この製品のマニュアルセットは、偏向のない言語を使用するように配慮されています。このマニュアルセットでの偏向のない言語とは、年齢、障害、性別、人種的アイデンティティ、民族的アイデンティティ、性的指向、社会経済的地位、およびインターセクショナリティに基づく差別を意味しない言語として定義されています。製品ソフトウェアのユーザーインターフェイスにハードコードされている言語、RFP のドキュメントに基づいて使用されている言語、または参照されているサードパーティ製品で使用されている言語によりドキュメントに例外が存在する場合があります。シスコのインクルーシブランゲージに対する取り組みの詳細は、こちらをご覧ください。
このドキュメントは、米国シスコ発行ドキュメントの参考和訳です。リンク情報につきましては、日本語版掲載時点で、英語版にアップデートがあり、リンク先のページが移動/変更されている場合がありますことをご了承ください。あくまでも参考和訳となりますので、正式な内容については米国サイトのドキュメントを参照ください。
目次
この章では、IP サービス レベル契約(SLA)UDP ジッター動作を設定して、IPv4 ネットワークで UDP トラフィックを伝送するネットワークのラウンド トリップ遅延、一方向遅延、一方向ジッター、一方向パケット損失、および接続を分析する方法について説明します。 この章では、UDP ジッター動作を使用して収集されたデータを Cisco ソフトウェア コマンドを使用して表示および分析する方法についても説明します。
この章の内容は、次のとおりです。
IP SLA UDP ジッター動作では、Voice over IP(VoIP)、Video over IP、またはリアルタイム会議などのリアルタイム トラフィックのアプリケーションのネットワーク適合性を診断することができます。
ジッターとは、パケット間の遅延のばらつきを意味します。 複数のパケットが発信元から宛先に連続的に送信された場合(たとえば 10 ms 間隔で送信)、ネットワークが理想的に動作していれば、宛先は 10 ms 間隔でパケットを受信します。 しかし、ネットワーク内に遅延(キューイング、代替ルートを介した受信など)が存在する場合、パケット間の到着遅延は、10 ms より大きい場合も、10 ms より小さい場合もあります。 この例を使用すると、正のジッター値は、パケットの到着間隔が 10 ms を超えていることを示します。 パケットが 12 ms 間隔で到着する場合、正のジッターは 2 ms です。パケットが 8 ms 間隔で到着する場合、負のジッターは 2 ms です。 VoIP など遅延に影響されやすいネットワークでは、正のジッター値は望ましくありません。0 のジッター値が理想的です。
しかし、IP SLA UDP ジッター動作の機能は、ジッターのモニタリングだけではありません。 UDP ジッター動作には IP SLA UDP 動作によって返されたデータが含まれているため、UDP ジッター動作は多目的データ収集動作に使用できます。 IP SLA が生成するパケットは、シーケンス情報を送受信するパケット、および送信元および動作ターゲットからのタイム スタンプを送受信するパケットを搬送します。 UDP ジッター動作では、以下を測定できます。
データの送信と受信でパスが異なる場合もあるので(非対称)、方向別データを使用すれば、ネットワークで発生している輻輳や他の問題が発生している場所を簡単に突き止めることができます。
UDP ジッター動作は、合成(シミュレーション)UDP トラフィックを生成して機能します。 UDP ジッター動作は、指定された頻度 F で、送信元スイッチからターゲット スイッチに、サイズ S の N 個の UDP パケットを T ミリ秒間隔で送信します。 デフォルトでは、ペイロード サイズが 10 バイト(S)のパケット フレーム 10 個(N)を 10 ミリ秒(T)ごとに生成し、60 秒(F)ごとに動作を繰り返します。 これらのパラメータはそれぞれ、次の表に示すように、ユーザが設定できます。
UDP ジッター動作パラメータ |
Default |
コマンド |
パケット数(n) |
10 パケット |
udp-jitter コマンド、numpackets オプション |
パケットあたりのペイロード サイズ(S) |
32 バイト |
request-data-size コマンド |
パケット間隔(ミリ秒単位)(T) |
20 ms |
udp-jitter コマンド、interval オプション |
動作を繰り返すまでの経過時間(秒単位)(F) |
60 秒 |
frequency(IP SLA)コマンド |
IP SLA UDP ジッター動作を設定するための前提条件は次のとおりです。
IP SLA 動作を大規模なスケールで使用する場合、IP SLA パケットのパススルーを許可する特定の CoPP 設定が必要になる場合があります。 IP SLA ではユーザ定義の UDP ポートを使用するため、コントロール プレーンへのすべての IP SLA パケットを許可する手段がありません。 ただし、IP SLA が使用できる宛先/送信元ポートのそれぞれを指定することはできます。
IP SLA プローブ数の検証済みの拡張性に関する詳細については、『Cisco Nexus 7000 Series NX-OS Verified Scalability Guide』を参照してください。
以下に、IP SLA パケットのパススルーを許可する CoPP 設定例を示します。 この例では、宛先ポートと送信元ポートが 6500 ~ 7000 の範囲であることを前提としています。
ip access-list copp-system-sla-allow 10 remark ### ALLOW SLA control packets from 1.1.1.0/24 20 permit udp 1.1.1.0/24 any eq 1967 30 remark ### ALLOW SLA data packets from 1.1.1.0/24 using ports 6500-7000 40 permit udp 1.1.1.0/24 any range 6500 7000 statistics per-entry ip access-list copp-system-sla-deny 10 remark ### this is a catch-all to match any other traffic 20 permit ip any any statistics per-entry class-map type control-plane match-any copp-system-class-management-allow match access-group name copp-system-sla-allow class-map type control-plane match-any copp-system-class-management-deny match access-group name copp-system-sla-deny policy-map type control-plane copp-system-policy class copp-system-class-management-allow set cos 7 police cir 4500 kbps bc 250 ms conform transmit violate drop class copp-system-class-management-deny police cir 4500 kbps bc 250 ms conform drop violate drop control-plane service-policy input copp-system-policy
ここでは、UDP ジッター動作を設定およびスケジュールする方法について説明します。
ここでは、宛先デバイスで Responder を設定する方法について説明します。
(注) |
Responder では、同じ送信元に対して固定ポートを設定しないでください。 Responder が同じ送信元に対して固定ポートを設定すると、パケットが正常に(タイムアウトまたはパケット損失の問題が発生せずに)送信されたとしても、ジッター値はゼロになります。 |
ここでは、送信元デバイスでの基本 UDP ジッター動作を設定およびスケジュールする方法について説明します。
トラップを生成する目的、または別の動作を開始する目的で、予防的しきい値条件と反応トリガーを追加するには、「予防的しきい値モニタリングの設定」の項を参照してください。
IP SLA 動作の結果を表示し、内容を確認するには、show ip sla statistics コマンドを使用します。 サービス レベル契約の基準に対応するフィールドの出力を確認すると、サービス メトリックが許容範囲内であるかどうかを判断するのに役立ちます。
ここでは、追加特性を使用して UDP ジッター動作を設定およびスケジュールする方法について説明します。
送信元デバイスでの UDP ジッター動作を設定する前に、ターゲット デバイス(動作ターゲット)で IP SLA Responder をイネーブルにしておく必要があります。 IP SLA Responder を使用できるのは、Cisco NX-OS ソフトウェア ベースのデバイスだけです。 Responder をイネーブルにするために、「宛先デバイスの IP SLA Responder の設定」の項の作業を実行します。
トラップを生成する目的、または別の動作を開始する目的で、予防的しきい値条件と反応トリガーを追加するには、「予防的しきい値モニタリングの設定」の項を参照してください。
IP SLA 動作の結果を表示し、内容を確認するには、show ip sla statistics コマンドを使用します。 サービス レベル契約の基準に対応するフィールドの出力を確認すると、サービス メトリックが許容範囲内であるかどうかを判断するのに役立ちます。
以下に、動作 2 が最初の動作の 5 秒後に開始される UDP ジッター動作として設定されている、2 つの動作を示します。 どちらの動作も無期限に実行されます。
ip sla 1 udp-jitter 20.0.10.3 65051 num-packets 20 request-data-size 160 tos 128 frequency 30 ip sla schedule 1 start-time after 00:05:00 ip sla 2 udp-jitter 20.0.10.3 65052 num-packets 20 interval 10 request-data-size 20 tos 64 frequency 30 ip sla schedule 2 start-time after 00:05:05
ターゲット(宛先)デバイスの設定は、次のとおりです。
ip sla responder
この表には、機能が追加または変更されたリリースの更新のみが含まれています。
機能名 | リリース | 機能情報 |
---|---|---|
UDP ジッター |
6.1(1) |
この機能が導入されました。 |
目次
この章では、IP サービス レベル契約(SLA)UDP ジッター動作を設定して、IPv4 ネットワークで UDP トラフィックを伝送するネットワークのラウンド トリップ遅延、一方向遅延、一方向ジッター、一方向パケット損失、および接続を分析する方法について説明します。 この章では、UDP ジッター動作を使用して収集されたデータを Cisco ソフトウェア コマンドを使用して表示および分析する方法についても説明します。
この章の内容は、次のとおりです。
- IP SLA UDP ジッター動作に関する情報
- IP SLA UDP ジッター動作を設定するための前提条件
- UDP ジッター動作に関する注意事項と制約事項
- 送信元デバイスでの UDP ジッター動作の設定およびスケジューリング
- UDP ジッター動作の設定例
- UDP ジッターの機能履歴
IP SLA UDP ジッター動作に関する情報
IP SLA UDP ジッター動作では、Voice over IP(VoIP)、Video over IP、またはリアルタイム会議などのリアルタイム トラフィックのアプリケーションのネットワーク適合性を診断することができます。
ジッターとは、パケット間の遅延のばらつきを意味します。 複数のパケットが発信元から宛先に連続的に送信された場合(たとえば 10 ms 間隔で送信)、ネットワークが理想的に動作していれば、宛先は 10 ms 間隔でパケットを受信します。 しかし、ネットワーク内に遅延(キューイング、代替ルートを介した受信など)が存在する場合、パケット間の到着遅延は、10 ms より大きい場合も、10 ms より小さい場合もあります。 この例を使用すると、正のジッター値は、パケットの到着間隔が 10 ms を超えていることを示します。 パケットが 12 ms 間隔で到着する場合、正のジッターは 2 ms です。パケットが 8 ms 間隔で到着する場合、負のジッターは 2 ms です。 VoIP など遅延に影響されやすいネットワークでは、正のジッター値は望ましくありません。0 のジッター値が理想的です。
しかし、IP SLA UDP ジッター動作の機能は、ジッターのモニタリングだけではありません。 UDP ジッター動作には IP SLA UDP 動作によって返されたデータが含まれているため、UDP ジッター動作は多目的データ収集動作に使用できます。 IP SLA が生成するパケットは、シーケンス情報を送受信するパケット、および送信元および動作ターゲットからのタイム スタンプを送受信するパケットを搬送します。 UDP ジッター動作では、以下を測定できます。
データの送信と受信でパスが異なる場合もあるので(非対称)、方向別データを使用すれば、ネットワークで発生している輻輳や他の問題が発生している場所を簡単に突き止めることができます。
UDP ジッター動作は、合成(シミュレーション)UDP トラフィックを生成して機能します。 UDP ジッター動作は、指定された頻度 F で、送信元スイッチからターゲット スイッチに、サイズ S の N 個の UDP パケットを T ミリ秒間隔で送信します。 デフォルトでは、ペイロード サイズが 10 バイト(S)のパケット フレーム 10 個(N)を 10 ミリ秒(T)ごとに生成し、60 秒(F)ごとに動作を繰り返します。 これらのパラメータはそれぞれ、次の表に示すように、ユーザが設定できます。
UDP ジッター動作に関する注意事項と制約事項
IP SLA パケットの CoPP の設定
IP SLA 動作を大規模なスケールで使用する場合、IP SLA パケットのパススルーを許可する特定の CoPP 設定が必要になる場合があります。 IP SLA ではユーザ定義の UDP ポートを使用するため、コントロール プレーンへのすべての IP SLA パケットを許可する手段がありません。 ただし、IP SLA が使用できる宛先/送信元ポートのそれぞれを指定することはできます。
IP SLA プローブ数の検証済みの拡張性に関する詳細については、『Cisco Nexus 7000 Series NX-OS Verified Scalability Guide』を参照してください。
以下に、IP SLA パケットのパススルーを許可する CoPP 設定例を示します。 この例では、宛先ポートと送信元ポートが 6500 ~ 7000 の範囲であることを前提としています。
ip access-list copp-system-sla-allow 10 remark ### ALLOW SLA control packets from 1.1.1.0/24 20 permit udp 1.1.1.0/24 any eq 1967 30 remark ### ALLOW SLA data packets from 1.1.1.0/24 using ports 6500-7000 40 permit udp 1.1.1.0/24 any range 6500 7000 statistics per-entry ip access-list copp-system-sla-deny 10 remark ### this is a catch-all to match any other traffic 20 permit ip any any statistics per-entry class-map type control-plane match-any copp-system-class-management-allow match access-group name copp-system-sla-allow class-map type control-plane match-any copp-system-class-management-deny match access-group name copp-system-sla-deny policy-map type control-plane copp-system-policy class copp-system-class-management-allow set cos 7 police cir 4500 kbps bc 250 ms conform transmit violate drop class copp-system-class-management-deny police cir 4500 kbps bc 250 ms conform drop violate drop control-plane service-policy input copp-system-policy送信元デバイスでの UDP ジッター動作の設定およびスケジューリング
ここでは、UDP ジッター動作を設定およびスケジュールする方法について説明します。
- 宛先デバイスでの IP SLA Responder の設定
- 送信元デバイスでの基本 UDP ジッター動作の設定およびスケジューリング
- 追加特性を指定した UDP ジッター動作の設定およびスケジューリング
宛先デバイスでの IP SLA Responder の設定
手順ここでは、宛先デバイスで Responder を設定する方法について説明します。
(注)
Responder では、同じ送信元に対して固定ポートを設定しないでください。 Responder が同じ送信元に対して固定ポートを設定すると、パケットが正常に(タイムアウトまたはパケット損失の問題が発生せずに)送信されたとしても、ジッター値はゼロになります。
送信元デバイスでの基本 UDP ジッター動作の設定およびスケジューリング
手順ここでは、送信元デバイスでの基本 UDP ジッター動作を設定およびスケジュールする方法について説明します。
トラップを生成する目的、または別の動作を開始する目的で、予防的しきい値条件と反応トリガーを追加するには、「予防的しきい値モニタリングの設定」の項を参照してください。
IP SLA 動作の結果を表示し、内容を確認するには、show ip sla statistics コマンドを使用します。 サービス レベル契約の基準に対応するフィールドの出力を確認すると、サービス メトリックが許容範囲内であるかどうかを判断するのに役立ちます。
追加特性を指定した UDP ジッター動作の設定およびスケジューリング
ここでは、追加特性を使用して UDP ジッター動作を設定およびスケジュールする方法について説明します。
- UDP ジッター動作には大量のデータが伴うため、IP SLA UDP ジッター動作では IP SLA 履歴機能(統計情報の履歴バケット)をサポートしていません。したがって、次のコマンドは UDP ジッター動作にはサポートされません。history buckets-kept、history filter、historylives-kept、samples-of-history-kept、および show ip sla history。
- UDP ジッター動作の統計情報が保持される期間は、IP SLA で使用される MIB(CISCO-RTTMON-MIB)によって 2 時間に制限されます。 history hours-of-statisticshours グローバル コンフィギュレーションを使用して、これより大きな値に設定しても、保持される期間が 2 時間を超えることはありません。 ただし、Data Collection MIB を使用して動作の履歴データを収集することはできます。 詳細については、「CISCO-DATA-COLLECTION-MIB」(http://www.cisco.com/go/mibs)を参照してください。
はじめる前に手順送信元デバイスでの UDP ジッター動作を設定する前に、ターゲット デバイス(動作ターゲット)で IP SLA Responder をイネーブルにしておく必要があります。 IP SLA Responder を使用できるのは、Cisco NX-OS ソフトウェア ベースのデバイスだけです。 Responder をイネーブルにするために、「宛先デバイスの IP SLA Responder の設定」の項の作業を実行します。
トラップを生成する目的、または別の動作を開始する目的で、予防的しきい値条件と反応トリガーを追加するには、「予防的しきい値モニタリングの設定」の項を参照してください。
IP SLA 動作の結果を表示し、内容を確認するには、show ip sla statistics コマンドを使用します。 サービス レベル契約の基準に対応するフィールドの出力を確認すると、サービス メトリックが許容範囲内であるかどうかを判断するのに役立ちます。
UDP ジッター動作の設定例
以下に、動作 2 が最初の動作の 5 秒後に開始される UDP ジッター動作として設定されている、2 つの動作を示します。 どちらの動作も無期限に実行されます。
ip sla 1 udp-jitter 20.0.10.3 65051 num-packets 20 request-data-size 160 tos 128 frequency 30 ip sla schedule 1 start-time after 00:05:00 ip sla 2 udp-jitter 20.0.10.3 65052 num-packets 20 interval 10 request-data-size 20 tos 64 frequency 30 ip sla schedule 2 start-time after 00:05:05ターゲット(宛先)デバイスの設定は、次のとおりです。
ip sla responder