概要
このドキュメントでは、Cisco Interaction Manager(CIM )で、マッピングされたキューに対する例外キュー アクティビティの再処理に必要なアラーム ワークフローを作成する方法について説明します。
前提条件
要件
このドキュメントに特有の要件はありません。
使用するコンポーネント
このドキュメントの内容は、特定のソフトウェアやハードウェアのバージョンに限定されるものではありません。
このドキュメントの情報は、特定のラボ環境にあるデバイスに基づいて作成されました。このドキュメントで使用するすべてのデバイスは、初期(デフォルト)設定の状態から起動しています。対象のネットワークが実稼働中である場合には、どのようなコマンドについても、その潜在的な影響について確実に理解しておく必要があります。
背景説明
設定された配信例外条件に一致しない電子メール アクティビティが例外キューに送信されると、これらのアクティビティを復元しなければ処理を実行できない場合があります。スーパーバイザが例外キューを監視しているか、アイテムが例外キューに入ったときに通知を受け取る場合、手動でこの処理を行い、アイテムを選択し、エージェントに転送して、処理を行うことができます。これらのアクティビティを処理する別の方法として、例外キューに対するアラーム ワークフローを設定し、特定のスケジュールで、または単一の指定時間にこれを実行するように設定することもできます。このオプションを使用すると、システムは外部エージェント割り当てサービス(EAAS)および Unified Contact Center Enterprise(UCCE)を介して電子メールの処理を再開できます。
例外キュー配信の理由
アイテムが例外キューに配信されるのには、いくつかの理由があります。
- その部門にアクティブなインバウンド ワークフローがない。
- ワークフローがアクティビティを処理するときにエラーが発生する。
- ワークフローで使用されるキューが非アクティブになっている。アクティブではないキューに着信するすべてのアクティビティは、例外キューにルーティングされます。
- 電子メールが跳ね返される。
- NEW_TASK_FAILURE メッセージが UCCE から返される。
この一覧のうち、取得して処理することができない、本当の意味での配信例外は跳ね返された電子メールのみです。他のすべては、回復できる可能性があります。
通知のアラーム ワークフロー
デフォルトで、アラーム ワークフローは製品内に作成されます。『 Unified Contact Center Enterprise のルーティングおよびワークフローに関する Cisco Unified Web and E-Mail Interaction Manager 管理者ガイド』に次のように説明されているとおりです。
「例外キューのアラーム ワークフロー:アクティビティの処理中にワークフローのエラーが原因でアクティビティが例外キューにルーティングされた場合に、通知を送信するように設定されたワークフロー。このワークフローはデフォルトでアクティブであり、12 時間ごとに実行されて、例外キュー内に「Workflow-Error」というサブステータスのアクティビティがないかどうかを確認します。該当するアクティビティが存在する場合、アクティビティ ID のリストを含む通知メールが送信されます。この通知メールは、[To address:for Notification for services] 設定で指定したアドレスに送信されます。これは、ワークフローのデフォルト設定です。ただし、ユーザのビジネス ニーズに合わせて変更することができます。このワークフローは削除できますが、削除しないようにお勧めします。このワークフローを使用しない場合は、非アクティブにしてください。」
設定
アラーム ワークフローの作成
このセクションでは、例外キューからのアクティビティを処理するためにアラーム ワークフローを作成する方法について説明します。これらの手順により、以前は例外キューに送信されていたアクティビティが統合キューで処理されるようになります。これを行う場合、次の 2 点に留意する必要があります。
- どの統合(マッピングされた)キューを含めるか
- CIM 環境内に設定されたどのエイリアスを各キューにマッピングするか
これらの項目が重要になるのは、ここで説明するアラーム ワークフローが、アクティビティをリダイレクトするキューを決定する際に、その電子メールが元々送信されたエイリアスを使用するためです。このアラーム ワークフローは、ルーティング障害が発生していなければアクティビティが送信されていたはずの元々のキューにリダイレクトします。
- アラーム ワークフローを作成するには、リスト ペインで [new icon] を選択し、ワークフローの名前を作成します。

図 1:新しいワークフローの作成
- ワークフローが作成されると、リスト ペインに表示されます。指示を追加するには、[Diagram] タブをクリックします。

図 2:新しいワークフロー ダイアグラムの作成
- ワークフローを設定するには、ダイアグラムに [Start node] を配置します。ノードを配置すると、[Add Start Node] ダイアログボックスが表示されます。このワークフロー例では、[Exception_Queue_Service] を選択するか、ユーザが特定の例外キュー名を選択します。

図 3:ノードの設定開始
- 例外キューを選択してから、ワークフローの実行スケジュールを設定します。必要になるごとにワークフローを実行するには、[The workflow should be run once at] オプションの横にあるラジオ ボタンをクリックします。これで、実行したい時刻に変更できます。この例では、週に一度、深夜近くにワークフローを実行するように設定する方法を示します。

図 4:ノード開始スケジュールの設定
- ノード開始が設定されたら、アラーム ノード、ブランチ ノード、およびキュー ノードを設定します。ブランチ ノードを構築するには、まず、ブランチ ノード ルールがアクティビティを送信する宛先のキューをすべて追加する必要があります。ワークフローを右から左に作成すると、作業が容易になります。キュー ノードを選択して、ワークフロー図内の各キューにノードを配置します。ノード オプションを入力するたびに、[Select Queue] ダイアログボックスが表示されます。このダイアログボックスで、ノードが表すキューを選択できます。
注:このドキュメントでは、スタンドアロン キューを例に示していますが、画面とオプションは統合キューでも同じです。このドキュメントでは、統合アクティビティの処理について説明します。

図 5a:キュー ノード

図 5b:[Select Queue] ダイアログボックス
- キュー ノードを設定したら、ブランチ ノードを選択して配置します。ブランチ ノードが配置されると、[Branch Rule Configuration] ダイアログボックスが表示されます。

図 6:ブランチ ノードの選択
- [Branch Node configuration] ダイアログボックスが表示されたら、ノードがマップされるキュー(またはブランチ)ごとに 1 つのルールを設定する必要があります。
注:ブランチ ノードは他の項目にもマッピングできます。たとえば、特定のユーザに直接マッピングできます。この例では、統合キューにマッピングしています。

図 7:[Branch Rule Configuration] ダイアログボックス
- ルールに名前を付け、条件を指定したら、[Enter] キーを押します。
このタイプのアラーム ワークフローでは、各ルールに名前を付けます。ルールに名前を付けてから、そのルールを強調表示し、条件を設定します。条件には、次の項目を設定する必要があります。
- [Object]:Email
- [Attribute]:宛先の電子メール アドレス(To email address)
- [Operator]:==
- [Value]:<電子メールの元々の送信先であるエイリアス>*
注:電子メールの元々の送信先であるエイリアスが不明な場合、次のクエリーを実行します。select recv_email_address* from egml_email where activity_id = ####。#### の部分は、特定の電子メールのアクティビティ ID に置き換えます。ここに示す電子メール エイリアスは、前の手順で示したキューにマッピングされていることに注意してください。

- [Branch Node Configuration] で、[TRUE] 条件をキューに設定し、マッピングします。
このルールを設定したら、ルールが true と評価されるイベントで使用されるブランチ(キュー)を指定します。

画面上部の [This rule is TRUE under the following conditions] オプションが選択されていることを確認し、対象を選択するために表示されている [?] ボタンをクリックします。このボタンをクリックすると、[Select Target] ダイアログボックスが表示されます。このダイアログボックスで、ルールに対する適切なキューをドリルダウンできます。
注:キュー ノードをワークフローに最初に配置しないと、このリストは空になります。ワークフローに表示されているキューにより、この画面の表示内容が決まります。
- [Branch Node Configuration] で、[FALSE] 条件を設定し、マッピングします。
ルールの TRUE オプションを設定したら、次に、FALSE オプションを設定する必要があります。この例では、例外キューをこのパスに指定しています。ただし、ビジネス ニーズやこれらの項目に対する必要な処理方法に合わせて、任意の他のパス、別の統合キュー、スタンドアロン キューや、特定のユーザに対して設定することもできます。このオプションは、ブランチ ノードのルールに一致しないものはすべて捕捉します。

各ブランチについてルール設定を繰り返し、それぞれに例外キュー(または false の選択)を繰り返します。ノードを完全に設定すると、ブランチ ノードをキューに接続する回線は、指定したルール設定に基づいて自動的に完了します。ノードは次のように表示されます。

- このワークフロー内に設定する必要がある最後の項目は、アラーム ノードです。プルダウン メニューから、ワークフロー図に新しいアラーム ノードを配置します。[Alarm Node Configuration] ダイアログボックスが開きます。

図 8a:ワークフロー図内でアラーム ノードを選択、配置、設定する

図 8b:[Alarm Rule Configuration] 画面の [Condition] タブを設定する
[Alarm Rule Configuration] 画面には、設定が必要な 2 つの概念(タブ)があります。[Condition] タブ、および [True] タブです。
[Condition] タブでは、Activity_Status と Activity_Sub_Status の両方(AND)を指定する必要があります。
注:この場合、どちらの条件も true であることが必要なので、ブール式は AND でなければなりません。
条件 1 |
Object |
Activity |
|
属性 |
Activity_Status |
|
Operator |
== |
|
値 |
割り当て |
条件 2 |
Object |
Activity |
|
属性 |
Activity_Sub_Status |
|
Operator |
== |
|
値 |
Assignment-Ready for internal assignment |
図 8c:[Alarm Rule Configuration] 画面の [Basic] タブから、[True] オプションを設定する
フィルタを作成し、そのフィルタに対するオブジェクトを [Basic] および [Advanced] サブタブ内から選択するには、[True] タブで次の設定を完了する必要があります。
上部ペインの [Action] セクションで、プルダウンを使用してフィルタを作成し、フィルタの実行対象オブジェクトを [Activity] に設定します。すると、下部ペインに、フィルタの条件を選択するためのオプションが自動で入力されます。この [Basic] タブで、[Subject] に [Undeliverable] という単語が含まれないということを定義する必要があります。これにより、Activity_Sub_Type が 4 および 5 のアイテム、つまり、設定された配信例外に一致し、例外キューに送信されるすべての電子メールがフィルタ処理されます。
注:このワークフローを頻繁には実行しない場合、または処理が必要な例外キュー内の電子メール数が多い場合、キューで再処理される電子メール数を減らすために、[Created On] など、別のフィルタ オプションを選択することをお勧めします。このワークフローを頻繁に実行しており、処理する電子メール数が少なく、例外キューに多数の電子メールが作成されるような障害が発生していないことがわかっている場合、この設定で問題ありません。処理待ちの状態の電子メール数を調べ、利用環境、およびこれらの項目の処理に利用できるエージェントに応じて、決定する必要があります。

図 8d:[Alarm Rule Configuration] 画面の [Advanced] タブから、[True] オプションを設定する
[Advanced] タブで、[Activity_Sub_Type] について [Email-General] を選択し、[Activity_Sub_Type = 1] に指定されている項目のみが選択されるようにします。これは、ルート要求(NEW_TASK 要求)がこのサブタイプのものである場合、EAAS プロセスがそれらのみを UCCE に送信する事実による要件です。他のサブタイプはすべて処理されません。

- 完了すると、アラーム ワークフローは次のようになります。構築したキューの数に応じて表示内容はいくらか異なります。ここでも、この例のキューの名前は「standalone」となっていますが、このプロセスおよびドキュメントは、統合(マッピングされた)UCCE キューに対するものです。

図 9:完了したアラーム ワークフロー図(例)
このプロセスの最後の手順として、ワークフローをアクティブにします。

確認
現在、この設定に使用できる確認手順はありません。
トラブルシュート
現在、この設定に関する特定のトラブルシューティング情報はありません。
関連情報