プロバイダー エッジ ルータごとに無制限なソフトウェア VRF の OSPF サポート
Multiprotocol Label Switching -Virtual Private Network(MPLS-VPN)の展開で、OSPF を実行するように設定するには、VPN ルーティングおよび転送(VRF)インスタンスごとに個別の Open Shortest Path First(OSPF)プロセスが必要です。プロバイダー エッジ ルータごとに無制限のソフトウェア VRF を OSPF がサポートする機能によって、OSPF VPN の 32 プロセス制限が排除され、OSPF VPN のスケーラビリティに関する問題を解決できます。
プロバイダー エッジ ルータごとに無制限のソフトウェア VRF を OSPF がサポートする機能の履歴
|
|
12.3(4)T |
この機能が導入されました。 |
12.0(27)S |
この機能は、Cisco IOS Release 12.0(27)S に統合されました。 |
12.2(25)S |
この機能は、Cisco IOS Release 12.2(25)S に統合されました。 |
12.2(18)SXE |
この機能は、Cisco IOS Release 12.2(18)SXE に統合されました。 |
12.2(27)SBC |
この機能は、Cisco IOS Release 12.2(27)SBC に統合されました。 |
プラットフォームおよび Cisco IOS ソフトウェア イメージのサポート情報の検索
プラットフォームのサポートおよび Cisco IOS ソフトウェア イメージのサポートに関する情報を検索するには、Cisco Feature Navigator を使用します。 http://www.cisco.com/go/fn にある Cisco Feature Navigator にアクセスしてください。Cisco.com 上のアカウントが必要です。アカウントを持っていないか、ユーザ名またはパスワードが不明の場合は、ログイン ダイアログボックスの [Cancel] をクリックし、表示される指示に従ってください。
プロバイダー エッジ ルータごとに無制限なソフトウェア VRF の OSPF サポートの前提条件
ご使用のネットワークで OSPF が設定されている必要があります。
プロバイダー エッジ ルータごとに無制限なソフトウェア VRF の OSPF サポートの制約事項
1 つの VRF でサポートできるのは 32 プロセスだけです。VRF プロセス間での相互の制限はありません。
プロバイダー エッジ ルータごとに無制限なソフトウェア VRF の OSPF サポートについて
プロバイダー エッジ ルータごとに無制限のソフトウェア VRF を OSPF がサポートする機能を設定するには、その前に次の概念について理解しておく必要があります。
•
「プロバイダー エッジ ルータごとにソフトウェア VRF を無制限に実行する利点」
プロバイダー エッジ ルータごとにソフトウェア VRF を無制限に実行する利点
Cisco IOS Release 12.3(4)T および 12.0(27)S 以前は、OSPF によって VPN ルートを受信する VRF ごとに、個別の OSPF が必要でした。VPN を導入すると、MPLS プロバイダー エッジ(PE)ルータは、VPN 配布用にマルチプロトコル ボーダー ゲートウェイ プロトコル(BGP)、PE-P 接続用に Interior Gateway Protocol(IGP)を実行します。これが、カスタマー エッジ(CE)ルータと PE ルータの間の IGP として OSPF を使用する場合の一般的なシナリオです。OSPF には 32 プロセスの制限があるため、VPN 導入においてスケーラブルではありません。デフォルトでは、接続されたルート用に 1 つのプロセスが使用され、スタティック ルート用にまた別のプロセスが使用されます。このため、VRF 用に作成できるのは 28 プロセスだけです。
プロバイダー エッジ ルータごとに無制限のソフトウェア VRF を OSPF がサポートする機能を使用すると、プラットフォームと、そのプラットフォームで実行中のアプリケーション、プロセス、およびプロトコルに応じて、約 300 ~ 10,000 の VRF を作成できます。
プロバイダー エッジ ルータごとに無制限のソフトウェア VRF を OSPF がサポートする機能の設定方法
ここでは、次の手順について説明します。
•
「プロバイダー エッジ ルータごとに無制限なソフトウェア VRF の設定と確認」(任意)
プロバイダー エッジ ルータごとに無制限なソフトウェア VRF の設定と確認
次のタスクは、OSPF ルーティング用にソフトウェア VRF を無制限に設定して確認する方法を示しています。
手順の概要
1.
enable
2.
configure terminal
3.
router ospf process-id [ vrf vpn-name ]
4.
end
5.
show ip ospf [ process-id ]
手順の詳細
|
|
|
ステップ 1 |
enable
Router> enable |
特権 EXEC モードをイネーブルにします。 • プロンプトが表示されたら、パスワードを入力します。 |
ステップ 2 |
configure terminal
Router# configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
router ospf process-id [ vrf vpn-name ]
Router(config)# router ospf 1 vrf crf-1 |
OSPF ルーティングをイネーブルにします。 • process-id 引数は OSPF プロセスを示します。 • vrf キーワードと vpn-name 引数を使用して VPN を指定します。 (注) これで、OSPF VRF プロセスを必要な数だけ設定できます。 |
ステップ 4 |
end
Router(config-router)# end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 5 |
show ip ospf [ process-id ]
Router# show ip ospf 1 |
OSPF ルーティング プロセスに関する一般情報を表示します。 |
プロバイダー エッジ ルータごとに無制限のソフトウェア VRF を OSPF がサポートする機能の設定例
ここでは、次の設定例について説明します。
•
「プロバイダー エッジ ルータごとに無制限のソフトウェア VRF を OSPF がサポートする機能の設定:例」
•
「プロバイダー エッジ ルータごとに無制限のソフトウェア VRF を OSPF がサポートする機能の確認:例」
プロバイダー エッジ ルータごとに無制限のソフトウェア VRF を OSPF がサポートする機能の設定:例
次の例は、 router ospf コマンドを使用して、first、second、および third という名前の各 VRF に、OSPF VRF プロセスを設定する、基本的な OSPF 設定を示しています。
Router# configure terminal
Router(config)# router ospf 12 vrf first
Router(config)# router ospf 13 vrf second
Router(config)# router ospf 14 vrf third
プロバイダー エッジ ルータごとに無制限のソフトウェア VRF を OSPF がサポートする機能の確認:例
次の例は、first という名前の VRF に OSPF VRF 12 が作成されたことを確認するための、 show ip ospf コマンドの出力表示を示しています。VRF first に関連する出力を太字で示してあります。
main ID type 0x0005, value 0.0.0.100
Supports only single TOS(TOS0) routes
Supports Link-local Signaling (LLS)
Supports area transit capability
Connected to MPLS VPN Superbackbone, VRF first
It is an area border router
Initial SPF schedule delay 5000 msecs
Minimum hold time between two consecutive SPFs 10000 msecs
Maximum wait time between two consecutive SPFs 10000 msecs
Minimum LSA interval 5 secs
Minimum LSA arrival 1000 msecs
LSA group pacing timer 240 secs
Interface flood pacing timer 33 msecs
Retransmission pacing timer 66 msecs
Number of external LSA 0. Checksum Sum 0x0
Number of opaque AS LSA 0. Checksum Sum 0x0
Number of DCbitless external and opaque AS LSA 0
Number of DoNotAge external and opaque AS LSA 0
Number of areas in this router is 1. 1 normal 0 stub 0 nssa
Number of areas transit capable is 0
External flood list length 0
Number of interfaces in this area is 1
Area has no authentication
SPF algorithm last executed 00:00:15.204 ago
SPF algorithm executed 2 times
Number of LSA 1. Checksum Sum 0xD9F3
Number of opaque link LSA 0. Checksum Sum 0x0
Number of DCbitless LSA 0
Number of indication LSA 0
その他の参考資料
ここでは、プロバイダー エッジ ルータごとに無制限のソフトウェア VRF を OSPF がサポートする機能に関する参考資料を紹介します。
シスコのテクニカル サポート
|
|
シスコのテクニカル サポート Web サイトには、数千ページに及ぶ検索可能な技術情報があります。製品、テクノロジー、ソリューション、技術的なヒント、およびツールへのリンクもあります。Cisco.com に登録済みのユーザは、このページから詳細情報にアクセスできます。 |
http://www.cisco.com/techsupport |
コマンド リファレンス
この機能で使用される新しいコマンドまたは変更されたコマンドはありません。
用語集
マルチプロトコル BGP :ネットワーク レイヤ プロトコルとしてコネクションレス型ネットワーク サービス(CLNS)を使用するネットワークで、Border Gateway Protocol(BGP; ボーダー ゲートウェイ プロトコル)をドメイン間ルーティング プロトコルとして使用できます。
Cisco and the Cisco Logo are trademarks of Cisco Systems, Inc. and/or its affiliates in the U.S. and other countries. A listing of Cisco's trademarks can be found at www.cisco.com/go/trademarks . Third party trademarks mentioned are the property of their respective owners. The use of the word partner does not imply a partnership relationship between Cisco and any other company. (1005R)
このマニュアルで使用している IP アドレスは、実際のアドレスを示すものではありません。マニュアル内の例、コマンド出力、および図は、説明のみを目的として使用されています。説明の中に実際のアドレスが使用されていたとしても、それは意図的なものではなく、偶然の一致によるものです。
© 2008 Cisco Systems, Inc.
All rights reserved.
Copyright © 2008-2011, シスコシステムズ合同会社.
All rights reserved.