WIC-4ESWカード
ここでは、4ポート10/100BASE-TXイーサネット スイッチ インターフェイス カード(WIC-4ESW)をネットワークに接続する方法について説明します。
WIC-4ESWインターフェイス カードは、レイヤ3ルーティング機能を備えた、レイヤ2イーサネット スイッチです(レイヤ3ルーティングはホストに転送され、スイッチで実際に実行されることはありません)。ポートは、速度(10 Mbpsまたは100 Mbps)および接続先の装置のデュプレックス モード(全二重または半二重)を自動感知するため、同じ速度および同じデュプレックス モードで稼働します。
(注) show vtp statusコマンドにより、ルータがサポートするVLAN(仮想LAN)の最大数が表示されます。ルータがサポートするVLAN数の方が多いですが、WIC-4ESWインターフェイス カードでは最大16のVLANをサポートします。
WIC-4ESWインターフェイス カードで使用する、新しいコマンドまたは変更されたコマンドはありません。スイッチで使用されるすべてのコマンドは、Cisco IOSコマンド リファレンスに記載されています。
図9-1に、WIC-4ESWインターフェイス カードを示します。
図9-1 WIC-4ESWインターフェイス カード
Cisco IOSソフトウェアがスイッチを認識し、接続がアクティブになると、LNK(物理レイヤ リンク)LEDが点灯します。ACT(アクティビティ)LEDは、スロット上でデータの送受信が行われていることを示します。
カードの機能の詳細については、『 4-Port Ethernet Switch Configuration Notes for the Cisco 1700 Series Routers 』を参照してください。
WIC-4ESWインターフェイス カードのポート番号
ポート番号は、ルータに搭載されたモジュールおよびインターフェイス カード上のインターフェイスを識別します。モジュールおよびインターフェイス カードは、インターフェイス タイプ、スロット番号、スラッシュ(/)、およびポート番号によって識別されます。たとえば、F0/0とは、インターフェイス カードの最初のファスト イーサネット ポートで、ルータのスロット0に搭載されていることを示します。
WIC-4ESWの最初のポートは、常に[1]として認識されます。Cisco 1721ルータでは、カードがいずれのスロットに搭載されていても、ポートはFastEthernet 1~FastEthernet 4と表されます。
Cisco 1751ルータおよびCisco 1760ルータでは、WIC-4ESW上のファスト イーサネット インターフェイスは、カードが搭載されているスロットに応じて、F< slot >/1~F< slot >/4として表されます(このマニュアルでは、ポートはF1~F4として表されます)。
WIC-4ESWインターフェイス カードのプロセッサ要件
Cisco WIC-4ESWカードを使用するには、MPC 860マイクロプロセッサ(リビジョンB5以上)が必要です。
WIC-4ESWインターフェイス カードでサポートされる規格
WIC-4ESWインターフェイス カードでは、IEEE 802.3のイーサネット規格および最大328フィート(100 m)の100BASE-Tカテゴリ3、4、および5 UTPケーブル長がサポートされます。
また、次の規格がサポートされます。
• 802.1d
• 802.1p
• 802.1Q
WIC-4ESWインターフェイス カードのプラットフォームの制限事項
WIC-4ESWインターフェイス カードでは、次の機能がサポートされません。
• VLANトランキング プロトコル(サーバ/クライアント モードおよびトランスペアレント モードv2)
• Spanning-Tree Protocol(STP;スパニングツリー プロトコル)バックボーン ファスト
• STP PortFast Bridge Protocol Data Unit(BPDU;ブリッジ プロトコル データ ユニット)ガード
• STPアップリンク ファスト
• STPルート ガード
• STP Unidirectional Link Detection(UDLD;単一方向リンク検出)
• ポート セキュリティ
• 保護ポート
• 802.1xポートベース認証
• ストーム制御
• Switched Port Analyzer(SPAN;スイッチド ポート アナライザ)
• Internet Group Management Protocol(IGMP)スヌーピング
• 802.1pプライオリティの上書き
• MAC(メディア アクセス制御)アドレス テーブル コマンド
• EtherChannel
• 不明ユニキャスト/マルチキャスト フラッディングに基づくポート単位でのイネーブル化またはディセーブル化
• マルチキャスト グループ
• IPマルチキャストのサポート
• Cisco Group Management Protocol(CGMP)クライアント、CGMP高速脱退
• ダイナミック アクセス ポート
• ダイナミック トランク プロトコル
• ダイナミックVLAN
• 音声VLAN
• General Attribute Registration Protocol(GARP)、GARP Multicast Registration Protocol(GMRP)、およびGARP VLAN Registration Protocol(GVRP)
• Cisco ISL(スイッチ間リンク)タギング(チップはISLをサポートしません)
• レイヤ3オンボード スイッチング
• VLANのモニタ
• マルチVLANポート ネットワーク ポート
• 共有STPインスタンス
• VLANベースのSPAN
• VLAN Query Protocol(VQP)
• VTPプルーニング プロトコル
• Webベース管理インターフェイス
• Remote Monitoring(RMON)
WIC-1ENETインターフェイス カード
ここでは、10BASE-TイーサネットをサポートするCisco 1ポート イーサネット インターフェイス カード(WIC-1ENET)の接続方法について説明します。具体的な内容は、次のとおりです。
• WIC-1ENETの要件
• WIC-1ENETの全二重および半二重
1ポート イーサネット インターフェイス カードは、ケーブル モデム、xDSLモデムなど、あらゆるタイプの外部ブロードバンド モデムでCisco IOSソフトウェアの機能を使用できる、追加のイーサネット インターフェイスを提供します。
図9-2に、WIC-1ENETインターフェイス カードを示します。
図9-2 WIC-1ENETインターフェイス カード
Cisco IOSソフトウェアがWIC-1ENETカードを認識し、接続がアクティブになると、LNK(物理レイヤ リンク)LEDが点灯します。ポートが全二重モードで動作している場合は、FDX LEDが点灯し、半二重モードで動作している場合は消灯します。さらに、ルータ前面のACTIVITY LEDがスロットでのデータの送受信を示します。
WIC-1ENETの要件
ここでは、WIC-1ENETカードの要件およびサポート対象の規格について説明します。
WIC-1ENETのメモリ要件
WIC-1ENETカードをサポートするCisco IOSイメージを実行するには、ルータに最小限の容量のフラッシュ メモリおよびDRAMが必要です。イメージごとのメモリ要件の詳細については、『 Release Notes for the Cisco 1700 Series Routers for Cisco IOS Release 12.2(4)T 』を参照してください。
WIC-1ENETのソフトウェア要件
スロット0以外のWICスロットにWIC-1ENETカードを搭載する場合、または複数のカードを搭載する場合は、Cisco IOS Release 12.2(2)XJ以上が必要です。
Cisco IOS Release 12.2(4)TでもWIC-1ENETカードを使用できますが、スロット0にカードを取り付ける必要があります。また、ルータには1つのWIC-1ENETカードしか取り付けることができません。
WIC-1ENETインターフェイス カードのポート番号
ポート番号は、ルータに搭載されたモジュールおよびインターフェイス カード上のインターフェイスを識別します。ポート番号は、インターフェイス タイプごとに右から左に向かって、0から順番に番号が付けられています。モジュールおよびインターフェイス カードは、インターフェイス タイプ、スロット番号、スラッシュ(/)、およびポート番号によって識別されます。たとえば、E0/0とは、インターフェイス カードの最初のイーサネット ポートで、ルータのスロット0に搭載されていることを示します。
Cisco 1720ルータのイーサネット インターフェイスでは、E0になります。WIC-1ENETのインターフェイスは、E1として示されます。
Cisco 1750ルータでは、ルータのイーサネット インターフェイスはE0/0です。WIC-1ENETのインターフェイスは、E< slot >/1として示されます。
WIC-1ENETインターフェイス カードのルータ プロセッサ要件
WIC-1ENETカードを使用する場合は、Cisco 1700シリーズ ルータにMPC 860マイクロプロセッサ(リビジョンB5以上)を搭載する必要があります。
プロセッサのバージョン情報は起動時に表示されます。Cisco IOS CLIの Router#
プロンプトに show version コマンドを入力することによって、プロセッサのリビジョン情報を確認することもできます。
WIC-1ENETでサポートされる規格
IEEE 802.3のイーサネット規格および最大328フィート(100 m)の10BASE-Tカテゴリ3、4、および5 UTPケーブル長がサポートされます。
WIC-1ENETの全二重および半二重
WIC-1ENETは、デフォルトで半二重モードに設定されていて、ポートに接続される他の装置のモードを自動検出しません。カードを全二重動作に設定する場合は、ポートの接続先装置も全二重モードに設定する必要があります。
イーサネット インターフェイスを全二重動作にするには、 full-duplex コマンドを使用します。
no full-duplex コマンドを入力すると、インターフェイスを半二重モードに戻せます。
half-duplex コマンドを使用すると、イーサネット インターフェイスを半二重動作(イーサネット インターフェイスのデフォルト ステート)にもできます。
インターフェイスの状態を確認するには、次のように show interface コマンドを入力します。
1750#show interface Ethernet 0
Ethernet0 is up, line protocol is up
Hardware is PQUICC Ethernet, address is 0001.64ff.ef6a (bia 0001.64ff.ef6a)
MTU 1500 bytes, BW 10000 Kbit, DLY 1000 usec,
reliability 255/255, txload 1/255, rxload 1/255
Encapsulation ARPA, loopback not set