この製品のマニュアルセットは、偏向のない言語を使用するように配慮されています。このマニュアルセットでの偏向のない言語とは、年齢、障害、性別、人種的アイデンティティ、民族的アイデンティティ、性的指向、社会経済的地位、およびインターセクショナリティに基づく差別を意味しない言語として定義されています。製品ソフトウェアのユーザーインターフェイスにハードコードされている言語、RFP のドキュメントに基づいて使用されている言語、または参照されているサードパーティ製品で使用されている言語によりドキュメントに例外が存在する場合があります。シスコのインクルーシブランゲージに対する取り組みの詳細は、こちらをご覧ください。
このドキュメントは、米国シスコ発行ドキュメントの参考和訳です。リンク情報につきましては、日本語版掲載時点で、英語版にアップデートがあり、リンク先のページが移動/変更されている場合がありますことをご了承ください。あくまでも参考和訳となりますので、正式な内容については米国サイトのドキュメントを参照ください。
(注) このマニュアルでは、Catalyst 6500 シリーズという名称は第 1 章で示されているスイッチ シャーシだけを指しています。Catalyst 6000 シリーズ スイッチ(Catalyst 6006 スイッチおよび Catalyst 6009 スイッチ)については、『Catalyst 6000 Series Switch Installation Guide』に記載されています。
システムを正常に運用するには、スイッチを適切な場所に設置し、装置ラックや配線クローゼットを適切に配置する必要があります。スイッチは囲いのある保護された場所に設置し、資格のある担当者だけがスイッチにアクセスし、環境を管理するようにする必要があります。複数の装置を近づけて設置したり、換気が不十分であると、システムが過熱状態になります。さらに、装置を不適切に配置すると、シャーシ パネルに手が届きにくくなり、システムのメンテナンス作業が困難になります。
この章では、スイッチを取り付けるための設置場所の準備方法について説明します。
• 「電源要件」
誤って行うと危険が生じる可能性のある操作については、安全上の警告が記載されています。各警告文に、警告を表す記号が記されています。次の警告は、一般的な警告で、マニュアル全体に適用されます。
警告 この装置の設置、交換、または保守は、訓練を受けた相応の資格のある人が行ってください。ステートメント 1030
警告 この装置は、立ち入り制限区域内に設置することが前提となっています。立ち入り制限区域とは、錠前、鍵などの特殊な保安手段を使用しないと立ち入ることのできない場所です。ステートメント 1017
警告 システムの設置、操作、または保守を行う前に、『Site Preparation and Safety Guide』を参照してください。このマニュアルには、システムを扱う前に理解しておく必要がある安全に関する重要な情報が記載されています。ステートメント 200
警告 絶縁されていない金属接点、導体、または端子を Power over Ethernet(PoE; パワー オーバー イーサネット)回路の相互接続に使用すると、電圧によって感電事故が発生することがあります。危険性を認識しているユーザまたは保守担当者だけに出入りが制限された場所を除いて、このような相互接続方式を使用しないでください。出入りが制限された場所とは、特殊なツール、ロックおよびキー、または他のセキュリティ手段を使用しないと入室できない場所を意味します。ステートメント 1072
ここでは、Catalyst 6500 シリーズ スイッチの設置を準備するうえで、認識しておく必要がある基本的な設置環境の条件について説明します。環境要因がシステムのパフォーマンスおよび耐久年数に悪影響を及ぼす可能性があります。システムを正常に運用するには、スイッチを適切な場所に設置し、装置ラックや配線クローゼットを適切に配置する必要があります。スイッチは囲いのある保護された場所に設置し、資格のある担当者だけがスイッチにアクセスし、環境を管理するようにする必要があります。複数の装置を近づけて設置したり、換気が不十分であったりすると、システムが過熱状態になり、コンポーネントに障害が発生しやすくなります。さらに、装置を不適切に配置すると、シャーシ パネルに手が届きにくくなり、システムのメンテナンス作業が困難になります。
スイッチは、乾燥して清潔で、換気が良く、空調が管理された環境に設置する必要があります。正常な動作を確実に行うには、換気を行います。エアーフローが遮断または制限されている場合、吸気が熱くなりすぎて過熱状態になります。その場合は、スイッチ環境モニタ機能がシステムをシャットダウンして、システム コンポーネントを保護します。
シャーシの上下にほとんど隙間をあけることなく、複数のスイッチをラックに搭載できます。ただし、スイッチを別の装置のラックに取り付ける場合、またはスイッチを別の装置近くの床に設置する場合、装置からの排気がスイッチ シャーシの吸気口に流れ込まないようにしてください。エアーフローのために必要な隙間の具体的な値については、 表 2-2 を参照してください。
温度がその定格温度の上限または下限に達すると、システムが減退した効率で動作したり、チップの早期老朽化および障害、機械装置の障害などのさまざまな問題が発生する可能性があります。また、極端な温度変化によって、チップがソケットから外れることがあります。次のガイドラインに従ってください。
• システムが 50°F(10°C)以上 95°F(35°C)以下の環境で動作していることを確認してください。
• 通風を妨げるおそれのある壁はめ込み式ユニットや布の上にはシャーシを置かないでください。
• 特に午後、直射日光があたる場所にシャーシを置くことは避けてください。
• 暖房の吹き出し口などの熱源のそばにシャーシを置かないようにしてください。
• 高地では、特に適切な換気が重要となります。システムのすべてのスロットおよび開口部、特にシャーシ上のファンのエアーフロー孔はふさがないようにします。
• 設置場所のクリーニングを定期的に実施して、ほこりやごみがたまらないようにしてください。ほこりやごみがたまるとシステムが過熱するおそれがあります。
• システムが異常な低温にさらされた場合は、2 時間のウォームアップ時間をとって、正常な動作温度にまで温度が上昇してから、電源をオンにしてください。
これらのガイドラインに従わないと、内部のコンポーネントに損傷を与えるおそれがあります。
(注) Catalyst 6500 シリーズ スイッチには、内蔵温度センサが設置されており、装置内の温度が 104°F(40°C)に達するとマイナー アラームを生成し、131°F(55°C)に達するとメジャー アラームを生成します。
Catalyst 6500 シリーズ スイッチは、スーパーバイザ エンジン、モジュール、および電源装置を冷却するために十分な空気が得られる環境に設置されることを前提に設計されています。シャーシ内のエアーフローが阻害される、あるいは周囲の気温が上昇すると、スイッチが過熱したり、シャットダウンすることがあります。
Catalyst 6500 シリーズ スイッチのシャーシの中を適切に換気するには、壁とシャーシの吸気口の間、または壁とシャーシの排気口の間を 6 インチ(15 cm)以上、離すことを推奨します。スイッチ シャーシどうしを隣接したラックに設置する場合、シャーシの吸気口ともう 1 台のシャーシの排気口との間に 12 インチ(30.5 cm)以上の隙間を設ける必要があります。シャーシ間に適切な間隔が確保されていない場合、スイッチ シャーシ内に他のスイッチ シャーシからの排気が取り込まれて過熱し、障害が発生します。エアーフローが前面から背面に流れる Catalyst 6500 シリーズ シャーシは、並べて設置できます。
Catalyst 6500 シリーズ スイッチを格納ラック、または部分的に密閉されたラックに設置する場合、設置場所が次のガイドラインを満たしているかを確認することを強く推奨します。
• ラックの両側面とシャーシの吸気グリルおよびシャーシ排気グリルとの間に 6 インチ(15 cm)以上の隙間があることを確認してください。
• 格納ラックまたは部分的に密閉されたラック内の温度がシャーシの動作温度範囲内であることを確認してください。シャーシをラックに取り付けたら、シャーシに電源を投入して、シャーシの温度が安定するまで(およそ 2 時間)待機します。外気温度計を、スーパーバイザ エンジンが取り付けられたシャーシのスロットに沿ってグリルから 1 インチ(2.5 cm)離して取り付け、シャーシの吸気グリルおよび排気グリルで周囲の気温を測定します。
– 吸気口の周辺温度が 104°F(40°C)未満である場合は、そのラックは吸気温の基準を満たしています。
– 吸気口の周辺温度が 104°F(40°C)を超える場合、システムに熱状態を示すマイナー アラームが発生しており、過熱の危険性があります。
– 吸気口の周辺温度が 131°F(55°C)以上である場合、システムに熱状態を示すメジャー アラームが発生しており、システムはシャットダウンします。
• 格納ラックまたは部分的に密閉されたラックでは、次のようにスイッチ シャーシ内に十分なエアーフローが確保されていることを確認してください。
– 測定した吸気温度と排気温度との差が 10℃ を超えない場合は、ラックには十分なエアーフローが確保されています。
– 温度差が 10℃ を超える場合は、シャーシを冷却するためのエアーフローが不足しています。
(注) この吸気と排気の 10 ℃ の温度差は、デジタル外気温計で測定して決定する必要があります。この温度差を測定するために、シャーシ内部の温度センサを使用しないでください。
• 拡張する場合は、あらかじめ計画を立ててください。現在の設定では、格納ラックまたは部分的に密閉されたラックに取り付けられた Catalyst 6500シリーズ スイッチは周辺温度およびエアーフローの要件を満たしているはずです。ただし、ラックにシャーシを追加する、またはラックのシャーシにモジュールを追加すると、発熱量が増加するため、ラック内の温度が 104°F(40°C)を超えて、マイナー アラームが発生する場合があります。
シスコシステムズは、次の 2 つのラックエンクロージャをシスコ製品に適合するものとして確認しています。
Panduit Corporation:Net-Access Cabinet(製品番号 CN4-1)は、Catalyst 6500 シリーズ製品ラインに適合することが確認されています。このラックエンクロージャの詳細については、Panduit Corporation に問い合わせてください。Web サイトは http://www.panduit.com です。カスタマー サービスおよびテクニカル サポートの電話番号は 800 777-3300 です。
Chatsworth Products, Inc.:N-Series TeraFrame Network Cabinet(製品番号 NF2K-113C-C42)は、Catalyst 6500 シリーズ製品ラインに適合することが確認されています。このラックエンクロージャの詳細については、Chatsworth Products, Inc. に問い合わせてください。Web サイトは http://www.chatsworth.com です。カスタマー サービスおよびテクニカル サポートの電話番号は、800 834-4969 です(月曜日から金曜日の太平洋標準時刻で午前 5 時から午後 5 時まで)。
シャーシのファン アセンブリは、スーパーバイザ エンジンおよびスイッチング モジュールに冷却用の空気を供給します。 表 2-1 に、Catalyst 6500 シリーズ スイッチのシャーシでサポートされるファン トレイとサポートされていないファン トレイを示します。また、 表 2-2 に、Catalyst 6500 シリーズ スイッチ シャーシのエアーフロー構造および要件を示します。ファン アセンブリ内のいずれかのファンが故障すると、FAN STATUS LED がレッドに点灯します。ファン トレイ アセンブリ内のファンを個別に交換することはできません。ファン トレイ アセンブリ全体を交換する必要があります。ファン トレイ アセンブリを交換する場合は、「ファン トレイの取り外しおよび取り付け」を参照してください。
環境モニタ機能に関する情報については、ご使用のソフトウェア コンフィギュレーション ガイドを参照してください。
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WS-6509-NEB-UPGRD1(高速) |
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1.オプションの高速ファン トレイは、WS-6509-NEB-UPGRD キットに含まれます。DC 入力電源装置で動作するシステムの場合、必要なものはアップグレード キットだけです。AC 入力電源装置で動作するシステムの場合は、ファン トレイを使用するには、アップグレード キットに加えて WS-CAC-3000W(3000 W 電源装置)以上が必要です。 |
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オプションの高速ファン トレイ2 |
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Catalyst 6509-NEB-A3 |
あり4 |
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Catalyst 6509-V-E2 |
あり3 |
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4.オプションのエア フィルタ アセンブリを Catalyst 6509-NEB-A および Catalyst 6509-V-E スイッチ シャーシで使用できます。エア フィルタ アセンブリは 3 つのコンポーネントで構成されます。INTAKEPNL-09=(吸気パネル)、FLTRASSM-09=(フィルタ ケージ アセンブリ)、FLTRINSERTS-09=(エア フィルタ挿入部分)です。 |
図 2-1 Catalyst 6503 および Catalyst 6503-E スイッチ内部のエアーフロー
図 2-2 Catalyst 6504-E スイッチ内部のエアーフロー
図 2-3 Catalyst 6506 スイッチ内部のエアーフロー
図 2-4 Catalyst 6506-E スイッチ内部のエアーフロー
図 2-5 Catalyst 6509 スイッチ内部のエアーフロー
図 2-6 Catalyst 6509-E スイッチ内部のエアーフロー
図 2-7 Catalyst 6509-NEB スイッチ内部のエアーフロー
図 2-8 Catalyst 6509-NEB-A および Catalyst 6509-V-E スイッチ内部のエアーフロー
図 2-9 Catalyst 6513 スイッチ内部のエアーフロー
図 2-10 Catalyst 6513-E スイッチ内部のエアーフロー
湿度が高いと、湿気がシステム内まで浸透する可能性があります。この湿気が原因で、内部コンポーネントの腐食、および電気抵抗、熱伝導性、物理的強度、サイズなどの特性の劣化が発生することがあります。システム内に湿気が充満してくると、ショートを起こすおそれがあります。ショートが起きると、システムに重大な損傷を起こしてしまいます。各システムの動作時の定格湿度は、相対湿度 8 ~ 80%、1 時間あたりの湿度変化 10% です。保管時では、システムは 5 ~ 95% の相対湿度に耐えることができます。温暖期の空調と寒冷期の暖房により室温が四季を通して管理されている建物内では、システム装置にとって、通常許容できるレベルの湿度が維持されています。ただし、システムを極端に湿度の高い場所に設置する場合は、除湿装置を使用して、湿度を許容範囲内に維持してください。
標高の高い(気圧の低い)場所でシステムを稼動させると、対流型の強制冷却機能の効率が低下し、アーク放電やコロナ放電などの電気障害の原因になります。また、このような状況では、内部圧力がかかっている密閉コンポーネント、たとえば、電解コンデンサが損傷したり、その効率が低下する場合もあります。各システムの稼動時の定格高度は、-50 ~ 6500 フィート(-16 ~ 1981 m)です。また、保管時の定格高度は、-50 ~ 35,000 フィート(-16 ~ 10,668 m)です。
シャーシ内のさまざまな開口部を通じて室温の空気を吸気し、加熱された空気を排気することによって、ファンは電源装置およびシステム コンポーネントを冷却します。しかし、ファンはほこりやごみを吸い込み、システムに混入物質を蓄積させ、内部シャーシの温度が上昇する原因にもなります。清潔な作業環境を保つことで、ほこりやごみによる悪影響を大幅に減らすことができます。これらの異物は絶縁体となり、システムの機械的なコンポーネントの正常な動作を妨げます。次に示す規格では、許容される動作環境および浮遊する粒子状物質の許容レベルについて規定されています。
• Network Equipment Building Systems(NEBS)GR-63-CORE
• National Electrical Manufacturers Association(NEMA)Type 1
• International Electrotechnical Commission(IEC; 国際電気標準会議)IP-20
システム コネクタの腐食は、徐々に進行し、最終的に電力回路の間欠的な障害を引き起こす原因になります。人間の指先に付着した油脂分や、高温多湿の環境に長時間さらされたことが原因で、システム内の各種のコンポーネントに取り付けられている金めっきのエッジ コネクタやピン コネクタが腐食することがあります。腐食を防ぐために、基板やカード上の接点には触れないでください。また、極端な温度、および湿気や塩分の多い環境からシステムを保護してください。
システムからの Electromagnetic Interference(EMI; 電磁波干渉)および Radio Frequency Interference(RFI; 無線周波数干渉)は、システムの周辺で稼動している装置(ラジオおよびテレビ受信機)に悪影響を及ぼす可能性があります。システムが発する無線周波数は、コードレスおよび低出力の電話にも干渉することがあります。逆に、高出力の電話からの RFI によって、システムのモニタに意味不明の文字が表示されることがあります。RFI とは、10 kHz を超える周波数を発生する EMI のことです。このタイプの干渉は、電源コードおよび電源、または送信された電波のように空気中を通じてシステムから他の装置に伝わる場合があります。Federal Communications Commission(FCC; 米国連邦通信委員会)は、コンピュータ装置が放出する EMI および RFI の量を規制する特定の規格を公表しています。各システムは、FCC の規格を満たしています。EMI および RFI の発生を抑えるために、次の注意事項に従ってください。
• シャーシ カバーを取り付けた状態でシステムを運用します。
• シャーシのすべてのスロットが金属製フィルタ ブラケットによって覆われており、未使用の電源ベイに金属製カバー プレートが装着されていることを確認します。
• すべての周辺ケーブル コネクタのネジが、シャーシ背面の対応するコネクタに確実に締め付けられていることを確認します。
• システムと周辺装置との接続には、必ず、金属製コネクタ シェル付きのシールド ケーブルを使用します。
電磁界内で長距離にわたって配線を行う場合、磁界と配線上の信号の間で干渉が発生することがあります。このため、プラント配線を行う場合は、次の 2 点に注意する必要があります。
• 配線を適切に行わないと、プラント配線から無線干渉が発生することがあります。
• 特に雷または無線電信機によって起こされる強力な EMI は、シャーシ内の信号ドライバやレシーバを破損したり、電圧サージが回線を介して装置内に伝導するなど、電気的に危険な状況をもたらす原因になります。
(注) 強力な EMI を予測して対策を講じるには、無線周波数干渉(RFI)の専門家に相談することが必要になる場合があります。
アース用導体を確実に施設してプラント配線にツイストペア ケーブルを使用すると、プラント配線から無線干渉が発生することはほとんどありません。推奨距離を超える場合は、データ信号ごとにアース導体を施した高品質のツイストペア ケーブルを使用してください。
配線が推奨距離を超える場合、または配線が建物間にまたがる場合は、近辺で発生する落雷の影響に十分に注意してください。雷などの高エネルギー現象で発生する電磁波パルスにより、電子装置を破壊するほどのエネルギーが非シールド導体に発生することがあります。過去にこのような問題が発生した場合は、電力サージ抑止やシールドの専門家に相談してください。
Catalyst 6500 シリーズ スイッチは、動作範囲、取り扱い、および地震基準について、Network Equipment Building System(NEBS)(Zone 4 per GR-63-Core)に従って衝撃および振動テスト済みです。これらのテストは、地震の振動および基準、オフィスの振動および基準、輸送の振動および基準、梱包された機器に加えられる衝撃について実施しています。
システムは、AC 電源によって供給される電圧の変動の影響を特に受けやすくなっています。過電圧、低電圧、および過渡電圧(またはスパイク)によって、データがメモリから消去されたり、コンポーネントの障害が発生するおそれがあります。このような問題から保護するには、電源コードが常に適切にアースされる必要があります。また、システムは、専用電力回路に設置してください(電力を大量に消費する他の機器と回路を共用しないでください)。一般に、システムの回路は次の機器とは共用できません。
これらの電気製品に加えて、システムの電源装置にとって最大の脅威となるのは、雷によるサージ電圧、または停電です。雷が発生しているときは、できるだけシステムおよび周辺機器の電源をオフにし、プラグを電源から抜いてください。システムに電源が入っている状態で停電が発生した場合は、一時的なものであっても、ただちにシステムの電源をオフにし、コンセントから外します。システムの電源を入れておくと、電源が復旧した場合に問題が発生するおそれがあります。同じ場所で電源をオフにしていなかった他のすべての電気製品が、大きな電圧スパイクを起こし、システムに損傷を与える可能性があります。
シャーシ設置プロセスの一部として、NEBS に準拠したシステム アースを取り付ける必要があります。シャーシを設置する際にシステムに適切かつ十分なアース接続を行う場合、3P AC プラグ(アース付き)を使用するだけでは不十分です。
適切にアースすることで、建物とその中に設置された装置を低インピーダンスで接続し、シャーシ間の電圧差を低くすることができます。NEBS 準拠のシステム アースを使用すると、感電の危険性を低減あるいは防止でき、過渡電圧によって装置が損傷する可能性を大幅に低減できます。またデータが破損する可能性もかなり小さくなります。
適切かつ完全なシステム アースを使用しない場合、Electrostatic Discharge(ESD; 静電気放電)によってコンポーネントが損傷する危険性が高くなります。さらに、NEBS 準拠のシステム アースを使用しない場合、大いにデータが破損したり、システムがロックアップする可能性も高くなり、システムが頻繁にリブートするといった状況が増えたりします。
表 2-3 に、一般的なアース方法の注意事項を示します。
(注) すべてのケースにおいて、アース接続の方法は、National Electric Code(NEC)の第 250 条に定める要件またはその地域の法令に準拠する必要があります。シャーシからラック アースまたは Common Bonding Network(CBN; 共通ボンディング網)に直接アース接続する場合、6 AWG アース線を使用することを推奨します。装置ラックも 6 AWG アース線を使用して、CBN に接続する必要があります。
(注) FXS モジュールを取り付ける場合は、追加のアース接続が必要です。
(注) すべてのモジュールが完全に取り付けられ、非脱落型ネジが完全に締められていることを必ず確認してください。さらに、すべての I/O ケーブルと電源コードが適切に接続されていることを確認してください。これらの方法は、すべての設置時に従う必要がある標準的な設置方法です。
• 回路の電源が切断されていると思い込まず、作業前に必ず回路の電源が切断されていることを確認してください。
• 床が濡れていないか、アースされていない電源延長コード、摩耗または損傷した電源コードや保護アースの不備などがないか、作業場所の安全を十分に確認してください。
– 可能であれば、医療援助を求めるために誰か別の人を呼んでもらうようにしてください。それができない場合は、負傷者の状況を見極めてから救援を要請してください。
– 負傷者に人工呼吸または心臓マッサージが必要かどうかを判断し、適切な処置を施してください。
• 製品を使用する場合は、指定された電力定格内で使用し、製品の使用説明書に従ってください。
• 製品は、各地域および国の電気関連法規に従って設置してください。
• 次の状態のいずれかが発生した場合は、Cisco Technical Assistance Center(TAC)に連絡してください。
– 操作指示に従っているにもかかわらず、製品は適切に動作しない。
• 適切な外部電源を使用してください。製品は、電力定格ラベルに記載されている種類の電源だけを使用して稼動させてください。必要な電源の種類が不明な場合は、Cisco TAC または最寄りの電気技師に確認してください。
• 承認されている電源コードだけを使用してください。購入されたシャーシ電源装置には、購入された国で使用されることを意図した電源コードが 1 本または複数付属しています。追加の電源コードを購入する必要がある場合には、電源コードが製品に適したものであり、製品の電力定格ラベルに記載されている定格電圧および定格電流に適合していることを確認してください。電源コードの定格電圧および定格電流は、電力定格ラベルに記載されている定格より大きくなければなりません。
• 感電を防止するために、すべての電源コードを適切にアースされているコンセントに接続してください。これらの電源コードには、適切なアースを確保するのに役立つ、アース線付き 3P プラグが付いています。アダプタを使用したり、電源コードからアース線を取り外さないでください。
• 電源ストリップの定格を遵守してください。電源ストリップに接続されている全製品の定格電流の合計が電源ストリップの定格の 80% を超えないことを確認してください。
• 電源コードやプラグを自分で改造しないでください。設置場所に変更を加える場合には、相応の資格を持つ電気技術者または電力会社に相談してください。必ず電気配線に関する地方自治体の条例および国の法令に従ってください。
静電放電(ESD)により、装置や電子回路が損傷を受けることがあります(静電破壊)。静電破壊はモジュールやその他の Field Replaceable Unit(FRU; 現場交換可能ユニット)の取り扱いが不適切な場合に発生し、故障または間欠的な障害をもたらします。モジュールには、金属製フレームに固定されたプリント基板があります。Electromagnetic Interference(EMI; 電磁干渉)シールドおよびコネクタは、フレームを構成する部品です。金属フレームは、ESD からプリント基板を保護しますが、モジュールを扱うときには必ず、静電気防止用アース ストラップを着用してください。
• 静電気防止用リスト ストラップを肌に密着させて着用してください。静電気防止アース ストラップにはバナナ プラグ、金属製バネ クリップ、またはワニ口クリップ付きのものがあります。すべての Catalyst 6500 シリーズ シャーシでは、前面パネルにバナナ プラグ コネクタが備え付けられています。これは、コネクタの横のアース記号で識別されます。旧型の Catalyst 6500 シリーズ シャーシでプラスチック製のバナナ プラグ コネクタが備え付けられている場合は、付属の静電気防止用ストラップ(金属製クリップ付き)またはワニ口クリップ付きの静電気防止用ストラップを使用することを推奨します。新型の Catalyst 6500 シリーズ シャーシに、バナナ プラグ コネクタ(コネクタの横のアースの記号によって識別されます)用の塗装されていない金属の穴が開けられている場合は、ユーザ側で用意したバナナ プラグ付きの静電気防止用ストラップを使用することを推奨します。
• ほとんどの FRU に付属している使い捨ての静電気防止用リスト ストラップまたはワニ口クリップ付きの静電気防止用リスト ストラップを使用する場合は、静電気防止用リスト ストラップに適切なアース ポイントを確保するためにシステムのアース ラグをシャーシに取り付ける必要があります。
(注) このシステム アースは、NEBS アースとも呼ばれます。
• シャーシにシステムのアースが取り付けられていない場合は、システムのアースを取り付ける必要があります。シャーシ システムのアース パッドの取り付け手順および取り付け場所については、「システム アースの確立」を参照してください。
システムのアース ラグを取り付けたら、次の手順で、静電気防止用リスト ストラップを適切に取り付けます。
ステップ 1 次のように静電気防止用リスト ストラップをしっかりと肌に密着させて着用してください。
a. FRU に付属の静電気防止用リスト ストラップを使用する場合は、リスト ストラップのパッケージを開き、静電気防止用リスト ストラップの包装を開けます。手首に黒の導体ループを巻き、肌にしっかりと密着するように、ストラップを締めます。
b. ワニ口クリップ付きの静電気防止用リスト ストラップを使用する場合は、パッケージを開いて、静電気防止用リスト ストラップを取り出します。リスト ストラップを巻く位置を決めて、肌にしっかりと密着させてください。
ステップ 2 静電気防止用リスト ストラップのバネ クリップまたはワニ口クリップをつかんで、ラックの塗装されていない金属部分に一瞬クリップを接触させます。蓄積された静電気をラック全体に安全に散逸させるために、クリップを塗装されていないラック レールに接触させることを推奨します。
ステップ 3 次のように、バネ クリップまたはワニ口クリップをアース ラグのネジに取り付けます(図 2-11 を参照)。
a. FRU に付属の静電気防止用リスト ストラップを使用する場合は、バネ クリップを強くつかんであごを開き、システムのアース ラグのネジ頭の側面に取り付け、バネ クリップのあごがラグのネジ頭の後ろで閉じるように、バネ クリップをラグのネジ頭上でスライドさせます。
(注) バネ クリップのあごは、直接ラグのネジ頭またはラグのバレルをはさみ込めるほど広くは開きません。
b. ワニ口クリップ付きの静電気防止用リスト ストラップを使用している場合は、システムのアース ラグのネジ頭、またはシステムのアース ラグ バレルに直接ワニ口クリップを取り付けます。
図 2-11 静電気防止用リスト ストラップ クリップのシステム アース ラグ ネジへの取り付け
• フレームを取り扱うときは、ハンドルまたは端の部分だけを持ち、プリント基板またはコネクタには手を触れないでください。
• 取り外したコンポーネントは基板側を上向きにして、静電気防止用シートに置くか、静電気防止用容器に収めます。コンポーネントを返却する場合には、取り外したコンポーネントをただちに静電気防止用容器に入れてください。
• 金属製フレームからプリント基板を取り外さないでください。
スイッチの設置場所の準備を行う場合には、次の要件に従ってください。
• 2 台の電源装置を使用するシステムの場合、各電源装置をそれぞれ別の入力電源に接続してください。別の電源に接続しないと、外部配線に不具合があったり、回路ブレーカーが落ちたりした場合、システム全体の電力が失われることになります。
• 入力電源が失われないように、各電源回路上の合計最大負荷が、配線とブレーカーの定格電流の範囲内であることを確認してください。
• システムによっては、Uninterruptible Power Supply(UPS; 無停電電源装置)を使用して設置場所の電源障害に備えたほうがよい場合もあります。UPS を選択する場合、鉄共振技術を採用している一部の UPS モデルは、Power Factor Correction(PFC; 力率補正)を使用する Catalyst 6500 シリーズ スイッチの電源装置と併用すると不安定になる可能性があることに留意してください。その結果として、スイッチへの出力電圧波形が歪み、システムの電圧が低下する場合があります。
• AC 入力電源装置には、各電源装置と設置場所の電源とを接続する取り外し可能な電源コード(4000 W 電源装置を除く)が付いています。4000 W の AC 入力電源装置の電源コードは電源装置に固定されているため、取り外しできません。
• DC 入力電源装置は、端子ブロックに接続した太いケーブルで電源と接続します。使用地域の電気規定および規制に従い、適切なサイズのものを使用してください。
• 北米で 200/240 VAC 電源を使用する場合、回路を 2 極回路ブレーカーで保護する必要があります。
• システムから 6 フィート(1.8 m)以内の操作しやすい場所に AC 電源コンセントが必要です。
• シャーシとプラグ接続する AC 電源レセプタクルには、アース付きのタイプを使用してください。レセプタクルに接続するアース用導体は、設置場所の施設の保護アースに接続する必要があります。
ここでは、Catalyst 6500 シリーズ スイッチの AC 電源装置を設置場所の電源に接続する場合の基本的な注意事項を説明します。
• シャーシの各電源装置には、別個の専用の分岐回路が必要です。
– 950 W の電源装置には、15 A の回路が必要です。
– 1000 W の電源装置には、15 A または 20 A の回路が必要です。
– 1300 W、1400 W、2500 W、2700 W、3000 W の電源装置には、20 A の回路が必要です。
– 4000 W の電源装置には、30 A の回路が必要です。
– 6000 W の電源装置には、20 A の回路が必要です。
– 8700 W の電源装置には、20 A の回路が 1 つ、2 つ、または 3 つ必要です。
• 北米で 200/240 VAC 電源を使用する場合、回路を 2 極回路ブレーカーで保護する必要があります。
• システムから 6 フィート(1.8 m)以内の操作しやすい場所に AC 電源コンセントが必要です。
• シャーシとプラグ接続する AC 電源レセプタクルには、アース付きのタイプを使用してください。レセプタクルに接続するアース用導体は、設置場所の施設の保護アースに接続する必要があります。
ここでは、Catalyst 6500 シリーズ スイッチの DC 入力電源装置を設置場所の電源に接続する場合の基本的な注意事項を説明します。
• すべての電源接続の配線は、National Electrical Code(NEC)と各国の規定に準拠する必要があります。
• DC 電源の戻り線は、システム フレームおよびシャーシ(DC-I)から分離する必要があります。
• DC 電源コードは、同一定格の、撚り数の大きい銅線ケーブルの使用を推奨します。DC 入力電源装置への接続は、アース付きのケーブルが 1 本、DC 電源(-)、および DC 電源の戻り線(+)が 1 本ずつです。コードの長さはスイッチの配置によります。これらのコードは別途購入する必要があります。
• DC 電源コードのリード線のコードの色は DC 電源の設置環境によって変わります。通常、グリーン、またはグリーンとイエローの色がアース ケーブルになります。DC 配線用のカラー コードの規格が定められていないため、電源コードが適切な(+)および(-)極性の DC 入力電源装置の端子ブロックに確実に接続されていることを確認する必要があります。場合によっては、DC 電源コードのリード線にプラス(+)またはマイナス(-)のラベルが付いていることがあります。ラベルの極性についての記載内容は信頼できることが多いですが、DC コードのリード線間の電圧測定を行い、極性を確認する必要があります。測定を行う場合、プラス(+)のリード線およびマイナス(-)のリード線は、常に DC 入力電源装置の端子ブロック上の(+)ラベルおよび(-)ラベルと合わせてください。
• DC 電源コードは、電源装置側のケーブル ラグで終端させる必要があります。
• 回路ブレーカーは切断装置として、容易に手が届く場所に設置します。
• 回路は、専用の 2 極回路ブレーカーで保護する必要があります。電源装置の入力定格および地域または国の規定に適合するサイズの回路ブレーカーを使用してください。
• 複数の DC 入力電源を持つシステムで DC 入力の冗長電源構成を適切に行うには、1 台の DC 入力電源装置に対するすべてのペアの DC 入力導線を同じバッテリ システム(A フィード)に接続する必要があります。2 台めの DC 入力電源装置に対するすべてのペアの DC 入力導線は別のバッテリ システム(B フィード)に接続する必要があります。
• 入力が複数ある DC 入力電源装置の場合、各 DC 入力回路を専用の回路ブレーカーまたはヒューズで保護する必要があります。回路ブレーカーまたはヒューズは、電源装置の入力定格および地方自治体の条例または国が定める法令に適合するサイズのものを使用してください。
オーバーヘッド ケーブル トレイまたはサブフロア ケーブル トレイに電源コードとデータ ケーブルを一緒に配線する場合には、次の注意事項に留意してください。
また、カテゴリ 5e およびカテゴリ 6 のイーサネット ケーブルを使用する場合には、次の注意事項にも留意してください。
表 2-4 に、Catalyst 6500 シリーズ スイッチの設置前に必要な準備項目を示します。各作業の完了を確認して、スイッチを適切に設置してください。
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• 電源コンセント(電源装置の種類によって異なります)5 • 電源障害時用のUPS6 |
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5.シャーシに搭載されている各電源装置用に、専用の AC 電源または DC 電源の回路があることを確認してください。 6.UPS で必要な出力を決定するときは、電源装置の kVA 定格を基準として参照してください。電源装置の kVA 定格値は、付録 A にある電源ごとの仕様の表に示されています。 |