pwwn 21:01:01:01:01:01:01:02
switch(config-device-alias-db)# exit
switch(config)# device-alias commit
inter-VSAN zone member cannot be in more than one VSAN

ステップ 5

アプリケーション設定を調整するか、デバイス エイリアス データベースを変更して device-alias commit コマンドを再実行することにより、競合を修正します。


デバイス エイリアス データベースのステータスの確認

ここでは、デバイス エイリアス データベースのステータスの確認に関する情報を提供します。

表 3. デバイス エイリアス データベースのステータスの確認

コマンド名

説明

show cfs merge status name device-alias

デバイス エイリアス データベースの CFS マージのステータスに関する情報が表示されます。

show device-alias database

デバイス エイリアス データベース全体が表示されます。

show device-alias internal validation info

検証プロセス(コミットまたはマージの一部)のステータスに関する情報が表示されます。

show device-alias merge conflicts

Cisco MDS NX-OS リリース 8.1(1) 以降でマージ失敗の原因となっているデバイス エイリアス名または pWWN が表示されます。

show device-alias merge status

デバイス エイリアス マージ操作の結果と結果の原因が表示されます。

show device-alias session status

最後の CFS コマンド(clear commit terminate など)のステータスが表示されます。最後に使用された CFS コマンドの結果と原因のフィールドは、失敗の原因を特定するために役立ちます。

show device-alias status

ファブリック配布が有効かどうか、データベース内のデバイス エイリアスの数、ロック情報、データベース モード(基本または拡張)といったデバイス エイリアス サービスの設定情報が表示されます。