High
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日本語による情報は、英語による原文の非公式な翻訳であり、英語原文との間で内容の齟齬がある場合には、英語原文が優先します。
概要
Cisco FXOS ソフトウェアおよび Cisco NX-OSソフトウェアに搭載されている Simple Network Management Protocol(SNMP)の入力パケット プロセッサで脆弱性が確認されました。認証されていないリモートの攻撃者が、SNMP アプリケーションのシステム メモリ リークを引き起こす危険性があります。これは該当デバイスの予期せぬ再起動につながります。
この脆弱性は、SNMP 着信パケット処理中の不適切なエラー処理に起因します。 巧妙に細工した SNMP パケットを標的デバイスに送信することでエクスプロイトされる可能性があります。 エクスプロイトに成功すると、パケット処理中にエラーが不適切に処理されるため、SNNP アプリケーションでシステム メモリ リークが引き起こされる危険性があります。 時間の経過に伴い、このメモリ リークが原因で SNMP アプリケーションの再起動が何度も必要となる可能性があります。その結果、システム レベルの再起動につながり、サービス妨害(DoS)状態に陥ります。
シスコはこの脆弱性に対処するソフトウェア アップデートをリリースしました。 この脆弱性に対処する回避策はありません。
このアドバイザリは、次のリンクより確認できます。
https://tools.cisco.com/security/center/content/CiscoSecurityAdvisory/cisco-sa-20190515-nxos-snmp-dos
該当製品
脆弱性のある製品
この脆弱性の影響を受けるのは、次のシスコ製品で脆弱性が存在する Cisco FXOS または NX-OS ソフトウェア リリースを実行している場合です。
- Firepower 4100 シリーズ
- Firepower 9300 セキュリティ アプライアンス
- MDS 9000 シリーズ マルチレイヤ スイッチ
- Nexus 1000V Switch for Microsoft Hyper-V
- Nexus 1000V Switch for VMware vSphere
- Nexus 3000 シリーズ スイッチ
- Nexus 3500 プラットフォーム スイッチ
- Nexus 5500 プラットフォーム スイッチ
- Nexus 5600 プラットフォーム スイッチ
- Nexus 6000 シリーズ スイッチ
- Nexus 7000 シリーズ スイッチ
- Nexus 7700 シリーズ スイッチ
- Nexus 9000 シリーズ ファブリック スイッチ(アプリケーション セントリック インフラストラクチャ(ACI)モード)
- スタンドアロン NX-OS モードの Nexus 9000 シリーズ スイッチ
- Nexus 9500 R シリーズ スイッチング プラットフォーム
SNMP の状況を確認する
管理者は、デバイスの CLI で show running-config snmp コマンドを使用して、SNMP がデバイスで実行されているかどうかを確認できます。 コマンドによって出力が返された場合は、SNMP が設定されています。
nxos-switch# show running-config snmp
.
.
.
snmp-server user admin network-admin auth md5 ***** priv ***** localizedkey
snmp-server community community-string group network-admin
脆弱性を含んでいないことが確認された製品
このアドバイザリの脆弱性が存在する製品のセクションにリストされている製品だけ既知この脆弱性によって影響されるためにである。
シスコは、この脆弱性が以下のシスコ製品には影響を与えないことを確認しました。
- Firepower 2100 シリーズ
- Nexus 3600 プラットフォーム スイッチ
- UCS 6200 シリーズ ファブリック インターコネクト
- UCS 6300 シリーズ ファブリック インターコネクト
- UCS 6400 シリーズ ファブリック インターコネクト
詳細
SNMP は、アプリケーションレイヤ プロトコルであり、ネットワーク デバイスのモニタリングや管理で、標準化されたフレームワークおよび共通言語として使用されます。 SNMP マネージャとエージェント間の通信に必要なメッセージ フォーマットを定義します。
SNMP エージェントは、デバイス パラメータおよびネットワーク データに関する情報のリポジトリである SNMP MIB からデータを収集します。 また、SNMP マネージャからの要求に応答して、データの取得または設定も行います。 SNMP エージェントには MIB 変数が含まれ、その値は、get 操作または set 操作を使用することによって、SNMP マネージャによって要求または変更できます。
本脆弱性は、デバイスでサポートされている SNMP のすべてのバージョン、つまり、バージョン 1、2c、3 に影響を与えます。 該当デバイスに IPv4 または IPv6 経由で特定の SNMP パケットが送信されると、本脆弱性がエクスプロイトされる危険性があります。 本脆弱性を不正利用する目的で使用できるのは、該当システム宛てのトラフィックに限られます。
脆弱性をエクスプロイトするのに、対象となるシステムの有効な SNMP クレデンシャルが必ず必要なわけではありません。
セキュリティ侵害の痕跡
この脆弱性がエクスプロイトされた場合、次のシステム ログ エラー メッセージが表示される場合があります。
%SYSMGR-2-SERVICE_CRASHED: Service "snmpd" (PID 25407) hasn't caught signal 6 (core will be saved).
また、デバイス上に snmpd コア ファイルを確認できます。このファイルは、show core CLI コマンドを使用して表示できます。 snmpd コア ファイルを見つけた場合は、Cisco Technical Assistance Center(TAC)に連絡し、このファイルを検証してデバイスで脆弱性がエクスプロイトされたかどうかを確かめることをお勧めします。
# show cores
VDC Module Instance Process-name PID Date(Year-Month-Day Time)
--- ------ -------- --------------- -------- -------------------------
1 28 1 snmpd 25407 2017-03-07 14:15:23
回避策
この脆弱性に対処する回避策はありません。
このアドバイザリに記載された脆弱性を緩和するために、管理者は、受信する SNMP 要求をフィルタ処理して、確実に、信頼できる SNMP クライアントによってのみ SNMP ポーリングが実行されるように、SNMP コミュニティのアクセス コントロール リスト(ACL)を設定できます。 次の例では、デバイスは 1 つの信頼できるホストである 192.168.1.2 からのみ、受信する SNMP 要求を受け入れます。
switch# show access-list acl_for_snmp
IPV4 ACL acl_for_snmp
10 permit udp 192.168.1.2/32 192.168.1.3/32 eq snmp
前の ACL は、管理者が snmp-server community コンフィギュレーション コマンドに追加することで、実装することができます。
switch# show running-config snmp
!Command: show running-config snmp
snmp-server community mycompany
use-acl acl_for_snmp
受信する SNMP 要求をフィルタ処理するための ACL の設定の詳細については、『NX-OS 構成ガイド』の「SNMP 要求のフィルタ処理」を参照してください。
修正済みソフトウェア
シスコはこのアドバイザリに記載された脆弱性に対処する無償のソフトウェア アップデートを提供しています。 お客様がインストールしたりサポートを受けたりできるのは、ライセンスをご購入いただいたソフトウェア バージョンとフィーチャ セットに対してのみとなります。 そのようなソフトウェア アップグレードをインストール、ダウンロードする、または、アクセスしたり、その他の方法で使用する場合、お客様は以下のリンクに記載されたシスコのソフトウェア ライセンスの条項に従うことに同意したことになります。 https://www.cisco.com/c/en/us/products/end-user-license-agreement.html
また、お客様がソフトウェアをダウンロードできるのは、ソフトウェアの有効なライセンスをシスコから直接、あるいはシスコ認定リセラーやパートナーから取得している場合に限ります。 通常、これは以前購入したソフトウェアのメンテナンス アップグレードです。 無償のセキュリティ ソフトウェア アップデートによって、お客様に新しいソフトウェア ライセンス、追加ソフトウェア フィーチャ セット、またはメジャー リビジョン アップグレードに対する権限が付与されることはありません。
ソフトウェアのアップグレードを検討する際には、Cisco Security Advisories and Alerts ページで入手できるシスコ製品のアドバイザリを定期的に参照して、侵害を受ける可能性と完全なアップグレード ソリューションを確認してください。
いずれの場合も、アップグレードするデバイスに十分なメモリがあること、および現在のハードウェアとソフトウェアの構成は新規リリースでも継続して適切なサポートが受けられることを確認してください。 不明な点については、Cisco Technical Assistance Center(TAC)もしくは契約しているメンテナンス プロバイダーにお問い合わせください。
サービス契約をご利用でないお客様
シスコから直接購入したがシスコのサービス契約をご利用いただいていない場合、また、サードパーティ ベンダーから購入したが修正済みソフトウェアを購入先から入手できない場合は、Cisco TAC に連絡してアップグレードを入手してください。 https://www.cisco.com/c/en/us/support/web/tsd-cisco-worldwide-contacts.html
無償アップグレードの対象製品であることを証明していただくために、製品のシリアル番号と、本アドバイザリの URL をご用意ください。
修正済みリリース
2019 年 3 月の Cisco FXOS および NX OS ソフトウェア バンドルに対応した Cisco NX-OS ソフトウェアの推奨リリースをすでに適用している場合は、Cisco NX-OS ソフトウェアを実行している製品をアップグレードする必要がありません。 次のシスコのイベント レスポンスを参照してください。 2019 年 3 月に公開された Cisco FXOS および NX-OS ソフトウェアのセキュリティ アドバイザリ バンドルの一覧
2019 年 3 月のバンドルに対応した推奨リリースを適用していない場合、または Cisco FXOS ソフトウェアを実行しているデバイスをご使用の場合は、このセクションの該当する表に記載されているように、適切なリリースにアップグレードすることをお勧めします。 次の表では、左の列に Cisco FXOS および NX-OS ソフトウェアのリリースを記載します。 右の列は、この脆弱性が修正済みの最初の推奨リリースです。
Firepower 4100 シリーズおよび Firepower 9300 セキュリティ アプライアンス CSCvn19468
Cisco FXOS ソフトウェア リリース | この脆弱性に対する最初の修正リリース |
---|---|
2.2 より前 |
2.2.2.91 |
2.2 |
2.2.2.91 |
2.3 |
2.3.1.130 |
2.4 | 2.4.1.222 |
2.6 | 2.6.1.131 |
MDS 9000 シリーズ マルチレイヤ スイッチ: CSCvc58707
Cisco NX-OS ソフトウェア リリース | この脆弱性に対する最初の修正リリース |
---|---|
5.2 |
8.1(1) |
6.2 |
8.1(1) |
8.1 |
8.1(1) |
8.2 |
脆弱性なし |
8.3 |
脆弱性なし |
Microsoft Hyper-V 向け Nexus 1000V スイッチ: CSCvn19483
Cisco NX-OS ソフトウェア リリース | この脆弱性に対する最初の修正リリース |
---|---|
5.2 より前 |
5.2(1)SM3(2.1) |
5.2 |
5.2(1)SM3(2.1) |
VMware vSphere 向け Nexus 1000V スイッチ: CSCvn19463
Cisco NX-OS ソフトウェア リリース | この脆弱性に対する最初の修正リリース |
---|---|
5.2 より前 |
5.2(1)SV3(4.1a) |
5.2 |
5.2(1)SV3(4.1a) |
スタンドアロン NX-OS モードの Nexus 3000 シリーズ スイッチおよび Nexus 9000 シリーズ スイッチ: CSCvd45657
Cisco NX-OS ソフトウェア リリース | この脆弱性に対する最初の修正リリース |
---|---|
7.0(3)I4 よりも前 |
7.0(3)I4(8) |
7.0(3)I4 | 7.0(3)I4(8) |
7.0(3)I7 | 7.0(3)I7(2) |
9.2(1) | 脆弱性なし |
Nexus 3500 プラットフォーム スイッチ: CSCvn19464
Cisco NX-OS ソフトウェア リリース | この脆弱性に対する最初の修正リリース |
---|---|
6.0(2)A8 より前 |
6.0(2)A8(4) |
6.0(2)A8 |
6.0(2)A8(4) |
7.0(3)I7 |
7.0(3)I7(2) |
9.2 | 脆弱性なし |
Nexus 5500、5600、6000 シリーズ スイッチ: CSCvn19465
Cisco NX-OS ソフトウェア リリース | この脆弱性に対する最初の修正リリース |
---|---|
7.1 より前 |
7.1(5)N1(1b) |
7.1 | 7.1(5)N1(1b) |
7.3 | 7.3(4)N1(1a) |
Nexus 7000 および 7700 シリーズ スイッチ CSCvc58707
Cisco NX-OS ソフトウェア リリース | この脆弱性に対する最初の修正リリース |
---|---|
6.2 より前 |
6.2(22) |
6.2 |
6.2(22) |
7.2 | 7.2(0)D1(1) |
7.3 | 脆弱性なし |
8.0 | 8.1(1) |
8.1 | 脆弱性なし |
8.2 | 脆弱性なし |
8.3 | 脆弱性なし |
ACI モードの Nexus 9000 シリーズ ファブリック スイッチ: CSCvn19457
Cisco NX-OS ソフトウェア リリース | この脆弱性に対する最初の修正リリース |
---|---|
13.1 より前 |
14.0 (2c) |
13.1 |
14.0 (2c) |
13.2 | 14.0 (2c) |
14.0 | 14.0 (2c) |
14.1 | 14.1(1i) |
Nexus 9500 R シリーズ スイッチング プラットフォーム CSCvd45657
Cisco NX-OS ソフトウェア リリース | この脆弱性に対する最初の修正リリース |
---|---|
7.0(3) |
7.0(3)F3(1) |
9.2 |
脆弱性なし |
関連情報
Cisco Nexus スイッチに最適な Cisco NX-OS ソフトウェア リリースの決定に関してサポートが必要な場合は、以下の推奨リリースに関するドキュメントを参照してください。 セキュリティ アドバイザリでより新しいリリースが推奨されている場合は、そのアドバイザリのガイダンスに従うことをお勧めします。
Cisco UCS に最適な Cisco NX-OS ソフトウェア リリースの確認に関してサポートが必要な場合は、デバイスのリリース ノートに記載されている推奨リリースに関するドキュメントを参照してください。Cisco MDS シリーズ スイッチ
VMware 向け Cisco Nexus 1000V スイッチ
Cisco Nexus 3000 シリーズおよび 3500 シリーズ スイッチ
Cisco Nexus 5000 シリーズ スイッチ
Cisco Nexus 5500 プラットフォーム スイッチ
Cisco Nexus 6000 Series Switches
Cisco Nexus 7000 シリーズ スイッチ
Cisco Nexus 9000 シリーズ スイッチ
ACI モードの Cisco Nexus 9000 シリーズ スイッチ
不正利用事例と公式発表
Cisco Product Security Incident Response Team(PSIRT)では、本アドバイザリに記載されている脆弱性のエクスプロイト事例やその公表を確認していません。
出典
本脆弱性は、シスコ内部でのセキュリティ テストによって発見されました。
URL
改訂履歴
バージョン | 説明 | セクション | ステータス | Date |
---|---|---|---|---|
1.2 | MDS および N7K の修正版リリース表を修正。 | 修正済みソフトウェア | 最終版 | 2019-May-20 |
1.1 | リスク緩和に関する説明を追加。 | 回避策 | 最終版 | 2019-May-16 |
1.0 | 初回公開リリース | — | 最終版 | 2019 年 5 月 15 日 |
利用規約
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