Cisco Catalyst 9300 シリーズ スイッチ データシート

 

接続の再イメージ化、セキュリティの強化、エクスペリエンスの再定義のための構築

Cisco Catalyst 9300 シリーズ スイッチは、業界をリードするシスコのスタック対応エンタープライズ アクセス スイッチング プラットフォームです。Catalyst 9000 ファミリに含まれ、あらゆる場所が職場となり、あらゆるものがエンドポイントとなり、アプリケーションが至る所をホストするようなハイブリッドの世界に対応するようにネットワークを変換するよう構築されています。

新しい Catalyst 9300X モデルを搭載した Catalyst 9300 シリーズは、接続性の見直し、セキュリティの強化、大小さまざまなハイブリッドワークフォースに対するエクスペリエンスの再定義に役立つ継続的なイノベーションにより、今後も未来を形作っていきます。Catalyst 9300 スイッチでは、ネットワークの管理方法をオンプレミス、仮想、またはクラウドから選択できます。

多くの業界初の機能は次のとおりです。

●      最大 1TB のスタック帯域幅：Stackwise-1T 搭載の Catalyst 9300 スイッチは、柔軟性に優れたアップリンクアーキテクチャにより、業界最高クラスの密度を誇るスタック帯域幅ソリューションです。

●      モジュラアップリンクの形式で 100G、40G、25G、マルチギガビット、10G、および 1G に対応する柔軟かつ高密度のアップリンクサービス。

●      後方互換性を備えた混合スタックキング：Catalyst 9300X 光ファイバスイッチを Catalyst 9300 および Catalyst 9300X マルチギガビットスイッチとスタックして、スタック可能な高速光ファイバをアクセス用に提供します。

●      最高マルチギガビットポート：スタンドアロンおよび Stackwise-1T 搭載の Catalyst 9300X モデルは、スタンドアロンで 48 mGig ポート、および 8 メンバースタックで 448 mGig ポートを使用できます。

●      最高の 90 W UPOE+ 密度：スタンドアロンの場合 90 W UPOE+ を最大 48 ポート、または 8 メンバースタックで 90 W UPOE+ を最大 384 ポートで、OT/IT のニーズを実現します。

●      後方互換性を備えた StackPower：Catalyst 9300 と Catalyst 9300X の混合スタックで、より高い電力バジェットで電力復元力を実現します。

●      ハードウェアでの 100G IPsec：UADP 2.0Sec ASIC 搭載の Catalyst 9300X モデルには 100G ラインレート IPsec が付属し、新しいエッジ接続のさまざまなオプションを使用できます。

●      セキュアなトンネル接続：新しいエッジにより、C9300X は、AES-256 暗号化と最大 100G の速度を備えた IPsec トンネルを使用して、セキュア インターネット ゲートウェイ、クラウド サービス プロバイダー、サイト間接続へのセキュアな接続を可能にします。

●      強化されたアプリケーション ホスティング：2 倍の容量と追加の RAM、QAT、および 2 個の 10G AppGig ポートにより、複数の Cisco Signed パフォーマンスに精通したアプリケーションを Catalyst 9300X モデルでホストできます。

●      ThousandEyes を有効化：Cisco ThousandEyes Network and Application Synthetics を使用したキャンパス/ブランチからクラウド/DC へのパスのエンドツーエンドの可視化（Cisco DNA Advantage ライセンスに付属）。

●      Cisco ASAc ファイアウォールを有効化：Cisco Catalyst 9300 スイッチでのアプリケーション ホスティングを使用して、Cisco 適応型セキュリティ仮想アプライアンス（ASAc）とネットワーク内のトラフィックのステートフル インスペクションを、ハードウェアを追加することなく、既存のネットワークにシームレスに追加できます。

●      クラウド管理およびモニタリング：クラウド管理およびモニタリングにより、Cisco Meraki ダッシュボードで Catalyst 9300 スイッチの統計情報、設定、およびトラブルシューティング機能を管理または表示でき
ます。

●      投資保護：Catalyst 9300X 冗長ファンと電源、データ スタック、および StackPower ケーブルは、Catalyst 9300 との後方互換性があります。

SD-Access（Software-Defined Access）の基盤

セキュリティに対する高度で絶え間ない脅威。Internet of Things（IoT）デバイスの急増。場所を問わないモビリティ。クラウドの拡大。これらすべてに対応するには、高度なハードウェアおよびソフトウェアイノベーションを統合し、お客様のネットワークを自動化、保護、簡素化するネットワークファブリックが必要になります。このネットワークファブリックの目標は、ビジネスサービスの展開を加速して、お客様の収益増加を実現することです。

ソフトウェア定義型アクセス（SD-Access）を備えた Cisco Networking Cloud は、お客様のビジネスを後押しするネットワークファブリックです。これは、エンタープライズ ネットワークの運用を迅速化およびシンプル化する、オープンで拡張性のあるソフトウェア主導のアーキテクチャです。プログラム可能なアーキテクチャであるため、IT スタッフは時間のかかる反復的なネットワーク構成タスクから解放され、ビジネスに前向きな変化をもたらすイノベーションに集中できます。SD-Access により、基本的な機能を備えたエッジからクラウドへのポリシーベースの自動化を実現できます。これには次が含まれます。

●      シンプルなデバイス導入

●      有線ネットワークとワイヤレスネットワークのユニファイドマネジメント

●      ネットワークの仮想化とセグメンテーション

●      グループベースのポリシー

●      コンテキストベースの分析

Cisco Catalyst、Cisco DNA、および Cisco Meraki ソフトウェア

Cisco Catalyst、Cisco DNA、および Cisco Meraki ソフトウェア サブスクリプションには、アクセス、WAN、データセンタードメインのソフトウェアを購入するための柔軟かつ便利な方法が用意されています。また、Cisco Catalyst、Cisco DNA、および Cisco Meraki ソフトウェアにより、ネットワークおよびインフラストラクチャ ソフトウェア製品の各ライフサイクルステージでの、購入、管理、アップグレードが簡単になります。シスコのソフトウェアは、次の機能を提供します。

●      お客様のソフトウェア支出を長期的にスムーズに分散できる、柔軟なライセンスモデルを利用できる。

●      ソフトウェアサービス対応のライセンスポータビリティによって、ソフトウェア購入に対する投資を保護できる。

●      Cisco Software Support Services（SWSS）を介して、シスコのアップデート、アップグレードや新技術にアクセスできる。

●      新しいスイッチング向け Cisco Catalyst ソフトウェア サブスクリプション モデルにより、エントリのコストを削減できる。

●      オンプレミス、仮想、またはクラウドから、最適な管理モデルを選択できる。

●      Cisco ThousandEyes Network and Application Synthetics および Cisco ASAc ファイアウォール（Cisco Catalyst および Cisco DNA Advantage ライセンスに付属）による Cisco Spaces とサービスアシュアランスとのエンドツーエンドのネットワーク可視性へのアクセス。

Cisco Catalyst 9300 シリーズ スイッチを利用することで、スイッチ構造全体を単一のコンバージドコンポーネントとして管理できます。オンプレミスかクラウド内かに関わらず、1 つの管理システムと 1 つのポリシーで有線およびワイヤレスネットワークに対応でき、セキュアなアクセスを効率的に実現できます。

製品の概要

製品の特長

●      1 つのスイッチで Wi-Fi 6 および 802.11ac Wave 2 アクセスポイントによる最大規模のワイヤレスネットワークを展開（一部モデル）。

●      Catalyst 9300 および Catalyst 9300L/LM モデルは、プログラム可能なパイプラインおよびマイクロエンジン機能を備えた Cisco UADP 2.0 特定用途向け集積回路（ASIC）、テンプレートベースで設定可能なレイヤ 2 およびレイヤ 3 の転送割り当て、アクセス制御リスト（ACL）、Quality of Service（QoS）エントリに基づく。

●      Catalyst 9300X モデルは、100G ハードウェアベースの IPSec を含む暗号化のラインレートサポートを追加する UADP 2.0sec ASIC に基づく。

●      8 GB のメモリ、16 GB のフラッシュ、コンテナをホストする外付け USB 3.0 SSD 着脱可能ストレージスロット（オプションの SSD ドライブで 240 GB のストレージを提供）を備えた、x86 CPU コンプレックスC9300X モデルは 16 GB のメモリをサポート。

●      システムイメージをロードし、構成を設定するための USB 2.0 スロット。

●      Catalyst 9300X モデルでの、最大 1 TBps のローカルのスタック可能スイッチング帯域幅。

●      豊富なマルチメディアコンテンツ配信アプリケーションに対応する深度に優れたバッファと拡張性の高いモデルオプション。

●      固定アップリンクまたはモジュラアップリンクの形式で 100G、40G、25G、マルチギガビット、10G、および 1G に対応する柔軟かつ高密度のアップリンクサービス。

●      デュアルレート光ファイバによる 40G から 100G および 10G から 25G への容易な移行。

●      25G、10G、および 1G 銅線または光ファイバおよび最も高密度なマルチギガビットリンク対応の柔軟なダウンリンクオプション。

●      単一スタックでサポートされる銅線（1G 〜 10G）と光ファイバ（1G 〜 25G）の組み合わせにより、2 層、3 層、およびハイブリッドアーキテクチャを含む複数の柔軟な展開シナリオが可能。

●      スタックあたり最大 384 ポートの PoE、PoE+、および 288 ポートの高密度 IEEE 802.3bt（90 W UPOE+ および 60 W Cisco UPOE）による高度な PoE 機能。

●      Cisco StackPower テクノロジーに基づくインテリジェント電源管理で、メンバー間の電力スタックにより電源の冗長性を確保。StackPower が、スタック全体の電源をプールし、冗長性と補助電源の目的で使用さ
れる。

●      ラインレートのハードウェアベース Flexible Netflow（FNF）により、対象モデルで最大 128,000 のフロー収集が可能。

●      ハードウェアでの IPv6 のサポートにより、IPv6 ネットワークでワイヤレートの転送が可能。

●      IPv4/IPv6 および動的なハードウェア転送テーブルの割り当てに対するデュアルスタックサポートにより、IPv4 から IPv6 への移行を簡易化。

●      スタティックおよびダイナミック NAT とポートアドレス変換（PAT）の両方をサポート。

●      IEEE 802.1BA オーディオ ビデオ ブリッジング（AVB）機能を搭載。時刻同期と QoS の向上により良質な AV 体験を提供。

●      Precision Time Protocol（PTP、IEEE 1588v2）によりマイクロ秒未満の精度でクロック同期が可能。ネットワークを介した配信用途や時刻および周波数の同期に最適。

●      NETCONF、RESTCONF、YANG、オンボックス Python スクリプト、ストリーミングテレメトリ、コンテナベースのアプリケーション ホスティング、重大なバグ修正のためのパッチ適用などのモデル駆動形プログラマビリティをサポートする、企業向けの最新オペレーティングシステム、Cisco IOS XE。また、この OS にはランタイム攻撃から守る防御システムも組み込まれています。

●      Cisco ThousandEyes Network and Application Synthetics（Cisco Catalyst および Cisco DNA Advantage ライセンスに付属）を使用したキャンパス/ブランチからクラウド/DC へのパスのエンドツーエンドの可視化。

●      フルマネージド Cisco Meraki クラウドのお客様は、クラウド管理サービスを通じて、Cisco Meraki クラウドで Catalyst 9300 スイッチングの機能を活用できる。

●      SD-Access：Cisco Catalyst 9300 シリーズ スイッチは、シスコの主要なエンタープライズ アーキテクチャである、SD-Access の基本的な構成要素になっています。

◦    エッジからクラウドへのポリシーベースの自動化。

◦    予測可能なパフォーマンスと拡張性によるセグメンテーションとマイクロセグメンテーションの簡素化。

◦    Cisco Catalyst Center および Cisco Meraki ダッシュボードによる自動化。

◦    Cisco Identity Services Engine（ISE）によるポリシー処理。

◦    Cisco Catalyst Center および Cisco Meraki ダッシュボードを通じて提供されるネットワークアシュアラ
ンス。

◦    ビジネスサービスの新規投入の加速、問題解決時間の大幅な短縮。

●      プラグアンドプレイ（PnP）対応：シンプルで安全性の高い統合サービス。これにより、既存のネットワークでの新しいブランチまたはキャンパスデバイスの展開や更新が簡単になります。

●      高度なセキュリティ

◦    暗号化されたトラフィック分析（ETA）：暗号化されたトラフィック（復号なし）内のマルウェア検出や分散した異常の検出など、機械学習機能に基づいてネットワーク内の脅威や異常を特定し対処することが
可能。

◦    AES-256 がサポートされており、強力な MACsec 256 ビット暗号化アルゴリズムが全モデルで使用可能。

◦    Trustworthy ソリューション：ハードウェアをアンカーとするセキュアブートおよび Secure Unique Device Identification（SUDI）によってプラグアンドプレイがサポートされ、ハードウェアとソフトウェアのアイデンティティを確認。

プラットフォームの詳細

スイッチのモデルと構成

表 1.       製品ファミリの構成

Cisco Catalyst 9300 シリーズは、19 台のモジュラ アップリンク スイッチ モデルと 14 台の固定アップリンクスイッチモデルで構成されています。

Cisco Catalyst 9300 シリーズ スイッチ

表 2 に、Cisco Catalyst 9300 シリーズ モデルのポートのスケールと電源の詳細を示します。

表 2.       Cisco Catalyst 9300 シリーズ スイッチの構成

ネットワーク モジュール

Cisco Catalyst 9300 シリーズ スイッチ（C9300X および C9300 SKU）は、アップリンクポート用にオプションとしてネットワークモジュールをサポートしています（図 2）。Cisco Catalyst 9300 シリーズで 25G および 40G の速度に対応するこれらの現場交換可能なネットワークモジュールにより、10G から 25G への無停止移行が可能になり、アーキテクチャの柔軟性とインフラストラクチャの投資保護が向上します。デフォルトのスイッチ構成には、ネットワークモジュールが含まれません。スイッチをご購入いただく際に、表 2 に示されているネットワークモジュールから選択できます。

Cisco Catalyst 9300X ネットワークモジュール

Cisco Catalyst 9300 シリーズ ネットワーク モジュール

表 3.       ネットワークモジュールの番号と説明

^* C9300X-NM-4C は、C9300X-48HX、C9300X-48TX、および C9300X-24Y モデルのみと互換性があります。

注：Catalyst 3850 および Catalyst 9300 ネットワークモジュールは、Catalyst 9300 モデルでサポートされています。Catalyst 9300X ネットワークモジュールは、Catalyst 9300X モデルでのみサポートされています。

その他の詳細については、よくある質問
（https://www.cisco.com/c/dam/en/us/products/collateral/switches/catalyst-9300-series-switches/nb-09-cat-9k-faq-cte-en.pdf）を参照してください。

電源装置

Cisco Catalyst 9300 シリーズ スイッチは、デュアル冗長電源をサポートしています。スイッチにはデフォルトで 1 つの電源が装備されますが、スイッチの発注時や後の追加注文でもう 1 つの電源を購入することができます。電源を 1 つだけ装備する場合は、常に電源ベイ #1 に装着してください。また、このスイッチには、現場交換可能なファンが 3 個付属しています。電源は Catalyst 9300 シリーズ全体で共通です。

Cisco Catalyst 9300 シリーズ デュアル冗長電源

表 4 は、これらのスイッチで使用できる各種の電源と、使用可能な PoE 電力の一覧です。

表 4.       電源モデル

 

スタック

Cisco Catalyst 9300 シリーズ スイッチモデルは、単一の仮想スイッチとしてスタッキングでき、1 つの管理プレーンとコントロールプレーンで最大 448 個のアクセスポートを利用できます。

Cisco Catalyst 9300 シリーズのモジュラ アップリンク モデル スタック（C9300/C9300X SKU）および固定アップリンクモデルスタック（C9300L SKU）

表 5 に、サポートされるスタッキングオプションの一覧を示します。

表 5.       サポートされるスタッキングオプション

Catalyst 9300X と Catalyst 9300 モデル間の混合スタッキングは、StackWise-480 の速度でサポートされます。

Catalyst 9300 および Catalyst 9300X と Catalyst 9300 の拡張性の高いモデル（C9300-24UB、C9300-24UXB、C9300-48UB）間の混合スタッキングはサポートされていません。固定アップリンクモデル（C9300L SKU）を、モジュラアップリンクモデル（C9300 SKU）または他の Catalyst スイッチ（Cisco Catalyst 3850 シリーズや 3650 シリーズなど）とスタックすることはできません。Catalyst 9300 モデルを任意に組み合わせて、スタックを形成できます。これとは別に、Catalyst 9300L モデルを任意に組み合わせでスタックを形成できます。

Catalyst 9300 の上位 SKU（C9300-24UB、C9300-24UXB、C9300-48UB）は、他の拡張性の高いモデルとスタックする必要があります。

Catalyst 9300 シリーズのモジュラアップリンクモデル（C9300X および C9300 SKU）を使用してスタックを設定できる StackWise ケーブルの長さは、0.5 m、1 m、3 m です。

Catalyst 9300 シリーズの固定アップリンクモデル（C9300L および 9300LM SKU）用のオプションの StackWise-320 キットは、2 つのスタックアダプタとスタッキングケーブルで構成されています。デフォルトのスタッキングケーブルは 0.5 m ですが、1 m と 3 m も選択できます。表 6 に、スタック構成のアクセサリを示します。

表 6.       スタック構成のアクセサリ

 

Cisco Catalyst 9300 シリーズ固定アップリンクモデル、オプションのスタックキット使用

ファン

Cisco Catalyst 9300 シリーズ スイッチは、3 個の現場交換可能なファンを備え、（N+1）冗長構成をサポートします。表 7 に、ファンモジュールの部品番号を示します。

表 7.       ファン モジュール

パフォーマンスと拡張性

Cisco Catalyst 9300 シリーズのパフォーマンスおよび拡張性メトリックを表 8 に示します。

パフォーマンス仕様

表 8.       パフォーマンス仕様

帯域幅の仕様

表 9.       帯域幅の仕様

すべてのモデルは、IPv4 と IPv6 の両方でワイヤスピードのノンブロッキング パフォーマンスで動作します。上の表の転送レートは、64 バイトの IPv4 パケットサイズで測定されたものです。

SD-Access アーキテクチャ

もし IT 部門 に時間を与えられるとしたらどうしますか。セキュリティを損なうことなく、ユーザーや端末を問わないあらゆるアプリケーションへのネットワークアクセスを提供しますか。SD-Access は、業界初となる、ネットワークエッジからクラウドへのポリシーベースの自動化です。それが、デジタルネットワークの基盤となる Cisco SD-Access です。Cisco DNA の原則に基づく SD-Access では、エンドツーエンドのセグメンテーションにより、ネットワークを直接再設定せずに、ユーザー、端末、アプリケーションのトラフィックを分離できます。組織はユーザーまたは端末を問わずネットワークのどのアプリケーションにも適切なポリシーを適用することができます。これは、セキュリティを損なわずに、すべての場所で一貫性のあるユーザーエクスペリエンスを生み出す、LAN と WLAN にまたがる単一のネットワークファブリックによって実現されます。

現在、ネットワークを管理してビジネス成果を促進していく上で多くの課題があります。このような制限はマニュアル構築や断片化されたツール製品が原因で生じます。SD-Access は以下を提供します。

●      運用コストを削減し、ビジネスの迅速性を向上させる変換管理ソリューション。

●      有線およびワイヤレスネットワークのプロビジョニングとポリシーの一貫した管理。

●      ネットワーク セグメンテーションとグループベースポリシーの自動化。

●      迅速な問題解決とキャパシティプランニングを実現するコンテキストに基づいた洞察。

●      サードパーティ製ソリューションとの統合に対応したオープンかつプログラム可能なインターフェイス。

主なユースケースでの SD-Access による解決の概要については、「SD-Access Solution Overview」[英語] を参照してください。

プラットフォームの利点

Cisco IOS XE により、ネットワーク自動化によるネットワークの設定、運用、モニタリングにまったく新しいパラダイムが展開されます。シスコの自動化ソリューションはオープンかつ標準ベースであり、ネットワークデバイスのライフサイクル全体をカバーします。以下のような多様な自動化メカニズムが用意されています。

●      デバイスプロビジョニングの自動化は、Cisco Catalyst スイッチをネットワークに初めて導入した際に、そのソフトウェアイメージのアップグレードと、コンフィギュレーション ファイルのインストールプロセスを自動化する機能です。シスコでは、プラグアンドプレイなどのターンキーソリューション、および自動化された手軽な導入を可能にするゼロタッチプロビジョニング（ZTP）やブート前実行環境（PXE）などのすぐに使用できるツールを提供しています。

●      API 主導型の構成が、Cisco Catalyst 9300 シリーズなどの最新のネットワークスイッチによって実現します。構成外部ツール（既製製品とカスタム製品）向けに、多様な自動化機能をサポートし、YANG データモデルを使用した NETCONF、RESTCONF、GNMI での堅牢なオープン API を提供して、ネットワークリソースのプロビジョニングを自動化します。

●      きめ細かな可視性により、スイッチから宛先にデータをストリーミングする、モデル駆動型のテレメトリが実現します。ストリーミングされるデータは、YANG モデルのデータセットに対するサブスクリプションを通じて特定されます。サブスクライブされたデータセットは、指定された間隔で宛先にストリーミングされます。さらに、Cisco IOS XE によってプッシュモデルが実現します。ほぼリアルタイムのネットワークモニタリングが可能であるため、障害をすばやく検出して修復することができます。

●      シームレスなソフトウェアアップグレードとパッチ適用により、OS の復元力を支援します。Cisco IOS XE はパッチ適用をサポートして、定期的なメンテナンスリリースの合間に、重大なバグやセキュリティ上の脆弱性に対する修正を提供します。それにより、次回のメンテナンスリリースを待つことなくパッチを追加できるようになっています。

セキュリティ

●      暗号化されたトラフィック分析（ETA）は、アクセスレイヤからの暗号化トラフィック内でマルウェアを特定するための、独自の機能です。暗号化されるトラフィックが増え続ける中で、各種のレイヤでネットワークのセキュリティを保護するには、この機能が提供する可視性によって脅威を検出することが不可欠です。

●      AES-256 MACsec 暗号化は、スイッチ間でパケットを認証し暗号化するための IEEE 802.1AE 標準です。Cisco Catalyst 9300 シリーズ スイッチは、256 ビットおよび 128 ビットの Advanced Encryption Standard（AES）をサポートしており、最も安全性の高いリンク暗号化を実現しています。

●      IPsec 暗号化は、サイト間のセキュアなエンドツーエンド暗号化トラフィックとクラウドへの接続を提供します。C9300X モデルは、最大 100 Gbps のラインレート IPsec をサポートし、妥協のない安全な接続を提供します。

●      Cisco Trust Anchor テクノロジーで構築された Trustworthy ソリューションにより、シスコ製品のための、安全性の高い基盤が提供されます。Catalyst 9300 シリーズでは、こうしたテクノロジーによりハードウェアとソフトウェアの信頼性のアシュアランスを可能にしてサプライチェーンの信頼性を高め、ソフトウェアとファームウェアへの中間者攻撃を大幅に軽減できます。Trust Anchor の機能には、次のようなものがあります。

◦    イメージの署名：暗号化で署名されたイメージは、ファームウェア、BIOS、およびその他のソフトウェアが正規のものであり、改ざんされていないことを保証します。システムのブート時に、システムのソフトウェア署名の整合性が確認されます。

◦    セキュアブート：シスコのセキュアブートテクノロジーは、ブートシーケンスの信頼チェーンを永続的なハードウェアに固定し、ユーザーの権限レベルにかかわらず、システムの通常状態や実行されるソフトウェアに対する脅威を緩和します。不正に改ざんされたファームウェアに対しても、多層保護が実現します。

◦    Cisco Trust Anchor モジュール：改ざん耐性と強力な暗号化を備えた単一チップのソリューションにより、ハードウェアの信頼性のアシュアランスが提供され、製品が一意に識別されるので、シスコが提供元を確認することができます。それにより、製品が本物であることが保証されます。

クラウドセキュリティ

●      Umbrella DNS の統合：

マネージド サービス プロバイダーに依存する中小規模のネットワークでは、Catalyst 9300 シリーズ スイッチで Cisco Umbrella エージェントを直接ホストできるようになりました。これによってユーザーまたはグループレベルの粒度で DNS のフィルタリングポリシーのカスタマイズが容易になり、MSP によるポリシーの発行に依存することなく BYOD ユーザーや IoT ゲスト、企業ユーザーなどが悪意のあるもしくは不適切な Web サイトにアクセスするのを防止できます。また、信頼できるアプリケーションに対してクラウドに直接アクセスするのを許可することで、帯域幅の使用を最適化することもできます。デバイスごとに Cisco Catalyst および Cisco DNA Advantage ライセンスと Cisco Umbrella ライセンスが必要です。

●      Cisco ASAc アプリケーション ホスティング統合：

Cisco Catalyst 9000 スイッチに ASAc を統合すると、ソースに近いネットワークに小型フォームファクタのファイアウォールを柔軟に接続できるため、ネットワーク設計が簡素化されます。また、一元化されたファイアウォールへの複雑なトンネルを回避します。この設計により、ネットワーク内の物理ファイアウォール アプライアンスの数が減り、総所有コストが削減されます。

ASAc ファイアウォール アプリケーション ホスティング ソリューションは、Cisco Catalyst 9300 スイッチ上の仮想ファイアウォールまたは ASAc をホストします。スイッチの横にあるすべての物理ファイアウォールを仮想化して、スイッチ自体に展開できます。従来のネットワークと同様に、SecOps は Catalyst スイッチに展開された ASAc ファイアウォールを管理し、NetOps チームは Cisco Catalyst Center を使用してアプリケーションをインスタンス化し、ライフサイクル管理を実行します。SecOps チームは、Cisco Defense Orchestrator を使用してポリシー管理を制御します。SecOps チームと NetOps チームの両方が、中断することなくネットワークをシームレスに管理できます。

Cisco ASAc のコンテナバージョンは、IT、OT、および IoT コンバージドネットワークを保護するための完全なファイアウォール機能を提供します。ASAc はレイヤ 3 ファイアウォールポリシーを使用し、トラフィックのステートフル インスペクションを実行します。

ASAc ファイアウォールは、Cisco Catalyst 9300 シリーズスイッチにマウントされた 240 G SSD で動作します。Cisco Catalyst Center はこれらの Cisco Catalyst スイッチに ASAc を展開し、ASAc は Cisco Defense Orchestrator にオンボーディングされます。

Service Assurance

●      Cisco ThousandEyes の統合：

ネットワークからアプリまで、画期的な可観測性で、ユーザー、従業員、パートナーに優れたネットワークとサービスエクスペリエンスを提供します。Cisco ThousandEyes ネットワークテストは、Cisco Catalyst および Cisco DNA Advantage ライセンスを使用して Cisco Catalyst 9300 シリーズ スイッチに統合されました。これによりキャンパスの境界を越えた可視性が得られるため、問題を迅速に解決できます。Cisco ThousandEyes Network and Application Synthetics のライセンスは、3 年間、5 年間、または 7 年間のサブスクリプションで Cisco Catalyst および Cisco DNA Advantage オプションを選択すると、デフォルトで含まれます。Cisco Catalyst 9300/9400 シリーズの Cisco DNA Advantage サブスクリプションに無料で含まれる Cisco ThousandEyes のライセンスの詳細については、こちらのガイドをご覧ください。

復元力と高可用性

●      StackWise-1T：Cisco Catalyst 9300 シリーズのモジュラアップリンクモデル（C9300X SKU）は、StackWise-1T により、業界最高レベルのバックパネルスタック帯域幅ソリューション（1 Tbps）をサポートします。StackWise-1T には、専用のスタックケーブルを使ってスイッチの背面にある特殊なコネクタで最大 8 台のスイッチを設定できます。

●      StackWise-480：Cisco Catalyst 9300 シリーズのモジュラアップリンクモデル（C9300 SKU）は、StackWise-480 により、高速のバックパネルスタック帯域幅ソリューション（480 Gbps）をサポートします。StackWise-480 には、専用のスタックケーブルを使ってスイッチの背面にある特殊なコネクタで最大 8 台のスイッチを設定できます。

●      StackWise-320：Cisco Catalyst 9300 シリーズの固定アップリンクモデル（C9300L および C9300LM SKU）は、StackWise-320 により、スタック帯域幅ソリューション（320 Gbps）をサポートします。StackWise-320 には、専用のスタックケーブルを使ってスイッチの背面にある特殊なスタックキットで最大 8 台のスイッチをオプションで設定できます。

●      Cisco StackPower：Cisco StackPower は、スタックの電源をすべてのスイッチ間で共通のリソースとして共有できる画期的な電源相互接続システムです。これにより、スタック内の任意のスイッチに電源を 1 台追加して、スタックメンバーに電源の冗長性を提供したり、電力を共有プールに追加したりすることが可能になります。StackPower スタックには、スイッチの背面にある特殊なコネクタで最大 4 台のスイッチを設定できます。ただし、XPS-2200 アプライアンスを使用すると、最大 8 台のスイッチを StackPower スタックに設定できます。Cisco StackPower は、モジュラ アップリンク スタック（C9300 および C9300X SKU）を備えたモデルでのみサポートされます。C9300X モデルは StackPower+ をサポートし、C9300 モデルと比較して、StackPower ケーブル経由でより多くの電力を供給します。

Cisco Catalyst 9300 シリーズ StackPower

●      高可用性：Catalyst 9300 シリーズは、次のような高可用性機能をサポートしています。

◦    クロススタック EtherChannel：Cisco EtherChannel 技術をスタック内の異なるメンバーに構成して、高い復元力を実現します。

◦    Flexlink+：Flexlink+ では、アクティブおよびバックアップ インターフェイスまたはポートチャネルを設定できます。これにより、スパニングツリープロトコル（STP）を使用せずにレイヤ 2 フェールオーバーの冗長性を提供できます。

◦    Extended Fast Software Upgrade を使用すると、スタンドアロン構成とスタック構成の両方で、プラットフォーム ソフトウェアをアップグレードしたり、トラフィックへの影響を 30 秒未満にしてシステムをリロードしたりできます。

◦    IEEE 802.1s マルチ スパニングツリー プロトコル（MSTP）：スパニングツリータイマーから独立した高速のスパニングツリー コンバージェンスを実現します。また、レイヤ 2 ロードバランシングと分散処理の利点も得られます。

◦    Per-VLAN Rapid Spanning Tree（PVRST+）：VLAN ごとのスパニングツリーベースで高速のスパニングツリー（IEEE 802.1w）再コンバージェンスを実現し、MSTP よりもシンプルな設定を実現します。MSTP および PVRST+ モードでは、スタック接続されたユニットは、単一のスパニングツリーノードとして動作します。

◦    スイッチポートの自動回復機能（「Err-disable」回復）：ネットワークエラーで無効になったリンクに対して、自動的に再有効化が試行されます。

◦    Catalyst 9300 シリーズ プラットフォームでは、フェールオーバーが 50 ms 未満のスタッカブルソリューションによって、最高度の NSF/SSO 復元性アーキテクチャが実現します。

◦    Catalyst 9300 シリーズ スイッチのスタックでワイヤレス機能が有効になっている場合、ステートフル スイッチオーバーによってワイヤレスネットワークは常時オンになります。

ディープ バッファ テクノロジー

Cisco Catalyst 9300 の拡張性の高いモデルは、豊富なマルチメディア ロスレス コンテンツ配信の要件に対応するディープバッファを備えています。さらに導入の柔軟性を実現する幅広いアップリンク選択を備えた固定型アクセスソリューションにおける大規模なルーティングテーブルにも対応します。

Flexible NetFlow

●      Flexible Netflow（FnF）：Cisco IOS ソフトウェア FNF は、次世代のフロー可視性テクノロジーです。柔軟性と拡張性を向上させることで、ネットワーク インフラストラクチャの最適化、運用コスト削減、キャパシティプランニングとセキュリティインシデント検出の向上を実現します。Catalyst 9300 シリーズは、48 ポート、24 ポート、および 12 ポートモデルで最大 64,000 のフローエントリをサポートし、マルチギガビットモデルで最大 128,000 のフローエントリをサポートします。

アプリケーションの可視性と制御

●      NBAR2：Cisco Catalyst 9000 スイッチでは次世代型 Network-Based Application Recognition（NBAR2）により、最大 1,400 の既知の事前定義済みアプリケーションシグニチャ、最大 150 の暗号化アプリケーションに対応する、高度なアプリケーション分類技術が実現しています。これに含まれる最も一般的なアプリケーションとしては、Skype、Office 365、Microsoft Lync、Cisco Webex、Facebook などがあります。他にも、容易に設定できる事前定義済みアプリケーションが多数あります。NBAR2 はエンドユーザーによるアプリケーション使用を識別、制御、モニターするための重要なツールをネットワーク管理者に提供するとともに、ユーザーエクスペリエンスの品質を確保し、悪意のある攻撃からネットワークを保護します。NBAR2 は FNF を活用して、Cisco Prime、Cisco Stealthwatch、準拠している任意のサードパーティ製ツールなど、サポートされている NetFlow コレクタに対し、ネットワーク内のアプリケーションのパフォーマンスとアクティビティをレポートします。

QoS

●      優れた QoS：Cisco Catalyst 9300 シリーズは、通常のネットワーク速度の 10 倍であってもトラフィックフローを安定させることができるインテリジェントなサービスを備え、ギガビットイーサネットの速度を実現します。業界をリードするクロススタックマーキング、分類、およびスケジュールのメカニズムにより、データ、音声、およびビデオのトラフィックをワイヤスピードで配信する優れたパフォーマンスを実現します。この優れた QoS には、きめ細かいワイヤレス帯域幅管理と公平な共有、802.1p サービスクラス（CoS）と DiffServ コードポイント（DSCP）フィールド分類、シェイプドラウンドロビン（SRR）スケジューリング、設定情報レート（CIR）、1 ポートあたり 8 つの出力キューなどが含まれます。

サービスディスカバリ

●      マルチキャスト DNS（mDNS）ゲートウェイ：このサービス検出ゲートウェイ機能は、ネットワーク全体のプリンタ、Apple TV、ファイルサービスなど、Apple mDNS（Bonjour）プロトコルを使用してアドバタイズされたサービスの共有を促進します。管理者は、ネットワーク内のユーザーがどのサービスを表示したり、アクセスしたりできるかを定義するポリシーを作成できます。この機能は、個人所有デバイスの持ち込み（BYOD）の展開を促進します。

スマートオペレーション

●      Simplified Campus Automation は、より合理化されたシンプルで使いやすい自動化ツールを使用して、ネットワーク内のデバイスの検出と設定を最適化するように設計されています。簡素化された検出などの機能により、IT 部門はわずか数ステップでネットワーク内のデバイスを検出できます。また、より合理化された GUI を使用して、ポートごとにスイッチの設定とソフトウェアの詳細をより簡単に表示できます。

●      Cisco Meraki ダッシュボードのモニタリングと管理：Catalyst 9300 シリーズ スイッチは、Cisco Meraki ダッシュボードで管理するように注文または移行できます。これにより、Cisco Meraki ダッシュボードのシンプルさと Catalyst 9000 スイッチングの機能が組み合わされます。すべての設定とモニタリングはダッシュボードでネイティブに実行されます。

●      WebUI：WebUI は組み込み GUI ベースのデバイス管理ツールです。デバイスをプロビジョニングしたり、デバイスの展開および管理性を簡素化したり、ユーザーエクスペリエンスを向上させたりする機能を提供します。デフォルトのイメージが用意されているため、何かを有効化したりデバイスにライセンスをインストールしたりする必要はありません。WebUI を使用すれば、CLI の専門知識がなくても、構成を構築し、デバイスのモニターリングとトラブルシューティングを行うことができます。

●      効率的なスイッチ運用^*：Cisco Catalyst 9300 シリーズ スイッチでは、RJ-45 ポートの Energy Efficient Ethernet（EEE）と、クラス最高の電力管理および電力消費機能の低電力での運用により、電力節減の最適化が実現します。Cisco Catalyst 9300 シリーズのポートは省電力モードに対応しているため、未使用のポートを低消費電力状態に移行させることができます。この他、効率的なスイッチ動作機能として、次のものがあります。

◦    ポート単位の消費電力コマンド：ポートごとの最大電力設定をコマンドで指定できます。

◦    ポート単位の PoE 電力検知：実際の消費電力を測定し、電気機器をよりインテリジェントに制御できます。PoE MIB：電力の使用状況を予測的に把握して、さまざまな電力レベルのしきい値を設定できます。

●      RFID タグ：Catalyst 9300 シリーズ スイッチには、市販の RFID リーダーを使用して資産管理と在庫管理を簡単に行うことができる、RFID タグが組み込まれています。

●      ブルービーコン：Catalyst 9300 シリーズ スイッチではブルービーコン LED がサポートされており、アクセスされているスイッチを簡単に識別することができます。

オープンスタンダードベースのファブリック

Cisco Catalyst 9300 シリーズ スイッチは、オープン API を介して、BGP-EVPN コントロールプレーンを備えた VXLAN などの最新のファブリックテクノロジーをサポートしています。このテクノロジーは、オープンスタンダードベースのファブリックを柔軟に構築し、インフラストラクチャ、ユーザー、データを保護します。このファブリックアーキテクチャは、豊富なユニキャストおよびマルチキャストプロトコルをサポートし、トラフィックのルーティングやブリッジングを最適化します。また、統合キャンパスサービスもサポートしています。そのため、オープン API を介して自動化でき、ネットワークを効果的に設定およびモニターリングできます。

プログラマビリティ

Cisco IOS XE は、NETCONF、RESTCONF、gNMI など、プロビジョニングと設定を簡素化するオープンスタンダードベースの API を備えています。そのため、ネットワーク管理者が新しいネットワークデバイスをプロビジョニングする際の時間を節約でき、手動設定で発生することが多い人的ミスを防止できます。ゼロタッチプロビジョニングとさまざまな DevOps ツールキットを統合することで、ネットワーク管理者は、デバイスをネットワークにオンボーディングするために必要な時間とリソースを大幅に削減できます。gRPC および gNMI によるモデル駆動型テレメトリを通じてリアルタイムの統計情報を収集できるため、さまざまなヘルスモニターリングツールを統合して、環境を最適化し、潜在的な問題に関するアラートに基づいてトラブルシューティングを行えます。

高性能 IP ルーティング

Cisco Catalyst 9300 シリーズ スイッチに搭載された Cisco Express Forwarding ハードウェア ルーティング アーキテクチャは、高性能 IP ルーティングを実現します。次の要素を基盤としています。

●      Network Essentials スタックを使用する小規模ネットワークルーティング用途向けに、IP ユニキャスト ルーティング プロトコル（スタティック、Routing Information Protocol バージョン 1（RIPv1）、RIPv2、RIPng、Open Shortest Path First（OSPF）、ルーテッドアクセスなど）がサポートされます。等コストルーティング：スタック全体にわたりレイヤ 3 のロードバランシングと冗長性を提供します。

●      高度な IP ユニキャスト ルーティング プロトコル（Full Open Shortest Path First（OSPF）、Enhanced Interior Gateway Routing Protocol（EIGRP）、Border Gateway Protocol Version 4（BGPv4）、Intermediate System-to-Intermediate System Version 4（IS-ISv4）を含む）がサポートされ、ロードバランシングとスケーラブルな LAN 構築が実現します。IPv6 ルーティング（OSPFv3 および BGPv6 を使用）はハードウェアレベルでサポートし、最大のパフォーマンスを発揮します。

●      IP マルチキャストルーティング用の Protocol-Independent Multicast（PIM）がサポートされます。これには、PIM スパースモード（PIM SM）や送信元特定マルチキャスト（SSM）が含まれます。

●      インターフェイスで IPv6 アドレッシングがサポートされ、show コマンドを使用したモニターリングとトラブルシューティングが可能です。

オーディオ ビデオ ブリッジ（AVB）

Cisco IOS XE ソフトウェアリリース 16.8 以降、Cisco Catalyst 9300 シリーズは IEEE 802.1 AVB 規格をサポートしています。この規格では、レイヤ 2 イーサネットによるネットワークを介して、低遅延の時刻同期された AV ストリーミングサービスの信頼性の高い配信を行う手段が提供されます。また新しいサービスと異なるベンダーの AV 機器を統合し、相互運用することも容易になります。

利点

●      ジッターと遅延を低減したことで QoE を改善し、高品質な AV の時刻同期配信を実現します。

●      広範囲にわたる複雑な AV インフラストラクチャを含むネットワーク環境に展開されているアプリケーションに拡張性を与えます。

●      配線が減り（CapEx の削減）、ライセンス料が発生しない（OpEx の削減）ことで総所有コスト（TCO）を削減できます。

サポートされている AVB および特定のモデルの詳細については、https://www.cisco.com/go/avb を参照してください。

マルチギガビット イーサネット テクノロジー

Cisco マルチギガビット イーサネット テクノロジーによって、従来のカテゴリ 5e/6 以上のケーブルで 1 ～ 10 Gbps の帯域幅速度を実現できます。この技術により、802.11ac Wave 2 の急激な増大や Wi-Fi 6 および新しいワイヤレスアプリケーションに伴う帯域幅急拡大のニーズにも、現行の配線インフラストラクチャを置き換えることなく対応することが可能です。

マルチプロトコル ラベル スイッチング（MPLS）

Cisco Catalyst 9300 シリーズ スイッチは、マルチプロトコル ラベル スイッチング（MPLS）をサポートしています。MPLS は、レイヤ 2（データリンクレイヤ）スイッチングのパフォーマンスと機能に加え、レイヤ 3（ネットワークレイヤ）ルーティングで実証済みの拡張性を兼ね備えています。MPLS を使用すると、ネットワーク使用率の瞬間的な急増に対応できるだけでなく、既存のネットワーク インフラストラクチャを犠牲にすることなくサービスを差別化することができます。MPLS サポートには以下のものが含まれています。

●      MPLS L3 VPN：MPLS バーチャル プライベート ネットワーク（VPN）は、マルチプロトコル ラベル スイッチング（MPLS）プロバイダ コア ネットワークによって相互接続された一連のサイトで構成されます。各カスタマー サイトでは、1 つ以上のカスタマー エッジ（CE）デバイスが、1 つ以上のプロバイダ エッジ（PE）デバイスに接続されます。

●      VPLS：VPLS（仮想プライベート LAN サービス）により、企業では、サービスプロバイダから提供されたインフラストラクチャを介して、複数のサイトからのイーサネットベースの LAN をまとめてリンクすることが可能になります。

●      EoMPLS：Any Transport over MPLS（AToM）の 1 つのカテゴリである EoMPLS は、MPLS バックボーン上でレイヤ 2 パケットを転送します。

●      MPLS over GRE：GRE トンネリングを使用して MPLS/VPLS パケットを非 MPLS ネットワーク上でトンネリングできるように、L3VPN over GRE および VPLS over GRE がサポートされています。

Power over Ethernet のリーダーシップ

Cisco Universal Power over Ethernet（Cisco UPOE および Cisco UPOE+）：PoE に対応しているため、PoE 対応デバイスの電源を屋内 AC コンセントから個別に引く必要はなく、PoE を使わずに IP フォンや WLAN を導入した場合に必要となる電源ケーブルや配線コストを省くことができます。Cisco UPOE は IEEE PoE+ 標準規格を拡張し、ポートあたりの供給電力を 60 W に倍増させます。それにより、仮想デスクトップ端末、IP タレット、コンパクトスイッチ、ビル管理ゲートウェイ、LED ライト、ワイヤレスアクセスポイント、IP Phone など、高い電力を必要とする広範なデバイスに、ネットワーク電力を円滑に提供できるようになります。スマートビルディングおよび IoT アプリケーション向けに設計された Cisco Catalyst 9300 UPOE+ スイッチ（最大 90 W の PoE 電力を供給）は、1 本のケーブルで、ワイヤレスアクセスポイント、デジタルサイネージ、セキュリティカメラ、PTZ 機能を備えたサーマルカメラ、LED 照明器具、大型ディスプレイ画面などの電源装置にデータと電力を供給できます。UPOE+ を使用すると、許可を必要とせずに、ケーブル接続と設置コストを削減できます。また、電力を多く消費するデバイスデイジーチェーンの応用、リアルタイムなデバイス情報の取得、中央管理とリモート制御、迅速かつ柔軟なデバイス設置などが可能になります。このため、電気コンセントの近くではなく、実用的な場所にデバイスを配置でき
ます。

Catalyst 9300 シリーズのモジュラアップリンク（C9300 および C9300X SKU）モデルは、Cisco、Cisco UPOE、PoE+、PoE をサポートしているため、最大範囲のネットワーク電力需要に対応します。

Catalyst 9300 シリーズ固定アップリンク（C9300LM SKU）モデルは、Cisco UPOE または PoE+ および PoE をサポートします。

Catalyst 9300 シリーズ固定アップリンク（C9300L SKU）モデルは、Cisco UPOE または PoE+ および PoE をサポートします。

表 10 および 11 は、さまざまな PoE のニーズに応じるために必要な電源の組み合わせを示します。

表 10.     Catalyst 9300 シリーズのモジュラアップリンク PoE/PoE+ モデル（C9300-xxP SKU）の電源装置要件

表 11.     Catalyst 9300 シリーズ UPOE モデル（C9300-xxU/UB/UXM/UN、C9300L-xxUXG-xx SKU）の電源ユニット要件

表 12.     Catalyst 9300 シリーズ UPOE+ モデル（C9300-xxH SKU）の電源ユニット要件

表 13.     Catalyst 9300 シリーズの固定アップリンク PoE/PoE+ モデル（C9300L-xxP SKU）の電源装置要件

●      無停止型 PoE：無停止型 PoE により、PoE の電力がスイッチのリロード中にも維持されます。これは、PoE 受電ライトなどの IoT エンドポイントにとって重要な機能です。これにより、スイッチのリブート中も電源が確保されます。

●      高速 PoE：スイッチの電源が復旧すると、オペレーティングシステムが完全にロードされるのを待つことなく、PoE がエンドポイントへの電力供給を開始します。そのため、エンドポイントの起動時間が短縮され
ます。

ソフトウェア要件

アクセススイッチング向け Cisco Catalyst および Cisco DNA ソフトウェアを Cisco Catalyst 9300 シリーズで使用できます。クラウド管理用の Cisco Meraki ソフトウェアは、特定のモデルでも使用できます。

アクセススイッチング向け Cisco Catalyst および Cisco DNA ソフトウェアは、エンタープライズキャンパスとブランチオフィス向けの包括的なソリューションです。アクセススイッチング向け Cisco Catalyst および Cisco DNA を使用することで、エンタープライズキャンパス全体およびすべてのブランチ拠点にわたって、アクセススイッチ、集約スイッチ、コアスイッチを簡単かつ経済的に展開できます。

スイッチング向け Cisco Catalyst および Cisco DNA サブスクリプションは、デジタルジャーニーのナビゲートに役立つ、バインドされていないネットワークをオープンで拡張性の高いアーキテクチャで提供します。このサブスクリプション製品では購入プロセスがシンプル化されており、低い開始コストと柔軟な条件が用意されています。このサブスクリプションには、Cisco DNA のすべての機能と SD-Access を備えた Cisco Catalyst および Cisco DNA Advantage ソフトウェアが含まれており、ISE Base、ISE Plus、および StealthWatch とバンドルされています。

Cisco Catalyst 9300 シリーズ向け Cisco Catalyst および Cisco DNA ソフトウェアの発注情報については、https://www.cisco.com/c/ja_jp/products/software/one-access/switching-part-numbers.html を参照してくだ
さい。

Cisco Catalyst 9300 シリーズ スイッチは、Cisco IOS XE 16.5.1a 以降のリリースで実行されますが、次の例外があります。Catalyst 9300 シリーズの 1G ファイバモデル（C9300-xxS SKU）は、Cisco IOS XE 16.11.1a 以降のリリースでサポートされます。Catalyst 9300 シリーズの固定アップリンクモデル（C9300L SKU）は、Cisco IOS XE 16.11.1b 以降のリリースでサポートされます。このソフトウェアリリースには、「プラットフォームの利点」セクションに記載されている機能がすべて含まれています。

Cisco Meraki ソフトウェアオプションは、Cisco Meraki ダッシュボードのシンプルさと Catalyst 9000 スイッチングハードウェアの強力な機能を兼ね備えています。高帯域幅アプリケーションと高速 802.11ax/Wi-Fi 6/6E アクセスポイントの展開を満たすために、Cisco Meraki ソフトウェアオプションは、マルチギガビットポート、480 G スタッキング、およびモジュラ 10/40 G アップリンクを提供します。Cisco Meraki ソフトウェアオプションを搭載した Catalyst 9300 モデルは、高速スタックコンバージェンスと StackPower による復元力を提供します。トラフィックをセキュリティグループにセグメント化する有線タグを使用して適応型ポリシーを提供し、拡張性の高いセキュリティを提供します。Cisco Meraki ダッシュボードに統合された Catalyst 9300 モデルは、最も要求の厳しい有線アクセスアプリケーションにシンプルで強力なソリューションを提供します。

Catalyst 9300 モデルスイッチには、Cisco Meraki ダッシュボードのセキュリティグループを使用してトラフィックをセグメント化するためのシンプルで拡張性の高いセキュリティポリシーを提供する適応型ポリシーが付属しています。セキュリティグループは、「IoT デバイス」や「ゲスト」などの自然言語を使用してダッシュボードで作成されます。セキュリティポリシーの目的（許可または拒否など）は、セキュリティグループ間でプロビジョニングされ、各グループのトラフィックがセグメント化されます。適応型ポリシーは、従来の IP アドレス ベースのアクセス制御リストと比較して、セキュリティポリシーを直感的かつ優れた拡張性で管理できるようにすることで、オペレータが将来のネットワークの変更に関係なく、ネットワークトラフィックを確実に保護できるようにします。

Catalyst 9300 シリーズ スイッチは、直接注文することも、Cisco Meraki ソフトウェアオプションに移行することもできます。モデルの互換性と詳細については、『Getting Started: Cisco Catalyst 9300 Management with Meraki Dashboard』を参照してください。

また、Cisco Meraki ソフトウェアオプションで注文可能なモデルとサポートされている光ファイバおよびアクセサリの詳細が記載されている Cisco Meraki データシート（Catalyst C9300-M データシート、Catalyst C9300X-M データシート、Catalyst C9300L-M データシート）を参照することもできます。

ライセンスパッケージ

Cisco Catalyst 9000 ファミリースイッチでは、基本ライセンスとアドオンライセンスというシンプルなライセンスパッケージを新たに採用しています。

●      永久ライセンスパッケージは、ハードウェアに関連付けられている、Network Essentials と Network Advantage ライセンスオプションで構成されます。これらのオプションの間にある基本ライセンスパッケージは、スイッチングの基盤、管理の自動化、トラブルシューティング、高度なスイッチング機能を適用対象にしています。これらのネットワークライセンスは無期限です。

サブスクリプション ライセンス パッケージは、Cisco Catalyst および Cisco DNA Essentials、Cisco Catalyst および Cisco DNA Advantage、Cisco Meraki Advanced および Enterprise オプションで構成されています。オンボックスの機能のほか、このパッケージでは、スイッチだけでなく、Cisco Catalyst Center および Cisco Meraki ダッシュボードでもシスコのイノベーションとなる機能を得られます。Network Essentials および Network Advantage ライセンスで注文した Catalyst 9300 モデルの場合、設定時に Cisco Catalyst または Cisco DNA サブスクリプション ライセンスが必須です。Cisco Meraki SKU で注文した Catalyst 9300 モデルの場合、期間ライセンスは別途注文しますが、Cisco Meraki ダッシュボードで認識する必要があります。Cisco Catalyst および Cisco DNA ソフトウェアライセンスで、お客様は組み込みの SWSS を受け取ります。この SWSS では、24 時間 365 日対応の Cisco Technical Assistance Center（TAC）のサポート、ソフトウェア リリース アップデート、高度なサポート分析、および指定されたサービス管理が提供されます。これは、Cisco Catalyst および Cisco DNA ソフトウェア サブスクリプション スタック（Cisco Catalyst および Cisco DNA Essentials または Advantage）に対してのみ有効です。

注：永久ネットワークスタックを含む完全なハードウェアサポートの場合、お客様は、24 時間 365 日対応の Cisco Technical Assistance Center（TAC）サポート、プロアクティブなセキュリティと製品アラート、および製品ライフサイクル管理を利用するために、Smart Net Total Care が必要です。ハードウェアサポートの追加オプションは、マルチベンダー シスコ ソリューション環境向け Solution Support です。

ライセンスの消費方法はパッケージごとにわかりやすく設定されています。Network Essentials および Network Advantage の永久ライセンスは有効期限がなく永続的ですが、サブスクリプション ライセンスは 3、5 または 7 年間の期間を指定して購入する必要があります（したがって「期間ベースのライセンス」とも呼ばれます）。表 14 に、購入する必要のある、ネットワークの永久ライセンスと Cisco Catalyst および Cisco DNA サブスクリプション ライセンスの組み合わせを示します。

表 14.     Cisco Catalyst、Cisco DNA、およびネットワークライセンス の組み合わせ

スマートアカウントによるライセンス管理

Cisco Smart Software Manager（SSM）を使用してスマートアカウントを作成すると、ソフトウェアライセンスの管理を、一元化された Web サイトから実施できるようになります。Cisco SSM を設定すれば、日単位で電子メールアラートが送信され、サブスクリプション ライセンスの更新期限通知を受け取れます。

Network Essentials または Network Advantage の永久ライセンスでスイッチを購入するには、Cisco Catalyst または Cisco DNA サブスクリプション期間ライセンスを注文する必要があります。ライセンスの有効期限が切れた場合、アドオンライセンスを更新して引き続き使用するか、またはアドオンライセンスを非アクティブ化してからスイッチをリロードし、基本ライセンス機能での運用を継続するかのいずれかを選択できます。

また、基本とアドオンのライセンスではいずれも 90 日間の評価期間を利用できます。評価ライセンスは購入する必要がなく一時的にアクティベートされます。リロード後に、有効期限の切れた評価ライセンスを再アクティブ化することはできません。

注：                    Cisco Catalyst、Cisco DNA、または Network のパッケージのみを使用する場合は、Cisco Catalyst Center を展開する必要はありません。Cisco Meraki ソフトウェアライセンスを使用して Catalyst 9300 スイッチを展開するには、Cisco Meraki ダッシュボードが必要です。

スマートライセンシングの概要

シスコ スマート ライセンシングは、シスコ ポートフォリオ全体および組織全体でソフトウェアをより簡単かつ迅速に一貫して購入および管理できる柔軟なライセンス モデルです。また、これは安全です。ユーザーがアクセスできるものを制御できます。スマートライセンスを使用すると、次のことが可能になります。

●      簡単なアクティベーション：スマートライセンスは、組織全体で使用できるソフトウェアライセンスのプールを確立します。PAK（製品アクティベーションキー）は不要です。

●      管理の統合：My Cisco Entitlements（MCE）は、使いやすいポータルですべてのシスコ製品とサービスの完全なビューを提供するので、取得したもの、使用しているものを常に把握できます。

●      ライセンスの柔軟性：ソフトウェアはハードウェアにノードロックされていないため、必要に応じてライセンスを簡単に使用および転送できます。

スマートライセンスを使用するには、まず Cisco Software Central でスマートアカウントを設定する必要があります（software.cisco.com）。

シスコ ライセンスの詳細については、cisco.com/go/licensingguide [英語] を参照してください。

ソフトウェア ライセンス

ソフトウェア サブスクリプションには、Cisco DNA、Cisco Catalyst、または Cisco Meraki の 3 つの選択肢があります。これらは次の機能を提供します。

●      お客様のソフトウェア支出を長期的にスムーズに分散できる、柔軟なライセンスモデルを利用できる。

●      ソフトウェアサービス対応のライセンスポータビリティによって、ソフトウェア購入に対する投資を保護できる。

●      Cisco Software Support Services（SWSS）を介して、シスコのアップデート、アップグレードや新技術にアクセスできる。

●      ハードウェア、ソフトウェア、および Cisco IOS の基本製品レベルのサポート（Catalyst ソフトウェア
のみ）。

●      Advantage 階層に含まれている ISE ライセンスによるゼロトラスト ネットワーク セキュリティ^* の促進（Catalyst ソフトウェアのみ）。

●      Cisco ThousandEyes Network and Application Synthetics とアプリケーションにホストされた ASAc ファイアウォール（Advantage ライセンスに含まれる）による Cisco Spaces とサービスアシュアランスとのエンドツーエンドのネットワーク可視性へのアクセス。

スイッチ構造全体を単一のコンバージドコンポーネントとして管理します。オンプレミスか仮想かクラウド内かに関わらず、1 つの管理システムと 1 つのポリシーで有線およびワイヤレスネットワークに対応でき、セキュアなアクセスを効率的に実現できます。

表 15 に、Cisco Catalyst および Cisco DNA Essentials と Advantage パッケージの機能を示します。

表 15.     Network Essentials および Advantage パッケージの機能

表 16.     Cisco Catalyst および Cisco DNA Essentials と Advantage パッケージの機能（他のソフトウェアサポートのセクションを追加し、Prime、ISE および Stealthwatch のサポートを追加）

Catalyst 9300 シリーズ スイッチは、Cisco Meraki モード（完全クラウド管理型）に移行できます。モデルの互換性と詳細については、https://documentation.meraki.com/MS/Deployment_Guides/Getting_started%3A_Cisco_Catalyst_9300_Management_with_Meraki_Dashboard を参照してください。

Catalyst スイッチは、「-M」部品番号を使用して Cisco Meraki モードで注文することもできます。Cisco C9300\L\X-M スイッチの発注情報については、Cisco Meraki のデータシートで -M の部品番号を参照してくだ
さい。

Cisco Meraki データシート：

●      Catalyst C9300-M データシート

●      Catalyst C9300X-M データシート

●      Catalyst C9300L-M データシート

●      Catalyst C9300\L\X-M 設置ガイド

●      Meraki C9300\L\X-M スイッチの SFP とアクセサリのサポート

仕様

寸法、重量、音響、平均故障間隔

次の表に、Cisco Catalyst 9300 シリーズ スイッチにおけるすべてのモデルの寸法、重量、音響ノイズ、平均故障間隔を示します。

表 17.     モデル寸法、重量、平均故障間隔メトリック

コネクタ

表 18 に Cisco Catalyst 9300 シリーズでサポートされるコネクタを示します。

表 18.     コネクタ

最新のシスコのトランシーバモジュールの互換性情報については、https://www.cisco.com/c/ja_jp/support/interfaces-modules/transceiver-modules/products-device-support-tables-list.html を参照してください。

管理機能および標準規格のサポート

表 19 に、Cisco Catalyst 9300 シリーズ スイッチがサポートする管理機能と標準規格を示します。

表 19.     管理機能および標準規格のサポート^*

電源装置の仕様

表 20 に、Cisco Catalyst 9300 シリーズの電源の仕様を種類別に示します。

表 20.     電力仕様

表 21.     電力仕様：プラチナ定格の電源

スタンドアロンの Catalyst 9300 シリーズスイッチの消費電力

表 22 に、スタンドアロンの Cisco Catalyst 9300 シリーズ スイッチの消費電力を示します。これは、入力電圧 115 VAC（60 Hz）、PoE 負荷なしで、Internet Mix（IMIX）ディストリビューション ストリーム トラフィックを使用した、米国電気通信産業ソリューション連合（ATIS）のテストに基づいています。次の数値は、各テストシナリオで可能な最大消費電力です。

表 22.     スタンドアロンの Catalyst 9300 シリーズスイッチの消費電力（IOS XE 16.5.1 でテスト）