エンタープライズ ネットワーク

802.11n の承認に関するチェックリスト

データ シート





802.11n の承認に関するチェックリスト



概要


モビリティはビジネスに求められています。ユーザはますます知識を身に付け、ユビキタス コンピューティング エクスペリエンスを実現するために必要なワイヤレス パフォーマンスを要求するようになっており、IT 部門の頭を悩ませています。そうしたニーズに応えるべく、ワイヤレス テクノロジーの進歩には心血が注がれています。今回 802.11n が正式承認されたことにより、モビリティはその真価を発揮することになるでしょう。

このチェックリストは、802.11n の価値を活かしつつその落とし穴を回避する方法について規定した、IT 部門向けのガイダンスです。802.11n を企業ネットワークに統合する際は、次の手順に従ってください。

  1. 心配は無用です。現在、802.11n ドラフト 2.0 機器を導入済みの場合、その投資が無駄になることはありません。Cisco® Aironet® 1140 シリーズや Cisco Aironet 1250 シリーズのアクセス ポイントをはじめとするドラフト 2.0 の認定機器は、最終的な 802.11n 標準に完全に準拠しているため、「Wi-Fi CERTIFIED™ n」認定を受けております。さらに、5500 シリーズや Cisco Wireless Services Module(WiSM; ワイヤレス サービス モジュール)をはじめとするシスコのワイヤレス コントローラのポートフォリオも「Wi-Fi CERTIFIED™ n」認定を受けており、ソフトウェアを一切修正する必要がありません。
  2. スイッチング インフラストラクチャを確認します。クライアントのスループットが 90 Mbps を上回ることがないのはなぜなのか、疑問に思っていませんか。Cisco Aironet 1140 および 1250 シリーズのアクセス ポイントは、1 回の無線通信につき約 200 Mbps の実効スループットを実現します。つまり、10/100 Mbps イーサネット接続では対応しきれないのです。最高のパフォーマンスを得るには、アクセス ポイントを全二重方式のギガビット イーサネットに接続する必要があります。また、アクセス ポイントをサポートできるだけの電力バジェットがスイッチにあるかどうかを確認します。1140 シリーズと 1250 シリーズのアクセス ポイントはどちらも、802.3af 標準の Power over Ethernet による電源供給が可能です。最後に、ネットワーク負荷を考慮し、スイッチのアップリンクを 10 Gb に移行する必要があるかどうかを評価します。
  3. 段階的な導入が可能であることを知っておいてください。802.11n アクセス ポイントは、802.11a/g アクセス ポイントとの共存が可能です。予算に問題がある場合は、まず会議室や共用エリアなどのトラフィックの多い場所に 802.11n アクセス ポイントを追加し、その後徐々にネットワークの残りの部分に追加していきます。802.11n アクセス ポイントは、従来のクライアントもサポートする上、802.11a/g デバイスのリンクを実質的に強化し、信頼性を向上させます。
  4. 5 GHz 戦略を策定します。ネットワークに接続するデバイスの増加を考慮すると、アクセス ポイントの展開密度を上げ、キャパシティを向上させることが重要になります。展開するアクセス ポイントが使用する帯域幅としては、5 GHz 帯が最適です。この周波数帯は、他の非 Wi-Fi デバイスによって輻輳することが少なく、2.4 GHz 帯の 8 倍の数のチャネルを提供するためです。802.11n は両方の周波数に対応しているため、5 GHz 帯という拡大された帯域幅を活用しない手はありません。5 GHz でのサイト調査がまだなら、この機会にぜひ行ってください。Cisco BandSelect を使用すると、ワイヤレス クライアントで 5 GHz 帯を効果的に利用することができます。さらに、シスコのアクセス ポイントは、5 GHz 周波数帯をフルに活用できるよう Dynamic Frequency Selection(DFS; 動的周波数選択)に対応しています。
  5. 5 GHz で 40 MHz チャネルを展開します。パフォーマンスを最大限に高めるため、802.11n では倍幅の 40 MHz チャネルを使用します。貴社のネットワークが 40 MHz チャネルをサポートする設定になっているかどうか、確認することをお勧めします。チャネル容量が増える 5 GHz 帯は、40 MHz チャネルの使用に適しています。2.4 GHz 帯では利用できる周波数が限られているため、その限られた周波数は 20 MHz チャネル用に取っておきたいところです。
  6. Cisco M-Drive テクノロジーと無線リソース管理を使用します。802.11n では 2 つのチャネル帯域幅(20 MHz と 40 MHz)と 2 つの周波数帯(2.4 GHz と 5 GHz)が混在するため、手動でチャネルを割り当てることは困難です。チャネル割り当てと電源出力を自動化する Cisco M-Drive テクノロジーの一部である Radio Resource Management(RRM; 無線リソース管理)を必ず使用するようにしてください。802.11n アクセス ポイントを段階的に導入する場合、RRM は、802.11a アクセス ポイントの 20 MHz チャネルが 802.11n アクセス ポイントの 40 MHz チャネルの一部とオーバーラップして干渉することのないよう、自動的に管理します。
  7. 高スループット データ レートをオンにします。これは言うまでもないことのようですが、クライアントが高スループット データ レート(54 Mbps を超えるデータ レート)で接続できないという問題のトラブルシューティングでは、アクセス ポイントがこれらのレートでアドバタイズするように設定されていないことが原因であると判明することが多々あります。802.11n インフラストラクチャを導入するときには、これらの設定を二重にチェックし、高スループット データ レートをオンにしてください。
  8. 新しいデバイスを購入するときは、802.11n アダプタを選びます。802.11a および 802.11g ベースのワイヤレス クライアントで構成される既存のインストール ベースがネットワーク上の 802.11n クライアントのパフォーマンスに深刻な影響を与えることはありません。802.11n は、802.11a/g クライアントが混在していても、優れたパフォーマンスを発揮します。しかも、新しい 802.11n ベースのクライアントに移行していけば、ネットワークの全体的なパフォーマンスが徐々に向上します。Cisco ClientLink が従来のワイヤレス アダプタの動作効率を最大限に高め、効率的なネットワーク運用を可能にします。最適なパフォーマンスを確保する方法として、可能な場合は 802.11b の使用を無効にすることをお勧めします。
  9. 802.11n アダプタはどれも同じではないことを認識しておいてください。市場にはさまざまな種類の 802.11n アダプタが出回っています。その大半は 802.11n 標準仕様に準拠した Wi-Fi 認定のアダプタですが、さまざまなアンテナ テクノロジーを組み合わせて使用しているアダプタも多く、それがパフォーマンスの程度の違いを生んでします。1x2 Multiple-Input Single-Output(MISO)や 1x1 Single-Input Single-Output(SISO)の 802.11n チップよりも優れたパフォーマンスをネットワーク上で発揮する 2x2 および 3x3 Multiple-Input Multiple-Output(MIMO)チップセットをお求めください。ノート PC に組み込まれている 802.11n アダプタは、PC のアドオン アダプタよりも性能面で勝ります。アンテナ設計に優れ、電力消費が最適化されているためです。
  10. 従来のデータ レートを無効にすることによって、レガシー共存の状態を改善します。ネットワークのキャパシティを改善するため、1、2、5.5、6、9 Mbps などの従来のデータ レートを無効にすることを検討してください。これにより、ネットワーク上で 802.11 プロトコルの「オーバーヘッド」時間を最小限に抑えることができます。アクセス ポイントの密度を上げ、より多くのクライアントを 802.11n テクノロジーに移行するにつれ、12 Mbps や 18 Mbps といった従来のデータ レートも無効にすることができます。
  11. 自社のセキュリティ ポスチャを評価します。802.11n では、高スループット データ レートを実現するために、AES(Advanced Encryption Standard)暗号化を採用した WPA2(Wi-Fi Protected Access 2)を使用する必要があります。ネットワークで AES が有効になっていること、およびクライアントが AES を使用するように設定されていること(オプションが用意されている場合)を確認してください。また、不正な 802.11n アクセス ポイントは、既存のワイヤレス IDS センサーや、802.11a/g 無線のみを利用するアクセス ポイントのモニタリングでは検出されない場合があります。不正なアクセス ポイントの検出を強化するには、802.11n に移行する必要があります。
  12. WMM(Wi-Fi Multimedia)をオンにして QoS(Quality of Service)を確保します。802.11n では、プロトコルを改善するために WMM QoS プロトコルの原理を利用します。これらを使用するには、ネットワークで WMM を [許可] または [必須] に設定する必要があります(まだオンになっていない場合)。