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日本語による情報は、英語による原文の非公式な翻訳であり、英語原文との間で内容の齟齬がある場合には、英語原文が優先します。
概要
Cisco Secure Firewall 適応型セキュリティアプライアンス(ASA)ソフトウェアおよび Cisco Secure Firewall Threat Defense(FTD)ソフトウェアの管理および VPN Web サーバーにおける複数の脆弱性により、認証されていないリモートの攻撃者がデバイスの応答停止や予期しないリロードを引き起こし、その結果、サービス妨害(DoS)状態が発生する可能性があります。
これらの脆弱性は、アプリケーション端末へのユーザー入力の検証が不適切なことに起因します。巧妙に細工された HTTP 要求をデバイス上の標的とする Web サーバーに送信することにより、攻撃者がこれらの脆弱性をエクスプロイトする可能性があります。エクスプロイトが成功すると、攻撃者によってデバイスの応答停止やリロードを伴う DoS 状態が引き起こされる可能性があります。
シスコはこれらの脆弱性に対処するソフトウェアアップデートをリリースしています。これらの脆弱性に対処する回避策はありません。
このアドバイザリは、次のリンクより確認できます。
https://sec.cloudapps.cisco.com/security/center/content/CiscoSecurityAdvisory/cisco-sa-asaftd-vpn-dos-mfPekA6e
このアドバイザリは、2025 年 8 月に公開された Cisco Secure Firewall ASA、Cisco Secure FMC、Cisco Secure FTD の各ソフトウェアのセキュリティ アドバイザリ バンドルに含まれています。アドバイザリとリンクの一覧については、『Cisco Event Response: August 2025 Semiannual Cisco Secure Firewall ASA, Secure FMC, and Secure FTD Software Security Advisory Bundled Publication』を参照してください。
該当製品
脆弱性のある製品
この脆弱性は、このセクションの表に記載されている脆弱な状態を 1 つ以上含む Cisco Secure Firewall ASA ソフトウェアおよび Cisco Secure FTD ソフトウェアに影響を与えます。
脆弱性が存在する Cisco ソフトウェアリリースについては、このアドバイザリの「修正済みソフトウェア」セクションを参照してください。
デバイスが影響を受けるかどうかを確認する
Cisco Secure Firewall ASA ソフトウェアまたは Cisco Secure FTD ソフトウェアを実行しているデバイスが影響を受けているかどうかを確認するには、show asp table socket | include SSL コマンドを使用して、すべての TCP ポートで SSL リスニングソケットを検索します。出力にソケットが含まれている場合、そのデバイスは脆弱であると考えられます。次の例は、TCP ポート 443 および 8443 で 2 つの SSL リスニングソケットを使用する Cisco Secure Firewall ASA デバイスの出力を示しています。
ciscoasa# show asp table socket | include SSL
SSL 00185038 LISTEN 172.16.0.250:443 0.0.0.0:*
SSL 00188638 LISTEN 10.0.0.250:8443 0.0.0.0:*
Cisco Secure Firewall ASA ソフトウェア設定における脆弱性の有無の判定
次の表では、左列に潜在的脆弱性のある Cisco Secure Firewall ASA ソフトウェアの機能を記載しています。また右の列には、show running-config CLI コマンドで判断可能な、この機能の基本設定を示します。これらの機能により、SSL リスニングソケットが有効になる可能性があります。
Cisco Secure Firewall ASA ソフトウェアの機能 | 脆弱性の可能性がある設定 |
---|---|
AnyConnect IKEv2 Remote Access(クライアント サービス有効時) |
crypto ikev2 enable [...] client-services port <port_number> |
管理 Web サーバーアクセス(Cisco Adaptive Security Device Manager(ASDM)および Cisco Security Manager アクセスを含む)1 |
http server enable |
モバイル ユーザー セキュリティ(MUS)1 |
webvpn |
SSL VPN |
webvpn |
Cisco Secure FTD ソフトウェア設定における脆弱性の有無の判定
次の表では、左列に潜在的脆弱性のある Cisco Secure FTD ソフトウェアの機能を記載しています。また右の列には、show running-config CLI コマンドで判断可能な、この機能の基本設定を示します。これらの機能により、SSL リスニングソケットが有効になる可能性があります。
Cisco Secure FTD ソフトウェアの機能 | 脆弱性の可能性がある設定 |
---|---|
AnyConnect IKEv2 Remote Access(クライアントサービス有効時)1 |
crypto ikev2 enable [...] client-services port <port_number> |
AnyConnect SSL VPN1 |
webvpn |
HTTP サーバーが有効2、3 |
http server enable |
脆弱性を含んでいないことが確認された製品
このアドバイザリの「脆弱性のある製品」セクションに記載されている製品のみが、これらの脆弱性の影響を受けることが分かっています。
シスコは、これらの脆弱性が Cisco Secure FMC ソフトウェアには影響を与えないことを確認しました。
詳細
これらの脆弱性は依存関係にはなく、いずれかの脆弱性をエクスプロイトするために、他の脆弱性をエクスプロイトする必要はありません。また、いずれかの脆弱性の影響を受けるリリースであっても、他の脆弱性の影響は受けない場合があります。
脆弱性の詳細は以下のとおりです。
CVE-2025-20133:Cisco Secure Firewall ASA および Cisco Secure FTD の各ソフトウェアのリモートアクセス SSL VPN 認証におけるターゲット DoS 脆弱性
Cisco Secure Firewall ASA ソフトウェアおよび Cisco Secure FTD ソフトウェアのリモートアクセス SSL VPN 機能を対象とする管理サーバーおよび VPN Web サーバーにおける脆弱性により、認証されていないリモートの攻撃者がデバイスの応答を予期せず停止させ、その結果、DoS 状態が発生する可能性があります。
この脆弱性は、リモートアクセス SSL VPN 認証プロセスでのユーザー入力の検証が有効でないことに起因します。該当デバイスの VPN サービスに細工された要求を送信することにより、攻撃者がこの脆弱性をエクスプロイトする可能性があります。エクスプロイトが成功すると、攻撃者によって DoS 状態が引き起こされ、リモートアクセス SSL VPN 認証要求に対する該当デバイスの応答が停止する可能性があります。
シスコはこの脆弱性に対処するソフトウェアアップデートをリリースしています。この脆弱性に対処する回避策はありません。
バグ ID:CSCwk44165
CVE ID:CVE-2025-20133
セキュリティ影響評価(SIR):高
CVSS ベーススコア:8.6
CVSS ベクトル:CVSS:3.1/AV:N/AC:L/PR:N/UI:N/S:C/C:N/I:N/A:H
CVE-2025-20243:Cisco Secure Firewall ASA および Cisco Secure FTD の各ソフトウェアのリモートアクセス SSL VPN における DoS 脆弱性
Cisco Secure Firewall ASA ソフトウェアおよび Cisco Secure FTD ソフトウェアの管理サーバーおよび VPN Web サーバーの脆弱性により、認証されていないリモートの攻撃者がデバイスの予期しないリロードを引き起こし、その結果、サービス妨害(DoS)状態が発生する可能性があります。
この脆弱性は、VPN Web サービスとのインターフェイスにおけるユーザー入力の検証が不適切なことに起因します。対象デバイス上の標的となる Web サーバーに巧妙に細工された HTTP リクエストを送信することにより、攻撃者がこの脆弱性をエクスプロイトする可能性があります。エクスプロイトが成功すると、デバイスのリロード中に DoS 状態が引き起こされる可能性があります。
シスコはこの脆弱性に対処するソフトウェアアップデートをリリースしています。この脆弱性に対処する回避策はありません。
バグ ID:CSCwo15027
CVE ID:CVE-2025-20243
セキュリティ影響評価(SIR):高
CVSS ベーススコア:8.6
CVSS ベクトル:CVSS:3.1/AV:N/AC:L/PR:N/UI:N/S:C/C:N/I:N/A:H
回避策
これらの脆弱性に対処する回避策はありません。
修正済みソフトウェア
シスコはこのアドバイザリに記載された脆弱性に対処する無償のソフトウェアアップデートをリリースしています。通常のソフトウェアアップデートが含まれるサービス契約をお持ちのお客様は、通常のアップデートチャネルからセキュリティ修正を取得する必要があります。
お客様がインストールしたりサポートを受けたりできるのは、ライセンスをご購入いただいたソフトウェア バージョンとフィーチャ セットに対してのみとなります。そのようなソフトウェアアップグレードをインストール、ダウンロード、アクセスまたはその他の方法で使用した場合、お客様は以下のリンクに記載されたシスコのソフトウェアライセンスの条項に従うことに同意したことになります。
https://www.cisco.com/c/en/us/products/end-user-license-agreement.html
また、お客様がソフトウェアをダウンロードできるのは、ソフトウェアの有効なライセンスをシスコから直接、あるいはシスコ認定リセラーやパートナーから取得している場合に限ります。通常、これは以前購入したソフトウェアのメンテナンス アップグレードです。無償のセキュリティ ソフトウェア アップデートによって、お客様に新しいソフトウェア ライセンス、追加ソフトウェア フィーチャ セット、またはメジャー リビジョン アップグレードに対する権限が付与されることはありません。
Cisco.com の シスコサポート & ダウンロードページには、ライセンスとダウンロードに関する情報が記載されています。このページには、[マイデバイス(My Devices)] ツールを使用するお客様のカスタマーデバイスサポート範囲も表示できます。
ソフトウェアのアップグレードを検討する際には、シスコ セキュリティ アドバイザリ ページで入手できるシスコ製品のアドバイザリを定期的に参照して、侵害を受ける可能性と完全なアップグレード ソリューションを確認してください。
いずれの場合も、アップグレードするデバイスに十分なメモリがあること、および現在のハードウェアとソフトウェアの構成が新規リリースで引き続き正しくサポートされていることを十分に確認してください。不明な点については、Cisco Technical Assistance Center(TAC)もしくは契約しているメンテナンスプロバイダーにお問い合わせください。
サービス契約をご利用でないお客様
シスコから直接購入したがシスコのサービス契約をご利用いただいていない場合、また、サードパーティベンダーから購入したが修正済みソフトウェアを購入先から入手できない場合は、Cisco TAC(https://www.cisco.com/c/ja_jp/support/web/tsd-cisco-worldwide-contacts.html)に連絡してアップグレードを入手してください。
無償アップグレードの対象製品であることを証明していただくために、製品のシリアル番号と、本アドバイザリの URL をご用意ください。
Cisco Secure Firewall ASA、Cisco Secure FMC、Cisco Secure FTD の各ソフトウェア
お客様が Cisco Secure Firewall ASA、Cisco Secure FMC、Cisco Secure FTD の各ソフトウェアにおける脆弱性のリスクの有無を判断できるように、シスコは Cisco Software Checker を提供しています。このツールを使うことで、特定のソフトウェアリリースに関連するすべてのシスコ セキュリティ アドバイザリを検索でき、それぞれのアドバイザリで言及された脆弱性を修正した最初のリリース(「First Fixed」)を特定できます。 また、該当する場合には、Software Checker により判別されたすべてのアドバイザリに記載のすべての脆弱性が修正された最初のリリース(「Combined First Fixed」)を特定できます。
このツールを使用するには、「Cisco Software Checker」ページの手順に従います。または、次のフォームを使用して、特定のソフトウェアリリースに影響を及ぼす脆弱性を検索します。このフォームを使用するには、次の手順に従います。
- ツールで検索するアドバイザリを選択します。すべてのアドバイザリ、セキュリティへの影響の評価(SIR)が「重大」または「高」のアドバイザリのみ、またはこのアドバイザリのみを選択します。
- 該当するソフトウェアを選択します。
- 該当するプラットフォームを選択します。
- リリース番号を入力します。たとえば、Cisco Secure Firewall ASA ソフトウェアの場合は 9.20.3.4、Cisco Secure FTD ソフトウェアの場合は 7.4.2 と入力します。
- [チェック(Check)] をクリックします。
Cisco Secure FTD デバイスのアップグレード手順については、該当の Cisco Secure FMC アップグレードガイドを参照してください。
関連情報
最適な Cisco Secure Firewall ASA、Cisco Secure FMC、Cisco Secure FTD の各ソフトウェアリリースの決定方法については、次の推奨リリースに関するドキュメントを参照してください。セキュリティ アドバイザリでより新しいリリースが推奨されている場合は、そのアドバイザリのガイダンスに従うことをお勧めします。
Cisco Secure Firewall ASA の互換性
Cisco Secure Firewall ASA アップグレードガイド
Cisco Secure Firewall Threat Defense 互換性ガイド
不正利用事例と公式発表
Cisco Product Security Incident Response Team(PSIRT)では、本アドバイザリに記載されている脆弱性のエクスプロイト事例とその公表は確認しておりません。
出典
CVE-2025-20133:この脆弱性は、Cisco Advanced Security Initiatives Group(ASIG)の Jason Crowder による内部セキュリティテストで発見されました。
CVE-2025-20243:この脆弱性は、内部セキュリティテストで Cisco ASIG の Keane O'Kelley によって発見されました。
URL
改訂履歴
バージョン | 説明 | セクション | ステータス | 日付 |
---|---|---|---|---|
1.0 | 初回公開リリース | — | Final | 2025 年 8 月 14 日 |
利用規約
本アドバイザリは無保証のものとしてご提供しており、いかなる種類の保証も示唆するものではありません。 本アドバイザリの情報およびリンクの使用に関する責任の一切はそれらの使用者にあるものとします。 また、シスコは本ドキュメントの内容を予告なしに変更したり、更新したりする権利を有します。
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