Cisco 10/100BASE-Tイーサネット スイッチHWIC
Cisco 10/100BASE-Tイーサネット スイッチHWICは4ポート シングル幅HWIC(HWIC-4ESW)および(8+1)ポート倍幅HWIC(HWIC-D-9ESW)で使用でき、シスコのモジュラ アクセス ルータにレイヤ2スイッチングを提供します。
注意 電磁適合性および安全性のためのTelcordia GR-1089 NEBS規格に準拠するため、4ポートシングル幅HWIC(HWIC-4ESW)および(8+1)ポート倍幅HWIC(HWIC-D-9ESW)は、建物内または屋内の配線またはケーブルにのみ接続するようにしてください。
(注) Cisco 10/100BASE-Tイーサネット スイッチHWICは、HWICスロットのみに取り付けることができます。これらはWIC/VICスロットに適合するように設計されていません。
Cisco 10/100BASE-Tイーサネット スイッチHWICは、同じHWICのポート間でトラフィックをレイヤ2スイッチングします。HWICはHWICおよびその他の任意のプラットフォーム インターフェイスとの間で送受信されるレイヤ3トラフィックもサポートします。スイッチ上の異なるVLAN(仮想LAN)間のトラフィックは、ルータ プラットフォームを介してルーティングされます。
2つのCisco 10/100BASE-Tイーサネット スイッチHWICをルータ シャーシにスタックして、スイッチング機能を向上させることができます。詳細については、「Cisco 10/100BASE-Tイーサネット スイッチHWICのスタック」を参照してください。
各バージョンのCisco 10/100BASE-Tイーサネット スイッチHWICは、ポートを介して-48 Vのインライン パワーを供給できます。インライン パワーは、ポートに接続されたIP Phoneまたは無線アクセス ポイントに電力を供給する場合に使用します。
(注) HWIC-D-9ESWカードがインライン パワーを供給するのは、8つのポート(ポート0~7)からに限られます。9番めのポート(ポート8)はスタッキング ポート用であり、インライン パワーはサポートされていません。
インライン パワーを供給するには、HWICにインライン パワーを配電するオプションのドータカードを搭載する必要があります。インライン パワーはルータの-48 V電源装置から供給されます。ドータカードは-48 V電力をHWICのポートに配電します。
(注) HWICがインライン パワーを配電するには、ルータにオプションの-48 V電源装置を搭載する必要があります。
Cisco 10/100BASE-Tイーサネット スイッチHWICのLED
Cisco 10/100BASE-Tイーサネット スイッチHWICでは、ポートごとに2つのLEDによって、リンク ステータスおよびインライン パワー ステータスが示されます。これらのLEDの詳細については、図10-1、図10-2および 表10-1 を参照してください。
図10-1 HWIC-4ESWの前面プレート
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製品名 |
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ポート番号 |
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インライン パワーLED |
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リンクLED |
図10-2 HWIC-D-9ESWの前面プレート
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製品名 |
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ポート番号 |
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インライン パワーLED |
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リンクLED |
表10-1 Cisco 10/100BASE-Tイーサネット スイッチHWICのLED
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LNK |
グリーン |
リンク ステータス |
点灯=リンク パルスを検出 消灯=リンク パルス未検出 |
ILP |
グリーン/オレンジ |
インライン パワー ステータス |
グリーン=デバイスに電力を供給 オレンジに点滅=配電のエラーまたは拒否 オレンジ=管理者によるディセーブル状態 消灯=外付けデバイスが検出されていないか、またはインライン パワー オプションが搭載されていない |
Cisco 10/100BASE-Tイーサネット スイッチHWICへのインライン パワー ドータカードの取り付け
ここでは、HWIC-4ESWおよびHWIC-D-9ESWイーサネット スイッチHWICにインライン パワー ドータカードを取り付ける手順について説明します。
表10-2 HWICおよびインライン パワー カードのマッピング
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HWIC-4ESW |
ILPM-4 |
HWIC-D-9ESW |
ILPM-8 |
(注) インライン パワー ドータカードはスペアとして別途購入できます。
(注) 4ポートHWICと(8+1)ポートHWIC間でインライン パワー ドータカードを交換することはできません。
HWIC-4ESWカードへのドータカードの取り付け
HWIC-4ESWカードにインライン パワー ドータカードを取り付ける手順は次のとおりです。
ステップ 1 付属の固定用ネジを使用して、HWICマザーボードに3つのスタンドオフ(ドータカードに付属)を取り付けます(図10-3を参照)。ネジをしっかりと締めます。
図10-3 Cisco 10/100BASE-Tイーサネット スイッチHWIC-4ESWカードへのインライン パワー カードの取り付け
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固定用ネジ:ドータカードをスタンドオフに固定 |
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ドータカード |
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スタンドオフ(3) |
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ドータカード コネクタ |
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固定用ネジ:スタンドオフをマザーボードに固定 |
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マザーボード コネクタ |
ステップ 2 ドータカード コネクタをマザーボード コネクタに差し込んで、スタンドオフをドータカードの取り付け穴の真下に合わせます。
ステップ 3 付属の固定用ネジを使用して、ドータカードをスタンドオフに接続します。ネジをしっかりと締めます。
HWIC-D-9ESWカードへのドータカードの取り付け
HWIC-D-9ESWカードにインライン パワー ドータカードを取り付ける手順は次のとおりです。
ステップ 1 付属の固定用ネジを使用して、HWICマザーボードに4つのスタンドオフ(ドータカードに付属)を取り付けます(図10-4を参照)。ネジをしっかりと締めます。
図10-4 Cisco 10/100BASE-Tイーサネット スイッチHWIC-D-9ESWカードへのインライン パワー カードの取り付け
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固定用ネジ:ドータカードをスタンドオフに固定 |
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ドータカード コネクタ |
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スタンドオフ |
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マザーボード コネクタ |
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固定用ネジ:スタンドオフをマザーボードに固定 |
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ステップ 2 ドータカード コネクタをマザーボード コネクタに差し込んで、スタンドオフをドータカードの取り付け穴の真下に合わせます。
ステップ 3 付属の固定用ネジを使用して、ドータカードをスタンドオフに接続します。ネジをしっかりと締めます。
ドータカード取り付けの確認
ドータカードが正しく取り付けられていることを確認するには、次の手順を実行します。
ステップ 1 ルータにHWICを取り付けて、ルータの電源をオンにします。
ステップ 2 コマンド show power inline を実行します。
ステップ 3 -48 V電源装置およびインライン パワーをサポートするポートのステータスを確認します。
Cisco 10/100BASE-Tイーサネット スイッチHWICのネットワーク接続
Cisco 10/100BASE-Tイーサネット スイッチHWICは、次の構成で使用するように設計されています。
• LANにマルチプロダクトWANゲートウェイ ルータが配置されている構成
• 同じ建物または同じキャンパスにワイヤリング クローゼットを配置して、ハイデマンド ネットワーク セグメントの高速接続を実現する構成
ヒント Cisco 10/100BASE-Tイーサネット スイッチHWICを使用するネットワーク設定の詳細については、『Configuration Guidelines for HWIC-4ESW and HWIC-D-9ESW Interface Cards』を参照してください。
Cisco 10/100BASE-Tイーサネット スイッチHWICをネットワークに接続するには、次の手順を実行します。
ステップ 1 ルータの電源がオフであることを確認します。
ステップ 2 プラットフォームのHWICスロットにCisco 10/100BASE-Tイーサネット スイッチHWICを挿入します。
注意 電磁適合性および安全性のためのTelcordia GR-1089 NEBS規格に準拠するため、4ポートシングル幅HWIC(HWIC-4ESW)および(8+1)ポート倍幅HWIC(HWIC-D-9ESW)は、建物内または屋内の配線またはケーブルにのみ接続するようにしてください。
ステップ 3 適切なケーブルを使用して、システムにカードを接続します。
• HWIC-4ESWカードでは、4つのすべてのポートがAuto-MDIXをサポートするため、ストレート ケーブルとクロス ケーブルを両方使用できます。
• HWIC-D-9ESWカードでは、ポート0~7がAuto-MDIXをサポートするため、ストレート ケーブルとクロス ケーブルを両方使用できます。ポート8がAuto-MDIXをサポートするのは、Autoモードに設定されている場合のみです。
ステップ 4 ルータの電源を入れます。
Cisco 10/100BASE-Tイーサネット スイッチHWICのスタック
スタックとは、接続された2つのイーサネット スイッチHWICを同じシャーシに配置して、単一のスイッチとして動作させることです。スタックを実現するには、各スイッチの指定のスタッキング ポートに接続された外部RF-45クロス ケーブルを使用して、2つのカードにデイジーチェーン接続を施します。
シャーシに2つのイーサネット スイッチHWICが搭載されている場合、ユーザはスタック モードで動作するようにこれらのカードを設定する必要があります。
(注) 2つのイーサネット スイッチHWICのスタックを解除するオプションはありません。2つのイーサネット スイッチHWICが同じシャーシ内にある場合、これらはスタック モードでのみ動作します。スタック解除された状態で動作するようにカードを設定しても、カードは正しく動作しません。
各スイッチの1つのポートをスタッキング ポートに指定する必要があります。HWIC-4ESWカードでは、このポートは通常最初のポート(ポート0)ですが、任意のポートを選択できます。HWIC-D-9ESWカードでは、このポートは通常9番めのポート(ポート8)ですが、任意のポートを選択できます。スタッキング ポートにはポート8を使用することを推奨します。このポートはHWIC-D-9ESWカードの予備のポートとして設計されていて、インライン パワーを供給しないためです。
(注) スタッキング ポートとして設定できるのは、イーサネット スイッチHWICの1つのポートのみです。
イーサネット スイッチHWICは任意の組み合わせでスタックできます。たとえば、2つのHWIC-D-9ESWカード、HWIC-D-9ESWカードとHWIC-4ESWカード、または2つのHWIC-4ESWカードの組み合わせが可能です。
スタッキング ポートの設定方法については、『 Configuration Guidelines for HWIC-4ESW and HWIC-D-9ESW Interface Cards 』を参照してください。