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ユーザー事例

ジェイアール東日本情報システム
業務の効率化と通信コスト削減を実現
Cisco IPテレフォニーを活用した
広域イーサネットシステム


[目次]
[IPテレフォニーの導入が企業に活力を生む]
[広域イーサネットのシステム構成]
[IPテレフォニーとシスコが果たす役割]
[インタフェース開発を支援するCisco Developer Support Program]
 近年、企業内LANを利用して社内電話をIP電話に切り替える企業が増えている。今回、JR東日本のグループ企業であるジェイアール東日本情報システムでは、広域イーサネットを利用して支店を含む全社の電話をIP電話へと切り替えた。社内のインフラを活用する形で構築されたフルIPのシステムとシスコ製品の関わりを紹介しよう。


IPテレフォニーの導入が企業に活力を生む
 ジェイアール東日本情報システム(以下JEIS)は、JR東日本の経営システム、営業システム、輸送システム、設備システム、ネットワークなどすべてのシステムの開発から運営までを担うとともに、グループ企業など100社以上の企業に対しても同様のサービスを提供している。
 そのJEISが2002年から2003年にかけて社内ネットワークの再構築を行い、社内電話のすべてをIP電話へと切り替えることとなった。
 この背景には3つの大きな目的があったという。1つ目はコストの引き下げである。従来、JEISではNTTの回線と「JRほっとライン」という日本テレコムの定額電話サービスの2つの通信網を使っていた。しかし、PBXによる通信インフラは、保守管理を含めてかなりのコストがかかっていた。そこで、もともと整備されていた各支店とのネットワークインフラを活用しながら、IP電話を導入することによって通信コストの削減を目指したのである。
 2つ目の目的は、業務の効率化を図ることだった。
「当社では6年ほど前から自社でメールサーバを開設したり、インターネット接続を行っています。そのため、社員1人対1人という仕事のやり取りが非常に増えてきました。そこで、メールだけではなく電話サービスでも個人対個人の通信インフラを整備し、業務の一層の効率化を図ることとなったのです」とシステム工事部リーダーの久慈政広氏は語っている。
 3つ目はIP電話の導入と並行し、ネットワークの基幹インフラ整備を行うことだった。JEISの社内イントラネットは今まで本社は1.5Mbps、支店については128kbpsだったが、東京都区内の拠点間は100Mbpsで、本社と支店間は1.5Mbpsで結ぶというものである。
 これらの目的にあわせ、JEISではシステム設計のプレゼンテーションを数社に依頼した。プレゼンテーションでは、大きく分けて2つの案が提示されたという。1つはコールマネージャー型のIP電話方式。もう1つは、IPベースのPBXを使用するというものである。こうした提案をふまえ、2002年5月から7月にかけて社内で検討を行った。その結果、インフラをそのまま活用でき、さらに中央で監視・設定・管理することができるコールマネージャー型のIP電話方式が、これからの時代に即したシステムであるという判断を下したのである。
 同年10月からシステム構築を開始し、11月から12月にかけ試行を行った。そして2003年1月末、全社展開の承認があり本格導入が決まった。2月と3月にサーバ増設や回線切り替えを行い、3月末には全社で使用開始する。

システム工事部リーダー久慈政広氏
       
システム工事部リーダー
久慈政広氏

広域イーサネットのシステム構成
 システムの概要は、規模が大きい分比較的シンプルで、なおかつ安全性の高いものとしている。
 本社内にはCisco CallManagerが3台とCisco3662が2台設置される予定となっている。IPテレフォニーを活用するためにCisco Unityも1台導入済みだ。
 新宿本社と都内5拠点はすべて100Mbpsのメトロイーサネットワークで結ばれる。システム構築の際、本社と5つの拠点を100Mbpsのメトロイーサネットワーク1本に集約するか、それとも本社と拠点間をそれぞれ個別のネットワークで結ぶかが検討の対象となった。1本に集約した方がコスト的には有利である。しかし、集約することで100Mbpsの帯域をフルに使えるかどうかが懸念された。検討の末、コストが多少膨らんだとしても、100Mbpsの帯域を確実に確保できる方法、つまり本社と拠点間を個別に結び、100Mbpsの帯域計5本のメトロイーサネットワークを使用することが決定した。5つの拠点のスイッチにはCatalyst3550を使い、「JRほっとライン」とのプラットフォームにはCisco3661とCisco2611を使用している。
 地方支店とのネットワークは、日本テレコムの20Mbpsのワイドイーサネットを導入した。各支店と本社間は各々1.5Mbpsで、それを一括で束ね、20Mbpsのネットワークで本社と接続する形をとっている。スイッチはCatalyst3550を、NTTや「JRほっとライン」などの外線電話用のプラットフォームにはCisco2611を使用する。また、支店のシステムには音声帯域の確保を目的にQoSで帯域制御を行い、現在データ系と音声系を50:50で使用している。今後は音声帯域を減らし、データ系を増やすというような対応も必要に応じて行っていくという。

JEISのネットワーク概念図。東京都区内の拠点間を100Mbpsで、本社と支店間を1.5Mbpsで結ぶ

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IPテレフォニーとシスコが果たす役割
 このところ、ネットワーク機器を扱うメーカーはIP電話に力を入れており競争は激化している。ネットワーク再構築にシスコ製品を選んだ理由について尋ねてみた。
「コールマネージャー型の案を提示した2社が、揃ってシスコ製品による提案を行ったこともシスコ製品導入を決めた理由のひとつです。また、シスコは日本国内の企業にIP電話を数万台導入した実績があるというのも決め手になりました」と久慈氏は語ってくれた。
 JEISとしても指令電話にCisco CallManagerの導入実績があったこと、また従来のネットワークインフラにおいてもシスコのルータやスイッチを使用していたため、直轄で保守運営を行える体制があることも決め手となった。
 また、シスコのトラステッドアドバイザーとしての役割も今回のネットワーク構築に貢献しているという。
「シスコとの強い連携が図れたのは素晴らしいことでした。それまではシスコとインテグレーションの部分で携わったことがなかったのですが、今回はメトロイーサネットの構成例などでシスコとディスカッションを行いました。そのこともネットワーク完成に大きく役立っていると思います」とシステム工事部の竹中宏之氏は語っている。
 実際に試行した結果、IP電話の使用感は外線も内線もPBXと遜色ないものだった。
「以前はグループ全体に電話がかかるシステムだったので、その社員が不在でも他の社員が対応しなければなりませんでした。IP電話になり端末が1対1になったことで、自分あてでない電話対応に追われることもなく、業務の効率化が図れるようになりました。不在の場合はボイスメッセージとして残すこともできますし、外線から電話で自分へのメッセージを聞けるというのも便利です。Cisco Unityはまだフルに活用しているとは言えませんが、今後本格導入するにあたり、活用していく予定です」と技術部サブリーダーの福田真吾氏は語ってくれた。
 Cisco Unityはボイスメールやユニファイドメッセージングなどの先進的な統合型コミュニケーションサービスを実現するユニファイドコミュニケーションサーバだ。Cisco Unityを使用することで、電話を使って電子メールを聞いたり、インターネット経由でボイスメッセージを確認したりすることが可能となる。また、企業の成長に応じた拡張性を備えたプラットフォームで実行されるため、ストリーミングメディアやブラウザでのシステム管理が可能で、ITスタッフの負担を軽減し、組織の総所有コストを削減することも可能となる。IPテレフォニーの活用にはなくてはならないソリューションなのである。

システム工事部 竹中宏之氏
       
システム工事部
竹中宏之氏
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技術部サブリーダー
福田真吾氏
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JEISの広域イーサネットシステムを支えるシスコ機器
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IP電話により端末が1対1になったことで、業務の効率化が実現された

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インタフェース開発を支援するCisco Developer Support Program
 IPテレフォニーの特長はネットワーク上で音声のやり取りができるほか、PCとの連携もできることである。また、もう1つの大きな特長はインタフェースをユーザー自身が開発できることである。
 JEISでは端末からアドレス帳を利用して、IP電話からの発信や在席管理等も行なえるよう、ハードフォン用にソフトを開発した。JEISが開発したIPテレフォニーとアドレス帳との簡易利用ソフトに関しては、外部への公開を行う可能性もあるという。
 このオリジナルインタフェース開発に関しては、シスコがソフト開発支援のバックアップ体制として用意しているCisco Developer Support Programが活用された。このプログラムは、シスコのサポート対象インタフェースを使用して自社製品を開発している企業にきめ細かな専門的サポートを提供することを目的としたものだ。JEISは日本では初めてのCisco Developer Support Programの参加企業であるが、今後、より使いやすいインタフェース作成のためにプログラムへの参加企業が増えていくものと予想される。
 JEISのネットワークは3月末から本格運用のスタートを切る。シスコはこれまでも、そしてこれからもトラステッドアドバイザーとしてその運用を強固にサポートしていく。

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株式会社ジェイアール東日本情報システム
1989年、JR東日本の情報システム部門を分離、独立する形で発足。以来、JR東日本のすべてのシステム開発・運営を行うとともに、グループ企業など100社以上の企業に対しても同様のサービスを提供している。今回、音声を含む通信コストの削減を目指し、全社ネットワークの再構築と内線電話網のフルIP化を実施した。

*本内容は取材時の状況に基づき作成されております。
現在の状況とは異なっている場合がございますので、予めご了承ください。
更新日:2003年4月1日
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