Ciscoギガビット イーサネットHWIC(HWIC-1GE-SFP)
Ciscoギガビット イーサネットHWIC(HWIC-1GE-SFP)は、Ciscoモジュラ アクセス ルータに銅線接続および光ファイバを使ったギガビット イーサネット接続を提供する高速インターフェイス カードです。
Ciscoギガビット イーサネットHWICは、インターフェイス カードに搭載されたSmall Form-Factor Pluggable Module(SFP)を介して、銅線接続および光ファイバを使ったギガビット イーサネット接続を行います(Ciscoギガビット イーサネットHWICへのSFPの取り付けを参照)。
SFPはルータおよびインターフェイス カードの電源を切断しなくても、取り付けたり取り外したりできます。
注意 電磁適合性および安全性のためのTelcordia GR-1089 NEBS規格に準拠するため、ギガビット イーサネットHWIC(HWIC-1GE-SFP)は、建物内または屋内の配線またはケーブルにのみ接続するようにしてください。
(注) Ciscoギガビット イーサネットHWIC自体はホットスワップに対応していません。Ciscoギガビット イーサネットHWICの取り外しまたは取り付けを行うには、ルータの電源を切る必要があります。
Ciscoギガビット イーサネットHWICでは、 表11-1 のSFPがサポートされます。
表11-1 Ciscoギガビット イーサネットHWIC(HWIC-1GE-SFP)でサポートされるSFP
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1000BASE-T |
GLC-T= |
該当なし |
100 m |
1000BASE-SX |
GLC-SX-MM= |
850 nm |
500 m |
1000BASE-LX/LH |
GLC-LH-SM= |
1310 nm |
10 km |
1000BASE-ZX |
GLC-ZX-SM= |
1550 nm |
80 km |
1000BASE-CWDM |
CWDM-SFP-1470= |
1470 nm |
100 km |
CWDM-SFP-1490= |
1490 nm |
CWDM-SFP-1510= |
1510 nm |
CWDM-SFP-1530= |
1530 nm |
CWDM-SFP-1550= |
1550 nm |
CWDM-SFP-1570= |
1570 nm |
CWDM-SFP-1590= |
1590 nm |
CWDM-SFP-1610= |
1610 nm |
(注) Ciscoギガビット イーサネットHWICでサポートされるのは、シスコが認定したSFPだけです。
ヒント SFPを別のタイプに交換すると、接続障害などの接続問題が発生することがあります。シスコ承認のSFPが使用されているかどうかを判別するには、Cisco IOS CLI(コマンドライン インターフェイス)でshow controllerを使用してください。
SFPごとにケーブル接続要件は異なります。SFPケーブル接続については、「Ciscoギガビット イーサネットHWICのネットワーク接続」を参照してください。
レーザーの安全に関する注意事項
光SFPでは、光ファイバ信号を生成するために小型レーザーが使用されています。ケーブルが接続されていないときには、必ず光ファイバ送受信ポートにカバーを取り付けておいてください。
インターフェイス カードの前面プレートには、クラス1レーザーの警告ラベルが付いています(図11-1を参照)。
図11-1 クラス1レーザーの警告ラベル
警告 光ファイバ ケーブルが接続されていない場合、ポートの開口部から目に見えないレーザー光が放射されている可能性があります。レーザー光にあたらないように、開口部をのぞきこまないでください。
警告 この製品を廃棄処分する際には、各国の法律または規制に従って取り扱ってください。
Ciscoギガビット イーサネットHWICのLED
Ciscoギガビット イーサネットHWICでは、LEDによってカードのステータスとアクティビティを確認できます(図11-2を参照)。
図11-2 Ciscoギガビット イーサネットHWIC(HWIC-1GE-SFP)の前面プレート
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EN:グリーンの場合、ルータはインターフェイス カードを使用できます。 |
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LINK:グリーンの場合、ルータは接続を使用できます。 |
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TX:グリーンの場合、インターフェイスはネットワークにデータを送信中です。 |
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RX:グリーンの場合、インターフェイスはネットワークからデータを受信中です。 |
Ciscoギガビット イーサネットHWICへのSFPの取り付け
SFPは、Ciscoギガビット イーサネットHWICに直接取り付けることができるホットスワップ可能なイーサネット インターフェイスです。Ciscoギガビット イーサネットHWICでサポートされるSFPについては、 表11-1 を参照してください。
Ciscoギガビット イーサネットHWICにSFPを取り付ける手順は、次のとおりです。
ステップ 1 ルータにインターフェイス カードを取り付けます(「Ciscoアクセス ルータへのCiscoインターフェイス カードの取り付け」を参照)。
警告 光ファイバ ケーブルが接続されていない場合、ポートの開口部から目に見えないレーザー光が放射されている可能性があります。レーザー光にあたらないように、開口部をのぞきこまないでください。
ステップ 2 SFPをインターフェイス カードのケースにスライドさせて、所定位置にロックします(図11-3を参照)。SFPは不完全な装着を防止する設計になっています。
ヒント SFPにベールクラスプ ラッチ(図11-3および図11-4)が使用されている場合は、ベールクラスプ ハンドルをSFPの上部のクローズ ポジションに設定して、SFPモジュールを適切に固定する必要があります。
図11-3 Ciscoギガビット イーサネットHWICへのSFPの取り付け
注意 インターフェイス カードにケーブルを接続する準備ができるまでは、SFPで使用される光ファイバ ポート プラグを取り外さないでください。
注意 電磁適合性および安全性のためのTelcordia GR-1089 NEBS規格に準拠するため、ギガビット イーサネットHWIC(HWIC-1GE-SFP)は、建物内または屋内の配線またはケーブルにのみ接続するようにしてください。
ステップ 3 インターフェイス カードをネットワークに接続します(Ciscoギガビット イーサネットHWICのネットワーク接続を参照)。
Ciscoギガビット イーサネットHWICからのSFPの取り外し
ここでは、一般的な取り外し手順を示します。SFPはさまざまなラッチ設計(図11-4を参照)を使用して、SFPポートにモジュールを固定します。
(注) ラッチ設計はSFPモデルまたはテクノロジーのタイプに関係しません。SFPテクノロジーのタイプおよびモデルについては、SFPの上部または側面にあるラベルを参照してください。
Ciscoギガビット イーサネットHWICからのSFPの取り外し
Ciscoギガビット イーサネットHWICからSFPを取り外す手順は、次のとおりです。
ステップ 1 SFPからケーブルをすべて取り外します。
警告 光ファイバ ケーブルが接続されていない場合、ポートの開口部から目に見えないレーザー光が放射されている可能性があります。レーザー光にあたらないように、開口部をのぞきこまないでください。
注意 多くのSFPで使用されているラッチ メカニズムは、ケーブルが接続されている場合に、SFPを所定位置にロックします。SFPを取り外す目的で、ケーブルを引っぱらないでください
ステップ 2 SFPラッチを外します(図11-4を参照)。
図11-4 SFPラッチ メカニズムの解除
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スライド式ラッチ |
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スイング/スライド式ラッチ |
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ベールクラスプ ラッチ |
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プラスチック カラー ラッチ |
ヒント 指で扱えない場合は、ピン、ドライバなど小型の細長い工具を使用して、ベールクラスプ ハンドルをゆっくりと外します。
ステップ 3 両側のSFPをつかみ、インターフェイス カードから取り外します。
Ciscoギガビット イーサネットHWICのネットワーク接続
Ciscoギガビット イーサネットHWICは、サポートされるさまざまなSFPモジュールを通じてネットワークに接続します。ケーブル接続要件はSFPごとに異なります。「SFPのケーブル接続」を参照してください。
SFPのケーブル接続
Ciscoギガビット イーサネットHWICでサポートされる各SFPのケーブル接続要件については、 表11-2 を参照してください。
表11-2 ギガビット イーサネットSFPのケーブル接続
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1000BASE-T |
GLC-T= |
100 m |
カテゴリ5、5e、6 |
RJ-45 |
1000BASE-SX |
GLC-SX-MM= |
300 m |
62.5/125マイクロメートルMMF |
LCコネクタ |
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500 m |
50/125マイクロメートルMMF |
1000BASE-LX/LH |
GLC-LH-SM= |
550 m |
50/125マイクロメートルまたは62.5/125マイクロメートルMMF |
LCコネクタ |
10 km |
9/125マイクロメートルSMF |
1000BASE-ZX |
GLC-ZX-SM= |
80 km |
9/125マイクロメートルSMF |
LCコネクタ |
1000BASE-CWDM |
CWDM-SFP-1470= CWDM-SFP-1490= CWDM-SFP-1510= CWDM-SFP-1530= CWDM-SFP-1550= CWDM-SFP-1590= CWDM-SFP-1610= |
100 km |
9/125マイクロメートルSMF |
LCコネクタ |
図11-5 LCコネクタ
(注) Coarse Wavelength-Division Multiplexing(CWDM)SFPトランシーバは波長に基づいて色分けされています。グレー(1470)、紫(1490)、ブルー(1510)、グリーン(1530)、イエロー(1550)、オレンジ(1570)、レッド(1590)、およびブラウン(1610)です。
Ciscoギガビット イーサネットHWICは、次のネットワーク構成で使用するように設計されています。
• Metropolitan-Area Networking(MAN;メトロポリタン エリア ネットワーク)バックボーンで、低コストで高速な長距離接続を行う構成
• LANにマルチプロトコルWANゲートウェイ ルータが配置されている構成
• 同じ建物または同じキャンパスにワイヤリング クローゼットを配置して、ハイデマンド ネットワーク セグメントの高速接続を実現する構成
ヒント Ciscoギガビット イーサネットHWICを使用したネットワーク設定例の詳細については、シスコの製品マニュアルを参照してください。
Ciscoギガビット イーサネットHWICをネットワークに接続する手順は、次のとおりです。
ステップ 1 SFPが正常に装着されていることを確認します。
警告 光ファイバ ケーブルが接続されていない場合、ポートの開口部から目に見えないレーザー光が放射されている可能性があります。レーザー光にあたらないように、開口部をのぞきこまないでください。
ステップ 2 ルータの電源がオフであることを確認します。
ステップ 3 搭載されたSFPから光ファイバ ポート プラグを取り外します。
ステップ 4 適切なケーブル( 表11-2 を参照)を使用し、取り付けたSFPに接続します。
(注) 短距離またはループバックの場合は、1000BASE-CWDMおよび1000BASE-ZX SFPを使用するネットワーク インストレーションに15dBm減衰器を接続して、接続への過剰な電力供給を回避しなければならないことがあります。接続のパワー バジェットを計算して、使用する減衰器を判別します。
ステップ 5 1000BASE-CWDM SFPを使用するネットワーク インストレーションの場合は、Cisco CWDM Optical Add/Drop Multiplexing(OADM;光分岐挿入)インターフェイス カードにSFPを接続します(図11-6を参照)。Cisco CWDM OADMについては、『 Installation Note for the Cisco CWDM Passive Optical System 』を参照してください。
図11-6 Cisco CWDM OADMカードを使用したCiscoギガビット イーサネットHWICのネットワーク接続
ステップ 6 適切なケーブル( 表11-2 を参照)のもう一方をネットワークに接続します。
ステップ 7 ルータを起動し、設定作業を継続します。