CE-1000-4 の概要
CE-1000-4 は、4 個のギガビット イーサネット ポートを備えたレイヤ 1 マッパー カードです。このカードは、各ポートを point-to-point(p2p; ポイントツーポイント)設定で一意の SONET 回線にマップします。図25-1 に、CE-1000-4 のアプリケーション例を示します。この例では、スイッチのギガビット イーサネット ポートからのデータ トラフィックが p2p 回線を経由して別のスイッチのギガビット イーサネット ポートに伝送されます。
図25-1 CE-1000-4 の p2p 回線
CE-1000-4 カードを使用して、従来の SONET/SDH 回線のように、イーサネット専用回線サービスをプロビジョニングして管理できます。CE-1000-4 カードは、キャリアクラスのイーサネット専用回線サービスおよびハイアベイラビリティ転送を提供します。
CE-1000-4 カードは、イーサネット上でカプセル化と転送が可能な任意のレイヤ 3 プロトコル(IP や IPX など)を伝送します。データ ネットワークからのイーサネット フレームは、CE-1000-4 カード上のGBIC(ギガビット インターフェイス コンバータ)に送信されます。CE-1000-4 カードは、Packet-over-SONET/SDH(POS)カプセル化を使用して SONET/SDH ペイロードにイーサネット フレームを透過的にマップします。次に、カプセル化されたイーサネットを持つ POS 回線は、他の SONET Synchronous Transport Signal(STS; 同期転送信号)やSDH Synchronous Transport Mode(STM; 同期転送モード)と同じように、光カードに多重化されます。ペイロードが宛先ノードに達すると、逆のプロセスが行われ、宛先の CE-1000-4 カードの GBIC からデータ ネットワークのイーサネットへデータが送信されます。POS プロセスについては「ONS イーサネット カード上の POS」を参照してください。
CE-1000-4 カードは、ITU-T G.707 および Telcordia GR-253 ベースの規格をサポートします。このカードではソフト リセットが可能で、エラーが発生しません。ソフト リセット中にプロビジョニングが変更された場合、またはソフトウェアのアップグレード中にファームウェアが置き換えられた場合は、エラーになることがあります。この場合、リセットはハード リセットと同じになります。CTC を使用した CE-1000-4 カードでソフト リセットを実行するには、『 Cisco ONS 15454 Procedure Guide 』または『 Cisco ONS 15454 SDH Procedure Guide 』を参照してください。
CE-1000-4 イーサネットの機能
CE-1000-4 カードには、ギガビット イーサネット用に標準 GBIC コネクタを使用するフロントエンド イーサネット ポートが 4 つ装備されています。イーサネット ポート 1 ~ 4 の各ポートは、対応する番号の POS ポートにそれぞれマップされます。これらのイーサネット ポートは、デイジーチェーン接続できます。
イーサネット ポート レベルでは、次の特性を設定できます。
• ポート名
• 管理状態
• Automatic In-Service(AINS)ソーク時間
• フロー制御
• フロー制御の水準点
• 自動ネゴシエーション
CE-1000-4 カードは、有効なイーサネット フレームに変更を加えずに SONET/SDH ネットワークに転送します。ヘッダー内の情報は、カプセル化や転送によって影響を受けません。たとえば、IEEE 802.1Q 情報は、影響を受けずにプロセスを通過します。
CE-1000-4 は、デフォルトではイーサネットの Cyclic Redundancy Check(CRC; 巡回冗長検査)を含めて最大 10004 バイトのジャンボ フレームをサポートします。CTC では、イーサネット CRC を含めて最大 1548 バイトのイーサネット フレーム サイズも設定できます。
(注) 多くのイーサネット アトリビュートも、Network Element(NE; ネットワーク要素)のデフォルト機能によって利用できます。NE のデフォルト機能の詳細については、『Cisco ONS 15454 Reference Manual』または『Cisco ONS 15454 SDH Reference Manual』の付録「Network Element Defaults」を参照してください。
自動ネゴシエーションおよびフレーム バッファリング
CE-1000-4 カードでは、イーサネット リンク自動ネゴシエーションがデフォルトでオンに設定されていています。また、カード レベルの CTC の Provisioning タブを使用して、自動ネゴシエーションをイネーブルおよびディセーブルにできます。
CE-1000-4 は、Field Programmable Gate Array(FPGA)バッファリングをサポートし、データ トラフィックの輻輳を緩和できます。FPGA バッファリングは、SONET/SDH 加入過多をサポートします。バッファがキャパシティに近づくと、CE-1000-4 カードは IEEE 802.3x のフロー制御を使用して、接続されているイーサネット装置にポーズ フレームを送信します。フロー制御と自動ネゴシエーション フレームは、ギガビット イーサネット インターフェイスおよび接続されているイーサネット装置に対してローカルです。これらのフレームは、POS ポートを経由して送信されません。
フロー制御
CE-1000-4 カードは IEEE 802.3x フロー制御をサポートします。このカードでは、対称フロー制御と非対称フロー制御をイネーブルにし、フロー制御をディセーブルにできます。この設定は、ポート レベルの CTC で実行されます。
デフォルトでは、CE-1000-4 カードは対称フロー制御機能を使用します。この機能により、接続されているイーサネット装置とフロー制御を自動ネゴシエーションする際に、対称フロー制御のみが提案されます。対称フロー制御により、CE-1000-4 カードは、外部装置から送信されたポーズ フレームに応答し、ポーズ フレームを外部装置に送信できます。
ポーズ フレームは、送信元に一定期間パケットの送信を停止するように指示します。送信側のステーションは、要求された時間が経過してから、残りのデータを送信します。図25-2 は、CE-1000-4 カードと接続されているスイッチで送受信されているポーズ フレームを示しています。
図25-2 フロー制御
このフロー制御メカニズムでは、送受信装置のスループットが、STS 回線の帯域幅のスループットと一致します。たとえば、1 台のルータが CE-1000-4 カード上のギガビット イーサネット ポートに送信を行うとします。この特定のデータ レートは 51.84 Mbps を超える場合がありますが、CE-1000-4 ポートに割り当てられている SONET 回線は STS-1(51.84 Mbps)のみである可能性があります。この例では、CE-1000-4 カードはポーズ フレームを送信し、ルータからの送信を一定期間遅らせるように要求します。フロー制御と十分なポート単位のバッファリング機能を使用すると、フレーム損失の大部分を制御できるため、回線レートの最大容量(STS-1)未満でプロビジョニングされる、専用回線サービスが効率良く行えます。
非対称により、CE-1000-4 はフロー制御ポーズは受信できますが、フロー制御ポーズを生成できません。このモードは、フロー制御ポーズを受信できませんが、フロー制御ポーズを送信できるリンク パートナーをサポートします。CE-1000-4 には、フロー制御ポーズを送信するモードはありますが、フロー制御ポーズを受信できません。
パススルー モードでは、送信フロー制御フレームはイーサネット インターフェイス ポートによって生成されず、受信フロー制御フレームは透過的に通過します。パススルー モードは、Ethernet over SONET/SDH 転送を使用して、クライアントの間のエンドツーエンド フロー制御をサポートします。
フロー制御のしきい値プロビジョニング
CE-1000-4 カードでは、フロー制御のしきい値プロビジョニングが可能であり、ユーザは 3 つの基準(バッファ サイズ)設定、すなわち、デフォルト、低遅延、カスタム設定から 1 つを選択できます。デフォルトは、通常の使用に最適です。低遅延は、STS-1 での Voice-over-IP(VoIP)のようなサブレートのアプリケーションに適しています。バッファリングが十分でない、ベスト エフォート トラフィック、またはアクセスする回線が長距離である接続装置では、高遅延を設定します。
フロー制御高(Flow Ctrl Hi)の設定は接続されているイーサネット装置に「Pause On」フレームを送るための基準であり、このフレームは装置に一時的に送信を停止させる信号を送信します。フロー制御低(Flow Ctrl Lo)の設定は接続されているイーサネット装置に「Pause Off」フレームを送るための基準であり、このフレームは装置に送信を再開させる信号を送信します。デフォルトの水準点の設定値は、上限しきい値で 485、下限しきい値で 25 です。低遅延の水準点の設定値は、上限しきい値で 10、下限しきい値で 5 です。
カスタム設定では、Flow Ctrl Lo および Flow Ctrl Hi に対して、1 ~ 511 の範囲の正確なバッファ サイズのしきい値を両方のしきい値に設定できます。ただし、低いしきい値は高いしきい値よりも小さい値に設定する必要があります。
イーサネット リンク完全性のサポート
CE-1000-4 は、エンドツーエンドのイーサネット リンク完全性をサポートします(図25-3)。この機能は、イーサネット専用回線サービスの提供と、接続されているイーサネット装置でのレイヤ 2 およびレイヤ 3 プロトコルの適切な運用に不可欠です。Ethernet over SONET/SDH 接続が、接続されているイーサネット装置からのイーサネット ケーブルと同様に動作するように、リンク完全性は実行されます。
エンドツーエンドのイーサネット リンク完全性では、エンドツーエンドのパスの一部に障害が発生すると、パス全体で障害が発生したことになります。リモート イーサネット ポートが信号を受信しないか、または遠端障害の端の近くで SONET/SDH が検出された場合、CE-1000-4 カードのイーサネット ポート トランスミッタが無効になります。パス全体の障害は、パスの各端にある送信ペアがオフになっていることで確認できます。接続されているイーサネット装置は、ディセーブルになった送信ペアを搬送波損失と認識し、その結果非アクティブ リンクまたはリンク障害とみなします。ポート トランスミッタがディセーブルの場合、Transport Fail アラームも発生します。両方のイーサネット ポートが信号を受信しない場合に、リンク完全性は二重の障害をサポートします。
図25-3 エンドツーエンドのイーサネット リンク完全性のサポート
搬送波損失状態を無視するように設定できるネットワーク装置もあります。搬送波損失状態を無視するように設定された装置が一方の端で CE-1000-4 カードに接続されている場合は、障害を回避してトラフィックをルーティングするために代替方法(レイヤ 2 またはレイヤ 3 のキープアライブ メッセージの使用など)を用意する必要があります。通常、このような代替方法の応答時間は、エラー状態の識別にリンク状態を使用する方法よりもかなり長くなります。
イーサネット ポートおよび SONET/SDH ポートの管理状態とサービス状態およびソーク時間
CE-1000-4 カードは、イーサネット ポートおよび SONET/SDH 回線の管理状態とサービス状態をサポートします。カードと回線のサービス状態の詳細については、『 Cisco ONS 15454 Reference Manual 』または『 Cisco ONS 15454 SDH Reference Manual 』の付録「Administrative and Service States」を参照してください。
イーサネット ポートには、In-Service, Automatic In-service(IS,AINS)管理状態を設定できます。IS,AINS は、ポートを最初に Out-of-Service and Autonomous, Automatic In-Service(OOS-AU,AINS)状態に設定します。このサービス状態では、アラーム レポートは抑制されますが、トラフィックは伝送され、ループバックは許可されます。ソーク時間が終了すると、ポートの状態が In-Service and Normal(IS-NR)に変わります。
デフォルトのソーク時間は、8 時間 0 分です。Provisioning タブ > Ether Ports タブ、または Provisioning タブ > POS Ports タブを選択して AINS ソーク時間を設定できます。Maintenance タブ> AINS Soak タブを選択して、AINS ソーク時間と IS までの残りの時間を表示できます。
アラームがレポートされるかどうかに関係なく、発生した障害状態は、CTC の Conditions タブまたは TL1 の RTRV-COND コマンドを使用して取得できます。イーサネット ポートのアラーム/状態の CARLOSS と TPTFAIL の 2 つは、ポートが稼働するのを防ぎます。アラーム レポートが抑制されている場合でも、イーサネット ポートが IS,AINS 状態に設定されて CE-1000-4 回線がプロビジョニングされているときに、これが発生します。これは、CE-1000-4 リンク完全性機能がアクティブで、パス上のすべての SONET/SDH およびイーサネット エラーが解決されるまで両端でリンクがイネーブルにならないようになっているためです。リンク完全性機能によりエンドツーエンド パスがダウンした状態にある場合、両方のポートの状態は、AINS から IS への状態の変更を抑制するために必要な 2 つの状態のうちの少なくとも 1 つになります。したがって、ポートは AINS 状態のままとなり、アラーム レポートが抑制されます。
また、ESM は CE-1000-4 カードの SONET/SDH 回線にも適用されます。SONET/SDH 回線の状態が IS,AINS に設定されて、回線状態が IS に変わる前にイーサネット エラーが発生した場合、イーサネット エラーが両端で解決されるまで、リンク完全性は回線の状態が IS に変わるのも防止します。管理状態が IS,AINS である限り、サービス状態は OOS-AU,AINS となります。イーサネット エラーまたは SONET エラーがなくなると、リンク完全性機能が両端でイーサネット ポートをイネーブルにします。同時に、AINS カウントダウンが通常どおりに開始されます。経過時間中に別の状態が発生しない場合は、各ポートの状態が IS-NR 状態に変わります。AINS カウントダウン中、ソーク時間の残り時間が CTC および TL1 で使用できます。ソーク期間に状態が再度発生すると、AINS ソーキング ロジックが最初から再開します。
IS,AINS 状態にプロビジョニングされた SONET/SDH 回線は、回線の両端のイーサネット ポートの状態が IS-NR に変わるまで最初の Out-of-Service(OOS; アウトオブサービス)状態のままです。AINS から IS への変更が完了するかどうかに関係なく、リンク完全性機能によりイーサネット ポートがオンになると、SONET/SDH 回線はイーサネット トラフィックを転送し統計情報をカウントします。
RMON および SNMP のサポート
CE-1000-4 カードには、ネットワーク オペレータが NMS(Network Management System; ネットワーク管理システム)でネットワークの状態をモニタリングできる Remote Monitoring(RMON; リモート モニタリング)機能と Simple Network Management Protocol(SNMP; 簡易ネットワーク管理プロトコル)機能があります。CE-1000-4 は ONG RMON を使用します。ONG RMON には、標準 RMON MIB からの統計情報、履歴、アラーム、およびイベント MIB(管理情報ベース)グループが含まれます。RMON しきい値のプロビジョニングにアクセスするには、TL1 または CTC を使用します。CTC での RMON しきい値のプロビジョニングについては、『Cisco ONS 15454 Procedure Guide』または『 Cisco ONS 15454 SDH Procedure Guide 』を参照してください。
統計情報およびカウンタ
CE-1000-4 のイーサネット統計情報および POS 統計情報は、Performance > Ether Ports タブまたは Performance > POS Ports タブを選択してすべて表示できます。
CE-1000-4 の SONET/SDH 回線および機能
CE-1000-4 には 1 ~ 4 の番号が付いた POS ポートが 4 つ装備されています。ポートの番号は CTC または TL1 で管理できます。各 POS ポートは対応するイーサネット ポートに統計的にマップされます。CE-1000-4 カードは、ONS 15454 内の互換スロットに STS-48c の総帯域幅を、または ONS 15454 SDH 内の互換スロットに STM-16 の総帯域幅を提供します。
POS ポート レベルでは、次の特性を設定できます。
• ポート名
• 管理状態
• AINS ソーク時間
• フレーミング タイプ
• カプセル化 CRC
(注) フレーミング タイプが GFP に設定されている場合、カプセル化 CRC をオンおよびオフ(CRC ありまたは CRC なし)にできます。フレーミング タイプが High-Level Data Link Control(HDLC; ハイレベル データリンク制御)に設定されている場合、CRC は常にオンです。
カード レベルの Provisioning > POS Ports タブをクリックして、管理状態、フレーミング タイプ、カプセル化タイプを設定できます。カード レベルの Performance > POS Ports タブをクリックして、POS ポートの統計情報、利用率、履歴を表示できます。
CE-1000-4 カードの特定のサイズと互換カード スロットについては、『Cisco ONS 15454 Reference Manual』または『Cisco ONS 15454 SDH Reference Manual』の「Ethernet Cards」の章を参照してください。
CE-1000-4 VCAT の特性
CE-1000-4 カードでは、Software Link Capacity Adjustment Scheme(SW-LCAS; ソフトウェア リンク キャパシティ調整方式)がサポートされています。これにより、CE-1000-4 カードは ONS 15454 SONET/SDH ML シリーズ カードとの互換性を持ち、SW-LCAS もサポートします。CE-1000-4 カードでは、ハードウェア ベースの標準 LCAS がサポートされません。CE-1000-4 も SW-LCAS がイネーブルの状態では動作しません。このモードでは、ML シリーズ カードに SW-LCAS が設定されていない場合、CE-1000-4 は ONS 15454 SONET/SDH の G シリーズ カード、CE-100T-8 カード、ML シリーズ カードと互換性があります。イーサネット カードの互換性の詳細については、「ONS イーサネット カード上の POS」を参照してください。
CE-1000-4 カードはフレキシブル VCAT グループ(VCG)と固定(ピュアまたは非フレキシブル)VCG をサポートします。フレキシブル VCG は SW-LCAS に、固定 VCG は LCA なしに対応します。フレキシブル VCG では、CE-1000-4 は次の動作を実行できます。
• グループからメンバーを追加または削除します。
• メンバーを IS 状態または OOS 状態にします。これもグループからメンバーを追加または削除します。
• VCG からクロスコネクト回線を追加または削除します。
• グループからエラー メンバーを自動的に削除します。
VCG からメンバーを追加または削除すると、サービスに影響します。関連付けられたメンバーがグループ内に存在しない場合、クロスコネクト回線を追加または削除してもサービスに影響しません。
CE-1000-4 カードも固定(ピュアまたは非フレキシブル)VCG をサポートします。非フレキシブル VCG では、CE-1000-4 はより制限され、次の動作のみを実行できます。
• メンバーを IS 状態または OOS 状態にします。
• メンバーに関連付けられたクロスコネクト回線を追加または削除します。
非フレキシブル VCG では、CE-1000-4 の制限事項には次が含まれます。
• グループからメンバーを追加または削除できません。
• グループからエラー メンバーを自動的に削除できません。
CE-1000-4 カードでは、VCAT 回線の各メンバに対して独立したルーティングおよび保護プリファレンスを行うことができます。完全に保護されているまたは保護されていない、またはProtection Channel Access(PCA)(PCA が使用可能な場合)を使用する VCAT 回線の容量の合計を制御することもできます。アラームは、Virtual Concatenation Group(VCG)ごとだけでなく、メンバーごとにサポートされています。
CE-1000-4 カードでは、共通ファイバでの VCAT のルーティングとスプリット ファイバ(ダイバース)での VCAT のルーティングがサポートされます。共通ファイバのルーティングは、2 ファイバ双方向ライン スイッチ型リング(BLSR)保護スキームおよび APS と互換性があります。これは、単方向パス スイッチ型リング(UPSR)と 4 ファイバ BLSR 保護スキームはサポートしません。スプリット ファイバ ルーティングでは、UPSR、2 ファイバ BLSR、4 ファイバ BLSR、リニア スイッチ(1+1)のすべての保護タイプがサポートされます。
VCAT スプリット ファイバ ルーティングでは、CCAT および VCAT の共通ファイバ ルーティングが必要とするパスと同じパスを経由する必要はなく、SONET/SDH ネットワーク経由で各メンバーを個別にルーティングできます。これにより、ネットワーク帯域幅をより効率よく使用できます。ただし、パス長と遅延が異なるので、VCG の各メンバーの到着時間にわずかにズレが生じます。VCAT 遅延差は、VCG メンバー間の相対的な到着時間を計算したものです。CE-1000-4 カードの VCAT スプリット ファイバ ルーティングの最大許容遅延差は、約 120 ミリ秒です。サポートされている最大遅延差を超えた場合、Loss of Alignment(アラインメント損失)アラームが生成されます。
CTC 回線設定プロセス中に、スプリット ファイバ ルーティングを選択すると、遅延差補償機能が自動的にイネーブルになります。CCAT および VCAT の共通ファイバ ルーティングは、遅延差をイネーブルにしたり、サポートする必要がありません。
注意 遅延差補償機能がイネーブルの場合、60 ミリ秒未満の保護スイッチは保証されません。補償時間をスイッチング時間に追加できます。
(注) TL-1 の場合、スプリット ファイバ ルーティングのサポートをイネーブルするには、EXPBUFFERS パラメータを ENT-VCG でオンに設定する必要があります。
CE-1000-4 の POS カプセル化、フレーム化、および CRC
CE-1000-4 は Cisco EoS LEX(LEX)を使用します。LEX は ONS イーサネット カードの基本カプセル化方式です。この専用の HDLC ベースのカプセル化では、プロトコル フィールドは、Internet Engineering Task Force(IETF; インターネット技術特別調査委員会)の Request For Comments(RFC; コメント要求)1841 で指定された値に設定されます。
ユーザは、CE-1000-4 上でフレーム構成を、Frame-mapped Generic Framing Procedure(GFP-F)フレーム構成(デフォルト)または HDLC フレーム構成のいずれかとしてプロビジョニングできます。
GFP-F フレーム構成では、32 ビット CRC(デフォルト)または CRC なし(なし)も設定できます。GFP-F 上で LEX が使用される場合、LEX は ITU-T G.7041 に基づいた GFP-F 上の標準マップ イーサネットです。
HDLC フレーム構成は設定済み 32 ビット CRC を提供します。
カプセル化、フレーム構成、および CRC の情報を含め、ONS イーサネット カードの相互運用性の詳細については、「ONS イーサネット カード上の POS」を参照してください。
CE-1000-4 のループバック、J1 パス トレース、および SONET/SDH アラーム
CE-1000-4 カードは、ターミナル ループバックとファシリティ ループバックをサポートします。また、OC-N カードと同様の方法で SONET/SDH アラームをレポートし、J1 パス トレース バイトを転送およびモニタリングします。次のパス終端機能がサポートされています。
• H1 および H2 連結表示
• Bit Interleaved Parity 3(BIP-3; ビット インターリーブド パリティ 3)生成
• G1 パス ステータス表示
• C2 パス信号ラベル(読み取り専用)
• Loss Of Pointer(LOP; ポインタ損失)、未実装、ペイロード ミスマッチ、Alarm Indication Signal(AIS; アラーム表示信号)検出、および Remote Defect Indication(RDI; リモート障害表示)を含む、パス レベルのアラームと条件
• 高次回線パスの J1 パス トレース
• 低次パスの拡張信号ラベル