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目次
この章では、IP サービス レベル契約(SLA)ユーザ データグラム プロトコル(UDP)ジッター動作を設定してネットワーク内の Voice over IP(VoIP)品質レベルを予防的にモニタし、IPv4 ネットワーク内のユーザに VoIP レベルを保証できるようにする方法について説明します。 IP SLA VoIP UDP ジッター動作は、共通のコーデックを使用して VoIP トラフィックを正確にシミュレートし、平均オピニオン評点(MOS)および Calculated Planning and Improvement Factor(ICPIF)などの一貫した音声品質スコアを計算します。
(注) |
このマニュアルでは、音声という用語はインターネット テレフォニー アプリケーションを示します。 Voice over IP という用語には、IP ネットワーク経由のマルチメディア(音声とビデオの両方)の伝送が含まれることもあります。 |
この章の内容は、次のとおりです。
この機能は、UDP トラフィックを使用して適切な Voice over IP スコアを生成します。 Real-Time Transport Protocol(RTP)はサポートされていません。
この機能で算出される Calculated Planning Impairment Factor(ICPIF)値および MOS 値は IP SLA 内では一貫していますが、相対的に比較するために生成された予想値に過ぎません。 これらの値は、他の方法で測定された値と一致しない場合があります。
任意の方法で測定されたカスタマー オピニオンの予測値(E-Model 伝送評価係数 R や算出された平均オピニオン評点に対して示された値など)は、伝送計画および分析のみを目的として生成された値です。実際のカスタマー オピニオンを反映する値ではありません。
IP SLA 動作を大規模なスケールで使用する場合、IP SLA パケットのパススルーを許可する特定の CoPP 設定が必要になる場合があります。 IP SLA ではユーザ定義の UDP ポートを使用するため、コントロール プレーンへのすべての IP SLA パケットを許可する手段がありません。 ただし、IP SLA が使用できる宛先/送信元ポートのそれぞれを指定することはできます。
IP SLA プローブ数の検証済みの拡張性に関する詳細については、『Cisco Nexus 7000 Series NX-OS Verified Scalability Guide』を参照してください。
以下に、IP SLA パケットのパススルーを許可する CoPP 設定例を示します。 この例では、宛先ポートと送信元ポートが 6500 ~ 7000 の範囲であることを前提としています。
ip access-list copp-system-sla-allow 10 remark ### ALLOW SLA control packets from 1.1.1.0/24 20 permit udp 1.1.1.0/24 any eq 1967 30 remark ### ALLOW SLA data packets from 1.1.1.0/24 using ports 6500-7000 40 permit udp 1.1.1.0/24 any range 6500 7000 statistics per-entry ip access-list copp-system-sla-deny 10 remark ### this is a catch-all to match any other traffic 20 permit ip any any statistics per-entry class-map type control-plane match-any copp-system-class-management-allow match access-group name copp-system-sla-allow class-map type control-plane match-any copp-system-class-management-deny match access-group name copp-system-sla-deny policy-map type control-plane copp-system-policy class copp-system-class-management-allow set cos 7 police cir 4500 kbps bc 250 ms conform transmit violate drop class copp-system-class-management-deny police cir 4500 kbps bc 250 ms conform drop violate drop control-plane service-policy input copp-system-policy
ICPIF は、式 Icpif = Itot - A の一部として、1996 年版の ITU-T 勧告 G.113『Transmission impairments』で最初に開発されました。 ICPIF は「Calculated Planning Impairment Factor」を指します。ICPIF は、比較および計画用に、ネットワークに生じた音声品質に対する主な劣化の定量化を試みます。
ICPIF は、測定された劣化係数の合計(総劣化、つまり Itot)からユーザ定義のアクセス アドバンテージ係数(A)を引いたものです。アクセス アドバンテージ係数(A)は、通話方法(携帯電話からの通話対固定電話からの通話など)に基づいた、ユーザの期待を表す値です。 この式を拡張すると、完全な式は次のようになります。
Icpif = Io + Iq + Idte + Idd + Ie – A
各要素は次のとおりです。
Io は、最適ではない音量評価が原因の劣化を表します。
Iq は、PCM の量子化歪みが原因の劣化を表します。
Idte は、送話者エコーによる劣化を表します。
Idd は、一方向の伝送の時間(一方向遅延)により発生した劣化を表します。
Ie は、通話に使用されたコーデック タイプ、パケット損失など装置の影響が原因の劣化を表します。
A は、アクセスの容易性の代償としてユーザが許容する品質の劣化を補うアクセス アドバンテージ係数(ユーザ期待係数とも呼ばれます)を表します。
ICPIF の値は、通常、5(非常に軽い障害)から 55(非常に重い障害)の範囲で表されます。 20 未満の ICPIF 値は、通常、「適切」と見なされます。ICPIF 値の目的は音声品質の客観的測定ですが、この値は、劣化の組み合わせの主観的影響を予測するためにも使用されます。
G.113(1996 年 2 月)に記載された、主観的品質判定に対応することが期待されるサンプル ICPIF 値を、次の図に示します。
ICPIF の上限 |
音声通信の品質 |
5 |
非常に良い |
10 |
GOOD |
20 |
適切 |
30 |
限定された状況で許容可 |
45 |
きわめて限定された状況で許容可 |
55 |
ユーザが強い不満を示す可能性が高い(苦情、ネットワーク オペレータの変更) |
ICPIF の詳細については、1996 年版の G.113 の仕様を参照してください。
(注) |
最新版の ITU-T G.113 勧告(2001 年)には、ICPIF モデルについての記載はありません。 代わりに、現在は G.107 に記述されているように、ITU-T G.107 の E-model で使用される『劣化係数法』が推奨されます。 使用された量子化歪み単位を使用していた初期の方法は、現在では推奨されません。完全な E-Model(ITU-T 伝送評価モデルとも呼ばれます)は、R = Ro - Is - Id - Ie + A として表現され、劣化係数の定義の改善により、コール品質のより正確な測定の可能性を提供します(詳細については、G.107、2003 年版を参照してください)。 ICPIF と E-Model は劣化に関する用語を共有していますが、これら 2 つのモデルは異なります。 IP SLA VoIP UDP 動作機能では、ICPIF、伝送評価係数 R、および MOS 値の間で観測された対応関係が活用されますが、E-Model はサポートされていません。 |
伝送される音声の品質は、聞き手の主観的な反応です。 VoIP の伝送に使用する各コーデックは特定のレベルの品質を提供します。 特定のコーデックによってもたらされる音質の測定に使用される共通のベンチマークは、平均オピニオン評点(MOS)です。 MOS では、幅広い聞き手が、特定のコーデックを使用して送信された音声サンプルの品質を 1(貧弱)~5(優良)で判定します。 オピニオン評点は平均化されて、各サンプルの平均が算出されます。
次の表に、各値に対する MOS 評点および対応する品質の説明を示します。
得点 |
品質 |
品質劣化の説明 |
---|---|---|
5 |
とても良い |
ほとんど感じられない |
4 |
GOOD |
わずかに感じられるが、気にならない |
3 |
普通 |
感じられ、やや気になる |
2 |
良くない |
気になるが、不快ではない |
1 |
BAD |
非常に気になり、不快である |
コーデックおよび他の伝送劣化に関する MOS 評点は既知であることから、測定された劣化に基づいて MOS の予測値を算出し、表示できます。 ITU では、この予測値を客観的 MOS または主観的 MOS 値と区別するために、Mean Opinion Score; Conversational Quality, Estimated(MOS-CQE)と表しています(詳細は、P.800.1 を参照)。
IP ネットワーク上で音声品質およびビデオ品質を測定する際に重要なメトリックの 1 つはジッターです。 ジッターは、受信パケット間の遅延における変動(パケット間の遅延のばらつき)の影響を示します。 ジッターは、通話者の音声パターンに不均等なずれを生じさせて、音声品質に影響を与えます。 IP ネットワーク上での音声伝送およびビデオ伝送に関するその他の重要なパフォーマンス パラメータには、遅延やパケット損失が挙げられます。 IP SLA を使用してこれらのパラメータをシミュレートし、測定することで、ネットワークがユーザとのサービス レベル契約を満たしているか、または超過しているかを確認できます。
IP SLA は、送信元デバイスから特定の宛先(動作ターゲットと呼ばれます)にネットワーク経由で送信された UDP プローブ パケットで構成される UDP ジッター動作を提供します。 この合成トラフィックは、接続のジッター量、ラウンドトリップ時間、方向別パケット損失、および一方向遅延を記録するために使用されます (合成トラフィックは、ネットワーク トラフィックがシミュレートされていることを示します。つまり、トラフィックは、IP SLA によって生成されます)。収集された統計情報の形式でのデータは、ユーザ定義した期間内の複数のテストに対して表示でき、たとえば、1 日の異なる時間、または週の経過におけるネットワークのパフォーマンスを確認できます。 ジッター プローブには、受信側で最小の遅延を提供するために IP SLA Responder を使用できます。
IP SLA VoIP UDP ジッター動作は、UDP ジッタ動作によって既に収集されているメトリックに加え、動作によって収集されたデータに MOS スコアおよび ICPIF スコアを返す機能を追加することによって、標準的な UDP ジッター動作を変更します。 この VoIP 固有の実装により、VoIP ネットワークのパフォーマンスを判断することができます。
IP SLA VoIP UDP ジッター動作は、指定された頻度 f で、指定された送信元スイッチから指定されたターゲット スイッチに、サイズ s の n 個の UDP パケットを t ミリ秒間隔で送信して統計情報を計算します。 プローブ動作を処理するには、ターゲット スイッチが IP SLA Responder を稼働している必要があります。
MOS スコアと ICPIF スコアを生成するには、VoIP UDP ジッター動作を設定するときに、接続に使用するコーデック タイプを指定します。 動作に設定したコーデック タイプに基づいて、パケット数(n)、各ペイロードのサイズ(s)、パケット間間隔(t)、および動作の頻度(f)がデフォルト値に自動設定されます ただし、必要な場合は、udp-jitter コマンドの構文でこれらのパラメータを手動で設定することもできます。
次の表に、コーデックによる動作に設定されるデフォルト パラメータを示します。
コーデック |
デフォルトの要求サイズ(パケット ペイロード)(s) |
デフォルトのパケット間間隔(t) |
デフォルトのパケット数(n) |
プローブ動作の頻度(f) |
---|---|---|---|---|
G.711 mu-Law(g711ulaw) |
160 + 12 RTP バイト |
20 ms |
1000 |
1 分に 1 回 |
G.711 A-Law(g711alaw) |
160 + 12 RTP バイト |
20 ms |
1000 |
1 分に 1 回 |
G.729A(g729a) |
20 + 12 RTP バイト |
20 ms |
1000 |
1 分に 1 回 |
たとえば、g711ulaw コーデックの特性を使用する VoIP UDP ジッター動作を設定した場合、プローブ動作はデフォルトで 1 分に 1 回(f)送信されます。 各プローブ動作は 1000 パケット(n)で構成され、各パケットは 180 バイトの合成データ(s)を含み、20 ミリ秒間隔(t)で送信されます。
Cisco NX-OS ソフトウェアを使用する ICPIF 値の計算は、主として音声品質を劣化させる 2 つの主要因(遅延パケットと損失パケット)に基づいています。 パケット遅延およびパケット損失は IP SLA で測定できます。したがって、ICPIF 式(Icpif=Io+Iq+Idte+Idd+Ie-A)は、Io、Iq、および Idte の値がゼロであると想定することによって簡素化され、次のようになります。
Total Impairment Factor (Icpif) = Delay Impairment Factor (Idd) + Equipment Impairment Factor (Ie) — Expectation/Advantage Factor (A)
ICPIF 値は、遅延パケットの測定値に基づいた遅延劣化係数と、損失パケットの測定値に基づいた機器劣化係数を加算して算出されます。 ネットワーク内で測定されたこの総劣化の合計値から劣化変数(期待係数)を引くと、ICPIF になります。
Cisco ゲートウェイは、受信した VoIP データ ストリームの ICPIF の計算には、この式を使用します。
遅延劣化係数(Idd)は、2 つの値に基づいた数値です。 1 つの値は、固定値です。(ITU 規格で規定された)コーデック遅延、先読み遅延、およびデジタル信号処理(DSP)遅延の固定値を使用して算出されます。 2 番めの値は、変数です。測定された一方向遅延(ラウンドトリップ時間測定値を 2 で割った値)に基づいています。 一方向遅延値は、G.107(2002 年版)の分析式に基づいたマッピング テーブルを使用して数値にマップされます。
次の表に、IP SLA によって測定された一方向遅延と遅延劣化係数値の対応関係の例を示します。
一方向遅延(ミリ秒) |
遅延劣化係数 |
---|---|
50 |
1 |
100 |
2 |
150 |
4 |
200 |
7 |
機器劣化係数(Ie)は、測定されたパケット損失量に基づいた数値です。 測定されたパケット損失量は総送信パケット数の割合として表され、コーデックによって定義される機器劣化係数に対応します。
次の表に、IP SLA によって測定されたパケット損失と機器劣化係数値(相互に対応)との間の対応関係の例を示します。
パケット損失(送信済みパケットの総数のパーセント) |
PCM(G.711)コーデックの機器劣化値 |
CS-ACELP(G.729A)コーデックの機器劣化値 |
---|---|---|
2 % |
12 |
20 |
4 % |
22 |
30 |
6 % |
28 |
38 |
8 % |
32 |
42 |
アドバンテージ係数(A)とも呼ばれる期待係数は、ユーザがアクセスの容易性の代償としてある程度の品質の劣化を許容する可能性があるという予測を表します。 たとえば、到達困難な場所にいる携帯電話ユーザは、接続品質が従来の固定電話接続ほど良好ではないことを予測している可能性があります。 この変数は、向上したアクセスの利便性と音声品質の低下の釣り合いを保つことを目的としているので、アドバンテージ係数(アクセス アドバンテージ係数の略)とも呼ばれます。
次の表は ITU-T 勧告 G.113 を改良したもので、A の暫定最大値のセットを、提供されるサービスごとに定義しています。
通信サービス |
アドバンテージ/期待係数: A の最大値 |
---|---|
従来の有線(固定電話) |
0 |
建物内のモビリティ(セルラー接続) |
5 |
地域内または車内のモビリティ |
10 |
到達困難な場所へのアクセス(たとえば、マルチホップ衛星接続を介したアクセスなど) |
20 |
これらの値は推奨値に過ぎません。 意味のあるものにするには、係数(A)および特定のアプリケーションで選択したその値を一貫して、採用するすべてのプランニング モデルで使用する必要があります。 ただし、表の値は、A の絶対的な上限と見なす必要があります。
IP SLA VoIP UDP ジッター動作のデフォルトのアドバンテージ係数は常に 0 です。
IP SLA は、ICPIF 値と MOS 値との間で認められた対応関係を使用して MOS 値を予測します。
(注) |
略語 MOS は Conversational Quality, Estimated(Mean Opinion Score)を表します。 |
G.107(2003 年 3 月)で定義された E-Model は、伝送パラメータが原因の劣化(損失、遅延など)を組み合わせて 1 つの評価、つまり伝送評価係数 R(R 係数)を算出することによって、平均的な聞き手が感じる主観的な品質を予測します。 0(最低)~100(最高)で表されるこの評価は、MOS などユーザの主観的な反応を予測するために使用されます。 具体的には、MOS は R 係数から変換式を使用して算出できます。 逆に言うと、この式を逆変換式に修正して使用すれば、MOS 値から R 係数を算出できます。
ICPIF 値と R 係数との間にも関係があります。 IP SLA は、ICPIF スコアから算出された R 係数の予測値から適切な MOS スコアの概算値を算出して、この対応関係を利用します。
次の表に、対応する ICPIF 値に対して生成される MOS 値を示します。
ICPIF の範囲 |
MOS |
品質のカテゴリ |
---|---|---|
0 ~ 3 |
5 |
ベスト |
4 ~ 13 |
4 |
高 |
14 ~ 23 |
3 |
中 |
24 ~ 33 |
2 |
低 |
34 ~ 43 |
1 |
良くない |
IP SLA は、MOS 予測値を常に 1 ~ 5 で表します(5 が最高品質です)。 MOS 値が 0(ゼロ)の場合は、その動作に対して MOS データを生成できなかったことを示します。
トラップを生成する目的、または別の動作を開始する目的で、予防的しきい値条件と反応トリガーを追加するには、「予防的しきい値モニタリングの設定」の項を参照してください。
IP SLA 動作の結果を表示し、内容を確認するには、show ip sla statistics コマンドを使用します。 サービス レベル契約の基準に対応するフィールドの出力を確認すると、サービス メトリックが許容範囲内であるかどうかを判断するのに役立ちます。
次の例では、IP SLA Responder が 101.101.101.1 のデバイスでイネーブルであることを前提とします。
switch# conf terminal Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z. switch(config)# ip sla 10 switch(config-ip-sla)# udp-jitter 101.101.101.1 16384 codec g711alaw advantage-factor 2 switch(config-ip-sla-jitter)# owner admin_bofh switch(config-ip-sla-jitter)# precision microseconds switch(config-ip-sla-jitter)# exit switch(config)# ip sla schedule 10 start-time now switch(config)# exit switch# show ip sla config 10 IP SLAs Infrastructure Engine-III Entry number: 10 Owner: admin_bofh Tag: Operation timeout (milliseconds): 5000 Type of operation to perform: udp-jitter Target address/Source address: 101.101.101.1/0.0.0.0 Target port/Source port: 16384/0 Type Of Service parameter: 0x0 Codec type: g711alaw Codec Number Of Packets: 1000 Codec Packet Size: 172 Codec Interval (milliseconds): 20 Advantage Factor: 2 Verify data: No Operation Stats Precision : microseconds Operation Packet Priority : normal NTP Sync Tolerance : 0 percent Vrf Name: default Control Packets: enabled Schedule: Operation frequency (seconds): 60 (not considered if randomly scheduled) Next Scheduled Start Time: Start Time already passed Group Scheduled : FALSE Randomly Scheduled : FALSE Life (seconds): 3600 Entry Ageout (seconds): never Recurring (Starting Everyday): FALSE Status of entry (SNMP RowStatus): Active Threshold (milliseconds): 5000 Distribution Statistics: Number of statistic hours kept: 2 Number of statistic distribution buckets kept: 1 Statistic distribution interval (microseconds): 20 switch# switch# show running-config | begin "ip sla 10" ip sla 10 udp-jitter 101.101.101.1 16384 codec g711alaw advantage-factor 2 precision microseconds owner admin_bofh ip sla schedule 10 start-time now no logging console . . . switch# show ip sla configuration 10 Entry number: 10 Owner: admin_bofh Tag: Type of operation to perform: jitter Target address: 101.101.101.1 Source address: 0.0.0.0 Target port: 16384 Source port: 0 Operation timeout (milliseconds): 5000 Codec Type: g711alaw Codec Number Of Packets: 1000 Codec Packet Size: 172 Codec Interval (milliseconds): 20 Advantage Factor: 2 Type Of Service parameters: 0x0 Verify data: No Vrf Name: Control Packets: enabled Operation frequency (seconds): 60 Next Scheduled Start Time: Start Time already passed Life (seconds): 3600 Entry Ageout (seconds): never Status of entry (SNMP RowStatus): Active Connection loss reaction enabled: No Timeout reaction enabled: No Verify error enabled: No Threshold reaction type: Never Threshold (milliseconds): 5000 Threshold Falling (milliseconds): 3000 Threshold Count: 5 Threshold Count2: 5 Reaction Type: None Number of statistic hours kept: 2 Number of statistic distribution buckets kept: 1 Statistic distribution interval (microseconds): 20 Enhanced History:
コーデック タイプがジッター動作用に設定されている場合、標準ジッターの「Request size (ARR data portion)」、「Number of packets」、および「Interval (microseconds)」のパラメータは show ip sla configuration コマンドの出力に表示されません。 代わりに、「Codec Packet Size」、「Codec Number of Packets」、および「Codec Interval (microseconds)」が表示されます。
以下に、ジッター(コーデック)動作の音声スコア(ICPIF 値と MOS 値)を表示する例を示します。
switch# show ip sla st
IPSLAs Latest Operation Statistics
IPSLA operation id: 1
Type of operation: udp-jitter
Latest RTT: 11999 microseconds
Latest operation start time: 02:39:33 UTC Sat May 05 2012
Latest operation return code: OK
Latest operation NTP sync state: NO_SYNC
RTT Values:
Number Of RTT: 10
RTT Min/Avg/Max: 9000/11999/17000 microseconds
Latency one-way time:
Number of Latency one-way Samples: 0
Source to Destination Latency one way Min/Avg/Max: 0/0/0 microseconds
Destination to Source Latency one way Min/Avg/Max: 0/0/0 microseconds
Jitter Time:
Number of SD Jitter Samples: 9
Number of DS Jitter Samples: 9
Source to Destination Jitter Min/Avg/Max: 0/223/2001 microseconds
Destination to Source Jitter Min/Avg/Max: 0/2001/6001 microseconds
Packet Loss Values:
Loss Source to Destination: 0
Source to Destination Loss Periods Number: 0
この表には、機能が追加または変更されたリリースの更新のみが含まれています。
機能名 | リリース | 機能情報 |
---|---|---|
UDP ジッター |
6.1(1) |
この機能が導入されました。 |
目次
この章では、IP サービス レベル契約(SLA)ユーザ データグラム プロトコル(UDP)ジッター動作を設定してネットワーク内の Voice over IP(VoIP)品質レベルを予防的にモニタし、IPv4 ネットワーク内のユーザに VoIP レベルを保証できるようにする方法について説明します。 IP SLA VoIP UDP ジッター動作は、共通のコーデックを使用して VoIP トラフィックを正確にシミュレートし、平均オピニオン評点(MOS)および Calculated Planning and Improvement Factor(ICPIF)などの一貫した音声品質スコアを計算します。
(注)
このマニュアルでは、音声という用語はインターネット テレフォニー アプリケーションを示します。 Voice over IP という用語には、IP ネットワーク経由のマルチメディア(音声とビデオの両方)の伝送が含まれることもあります。
この章の内容は、次のとおりです。
- VoIP 用の IP SLA UDP ジッター動作に関する注意事項と制約事項
- ICPIF
- 平均オピニオン評点
- IP SLA を使用した音声パフォーマンスのモニタリング
- IP SLA でのコーデックのシミュレーション
- IP SLA ICPIF 値
- IP SLA MOS 値
- IP SLA VoIP UDP ジッター動作の設定およびスケジューリング
- IP SLA VoIP UDP 動作の設定例
- IP SLA VoIP UDP 動作統計情報の出力の設定例
- UDP ジッターの機能履歴
VoIP 用の IP SLA UDP ジッター動作に関する注意事項と制約事項
この機能は、UDP トラフィックを使用して適切な Voice over IP スコアを生成します。 Real-Time Transport Protocol(RTP)はサポートされていません。
この機能で算出される Calculated Planning Impairment Factor(ICPIF)値および MOS 値は IP SLA 内では一貫していますが、相対的に比較するために生成された予想値に過ぎません。 これらの値は、他の方法で測定された値と一致しない場合があります。
任意の方法で測定されたカスタマー オピニオンの予測値(E-Model 伝送評価係数 R や算出された平均オピニオン評点に対して示された値など)は、伝送計画および分析のみを目的として生成された値です。実際のカスタマー オピニオンを反映する値ではありません。
IP SLA パケットの CoPP の設定
IP SLA 動作を大規模なスケールで使用する場合、IP SLA パケットのパススルーを許可する特定の CoPP 設定が必要になる場合があります。 IP SLA ではユーザ定義の UDP ポートを使用するため、コントロール プレーンへのすべての IP SLA パケットを許可する手段がありません。 ただし、IP SLA が使用できる宛先/送信元ポートのそれぞれを指定することはできます。
IP SLA プローブ数の検証済みの拡張性に関する詳細については、『Cisco Nexus 7000 Series NX-OS Verified Scalability Guide』を参照してください。
以下に、IP SLA パケットのパススルーを許可する CoPP 設定例を示します。 この例では、宛先ポートと送信元ポートが 6500 ~ 7000 の範囲であることを前提としています。
ip access-list copp-system-sla-allow 10 remark ### ALLOW SLA control packets from 1.1.1.0/24 20 permit udp 1.1.1.0/24 any eq 1967 30 remark ### ALLOW SLA data packets from 1.1.1.0/24 using ports 6500-7000 40 permit udp 1.1.1.0/24 any range 6500 7000 statistics per-entry ip access-list copp-system-sla-deny 10 remark ### this is a catch-all to match any other traffic 20 permit ip any any statistics per-entry class-map type control-plane match-any copp-system-class-management-allow match access-group name copp-system-sla-allow class-map type control-plane match-any copp-system-class-management-deny match access-group name copp-system-sla-deny policy-map type control-plane copp-system-policy class copp-system-class-management-allow set cos 7 police cir 4500 kbps bc 250 ms conform transmit violate drop class copp-system-class-management-deny police cir 4500 kbps bc 250 ms conform drop violate drop control-plane service-policy input copp-system-policyICPIF
ICPIF は、式 Icpif = Itot - A の一部として、1996 年版の ITU-T 勧告 G.113『Transmission impairments』で最初に開発されました。 ICPIF は「Calculated Planning Impairment Factor」を指します。ICPIF は、比較および計画用に、ネットワークに生じた音声品質に対する主な劣化の定量化を試みます。
ICPIF は、測定された劣化係数の合計(総劣化、つまり Itot)からユーザ定義のアクセス アドバンテージ係数(A)を引いたものです。アクセス アドバンテージ係数(A)は、通話方法(携帯電話からの通話対固定電話からの通話など)に基づいた、ユーザの期待を表す値です。 この式を拡張すると、完全な式は次のようになります。
Icpif = Io + Iq + Idte + Idd + Ie – A
各要素は次のとおりです。
Io は、最適ではない音量評価が原因の劣化を表します。
Iq は、PCM の量子化歪みが原因の劣化を表します。
Idte は、送話者エコーによる劣化を表します。
Idd は、一方向の伝送の時間(一方向遅延)により発生した劣化を表します。
Ie は、通話に使用されたコーデック タイプ、パケット損失など装置の影響が原因の劣化を表します。
A は、アクセスの容易性の代償としてユーザが許容する品質の劣化を補うアクセス アドバンテージ係数(ユーザ期待係数とも呼ばれます)を表します。
ICPIF の値は、通常、5(非常に軽い障害)から 55(非常に重い障害)の範囲で表されます。 20 未満の ICPIF 値は、通常、「適切」と見なされます。ICPIF 値の目的は音声品質の客観的測定ですが、この値は、劣化の組み合わせの主観的影響を予測するためにも使用されます。
G.113(1996 年 2 月)に記載された、主観的品質判定に対応することが期待されるサンプル ICPIF 値を、次の図に示します。
ICPIF の上限
音声通信の品質
5
非常に良い
10
GOOD
20
適切
30
限定された状況で許容可
45
きわめて限定された状況で許容可
55
ユーザが強い不満を示す可能性が高い(苦情、ネットワーク オペレータの変更)
ICPIF の詳細については、1996 年版の G.113 の仕様を参照してください。
(注)
最新版の ITU-T G.113 勧告(2001 年)には、ICPIF モデルについての記載はありません。 代わりに、現在は G.107 に記述されているように、ITU-T G.107 の E-model で使用される『劣化係数法』が推奨されます。 使用された量子化歪み単位を使用していた初期の方法は、現在では推奨されません。完全な E-Model(ITU-T 伝送評価モデルとも呼ばれます)は、R = Ro - Is - Id - Ie + A として表現され、劣化係数の定義の改善により、コール品質のより正確な測定の可能性を提供します(詳細については、G.107、2003 年版を参照してください)。 ICPIF と E-Model は劣化に関する用語を共有していますが、これら 2 つのモデルは異なります。 IP SLA VoIP UDP 動作機能では、ICPIF、伝送評価係数 R、および MOS 値の間で観測された対応関係が活用されますが、E-Model はサポートされていません。
平均オピニオン評点
伝送される音声の品質は、聞き手の主観的な反応です。 VoIP の伝送に使用する各コーデックは特定のレベルの品質を提供します。 特定のコーデックによってもたらされる音質の測定に使用される共通のベンチマークは、平均オピニオン評点(MOS)です。 MOS では、幅広い聞き手が、特定のコーデックを使用して送信された音声サンプルの品質を 1(貧弱)~5(優良)で判定します。 オピニオン評点は平均化されて、各サンプルの平均が算出されます。
次の表に、各値に対する MOS 評点および対応する品質の説明を示します。
表 1 MOS 評点 得点
品質
品質劣化の説明
5
とても良い
ほとんど感じられない
4
GOOD
わずかに感じられるが、気にならない
3
普通
感じられ、やや気になる
2
良くない
気になるが、不快ではない
1
BAD
非常に気になり、不快である
コーデックおよび他の伝送劣化に関する MOS 評点は既知であることから、測定された劣化に基づいて MOS の予測値を算出し、表示できます。 ITU では、この予測値を客観的 MOS または主観的 MOS 値と区別するために、Mean Opinion Score; Conversational Quality, Estimated(MOS-CQE)と表しています(詳細は、P.800.1 を参照)。
IP SLA を使用した音声パフォーマンスのモニタリング
IP ネットワーク上で音声品質およびビデオ品質を測定する際に重要なメトリックの 1 つはジッターです。 ジッターは、受信パケット間の遅延における変動(パケット間の遅延のばらつき)の影響を示します。 ジッターは、通話者の音声パターンに不均等なずれを生じさせて、音声品質に影響を与えます。 IP ネットワーク上での音声伝送およびビデオ伝送に関するその他の重要なパフォーマンス パラメータには、遅延やパケット損失が挙げられます。 IP SLA を使用してこれらのパラメータをシミュレートし、測定することで、ネットワークがユーザとのサービス レベル契約を満たしているか、または超過しているかを確認できます。
IP SLA は、送信元デバイスから特定の宛先(動作ターゲットと呼ばれます)にネットワーク経由で送信された UDP プローブ パケットで構成される UDP ジッター動作を提供します。 この合成トラフィックは、接続のジッター量、ラウンドトリップ時間、方向別パケット損失、および一方向遅延を記録するために使用されます (合成トラフィックは、ネットワーク トラフィックがシミュレートされていることを示します。つまり、トラフィックは、IP SLA によって生成されます)。収集された統計情報の形式でのデータは、ユーザ定義した期間内の複数のテストに対して表示でき、たとえば、1 日の異なる時間、または週の経過におけるネットワークのパフォーマンスを確認できます。 ジッター プローブには、受信側で最小の遅延を提供するために IP SLA Responder を使用できます。
IP SLA VoIP UDP ジッター動作は、UDP ジッタ動作によって既に収集されているメトリックに加え、動作によって収集されたデータに MOS スコアおよび ICPIF スコアを返す機能を追加することによって、標準的な UDP ジッター動作を変更します。 この VoIP 固有の実装により、VoIP ネットワークのパフォーマンスを判断することができます。
IP SLA でのコーデックのシミュレーション
IP SLA VoIP UDP ジッター動作は、指定された頻度 f で、指定された送信元スイッチから指定されたターゲット スイッチに、サイズ s の n 個の UDP パケットを t ミリ秒間隔で送信して統計情報を計算します。 プローブ動作を処理するには、ターゲット スイッチが IP SLA Responder を稼働している必要があります。
MOS スコアと ICPIF スコアを生成するには、VoIP UDP ジッター動作を設定するときに、接続に使用するコーデック タイプを指定します。 動作に設定したコーデック タイプに基づいて、パケット数(n)、各ペイロードのサイズ(s)、パケット間間隔(t)、および動作の頻度(f)がデフォルト値に自動設定されます ただし、必要な場合は、udp-jitter コマンドの構文でこれらのパラメータを手動で設定することもできます。
次の表に、コーデックによる動作に設定されるデフォルト パラメータを示します。
表 2 デフォルトの VoIP UDP ジッター動作パラメータ(コーデック タイプ別) コーデック
デフォルトの要求サイズ(パケット ペイロード)(s)
デフォルトのパケット間間隔(t)
デフォルトのパケット数(n)
プローブ動作の頻度(f)
G.711 mu-Law(g711ulaw)
160 + 12 RTP バイト
20 ms
1000
1 分に 1 回
G.711 A-Law(g711alaw)
160 + 12 RTP バイト
20 ms
1000
1 分に 1 回
G.729A(g729a)
20 + 12 RTP バイト
20 ms
1000
1 分に 1 回
たとえば、g711ulaw コーデックの特性を使用する VoIP UDP ジッター動作を設定した場合、プローブ動作はデフォルトで 1 分に 1 回(f)送信されます。 各プローブ動作は 1000 パケット(n)で構成され、各パケットは 180 バイトの合成データ(s)を含み、20 ミリ秒間隔(t)で送信されます。
IP SLA ICPIF 値
Cisco NX-OS ソフトウェアを使用する ICPIF 値の計算は、主として音声品質を劣化させる 2 つの主要因(遅延パケットと損失パケット)に基づいています。 パケット遅延およびパケット損失は IP SLA で測定できます。したがって、ICPIF 式(Icpif=Io+Iq+Idte+Idd+Ie-A)は、Io、Iq、および Idte の値がゼロであると想定することによって簡素化され、次のようになります。
Total Impairment Factor (Icpif) = Delay Impairment Factor (Idd) + Equipment Impairment Factor (Ie) — Expectation/Advantage Factor (A)
ICPIF 値は、遅延パケットの測定値に基づいた遅延劣化係数と、損失パケットの測定値に基づいた機器劣化係数を加算して算出されます。 ネットワーク内で測定されたこの総劣化の合計値から劣化変数(期待係数)を引くと、ICPIF になります。
Cisco ゲートウェイは、受信した VoIP データ ストリームの ICPIF の計算には、この式を使用します。
遅延劣化係数
遅延劣化係数(Idd)は、2 つの値に基づいた数値です。 1 つの値は、固定値です。(ITU 規格で規定された)コーデック遅延、先読み遅延、およびデジタル信号処理(DSP)遅延の固定値を使用して算出されます。 2 番めの値は、変数です。測定された一方向遅延(ラウンドトリップ時間測定値を 2 で割った値)に基づいています。 一方向遅延値は、G.107(2002 年版)の分析式に基づいたマッピング テーブルを使用して数値にマップされます。
次の表に、IP SLA によって測定された一方向遅延と遅延劣化係数値の対応関係の例を示します。
機器劣化係数
機器劣化係数(Ie)は、測定されたパケット損失量に基づいた数値です。 測定されたパケット損失量は総送信パケット数の割合として表され、コーデックによって定義される機器劣化係数に対応します。
次の表に、IP SLA によって測定されたパケット損失と機器劣化係数値(相互に対応)との間の対応関係の例を示します。
期待係数
アドバンテージ係数(A)とも呼ばれる期待係数は、ユーザがアクセスの容易性の代償としてある程度の品質の劣化を許容する可能性があるという予測を表します。 たとえば、到達困難な場所にいる携帯電話ユーザは、接続品質が従来の固定電話接続ほど良好ではないことを予測している可能性があります。 この変数は、向上したアクセスの利便性と音声品質の低下の釣り合いを保つことを目的としているので、アドバンテージ係数(アクセス アドバンテージ係数の略)とも呼ばれます。
次の表は ITU-T 勧告 G.113 を改良したもので、A の暫定最大値のセットを、提供されるサービスごとに定義しています。
表 5 アドバンテージ係数の推奨最大値 通信サービス
アドバンテージ/期待係数:
A の最大値
従来の有線(固定電話)
0
建物内のモビリティ(セルラー接続)
5
地域内または車内のモビリティ
10
到達困難な場所へのアクセス(たとえば、マルチホップ衛星接続を介したアクセスなど)
20
これらの値は推奨値に過ぎません。 意味のあるものにするには、係数(A)および特定のアプリケーションで選択したその値を一貫して、採用するすべてのプランニング モデルで使用する必要があります。 ただし、表の値は、A の絶対的な上限と見なす必要があります。
IP SLA VoIP UDP ジッター動作のデフォルトのアドバンテージ係数は常に 0 です。
IP SLA MOS 値
IP SLA は、ICPIF 値と MOS 値との間で認められた対応関係を使用して MOS 値を予測します。
(注)
略語 MOS は Conversational Quality, Estimated(Mean Opinion Score)を表します。
G.107(2003 年 3 月)で定義された E-Model は、伝送パラメータが原因の劣化(損失、遅延など)を組み合わせて 1 つの評価、つまり伝送評価係数 R(R 係数)を算出することによって、平均的な聞き手が感じる主観的な品質を予測します。 0(最低)~100(最高)で表されるこの評価は、MOS などユーザの主観的な反応を予測するために使用されます。 具体的には、MOS は R 係数から変換式を使用して算出できます。 逆に言うと、この式を逆変換式に修正して使用すれば、MOS 値から R 係数を算出できます。
ICPIF 値と R 係数との間にも関係があります。 IP SLA は、ICPIF スコアから算出された R 係数の予測値から適切な MOS スコアの概算値を算出して、この対応関係を利用します。
次の表に、対応する ICPIF 値に対して生成される MOS 値を示します。
表 6 MOS 値に対する ICPIF 値の対応関係 ICPIF の範囲
MOS
品質のカテゴリ
0 ~ 3
5
ベスト
4 ~ 13
4
高
14 ~ 23
3
中
24 ~ 33
2
低
34 ~ 43
1
良くない
IP SLA は、MOS 予測値を常に 1 ~ 5 で表します(5 が最高品質です)。 MOS 値が 0(ゼロ)の場合は、その動作に対して MOS データを生成できなかったことを示します。
IP SLA VoIP UDP ジッター動作の設定およびスケジューリング
手順
トラップを生成する目的、または別の動作を開始する目的で、予防的しきい値条件と反応トリガーを追加するには、「予防的しきい値モニタリングの設定」の項を参照してください。
IP SLA 動作の結果を表示し、内容を確認するには、show ip sla statistics コマンドを使用します。 サービス レベル契約の基準に対応するフィールドの出力を確認すると、サービス メトリックが許容範囲内であるかどうかを判断するのに役立ちます。
IP SLA VoIP UDP 動作の設定例
次の例では、IP SLA Responder が 101.101.101.1 のデバイスでイネーブルであることを前提とします。
switch# conf terminal Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z. switch(config)# ip sla 10 switch(config-ip-sla)# udp-jitter 101.101.101.1 16384 codec g711alaw advantage-factor 2 switch(config-ip-sla-jitter)# owner admin_bofh switch(config-ip-sla-jitter)# precision microseconds switch(config-ip-sla-jitter)# exit switch(config)# ip sla schedule 10 start-time now switch(config)# exit switch# show ip sla config 10 IP SLAs Infrastructure Engine-III Entry number: 10 Owner: admin_bofh Tag: Operation timeout (milliseconds): 5000 Type of operation to perform: udp-jitter Target address/Source address: 101.101.101.1/0.0.0.0 Target port/Source port: 16384/0 Type Of Service parameter: 0x0 Codec type: g711alaw Codec Number Of Packets: 1000 Codec Packet Size: 172 Codec Interval (milliseconds): 20 Advantage Factor: 2 Verify data: No Operation Stats Precision : microseconds Operation Packet Priority : normal NTP Sync Tolerance : 0 percent Vrf Name: default Control Packets: enabled Schedule: Operation frequency (seconds): 60 (not considered if randomly scheduled) Next Scheduled Start Time: Start Time already passed Group Scheduled : FALSE Randomly Scheduled : FALSE Life (seconds): 3600 Entry Ageout (seconds): never Recurring (Starting Everyday): FALSE Status of entry (SNMP RowStatus): Active Threshold (milliseconds): 5000 Distribution Statistics: Number of statistic hours kept: 2 Number of statistic distribution buckets kept: 1 Statistic distribution interval (microseconds): 20 switch# switch# show running-config | begin "ip sla 10" ip sla 10 udp-jitter 101.101.101.1 16384 codec g711alaw advantage-factor 2 precision microseconds owner admin_bofh ip sla schedule 10 start-time now no logging console . . . switch# show ip sla configuration 10 Entry number: 10 Owner: admin_bofh Tag: Type of operation to perform: jitter Target address: 101.101.101.1 Source address: 0.0.0.0 Target port: 16384 Source port: 0 Operation timeout (milliseconds): 5000 Codec Type: g711alaw Codec Number Of Packets: 1000 Codec Packet Size: 172 Codec Interval (milliseconds): 20 Advantage Factor: 2 Type Of Service parameters: 0x0 Verify data: No Vrf Name: Control Packets: enabled Operation frequency (seconds): 60 Next Scheduled Start Time: Start Time already passed Life (seconds): 3600 Entry Ageout (seconds): never Status of entry (SNMP RowStatus): Active Connection loss reaction enabled: No Timeout reaction enabled: No Verify error enabled: No Threshold reaction type: Never Threshold (milliseconds): 5000 Threshold Falling (milliseconds): 3000 Threshold Count: 5 Threshold Count2: 5 Reaction Type: None Number of statistic hours kept: 2 Number of statistic distribution buckets kept: 1 Statistic distribution interval (microseconds): 20 Enhanced History:コーデック タイプがジッター動作用に設定されている場合、標準ジッターの「Request size (ARR data portion)」、「Number of packets」、および「Interval (microseconds)」のパラメータは show ip sla configuration コマンドの出力に表示されません。 代わりに、「Codec Packet Size」、「Codec Number of Packets」、および「Codec Interval (microseconds)」が表示されます。
IP SLA VoIP UDP 動作統計情報の出力の設定例
以下に、ジッター(コーデック)動作の音声スコア(ICPIF 値と MOS 値)を表示する例を示します。
switch# show ip sla st IPSLAs Latest Operation Statistics IPSLA operation id: 1 Type of operation: udp-jitter Latest RTT: 11999 microseconds Latest operation start time: 02:39:33 UTC Sat May 05 2012 Latest operation return code: OK Latest operation NTP sync state: NO_SYNC RTT Values: Number Of RTT: 10 RTT Min/Avg/Max: 9000/11999/17000 microseconds Latency one-way time: Number of Latency one-way Samples: 0 Source to Destination Latency one way Min/Avg/Max: 0/0/0 microseconds Destination to Source Latency one way Min/Avg/Max: 0/0/0 microseconds Jitter Time: Number of SD Jitter Samples: 9 Number of DS Jitter Samples: 9 Source to Destination Jitter Min/Avg/Max: 0/223/2001 microseconds Destination to Source Jitter Min/Avg/Max: 0/2001/6001 microseconds Packet Loss Values: Loss Source to Destination: 0 Source to Destination Loss Periods Number: 0