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ご使用のソフトウェア リリースでは、このモジュールで説明されるすべての機能がサポートされているとは限りません。最新の機能情報および警告については、使用するプラットフォームおよびソフトウェア リリースの Bug Search Tool およびリリース ノートを参照してください。このモジュールに記載されている機能の詳細を検索し、各機能がサポートされているリリースのリストを確認する場合は、このモジュールの最後にある機能情報の表を参照してください。
プラットフォームのサポートおよびシスコ ソフトウェア イメージのサポートに関する情報を検索するには、Cisco Feature Navigator を使用します。Cisco Feature Navigator には、http://www.cisco.com/go/cfn からアクセスします。Cisco.com のアカウントは必要ありません。
VLAN を作成する前に、ネットワークで VLAN Trunking Protocol(VTP)を使用するかどうかを決定する必要があります。VTP を使用すると、1 つまたは複数のスイッチ上で中央集約的に設定変更を行い、その変更を自動的にネットワーク上の他のスイッチに伝達できます。VTP を使用しない場合、VLAN 情報を他のスイッチに送信することはできません。
VTP は、1 つのスイッチで行われた更新が VTP を介してドメイン内の他のスイッチに送信される環境で動作するように設計されています。VLAN データベースに対する複数の更新が同一ドメイン内のスイッチ上で同時に発生する環境の場合、VTP は適切に機能せず、VLAN データベースの不整合が生じます。
スイッチは合計 4094 の VLAN をサポートします。ただし、ルーテッド ポート、SVI、およびその他の設定済み機能の個数によって、スイッチ ハードウェアの使用状況は左右されます。VTP が新しい VLAN をスイッチに通知し、スイッチが使用可能な最大限のハードウェア リソースをすでに使用している場合、コントローラはハードウェア リソース不足を伝えるメッセージを送信して、VLAN をシャットダウンします。show vlan ユーザ EXEC コマンドの出力に、サスペンド ステートの VLAN が示されます。
トランク ポートは VTP アドバタイズを送受信するので、スイッチまたはスイッチ スタック上で少なくとも 1 つのトランクポートが設定されており、そのトランク ポートが別のスイッチのトランク ポートに接続されていることを確認する必要があります。そうでない場合、スイッチは VTP アドバタイズを受信できません。
次に、VTP に関する制約事項を示します。
VTP の概要
VTP は、レイヤ 2 のメッセージ プロトコルであり、ネットワーク全体にわたって VLAN の追加、削除、名前の変更を管理することにより、VLAN 設定の整合性を維持します。VTP により、VLAN 名の重複、誤った VLAN タイプの指定、セキュリティ違反など、さまざまな問題を引き起こしかねない設定の誤りや矛盾が最小限に抑えられます。
VTP 機能はスタック全体でサポートされており、スタック内のすべてのスイッチが、アクティブ スイッチから継承した同一の VLAN および VTP コンフィギュレーションを保持します。スイッチが VTP メッセージを通じて新しい VLAN について学習したり、ユーザが新しい VLAN を設定したりすると、新しい VLAN 情報がスタック内のすべてのスイッチに伝達されます。
スイッチがスタックに参加するか、またはスタックの結合が発生すると、新しいスイッチはアクティブ スイッチから VTP 情報を取得します。
VTP ドメイン(別名 VLAN 管理ドメイン)は、1 つのスイッチ、または同じ VTP ドメイン名を共有して同一管理下にある相互接続された複数のスイッチまたはスイッチ スタックで構成されます。スイッチは、1 つの VTP ドメインにだけ所属できます。そのドメインに対してグローバル VLAN の設定を変更します。
デフォルトの設定では、トランク リンク(複数 VLAN のトラフィックを伝送するリンク)を介してドメインについてのアドバタイズを受信しない限り、またはユーザがドメイン名を設定しない限り、スイッチは VTP 非管理ドメイン ステートです。管理ドメイン名を指定するか学習するまでは、VTP サーバ上で VLAN を作成または変更できません。また、VLAN 情報はネットワークを介して伝播されません。
スイッチが、トランク リンクを介して VTP アドバタイズを受信した場合、管理ドメイン名および VTP 設定のリビジョン番号を継承します。その後スイッチは、別のドメイン名または古いコンフィギュレーション リビジョン番号が指定されたアドバタイズについては、すべて無視します。
VTP サーバ上の VLAN 設定を変更すると、その変更は VTP ドメイン内のすべてのスイッチに伝播されます。VTP アドバタイズは、IEEE 802.1Q を含め、すべての IEEE トランク接続に送信されます。VTP は、複数の LAN タイプにわたり、固有の名前と内部インデックスの対応によって VLAN を動的にマッピングします。このマッピングにより、ネットワーク管理者がデバイスを管理するための作業負担が大幅に軽減されます。
VTP トランスペアレント モードでスイッチを設定した場合、VLAN の作成および変更は可能ですが、その変更はドメイン内の他のスイッチには送信されません。また、変更が作用するのは、個々のスイッチに限られます。ただし、スイッチがこのモードのときに設定を変更すると、変更内容がスイッチの実行コンフィギュレーションに保存されます。この変更はスイッチのスタートアップ コンフィギュレーション ファイルに保存することもできます。
VTP ドメイン内の各スイッチは、専用のマルチキャスト アドレスに対して、それぞれのトランク ポートからグローバル コンフィギュレーション アドバタイズを定期的に送信します。ネイバー スイッチは、このようなアドバタイズを受信し、必要に応じて各自の VTP および VLAN 設定をアップデートします。
VTP アドバタイズにより、次のグローバル ドメイン情報が配信されます。
VTP アドバタイズではさらに、設定されている各 VLAN について、次の VLAN 情報が配信されます。
VTP バージョン 3 では、VTP アドバタイズにはプライマリ サーバ ID、インスタンス番号、および開始インデックスも含まれます。
ネットワークで VTP を使用する場合、VTP のどのバージョンを使用するかを決定する必要があります。デフォルトでは、バージョン 1 の VTP が動作します。
VTP バージョン 1 でサポートされず、バージョン 2 でサポートされる機能は、次のとおりです。
トークンリング サポート:VTP バージョン 2 は、トークンリング ブリッジ リレー機能(TrBRF)およびトークンリング コンセントレータ リレー機能(TrCRF)VLAN をサポートします。
認識不能な Type-Length-Value(TLV)のサポート:VTP サーバまたは VTP クライアントは、TLV が解析不能であっても、設定の変更を他のトランクに伝播します。認識されなかった TLV は、スイッチが VTP サーバ モードで動作している場合、NVRAM に保存されます。
バージョン依存型トランスペアレント モード:VTP バージョン 1 の場合、VTP トランスペアレント スイッチが VTP メッセージ中のドメイン名およびバージョンを調べ、バージョンおよびドメイン名が一致する場合に限りメッセージを転送します。VTP バージョン 2 がサポートするドメインは 1 つだけですが、VTP バージョン 2 トランスペアレント スイッチは、ドメイン名が一致した場合のみメッセージを転送します。
整合性検査:VTP バージョン 2 では、CLI または SNMP を介して新しい情報が入力された場合に限り、VLAN 整合性検査(VLAN 名、値など)を行います。VTP メッセージから新しい情報を取得した場合、または NVRAM から情報を読み込んだ場合には、整合性検査を行いません。受信した VTP メッセージの MD5 ダイジェストが有効であれば、情報を受け入れます。
VTP バージョン 1 または 2 でサポートされず、バージョン 3 でサポートされる機能は、次のとおりです。
拡張認証:認証を hidden または secret として設定できます。設定を hidden にしている場合、パスワード文字列からの秘密キーは VLAN のデータベース ファイルに保存されますが、設定においてプレーン テキストで表示されることはありません。代わりに、パスワードに関連付けられているキーが 16 進表記で実行コンフィギュレーションに保存されます。ドメインにテイクオーバー コマンドを入力するときは、パスワードを再入力する必要があります。キーワード secret を入力する場合、パスワードに秘密キーを直接設定できます。
拡張範囲 VLAN (VLAN 1006 ~ 4094)データベース伝播のサポート:VTP バージョン 1 および 2 では VLAN 1 ~ 1005 だけが伝播されます。
![]() (注) | VTP プルーニングは引き続き VLAN 1 ~ 1005 にだけ適用され、VLAN 1002 ~ 1005 は予約されたままで変更できません。 |
ドメイン内のデータベースのサポート:VTP 情報の伝播に加え、バージョン 3 では、Multiple Spanning Tree(MST)プロトコル データベース情報も伝播できます。VTP プロトコルの個別インスタンスが VTP を使用する各アプリケーションで実行されます。
VTP プライマリ サーバと VTP セカンダリ サーバ:VTP プライマリ サーバは、データベース情報を更新し、システム内のすべてのデバイスに適用されるアップデートを送信します。VTP セカンダリ サーバで実行できるのは、プライマリ サーバから NVRAM に受け取ったアップデート済み VTP コンフィギュレーションのバックアップだけです。
デフォルトでは、すべてのデバイスはセカンダリ サーバとして起動します。vtp primary 特権 EXEC コマンドを入力してプライマリ サーバを指定することができます。プライマリ サーバのステータスは、管理者がドメインでテイクオーバー メッセージを発行する場合、データベースのアップデート用に必要となるだけです。プライマリ サーバなしで実用 VTP ドメインを持つことができます。プライマリ サーバのステータスは、スイッチにパスワードが設定されている場合でも、装置がリロードしたり、ドメインのパラメータが変更したりすると失われます。
VTP をトランク単位(ポート単位)でオンまたオフにするオプション:ポート単位で VTP をイネーブルまたはディセーブルにするには、[no] vtp インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを入力します。トランク ポート上で VTP をディセーブルにすると、そのポートのすべての VTP インスタンスがディセーブルになります。VTP の設定を、MST データベースには off にする一方で、同じポートの VLAN データベースには on にすることはできません。
グローバルに VTP モードをオフに設定すると、システムのすべてのトランク ポートにこの設定が適用されます。ただし、VTP インスタンス ベースでこのモードのオンまたはオフを指定することはできます。たとえば、VLAN データベースには、スイッチを VTP サーバとして設定する一方で、MST データベースには VTP を off に設定することができます。
VTP プルーニングを使用すると、トラフィックが宛先デバイスに到達するために使用しなければならないトランク リンクへのフラッディング トラフィックが制限されるので、使用可能なネットワーク帯域幅が増えます。VTP プルーニングを使用しない場合、スイッチは受信側のスイッチで廃棄される可能性があっても、VTP ドメイン内のすべてのトランク リンクに、ブロードキャスト、マルチキャスト、および不明のユニキャスト トラフィックをフラッディングします。VTP プルーニングはデフォルトでディセーブルです。
VTP プルーニングは、プルーニング適格リストに指定された VLAN トランク ポートへの不要なフラッディング トラフィックを阻止します。プルーニング適格リストに指定された VLAN だけが、プルーニングの対象になります。デフォルトでは、スイッチのトランク ポート上で VLAN 2 ~ 1001 がプルーニング適格です。プルーニング不適格として設定した VLAN については、引き続きフラッディングが行われます。VTP プルーニングはすべてのバージョンの VTP でサポートされます。
VTP サーバで VTP プルーニングをイネーブルにすると、管理ドメイン全体でプルーニングがイネーブルになります。VLAN をプルーニング適格または不適格として設定する場合、影響を受けるのは、そのトランク上の VLAN のプルーニングだけです(VTP ドメイン内のすべてのスイッチに影響するわけではありません)。
VTP プルーニングは、イネーブルにしてから数秒後に有効になります。VTP プルーニング不適格の VLAN からのトラフィックは、プルーニングの対象になりません。VLAN 1 および VLAN 1002 ~ 1005 は常にプルーニング不適格です。これらの VLAN からのトラフィックはプルーニングできません。拡張範囲 VLAN(1005 を超える VLAN ID)もプルーニング不適格です。
VTP 設定は、スイッチ スタックのすべてのメンバで同一です。スイッチ スタックが VTP サーバ、クライアント、またはトランスペアレント モードになっている場合、スタック内のすべてのスイッチの VTP 設定が同一になります。
VTP バージョン 3 は、スタンドアロン スイッチでもスタックでも同じように機能しますが、スイッチ スタックが VTP データベースのプライマリ サーバである場合だけは例外です。この場合は、アクティブなスイッチの MAC アドレスがプライマリ サーバ ID として使用されます。アクティブなスイッチがリロードされるか電源オフになると、新たにアクティブなスイッチが選択されます。
VTP 設定時の注意事項
VTP を設定する場合は、スイッチがドメイン内の他のスイッチと VTP アドバタイズを送受信できるように、トランク ポートを設定する必要があります。
VTP 情報は VTP VLAN データベースに保存されます。VTP モードがトランスペアレントである場合、VTP ドメイン名およびモードはスイッチの実行コンフィギュレーション ファイルにも保存されます。この情報をスイッチのスタートアップ コンフィギュレーション ファイルに保存するには、copy running-config startup-config 特権 EXEC コマンドを入力します。スイッチをリセットした場合にも、VTP モードをトランスペアレントとして保存するには、このコマンドを使用する必要があります。
スイッチのスタートアップ コンフィギュレーション ファイルに VTP 情報を保存して、スイッチを再起動すると、スイッチの設定は次のように選択されます。
スタートアップ コンフィギュレーションおよび VLAN データベース内の VTP モードがトランスペアレントであり、VLAN データベースとスタートアップ コンフィギュレーション ファイルの VTP ドメイン名が一致する場合は、VLAN データベースが無視され(クリアされ)、スタートアップ コンフィギュレーション ファイル内の VTP および VLAN 設定が使用されます。VLAN データベース内の VLAN データベース リビジョン番号は変更されません。
スタートアップ コンフィギュレーション内の VTP モードまたはドメイン名が VLAN データベースと一致しない場合、VLAN ID 1 ~ 1005 のドメイン名、VTP モード、および VTP 設定には VLAN データベース情報が使用されます。
VTP を初めて設定するときは、必ずドメイン名を割り当てる必要があります。また、VTP ドメイン内のすべてのスイッチを、同じドメイン名で設定しなければなりません。VTP トランスペアレント モードのスイッチは、他のスイッチと VTP メッセージを交換しません。これらのコントローラについては VTP ドメイン名を設定する必要はありません。
![]() (注) | NVRAM および DRAM の記憶域が十分にある場合は、VTP ドメイン内のすべてのスイッチを VTP サーバ モードにする必要があります。 |
![]() 注意 | すべてのスイッチが VTP クライアント モードで動作している場合は、VTP ドメインを設定しないでください。ドメインを設定すると、そのドメインの VLAN 設定を変更できなくなります。VTP ドメイン内の少なくとも 1 台のスイッチを VTP サーバ モードに設定してください。 |
VTP ドメインのパスワードは設定できますが、必須ではありません。ドメイン パスワードを設定する場合は、すべてのドメイン スイッチで同じパスワードを共有し、管理ドメイン内のスイッチごとにパスワードを設定する必要があります。パスワードのないスイッチ、またはパスワードが不正なコントローラは、VTP アドバタイズを拒否します。
ドメインに VTP パスワードを設定する場合、VTP 設定なしで起動したスイッチは、正しいパスワードを使用して設定しない限り、VTP アドバタイズを受信しません。設定後、スイッチは同じパスワードおよびドメイン名を使用した次の VTP アドバタイズを受信します。
VTP 機能を持つ既存のネットワークに新しいスイッチを追加した場合、その新しいスイッチに適切なパスワードを設定して初めて、そのコントローラはドメイン名を学習します。
![]() 注意 | VTP ドメイン パスワードを設定したにもかかわらず、ドメイン内の各スイッチに管理ドメイン パスワードを割り当てなかった場合には、管理ドメインが正常に動作しません。 |
実装する VTP バージョンを決定する場合は、次の注意事項に従ってください。
VTP ドメイン内のすべてのスイッチは同じドメイン名を使用する必要がありますが、すべてが同じ VTP バージョンを実行する必要はありません。
VTP バージョン 2 対応のスイッチ上で VTP バージョン 2 がディセーブルに設定されている場合、VTP バージョン 2 対応スイッチは、VTP バージョン 1 を実行しているスイッチと同じ VTP ドメインで動作できます(デフォルトでは VTP バージョン 2 はディセーブルになっています)。
VTP バージョン 1 を実行しているものの、VTP バージョン 2 に対応可能なスイッチが VTP バージョン 3 アドバタイズを受信すると、このコントローラは VTP バージョン 2 に自動的に移行します。
VTP バージョン 3 を実行しているスイッチが VTP バージョン 1 を実行しているスイッチに接続すると、VTP バージョン 1 のスイッチは VTP バージョン 2 に移行し、VTP バージョン 3 のスイッチは、スケールダウンしたバージョンの VTP パケットを送信するため、VTP バージョン 2 スイッチは自身のデータベースをアップデートできます。
VTP バージョン 3 を実行するスイッチは、拡張 VLAN を持つ場合はバージョン 1 または 2 に移行できません。
同一 VTP ドメイン内のすべてのスイッチがバージョン 2 に対応可能な場合を除いて、スイッチ上で VTP バージョン 2 をイネーブルにしないでください。1 つのスイッチでバージョン 2 をイネーブルにすると、ドメイン内のすべてのバージョン 2 対応スイッチでバージョン 2 がイネーブルになります。バージョン 1 専用のスイッチがドメインに含まれている場合、そのコントローラはバージョン 2 対応スイッチとの間で VTP 情報を交換できません。
VTP バージョン 1 および 2 スイッチは、VTP バージョン 3 アドバタイズメントを転送できないため、ネットワークのエッジに配置することをお勧めします。
使用環境に TrBRF および TrCRF トークンリング ネットワークが含まれている場合に、トークンリング VLAN スイッチング機能を正しく動作させるには、VTP バージョン 2 またはバージョン 3 をイネーブルにする必要があります。トークンリングおよびトークンリング Net を実行する場合は、VTP バージョン 2 をディセーブルにします。
VTP バージョン 1 およびバージョン 2 は、拡張範囲 VLAN(VLAN 1006 ~ 4094)の設定情報を伝播しません。これらの VLAN は各装置で手動によって設定する必要があります。VTP バージョン 3 は拡張範囲 VLAN と、拡張範囲 VLAN データベースの伝播をサポートします。
VTP バージョン 3 装置のトランク ポートが VTP バージョン 2 装置からのメッセージを受信した場合、この装置は、VLAN データベースをスケールダウンし、その特定のトランク上で VTP バージョン 2 フォーマットを使用して送信します。VTP バージョン 3 装置は、最初にそのトランク ポートで VTP バージョン 2 パケットを受信しない限り、VTP バージョン 2 フォーマットのパケットを送信しません。
VTP バージョン 3 装置が、あるトランク ポートで VTP バージョン 2 装置を検出した場合、両方のネイバーが同一トランク上で共存できるように、VTP バージョン 2 パケットだけでなく VTP バージョン 3 パケットの送信も継続します。
2 つの VTP バージョン 3 リージョンは、VTP バージョン 1 リージョンまたはバージョン 2 リージョンでは、トランスペアレント モードでだけ通信できます。
VTP バージョン 1 およびバージョン 2 は、拡張範囲 VLAN(VLAN 1006 ~ 4094)の設定情報を伝播しません。これらの VLAN を各装置上に手動で設定する必要があります。
スイッチを VTP クライアント モードに設定した場合、スイッチでは VLAN データベース ファイル(vlan.dat)は作成されません。そのままスイッチの電源をオフにすると、VTP 設定はデフォルトにリセットされます。スイッチが再起動された後も VTP 設定を VTP クライアント モードに維持するには、VTP モードを設定する前に、VTP ドメイン名を設定する必要があります。
![]() 注意 | すべてのスイッチが VTP クライアント モードで動作している場合は、VTP ドメイン名を設定しないでください。ドメイン名を設定すると、そのドメインの VLAN 設定を変更できなくなります。したがって、少なくとも 1 つのスイッチを VTP サーバとして設定してください。 |
VTP の設定方法
VTP サーバ モード:VTP サーバ モードでは、VLAN の設定を変更し、ネットワーク全体に伝播させることができます。
VTP クライアント モード:VTP クライアント モードでは、VLAN の設定を変更できません。クライアント スイッチは、VTP ドメイン内の VTP サーバから VTP アップデート情報を受信し、それに基づいて設定を変更します。
VTP トランスペアレント モード:VTP トランスペアレント モードでは、スイッチで VTP がディセーブルになります。スイッチは VTP アップデートを送信せず、他のスイッチから受信した VTP アップデートにも反応しません。ただし、VTP バージョン 2 を実行する VTP トランスペアレント モードのスイッチは、対応するトランク リンクで、受信した VTP アドバタイズを転送します。
VTP オフ モード:VTP オフ モードは、VTP アドバタイズが転送されない以外は、VTP トランスペアレント モードと同じです。
スイッチで VTP バージョン 3 のパスワードを設定できます。
コマンドまたはアクション | 目的 | |
---|---|---|
ステップ 1 | configureterminal 例: Switch# configure terminal | |
ステップ 2 | vtp password password [hidden | secret] 例: Switch(config)# vtp password mypassword hidden | |
ステップ 3 | end 例: Switch(config)# end | |
ステップ 4 | show vtp
password 例: Switch# show vtp password | |
ステップ 5 | copy
running-config startup-config 例: Switch# copy running-config startup-config |
コマンドまたはアクション | 目的 |
---|
デフォルトで VTP バージョン 2 およびバージョン 3 はディセーブルになっています。
1 つのスイッチ上で VTP バージョン 2 をイネーブルにすると、VTP ドメイン内の VTP バージョン 2 に対応可能なすべてのスイッチでバージョン 2 がイネーブルになります。VTP バージョン 3 をイネーブルにするには、各スイッチ上で手動によって設定する必要があります。
VTP バージョン 1 および 2 では、このバージョンを設定できるのは、VTP サーバ モードまたはトランスペアレント モードのスイッチだけです。スイッチが VTP バージョン 3 を実行し、かつスイッチがクライアント モードの場合、既存の拡張 VLAN がなく、パスワードが非表示に設定されていないときであれば、バージョン 2 に変更できます。
![]() 注意 | 同一 VTP ドメイン内のスイッチ上で、VTP バージョン 1 と VTP バージョン 2 は相互運用できません。VTP ドメイン内のすべてのスイッチが VTP バージョン 2 をサポートしている場合を除き、VTP バージョン 2 をイネーブルにはしないでください。 |
TrCRF および TrBRF トークンリング環境では、トークンリング VLAN スイッチング機能を正しく動作させるために、VTP バージョン 2 または VTP バージョン 3 をイネーブルにする必要があります。トークンリングおよびトークンリング Net メディアの場合は、VTP バージョン 2 をディセーブルにします。
![]() 注意 | VTP バージョン 3 では、プライマリ サーバとセカンダリ サーバの両方がドメイン内の 1 つのインスタンスに存在できます。 |
コマンドまたはアクション | 目的 |
---|
プルーニングは、トラフィックが宛先デバイスに到達するために使用しなければならないトランク リンクだけにフラッディング トラフィックを制限することによって、使用可能な帯域幅を増やします。VTP プルーニングをイネーブルにできるのは、スイッチ が VTP サーバ モードの場合だけです。
VTP バージョン 1 および 2 では、VTP サーバでプルーニングをイネーブルにすると、その VTP ドメイン全体でプルーニングがイネーブルになります。VTP バージョン 3 では、ドメイン内の各スイッチ上で手動によってプルーニングをイネーブルにする必要があります。
プルーニング適格リストに指定された VLAN だけが、プルーニングの対象になります。デフォルトでは、トランク ポート上で VLAN 2 ~ 1001 がプルーニング適格です。専用の VLAN および拡張範囲 VLAN をプルーニングすることはできません。
VTP プルーニングは VTP トランスペアレント モードでは機能しないように設計されています。ネットワーク内に VTP トランスペアレント モードのスイッチが 1 台または複数存在する場合は、次のいずれかの操作を実行する必要があります。
インターフェイスに VTP プルーニングを設定するには、switchport trunk pruning vlan インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。VTP プルーニングは、インターフェイスがトランキングを実行している場合に作用します。VLAN プルーニングの適格性は、VTP ドメインで VTP プルーニングがイネーブルであるかどうか、特定の VLAN が存在するかどうか、およびインターフェイスが現在トランキングを実行しているかどうかにかかわらず、設定できます。
コマンドまたはアクション | 目的 |
---|
VTP バージョン 3 では、ポート単位で VTP をイネーブルまたはディセーブルにできます。VTP は、トランク モードのポート上でだけイネーブルにできます。VTP トラフィックの着信または発信はブロックされ、転送されません。
コマンドまたはアクション | 目的 | |
---|---|---|
ステップ 1 | configureterminal 例: Switch# configure terminal | |
ステップ 2 | interface interface-id 例: Switch(config)# interface gigabitethernet1/0/1 | |
ステップ 3 | vtp 例: Switch(config)# vtp | |
ステップ 4 | end 例: Switch(config)# end | |
ステップ 5 | show
running-config interface interface-id 例: Switch# show running-config interface gigabitethernet1/0/1 | |
ステップ 6 | show vtp
status 例: Switch# show vtp status |
VTP ドメインに追加する前にスイッチ上で VTP コンフィギュレーション リビジョン番号を確認およびリセットするには、次の手順に従います。
VTP クライアントを VTP ドメインに追加する前に、必ず VTP コンフィギュレーション リビジョン番号が VTP ドメイン内の他のスイッチのコンフィギュレーション リビジョン番号より小さいことを確認してください。VTP ドメイン内のスイッチは常に、VTP コンフィギュレーション リビジョン番号が最大のスイッチの VLAN コンフィギュレーションを使用します。VTP バージョン 1 および 2 では、VTP ドメイン内のリビジョン番号よりも大きなリビジョン番号を持つスイッチを追加すると、VTP サーバおよび VTP ドメインからすべての VLAN 情報が消去される場合があります。VTP バージョン 3 では、VLAN 情報が消去されることはありません。
スイッチ上で VTP をディセーブルにし、VTP ドメイン内の他のスイッチに影響を与えることなく VLAN 情報を変更するには、vtp mode transparent グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。
コマンドまたはアクション | 目的 | |
---|---|---|
ステップ 1 | show vtp
status 例: Switch# show vtp status |
VTP コンフィギュレーション リビジョン番号をチェックします。 |
ステップ 2 | configureterminal 例: Switch# configure terminal | |
ステップ 3 | vtp domain domain-name 例: Switch(config)# vtp domain domain123 | |
ステップ 4 | end 例: Switch(config)# end |
特権 EXEC モードに戻ります。スイッチの VLAN 情報が更新され、コンフィギュレーション リビジョン番号が 0 にリセットされます。 |
ステップ 5 | show vtp
status 例: Switch# show vtp status | |
ステップ 6 | configure
terminal 例: Switch# configure terminal | |
ステップ 7 | vtp domain domain-name 例: Switch(config)# vtp domain domain012 | |
ステップ 8 | end 例: Switch(config)# end | |
ステップ 9 | show vtp
status 例: Switch# show vtp status |
(任意)ドメイン名がステップ 1 のものと同じであり、コンフィギュレーション リビジョン番号が 0 であることを確認します。 |
ここでは、VTP の設定を表示およびモニタリングするために使用するコマンドについて説明します。
コマンド |
目的 |
---|---|
ドメイン内のすべての VTP バージョン 3 デバイスに関する情報を表示します。プライマリ サーバと競合する VTP バージョン 3 の装置が表示されます。show vtp devices コマンドは、スイッチがトランスペアレント モードまたはオフ モードのときは情報を表示しません。 |
|
VTP パスワードを表示します。表示されるパスワードの形式は、hidden キーワードが入力されているか、または、暗号化がスイッチでイネーブル化されているかどうかによって異なります。 |
|
VTP の設定例
次に、パスワードが非表示またはシークレットに設定されている場合に、VLAN データベースのプライマリ サーバ(デフォルト)としてスイッチを設定する方法の例を示します。
Switch# vtp primary vlan Enter VTP password: mypassword This switch is becoming Primary server for vlan feature in the VTP domain VTP Database Conf Switch ID Primary Server Revision System Name ------------ ---- -------------- -------------- -------- -------------------- VLANDB Yes 00d0.00b8.1400=00d0.00b8.1400 1 stp7 Do you want to continue (y/n) [n]? y
VTP を設定したら、次の項目を設定できます。
関連項目 | マニュアル タイトル |
---|---|
この章で使用するコマンドの完全な構文および使用方法の詳細。 |
|
追加の設定コマンドおよび手順。 |
『LAN Switching コンフィギュレーション ガイド, Cisco IOS XE Release 3SE (Catalyst 3850 スイッチ)』 |
説明 | Link |
---|---|
このリリースのシステム エラー メッセージを調査し解決するために、エラー メッセージ デコーダ ツールを使用します。 |
https://www.cisco.com/cgi-bin/Support/Errordecoder/index.cgi |
標準/RFC | Title |
---|---|
RFC 1573 |
Evolution of the Interfaces Group of MIB-II |
RFC 1757 |
Remote Network Monitoring Management |
RFC 2021 |
SNMPv2 Management Information Base for the Transmission Control Protocol using SMIv2 |
MIB | MIB のリンク |
---|---|
本リリースでサポートするすべての MIB |
選択したプラットフォーム、Cisco IOS リリース、およびフィーチャ セットに関する MIB を探してダウンロードするには、次の URL にある Cisco MIB Locator を使用します。 |
説明 | Link |
---|---|
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リリース |
変更内容 |
---|---|
Cisco IOS XE 3.2SE |
この機能が導入されました。 |