一般
Quality of Service(QoS)は、トラフィックを優先順位付けするスイッチの機能であり、結果として、重要なネットワークトラフィックのパフォーマンスが向上します。QoS はスイッチによって異なります。スイッチのレベルが高いほど、そのスイッチで動作するネットワーク アプリケーション レイヤが高くなります。キューの数は、優先順位付けに使用される情報の種類と同様に異なります。
QoSプロパティ
Quality of Service(QoS)はトラフィックのタイプに基づいてトラフィックフローを優先順位付けし、遅延の影響を受けやすいアプリケーション(音声やビデオなど)のトラフィックの優先順位付けに適用したり、遅延に依存しないトラフィックの影響を制御したりできます。
QoS プロパティを設定するには、次の手順を実行します。
手順
ステップ 1 |
[Quality of Service] > [General] > [QoS Properties] をクリックします。 |
ステップ 2 |
QoS モードを設定します。次のオプションを使用できます。
|
ステップ 3 |
デバイス上のすべてのポート/LAG とそれらの CoS 情報を表示または修正するには、[Port/LAG] を選択し、[Go] をクリックします。 すべてのポート/LAG について、次のフィールドが表示されます。
|
ステップ 4 |
[Apply] をクリックします。実行コンフィギュレーション ファイルが更新されます。 インターフェイスの QoS を設定するには、インターフェイスを選択し、[Edit] をクリックします。 |
ステップ 5 |
パラメータを入力します。
|
ステップ 6 |
[Apply] をクリックします。インターフェイスのデフォルト CoS 値が実行コンフィギュレーション ファイルに保存されます。 デフォルトの CoS 値を復元するには、[Restore CoS Defaults] をクリックします。 |
キュー
デバイスでは、インターフェイスごとに 8 つのキューがサポートされます。キュー番号 8 は、最もプライオリティの高いキューです。キュー番号 1 は、最もプライオリティの低いキューです。
キュー内のトラフィックを処理する方式には、絶対優先 と加重ラウンド ロビン(WRR)の 2 つがあります。
-
完全優先:プライオリティが最も高いキュー内のトラフィックが最初に送出されます。それより低いキュー内のトラフィックは、プライオリティが最高のキュー内のトラフィックが創出された後にのみ送出されます。したがって、プライオリティが最高のトラフィックは最大番号のキューに格納されます。
-
[Weighted Round Robin (WRR)]:WRR モードでは、キューから送出されるパケット数は、キューのウェイトに比例します(キューのウェイトが大きいほど、送出されるフレームの数が多くなる)。たとえば、許容最大数の 4 個のキューがあり、4 個のキューすべてが WRR モードに設定されていて、デフォルトのウェイト設定が使用されている場合、すべてのキューが飽和状態になっていて輻輳が発生していると仮定すると、キュー 1 では帯域幅の 1/15、キュー 2 では 2/15、キュー 3 では 4/15、キュー 4 では 8/15 がそれぞれ使用されます。このデバイスで使用される WRR アルゴリズムの種類は、一般的な Deficit WRR(DWRR)ではなく Shaped Deficit WRR(SDWRR)です。
キューイング モードは [Queue] ページで選択できます。キューイング モードが SP の場合、プライオリティによって各キューの処理順序が決まります。まず、プライオリ ティが最高のキューから開始し、各キューが完了すると、プライオリティが次に高いキューに移ります。
キューイング モードが加重ラウンド ロビンの場合は、キューに割り当てられた帯域幅がすべて使用されるまでキューが処理され、その後に別のキューが処理されます。プライオリティの低いキューを WRR モードに設定し、プライオリティの高いキューを SP モードに設定することもできます。この場合、SP モードのキュー内のトラフィックは常に、WRR モードのキュー内のトラフィックよりも先に送出されます。SP モードのキューが空になると、WRR モードのキュー内のトラフィックの送出が開始されます。(各 WRR キューからの相対的な送出割合は、キューのウェイトに依存する)。
プライオリティ方式を選択し、WRR データを入力するには、次の手順を実行します。
手順
ステップ 1 |
[Quality of Service] > [General] > [Queue] をクリックします。 |
ステップ 2 |
パラメータを入力します。
|
ステップ 3 |
[Apply] をクリックします。キューが設定され、実行コンフィギュレーション ファイルが更新されます。 |
CoS/802.1p 値のキューへのマッピング
[CoS/802.1p to Queue] ページでは、802.1p プライオリティを出力キューにマッピングできます。[CoS/802.1p 値のキューへのマッピング テーブル(CoS/802.1p to Queue Table] では、着信パケットの出力キューが、パケットの VLAN タグ内の 802.1p プライオリティに基づいて決定されます。タグなし着信パケットの場合、802.1p プライオリティは、入力ポートに割り当てられているデフォルトの CoS/802.1p プライオリティです。
キューが 8 個の場合のデフォルトのマッピングを、以下の表に示します。
802.1p 値(0 ~ 7。プライオリティは 7 が最高) |
キュー(キューが 8 個(1 ~ 8)の場合。プライオリティは 8 が最高) |
7 個のキュー |
注記 |
---|---|---|---|
0 |
1 |
1 |
バックグラウンド |
1 |
2 |
1 |
ベスト エフォート |
2 |
3 |
2 |
エクセレント エフォート |
3 |
6 |
5 |
基幹アプリケーション:LVS 電話の SIP |
4 |
5 |
4 |
ビデオ |
5 |
8 |
7 |
音声:Cisco IP Phone のデフォルト |
6 |
8 |
7 |
インターワーク制御LVS 電話の RTP |
7 |
7 |
6 |
ネットワーク制御 |
CoS/802.1p 値とキューのマッピング([CoS/802.1p to Queue])、キューのスケジュール方式と帯域割り当てを調整することにより、ネットワークでのサービス品質目標を達成できます。
CoS/802.1p 値からキューへのマッピングは、次のいずれかの場合にのみ適用されます。
-
デバイスが QoS 基本モードかつ CoS/802.1p 信頼モードである場合。
-
デバイスが QoS 拡張モードであり、CoS/802.1p が信頼されているフローにパケットが属する場合。
CoS 値を出力キューにマッピングするには、次の手順を実行します。
手順
ステップ 1 |
[Quality of Service] > [General] > [CoS/802.1p to Queue] をクリックします。 |
ステップ 2 |
パラメータを入力します。
|
ステップ 3 |
それぞれの 802.1p プライオリティをマッピングする出力キューを選択します。 |
ステップ 4 |
[Apply]、[Cancel]、または [Restore Defaults] をクリックします。801.1p プライオリティ値がキューにマッピングされて実行コンフィギュレーション ファイルが更新されるか、入力された変更がキャンセルされるか、または以前に定義された値が復元されます。 |
DSCP値のキューへのマッピング
[DSCP (IP Differentiated Services Code Point) to Queue] ページでは、DSCP 値が出力キューにマッピングされます。[DSCP to Queue Table] では、着信パケットの出力キューが、パケットの DSCP 値に基づいて決定されます。着信パケットの元の VPT(VLAN プライオリティ タグ)値は変更されません。
DSCP 値とキューのマッピング、キューイングモード、および帯域割り当てを調整することにより、ネットワーク上でサービス品質目標を達成できます。
次の場合、DSCP 値のキューへのマッピングに IP パケットに適用できます。
-
デバイスが QoS 基本モードであり、かつ DSCP が信頼モードである場合。
-
デバイスが QoS 拡張モードであり、パケットが DSCP 信頼であるフローに属する場合。
非 IP パケットは、常にベスト エフォート キューに格納されます。
8 キューシステムでの DSCP からキューへのデフォルトマッピングを、以下の表に示します。7 が最高であり、8 はスタックコントロール用に使用されます。
DSCP |
63 |
55 |
47 |
39 |
31 |
23 |
15 |
7 |
キュー |
6 |
6 |
7 |
5 |
4 |
3 |
2 |
1 |
DSCP |
62 |
54 |
46 |
38 |
30 |
22 |
14 |
6 |
キュー |
6 |
6 |
7 |
5 |
4 |
3 |
2 |
1 |
DSCP |
61 |
53 |
45 |
37 |
29 |
21 |
13 |
5 |
キュー |
6 |
6 |
7 |
5 |
4 |
3 |
2 |
1 |
DSCP |
60 |
52 |
44 |
36 |
28 |
20 |
12 |
4 |
キュー |
6 |
6 |
7 |
5 |
4 |
3 |
2 |
1 |
DSCP |
59 |
51 |
43 |
35 |
27 |
19 |
11 |
3 |
キュー |
6 |
6 |
7 |
5 |
4 |
3 |
2 |
1 |
DSCP |
58 |
50 |
42 |
34 |
26 |
18 |
10 |
2 |
キュー |
6 |
6 |
7 |
5 |
4 |
3 |
2 |
1 |
DSCP |
57 |
49 |
41 |
33 |
25 |
17 |
9 |
1 |
キュー |
6 |
6 |
7 |
5 |
4 |
3 |
2 |
1 |
DSCP |
56 |
48 |
40 |
32 |
24 |
16 |
8 |
0 |
キュー |
6 |
6 |
6 |
7 |
6 |
6 |
1 |
1 |
8 キューシステムの場合の DSCP 値のキューへのデフォルトのマッピングを、以下の表に示します。8 が最高です。
DSCP |
63 |
55 |
47 |
39 |
31 |
23 |
15 |
7 |
キュー |
7 |
7 |
8 |
6 |
5 |
4 |
3 |
1 |
DSCP |
62 |
54 |
46 |
38 |
30 |
22 |
14 |
6 |
キュー |
7 |
7 |
8 |
6 |
5 |
4 |
3 |
1 |
DSCP |
61 |
53 |
45 |
37 |
29 |
21 |
13 |
5 |
キュー |
7 |
7 |
8 |
6 |
5 |
4 |
3 |
1 |
DSCP |
60 |
52 |
44 |
36 |
28 |
20 |
12 |
4 |
キュー |
7 |
7 |
8 |
6 |
5 |
4 |
3 |
1 |
DSCP |
59 |
51 |
43 |
35 |
27 |
19 |
11 |
3 |
キュー |
7 |
7 |
8 |
6 |
5 |
4 |
3 |
1 |
DSCP |
58 |
50 |
42 |
34 |
26 |
18 |
10 |
2 |
キュー |
7 |
7 |
8 |
6 |
5 |
4 |
3 |
1 |
DSCP |
57 |
49 |
41 |
33 |
25 |
17 |
9 |
1 |
キュー |
7 |
7 |
8 |
6 |
5 |
4 |
3 |
1 |
DSCP |
56 |
48 |
40 |
32 |
24 |
16 |
8 |
0 |
キュー |
7 |
7 |
7 |
8 |
7 |
7 |
1 |
2 |
DSCP をキューにマッピングするには、次の手順を実行します。
手順
ステップ 1 |
[Quality of Service] > [General] > [DSCP to Queue] をクリックします。 [DSCP値のキューへのマッピング] ページには、[入力DSCP] フィールドが含まれています。このフィールドには着信パケットの DSCP 値とその関連クラスが表示されます。 |
ステップ 2 |
[出力キュー] で、DSCP 値をマッピングする出力キュー(トラフィック フォワーディング キュー)を選択します。 |
ステップ 3 |
[Apply] をクリックします。実行コンフィギュレーション ファイルが更新されます。デフォルト設定に戻すには、[Restore Defaults] をクリックします。 |
帯域幅
(注) |
この設定は、[Advanced Setting] ビューでのみ使用できます。 |
[Bandwidth] ページには、各インターフェイスの帯域幅情報が表示されます。帯域幅情報を表示するには、次の手順を実行します。
手順
ステップ 1 |
[Quality of Service] > [General] > [Bandwidth] をクリックします。 このページのフィールドは、次のフィールドを除いて、下記の [Edit] ページで説明されています。
|
||||||||||||||
ステップ 2 |
インターフェイスを選択して、[Edit] をクリックします。 |
||||||||||||||
ステップ 3 |
[ポート] または [LAG] インターフェイスを選択します。 |
||||||||||||||
ステップ 4 |
選択したインターフェイスに関する次のフィールドの値を入力します。
|
||||||||||||||
ステップ 5 |
[Apply] をクリックします。帯域幅設定は、実行コンフィギュレーション ファイルに書き込まれます。 |
キューあたりの出力シェーピング
この設定は、[Advanced Setting] ビューでのみ使用できます。
このデバイスでは、[Bandwidth] ページにおいてポート単位で入出力レートを制限できるだけでなく、選択した出力フレームの入出力レートをキュー単位、ポート単位で制限することもできます。出力レートを制限するには、出力負荷をシェーピングします。
このデバイスでは、管理フレーム以外のすべてのフレームを制限できます。制限されていないフレームは、レートの計算では無視されます。つまり、フレームのサイズは制限の合計に含まれません。
キューごとに出力シェーピングを設定するには、次の手順を実行します。
手順
ステップ 1 |
[Quality of Service] > [General] > [Egress Shaping per Queue] をクリックします。 [Egress Shaping Per Queue] ページには、キューごとのレート制限(CIR)とバーストサイズ(CBS)が表示されます。 |
ステップ 2 |
インターフェイス タイプ(ポートまたは LAG)を選択し、[Go] をクリックします。 |
ステップ 3 |
ポート/LAG を選択して [Edit] をクリックします。 このページでは、インターフェイスごとに最大 8 個のキューに対して出力シェーピングを有効にすることができます。 |
ステップ 4 |
[Interface] を選択します。 |
ステップ 5 |
必要な各キューに関して、次のフィールドに入力します。
|
ステップ 6 |
[Apply] をクリックします。帯域幅設定は、実行コンフィギュレーション ファイルに書き込まれます。 |
VLAN入力レート制限
この設定は、[Advanced Setting] ビューでのみ使用できます。
[VLAN 入力レート制限] ページで VLAN ごとにレート制限を実行すると、VLAN 上でのトラフィック制限が有効になります。VLAN 入力レート制限が設定されている場合、そのデバイス上のすべてのポートからの集約トラフィックが制限されます。
VLAN ごとのレート制限には、次の制約が適用されます。
-
システム内で定義されている他のトラフィック ポリシングよりも低い優先度になります。たとえば、QoS レート制限と VLAN レート制限がパケットに適用されていて、それらのレート制限が競合する場合、QoS レート制限が優先されます。
-
これはデバイスレベルで適用され、そのデバイス内部ではパケットプロセッサレベルで適用されます。デバイス上に複数のパケットプロセッサがある場合、設定されている VLAN レート制限値が、各パケットプロセッサに個別に適用されます。ポート数が 24 個以下のデバイスの場合、パケット プロセッサは 1 個ですが、ポート数が 48 個以上のデバイスにはパケット プロセッサが 2 個あります。
レート制限は、ユニット中のパケット プロセッサごとに別個に計算されます。
VLAN 入力レート制限を定義するには、次の手順を実行します。
手順
ステップ 1 |
[Quality of Service] > [General] > [VLAN Ingress Rate Limit] をクリックします。 このページには、VLAN 入力レート制限テーブルが表示されます。 |
ステップ 2 |
[Add] をクリックします。 |
ステップ 3 |
パラメータを入力します。
|
ステップ 4 |
[Apply] をクリックします。VLAN レート制限が追加され、実行コンフィギュレーション ファイルが更新されます。 |
iSCSI
この設定は、[Advanced Setting] ビューでのみ使用できます。
このページでは、iSCSI 最適化をアクティブにすることができます。これは、iSCSI トラフィックを他のタイプのトラフィックより優先するメカニズムのセットアップを意味します。この機能がデバイス上で有効になっている場合は、すべてのインターフェイス上の iSCSI トラフィックに定義済みの優先順位が割り当てられ、iSCSI トラフィックはインターフェイス上で設定された ACL またはポリシールールの影響を受けなくなります。
iSCSI トラフィックは、iSCSI ターゲットが要求をリッスンする TCP ポートによって(また、必要に応じて、iSCSI ターゲットが要求をリッスンする IPv4 アドレスによっても)識別されます。デフォルトで、ウェルノウン TCP ポート 3260 と 860 を使用した 2 つの iSCSI IPv4 フローがデバイス上で定義されます。iSCSI フローの最適化は双方向に、つまり、ターゲットへとターゲットからの両方向のストリームに適用されます。
iSCSI トラフィックに優先順位を付け、必要であればマーキングするためのメカニズムを有効にして設定するには、次の手順を実行します。
手順
ステップ 1 |
[Quality of Service] > [General] > [iSCSI] をクリックします。 |
ステップ 2 |
[iSCSI Status] フィールドで [Enable] チェックボックスをオンにして、デバイス上の iSCSI トラフィックの処理を有効にします。 |
ステップ 3 |
[サービス設定の品質] の下のフィールドに入力します。
|
ステップ 4 |
[Apply] をクリックして設定を保存します。 iSCSI フロー テーブルに、定義されたさまざまな iSCSI フローが表示されます。ウェルノウン TCP ポート 3260 および 860 を使用した 2 つの iSCSI フローが表示されます。これらのフローの [Flow Type] は [Default] です。新しいフローを追加すると、その [Flow Type] が [Static] になります。 新しいフローを追加するには、次の手順に従います。 |
ステップ 5 |
[Add] をクリックして、次のフィールドに入力します。
|
ステップ 6 |
[Apply] をクリックして設定を保存します。 デフォルト フローを復元する場合は、[Restore Default Flows] をクリックします。 |
TCP 輻輳回避
この設定は、[Advanced Setting] ビューでのみ使用できます。
[TCP Congestion Avoidance] ページでは、TCP 輻輳回避アルゴリズムをアクティブにすることができます。このアルゴリズムは、さまざまな送信元が同じバイト カウントのパケットを送信しているためにノードで輻輳が発生している場合に、その輻輳ノードでの TCP グローバル同期を無効にするか、または回避します。
TCP 輻輳回避を設定するには、次の手順を実行します。
手順
ステップ 1 |
[Quality of Service] > [General] > [TCP Congestion Avoidance] をクリックします。 |
ステップ 2 |
[Enable] をクリックして TCP 輻輳回避を有効にして、[Apply] をクリックします。 |