オペレータ、およびサポート デスク研修
概要
組織内のオペレータには、インストールに固有の Cisco Unity Connection に関する情報が必要です。また、組織内にサポート デスクが設置されている場合、そのスタッフは、ユーザからの質問に回答する準備、および回答するうえで有用なリソースの把握が必要になります。
オペレータ研修
オペレータ研修では、ユーザ研修と同じ要点を取り上げますが、より詳しく説明する必要があります。オペレータは、ユーザが Unity Connection をどのように使用しているかを、よく理解する必要があります。組織の規模によっては、Unity Connection に関する質問はオペレータが対応すると想定されます。
オペレータは、必要に応じて、「ユーザ研修」の章と「サポート デスク研修」の情報に加えて、次の概念とタスクも理解する必要があります。
オペレータおよび自動応答の役割
オペレータの責任範囲は、組織が自動応答を使用する方法によって異なります。自動応答は人間のオペレータの代わりに使用されるコール ハンドラで、グリーティングを再生し、発信者入力に応答することで、コールへの応答と転送を行います。自動応答では、メニュー オプション(たとえば、「営業の場合は 1、サービスの場合は 2 を押してください」など)やお知らせ(たとえば、「当社の通常の営業時間は月曜日から金曜日の午前 8 時から午後 5 時までです」など)を提供できます。
コールの転送
組織での自動応答の使用方法に関係なく、多くのコールはオペレータが処理します。オペレータは、コールをボイスメールおよびユーザの電話機に転送する方法を理解している必要があります。Cisco Unified Communications Manager で、コールをボイスメールに転送するよう電話機をプログラミングできます。この設定の詳細については、テクニカル ノート『How to Transfer a Caller Directly into a Cisco Unity Mailbox』を参照してください。このガイドは、http://www.cisco.com/en/US/products/sw/voicesw/ps2237/prod_tech_notes_list.html にあります。
目的の受信者へのメッセージの転送
オペレータもコール ハンドラまたはシステム同報リストを所有している場合は、メッセージを頻繁に確認する必要があることや、メッセージを適切な受信者に転送する必要があることをオペレータが理解しているか確認します。
Cisco Unity Greetings Administrator の使用
組織で使用するコール ハンドラのグリーティングの変更を担当するオペレータは、Cisco Unity Connection Administration でグリーティングを十分に変更できない場合に、Cisco Unity Greetings Administrator を使用できます。たとえば、悪天候のためにオフィスが予定外に閉鎖された場合、オペレータは自宅から電話をかけて Cisco Unity Greetings Administrator を使用し、オプション ガイダンスを有効化したり、オフィスが閉鎖されたことを伝えるコール ハンドラのグリーティングを再録音したりできます。
Cisco Unity Broadcast Message Administrator の使用
オペレータが録音済みのアナウンスを組織内の全員(または組織内の特定のロケーション)に送信することを担当している場合は、ブロードキャスト メッセージを送信できるように Cisco Unity Broadcast Message Administrator へのアクセス方法とその使用方法を説明します。
サポート デスク研修
サポート デスク研修ではユーザとオペレータの研修と同じ要点を取り上げますが、より詳しく説明する必要があります。サポート デスクのスタッフは、ユーザとオペレータがどのように Unity Connection を使用しているか、および、ユーザが Unity Connection を使用しているときに発生する一般的な問題についてよく理解する必要があります。Unity Connection サーバを使用する代わりに、サポート デスクのスタッフが使用できるテスト サーバを設定すると、Cisco Unity Connection Administration の参照や、クライアント アプリケーションのトラブルシューティングおよびテストを実行できるので有用です。
組織のサポート デスクへの問い合わせに備えて、次の「サポート デスク リソース」の項で示すリソースと、「考えられるユーザの疑問と誤解」の項で示す考えられるユーザの疑問および誤解について、サポート デスクのスタッフによく理解してもらいます。(「オペレータ研修」の項と「ユーザ研修」の章も参照してください)。
サポート デスク リソース
-
ユーザマニュアルは、http://www.cisco.com/en/US/products/ps6509/products_user_guide_list.html で入手できます。
-
『Compatibility Matrix: Cisco Unity Connection and the Software on User Workstations』は、http://www.cisco.com/en/US/products/ps6509/products_device_support_tables_list.html で入手できます。
-
このガイドの次の章には、ユーザ ワークステーションの設定方法や Unity Connection クライアント アプリケーションの使用方法が記載されています。
-
『Troubleshooting Guide for Cisco Unity Connection Release 14』は、https://www.cisco.com/c/en/us/td/docs/voice_ip_comm/connection/14/troubleshooting/guide/b_14cuctsg.html からご利用いただけます。
-
Cisco.com のすべての Unity Connection に関するドキュメントの説明と URL については、『Documentation Guide for Cisco Unity Connection Release 14』を参照してください。このドキュメントは Unity Connection に同梱されています。また、https://www.cisco.com/c/en/us/td/docs/voice_ip_comm/connection/14/roadmap/b_14cucdg.html からもご利用いただけます。
考えられるユーザの疑問と誤解
表 5-1 に、ユーザの問題についての説明を示しています。これらは、Cisco Unity Connection の動作に関する誤解に基づいたものが一般的となっています。ユーザが、別のボイス メッセージング システムに慣れている場合や、Unity Connection のトレーニングを終了していない場合、あるいは新しい機能または既存のシステムの機能変更を把握していない場合に、このような問題がよく発生します。
考えられる問題 |
説明 |
||
---|---|---|---|
メッセージの遅延 |
ユーザは、次の理由でメッセージが遅れて到着したと考える可能性があります。
|
||
メッセージの削除 |
デフォルトでは、ユーザが新規メッセージまたは開封済みメッセージを削除するときに、Unity Connection による削除の確認はありません。特に、削除済みメッセージの保持および表示ができるサービスクラスに属していないユーザが多い場合は、削除する前に Unity Connection がユーザの確認を求めるように設定できます。Unity Connection でメッセージの削除を確認するように設定するには、Cisco Unity Connection Administration の [システム設定(System Settings)] > [詳細設定(Advanced)] > [カンバセーション(Conversations)] ページで設定することができます。 削除されたメッセージの詳細については 、『User Guide for the Cisco Unity Connection Phone Interface (Release 14)』の「Managing Deleting Messages」の章を参照してください。このガイドは、https://www.cisco.com/c/en/us/td/docs/voice_ip_comm/connection/14/user/guide/phone/b_14cucugphone.html からご利用いただけます。 |
||
メッセージの削除:IMAP と MAPI の動作 |
ユーザが Microsoft Exchange サーバ上に保管されているメッセージに Microsoft Outlook クライアントと Unity Connection の両方からアクセスする場合、メッセージを削除すると、予期しない動作や紛らわしい動作が発生することがあります。Microsoft Outlook クライアントが MAPI(Exchange に接続するための Microsoft インターフェイス)を使用するように設定されている場合、MAPI と IMAP(Unity Connection が使用するプロトコル)はメッセージに削除済みのマークを付けるときに別々のメカニズムを使用するため、動作に違いが生じます。 ユーザが Outlook(MAPI を使用するように設定済み)または Outlook Web Access を使用して Microsoft Exchange サーバにアクセスし、さらに Unity Connection を使用して同じメッセージ ストア上のメッセージを管理する場合は、必ずユーザにこの動作を警告してください。 メッセージの削除:IMAP の動作 ユーザが Microsoft Outlook からメッセージを削除すると、メッセージは [受信トレイ(Inbox)] から [削除済みアイテム(Deleted Items)] フォルダに移動します。この時点で、Unity Connection では、そのメッセージにアクセスできなくなり、メッセージが新規メッセージ、開封済みメッセージ、または削除済みメッセージのいずれとしても表示されなくなります。 メッセージの削除:MAPI の動作 ユーザが Unity Connection からメッセージを削除した場合、メッセージは [受信トレイ(Inbox)] に残りますが、ユーザによって削除されたことを示すフラグが付けられます。しかし、Microsoft Outlook では、MAPI を使用するように設定されていると、このフラグを削除とは認識しないため、このメッセージは引き続き [受信トレイ(Inbox)] に新規メッセージまたは開封済みメッセージとして表示されます。 |
||
録音または再生用のデバイスが ViewMail for Outlook のデバイス リストに表示されない |
ユーザが新規の録音または再生デバイスを追加または有効にした場合は、ViewMail for Outlook のアドインを再起動して、新規デバイスを認識させる必要があります。ViewMail を再起動するには、Outlook を再起動します。 |
||
ディレクトリ一覧:ユーザが予想どおりに表示されない |
ユーザに録音名がない場合、そのユーザは電話ディレクトリに表示されません。その結果、外部の発信者がユーザを名前で検索しても見つけることができません。デフォルトでは、Unity Connection は初回登録時に名前を録音するようユーザに求めますが、ユーザが名前を録音しない場合に登録プロセスを中止することはできません。 この問題に対処するには、次のオプションを検討してください。
|
||
FAX:添付ファイルがファクス マシンに送信されない (FAX 統合のみ) |
ユーザが電子メール メッセージに添付ファイルを追加してからメッセージを FAX 装置に送信する場合、ユーザは、Unity Connection のセットアップ時に指定されたファイル拡張子を持つ添付ファイルのみが Unity Connection でレンダリングされることを知らない可能性があります。それ以外の添付ファイルは削除されます。 |
||
IMAP クライアント:クライアントの動作の違い |
さまざまなサードパーティ製 IMAP クライアントを使用して、デスクトップ マシンからボイス メッセージにアクセスするユーザは、次のような動作の違いに気づくことがあります。
|
||
メールボックスがすぐに一杯になる |
次のような理由でメールボックスがすぐに一杯になると、ユーザから苦情が寄せられる可能性があります。
|
||
メッセージの到着通知:通知を繰り返すオプション |
ユーザが新しいメッセージを受信するたびに Unity Connection が通知を再開しないことを選択をした場合、繰り返しの通知呼び出しの間隔が長く設定されていると、ユーザはUnity Connection で通知が遅れていると思ってしまう場合があります。 |
||
Media Master:ワークステーションに保存されたファイルを開く |
ユーザが、電話またはコンピュータのマイクロフォンで録音せずに、録音済みの WAV ファイル(たとえば以前に録音されたアナウンス)の使用を試みると、Media Master によりエラー メッセージが表示されることがあります。このエラーは、WAV ファイルが G.729a オーディオ形式で録音された場合に発生します。この問題を解決するには、ユーザが次のいずれかの手順を実行します。
|
||
MWI |
MWI がオンおよびオフになるタイミングとその要因、また MWI が想定とは異なる動作をする原因を把握するには、『Troubleshooting Guide for Cisco Unity Connection, Release 14』の「Troubleshooting the Message Waiting Indicators (MWIs)」の章を参照してください。このガイドは、https://www.cisco.com/c/en/us/td/docs/voice_ip_comm/connection/14/troubleshooting/guide/b_14cuctsg.html からご利用いただけます。 |
||
パスワードおよび PIN が安全ではないか、ユーザがパスワードまたは PIN の使用方法を間違えている |
ユーザによっては、電話機の PIN と Cisco Personal Communications Assistant(PCA)のパスワードが同じである、または同期されていると考えている場合があります。その結果、初回登録時に Unity Connection から電話機 PIN を変更するように求められたとき、PIN とパスワードの両方を変更すると考えることがあります。また、電話機の PIN を使用して Cisco PCA にログインしようと試みる場合があります。 |
||
Unity Connection カンバセーションの要素の速度にばらつきがある |
ユーザは、Unity Connection がメニュー、録音した名前、グリーティング、メッセージを再生する速度が一貫していないと報告する場合があります。たとえば、ユーザがメッセージを聞く際に、メッセージの再生速度が、メッセージを残したユーザの録音名やメッセージのプロパティ(タイム スタンプやメッセージ番号など)の再生速度と異なっているとユーザが報告する場合が考えられます。 このような不整合は、次の制限によるものです。
|
||
未読のメッセージ |
組織での Unity Connection の設定方法によっては、新規メッセージを聞いているときに電話が意図的または不意に切断された場合(ユーザが電話を切ったり、携帯電話がバッテリ切れまたは圏外になったりしたときなど)の Unity Connection でのメッセージ処理に対して、ユーザがとまどうことが予想されます。ユーザの中には、Unity Connection によってメッセージが既読としてマークされたと誤って考える方がいるかもしれませんが、そうではありません。 電話が切断された場合に Unity Connection が未読メッセージを処理する方法を変更できます。これを行うには、Cisco Unity Connection Administration の [システム設定(System Settings)] > [詳細設定(Advanced)] > [カンバセーション(Conversations)] ページで、[ユーザが電話を切った場合はメッセージを開封済みにする(Mark Message Saved If User Hangs Up)] の設定を調整します。 |
||
未送信メッセージ |
組織での Unity Connection の設定方法によっては、メッセージを送信、返信、または転送しているときに電話が意図的または不意に切断された場合(ユーザが電話を切ったり、携帯電話がバッテリ切れまたは圏外になったりしたときなど)の Unity Connection でのメッセージ処理に対して、ユーザがとまどうことが予想されます。ユーザの中には、Unity Connection によって未送信メッセージ用のドラフト フォルダが生成されていると考える方もいるかもしれませんが、そうではありません。 電話が切断された場合に Unity Connection が未送信メッセージを処理する方法を変更できます。これを行うには、Cisco Unity Connection Administration の [システム設定(System Settings)] > [詳細設定(Advanced)] > [カンバセーション(Conversations)] ページで、[録音中にユーザが電話を切ったらメッセージを送信する(Send Message If User Hangs Up During Recording)] の設定を調整します。 |