• マルチベンダー OSS、NFVO、VNF、VIM のサポートを可能にするオープンなモジュラアーキテクチャを提供します。

• 単一の設定ポイントを使用して、仮想化サービスのエンドツーエンドの動的プロビジョニングとモニタリングを提供します。

• ライフサイクル管理のさまざまなフェーズでカスタマイズを提供し、同時に、VM、サービスアドバタイズメント、およびカスタムアクションをモニタリングします。

• 統合された Monitoring Actions（MONA）エンジンによるエージェントレス モニタリングを提供します。モニタリングエンジンは、VM のスケールインとスケールアウトを決定する単純なルールと複雑なルールを提供します。

• ネットワークの負荷に基づいてスケールインとスケールアウトのオプションを提供します。

• 修復の一環として検出されたモニタリングエラーとしきい値の条件に基づいて、VM を展開、再起動、または再展開します。

• VNF の展開とライフサイクル管理を迅速化することで、サービスの俊敏性をサポートします。

• マルチテナント環境をサポートします。

• 複数の VIM への VM の展開をサポートします（OpenStack のみ）。

• OpenStack で ESC ユーザの非管理者ロールをサポートします。

• OpenStack で IPv6 をサポートします。

• OpenStack でデュアル スタック ネットワークをサポートします。

• REST および NETCONF/YANG インターフェイスをサポートし、階層構成とデータのモジュール性を提供します。

• VNF ライフサイクル管理操作のサブセットに対して ETSI MANO インターフェイスをサポートします。

• ETSI パフォーマンスレポートをサポートします。

• 単一または複数の AWS VIM での VM の展開をサポートします。

• ESC REST API と ETSI API の両方を使用した VMware vCloud Director VIM への vApp の展開をサポートします。

• アクティブ/アクティブ設定での D-MONA の展開とモニタリングをサポートします。Distributed Monitoring and Actions（D-MONA）は、VNF をモニタリングするためのスタンドアロン モニタリング コンポーネントです。

• ブラウンフィールド VM の展開をサポートします。

• スケーリング中のリソース値の一貫した順序付けをサポートします。

Cisco Elastic Services Controller（ESC）は、マルチベンダーサポートを可能にするオープンなモジュラアーキテクチャとして構築されています。ESC では VNF のライフサイクル管理が実行されます。つまり、VNF のオンボーディング、展開、モニタリング、および KPI 要件に基づく修復やスケーリングなどの VNF レベルのライフサイクルの決定が行われます。ESC とその管理対象 VNF は、仮想インフラストラクチャ マネージャ（VIM）内で実行される VM として展開されます。現在サポートされている VIM は、OpenStack、VMware vCenter、および AWS です。ESC コアエンジンは、トランザクション、検証、ポリシー、ワークフロー、および VM ステートマシンを管理します。ESC のモニタリングおよびアクションサービスエンジンは、複数のモニタリング方式に基づいてモニタリングを実行します。イベントは、モニタリングアクションに基づいてトリガーされます。モニタリングエンジンは、カスタム モニタリング プラグインもサポートします。

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ESC は高可用性用に設定できます。詳細については、Cisco Elastic Services Controller インストールおよびアップグレードガイド [英語] を参照してください。

ESC では、REST、NETCONF/YANG、および ETSI NFV MANO NB API（ETSI API）を使用して、トップ オーケストレーション レイヤと情報が交換されます。オーケストレーションレイヤは、Cisco NSO、サードパーティの OSS、または NFV Orchestrator にすることができます。ESC は、NETCONF/YANG ノースバウンド インターフェイス サポートを使用して NSO と統合されます。設定テンプレートである仮想ネットワーク機能記述子（VNFD）ファイルは、VNF の展開パラメータと運用動作を記述するために使用されます。VNFD ファイルは、VNF をオンボーディングし、VNF インスタンスのライフサイクルを管理するプロセスで使用されます。次の図は、Cisco Elastic Services Controller アーキテクチャを表しています。

Cisco Elastic Services Controller（ESC）は、動的な環境で汎用仮想ネットワーク機能（VNF）における VNF ライフサイクルのすべての側面を管理する単一の制御ポイントを提供します。また、ETSI VNF 管理およびオーケストレーション（MANO）リファレンスアーキテクチャに準拠したオープンな標準ベースのプラットフォームを通じて、高度な VNF ライフサイクル管理機能を提供します。

OpenStack または VMware vCenter のいずれかで、仮想インフラストラクチャ ドメイン内の VNF をオーケストレーションできます。VNF 展開は、サービスリクエストとして開始されます。サービスリクエストは、XML ペイロードと設定パラメータから成るテンプレートで構成されます。

（注）	VNF は、OpenStack または VMware vCenter に展開できます。ハイブリッド VNF 展開はサポートされていません。

ESC は、VNF のライフサイクル全体を管理します。VNF 展開は、ノースバウンド インターフェイスまたは ESC ポータルを介してサービスリクエストとして開始されます。

次の図は、ESC のライフサイクル管理を示しています。

• オンボーディング：ESC では、OpenStack および VMware vCenter でサポートするための前提条件を満たしている限り、新しい VNF タイプをすべてオンボーディングできます。たとえば、OpenStack では、Cisco ESC は raw イメージ、qcow2、および vmdk ディスク形式をサポートします。ESC は、VNF ブートストラップメカニズムのコンフィグドライブもサポートします。新しい VNF タイプの XML テンプレートを定義して、ESC で VNF をオンボードできます。

  ETSI API を使用して、VNF は NFVO にオンボードされます。詳細については、Cisco Elastic Services Controller ETSI NFV MANO ユーザガイド [英語] の「VNF Lifecycle Operations」セクションの前提条件を参照してください。

• 展開：VNF が展開されると、ESC が新しいサービスにデイゼロ設定を適用します。一般的な設定には、新しい仮想リソースをシステムで使用可能にするためのログイン情報、ライセンス、接続情報（IP アドレス、ゲートウェイ）、およびその他の静的パラメータが含まれます。また、新しい VNF のライセンスもアクティブにします。

  識別子は、ライフサイクルのこの段階で、ETSI API を使用して作成されます。詳細については、Cisco Elastic Services Controller ETSI NFV MANO ユーザガイド [英語] の「Creating VNF Identifier」セクションを参照してください。

• モニタリング：ESC は、ICMP ping、SNMP などのさまざまな方法を使用して仮想マシンの正常性をモニタします。また、CPU 使用率、メモリ消費量、その他のコアパラメータなどの評価指標を追跡します。リクエスタは、仮想マシンの起動と管理に通常関連するすべての特性（vCPU、メモリ、ディスク、モニタリング KPI など）を XML テンプレートで指定できます。また、サービスパフォーマンス関連のメトリックおよびユーザが定義するその他の主要なパラメータをモニタするための複雑なフレームワークも提供します。

• 修復：ESC は障害が発生したときに VNF を修復します。障害シナリオは、データモデルの KPI セクションで設定されます。ESC は KPI を使用して VM をモニタします。イベントは KPI 条件に基づいてトリガーされます。トリガーされるすべてのイベントに対して実行されるアクションは、展開時にルールセクションで設定します。

• 更新：ESC では、展開が成功した後で展開を更新できます。すべての更新（つまり、vm_group の追加や削除、vm_group でのエフェメラルネットワークの追加や削除、および vm_group でのインターフェイスの追加や削除）を単一の展開で実行することも、個別に実行することもできます。

• 展開解除：ESC では、すでに展開されている VNF を展開解除できます。この操作は、ノースバウンド API を使用するか、または ESC ポータルを介して実行されます。

  ETSI API を使用して VNF を削除すると、関連する識別子も削除されます。

（注）	ETSI API を使用した完全な VNF ライフサイクル操作については、Cisco Elastic Services Controller ETSI NFV MANO ユーザガイド [英語] を参照してください。

次のセクションでは、OpenStack および VMware vCenter に VNF を展開する方法について説明します。

OpenStack での VNF の展開

ESC では、VNF の展開は、ESC ポータルまたはノースバウンド インターフェイスから発信されるサービスリクエストとして開始されます。サービスリクエストは、XML ペイロードから成るテンプレートで構成されます。これらのリソースは、OpenStack で使用できるか、ESC ポータルまたはノースバウンド インターフェイスを使用して ESC で作成できる必要があります。ESC でのリソース管理の詳細については、リソース管理の概要を参照してください。展開データモデルは、OpenStack に VNF を展開するためのリソースを参照します。

リソースの設定方法に基づいて、次のいずれかの方法で VNF を展開できます。

シナリオ	説明	リソース	利点
ESC を使用してイメージとフレーバーを作成することにより、単一の VIM に VNF を展開する	展開データモデルは、作成されたイメージとフレーバーを参照して、VNF を展開します。	イメージとフレーバーは、NETCONF/REST API を使用して ESC で作成されます。	イメージとフレーバーは、複数の VNF 展開で使用できます。 ESC によって作成されたリソース（イメージ、フレーバー、およびボリューム）を削除できます。
アウトオブバンドイメージ、フレーバー、ボリューム、およびポートを使用した単一 VIM への VNF の展開	展開データモデルは、OpenStack のアウトオブバンドイメージ、フレーバー、ボリューム、およびポートを参照して、VNF を展開します。	イメージ、フレーバー、ボリューム、およびポートは、ESC を使用して作成されません。	イメージ、フレーバー、ボリューム、ポートは、複数の VNF 展開で使用できます。 ESC を使用して作成されていないリソースは削除できません。
アウトオブバンドリソースを使用した複数の VIM への VNF の展開	展開データモデルは、アウトオブバンドイメージ、フレーバー、ネットワーク、および VIM プロジェクトを参照して、VNF を展開します。	イメージ、フレーバー、VIM プロジェクト（ロケータで指定）およびネットワークは、ESC を使用して作成されません。これらは、VIM のアウトオブバンドに存在する必要があります。	展開内の ESC で設定する必要がある（VM を展開するための）VIM を指定できます。

（注）	OpenStack での VNF の展開の詳細については、OpenStack での仮想ネットワーク機能の展開を参照してください。