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この章では、Cisco ONS 15454 に実装されている SNMP(簡易ネットワーク管理プロトコル)について説明します。
SNMP のセットアップ情報については、『 Cisco ONS 15454 Procedure Guide 』を参照してください。
• 「RMON」
SNMP は、ONS 15454 ネットワーク デバイスが、システム内およびネットワーク外の他のデバイスと管理情報を交換できるようにするアプリケーション層の通信プロトコルです。ネットワーク管理者は、SNMP によって、ネットワーク パフォーマンスの管理、ネットワーク問題の検索および解決、ネットワークの拡張計画が可能になります。ノードごとに、最大 10 の SNMP トラップ宛先および CTC ユーザの 5 つの同時セッションが許可されています。
ONS 15454 では、Network Management System(NMS; ネットワーク管理システム)に非同期のイベントを通知するのに、SNMP を使用します。ONS SNMP の実装では、標準の Internet Engineering Task Force(IETF)MIB(管理情報ベース)を使用して、DS-1、DS-3、SONET、およびイーサネット技術の一般的な読み取り専用管理のためのノードレベルのインベントリ、障害、および Performance Monitoring(PM)情報を伝達します。SNMP によって、HP Open View Network Node Manager(NNM)または Open Systems Interconnection(OSI; 開放型システム間相互接続)NetExpert など、一般的な SNMP マネージャにより、制限された管理機能を使用できるようになります。
Cisco ONS 15454 は、SNMP Version 1(SNMPv1)および SNMP Version 2c(SNMPv2c)をサポートしています。これらのバージョンでは多くの機能を共有していますが、SNMPv2c には、その他のプロトコル動作および 64 ビットの PM サポートが含まれます。ここでは、両方のバージョンおよび ONS 15454の SNMP 設定パラメータについて説明します。
(注) CiscoV2 ディレクトリの CERENT-MSDWDM-MIB.mib、CERENT-FC-MIB.mib、および
CERENT-GENERIC-PM.mib は、64 ビットの PM カウンタをサポートしています。CiscoV1 ディレクトリの SNMPv1 MIB には、64 ビット PM カウンタが含まれませんが、64 ビット カウンタに対応するより低いワード値およびより高いワード値はサポートします。Cisco V1 および Cisco V2 ディレクトリのその他の MIB は、内容は同じで、形式だけ異なります。
図16-1 に、SNMPに管理されるネットワークの基本的なレイアウト案を示します。
一般的に、SNMPに管理されるネットワークは、管理システム、エージェント、および管理対象デバイスにより構成されます。
HP Open View など管理システムは、アプリケーションのモニタリングを実行して、管理対象デバイスを制御します。管理システムでは、多くの管理プロセスを実行して、ネットワーク管理に使用される多くのメモリ リソースを提供しています。ネットワークは、1 つ以上の管理システムで管理されている場合があります。図16-2 に、ネットワーク マネージャ、SNMP エージェント、および管理対象デバイス間の関係を示します。
各管理対象デバイス上にあるエージェント(SNMP など)は、ローカル管理情報のデータ(ソフトウェア トラップで収集したパフォーマンス情報またはイベントおよびエラー情報など)を、管理システムによって読み取り可能な形式に変換します。図16-3 に、ネットワーク管理ソフトウェアにデータを転送する SNMP エージェントの get-requests を示します。
図16-3 MIB からのデータを収集して、マネージャにトラップを送信するエージェント
SNMP エージェントは、デバイス パラメータおよびネットワーク データのリポジトリである MIB、またはエラーや変更のトラップからデータを収集します。
ルータ、アクセス サーバ、スイッチ、ブリッジ、ハブ、コンピュータ ホスト、または Network Element(NI; ネットワーク要素)(ONS 15454 など)の管理対象要素には、SNMP エージェントを通じてアクセスします。管理対象デバイスは、管理情報の収集、および保管を行い、SNMP によって同じプロトコルの互換性を持つ他の管理システムで利用できるようにします。
すべての SNMP 要求は、サードパーティのアプリケーションから発生するため、唯一の外部インターフェイスの要件とは、サードパーティの SNMP クライアント アプリケーションが
etherStatsHighCapacityTable、etherHistoryHighCapacityTable、または mediaIndependentTable の RFC 3273 SNMP MIB 変数をアップロードできることです。
ONS 15454 は、SNMPv1 および SNMPv2c の trap 要求および get 要求 をサポートしています。ONS 15454 の SNMP MIB は、アラーム、トラップ、およびステータスを定義します。NMS アプリケーションは、SNMP を使用して、イーサネット スイッチおよび SONET マルチプレクサなどの機能エンティティからデータを管理エージェントにクエリできます。
(注) Cisco V1 および Cisco V2 ディレクトリの ONS 15454 MIB ファイルは、64 ビットの PM 機能の違い以外は、ほとんどで内容が同じです。Cisco V2 ディレクトリには、64 ビットの PM カウンタを持つ 3 つの MIB(CERENT-MSDWDM-MIB.mib、CERENT-FC-MIB.mib、および
CERENT-GENERIC-PM-MIB.mib)が含まれます。CiscoV1 ディレクトリには、64 ビット カウンタが含まれませんが、64 ビット カウンタで使用されるより低いワード値およびより高いワード値はサポートします。2 つのディレクトリでは、形式もいくらか異なります。
ONS 15454 SNMP エージェントは、SNMP メッセージを使用して SNMP 管理アプリケーションと通信します。 表16-1 に、これらのメッセージについて説明します。
セクション 16.6.1 に、ONS 15454 で実装される IETF 標準 MIB およびそのコンパイルの順番を示します。セクション 16.6.2 に、ONS 15454 独自の MIB およびそのコンパイルの順番を示します。セクション 16.6.3 では、ネットワークに含まれる NE をモニタリングするのに使用される一般的なスレッシュホールドおよび PM MIB について説明します。
表16-2 に、ONS 15454 SNMP エージェントで実装される IETF 標準 MIB を示します。
まず、表16-2 の MIB をコンパイルします。次に、表16-3 の MIB をコンパイルします。
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Management of TCP/IP-based Internets:MIB-II |
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Definitions of Managed Objects for Bridges |
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Definitions of Managed Objects for the Ethernet-like Interface Types |
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Textual Conventions for MIB Modules Using Performance History Based on 15 Minute Intervals |
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Definitions of Managed Objects for the DS1, E1, DS2 and E2 Interface Types |
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Definitions of Managed Objects for the SONET/SDH Interface Type |
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Definitions of Managed Objects for Bridges with Traffic Classes, Multicast Filtering and Virtual LAN Extensions |
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リモートのモニタリング デバイスの実装を管理する MIB モジュールで、RFC 2819 および RFC 1513 で特定されている元の RMON MIB と、RFC 2021 で特定されている RMON-2 MIB を増加させます。 |
各 ONS 15454 には、適用可能な独自の MIB を含んだソフトウェア CD が同梱されています。 表16-3 に、ONS 15454 独自の MIB を示します。
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(注) 独自の MIB を適切にコンパイルできない場合は、Technical Support Website(http://www.cisco.com/techsupport)にログインするか、または Cisco TAC(800)553-2447 にお問い合わせください。
(注) SNMP で、波長が不明であると示された場合、対応するカード(MXP_2.5G_10E、TXP_MR_10E、MXP_2.5G_10G、TXP_MR_10G、TXP_MR_2.5G、または TXPP_MR_2.5G)が最初の調整可能波長で動作することを意味します。MXP および TXP カードの情報については、『Cisco ONS 15454 DWDM Reference Manual』を参照してください。
CERENT-GENERIC-PM-MIB という MIB により、NMS は単一の一般的な MIB を使用して、各種インターフェイス タイプのスレッシュホールドおよび PM にアクセス可能できるようになります。この MIB は、特定の種類のインターフェイスに限定されないという意味で、一般的です。MIB オブジェクトを使用することにより、近端および遠端の各種モニタおよびサポートされる任意の間隔に対して、スレッシュホールド値、現在の PM カウント、および PM 統計情報の履歴を取得できます。
ONS 15454 システムに以前搭載されていた MIB では、これらのいずれかのカウントを提供しています。たとえば、SONET インターフェイスの 15 分ごとの現在 PM カウントおよび PM 統計情報の履歴は、SONET-MIB を使用により利用可能です。DS-1 および DS-3 カウントおよび統計情報は、それぞれ DS1-MIB および DS-3 MIB から入手可能です。一般的な MIB は、これらのタイプの情報を提供して、さらにスレッシュホールド値および 1 日間の統計さらに、MIB は光および Dense Wavelength Division Multiplexing(DWDM; 高密度波長分割多重)スレッシュホールドと PM 情報もサポートします。
CERENT-GENERIC-PM-MIB は、3 つの異なるテーブルで構成されています。
• cerentGenericPmThresholdTable
• cerentGenericPmStatsCurrentTable
• cerentGenericPmStatsIntervalTable
cerentGenericPmThresholdTable は、モニタ タイプのスレッシュホールド値を取得するのに使用します。インターフェイス インデックス(cerentGenericPmThresholdIndex)、モニタ タイプ(cerentGenericPmThresholdMonType)、場所(cerentGenericPmThresholdLocation)、および時間(cerentGenericPmThresholdPeriod)に基づいて索引化されます。cerentGenericPmThresholdMonType の構文は、タイプ cerentMonitorType で、CERENT-TC.mib で定義されています。cerentGenericPmThresholdLocation の構文は、タイプ cerentLocation で、CERENT-TC.mib で定義されています。cerentGenericPmThresholdPeriod の構文はタイプ cerentPeriod で、CERENT-TC.mib で定義されています。
スレッシュホールド値は、64 ビットおよび 32 ビット形式で指定できます(64 ビット カウンタの詳細については、HC-RMON-MIB のサポートを参照してください)。cerentGenericPmThresholdHCValue の 64 ビット値は、SNMPv2 をサポートするエージェントによって使用されます。2 つの 32 ビット値(cerentGenericPmThresholdValue および cerentGenericPmThresholdOverFlowValue)は、SNMPv1 のみをサポートする NMS によって使用されます。 表16-4 に、cerentGenericPmThresholdTable でコンパイルされたオブジェクトを示します。
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MIB 内の 2 番めのテーブル、cerentGenericPmStatsCurrentTable は、モニタ タイプの現在の PM 値をコンパイルします。このテーブルは、インターフェイス インデックス(cerentGenericPmStatsCurrentIndex)、モニタ タイプ(cerentGenericPmStatsCurrentMonType)、場所(cerentGenericPmStatsCurrentLocation)、および時間(cerentGenericPmStatsCurrentPeriod)に基づいて索引化されます。cerentGenericPmStatsCurrentIndex の構文は、タイプ cerentLocation で、CERENT-TC.mib で定義されています。cerentGenericPmStatsCurrentMonType の構文は、タイプ cerentMonitor で、CERENT-TC.mib で定義されています。cerentGenericPmStatsCurrentPeriod の構文はタイプ cerentPeriod で、CERENT-TC.mib で定義されています。
cerentGenericPmStatsCurrentTable は、cerentGenericPmStatsCurrentValid オブジェクトを使用して現在の PM 値を検証し、cerentGenericPmStatsCurrentValidIntervals オブジェクトの PM 統計情報の履歴に有効なインターバル数を登録します。
PM 値は、64 ビットおよび 32 ビット形式で指定できます。cerentGenericPmStatsCurrentHCValue の 64 ビット値は、SNMPv2 をサポートするエージェントによって使用されます。2 つの 32 ビット値(cerentGenericPmStatsCurrentValue および cerentGenericPmStatsCurrentOverFlowValue)は、SNMPv1 のみをサポートする NMS によって使用されます。 表16-5 に、cerentGenericPmStatsCurrentTable を示します。
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MIB 内の 3 番めのテーブル、cerentGenericPmStatsIntervalTable は、モニタ タイプの PM 値の履歴を取得します。このテーブルは、インターフェイス インデックス、モニタ タイプ、場所、時間、およびインターバル数に基づいて索引化されます。cerentGenericPmStatsIntervalValid オブジェクトの 現在の PM 値を検証します。
このテーブルは、インターフェイス インデックス(cerentGenericPmStatsIntervalIndex)、モニタ タイプ(cerentGenericPMStatsIntervalMonType)、場所(cerentGenericPmStatsIntervalLocation)、および時間(cerentGenericPmStatsIntervalPeriod)に基づいて索引化されます。cerentGenericPmStatsIntervalIndex の構文は、タイプ cerentLocation で、CERENT-TC.mib で定義されています。cerentGenericPmStatsIntervalMonType の構文は、タイプ cerentMonitor で、CERENT-TC.mib で定義されています。cerentGenericPmStatsIntervalPeriod の構文はタイプ cerentPeriod で、CERENT-TC.mib で定義されています。
このテーブルでは、PM 値の履歴を、64 ビットおよび 32 ビット形式で指定できます。cerentGenericPmStatsIntervalHCValue テーブルに含まれる 64 ビット値は、SNMPv2 エージェントによって使用されます。2 つの 32 ビット値(cerentGenericPmStatsIntervalValue および cerentGenericPmStatsIntervalOverFlowValue)は、SNMPv1 NMS によって使用されます。 表16-6 に、cerentGenericPmStatsIntervalTable を示します。
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ONS 15454 は、raise および clear など、すべてのアラームおよびイベントを SNMP トラップとして生成します。SNMP トラップには、次の情報が含まれます。
• 生成するエンティティ(スロットまたはポート、Sunchronous Transport Signal [STS]および Virtual Tributary [VT]、Bidirectional Line Switched Ring[BLSR; 双方向ライン スイッチ型リング]、Spanning-Tree Protocol[STP; スパニングツリー プロトコル]など)情報により、イベントを一意に識別するオブジェクト ID
• アラームの重大度およびサービスへの影響(クリティカル、メジャー、マイナー、イベント、またはサービスへの影響あり、サービスへの影響なし)
ONS 15454 は、 表16-7 で示される一般的な IETF トラップをサポートします。
各 SNMP トラップには、MIB テーブルを作成するのに使用される変数バインディングが含まれます。 表16-8 に、 ONS 15454 のトラップおよび変数バインディングを示します。各グループ(グループ A など)では、グループ内のすべてのトラップは、そのすべての変数バインディングに関連付けられます。
コミュニティ名は、SNMP トラップの宛先をグループ化するのに使用されます。すべての ONS 15454 のトラップ宛先は、CTC で SNMP コミュニティの一部としてプロビジョニングされます。コミュニティ名がトラップに割り当てられている場合、そのコミュニティ名が CTC でプロビジョニングされたものと一致すると、ONS 15454 はその要求を有効として処理します。この場合、エージェントが管理するすべての MIB 変数が、その要求に対してアクセス可能となります。コミュニティ名がプロビジョニングされたリストに一致しない場合、SNMP はその要求を廃棄します。
SNMP および NMS アプリケーションは、従来、ネットワーク内部または外部からのセキュリティ リスクを切り離すために使用されるファイアウォールを越えることができませんでした。CTC では、ファイアウォールにインストールされた SNMP プロキシ要素を使用して、Network Operation Centor(NOC)がファイアウォールを越えて PM データ(RMON 統計情報または自律メッセージなど)にアクセスできるようになりました。
アプリケーションレベルのプロキシは、NMS と NE 間で SNMP Protocol Data Unit(PDU; プロトコル データ ユニット)を転送し、NMS と NE 間で要求と応答を許可して、NE の自律メッセージを NMS に転送します。プロキシ エージェントは、NOC でのプロビジョニングおよび NE での追加のプロビジョニングを必要としません。
ファイアウォール プロキシは、Gateway Network Element-End Network Element(GNE-ENE)トポロジーで、単一の NE ゲートウェイを介して多くの NE により使用されます。最大 64 の SNMP 要求(get、getnext、または getbulk)が、単一または複数のファイアウォールの背後で、常にサポートされます。プロキシは、HP Open View などの一般的な NMS と相互作用します。
セキュリティ上の理由のため、SNMP プロキシ機能は、すべての受信および送信 NE で機能できるようにする必要があります。これの手順については、『 Cisco ONS 15454 Procedure Guide 』を参照してください。
ONS 15454 は、RMON と相互作用して、ネットワーク オペレータがイーサネット カードのパフォーマンスおよびイベントをモニタリングできるようにします。RMON スレッシュホールドは、CTC でユーザよりプロビジョニングできます。手順については、『 Cisco ONS 15454 Procedure Guide 』を参照してください。ただし、RMON 操作は、一般の CTC ユーザには表示されないことに注意してください。
ONS 15454 システムの RMON は、IETF 標準の MIB RFC 2819 に基づいていて、標準 MIB からの 5 つのグループ(イーサネット統計、履歴制御、イーサネット履歴、アラーム、およびイベント)を含みます。
ONS 15454 DCC は、イーサネットとの互換性のない IP プロトコルにより実装されます。システムは、DCC(PPP[ポイントツーポイント プロトコル]経由で収集される High-Level Data Link Control(HDLC; ハイレベル データリンク制御)を使用して、イーサネット装置の History および Statidtic テーブルを確立します。RMON DCC(IP およびイーサネットの両方に)は、リモート DCC 接続の健全性をモニタリングします。
RMON DCC には、DCC インターフェイス用に次の 2 つの MIB があります。
• CMediaIndependentTable ― 標準、rfc3273、統計情報の報告に使用される HC-RMON MIB の独自拡張
MediaIndependentTable での行作成に使用される SetRequest PDU には、単一のセット操作で 1 つの行を有効にするために必要なすべての値を含む必要があります。また、createRequest (2) へのステータス変数の割り当てを行う必要もあります。エントリ作成のための SetRequest PDU では、すべてのObject ID(OID; オブジェクト ID)インスタンス値が 0 である必要があります。すなわち、すべての OID のタイプが OID.0 でなければなりません。
行を作成するために、SetRequest PDU には次の値が含まれます。
• mediaIndependentDataSource およびその所定の値
• mediaIndependentOwner およびその所定の値(mediaIndependentOwner のサイズは、32 文字に制限されます)
• 値が createRequest (2)である mediaIndependentStatus
上記のルールに従って、SetRequest PDU が有効な場合に、mediaIndependentTable に 1 行が作成されます。行が作成されると、SNMP エージェントは mediaIndependentIndex の値を決定します。この値は順次に割り当てられず、連番ではありません。イーサネット インターフェイスが追加または削除された場合、この値は変更されます。新しく作成された行は、mediaIndependentTable 値が(1)です。
行がすでに存在する場合、または SetRequest PDU 値が十分でない場合や意味がない場合は、SNMP エージェントがエラー コードを返します。
(注) SNMP エージェントが再起動する場合、mediaIndependentTable エントリは保持されません。
SetRequest PDU にmediaIndependentStatus の無効な値(4)が含まれている場合、mediaIndependentTable は行を削除します。varbind の OID インスタンス値により、削除する行が特定されます。必要な場合は、テーブルの削除された行を再作成できます。
cMediaIndependentHistoryControlTable での、SNMP 行の作成および削除は、MediaIndependentTable と同じプロセスで実行されます。変数のみが異なります。
行を作成するために、SetRequest PDU には次の値が含まれます。
• cMediaIndependentHistoryControlDataSource およびその所定の値
• cMediaIndependentHistoryControlOwner およびその所定の値
• 値が createRequest (2)である cmediaIndependentHistoryControlStatus
ONS 15454 では、High-capacity Remote Monitoring Information Base(HC-RMON-MIB、または RFC 3273)の実装により、既存の RMON テーブルの 64 ビット サポートが可能になります。このサポートは、etherStatsHighCapacityTable および etherHistoryHighCapacityTable で提供されています。その他にテーブル、mediaIndependentTable、およびオブジェクト、hcRMONCapabilities もまた、このサポートに追加されます。これらのすべての要素には、RFC 3273 をサポートするすべてのサードパーティの SNMP クライアントからのアクセスが可能です。
イーサネット統計のグループには、etherStatsTable という単一のテーブルにサブネットワークごとにモニタされる基本的な統計情報が含まれます。
このテーブルでの行作成に使用される SetRequest PDU には、単一のセット操作で 1 つの行を有効にするために必要なすべての値を含む必要があります。また、createRequest へのステータス変数の割り当てを行う必要もあります。SetRequest PDU OID エントリには、0 のインスタンス値または 0 のタイプ OID が設定されている必要があります。
行を作成するために、SetRequest PDU には次の値が含まれます。
• etherStatsDataSource およびその所定の値
• etherStatsOwner およびその所定の値(この値のサイズは、32 文字に制限されます)
• 値が createRequest (2)である etherStatsStatus
上記のルールに従って、SetRequest PDU が有効な場合に、etherStatsTable に 1 行が作成されます。行が作成されると、SNMP エージェントは etherStatsIndex の値を決定します。この値は順次に割り当てられず、連番ではありません。イーサネット インターフェイスが追加または削除された場合、この値は変更されます。新しく作成された行は、etherStatsStatus 値が(1)です。
etherStatsTable 行がすでに存在する場合、または SetRequest PDU 値が十分でない場合や意味がない場合は、SNMP エージェントがエラー コードを返します。
(注) SNMP エージェントが再起動する場合、etherStatsTable エントリは保持されません。
etherStatsMulticastPkts および etherStatsBroadcastPkts カラムの Get 要求および GetNext 要求では、ONS 15454 イーサネットカードで変数がサポートされていないため、0 の値が返されます。
etherStatsTable の行を削除するには、SetRequest PDU に「無効な」値(4)が含まれていなければなりません。OID は、削除する行をマーキングします。必要な場合、削除した行を再作成できます。
イーサネット統計のグループには、etherStatsHighCapacityTable の 64 ビット統計情報が含まれます。これは、HC-RMON-MIB の 64 ビット RMON をサポートしています。etherStatsHighCapacityTable は、64 ビット形式の PM データに 16 の新たなカラムを追加する etherStatsTableの拡張版です。etherStatsTable と etherStatsHighCapacityTable 間には、相関関係があり、いずれかのテーブルで行が作成または削除される場合は、もう一方でも行が作成または削除されます。
History Control グループは、historyControlTable の 1 つ以上の モニタ インターフェイスのサンプリング機能を定義します。このテーブルの値(RFC 2819 で指定されるように)は、historyControlTable および etherHistoryTable から取り込まれます。
RMON は、4 つの可能な周期の 1 つでサンプリングされます。各インターバルまたは周期には、特定の履歴値(またはバケット)が含まれます。表16-9 に、4 つのサンプリング周期およびそれに対応するバケットを示します。
historyControlTable の最大行サイズは、カード上のポート数にサンプリングする周期数を掛けて、決定されます。たとえば、ONS 15454 E100 カードには 24 ポートあり、これに周期を掛けることにより、テーブルの行が 96 行となります。E1000 カードは 14 ポートあり、これに 4 周期を掛けると、56 テーブル行となります。
(historyControlValue 変数) |
(historyControl 変数) |
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SetRequest PDU は、1 つの単一のセット動作で、historyControlTable 行を有効にできなければなりません。このためには、PDU にすべての必要な値があり、ステータス変数値 2 が含まれている必要があります。SetRequest PDU のすべての OID は、エントリ作成のため、OID.0 タイプである必要があります。
historyControlTable に SetRequest PDU を作成する場合は、次の値が必要です。
• historyControlDataSource およびその所定の値
• historyControlBucketsRequested およびその所定の値
• historyControlInterval およびその所定の値
• historyControlOwner およびその所定の値
• 値が createRequest (2)である historyControlStatus
historyControlBucketsRequested の OID 値は、各サンプリング周期に許可されているバケット数が、表16-9 に示すように historyControlInterval 値に基づいて限られているため、無視されます。
historyControlInterval 値は、許可されている 4 つの選択肢から変更できません。それ以外の値を使用する場合、SNMP エージェントは設定されたバケットから一番小さい時間間隔を選択します。たとえば、設定要求で 25 分の間隔を指定した場合、15 分(32 バケット)変数と 60 分(24 バケット)変数の間の値になります。SNMP エージェントは自動的にそれに近い小さい方の値を選択するため、15 分となり、32 バケットが許可されます。
SetRequest PDU が有効な場合に、historyCobtrolTable 行が作成されます。行がすでに存在する場合、または SetRequest PDU 値に意味がない場合は、SNMP エージェントがエラー コードを返します。
このテーブルの行を削除するには、SetRequest PDU にhistoryControlStatus 値(4)(無効)が含まれていなければなりません。削除された行は、再作成できます。
ONS 15454 には、RFC 2819 で定義されるように、etherHistoryTable を実装しています。グループは、historyControlTale の境界内で作成され、設計は RFC から逸脱しません。
HC-RMON-MIB の 64 ビット イーサネット履歴は、etherHistoryTable の拡張版である etherHistoryHighCapacityTable に実装されます。etherHistoryHighCapacityTable は、64 ビット PM データに 4 つのカラムを追加します。これら 2 つのテーブルには、相関関係があります。一方のテーブルで行を追加または削除すると、もう一方でも同じ変更が行われます。
アラーム グループは、alarmTable で構成されます。このテーブルは、設定されたスレッシュホールドにより定期的にサンプリングした値を比較して、スレッシュホールドを超過すると、イベントを生成します。このグループには、次に説明するイベント グループが実装されている必要があります。
NMS は、alarmTable を使用して、ネットワーク パフォーマンスのアラーム可能なスレッシュホールドを決定およびプロビジョニングします。
alarmTable の行を作成するには、SetRequest PDU が 1 つの単一動作で行を作成できなければなりません。SetRequest PDU のすべての OID は、エントリ作成のため、OID.0 タイプである必要があります。このテーブルには、最大 256 行が必要です。
alarmTable に SetRequest PDU を作成する場合は、次の値が必要です。
• 値が createRequest (2)である alarmStatus
SetRequest PDU が有効な場合に、historyCobtrolTable 行が作成されます。行がすでに存在する場合、または SetRequest PDU 値に意味がない場合は、SNMP エージェントがエラー コードを返します。
SetRequest PDU では、必要な値に加えて、次の制限事項に従う必要があります。
• alarmRisingEventIndex は、常に値 1 をとります。
• alarmFallingEventIndex は、常に値 2 をとります。
• alarmStatus では、SET でサポートされている 2 つの値(createRequest[2]、および無効な[4])のみをとります。
• AlarmVariable は、タイプ OID ifIndex で、ifIndex ではこのアラームが作成されるインターフェイスを指定します。OID は、表16-10 でサポートされる OID の 1 つです。
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このテーブルから行を削除するには、SetRequest PDU に alarmStatus 値(4)(無効)が含まれていなければなりません。削除された行は、再作成できます。SNMP エージェントが再起動する場合、このテーブルのエントリは保持されません。
イベント グループは、イベントの生成および通知を制御します。イベント グループは、生成されるイベントの読み取り専用リストである eventTable およびログ イベントを記述する書き込み可能なデータ セット、logTable の 2 つのテーブルで構成されます。ONS 15454 は、RFC 2819 で指定されたとおり、logTable を実装しています。
eventTable は、読み取り専用でプロビジョニングできません。このテーブルには、アラームを発生させる 1 つの行と、アラームを解除する別の行があります。このテーブルには、次の制限事項が適用されます。
• eventType は、常に log-and-trap(4)です。
• eventCommunity 値は、常に 0 文字長の文字列で、このイベントによってすべてのプロビジョニングされた宛先にトラップが送信されることを示します。
logTable は、RFC 2819 に指定されたとおり、実装されています。logTable は、コントローラ カードでローカルにキャッシュされたデータに基づいています。コントローラ カードの切り替えスイッチがある場合、既存の logTable はクリアされ、新しいテーブルが新しくなったアクティブ コントローラ カードで開始されます。このテーブルには、アラーム コントローラで指定されたのと同じくらいの行があります。