APN AMBR トラフィックポリシング

マニュアルの変更履歴


（注）  

リリース 21.24 よりも前に導入された機能については、詳細な改訂履歴は示していません。

改訂の詳細

リリース

初版

21.24 より前

機能説明

APN-AMBR は、HSS の APN ごとに保存されるサブスクリプション パラメータです。S-GW は、デフォルトベアラーの確立手順において APN-AMBR を提供します。APN-AMBR により、すべての GBR 以外のベアラーと同じ APN のすべての PDN 接続にわたって提供されることが予想される集約ビットレートが制限されます。これらの GBR 以外のベアラーのそれぞれが APN-AMBR 全体を利用する可能性があります。たとえば、他の GBR 以外のベアラーがトラフィックを伝送しない場合などです。P-GW は、ダウンリンクおよびアップリンク方向に APN-AMBR を適用します。

この CLI 制御機能の一環として、CLI パラメータをコントロールプレーンで設定し、Sx インターフェイスを介してユーザープレーンに伝達する必要があります。

制限事項

以下に、APN-AMBR トラフィックポリシング機能の既知の制限事項を示します。

  • token-replenishment-interval および violate-action shape CLI の設定はサポートされません。

APN AMBR トラフィックポリシング機能の設定

ここでは、APN-AMBR トラフィックポリシングの設定方法について説明します。

configure 
           context  context_name 
             apn  apn_name 
         apn-ambr rate-limit direction { downlink | uplink } [ burst-size { auto-readjust duration { milliseconds msecs | seconds } | violate-action { drop | lower-ip-precedence | transmit } 
                   end

注：

  • rate-limit direction { downlink | uplink } ：ダウンリンク（ネットワークからサブスクライバ）トラフィック、アップリンク（サブスクライバからネットワーク）トラフィックのどちらにレート制限を適用するかを指定します。

  • burst-size { auto-readjust duration milliseconds msecs | seconds } ：このパラメータは、トラフィックのショートバーストが許容データレートを超えないようにするために、ポリシングアルゴリズムで使用されます。トークンバケットの最大サイズです。

    • auto-readjust duration seconds ：バーストサイズの計算（バーストサイズ = ピークデータレート/8 * 自動再調整期間）で使用される期間（秒単位）。

      • 秒は 1 〜 30 の整数値である必要があります。デフォルトは 1 秒です。

    • milliseconds ：msecs は 100 ～ 900 の整数値で、100 ミリ秒単位で指定する必要があります。たとえば、100、200、300 などです。

  • violate-action { drop | lower-ip-precedence | transmit } ：ベアラーコンテキストのデータレートが AMBR を超えた場合に P-GW が実行するアクション。

    • drop ：違反パケットをドロップします。

    • lower-ip-precedence ：違反パケットの DSCP 値をゼロ（「ベストエフォート」）に設定します。

    • transmit ：違反パケットを送信します。これは、この機能のデフォルト動作です。

  • この機能が導入される前は、デフォルト動作では違反パケットはドロップされました。

モニタリングおよびトラブルシューティング

この項では、APN-AMBR トラフィックポリシング機能のモニターや障害対応に使用できるコマンドについて説明します。

show コマンドと出力

この項では、APN-AMBR トラフィックポリシング機能のモニタリングや障害対応に使用できる show コマンドについて説明します。

  • show user-plane-service pdn-instance name <apn_name> ：APN-AMBR CLI がコントロールプレーンで設定され、ユーザープレーンへの PFD プッシュが完了すると、次の APN-AMBR 情報がユーザープレーンで使用可能になります。

    • APN-AMBR

      • [Downlink Apn Ambr]：ダウンリンクトラフィックのレート制限が有効か無効かを示します。

        • [Burst Size]：ダウンリンクトラフィックのバーストサイズを示します。

        • [Auto Readjust]：ダウンリンクバーストサイズの自動再調整が有効か無効かを示します。

        • [Auto Readjust Duration]：ダウンリンクバーストサイズの計算に使用される期間を示します。

        • [Burst Size(bytes)]：バーストサイズをバイト単位で示します。

        • [Violate Action]：ベアラーコンテキストのデータレートがダウンリンクトラフィックの AMBR を超えた場合に P-GW が実行するアクションを示します。

      • [Uplink Apn Ambr]：アップリンクトラフィックのレート制限が有効か無効かを示します。

        • [Burst Size]：アップリンクトラフィックのバーストサイズを示します。

        • [Auto Readjust]：アップリンクバーストサイズの自動再調整が有効か無効かを示します。

        • [Auto Readjust Duration]：アップリンクバーストサイズの計算に使用される期間を示します。

        • [Burst Size(bytes)]：バーストサイズをバイト単位で示します。

        • [Violate Action]：ベアラーコンテキストのデータレートがアップリンクトラフィックの AMBR を超えた場合に P-GW が実行するアクションを示します。

      • [Token Replenishment Interval]：トークンの補充間隔を示します。

  • show sub user-plane-only full all :

    ユーザープレーンでこの show コマンドを使用すると、ドロップされたパケットの数と、APN-AMBR ポリサーが原因で IP プレシデンスが低下したことを確認できます。この機能をサポートするために、次のフィールドが導入されました。

    • [APN AMBR Uplink Pkts Drop]：アップリンクトラフィックでドロップされた APN-AMBR パケット数を示します。

    • [APN AMBR Uplink Bytes Drop]：アップリンクトラフィックでドロップされた APN-AMBR バイト数を示します。

    • [APN AMBR Uplink Pkts IP pref lowered]：IP プレシデンスが低下する APN-AMBR アップリンクパケット数を示します。

    • [APN AMBR Uplink Bytes IP pref lowered]：IP プレシデンスが低下する APN-AMBR アップリンクのバイト数を示します。

    • [APN AMBR Downlink Pkts Drop]：ダウンリンクトラフィックでドロップされた APN-AMBR パケット数を示します。

    • [APN AMBR Downlink Bytes Drop]：ダウンリンクトラフィックでドロップされた APN-AMBR バイト数を示します。

    • [APN AMBR Downlink Pkts IP pref lowered]：IP プレシデンスが低下する APN-AMBR ダウンリンクパケット数を示します。

    • [APN AMBR Downlink Bytes IP pref lowered]：IP プレシデンスが低下する APN-AMBR ダウンリンクバイト数を示します。