この製品のマニュアルセットは、偏向のない言語を使用するように配慮されています。このマニュアルセットでの偏向のない言語とは、年齢、障害、性別、人種的アイデンティティ、民族的アイデンティティ、性的指向、社会経済的地位、およびインターセクショナリティに基づく差別を意味しない言語として定義されています。製品ソフトウェアのユーザーインターフェイスにハードコードされている言語、RFP のドキュメントに基づいて使用されている言語、または参照されているサードパーティ製品で使用されている言語によりドキュメントに例外が存在する場合があります。シスコのインクルーシブランゲージに対する取り組みの詳細は、こちらをご覧ください。
このドキュメントは、米国シスコ発行ドキュメントの参考和訳です。リンク情報につきましては、日本語版掲載時点で、英語版にアップデートがあり、リンク先のページが移動/変更されている場合がありますことをご了承ください。あくまでも参考和訳となりますので、正式な内容については米国サイトのドキュメントを参照ください。
目次
この章では、しきい値および反応トリガーを使用した IP サービス レベル契約(SLA)の予防的モニタリング機能について説明します。
この章の内容は、次のとおりです。
IP SLA の反応は、モニタリング対象の値が指定のレベルを超えるか、下回った場合、または、タイムアウトや接続損失などのモニタリング対象のイベントが発生した場合にトリガーされるように設定します。 IP SLA によって測定された反応の設定が高すぎたり、低すぎたりすると、IP SLA では、ネットワーク管理アプリケーションへの通知を生成したり、より多くのデータを収集する別の IP SLA 動作をトリガーしたりすることがあります。
IP SLA は、ほとんどの IP SLA 動作に関する平均ジッター、単方向の遅延、双方向のラウンドトリップ時間(RTT)、および接続などのパフォーマンス パラメータについての予防的しきい値モニタリングおよび通知をサポートします。 予防的モニタリング機能は、単方向ジッター、単方向のパケット損失、および単方向 VoIP 音声品質スコアリングを含む重要な VoIP 関連パラメータの反応しきい値を設定するためのオプションを提供します。
IP SLA の通知は、トリガーされた応答として設定されます。 パケット損失、ジッター、平均動作スコア(MOS)統計情報は、IP SLA ジッター動作に固有です。 通知はいずれかの方向(送信元から宛先、および宛先から送信元)の違反、またはパケット損失およびジッターの範囲外 RTT 値に対して生成できます。 RTT 値が指定したしきい値を上回るか下回ると、トラップなどのイベントがトリガーされます。
応答条件が発生した場合、IP SLA ではシステム ロギング(syslog)メッセージを生成できます。 システム ロギング メッセージは、CISCO-RTTMON-MIB を使用して簡易ネットワーク管理プロトコル(SNMP)トラップ(通知)として送信できます。 IP SLA の SNMP トラップは、CISCO-RTTMON-MIB および CISCO-SYSLOG-MIB でサポートされます。
CISCO-SYSLOG-MIB の重大度レベルは、SyslogSeverity INTEGER {emergency(1), alert(2), critical(3), error(4), warning(5), notice(6), info(7), debug(8)} となります。
Cisco NX-OS ソフトウェアのシステム ロギング プロセスに対しては、異なる重大度レベル値が定義されます。 Cisco NX-OS ソフトウェアのシステム ロギング プロセスに対する重大度レベルは、{emergency (0), alert (1), critical (2), error (3), warning (4), notice (5), informational (6), debugging (7)} となります。
IP SLA しきい値違反は、Cisco NX-OS システム ロギング プロセス内ではレベル 6(informational)としてロギングされますが、CISCO-SYSLOG-MIB からはレベル 7(info)トラップとして送信されます。
通知は、しきい値違反が発生するたびに発行されるわけではありません。 以下の図に、モニタリング対象要素が上限しきい値を超えたときに発生するトリガー反応の流れを示します。 最初に上昇しきい値を超えたときに、イベントが送信され、通知が発行されます。 後続のしきい値超過通知は、モニタリング対象の値が上昇しきい値を再び超える前に下限しきい値を下回った場合に限り発行されます。
1 |
最初に上昇しきい値を超えたときに、イベントが送信され、しきい値超過通知が発行されます。 |
2 |
上昇しきい値の超過違反が連続して発生しても、追加の通知は発行されません。 |
3 |
モニタリング対象の値が下限しきい値を下回っています。 |
4 |
上昇しきい値を超えたときに別のしきい値超過通知が発行されているのは、モニタリング対象の値が最初に下限しきい値を下回った後だけです。 |
(注) |
また、モニタリング対象の要素が下限しきい値を最初に下回った時点で(3)、下限しきい値超過通知が発行されます。 下限しきい値超過違反に対する後続の通知が発行されるのは、上昇しきい値を超えた後で、モニタリング対象の値が下限しきい値を再び下回った場合に限られます。 |
ジッター動作に対する RTT 反応は、動作の最後にのみトリガーされます。これには、平均リターントリップ時間(RTTAvg)値とマッチングされる、リターントリップ時間の最新値(LatestRTT)が使用されます。
ジッター動作に対する RTT の SNMP トラップは、動作全体の平均リターントリップ時間(RTTAvg)値に基づいており、動作中に送信される個々のパケットの RTT 値は含まれません。 たとえば、平均がしきい値を下回っている場合、実際には最大で半数のパケットがしきい値を上回っている可能性がありますが、あくまでも動作全体に対する値であるため、このような詳細は通知には含まれません。
RTTAvg しきい値違反には、syslog メッセージのみがサポートされます。 syslog メッセージは、CISCO-RTTMON-MIB から送信されます。
ここでは、トラップを生成したり、別の動作を開始するようにしきい値および反応トリガーを設定する方法について説明します。
MOS 値が 4.9(最高品質)を超えた時点、または 2.5(低品質)を下回った時点で SNMP ロギング トラップを送信するように、IP SLA 動作 10 を設定する例を示します。
switch(config)# ip sla reaction-configuration 10 react mos threshold-type immediate threshold-value 490 250 action-type trapOnly
以下に、デフォルト設定を表示する例を示します。
switch# show ip sla reaction-configuration 1 Entry number: 1 Index: 1 Reaction: mos Threshold Type: Immediate Rising: 490 Falling: 250 Action Type: Trap only switch# configure terminal Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z. switch(config)# ip sla reaction-configuration 10 react mos threshold-type immediate threshold-value 490 250 action-type trapOnly switch(config)# show ip sla reaction-configuration 1 Entry number: 1 Reaction: rtt Threshold Type: Never Rising (milliseconds): 5000 Falling (milliseconds): 3000 Threshold Count: 5 Threshold Count2: 5 Action Type: None
以下の例では、出力の Reaction: 値に示されているように、複数のモニタリング対象要素が IP SLA 動作(1)に対して設定されています。
switch# show ip sla reaction-configuration Entry Number: 1 Reaction: RTT Threshold type: Never Rising (milliseconds): 5000 Falling (milliseconds): 3000 Threshold Count: 5 Threshold Count2: 5 Action Type: None Reaction: jitterDSAvg Threshold type: average Rising (milliseconds): 5 Falling (milliseconds): 3 Threshold Count: 5 Threshold Count2: 5 Action Type: triggerOnly Reaction: jitterDSAvg Threshold type: immediate Rising (milliseconds): 5 Falling (milliseconds): 3 Threshold Count: 5 Threshold Count2: 5 Action Type: trapOnly Reaction: PacketLossSD Threshold type: immediate Rising (milliseconds): 5 Threshold Falling (milliseconds): 3 Threshold Count: 5 Threshold Count2: 5 Action Type: trapOnly
以下に、RTT または VoIP MOS のしきい値に違反した場合に、10.1.1.1 のリモート ホストに CISCO-SYSLOG-MIB トラップが送信されるように、予防的しきい値モニタリングを設定する例を示します。
! Configure the operation on source. switch(config)# ip sla 1 switch(config-ip-sla)# udp-jitter 10.1.1.1 3000 codec g711alaw switch(config-ip-sla-jitter)# exit switch(config)# ip sla schedule 1 start now life forever ! Configure thresholds and reactions. switch(config)# ip sla reaction-configuration 1 react rtt threshold-type immediate threshold-value 3000 2000 action-type trapOnly switch(config)# ip sla reaction-configuration 1 react MOS threshold-type consecutive 4 threshold-value 390 220 action-type trapOnly switch(config)# ip sla logging traps ! The following command sends traps to the specified remote host. switch(config)# snmp-server host 10.1.1.1 version 2c public ! The following command is needed for the system to generate CISCO-SYSLOG-MIB traps. switch(config)# snmp-server enable traps
以下の例では、IP SLA しきい値違反通知が Cisco NX-OS システム ロギング プロセスでレベル 6 (informational)として生成されることが示されています。
3d18h:%RTT-6-SAATHRESHOLD:RTR(11):Threshold exceeded for MOS
以下の例では、同じ違反に対する CISCO-SYSLOG-MIB による SNMP 通知がレベル 7 (info)通知であることが示されています。
3d18h:SNMP:V2 Trap, reqid 2, errstat 0, erridx 0 sysUpTime.0 = 32613038 snmpTrapOID.0 = ciscoSyslogMIB.2.0.1 clogHistoryEntry.2.71 = RTT clogHistoryEntry.3.71 = 7 clogHistoryEntry.4.71 = SAATHRESHOLD clogHistoryEntry.5.71 = RTR(11):Threshold exceeded for MOS clogHistoryEntry.6.71 = 32613037
この表には、機能が追加または変更されたリリースの更新のみが含まれています。
機能名 | リリース | 機能情報 |
---|---|---|
予防的しきい値モニタリング |
6.1(1) |
この機能が導入されました。 |
目次
この章では、しきい値および反応トリガーを使用した IP サービス レベル契約(SLA)の予防的モニタリング機能について説明します。
この章の内容は、次のとおりです。
- IP SLA 反応の設定に関する情報
- IP SLA しきい値モニタリングおよび通知
- 予防的しきい値モニタリングの設定
- IP SLA 反応の設定例
- IP SLA 反応の設定の確認例
- SNMP 通知をトリガーするための設定例
- 予防的しきい値モニタリングの機能履歴
IP SLA 反応の設定に関する情報
IP SLA の反応は、モニタリング対象の値が指定のレベルを超えるか、下回った場合、または、タイムアウトや接続損失などのモニタリング対象のイベントが発生した場合にトリガーされるように設定します。 IP SLA によって測定された反応の設定が高すぎたり、低すぎたりすると、IP SLA では、ネットワーク管理アプリケーションへの通知を生成したり、より多くのデータを収集する別の IP SLA 動作をトリガーしたりすることがあります。
IP SLA しきい値モニタリングおよび通知
IP SLA は、ほとんどの IP SLA 動作に関する平均ジッター、単方向の遅延、双方向のラウンドトリップ時間(RTT)、および接続などのパフォーマンス パラメータについての予防的しきい値モニタリングおよび通知をサポートします。 予防的モニタリング機能は、単方向ジッター、単方向のパケット損失、および単方向 VoIP 音声品質スコアリングを含む重要な VoIP 関連パラメータの反応しきい値を設定するためのオプションを提供します。
IP SLA の通知は、トリガーされた応答として設定されます。 パケット損失、ジッター、平均動作スコア(MOS)統計情報は、IP SLA ジッター動作に固有です。 通知はいずれかの方向(送信元から宛先、および宛先から送信元)の違反、またはパケット損失およびジッターの範囲外 RTT 値に対して生成できます。 RTT 値が指定したしきい値を上回るか下回ると、トラップなどのイベントがトリガーされます。
応答条件が発生した場合、IP SLA ではシステム ロギング(syslog)メッセージを生成できます。 システム ロギング メッセージは、CISCO-RTTMON-MIB を使用して簡易ネットワーク管理プロトコル(SNMP)トラップ(通知)として送信できます。 IP SLA の SNMP トラップは、CISCO-RTTMON-MIB および CISCO-SYSLOG-MIB でサポートされます。
CISCO-SYSLOG-MIB の重大度レベルは、SyslogSeverity INTEGER {emergency(1), alert(2), critical(3), error(4), warning(5), notice(6), info(7), debug(8)} となります。
Cisco NX-OS ソフトウェアのシステム ロギング プロセスに対しては、異なる重大度レベル値が定義されます。 Cisco NX-OS ソフトウェアのシステム ロギング プロセスに対する重大度レベルは、{emergency (0), alert (1), critical (2), error (3), warning (4), notice (5), informational (6), debugging (7)} となります。
IP SLA しきい値違反は、Cisco NX-OS システム ロギング プロセス内ではレベル 6(informational)としてロギングされますが、CISCO-SYSLOG-MIB からはレベル 7(info)トラップとして送信されます。
通知は、しきい値違反が発生するたびに発行されるわけではありません。 以下の図に、モニタリング対象要素が上限しきい値を超えたときに発生するトリガー反応の流れを示します。 最初に上昇しきい値を超えたときに、イベントが送信され、通知が発行されます。 後続のしきい値超過通知は、モニタリング対象の値が上昇しきい値を再び超える前に下限しきい値を下回った場合に限り発行されます。
1
最初に上昇しきい値を超えたときに、イベントが送信され、しきい値超過通知が発行されます。
2
上昇しきい値の超過違反が連続して発生しても、追加の通知は発行されません。
3
モニタリング対象の値が下限しきい値を下回っています。
4
上昇しきい値を超えたときに別のしきい値超過通知が発行されているのは、モニタリング対象の値が最初に下限しきい値を下回った後だけです。
(注)
また、モニタリング対象の要素が下限しきい値を最初に下回った時点で(3)、下限しきい値超過通知が発行されます。 下限しきい値超過違反に対する後続の通知が発行されるのは、上昇しきい値を超えた後で、モニタリング対象の値が下限しきい値を再び下回った場合に限られます。ジッター動作に対する RTT 反応
ジッター動作に対する RTT 反応は、動作の最後にのみトリガーされます。これには、平均リターントリップ時間(RTTAvg)値とマッチングされる、リターントリップ時間の最新値(LatestRTT)が使用されます。
ジッター動作に対する RTT の SNMP トラップは、動作全体の平均リターントリップ時間(RTTAvg)値に基づいており、動作中に送信される個々のパケットの RTT 値は含まれません。 たとえば、平均がしきい値を下回っている場合、実際には最大で半数のパケットがしきい値を上回っている可能性がありますが、あくまでも動作全体に対する値であるため、このような詳細は通知には含まれません。
RTTAvg しきい値違反には、syslog メッセージのみがサポートされます。 syslog メッセージは、CISCO-RTTMON-MIB から送信されます。
予防的しきい値モニタリングの設定
はじめる前に手順
IP SLA 反応の設定例
MOS 値が 4.9(最高品質)を超えた時点、または 2.5(低品質)を下回った時点で SNMP ロギング トラップを送信するように、IP SLA 動作 10 を設定する例を示します。
switch(config)# ip sla reaction-configuration 10 react mos threshold-type immediate threshold-value 490 250 action-type trapOnly以下に、デフォルト設定を表示する例を示します。
switch# show ip sla reaction-configuration 1 Entry number: 1 Index: 1 Reaction: mos Threshold Type: Immediate Rising: 490 Falling: 250 Action Type: Trap only switch# configure terminal Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z. switch(config)# ip sla reaction-configuration 10 react mos threshold-type immediate threshold-value 490 250 action-type trapOnly switch(config)# show ip sla reaction-configuration 1 Entry number: 1 Reaction: rtt Threshold Type: Never Rising (milliseconds): 5000 Falling (milliseconds): 3000 Threshold Count: 5 Threshold Count2: 5 Action Type: NoneIP SLA 反応の設定の確認例
以下の例では、出力の Reaction: 値に示されているように、複数のモニタリング対象要素が IP SLA 動作(1)に対して設定されています。
switch# show ip sla reaction-configuration Entry Number: 1 Reaction: RTT Threshold type: Never Rising (milliseconds): 5000 Falling (milliseconds): 3000 Threshold Count: 5 Threshold Count2: 5 Action Type: None Reaction: jitterDSAvg Threshold type: average Rising (milliseconds): 5 Falling (milliseconds): 3 Threshold Count: 5 Threshold Count2: 5 Action Type: triggerOnly Reaction: jitterDSAvg Threshold type: immediate Rising (milliseconds): 5 Falling (milliseconds): 3 Threshold Count: 5 Threshold Count2: 5 Action Type: trapOnly Reaction: PacketLossSD Threshold type: immediate Rising (milliseconds): 5 Threshold Falling (milliseconds): 3 Threshold Count: 5 Threshold Count2: 5 Action Type: trapOnlySNMP 通知をトリガーするための設定例
以下に、RTT または VoIP MOS のしきい値に違反した場合に、10.1.1.1 のリモート ホストに CISCO-SYSLOG-MIB トラップが送信されるように、予防的しきい値モニタリングを設定する例を示します。
! Configure the operation on source. switch(config)# ip sla 1 switch(config-ip-sla)# udp-jitter 10.1.1.1 3000 codec g711alaw switch(config-ip-sla-jitter)# exit switch(config)# ip sla schedule 1 start now life forever ! Configure thresholds and reactions. switch(config)# ip sla reaction-configuration 1 react rtt threshold-type immediate threshold-value 3000 2000 action-type trapOnly switch(config)# ip sla reaction-configuration 1 react MOS threshold-type consecutive 4 threshold-value 390 220 action-type trapOnly switch(config)# ip sla logging traps ! The following command sends traps to the specified remote host. switch(config)# snmp-server host 10.1.1.1 version 2c public ! The following command is needed for the system to generate CISCO-SYSLOG-MIB traps. switch(config)# snmp-server enable traps以下の例では、IP SLA しきい値違反通知が Cisco NX-OS システム ロギング プロセスでレベル 6 (informational)として生成されることが示されています。
3d18h:%RTT-6-SAATHRESHOLD:RTR(11):Threshold exceeded for MOS以下の例では、同じ違反に対する CISCO-SYSLOG-MIB による SNMP 通知がレベル 7 (info)通知であることが示されています。
3d18h:SNMP:V2 Trap, reqid 2, errstat 0, erridx 0 sysUpTime.0 = 32613038 snmpTrapOID.0 = ciscoSyslogMIB.2.0.1 clogHistoryEntry.2.71 = RTT clogHistoryEntry.3.71 = 7 clogHistoryEntry.4.71 = SAATHRESHOLD clogHistoryEntry.5.71 = RTR(11):Threshold exceeded for MOS clogHistoryEntry.6.71 = 32613037