vPC マルチホーミングの構成

この章は、次の内容で構成されています。

プライマリ IP アドレスのアドバタイズ

vPC 対応リーフまたはボーダー リーフ スイッチでは、デフォルトで、すべてのレイヤ 3 ルートがリーフ スイッチ VTEP のセカンダリ IP アドレス(VIP)を BGP ネクスト ホップ IP アドレスとしてアドバタイズされます。プレフィックス ルートとリーフ スイッチで生成されたルートは、vPC リーフ スイッチ間で同期されません。これらのタイプのルートの BGP ネクスト ホップとして VIP を使用すると、トラフィックが誤った vPC リーフまたはボーダー リーフ スイッチに転送され、ブラック ホールになる可能性があります。vPC 対応リーフまたはボーダー リーフ スイッチで BGP のプレフィックス ルートまたはループバック インターフェイス ルートをアドバタイズするときにネクスト ホップとしてプライマリ IP アドレス(PIP)を使用するようにプロビジョニングすると、これらのタイプのアドバタイズ時に、BGP ネクスト ホップとして PIP を選択できます。これにより、トラフィックは常に正しい vPC 対応リーフまたはボーダー リーフ スイッチに転送されます。

PIP をアドバタイズするための設定コマンドは advertise-pip です。

以下に設定サンプルを示します。

switch(config)# router bgp 65536
  address-family 12vpn evpn
    advertise-pip
interface nve 1
    advertise virtual-rmac

advertise-pip コマンドは、外部的に学習したルートをアドバタイズするときに、または vPC が有効な場合に再配布される直接ルートのため、BGP がネクストホップとして PIP を使用するようにします。

VIP で VMAC(仮想 MAC)が使用され、VIP/PIP 機能が有効になっている場合は、システム MAC が PIP で使用されます。

advertise-pip および advertise virtual-rmac コマンドをイネーブルにすると、タイプ 5 ルートは PIP でアドバタイズされ、タイプ 2 ルートは引き続き VIP でアドバタイズされます。さらに、VMAC は VIP で使用され、システム MAC は PIP で使用されます。


(注)  


この機能を正しく動作させるには、advertise-pip および advertise-virtual-rmac コマンドを同時に有効または無効にする必要があります。一方を有効または無効にすると、無効な設定と見なされます。


vPC セットアップでの BorderPE スイッチ

2つの BorderPE スイッチは vPC として設定されます。VXLAN vPC 展開では、共通の仮想 VTEP IP アドレス(セカンダリ ループバック IP アドレス)が通信に使用されます。共通の仮想 VTEP は、システム固有のルータ MAC アドレスを使用します。ボーダー PE スイッチからのレイヤ 3 プレフィックスまたはデフォルト ルートは、この共通の仮想 VTEP IP(セカンダリIP)とシステム固有のルータ MAC アドレスをネクスト ホップとしてアドバタイズされます。

advertise-pip および advertise virtual-rmac コマンドを入力すると、レイヤ 3 プレフィックスまたはデフォルトがプライマリ IP およびシステム固有のルータ MAC アドレスでアドバタイズされ、MAC アドレスがセカンダリ IP でアドバタイズされ、ルータの MAC アドレスがセカンダリ IP アドレスから取得されます。

vPC セットアップでの DHCP 設定

DHCP または DHCPv6 リレー機能が vPC 設定のリーフスイッチで設定され、DHCP サーバがデフォルト以外の非管理 VRF にある場合は、vPC リーフスイッチで advertise-pip コマンドを設定します。これにより、BGP EVPN は VTEP インターフェイスのプライマリ IP アドレスを使用して、ネクスト ホップでルート タイプ 5 のルートをアドバタイズできます。

以下に設定例を示します。

switch(config)# router bgp 100
  address-family 12vpn evpn
    advertise-pip
interface nve 1
  advertise virtual-rmac

vPC セットアップでの IP プレフィックス

BGP EVPN でアドバタイズできるレイヤ 3 ルートには 3 つのタイプがあります。その内容は次のとおりです。

  • ローカル ホスト ルート:これらのルートは、接続されているサーバまたはホストから学習されます。

  • プレフィックス ルート:これらのルートは、リーフ、ボーダー リーフ、およびボーダー スパイン スイッチで他のルーティング プロトコルを介して学習されます。

  • リーフ スイッチで生成されたルート:これらのルートには、インターフェイス ルートと静的ルートが含まれます。