OSPF インターフェイス単位リンクローカル シグナリング
OSPF インターフェイス単位リンクローカル シグナリング機能では、以前設定したグローバル(ルータ レベル)設定に関係なく、特定のインターフェイスに対するリンクローカル シグナリング(LLS)をイネーブルにするか、ディセーブルにするかを選択できます。
この章で紹介する機能情報の入手方法
お使いのソフトウェア リリースが、この章で説明されている機能の一部をサポートしていないことがあります。最新の機能情報および警告については、ご使用のプラットフォームおよびソフトウェア リリースのリリース ノートを参照してください。この章に記載されている機能の詳細、および各機能がサポートされているリリースのリストについては、「OSPF インターフェイス単位リンクローカル シグナリングの機能情報」 を参照してください。
プラットフォームのサポートおよび Cisco IOS および Catalyst OS ソフトウェア イメージのサポートに関する情報を検索するには、Cisco Feature Navigator を使用します。Cisco Feature Navigator には、 http://www.cisco.com/go/cfn からアクセスしてください。Cisco.com のアカウントは必要ありません。
OSPF インターフェイス単位リンクローカル シグナリングについて
この機能を設定するには、次の項で説明する概念について理解しておく必要があります。
• 「OSPF インターフェイス単位リンクローカル シグナリング機能の利点」
OSPF インターフェイス単位リンクローカル シグナリング機能の利点
LLS では、追加のビット スペースを提供できるよう、既存の OSPF パケットの拡張が可能です。追加のビット スペースによって、OSPF ネイバー間のパケット交換ごとの情報がより多く指定できるようになります。たとえば、この機能は、OSPF Nonstop Forwarding(NSF; ノンストップ フォワーディング)認識機能で使用され、NSF を認識する宅内機器(CPE)ルータが、NSF 対応ルータによるパケットのノンストップ フォワーディング実行をサポートします。
LLS は、ルータ レベルでイネーブルになっていると、すべてのインターフェイスで自動的にイネーブルになります。OSPF のインターフェイス単位のリンクローカル シグナリング機能により、特定のインターフェイスに対する LLS をイネーブルにするか、ディセーブルにするか選択できます。ご使用のネットワーク設計によっては、インターフェイス単位で LLS をディセーブルにできます。たとえば、RFC 2328 に準拠していない可能性のあるシスコ製以外のデバイスに接続しているインターフェイス上で LLS をディセーブルにすると、ネットワーク内の Open Shortest Path First(OSPF)ネイバーの形成に関する問題を回避できます。
OSPF インターフェイス単位リンクローカル シグナリング機能の設定方法
ここでは、次の手順について説明します。
• 「インターフェイス単位での LLS の停止」(任意)
インターフェイス単位での LLS の停止
このタスクでは、特定のインターフェイス上で LLS をディセーブルにします。
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. interface type slot / port
4. ip address ip-address mask [ secondary ]
5. no ip directed-broadcast [ access-list-number | extended access-list-number ]
6. ip ospf message-digest-key key-id encryption-type md5 key
7. [ no | default ] ip ospf lls [ disable ]
手順の詳細
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ステップ 1 |
enable
Router> enable |
特権 EXEC モードをイネーブルにします。 • プロンプトが表示されたら、パスワードを入力します。 |
ステップ 2 |
configure terminal
Router# configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
interface type slot / port
Router(config)# interface Ethernet 1/0 |
インターフェイス タイプを設定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 4 |
ip address ip-address mask [ secondary ]
Router(config-if)# ip address 10.2.145.20 255.255.255.0 |
インターフェイスに対するプライマリ IP アドレスまたはセカンダリ IP アドレスを設定します。 |
ステップ 5 |
no ip directed-broadcast [ access-list-number | extended access-list-number ]
Router(config-if)# no ip directed-broadcast |
インターフェイスが接続されたサブネットを宛先とするダイレクト ブロードキャストを、ブロードキャストすることなくドロップします。 • イーサネット インターフェイス 1/0 上での IP ダイレクト ブロードキャストのフォワーディングをディセーブルにします。 |
ステップ 6 |
ip ospf message-digest-key
key-id encryption-type
md5
key
Router(config-if)# ip ospf message-digest-key 100 md5 testing |
OSPF Message Digest 5(MD5)アルゴリズム認証をイネーブルにします。 |
ステップ 7 |
[ no | default ] ip ospf lls [ disable ]
Router(config-if)# ip ospf lls disable |
グローバル(ルータ レベル)の設定にかかわらず、インターフェイス上の LLS をディセーブルにします。 |
OSPF インターフェイス単位リンクローカル シグナリング機能の設定例
ここでは、次の設定例を示します。
• 「OSPF インターフェイス単位リンクローカル シグナリング機能の設定と確認:例」
OSPF インターフェイス単位リンクローカル シグナリング機能の設定と確認:例
次の例では、LLS は、イーサネット インターフェイス 1/0 ではイネーブルに、イーサネット インターフェイス 2/0 でディセーブルになっています。
ip address 10.2.145.2 255.255.255.0
ip ospf message-digest-key 1 md5 testing
ip address 10.1.145.2 255.255.0.0
ip ospf message-digest-key 1 md5 testing
ip address 10.3.145.2 255.255.255.0
log-adjacency-changes detail
area 0 authentication message-digest
redistribute connected subnets
network 10.0.0.0 0.255.255.255 area 1
network 10.2.3.0 0.0.0.255 area 1
次の例では、 show ip ospf interface コマンドを入力して、LLS がイーサネット インターフェイス 1/0 でイネーブルになっていることと、イーサネット インターフェイス 2/0 でディセーブルになっていることを確認します。
Router# show ip ospf interface
Ethernet1/0 is up, line protocol is up
Internet Address 10.2.145.2/24, Area 1
Process ID 1, Router ID 10.22.222.2, Network Type BROADCAST, Cost: 10
Transmit Delay is 1 sec, State BDR, Priority 1
Designated Router (ID) 10.2.2.3, Interface address 10.2.145.1
Backup Designated router (ID) 10.22.222.2, Interface address 10.2.145.2
Timer intervals configured, Hello 10, Dead 40, Wait 40, Retransmit 5
! Supports Link-local Signaling (LLS)
Index 1/1, flood queue length 0
Last flood scan length is 2, maximum is 8
Last flood scan time is 0 msec, maximum is 0 msec
Neighbor Count is 1, Adjacent neighbor count is 1
Adjacent with neighbor 10.2.2.3 (Designated Router)
Suppress hello for 0 neighbor(s)
Ethernet2/0 is up, line protocol is up
Internet Address 10.1.145.2/16, Area 1
Process ID 1, Router ID 10.22.222.2, Network Type BROADCAST, Cost: 10
Transmit Delay is 1 sec, State BDR, Priority 1
Designated Router (ID) 10.2.2.3, Interface address 10.1.145.1
Backup Designated router (ID) 10.22.222.2, Interface address 10.1.145.2
Timer intervals configured, Hello 10, Dead 40, Wait 40, Retransmit 5
! Does not support Link-local Signaling (LLS)
Index 2/2, flood queue length 0
Last flood scan length is 2, maximum is 11
Last flood scan time is 0 msec, maximum is 0 msec
Neighbor Count is 1, Adjacent neighbor count is 1
Adjacent with neighbor 45.2.2.3 (Designated Router)
Suppress hello for 0 neighbor(s)
Ethernet3/0 is up, line protocol is up
Internet Address 10.3.145.2/24, Area 1
Process ID 1, Router ID 10.22.222.2, Network Type BROADCAST, Cost: 10
Transmit Delay is 1 sec, State BDR, Priority 1
Designated Router (ID) 10.2.2.3, Interface address 10.3.145.1
Backup Designated router (ID) 10.22.222.2, Interface address 10.3.145.2
Timer intervals configured, Hello 10, Dead 40, Wait 40, Retransmit 5
! Supports Link-local Signaling (LLS)
Index 3/3, flood queue length 0
Last flood scan length is 2, maximum is 11
Last flood scan time is 0 msec, maximum is 0 msec
Neighbor Count is 1, Adjacent neighbor count is 1
Adjacent with neighbor 10.2.2.3 (Designated Router)
Suppress hello for 0 neighbor(s)
その他の参考資料
ここでは、OSPF インターフェイス単位リンクローカル シグナリング機能に関する参考資料を紹介します。
RFC
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RFC 2328 |
「 OSPF Version 2 」 |
シスコのテクニカル サポート
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シスコのテクニカル サポート Web サイトには、数千ページに及ぶ検索可能な技術情報があります。製品、テクノロジー、ソリューション、技術的なヒント、およびツールへのリンクもあります。Cisco.com に登録済みのユーザは、このページから詳細情報にアクセスできます。 |
http://www.cisco.com/techsupport |
OSPF インターフェイス単位リンクローカル シグナリングの機能情報
ご使用の Cisco IOS ソフトウェア リリースによっては、コマンドの中に一部使用できないものがあります。特定のコマンドに関するリリース情報については、コマンド リファレンス マニュアルを参照してください。
Cisco IOS ソフトウェア イメージは、Cisco IOS ソフトウェア リリース、機能セット、プラットフォームそれぞれに固有です。プラットフォームのサポートおよび Cisco IOS ソフトウェア イメージのサポートに関する情報を検索するには、Cisco Feature Navigator を使用します。 http://www.cisco.com/go/fn にある Cisco Feature Navigator にアクセスしてください。Cisco.com 上のアカウントが必要です。アカウントを持っていないか、ユーザ名またはパスワードが不明の場合は、ログイン ダイアログボックスの [Cancel] をクリックし、表示される指示に従ってください。
(注) 表 1 に、特定の Cisco IOS ソフトウェア リリース群で特定の機能をサポートする Cisco IOS ソフトウェア リリースだけを示します。特に明記されていない限り、Cisco IOS ソフトウェア リリース群の後続のリリースでもこの機能をサポートします。
表 1 OSPF インターフェイス単位リンクローカル シグナリングの機能情報
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OSPF インターフェイス単位リンクローカル シグナリング |
12.0(27)S 12.3(7)T 12.2(25)S 12.2(18)SXE 12.2(27)SBC 12.2(33)SRA |
OSPF インターフェイス単位リンクローカル シグナリング機能では、以前設定したグローバル(ルータ レベル)設定に関係なく、特定のインターフェイスに対するリンクローカル シグナリング(LLS)をイネーブルにするか、ディセーブルにするかを選択できます。 次のコマンドが導入または変更されました。 ip ospf lls |
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