インターネットワーク情報の収集
特定のデータを収集する前に、インターネットワークに関してすでにレポートされているすべての症状の情報(接続切断やホスト応答の遅延など)をまとめます。
次に、特定の情報を収集します。インターネットワーキングの問題をトラブルシューティングするのに必要な標準的な情報は、一般的に 2 つに分類されます。つまり、あらゆる状況に必要な情報と、トポロジ、テクノロジー、プロトコルに特有の情報です。
テクニカル サポート担当者に必ず提供する必要のある情報は次のとおりです。
• データ ネットワークのネットワーク トポロジ マップ、および SONET/SDH トポロジとプロビジョニング
• ホストとサーバの一覧(ホストとサーバのタイプ、ネットワーク番号、およびホストにインストールされているオペレーティング システムの説明を含む)
• 関連するすべてのスイッチ ルータとスイッチの設定一覧
• 関連するすべてのスイッチ ルータとスイッチの全仕様
• 関連するすべてのスイッチ ルータとスイッチのソフトウェア バージョン番号( show version コマンドで取得)とフラッシュ コード( show controllers コマンドで取得)
• ネットワーク レイヤ プロトコル、バージョン、およびベンダーの一覧
• SONET/SDH トポロジの全ノードのアラームと状態の一覧
• ノード装置と構成(クロスコネクト カードのタイプ、ML シリーズ カードのスロット番号、OC-N カード、および TCC2/TCC2P カードを含む)
必要なデータの収集に役立てるために、 show tech-support EXEC コマンドが Cisco IOS Release 11.1(4) 以降に追加されました。このコマンドは、テクニカル サポート担当者に障害を報告する際に必要となる、スイッチ ルータに関する一般的な情報を表示します。
show tech-support コマンドは、 show version 、 show running-config 、 show controllers 、 show stacks 、 show interfaces 、 show buffers 、 show process memory 、および show process の各 EXEC コマンドを使用した場合と同じ情報を出力します。
テクニカル サポートで必要とされる特定情報の要件は、状況によって異なります。次のような情報が必要となります。
• 次の一般的な show コマンドの出力
show interfaces
show controllers
show processes { cpu | mem }
show buffer
show mem summary
• 次のプロトコル固有の show コマンドの出力
show protocol route
show protocol traffic
show protocol interfaces
show protocol arp
• プロビジョニング show コマンドの出力
• 関連する debug イネーブル EXEC コマンドの出力
• プロトコル固有の ping の出力と trace コマンドによる診断テストの結果(必要な場合)
• ネットワーク アナライザのトレース結果(必要な場合)
• exception dump コマンド、またはシステムが動作可能な場合は write core コマンドで取得したコア ダンプ(必要な場合)
ML シリーズ カードからのデータの取得
ML シリーズ カードから情報を取得するときには、取得に使用するシステムに適した取得方法を選択する必要があります。さまざまなプラットフォームでのヒントを次に示します。
• PC とMacintosh の場合 ― PC または Macintosh を ML シリーズ カードのコンソール ポートに接続し、出力内容をすべてディスク ファイルに記録します(端末エミュレーション プログラムを使用)。具体的な手順は、システムで使用する通信パッケージによって異なります。
• コンソール ポートに接続された端末またはリモート端末の場合 ― コンソール ポートに接続された端末またはリモート端末を使用して情報を取得するには、プリンタを端末の AUX ポート(存在する場合)に接続し、すべての画面出力をプリンタに出力するしかありません。データをファイルに保存する方法がないため、端末の使用は好ましくありません。
• UNIX ワークステーションの場合 ― UNIX のプロンプトで、コマンド script filename を入力し、Telnet を使用して ML シリーズ カードに接続します。UNIX の script コマンドは、指定したファイルにすべての画面出力を保存します。出力の保存を中止してファイルを閉じるには、UNIX システムのファイル終了文字(通常は Ctrl-D )を入力します。
(注) 特定のエラー メッセージまたは動作情報を UNIX の Syslog サーバに自動的に記録させるには、logging internet-address コマンドを入力します。logging コマンドの使用方法と Syslog サーバの設定方法の詳細については、Cisco IOS のコンフィギュレーション ガイドとコマンド リファレンスを参照してください。
テクニカル サポート担当者へのデータの提供
テクニカル サポート担当者に情報を提供する場合は、できるだけ電子データでお送りください。テクニカル サポート担当者から開発スタッフへの情報の転送が、電子データにより非常に容易になります。一般的な電子形式には、電子メールで送信するデータと FTP(ファイル転送プロトコル)で送信するファイルがあります。
テクニカル サポート担当者にデータを提供する場合、次のリスト(望ましい順に列挙)に従って適切な提供方法を決定します。
• 最も望ましい情報の提供方法は、インターネット経由の FTP サービスによる送信です。FTP を使用できる場合は、ホスト Cisco.com の受信ディレクトリにファイルをコピーします。
• 次に望ましい方法は、データを電子メールで送信する方法です。この方法を使用するときには、事前にテクニカル サポート担当者にご連絡ください。特に、バイナリのコア ダンプや他のサイズの大きなファイルを送信する場合には必ずご連絡ください。
• Kermit などの PC ベースの通信プロトコルを使用してファイルを Cisco.com にアップロードします。この場合も、転送を開始する前にテクニカル サポート担当者にご連絡ください。
• ディスクまたはテープなどのメディアでデータを送付します。
• 最も望ましくない方法は、ファックスまたは郵送によるハードコピーの送付です。
(注) 電子メールを使用する場合は、binhex や zip などの符号化方式は使用しないでください。MIME 準拠のメールだけを使用してください。