Cisco Wireless ライセンスの構成
Cisco Wireless ライセンス
Cisco Networking Subscription ライセンスモデルの一部である Cisco Wireless ライセンスは、Wi-Fi 7 アクセスポイントをオンプレミスネットワーク、ハイブリッドネットワーク、またはクラウド マネージド ネットワークに展開するのに役立つソフトウェアライセンスです。Cisco Wireless ライセンスは、Cisco IOS XE 17.15.2 リリース上で稼働している Wi-Fi 7 アクセスポイント(AP)でサポートされています。
Cisco Wireless ライセンスは、次の階層で構成されています。
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Cisco Wireless Essentials(LIC-CW-E):ネットワークの管理に不可欠な基本的な機能を提供します。
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Cisco Wireless Advantage(LIC-CW-A):ネットワークを管理するための追加の機能を提供します。これには、AP の自動配置や AI を活用した無線リソース管理などの高度な機能に加えて、必要不可欠な機能がすべて含まれています。
Cisco Wireless ライセンスの機能階層は、Cisco DNA Wireless の機能階層と一致します。
これらの各階層でサポートされている機能の詳細については、 『Cisco Networking Subscription データシート』を参照してください。
利点
Cisco Wireless ライセンスには次のような利点があります。
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ライセンスの調達と更新のワークフローを簡素化します。
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シンプルでワンステップのオンボーディングと使用体験サポートします。
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オンプレミス、クラウド、ハイブリッドなど、さまざまな方法でネットワークをセットアップできる柔軟性を備えています。
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特定のライセンスタイプに移行せずに、ライセンスの管理モードを変更できる柔軟性を備えています。
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既存のネットワークにライセンスを簡単に追加できます。新たに追加されたライセンスには、親ネットワークの設定が自動的に継承されます。
前提条件
Cisco Wireless ライセンスを使用する前に、次の各項目を用意する必要があります。
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Wi-Fi 7 アクセスポイント
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Cisco IOS XE ソフトウェアバージョン 17.15.2
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ライセンス、デバイス、一般利用規約などのアセットを管理するように設定されたスマートアカウントおよび 1 つ以上のバーチャルアカウント
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既存の販売ルートから購入可能なCisco Wireless ライセンス
Cisco Wireless ライセンスの注文
Cisco Wireless ライセンスは、Cisco Network Subscription ライセンスモデルを介して購入できます。詳細については、『Catalyst Wireless Ordering Guide』を参照してください。
Cisco Wireless ライセンスの構成要素
Cisco Wireless ライセンスソリューションは、次の要素で構成されています。
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製品インスタンス:Unique Device Identifier(UDI)によって識別されるシスコ製品の単一インスタンス。製品インスタンスは、ライセンスの使用状況を記録およびレポートし、期限切れのレポートや通信障害などに関するアラートとシステムメッセージを提供します。
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スマートアカウント:組織全体のシスコソフトウェア資産を管理できる一元化されたアカウント。スマートアカウントは、サブスクリプションレベルで関連付けられます。製品とライセンスのコレクションであるバーチャルアカウントをスマートアカウント内で設定できます。バーチャルアカウントは、スマートアカウント内のアセットを整理するために使用されます。
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Cisco Smart Software Manager(Cisco SSM):ライセンスを含むすべてのアセットの発注処理が完了すると、それらが自動入力される集約ポータル。このポータルを使用すると、一元化された 1 つの Web サイトからすべてのシスコ ソフトウェアライセンスを管理できます。
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Cisco Smart Licensing Utility(CSLU):CSLU は、ライセンスと関連する製品インスタンスをオンプレミスのネットワークから管理できる Windows ベースのアプリケーションです。Cisco SSM に直接接続する必要はありません。CSLU と製品インスタンス間の接続を確立してライセンス使用状況レポートを収集し、これをバーチャルアカウントにアップロードできます。
ライセンス管理
このセクションでは、Cisco Wireless ライセンスを設定して使用するためのワークフローの概要を示します。
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スマートアカウントと 1 つまたは複数のバーチャルアカウントを設定して、シスコのアセット(ライセンス、デバイス、および一般利用規約)を構成します。スマートアカウントとバーチャルアカウントは、Cisco SSM ポータルで表示および管理が可能です。
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既存のチャネルからライセンスを購入または注文します。購入すると、アセットは組織のスマートアカウントとバーチャルアカウントで使用でき、Cisco SSM ポータルからアクセスできます。ライセンスを使用するには、ライセンスが正しいスマートアカウントとバーチャルアカウントにあることを確認することが不可欠です。
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必要なライセンスを設定して使用します。Cisco Wireless ライセンスの使用方法の詳細については、このドキュメントの後半のセクションを参照してください。
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Cisco SSM にライセンスの使用状況をレポートする方法を設定します。
ステップ 1、2、および 4 の詳細な情報が必要な場合は、 『Smart Licensing Using Policy for Cisco Wireless Controllers』[英語] を参照してください。
Cisco Meraki ダッシュボードを使用したライセンス管理の詳細については、 『Selecting a Management Mode for Unified Licenses - WIFI7』[英語] 参照してください。
Cisco Wireless ライセンスの設定
Cisco Wireless ライセンスは、デフォルトで自動設定されます。これらのライセンスを明示的に有効にしたり、設定したりする必要はありません。
デフォルトでは、Cisco Wireless Advantage 階層がアクティブになっています。ライセンスレベルを Essentials 階層に変更する方法については、 「ライセンスレベルの変更」を参照してください。
ライセンスステータスの表示
ライセンスを購入してアクティブ化したら、Web UI でライセンスのステータスと適合ステータスを確認できます。
手順
ステップ 1 | Web UI で、[Monitoring] > [Wireless] > [AP Statistics] に移動します。 |
ステップ 2 | [AP Statistics] ウィンドウに表示される表に、AP によって消費されているすべてのライセンスが示されます。 |
ステップ 3 | Cisco Wireless ライセンスを識別するには、 [License Type] 列を確認します。この列には、AP によって消費されているライセンスのタイプが表示されます。Cisco Wireless ライセンスは、[CW] という値で表示されます。 |
ステップ 4 | ライセンスの適合テータスを確認するには、 [License State] 列を確認します。この列には、ライセンスの適合ステータスが示されます。値は次のとおりです。
特定のライセンス予約(SLR)を使用してライセンスを予約している場合、ライセンスは指示に従って予約されます。このシナリオでは、AP は [ Policy Allowed] 状態で機能し続けます。 |
ステップ 5 | 非適合の理由を確認するには、 [Non Compliant Reason] 列を参照します。値は次のとおりです。
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ライセンス数の表示
AP の各ライセンスタイプのライセンス詳細を表示するには、次の手順を実行します。
手順
ステップ 1 | Web UI の左ナビゲーションページから [Licensing] に移動します。 |
ステップ 2 | 各ライセンスタイプに対する AP の数を表示するには、ダッシュボードの [License count] 列を確認します。 [License Count] 列のハイパーリンクをクリックすると、ライセンスの詳細を含む [AP Statistics] ウィンドウが表示されます。 |
CLI によるライセンスステータスの確認
手順
ステップ 1 | enable コマンドを実行します。 特権 EXEC モードを有効にします。プロンプトが表示されたらパスワードを入力します。 |
ステップ 2 | show ap summary license コマンドを入力します。 Cisco Wireless ライセンスのライセンスタイプとライセンスステータスを含む、ライセンスの概要が表示されます。 構成の例を次に示します。
ここで、「Non Compliance Reason」の下の「-」は、該当する理由がないことを意味します。これは、バージョン Wi-Fi 7 未満の AP を使用している場合、または AP が適合している、または [Policy Allowed] ステータスである場合に発生する可能性があります。 |
ライセンスレベルの変更
ライセンスレベルを変更するには、次の手順を実行します。
手順
ステップ 1 | Web UI の左ナビゲーションペインから [Licensing] に移動します。 |
ステップ 2 | [Licensing] ウィンドウで、変更するライセンスを選択します。 |
ステップ 3 | [Change Wireless License Level] を選択します。 |
ステップ 4 | [Administration] > [Reload]の順に選択してデバイスをリロードし、ライセンスレベルの更新を有効にします。 CLI を使用してライセンスレベルを変更するには、 license cw <license-level> コマンドをグローバル コンフィギュレーション モードで使用します。 設定の例を次に示します。
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Cisco SSM への接続
ライセンスの使用状況を Cisco SSM にレポートするには、インスタンスと Cisco SSM ポータル間の接続を確立する必要があります。組織のネットワーク要件とセキュリティポリシーに応じて、Cisco SSM への接続は、インターネットを介した直接接続、仲介アクセスを介した接続、または外部と接続していないネットワークのオフライン通信を介した接続となります。
この接続を初めて確立するときは、次の手順を実行します。
手順
ステップ 1 | Web UI の左ナビゲーションペインで [Licensing] をクリックします。 | ||||||||||
ステップ 2 | [Service Settings] タブで、[Connection Mode] ドロップダウンリストから該当するオプションを選択します。
インスタンスと Cisco SSM の間に信頼が確立されると、ステータスに [Trust Established] と表示されます。信頼が確立されると、ライセンスの使用状況が定期的にレポートされます。 これらの各接続モードとそれぞれのワークフローの詳細については、「Cisco SSM への接続」を参照してください。 |
アップグレードおよびダウングレードのシナリオ
Cisco IOS XE 17.15.2 へのアップグレード
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Cisco IOS XE 17.15.2 にアップグレードしても、Wi-Fi 7 AP を追加しない場合、既存のライセンスは以前と同様に機能します。
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Cisco IOS XE 17.15.2 にアップグレードし、Wi-Fi 7 AP を追加する場合は、AP に対応する Cisco Wireless ライセンスを購入してください。Wi-Fi 7 AP がアクティブになります。Cisco SSM ポータルまたは Meraki ダッシュボードから、Cisco Wireless ライセンスのステータスと使用状況を管理および追跡できます。古い AP は、レガシー(DNA)ライセンスで引き続き機能します。
Cisco IOS XE 17.15.2 からのダウングレード
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Cisco IOS XE 17.15.2 からダウングレードし、Wi-Fi 7 AP が存在しない場合、古いライセンスは以前と同様に機能します。
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Cisco IOS XE 17.15.2 からダウングレードし、Wi-Fi 7 AP が追加されている場合、その AP は機能しません。
Cisco Wireless ライセンスの機能階層は、Cisco DNA Wireless の機能階層と一致します。