APIC-EM コントローラの概要
APIC EM は、ネットワークトラフィックを集中管理するためのシステムを提供しているため、ネットワークの輻輳がある場合でも、常に通信を維持できるようになっています。Cisco Unified Communications Manager を設定して、APIC-EM コントローラを使用し SIP メディアフローを管理するように設定すると、次のような利点がもたらされます。
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QoS 管理を一元化し、エンドポイントによる DSCP 値の割り当てが不要になります。
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メディア フローごとに異なる QoS 処理を適用できます。たとえば、ネットワーク帯域幅が少ない場合でも、基本的な音声通信が常に維持されるように、オーディオの優先順位を付けることができます。
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SIP プロファイルの外部 QoS 設定では、APIC-EM を使用するようにユーザを設定できます。たとえば、Cisco Jabber ユーザは APIC-EM を使用してメディア フローを管理し、一方で Cisco Unified IP Phone ユーザは Cisco Unified Communications Manager の DSCP の設定を使用できます。
SIP メディア フローの管理
APIC-EM を使用する SIP コールの場合、Cisco Unified Communications Manager はコールの始めに APIC-EM コントローラにポリシー要求を送信して、メディア フローの APIC-EM がセットアップ中であることを通知します。ポリシー要求には、発信元および宛先のデバイスの IP アドレスやポート、フローのメディアタイプ、およびプロトコルを含む、コールに関する情報が含まれています。
APIC-EM は、関連付けられているメディアフローの DSCP 値のコールフローの先頭にスイッチを通知します。スイッチは、これらの DSCP 値を個々のメディアパケットに挿入し、エンドポイントが挿入する値を上書きします。コールフロー内のゲートウェイに輻輳が発生すると、ゲートウェイは、最初により高い DSCP 値を持つパケットを送信します。これにより、優先順位の高いオーディオおよびビデオストリームが、電子メール、印刷ジョブ、ソフトウェアダウンロードなどの優先順位の低いネットワークトラフィックによってブロックされることがなくなります。通話が終了すると、Cisco Unified Communications Manager が APIC-EM に通知し、APIC-EM は、そのフローを削除するようスイッチに通知します。
外部 QoS サポート
Cisco Unified Communications Manager が APIC-EM を使用してメディアフローを管理するには、外部 QoS パラメータを両方のシステムレベルでは、クラスタ全体のサービスパラメータを介して、さらにデバイスレベルでは、SIP プロファイルを介して有効にする必要があります。