フラッシュ ファイル システムの操作
フラッシュ ファイル システムについて
フラッシュ ファイル システムは、ファイルを格納できる単一のフラッシュ デバイスです。ソフトウェア バンドルおよびコンフィギュレーション ファイルの管理に役立つ複数のコマンドも備えています。device のデフォルトのフラッシュファイルシステムは flash: です。
アクティブな device またはスタックメンバ から見ると、flash: はローカルフラッシュデバイスを指します。これは、ファイルシステムが表示されているいるのと同じ device に接続されているデバイスです。
では、一度に 1 人のユーザのみが、ソフトウェア のバンドルおよびコンフィギュレーション ファイルを管理できます。
使用可能なファイル システムの表示
deviceで使用可能なファイルシステムを表示するには、show file systems 特権 EXEC コマンドを使用します(次のスタンドアロンdeviceの例を参照)。
デバイス# show file systems
File Systems:
Size(b) Free(b) Type Flags Prefixes
* 15998976 5135872 flash rw flash:
- - opaque rw bs:
- - opaque rw vb:
524288 520138 nvram rw nvram:
- - network rw tftp:
- - opaque rw null:
- - opaque rw system:
- - opaque ro xmodem:
- - opaque ro ymodem:
次の例では、deviceスタックを示します。この例では、アクティブな device がスタック メンバ 1 です。スタック メンバ 2 のファイル システムはフラッシュ 2 として表示されます。スタック メンバ 3 のファイル システムはフラッシュ 3 として表示されます。同様にして、スタック メンバ 8 もスタック メンバ 8 はフラッシュ 8 として表示されます。また、この例では、次のように、crashinfo ディレクトリと、アクティブなdeviceに接続された USB フラッシュドライブも示します。
デバイス# show file systems
File Systems:
Size(b) Free(b) Type Flags Prefixes
145898496 5479424 disk rw crashinfo:crashinfo-1:
248512512 85983232 disk rw crashinfo-2:stby-crashinfo:
146014208 17301504 disk rw crashinfo-3:
146014208 0 disk rw crashinfo-4:
146014208 1572864 disk rw crashinfo-5:
248512512 30932992 disk rw crashinfo-6:
146014208 6291456 disk rw crashinfo-7:
146276352 15728640 disk rw crashinfo-8:
146276352 73400320 disk rw crashinfo-9:
* 741621760 481730560 disk rw flash:flash-1:
1622147072 1360527360 disk rw flash-2:stby-flash:
729546752 469762048 disk rw flash-3:
729546752 469762048 disk rw flash-4:
729546752 469762048 disk rw flash-5:
1622147072 1340604416 disk rw flash-6:
729546752 469762048 disk rw flash-7:
1749549056 1487929344 disk rw flash-8:
1749549056 1487929344 disk rw flash-9:
0 0 disk rw unix:
- - disk rw usbflash0:usbflash0-1:
- - disk rw usbflash0-2: stby-usbflash0:
- - disk rw usbflash0-3:
- - disk rw usbflash0-4:
- - disk rw usbflash0-5:
- - disk rw usbflash0-6:
- - disk rw usbflash0-7:
- - disk rw usbflash0-8:
- - disk rw usbflash0-9:
0 0 disk ro webui:
- - opaque rw system:
- - opaque rw tmpsys:
2097152 2055643 nvram rw stby-nvram:
- - nvram rw stby-rcsf:
- - opaque rw null:
- - opaque ro tar:
- - network rw tftp:
2097152 2055643 nvram rw nvram:
- - opaque wo syslog:
- - network rw rcp:
- - network rw http:
- - network rw ftp:
- - network rw scp:
- - network rw https:
- - opaque ro cns:
- - opaque rw revrcsf:
フィールド |
値 |
---|---|
Size(b) |
ファイル システムのメモリ サイズ(バイト単位)です。 |
Free(b) |
ファイル システムの空きメモリ サイズ(バイト単位)です。 |
タイプ |
ファイル システムのタイプです。 disk:ファイル システムは、フラッシュ メモリ デバイス、USB フラッシュ、crashinfo ファイル用です。 network:ファイル システムは、FTP サーバや HTTP サーバなどのネットワーク デバイス用です。 nvram:ファイル システムは NVRAM(不揮発性 RAM)デバイス用です。 opaque:ファイル システムは、ローカルに生成された pseudo ファイル システム(system など)、またはダウンロード インターフェイス(brimux など)です。 unknown:ファイル システムのタイプは不明です。 |
Flags |
ファイル システムの権限です。 ro:読み取り専用です。 rw:読み取りおよび書き込みです。 wo:書き込み専用です。 |
Prefixes |
ファイル システムのエイリアスです。 crashinfo:crashinfo ファイルです。 flash: :フラッシュ ファイル システムです。 ftp:FTP サーバです。 http:HTTP サーバです。 https:セキュア HTTP サーバです。 nvram: :NVRAM です。 null: :コピーのヌル宛先です。リモート ファイルをヌルへコピーして、サイズを判別できます。 rcp:Remote Copy Protocol(RCP)サーバです。 scp:Session Control Protocol(SCP)サーバです。 system: :実行コンフィギュレーションを含むシステム メモリが格納されています。 tftp: :TFTP ネットワーク サーバです。 usbflash0:USB フラッシュ メモリです。 xmodem: :XMODEM プロトコルを使用して、ネットワーク マシンからファイルを取得します。 ymodem: :YMODEM プロトコルを使用して、ネットワーク マシンからファイルを取得します。 |
デフォルト ファイル システムの設定
デフォルトのファイル システムとして使用されるファイル システムまたはディレクトリを指定するには、cd filesystem: 特権 EXEC コマンドを使用します。デフォルト ファイル システムを設定すると、関連するコマンドを実行するときに filesystem: 引数を省略できます。たとえば、オプションの filesystem: 引数を持つすべての特権 EXEC コマンドでは、cd コマンドで指定されたファイル システムが使用されます。
デフォルトでは、デフォルト ファイル システムは flash: です。
cd コマンドで指定された現在のデフォルトのファイル システムを表示するには、pwd 特権 EXEC コマンドを使用します。
ファイル システムのファイルに関する情報の表示
ファイル システムの内容を操作する前に、そのリストを表示できます。たとえば、新しいコンフィギュレーション ファイルをフラッシュ メモリにコピーする前に、ファイル システムに同じ名前のコンフィギュレーション ファイルが格納されていないことを確認できます。同様に、フラッシュ コンフィギュレーション ファイルを別の場所にコピーする前に、ファイル名を確認して、その名前を別のコマンドで使用できます。ファイル システムのファイルに関する情報を表示するには、次の表に記載する特権 EXEC コマンドのいずれかを使用します。
コマンド |
説明 |
---|---|
dir [/all] [filesystem:filename] |
ファイル システムのファイル リストを表示します。 |
show file systems |
ファイル システムのファイルごとの詳細を表示します。 |
show file information file-url |
特定のファイルに関する情報を表示します。 |
show file descriptors |
開いているファイルの記述子のリストを表示します。ファイル記述子は開いているファイルの内部表現です。このコマンドを使用して、別のユーザによってファイルが開かれているかどうかを調べることができます。 |
ディレクトリの変更および作業ディレクトリの表示
ディレクトリを変更し、作業ディレクトリを表示するには、次の手順を実行します。
手順
コマンドまたはアクション | 目的 | |
---|---|---|
ステップ 1 |
enable 例:
|
特権 EXEC モードを有効にします。
|
ステップ 2 |
dir filesystem: 例:
|
指定されたファイル システムのディレクトリを表示します。 filesystem: には、システム ボードのフラッシュ デバイスの flash: を使用します。 |
ステップ 3 |
cd directory_name 例:
|
指定されたディレクトリへ移動します。 コマンド例では、new_configs という名前のディレクトリに移動する方法を示します。 |
ステップ 4 |
pwd 例:
|
作業ディレクトリを表示します。 |
ステップ 5 |
cd 例:
|
デフォルト ディレクトリに移動します。 |
ディレクトリの作成
特権 EXEC モードを開始して、ディレクトリを作成するには次の手順を実行します。
手順
コマンドまたはアクション | 目的 | |
---|---|---|
ステップ 1 |
dir filesystem: 例:
|
指定されたファイル システムのディレクトリを表示します。 filesystem: には、システム ボードのフラッシュ デバイスの flash: を使用します。 |
ステップ 2 |
mkdir directory_name 例:
|
新しいディレクトリを作成します。スラッシュ (/) 間に指定できるディレクトリ名は最大 45 文字で、大文字と小文字の区別があります。ディレクトリ名には制御文字、スペース、スラッシュ、引用符、セミコロン、またはコロンは使用できません。 |
ステップ 3 |
dir filesystem: 例:
|
入力を確認します。 |
ディレクトリの削除
ディレクトリを、その内部のすべてのファイルおよびサブディレクトリとともに削除するには、delete /force /recursive filesystem:/file-url 特権 EXEC コマンドを使用します。
名前で指定されたディレクトリを、その内部のすべてのサブディレクトリおよびファイルとともに削除するには、/recursive キーワードを使用します。ディレクトリ内のファイルごとに表示される、削除を確認するためのプロンプトを省略するには、/force キーワードを使用します。この削除プロセスを実行すると、最初に 1 度だけプロンプトが表示されます。
filesystem には、システム ボードのフラッシュ デバイスの flash: を使用します。file-url には、削除するディレクトリの名前を入力します。ディレクトリ内のすべてのファイルおよびディレクトリが削除されます。
注意 |
ディレクトリが削除された場合、その内容は回復できません。 |
ファイルのコピー
送信元から宛先にファイルをコピーするには、copy source-url destination-url 特権 EXEC コマンドを使用します。送信元および宛先の URL には、running-config および startup-config キーワードショートカットを使用できます。たとえば、copy running-config startup-config コマンドは、現在実行中のコンフィギュレーション ファイルをフラッシュメモリの NVRAM セクションに保存し、システム初期化の際にコンフィギュレーション ファイルとして使用されるようにします。
XMODEM または YMODEM プロトコルを使用するネットワーク マシンのファイルに対する送信元として特殊なファイル システム(xmodem:、ymodem:)を指定し、そこからコピーすることもできます。
ネットワーク ファイル システムの URL には、ftp: 、rcp: 、tftp などがあり、構文は次のとおりです。
-
FTP:ftp:[[//username [:password]@location]/directory]/filename
-
RCP:rcp:[[//username@location]/directory]/filename
-
TFTP:tftp:[[//location]/directory]/filename
ローカルにある書き込み可能なファイル システムには flash: などがあります。
送信元および宛先の組み合わせによっては、無効な場合があります。特に、次に示す組み合わせの場合は、コピーできません。
-
実行コンフィギュレーションから実行コンフィギュレーションへ
-
スタートアップ コンフィギュレーションからスタートアップ コンフィギュレーションへ
-
デバイスから同じ名前のデバイスに(たとえば、copy flash: flash: コマンドは無効)
スタック内のデバイスから同じスタック内の別のデバイスへのファイルのコピー
スタック内のあるdeviceから同じスタック内の別のdeviceにファイルをコピーするには、flash-X: 表記を使用します。X はdevice番号です。
スタック内のすべてのdeviceを表示するには、9 メンバーdeviceスタックの例のように、特権 EXEC モードで show switch コマンドを使用します。
Switch#show switch
Switch/Stack Mac Address : 046c.9d01.3b80 - Local Mac Address
Mac persistency wait time: 4 mins
H/W Current
Switch# Role Mac Address Priority Version State
------------------------------------------------------------
*1 Active 046c.9d01.3b80 15 P4B Ready
2 Standby 046c.9d01.0f80 13 P3C Ready
3 Member 046c.9d01.1180 11 P4B Ready
4 Member 046c.9d01.0e80 9 P3C Ready
5 Member 046c.9d01.4d00 7 P3C Ready
6 Member 046c.9d01.2800 5 P3C Ready
7 Member 046c.9d01.6e80 3 P4B Ready
8 Member 046c.9d01.8180 1 P4B Ready
特定のdeviceのコピー可能なすべてのファイルシステムを表示するには、次に示す 5 メンバースタックの例のように、copy コマンドを使用します。
次の例では、device 2 のフラッシュ パーティションに保存されているコンフィギュレーション ファイルを device 4 のフラッシュ パーティションにコピーする方法を示しています。device 2 とdevice 4 が同じスタック内にあるとします。
デバイス# copy flash-2:config.txt flash-4:config.txt
ファイルの削除
フラッシュ メモリ デバイスのファイルが不要になった場合は、そのファイルを永久に削除できます。指定されたフラッシュ デバイスからファイルまたはディレクトリを削除するには、delete [/force] [/recursive] [filesystem:]/file-url 特権 EXEC コマンドを使用します。
ディレクトリを、その内部のすべてのサブディレクトリやファイルとともに削除するには、/recursive キーワードを使用します。ディレクトリ内のファイルごとに表示される、削除を確認するためのプロンプトを省略するには、 /force キーワードを使用します。この削除プロセスを実行すると、最初に 1 度だけプロンプトが表示されます。archive download-sw コマンドでインストールされ、不要になった古いソフトウェアイメージを削除するには、/force キーワードおよび /recursive キーワードを使用します。
filesystem: オプションを省略すると、deviceは cd コマンドで指定したデフォルトのデバイスを使用します。file-url には、削除するファイルのパス(ディレクトリ)および名前を指定します。
ファイルを削除しようとすると、削除の確認を求めるプロンプトが表示されます。
注意 |
ファイルが削除された場合、その内容は回復できません。 |
デバイス# delete myconfig
ファイルの作成、表示および抽出
ファイルを作成してそこにファイルを書き込んだり、ファイル内のファイルをリスト表示したり、ファイルからファイルを抽出したりできます(次の項を参照)。
ファイルの作成、内容の表示、およびファイルの抽出を行うには、特権 EXEC コマンドで次の手順を実行します。
手順
コマンドまたはアクション | 目的 | |
---|---|---|
ステップ 1 |
archive tar /create destination-url flash: /file-url 例:
|
ファイルを作成し、そこにファイルを追加します。 destination-url には、ローカルまたはネットワーク ファイル システムの宛先 URL のエイリアス、および作成するファイルの名前を指定します。
flash:/file-url には、ローカル フラッシュ ファイル システム上の、新しいファイルが作成される場所を指定します。送信元ディレクトリ内に格納されている任意のファイルまたはディレクトリの一覧を指定して、新しいファイルに追加することもできます。何も指定しないと、このレベルにおけるすべてのファイルおよびディレクトリが、新規に作成されたファイルに書き込まれます。 |
ステップ 2 |
archive tar /table source-url 例:
|
ファイルの内容を表示します。 source-url には、ローカル ファイル システムまたはネットワーク ファイル システムの送信元 URL エイリアスを指定します。-filename. は、表示するファイルです。次のオプションがサポートされています。
ファイルのあとにファイルまたはディレクトリのリストを指定して、ファイルの表示を制限することもできます。指定したファイルだけが表示されます。何も指定しないと、すべてのファイルおよびディレクトリが表示されます。 |
ステップ 3 |
archive tar /xtract source-url flash:/file-url [dir/file... ] 例:
|
ファイルをフラッシュ ファイル システム上のディレクトリに抽出します。 source-url には、ローカル ファイル システムの送信元 URL のエイリアスを指定します。-filename. は、ファイルの抽出元のファイルです。次のオプションがサポートされています。
flash:/file-url [dir/file...] には、ファイルの抽出元にするローカル フラッシュ ファイル システム上の場所を指定します。抽出対象のファイル内のファイルまたはディレクトリのリストを指定するには、dir/file... オプションを使用します。何も指定されないと、すべてのファイルとディレクトリが抽出されます。 |
ステップ 4 |
more [ /ascii | /binary | /ebcdic] /file-url 例:
|
リモート ファイル システム上のファイルを含めて、読み取り可能なファイルの内容を表示します。 |