Cisco Catalyst IW9167E 防爆アクセスポイントについて

Cisco Catalyst IW9167E 防爆アクセスポイント

Cisco Catalyst IW9167EH 防爆アクセスポイントはトライバンド 802.11ax(Wi-Fi 6)AP であり、組織がプロセスと運用を自動化する中で、ミッションクリティカルなアプリケーションに信頼性の高いワイヤレス接続を提供します。このアクセスポイントは、Wi-Fi 6 または Cisco Ultra-Reliable Wireless Backhaul(Cisco URWB)として動作できます。Wi-Fi 6 テクノロジーにより、産業用または屋外用で、より高い密度、より高いスループット、より多くのチャネル、より優れた電力効率、改善されたセキュリティを提供します。Cisco URWB は、移動する設備や、光ファイバの敷設が不可能か又はコストが高すぎる場所にネットワークを拡張する場合に、信頼性が非常に高いワイヤレス接続を提供します。

Cisco Catalyst IW9167E Heavy Duty アクセスポイントには、IP67 保護等級で高度な機能が満載の堅牢な設計に 3 つの 4X4 無線機が搭載されています。

Cisco Catalyst IW9167E Heavy Duty アクセスポイント シリーズには、次のハードウェアモデルが含まれます。

  • Catalyst IW9167EH-x-HZ:防爆認定されています。

x は規制ドメイン(A、B、E、F、Q、Z、または ROW)を表します。

AP の機能および仕様をすべて網羅したリストは、『Cisco Catalyst IW9167E Heavy Duty Access Point Data Sheet』に記載されています。

Cisco Catalyst IW9167E 防爆アクセスポイント の機能

このアクセスポイントは、Cisco Catalyst 9800 ワイヤレス コントローラベースの製品でサポートされており、次の機能を備えています。

  • 2 GB DDR4 メモリ、1 GB NAND フラッシュ

  • トライ無線、デュアルバンドのサポート:2.4 GHz スロット 0、5 GHz スロット 1、および 5/6 GHz スロット 2

  • 4 X 4 MIMO(最大 4 つの空間ストリームに対応)

  • 8 X Wi-Fi 用 N 型メスコネクタ、1 X GNSS 用 TNC メス、マルチプロトコル IoT 無線機、Aux 無線機、バロメータ

  • Bluetooth Low Energy(BLE)無線機により、位置追跡や経路案内などの IoT 向けの用途に対応。

  • 動作モード:Cisco URWB、WGB、または AP

  • 1 X マルチギガビット(mGig)銅線イーサネットポート(IEEE 802.3at/bt、Cisco UPoE、100 Mbps/1 Gbps/2.5 Gbps/5 Gbps を含む PoE をサポート)

  • 1 X SFP インターフェイス:最大 10 Gbps をサポート


    (注)  


    10G SFP ファイバモジュールの場合、Cisco PID SFP-10G-LR10-I は、Catalyst IW9167E アクセスポイントでの性能を保証しています。


  • 2 種類の電源入力方法:PoE 入力および 24 ~ 48 VDC

  • 防水・防塵:IP 66/67

  • 衝撃、振動、および極端な温度条件に耐えられるように強化

  • 動作温度:

    • -40 °C ≤ Ta ≤ 70 °C(日射負荷なし)

    • -40°C での冷間起動をサポートし、-50°C での動作に対応します。

物理仕様

次の図に示す寸法は、特に断りのない限り、すべてインチ単位です

1

ポートアクセスプラグ(X 3):M25 x1.5、1/2 インチ/ 13 mm 六角

2

アース ラグの位置

AP エンクロージャの取り付け用ハードポイント。

1

M8 ハードポイント(X 2):M8x1.25、奥行き 0.40 インチ

3

マウントフランジ

2

M6 ハードポイント(X 6):M6x1、奥行き 0.40 インチ

4

衝撃保護ブラケット


(注)  


GNSS アンテナを使用する場合は、TNC コネクタの L 字型メタルガードを取り付けます。
エンクロージャ内の圧力を維持するための圧力ベントが装備されています。

1

1/4-20 ハードポイント(X 4):1/4-20UNC-2B、奥行き 0.40 インチ

2

圧力ベント

コネクタおよびポート

AP で利用できるポートおよびコネクタは次の図のとおりです。

図 1. Catalyst IW9167EH-HZ ポート

1

アンテナポート

2

GNSS ポート

図 2. Catalyst IW9167EH-HZ のコネクタ

1

コンソール ポート(RJ-45)

4

SFP(銅)100M/1000M/10G マルチギガビット イーサネットまたは SFP(ファイバ)1G/10G

2

リセット ボタン

リセットボタンの使用方法については、リセット ボタンの使用を参照してください。

5

100M/1000M/2.5G/5G マルチギガビット イーサネット(RJ-45)自動検知 PoE+ 入力(802.3at/bt)、UPOE 入力

3

ステータス LED

6

DC 電源入力(micro-fit)


(注)  


  • SFP/RJ-45/DC 電源ポートに使用されるケーブルの定格は 82°C 以上である必要があります

  • ポートを使用していない場合は、M25 I/O ポートキャップ(RJ-45 コンソールポート、SFP ポート、イーサネット(PoE)ポート、または DC 電源入力ポート)を取り付ける必要があります。最大トルク範囲(35 ~ 40 インチポンド(3.955 ~ 4.521 Nm))で締めます。


DC 電源用 4 ピン Micro-Fit コネクタ

次の図は、DC 電源用の 4 ピン Micro-Fit コネクタを示しています。

図 3. ジョイントコネクタ:Molex Micro-Fit 43025-0400
図 4. ジョイントコネクタの正面図

Molex Micro-Fit ピン

割り当て

ピン 1

黒(- マイナス端子)

ピン 2

割り当てなし

ピン 3

白(+ プラス端子)

ピン 4

割り当てなし

電源

Cisco Catalyst IW9167 シリーズ アクセスポイントは、次の電源をサポートしています。

  • DC 電源入力:24 ~ 48 VDC、2.0 ~ 0.9 A


    (注)  


    No.18 AWG 以上の DC ケーブルを使用してください。
  • Power over Ethernet(PoE)入力:42.5 〜 57 VDC、1.0 〜 0.7 A

    802.3at(PoE+)、802.3bt(PoE++)、Cisco Universal PoE(Cisco UPOE)。詳細については、アクセスポイントへの電源供給を参照してください。


    (注)  


    CAT5e またはそれ以上のイーサネットケーブルと 24 AWG 以上の太さの電話線コードを使用してください。

注意    


Catalyst IW9167EH-HZ AP では、サードパーティ製の電源アダプタまたは PoE インジェクタを使用しないでください。

警告


ステートメント 1033 - 安全超低電圧(SELV):IEC 60950/ES1–IEC 62368 DC 電源

感電のリスクを軽減するため、この装置は、IEC 60950 に基づく安全基準の SELV 要件または IEC 62368 に基づく安全基準の ES1 および PS1 要件に適合した DC 電源、またはクラス 2 電源に接続してください。


イーサネット(PoE)ポート

この AP は、イーサネット アップリンク ポートをサポートします(PoE 入力にも対応)。RJ-45 コネクタ(耐候性)を使用するイーサネットケーブルは、イーサネットデータの送受信のほか、必要に応じて、パワーインジェクタまたは適切に電源が供給されるスイッチポートからのインラインパワーの供給に使用されます。


ヒント


AP は、イーサネットと電源の信号を感知して、ケーブル接続に合った内部回路に自動的に切り替えます。

データ接続

イーサネット(PoE)ポート

この AP は、イーサネット アップリンク ポートをサポートします(PoE 入力にも対応)。AP のイーサネット アップリンク ポートは、RJ-45 コネクタ(耐候性)を使用して AP を 100BASE-T、1000BASE-T、2.5G BASE-T、または 5G BASE-T ネットワークにリンクします。

イーサネットケーブルは危険場所での使用要件を満たす必要があります。つまり、ケーブルは装甲ケーブルまたはコンジット内を通したカテゴリ 5e(CAT 5e)以上のケーブルである必要があり、5G レートにはカテゴリ 6A(CAT 6A)ケーブルが必要です。


ヒント


AP は、イーサネットと電源の信号を感知して、ケーブル接続に合った内部回路に自動的に切り替えます。

SFP オプション


警告


ステートメント 1008 - クラス 1 レーザー製品

クラス 1 レーザー製品です。


工場に発注可能なファイバ オプションとして、ファイバ入出力機能が用意されています。ファイバ データの送受信は、次の SFP モジュールを使用してアクセス ポイントに接続された、SFP に応じた単芯または二芯のファイバ ケーブル経由で行われます。

表 1. サポートされる SFP モジュール

PID

距離

ファイバ/ケーブル

動作温度範囲

GLC-SX-MM-RGD=

220 ~ 550m

MMF

IND

GLC-LX-SM-RGD=

550 m/10 km

MMF/SMF

IND

GLC-T-RGD=1

100 m

CAT 5e

IND

SFP-10G-LR10-I

10 km

SMF

IND

SFP-10G-T-X2

30 m@10 Gbps

CAT 6A/CAT 7

EXT

SFP-10G-SR-I=

300m

OM3

IND

1 GLC-T-RGD= は 1000BASE-T 接続のみをサポートします。
2 SFP-10G-T-X は Cisco IOS XE リリース 17.9.3 ではサポートされていません。

(注)  


SFP モジュールはホットスワップ可能ではありません。SFP モジュールを抜き差しするときは、AP を手動でリロードする必要があります。


クライアント データは、ファイバ対応スイッチまたはコントローラからファイバ接続を経由して、ネットワーク コントローラに渡されます。設定情報は、使用しているスイッチまたはコントローラの設定ガイドに記載されています。

アンテナおよび無線機

Catalyst IW9167EH アクセスポイントには、指定された 3 つの SIA ポートに繋いだ Self-Identifiable Antenna(SIA)、デュアルバンドアンテナ、シングルバンドアンテナなど、複数のアンテナオプションをサポートする 8 つの N 型メスコネクタがあります。

サポートされる外部アンテナ

次の図は、Catalyst IW9167EH-x-HZ アクセスポイントのアンテナポートを示しています。


(注)  


  • 注:アンテナを使用しない場合は、アンテナキャップを取り付ける必要があります。最大トルク範囲(2.5 インチポンド(0.283 Nm))で締めます。

  • Catalyst IW9167EH-x-HZ AP は、サードパーティ製アンテナをサポートしません。


図 5. Catalyst IW9167EH-HZ アクセスポイントのアンテナポート

1

Port 1

4X4、2X2、または 1X1 モードで 2.4 GHz 無線機をサポートします。4X4 モードで 5 GHz 無線機をサポートします。SIA をサポートします。

2

Port 2

4X4、2X2 モードで 2.4 GHz 無線機をサポートします。4X4 モードで 5 GHz 無線機をサポートします。

3

ポート 3

4X4 モードで 2.4 GHz 無線機をサポートします。4X4、2X2 モードで 5 GHz 無線機をサポートします。

4

ポート 4

4X4 モードで 2.4 GHz 無線機をサポートします。4X4、2X2、または 1X1 モードで 5 GHz 無線機をサポートします。Bluetooth Low Energy(BLE)無線機をサポートします。SIA をサポートします。

5

ポート 5

4X4、2X2、1X1 モードで 5/6 GHz 無線機をサポートします。SIA をサポートします。

6

ポート 6

4X4、2X2 モードで 5/6 GHz 無線機をサポートします。

7

ポート 7

4X4 モードで 5/6 GHz 無線機をサポートします。

8

ポート 8

4X4 モードで 5/6 GHz 無線機をサポートします。


(注)  


無指向性アンテナをポート 1 ~ 4 とポート 5 ~ 8 の両方に直接接続しないでください。5 GHz と 5/6 GHz 無線機間の干渉を避けるには、同軸ケーブルを使用し、1 セットのアンテナを、シャーシに直接取り付けられているアンテナから少なくとも 3 フィート(1 m)垂直に離して取り付けます。無指向性アンテナは、ポート 1 ~ 4 または 5 ~ 8 のいずれかに接続できますが、5 GHz と 5/6 GHz 無線機の両方のアンテナポートの組み合わせに同時に接続することはできません。

指向性アンテナを 5 GHz と 5/6 GHz 両方の無線機に接続する場合は、垂直方向に少なくとも 10 フィート(3 m)離すか、水平方向に少なくとも 5 フィート(1.5 m)離して、メインビームの方向を少なくとも 90 度離します。


サポートされる Wi-Fi アンテナ

Catalyst IW9167EH-x-HZ AP は、次の外部 Wi-Fi アンテナをサポートします。


(注)  


Catalyst IW9167EH-x-HZ AP は、クラス I、ディビジョン 2/ゾーン 2 の危険場所ではこれらのアンテナとともに使用してください。
表 2. サポートされる Wi-Fi アンテナ

PID

アンテナ利得(dBi)

コネクタ

アンテナ名

2.4 GHz

4.9 GHz

5 GHz

6 GHz

IW-ANT-OMV-2567-N=

4

7

7

7

N オス

2.4/5 GHz トライバンド無指向性ダイポールアンテナ(垂直偏波、Self-Identifying)

AIR-ANT2547V-N-HZ=

4

7

N オス

Cisco Aironet デュアルバンド無指向性ダイポールアンテナ(白、防爆)

AIR-ANT2588P4M-NS=

9.1(V)、7.1(H)

9.6(V)、7.8(H)

N メス(X 4)

Cisco Aironet 2.4/5 GHz 8 dBi 4 素子デュアル偏波パッチアンテナ(Self-Identifying)

AIR-ANT2513P4M-NS=

13

13

N メス(X 4)

Cisco Aironet 4 ポートデュアルバンド偏波ダイバーシティ指向性パネルアンテナ(Self-Identifying)

これらのアンテナの取り付け手順および詳細情報については、Cisco.com のアンテナデータシート、または次のアンテナガイドを参照してください。

アンテナを取り付けるときは、安全に関する注意事項に従います。安全に関する情報については、サポートされる外部アンテナ を参照してください。

サポートされる URWB アンテナ

表 3. サポートされる URWB アンテナ

PID

アンテナ利得(dBi)

コネクタ

アンテナ名

2.4 GHz

4.9 GHz

5 GHz

6 GHz

IW-ANT-PNL5615-NS=

15

15

15

N メス(X 2)

Cisco 5/6 GHz 15 dBi デュアルポート偏波ダイバーシティ指向性パネルアンテナ(Self-Identifying)

IW-ANT-H90-510-N=

10

N メス(X 2)

5 GHz 双直線ポートデュアル偏波ホーンアンテナ

IW-ANT-DS9-516-N=

15

15

N メス(X 2)

双直線傾斜偏波セクターアンテナ

IW-ANT-SS9-516-N=

15

15

N メス(X 2)

双直線偏波セクターアンテナ

サポートされる GNSS アンテナ

次の表に、Catalyst IW9167EH-x-HZ アクセスポイントでサポートされている外部 GNSS アンテナを示します。

表 4. サポートされる GNSS アンテナ

PID

サポートされている周波数

コネクタ

説明

ANT-GNSS-OUT-TNC=

1560 ~ 1608 MHz

TNC オス

屋外用アクティブ GNSS アンテナ(15 フィートの統合ケーブル付属)

危険場所に設置するアンテナは、パッシブのみで(ANT-GNSS-OUT-TNC= を除く)、定格 IP66/67 で、IEC 60079-0 に準拠している必要があります。

Catalyst IW9167EH-HZ モデルおよび上記のアンテナを防爆に準拠させるには、次の条件を満たす必要があります。

  • アンテナとアクセスポイントを意図しない損傷から保護するための準備が必要です。

  • アンテナの最大インダクタンスは 50 μH を超えてはならず、静電容量は 0.01 μF を超えてはなりません。

  • アンテナの最大ケーブル長は 150 フィート(45.72 m)を超えてはなりません。

  • シスコ以外が提供するケーブルを使用する場合は、ケーブル被覆は UL 認定の UV 定格のものでなければなりません。