ホワイト ペーパーCisco Catalyst 6500 シリーズ スイッチの Cisco Catalyst OS および Cisco IOS の比較
バージョン 5.0-EDCS-306654 目的このホワイト ペーパーでは、Cisco Catalyst® 6500 シリーズ スイッチで使用できる 2 つの OS(オペレーティング システム)、Catalyst Operating System(CatOS)ソフトウェアと Cisco IOS® ソフトウェアを比較し、Cisco Catalyst 6500 シリーズ スイッチにおける CatOS と Cisco IOS ソフトウェア(「ネイティブ」モデルともいう)のソフトウェア アーキテクチャ、動作、およびコンフィギュレーションについて説明します。 この文書は、Cisco Catalyst 6500 ソフトウェアで使用できるすべての機能を対象とはしていません。上記の両ソフトウェア モデルで使用頻度の高い機能について説明しています。* また、この文書は、CatOS に詳しいユーザが、スーパーバイザ エンジンで Cisco IOS ソフトウェアに移行する場合のガイドとして使用することもできます。この文書は第 3 版です。 * すべての機能およびサポートについては、Cisco CatOS バージョン 8.5.1 および Cisco IOS ソフトウェア リリース 12.2(18)SXF に関する文書を参照してください。これより前のリリースには、この文書で考慮されていない注意事項や未サポートの機能が存在する可能性があります。詳細については、リリース ノートを参照してください。 はじめにイントラネットおよびインターネットを使用するアプリケーションの急速な普及により、E コマースや E ラーニングなどの新しいビジネス モデルが注目を浴びています。インテリジェントな IP サービスを利用するこれらのアプリケーションによって、企業のイントラネットやサービス プロバイダーのインフラストラクチャは、業務コストの削減、情報フローの迅速化、および拡張性の高いサービスを実現する優れたツールに変わりつつあります。業界最大手のシスコシステムズはさまざまなソフトウェア オプションを提供することで、ネットワーク インフラストラクチャ全体でのサービスを可能にし、お客様が個々のネットワーク ニーズに応じてソフトウェアを選択できるようにしています。Cisco Catalyst 6500 シリーズ スイッチには、次の 2 つの OS モデルが用意されています。
ハイブリッド モデルは、CatOS と Cisco IOS ソフトウェアの 2 つのオペレーティング イメージ、2 つのコンフィギュレーション、および 2 つのコマンド ラインに基づいて動作します。CatOS のデフォルト動作はスイッチです(すべてのポートが VLAN 1 でブリッジングされる)。また、Hybrid OS が稼働するスイッチはルータとして動作するようにも設定できます。 この動作モデルは、レイヤ 2 フォワーディング デバイスとして、IEEE 802.1X、インライン パワー、および音声 VLAN(仮想 LAN)ID を使用するワイヤリング クローゼットやアクセス レイヤ サービスを対象としています。MSFC ドータ モジュールが搭載されているデバイスは、ネットワークのディストリビューション レイヤに適しています。Supervisor Engine 720(MSFC3 をデフォルトで搭載)、および Supervisor Engine 32(MSFC2A をデフォルトで搭載)は Hybrid OS モデル対応なので、CatOS と MSFC 用 Cisco IOS を組合せて使用することができ、企業のコアにも適用できます。Hybrid OS モデルに 10 ギガビット イーサネット モジュールを組み合わせると、広い帯域幅を必要とする高速ネットワークにとって強力なソリューションとなります。
Cisco IOS ソフトウェアはデフォルトではルータとして動作します(すべてのポートがレイヤ 3 でシャットダウン状態になっています)。ただし、スイッチとして動作するようにインターフェイスを設定することもできます。 Cisco IOS オペレーティング モデルは、サービス プロバイダーや企業のデータセンターのバックボーンおよびディストリビューション レイヤ サービスを対象としています。このソフトウェア モデルをサービス モジュールと組み合わせて使用すると、統合型データ センタにとって強力なソリューションを実現できます。Cisco IOS ソフトウェアは、Catalyst 6500 シリーズ スイッチのスイッチング機能に Cisco IOS ソフトウェアのルーティング機能を組み合わせて、スイッチングとルーティングのすべての機能を実行する操作の容易な単一統合型 OS を実現します。 上記のソフトウェア動作モデルは、さまざまな要件に応じてネットワーク内で併用することができます。これらのモデルの機能は完全に同等ではないため、推奨モデルは求められる要件によって異なります。図 1 は、ネットワーク アーキテクチャにおいて、ハイブリッド モデルと Cisco IOS オペレーティング モデルを配置すべき場所を示しています。 アーキテクチャの比較Cisco Catalyst 6500 は、レイヤ 2/3/4 の機能が統合された高性能デバイスです。使用するソフトウェア モデルに関係なく、スーパーバイザ エンジン ベースボード(スイッチ プロセッサ搭載)、PFC ドータカード、および MSFC(ルート プロセッサ)ドータカードでシステムのフォワーディング機能が実行されます(図 2)。
図 2 Cisco Catalyst 6500 のインテリジェンス コンポーネント スイッチ プロセッサの機能すべてのシャーシ動作を制御する Switch Processor(SP; スイッチ プロセッサ)は、Supervisor 2 の 250 MHz R7000 CPU、Supervisor 32 の 400 MHz R7000 CPU、および Supervisor 720 の 600 MHz R7000 CPU で稼働します。シャーシ動作には、Online Insertion and Removal(OIR; ホットスワップ)イベントの検出、電源管理、環境管理、および冗長性管理などがあります。また SP が扱う処理には、各ライン カードに対する適切なライン カード ファームウェアのダウンロード、基本的なポート管理(ポートの設定、リンク ステートの検出など)、およびその他のレイヤ 2 機能(スパニングツリー、VLAN Trunking Protocol [VTP; VLAN トランキング プロトコル]、Internet Group Management Protocol [IGMP; インターネット グループ管理プロトコル] スヌーピング、Dynamic Trunking Protocol [DTP; ダイナミック トランキング プロトコル] など)があります。さらに SP は、システム初回起動時に CatOS または Cisco IOS のコンソール接続を提供します。 ルート プロセッサの機能Route Processor(RP; ルート プロセッサ)は、300 MHz R7000 CPU(MSFC2 および MSFC2A)または 600 MHz R7000 CPU(MSFC3)で稼働し、ルーティングや Cisco Express Forwarding(CEF)テーブルの作成といったレイヤ 3 機能を提供します。CEF はデフォルトのレイヤ 3 フォワーディング メカニズムです。RP は、Cisco Express Forwarding と隣接テーブルの生成とメンテナンスを行う一方で、この情報を PFC にプッシュして、ハードウェア フォワーディング、QoS、およびセキュリティ機能を実行します。また、RP には、IP アドレス解決(ARP)およびルーティング テーブル メンテナンスなどの機能もあります。 Policy Feature Card(PFC)PFC は、Application Specific Integrated Circuit(ASIC; 特定用途向け IC)でフォワーディングを行う装置です。PFC はハードウェア ベースの機能とサービスを高速に処理します(毎秒数千万パケット)。レイヤ 2 ブリッジング、レイヤ 3 ルーティング、アクセス制御、QoS マーキングおよびポリシング、NetFlow 統計情報、マルチキャストなどの機能は、PFC 内で実行されます。 ソフトウェアの実行Cisco IOS モードでは、両方の CPU(SP および RP)で全面的に Cisco IOS ソフトウェアが動作する必要があります。スイッチ内の見えないところで Catalyst ソフトウェアが実行されることはありません。また両方の CPU が使用する実行イメージは、IOS カーネルを完全に稼働させます。両方の CPU で Cisco IOS ソフトウェアを稼働させると、システム全体のパフォーマンスが向上します。ただし、MSFC に障害が発生した場合は、レイヤ 2/3/4 すべての機能が停止します。 反対に、CatOS は SP および PFC 上で動作し、レイヤ 2 フォワーディングおよびレイヤ 3/4 サービスを提供します。レイヤ 3 のフォワーディングおよびルーティング機能が必要な場合は、MSFC ドータカードを搭載し、RP 上で(Hybrid OS の一部として)Cisco IOS ソフトウェアを実行する必要があります。これにより、ハイブリッド構成の MSFC に障害が発生しても、レイヤ 2 および PFC の機能は影響を受けることなく動作し続けます。 ソフトウェア機能のサポートCisco Catalyst 6500 シリーズの 2 つのソフトウェア モデル、CatOS と Cisco IOS の機能は、同一ではありません。以下に、使用頻度の高いプロトコルの CatOS および Cisco IOS ソフトウェアでのサポート状況を示します。Cisco IOS ソフトウェアの多くの機能はプラットフォームに依存しません(OSPF、BGP、PIM プロトコルなど)。このような場合、Hybrid OS の Cisco IOS の機能は Cisco IOS ソフトウェアでの機能と同じになります。 表 1 は、Cisco CatOS バージョン 8.3.1 および Cisco IOS ソフトウェア リリース 12.2(18)SXF(これには 12.1(26)E3 のすべての機能が含まれます)で利用できる使用頻度の高いソフトウェア機能を示しています。機能のサポートがハードウェアに依存する場合は、その旨が明記されています。 表 1 ソフトウェアの比較
ハードウェアおよびライン カードのサポート 表 2 は、Cisco Catalyst 6500 シリーズのライン カードとサポートする OS の対応を示しています。 表 2 ハードウェア モジュール
表 2 に示すように、大半のライン カードは CatOS と Cisco IOS ソフトウェアの両方でサポートされています。各ライン カードの具体的なソフトウェア情報については、http://www.cisco.com/univercd/cc/td/doc/product/lan/cat6000/relnotes/index.htm にあるリリース ノートを参照してください。 メモリ要件 Cisco IOS ソフトウェアと CatOS ソフトウェアのデフォルトのメモリ要件は同じです。Supervisor Engine 2 には、デフォルトで 128 MB の DRAM(512 MB にアップグレード可能)と 32 MB のブートフラッシュが搭載されています。MSFC2 には、128 MB の DRAM(512 MB にアップグレード可能)と 16 MB または 32 MB のブートフラッシュが搭載されています。Supervisor Engine 2 の 256 MB DRAM および MSFC2 の 256 MB DRAM は、部品番号 WS-X6K-S2U-MSFC2 で発注できます。Supervisor Engine 32 には、SP と RP の両方に 256 MB の DRAM(1 GB にアップグレード可能)と 512 MB の内蔵フラッシュ カードが搭載されています。また、Supervisor Engine 720 には、SP と RP の両方にデフォルトで 512 MB の DRAM と 64 MB のブートフラッシュが搭載されています。 Cisco IOS ソフトウェア イメージはレイヤ 2 およびレイヤ 3 の統合イメージであるため、CatOS イメージよりも大きくなります。一部の 12.1E Cisco IOS イメージには 20 MB を超えるものもあるため、MEM-C6K-ATA-1-64M フラッシュ カードを使って、Supervisor Engine 2 を備えたシステムごとに複数のイメージを保存する必要があります。 Supervisor Engine 720 および Supervisor 32 にメモリを追加する場合は、MEM-C6K-CPTFL64 M/128 M/256 M/512 M コンパクト フラッシュ カード(それぞれ 64 MB、128 MB、256 MB を搭載)を使用します。 Cisco IOS ソフトウェアには、ルーティング テーブルの容量に応じたメモリに関する注意事項があります(リリース ノートに記載)。詳しくは、Cisco Catalyst 6500 シリーズのリリース ノートを参照してください。 運用に関する比較イメージの管理 Hybrid OS を使用するシステムとスーパーバイザ エンジンで Cisco IOS を使用するシステムでは、イメージ名の表記法が異なります。それぞれのハードウェアに応じた適切なイメージを選択してください。以下の各項では、CatOS および Cisco IOS ソフトウェアの各種イメージ ファイルについて説明します。 Hybrid OS のオペレーティング システム ファイル ハイブリッド モデルでは、2 種類の異なるイメージ ファイルが 2 つの異なる OS によって管理されます。CatOS イメージはスーパーバイザ ブートフラッシュまたはフラッシュ カードに保管されます(Supervisor 1A および Supervisor 2 の場合は PCMCIA、Supervisor Engine 32 と Supervisor Engine 720 の場合はコンパクト フラッシュ)。MSFC の Cisco IOS イメージは、MSFC ブートフラッシュに保管されます。copy コマンドを使用すると、アクティブ スーパーバイザおよびスタンバイ スーパーバイザ間でイメージを移動できます。また、TFTP アプリケーションを使用してイメージをスイッチにアップロードすることも可能です。ハイブリッドを実行する Cisco Catalyst 6500 システムは、表 3 に示すイメージ ファイルを使用します。 表 3 Hybrid OS のイメージ名
Hybrid OS と Cisco IOS ソフトウェアは、同じ MSFC ブート ヘルパー イメージ(c6msfc-boot)を使用します。このブート イメージは、MSFC ブートフラッシュの最初のファイルとして保管されます。ブート ヘルパー イメージは、ネットワーク インターフェイス コードおよびエンドホスト プロトコル コードを含む、機能の限られたシステム イメージです。 注: MSFC(1) からブート ヘルパーを削除することはできません。ブート ヘルパーは MSFC ブートフラッシュの最初のイメージとして使用されます。MSFC2、MSFC2A、および MSFC3 のハードウェアにはより性能の高い ROMMON *** 機能があるため、ブート イメージは必要ありません。ただし、万一の場合に備えて、MSFC ブートフラッシュにブート イメージを保管しておくことを推奨します。MSFC2A または MSFC3 ではブート イメージは使用できません。 *** ROMMON は、CatOS や Cisco IOS ソフトウェアがシステムを制御できない場合にハ ードウェアの基本的な操作を行う低レベル ソフトウェアです。 Cisco IOS ソフトウェアのオペレーティング システム ファイル Cisco IOS ソフトウェアは、スーパーバイザのローカル デバイス上に単一のイメージとして保管する必要があります。これは、このイメージが 2 つのプロセッサ用にバンドルされたイメージで、SP が最初に起動するためです。このイメージは、スーパーバイザのブートフラッシュ(sup-bootflash:)またはフラッシュ カード(slot0:、または disk0:)のどちらに保管しても構いませんが、MSFC ブートフラッシュには保管できません。Cisco IOS のシステム ファイルは、「c6supxy」で始まります。ここで、x はスーパーバイザのモデル番号、y は MSFC のモデル番号です。Supervisor Engine 32 および Supervisor Engine 720 の場合は、s(SUP)vw を使用します。ここで、SUP はスーパーバイザ エンジン、v は MSFC のバージョン、w は PFC のバージョンです。 表 4 Cisco IOS のイメージ名
注: フラッシュ カードは、CatOS と Cisco IOS ソフトウェアでは形式が異なるため、OS モデルを切り替える際にはフラッシュ カードをフォーマットする必要があります。 ストレージ デバイスCisco IOS ソフトウェアの場合、アクティブ スーパーバイザのストレージ デバイスは、次のとおりです。
新規イメージは、アクティブ スーパーバイザからスタンバイ スーパーバイザ、フラッシュ カード、RP ブートフラッシュ、または SP ブートフラッシュ/ブートディスクにコピーできます。スタンバイ ストレージ デバイスは、次のとおりです。
次の例は、アクティブ スーパーバイザのフラッシュ カードからスタンバイ スーパーバイザのフラッシュにコピーする場合のコマンドです。
Cisco Catalyst 6500 で稼働している OS の判別 ハイブリッド システムで使用される Cisco IOS と Cisco IOS システムのコマンドラインは、外見上同じです。スイッチで稼働している OS を判別するには、Cisco IOS のコマンドラインから show version コマンドを入力します。Hybrid OS の IOS(レイヤ 3)機能にアクセスするには、コマンドラインから session 15(または 16)または switch console を入力します。コンソールが MSFC に切り替わると、Cisco IOS システムと Hybrid OS システムは外見上同じになります。
Cisco IOS および Hybrid OS の起動プロセスCisco IOS モデルおよび Hybrid OS モデルは自動的に起動するので、ユーザが起動プロセスを意識する必要はありません。ハイブリッド モデルの場合、SP と RP でそれぞれ異なる OS が起動するため、起動プロセスも別々になります。 Cisco IOS ソフトウェアの場合、SP と RP は両方とも Cisco IOS ソフトウェアをロードします。2 つのプロセッサが動作する場合、ROMMON とブートフラッシュ デバイスも 2 つになります。最初に SP が ROMMON で起動し、Cisco IOS ソフトウェアの一部をロードします。SP が起動すると、次のプロセッサを起動するためにソフトウェア制御が RP に移ります。コンソール表示では、最初に SP の情報がスーパーバイザ エンジンの RJ-45 コンソール ポートに表示されます。Cisco IOS ソフトウェアが搭載された Cisco Catalyst 6500 では、起動中に制御が RP の CPU に移ります(次のコンソール表示を参照)。
これ以降は、RP がシステムを制御します。ソフトウェアの観点から言えば、RP はプライマリ CPU として動作し、SP はセカンダリ CPU として動作します。ユーザがこれを意識する必要はありませんが、Cisco IOS ソフトウェアでは、すべてのコンフィギュレーション コマンドが RP の CPU を通じて直接入力されます。SP の機能に関係するコマンドが入力されると、RP から SP に内部で受け渡されます。 CatOS の場合とは異なり、TFTP サーバからの Cisco IOS イメージのネット ブートはサポートされていません。これは、スーパーバイザのイメージが 2 つのプロセッサ用にバンドルされたイメージであるためです。ランタイム イメージ(c6sup<xy>-is-mz-<version>)は、SP(sup-bootflash)またはフラッシュ カード(slot0:、disk0:、disk1:)上のローカル デバイスに保管する必要があります。 Cisco IOS ソフトウェアでの SP へのログイン RP のコマンドラインから SP にログインして、レイヤ 2 に特化したデバッグを行うことができます。実行時に SP のデバッグおよびステータス確認を行う場合は、次のコマンドを使用します。レイヤ 2 ~ 4 の設定は、すべてメインの Cisco IOS コマンドラインから実行することに注意してください。
注: remote command を使用する場合、ヘルプ機能(remote command show ? など)は利用できません。
スイッチの管理Cisco Catalyst 6500 の管理ではダイレクト コンソール ケーブル接続が利用できます。他のネットワークベースの管理(Telnet や SNMP など)を使用する場合は、スイッチにアクセスするための管理インターフェイスが必要になります。CatOS では、2 つの管理インターフェイス(sc0 および sc1)がシステムに用意されています。これらのインターフェイスには IP アドレスと VLAN を割り当てる必要があります(IP アドレスと VLAN が使用されている場合)。CatOS システムの IP ベースの管理は、すべて sc0 または sc1 インターフェイス アドレスに出力されます。Hybrid OS の場合は、sc0/sc1 インターフェイスに、ルーティング機能を持つ任意のレイヤ 3 VLAN インターフェイスを併せて使用します。
Cisco IOS ソフトウェアの場合、sc0/sc1 インターフェイスという概念は存在しません。Switch Virtual Interface(SVI; スイッチ仮想インターフェイス)を使用することで、スイッチをネットワークベースで管理できます(SVI については、あとの項で詳しく説明します)。作成されるすべてのレイヤ 2 VLAN に、SVI を対応付けることもできます。各 SVI には 1 つまたは複数の IP アドレスを設定できます。この IP アドレスは、SNMP または Telnet クライアントを使用して特定の VLAN 上のデバイスにアクセスする場合に使用します。次のコマンドを使用すると、システムを管理するための VLAN SVI と、それに対応する IP アドレスが表示されます。
スイッチのコンフィギュレーションの変更CatOS ソフトウェアでは、コンフィギュレーションが変更されるとすぐに NVRAM に書き込まれます(ユーザによる操作は必要ありません)。CatOS のコンフィギュレーションは、すべて有効モード プロンプトから「set」コマンド シーケンスを使用して実行されます。特定のコマンドを消去するには、有効モード プロンプトから clear コマンドを入力します。 反対に、Cisco IOS ソフトウェアでは、copy run start(または write memory)コマンドが実行されない限り、NVRAM にコンフィギュレーションの変更が保存されることはありません。コンフィギュレーションを明示的に保存しない場合、システムをリロードすると、コンフィギュレーションの変更はすべて失われます。Cisco IOS のコマンドラインによる設定は、スーパーバイザまたは MSFC いずれの場合でも、コンフィギュレーション モード(config-t)で実行します。コマンドを解除する場合は、元のコマンドの no 形式を使用します。 ポートの動作以下の項では、CatOS と Cisco IOS ソフトウェアのポート動作の違いについて説明します。 ハイブリッドの場合:MSFC 上で Cisco IOS ソフトウェアを使用する CatOS ハイブリッド モデルでは、CatOS のレイヤ 2/4 機能と、MSFC 上にある Cisco IOS のレイヤ 3 フィーチャ セットが密接に統合されています。レイヤ 2 ポート(アクセス ポートやトランク ポートなど)と VLAN は、CatOS のコマンド セットを使用して設定し、レイヤ 3 の SVI は MSFC の Cisco IOS コマンド セットを使用して設定します。ポートは CatOS を使用してレイヤ 2 VLAN で設定されるため(set vlan x <slot/port>)、特定の VLAN に対する VLAN 間ルーティングを有効にするために、対応するレイヤ 3 SVI を作成する必要があります。SVI を作成するには、interface vlan コマンドを使用します。ハイブリッド モデルの場合、MSFC は物理インターフェイス(interface gig 1/1)ではなく、論理インターフェイス(interface vlan 10)上で動作します。図 3 は、ハイブリッド モデルのポートの概念と、レイヤ 2 またはレイヤ 3 の機能を使用するための関連コマンドを示しています。 Cisco IOS ソフトウェア Cisco IOS ソフトウェア モデルのポートの概念は、ハイブリッド ソフトウェア モデルと同じです。Cisco IOS モデルの場合、システムの設定はすべて単一のコマンドライン インターフェイスを通じて行われ、レイヤ 2 とレイヤ 3 の設定作業は区別されません。構文が異なる場合でも、レイヤ 2 ポートの概念(アクセス ポート、トランク ポート、およびレイヤ 3 VLAN インターフェイス[SVI]など)は依然として有効です。また、Cisco IOS ソフトウェアには、レイヤ 3 のルーテッド インターフェイスという概念があります。表 5 に、Cisco IOS の各種ポート タイプおよびインターフェイス タイプの概要を示します。詳細については、あとの項を参照してください。 表 5 Cisco IOS のポートの概念
注: この文書では、「インターフェイス」と「ポート」という用語は同じ意味で使用されています。Cisco IOS のコマンドラインでは、ポートはインターフェイスと表され、CatOS のコマンドラインでは、一貫してポートという表現が使用されます。 図 4 は、レイヤ 2 またはレイヤ 3 の機能を使用する Cisco IOS の各種インターフェイス タイプとコマンドを示しています。 Cisco IOS では、モジュールのインターフェイス番号は 0 ではなく 1 から始まるため、スロット 2 に搭載されたラインカードの最初のインターフェイスは 2/1 となります。これは、CatOS で使用されるポート番号の表記法と同じです。 以下に、Cisco IOS ソフトウェアで使用される 3 つの主要なポート タイプについて説明します。 ルーテッド インターフェイスCisco IOS ソフトウェアでは、物理ポート レベル(この項で述べるルーテッド インターフェイス)または仮想ポート レベル(あとの項で述べる SVI)のいずれかの方法でレイヤ 3 インターフェイスを作成できます。Cisco IOS の場合、各物理ポートはデフォルトで(Cisco ルータと同じく)ルーテッド インターフェイスになります。スイッチ上のイーサネット ポート(ファスト イーサネット、ギガビット イーサネット、または 10 ギガビット イーサネット)はすべて interface <interfacetype> <slot/port> と表示され、デフォルトでシャットダウン状態になっています。この動作は CatOS とは異なります。CatOS では、すべてのポートが有効で、レイヤ 2 を認識し、デフォルトで VLAN 1 に所属し、ルーテッド インターフェイスをサポートしない設定になっています。Cisco IOS のルーテッド インターフェイスは、固有の IP サブネットまたは IPX ネットワーク上で構成する必要があります。これらのインターフェイスでは、Spanning-Tree Protocol(STP; スパニングツリー プロトコル)や DTP などのレイヤ 2 プロトコルは使用できません。 従来型の LAN ベース イーサネット ポートの場合、ルーテッド インターフェイスで IEEE 802.1Q カプセル化を区別するためのサブインターフェイスを作成することはできません。IEEE 802.1Q サブインターフェイスと同じ機能は、トランク ポート(あとの項を参照)で実現されます。 レイヤ 2 VLAN同じ IP または IPX サブネットに複数のインターフェイスを配置する場合、ポートがレイヤ 2 ドメインや VLAN の一部として機能するように、ポートをルーテッド インターフェイスからレイヤ 2 ポートに変換する必要があります。ルーテッド インターフェイスを変換するには、最初にレイヤ 2 VLAN のエンティティを作成します。 VLAN ID を設定すると、レイヤ 2 ブロードキャスト ドメインまたはレイヤ 2 VLAN のインスタンスが作成されます。設定は、vlan <vlan #> コマンドを使用してグローバル コンフィギュレーション モードから行います。利用可能な VLAN ID は 1 ~ 4096 です。CatOS および Cisco IOS のどちらの場合でも、VLAN ID 1002 ~ 1005 は VTP のデフォルト VLAN で、ユーザによる設定変更はできません。 次の例は、CatOS および Cisco IOS で vlan 8 を作成する手順を示しています。
CatOS および Cisco IOS ソフトウェアでは、4096 のレイヤ 2 VLAN を作成できるため、限られた数のシステム MAC アドレスを効率的に割り当てるために、MAC アドレス リダクション機能を有効にする必要があります。この機能を有効にするには、次のコマンドを使用します。
ルーテッド SVI同一デバイス上の複数のポートが 1 つのサブネットに属する場合、VLAN を作成してこれらのポートをレイヤ 2 でグループ化します(上述のレイヤ 2 VLAN を参照)。一般に、これらのポートは別のサブネットまたは VLAN にトラフィックを送信する必要があります。この要件を実現するには、SVI を作成して VLAN 間ルーティングを可能にします。ハイブリッド ソフトウェア モデルの場合と同様に、Cisco IOS の SVI は interface VLAN 1、interface VLAN 2 のように識別されます。これらのインターフェイスは、IP サブネットや IPX ネットワーク番号などのレイヤ 3 情報に関連付けられます。特定のレイヤ 2 VLAN に SVI が関連付けられていない場合、トラフィックはその VLAN 内でブリッジングされますが、その VLAN との間でルーティングはされません。スイッチ ポートを VLAN に追加したり、VLAN から削除したりすると、そのポートは関連する SVI によって作成されたレイヤ 3 環境に自動的に加わります。Cisco IOS ソフトウェアでデバイスを管理する場合、ネットワーク アクセスを可能にするため SVI に IP アドレスを設定する必要があります。 アクセス スイッチポートアクセス スイッチポートは、1 つの VLAN だけに属するレイヤ 2 ポートです。設定には switchport コマンドを使用して、インターフェイスをデフォルトのルーテッド インターフェイスからレイヤ 2 インターフェイスに変換します。ポートをレイヤ 3 ポートからレイヤ 2 ポートに変換すると、DTP や STP などのレイヤ 2 機能が有効になります。この switchport コマンドを有効にしないかぎり、スイッチポートに関連する他のいかなる設定も有効にできません。CatOS のポート動作と同様に、Cisco IOS のスイッチポートはデフォルトで VLAN 1 になります。スタティックなアクセス ポート(トランクのネゴシエーションを行わないポート)を作成する場合は、インターフェイス コンフィギュレーションから switchport mode access コマンドを入力します。その後、switchport access vlan <vlan-id> コマンドを使用して、特定の VLAN にこのアクセス ポートを割り当てます。次の例では、ポート 5/1 を VLAN 2 のアクセス ポートとして定義しています。
トランク スイッチポートCisco IOS ソフトウェアのトランク スイッチポートは、ISL または IEEE 802.1Q のカプセル化を使用して複数の VLAN をサポートするレイヤ 2 ポートです。このポートは、ISL または IEEE 802.1Q プロトコルをサポートする他のすべてのデバイスと完全な互換性があります。 ルーテッド インターフェイスをレイヤ 2 スイッチポートに変換すると、スイッチポートはデフォルトで switchport mode dynamic desirable になります。トランクのネゴシエーションを行う DTP を使用すると、このポートは隣接するレイヤ 2 デバイスとのトランクを構成できます。隣接インターフェイスがトランキングをサポートし、かつトランキングを許可するように設定されている場合、switchport コマンドを入力すると、リンクはレイヤ 2 トランクになります(デフォルトが dynamic/desirable であるため)。トランクはデフォルトでカプセル化のネゴシエーションを行います。隣接インターフェイスが ISL および IEEE 802.1Q カプセル化をサポートし、両方のインターフェイスがカプセル化タイプのネゴシエーションを行うように設定されている場合、トランクは ISL カプセル化を使用します。この動作は CatOS の場合と同じです。次の例は、IEEE 802.1Q カプセル化を行うようにトランクを設定する手順を示しています。
トランクのネゴシエーション ステートについては、次の URL で Cisco IOS のコンフィギュレーション ガイドを参照してください。http://www.cisco.com/jp/service/manual_j/sw/cat60/iosscg/chapter11/3999_08_11.shtml 注: 隣接デバイス間では、ダイナミック トランク ポートの設定を desirable/auto にすることが推奨されています。 IEEE 802.1Q トランク ポートのネイティブ VLAN を設定する場合は、switchport trunk native vlan <vlan-id> コマンドを使用します。インターフェイスから転送される VLAN を制御するには、allowed パラメータを使用します。また、リンク上で VTP プルーニングを制御するには、pruning パラメータを使用します。CatOS または Cisco IOS ソフトウェアいずれの場合も、VLAN 1 ではプルーニングを使用できません。ただし、Cisco IOS ソフトウェアおよび CatOS のどちらの場合も、VLAN 1 でトランク上のトラフィック伝送を無効にすることは可能です。 no switchport コマンドを入力すると、このスイッチポートに関連するすべてのコマンドがコンフィギュレーションから消去され、インターフェイス タイプはルーテッド インターフェイスに戻ります。ただし、switchport を再度有効にすると、以前使用していたスイッチポートに関連するすべてのコマンドが再度有効になります。**** **** これは、「no switchport」コマンドを実行してもリブートされないシステムに適用されます。 Cisco IOS のインターフェイス設定(range コマンド) すべてのインターフェイス タイプ(ルーテッド インターフェイス、SVI、またはスイッチポート)はグループ単位で設定できます。つまりポートのグループに対して、コンフィギュレーション パラメータを一度に適用することができます。Cisco IOS の range コマンドでは、interface range でポートの範囲を指定すると、複数のインターフェイスを同時に設定できます。指定するポートの範囲は、同一のライン カードまたは異なるライン カードで非連続に選択できます。次に、範囲設定の例を示します。
注: 12.2(18)SXE 以前の IOS イメージの場合、ダッシュの前のスペースは必須です。また範囲は、カンマで区切って最大 5 つまで指定できます。カンマの前後にスペースを入れる必要はありません。 range コマンドは、ファスト イーサネット、ギガビット イーサネット、10 ギガビット イーサネットのインターフェイスで使用できます(上記を参照)。SVI が作成されている場合は、VLAN インターフェイスでも使用できます。
インターフェイス レンジ マクロは、頻繁にグループ化されるポートを識別する場合に使用します。ポートの範囲はマクロで定義され、名前が付与されます。マクロが作成されると、各ポートを明示的に指定せずに、マクロ名を使用してポートのグループを指定できます。これは、同じポート グループ(すべての 10/100 サーバ ポートなど)の設定を頻繁に変更する場合に便利です。この機能は CatOS では利用できません。次の例では、ポート 3/1 ~ 3/8 に対して「servers」というインターフェイス レンジ マクロが定義されています。
CatOS および Cisco IOS でのインターフェイスのモニタリング インターフェイスをモニタリングする場合によく使用するコマンドは、次のとおりです。
機能の比較以下の各項では、CatOS と Cisco IOS ソフトウェアの一般的な機能の違いについて説明します。ここでは、Cisco Catalyst 6500 でよく使用される一部の機能について、実装方法と CLI 構文の違いを説明するだけで、すべての機能や動作を網羅しているわけではありません。CatOS および Cisco IOS のすべての機能の詳細については、次の URL(英語)にある文書を参照してください。 http://www.cisco.com/univercd/cc/td/doc/product/lan/cat6000/index.htm VLAN トランキング プロトコル(VTP)VTP は、レイヤ 2 ドメイン内のスイッチ間で VLAN 情報を管理する場合に使用します。VTP 管理は VTP サーバおよび VTP クライアントとして設定されたスイッチ間で行われ、ネットワーク内の共通の VLAN トポロジーの学習が行われます。デバイスは VTP トランスペアレント デバイスとして設定することもできます。VTP トランスペアレント デバイスは、VTP プロトコルに参加しませんが、VTP アドバタイズを転送することは可能です。CatOS と Cisco IOS ソフトウェアにおける VTP 機能の唯一の違いは、CatOS では VTP を完全に無効化できる点です(たとえば「off」モードの場合、デバイスは VTP アドバタイズを転送しません)。 Cisco IOS ソフトウェアの場合、VTP トランスペアレント、VTP クライアント、および VTP サーバ システムの VTP/VLAN 設定は、グローバル コンフィギュレーション モードで実行します。***** 次の例は、VTP ドメイン、VTP モード、および VLAN を定義して、ポートに適用する手順を示しています。
***** VLAN または VTP は、VLAN データベース サブモードで設定する必要はありません。 Cisco IOS ソフトウェアにおける VTP の動作 CatOS では、コンフィギュレーションが変更されるとすぐに NVRAM に書き込まれます。反対に、Cisco IOS ソフトウェアでは、copy run start コマンドを実行しない限り、NVRAM にコンフィギュレーションの変更が保存されることはありません。VTP クライアントおよび VTP サーバのシステムでは、他の VTP サーバによる VTP の更新を即座に NVRAM に自動保存する必要があります。CatOS のデフォルト動作はこの VTP 更新要件を満たしていますが、Cisco IOS の更新モデルでは、更新操作を別に行う必要があります。 VLAN データベースは、VTP クライアントおよび VTR サーバの VTP 更新を即座に保存する方式として、Catalyst 6500 の Cisco IOS に導入されました。この VLAN データベースは、NVRAM 内に(vlan.dat という)個別ファイルとして存在します。vlan.dat ファイルには VTP クライアントまたは VTP サーバ システムの VTP/VLAN 情報が格納され、sh vtp status を使用して情報を表示することができます。これらのシステムで copy run start コマンドを使用しても、NVRAM のスタートアップ コンフィギュレーション ファイルに VTP/VLAN の設定全体がバックアップされるわけではありません。 これは VTP トランスペアレントとして稼働するシステムには適用されません。VTP トランスペアレント システムで copy run start コマンドを使用すると、NVRAM のスタートアップ コンフィギュレーション ファイルに VTP/VLAN の設定全体がバックアップされます。 CatOS の VTPv3 CatOS は VTP の新バージョンである VTP Version 3(VTPv3)をサポートしています。VTPv3 は拡張範囲 VLAN(4096)のアドバタイズをサポートしています。この 4096 の VLAN 全体は、1 つのスイッチで一元的に設定を変更でき、変更が加えられるとネットワーク内の他のすべてのスイッチに自動的に反映されます。 また、VTPv3 では、誤って設定されたサーバや許可されていないサーバが導入された場合に、ドメインの設定が消失したり上書きされたりするリスクがありません。この機能は、プライマリ サーバとセカンダリ サーバという概念を導入し、ドメインの分割を可能にすることによって実現されました。ユーザはプライマリ サーバとして機能するサーバをスタティックに定義する必要があります。ドメインで使用できる VTP デバイスの説明は、次のとおりです。
Spanning Tree Protocol(STP)******Spanning-Tree Protocol(STP; スパニング ツリー プロトコル)は、複数のパスを経由してスイッチまたはブリッジを相互接続する際に、ループの発生を防止します。STP は、ループを検出するために他のスイッチと BPDU メッセージを交換することで 802.1D IEEE アルゴリズムを実装し、選択したブリッジ インターフェイスをシャットダウンしてループを解消します。このアルゴリズムにより、2 つのネットワーク デバイス間のアクティブ パスが 1 つだけになります。 Common Spanning-Tree(CST)では、VLAN の数に関係なく、ブリッジ型ネットワーク全体で 1 つのスパニングツリー インスタンスを想定しています。ネットワーク全体で保持されるスパニングツリー インスタンスが 1 つだけになるため、この実装により CPU 負荷が軽減されます。この実装は、ネットワークで必要なレイヤ 2 トポロジーが 1 つだけの場合に使用できます。 Multiple Instance STP(MISTP)(802.1s)は、数を減らしたスパニングツリー インスタンスに複数の VLAN をマッピングできる IEEE 標準です。このようなマッピングが可能なのは、ほとんどのネットワークで複数の論理トポロジーを必要としないためです。各インスタンスは、同じレイヤ 2 トポロジーを持つ複数の VLAN を処理します。 Per-VLAN Spanning Tree(PVST)は、ネットワークで構成された VLAN ごとにスパニングツリー インスタンスを保持します。PVST は ISL トランキングを使用して、VLAN トランクのフォワーディングとブロッキングを同時に行います。PVST は各 VLAN を個別のネットワークとみなすため、スパニングツリー ループを発生させることなく、トランク上の VLAN をフォワーディングすることで、レイヤ 2 のトラフィックのロードバランシングを実行できます。PVST+(他の利点については後述します)は、802.1Q トランキング テクノロジーに同じ機能を提供し、シスコ スイッチでのみサポートされています。 Rapid Spanning Tree Protocol(RSTP; 高速スパニング ツリー プロトコル)は、スパニングツリー プロトコル(802.1D 規格)を改良したもので、トポロジーの変更後に高速のスパニングツリー コンバージェンスを実現します。この規格には、Cisco PortFast、UplinkFast、および BackboneFast と同等の機能も含まれており、ネットワークの再コンバージェンスをより高速に行います。 ここでは、基本的な STP 構成、PVST+(802.1D)、IEEE 802.1s(MST)、IEEE 802.1w(RSTP)、および Rapid PVST+について、CatOS と Cisco IOS の設定上の相違点を説明します。 ****** http://www.cisco.com/en/US/partner/tech/tk389/tk621/tsd_technology_support_protocol_home.html 基本的な STP 構成
PVST+の拡張機能 PVST+では、シスコ独自のプロトコル(UplinkFast、BackboneFast、および PortFast など)を PVST+プロトコルに統合し、コンバージェンス時間を高速化することで、基本的なスパニングツリー アルゴリズムを拡張しています。 スパニングツリー UplinkFast を使用すると、ダイレクト ルート リンクに障害が発生した場合、レイヤ 2 ネットワークでのコンバージェンスが高速化されます。あるブリッジからルート ブリッジへのリンクがダウンすると、ブリッジは通常のスパニングツリー タイマーが切れるのを待たずに、ただちにブロッキング ポートをフォワーディング ポートに変更します。これにより、コンバージェンス時間が 50 秒から 3 ~ 5 秒、または 1 秒以内に短縮されます。 レイヤ 2 ネットワークで間接障害が発生すると、スパニングツリー BackboneFast は「maximum age」タイマーの値(デフォルトで 20 秒)を使用してコンバージェンス時間を短縮します。 また、スパニングツリー PortFast では、アクセス ポートがリスニング ステートおよびラーニング ステートを経由することなく、ただちにフォワーディング ステートになります。この機能は、1 台のワークステーション、IP フォン、またはサーバなどに接続されているスイッチ ポートで使用されます。この機能を使用すると、これらの装置はスパニングツリーのコンバージェンスを待たずに、ただちにネットワークに接続されます。通常、アクセス ポートは接続デバイスから Bridge Protocol Data Unit(BPDU; ブリッジ プロトコル データ ユニット)を送受信しないため、CatOS および Cisco IOS のどちらの場合でも、PortFast モードは非トランキング アクセス ポートおよびトランク ポートでサポートされます。 次の例は、上述の PVST+の拡張機能に関連する設定作業です。
Rapid PVST+ Rapid PVST+は IEEE 802.1w 規格に準拠しており、PVST+の既存の設定を使用して STP のコンバージェンスを高速化します。Rapid PVST+では、トポロジーが変更されると、エントリがポート単位ですぐに消去されます。このモードでは、Rapid Spanning Tree Protocol(IEEE 802.1w)に UplinkFast および BackboneFast の機能が含まれているため、両者の設定は無視されます。
IEEE 802.1s(MST) Multiple Spanning Tree(MST)は IEEE 802.1s に準拠しており、IEEE 802.1w の Rapid Spanning Tree(RST)アルゴリズムを複数のスパニングツリーに拡張しています。この拡張によって、コンバージェンスが PVST+よりも高速化されると同時に、VLAN 環境における高速コンバージェンスとロードバランシングの両方が可能になります。 MST を使用すると、トランク上に複数のスパニングツリーを作成して、データ トラフィック用に複数のフォワーディング パスを確保できます。この場合、1 つの障害がスパニングツリーの他のインスタンスに直接影響することがないため、耐障害性が向上します。また、複数の VLAN をスパニングツリーの 1 つのインスタンスにまとめることによって、システムの CPU 負荷が大幅に減少します。 MST の設定に関する CatOS と Cisco IOS の大きな違いは、Cisco IOS の MST コンフィギュレーション サブモードです。このモードは、MST のコンフィギュレーションを入力および表示する場合に使用します。
IEEE 802.1w(Rapid PVST+) RSTP は、1 台のスイッチを選択してスパニングツリーのルートとして動作させることにより、ネットワークの再コンバージェンス時間を短縮します。これは、IEEE 802.1D ではなく、IEEE 802.1w に準拠しています。Rapid PVST+の設定は PVST+と同様ですが、次の構文が追加されています。
注: CatOS のコマンド構文は rapid-pvst+ を使用し、Cisco IOS は rapid-pvst を使用します。 ルート ガードおよび BPDU ガードの設定 ポートベースの BPDU ガードは、ポート上の BPDU をモニタします。アクセス ポート上で BPDU が検出されると、BPDU ガードが設定されたインターフェイスはシャットダウンされます。PortFast が設定されたインターフェイスが BPDU を受信すると、認証されていないデバイスが接続された場合と同じように、無効な設定として通知されます。BPDU ガード機能では、管理者が手動でインターフェイスを再度有効にするか、またはエラーディセーブル機能を使用して自動的にインターフェイスを再度有効にする必要があるため、無効な設定に対する安全な対処が可能になります。 スパニングツリーのルート ガード機能は、インターフェイスを強制的に指定ポートにします。また、このインターフェイスを経由してアクセス可能なデバイスがルート ブリッジになろうとすると、ルート ガード機能はそのインターフェイスを root-inconsistent(ブロッキング)ステートにします。 Cisco IOS ソフトウェアが BPDU ガードとルート ガード機能をサポートしているのは、スイッチポート上だけです。主な設定の相違点については、次のコンフィギュレーション ダイアログを参照してください。
EtherChannelCatOS および Cisco IOS ソフトウェアの EtherChannel は、個々のイーサネット リンクを 1 つの論理リンクにバンドルすることによって、ネットワーク内での帯域幅集約およびリンク復元機能を実現します。Catalyst 6500 では、EtherChannel ごとに最大 8 つのイーサネット インターフェイスをすべて同一速度で設定できます(10、100、1000、または 10000 Mbps)。EtherChannel グループには、任意のライン カードを組み合わせてポートを追加できます。 EtherChannel の動作Cisco IOS ソフトウェアで EtherChannel を設定する手順は 2 段階です。まず channel-group にポートを割り当て、次に仮想的な interface port-channel を設定します。仮想的な interface port-channel は、物理インターフェイスと同じように動作します。CatOS および Cisco IOS どちらの場合も、ポート チャネル インターフェイスのすべての設定はポート チャネルの物理インターフェイスに伝えられます。たとえば、ポート チャネル インターフェイスを閉じると、そのポート チャネル上のすべての物理ポートがシャットダウンされます。EtherChannel の全ポートのパラメータを変更する場合は、コンフィギュレーションをポート チャネル インターフェイスに適用する必要があります。Cisco IOS ソフトウェアでは物理インターフェイスの設定が可能ですが、このコンフィギュレーションはポート チャネル バンドルには伝播されません。バンドル内のインターフェイスが同じでない場合、チャネルは形成されません。
CatOS は最大 128 の EtherChannel グループをサポートし、Cisco IOS ソフトウェアは最大 64 の EtherChannel グループをサポートしています(Cisco IOS 12.2(18)SXE 以降では 128 の Etherchannel グループがサポートされています)。 EtherChannel のネゴシエーション Cisco IOS および CatOS の EtherChannel は PAgP と LACP の両方をサポートしています。PAgP や LACP を使用すると、他のデバイスとのポート チャネルを自動的に作成できます。PAgP はシスコ独自のチャネル ネゴシエーション プロトコルであり、LACP は IEEE 802.3ad で定義されたチャネル ネゴシエーションの規格です。これらのプロトコルのネゴシエーション モードはほとんど同じです。Cisco IOS ソフトウェアと CatOS ソフトウェアではネゴシエーション キーワードは同じです。PAgP および LACP の設定の詳細については、次の URL からコンフィギュレーション ガイドを参照してください。
PAgP 設定の例
LACP 設定の例
CatOS では、チャネル プロトコルはモジュール単位で設定します。つまり、1 つのモジュール上のすべてのチャネル ポートは、同じネゴシエーション プロトコルを使用する必要があります。Cisco IOS ソフトウェアでは、チャネル プロトコルはポート単位で設定できます。 EtherChannel のロード シェアリング EtherChannel では、複数のロードバランシング アルゴリズムを使ってポートにトラフィックを分散させることができます。この機能は、EtherChannel にレイヤ 2 またはレイヤ 3 のポートやインターフェイスが含まれているかどうかに関係なく利用できます。CatOS および Cisco IOS ソフトウェアで使用できるオプションは同じです(下記を参照)。
EtherChannel のタイプCisco IOS ソフトウェアには、レイヤ 2 およびレイヤ 3 の EtherChannel が存在します。Cisco IOS ソフトウェアの場合、レイヤ 2 EtherChannel にはスイッチ ポートとして設定されたポートを追加できます。また、レイヤ 3 EtherChannel にはスイッチポートと SVI の組み合わせ(またはルーテッド インターフェイス)のみを追加できます。CatOS はルーテッド ポートをサポートしておらず、SVI のみをサポートしているため、CatOS にはレイヤ 3 EtherChannel の 1 タイプしか存在しません。 レイヤ 2 EtherChannel すべてのインターフェイスは共通の channel-group にグループ化され、続いて interface port-channel がスイッチポートとして設定されます。物理インターフェイス上で channel-group コマンドが有効になると、チャネル プロトコル(PAgP または LACP)は Port-Channel 1 インターフェイスを自動的に作成します。
注: デフォルトでは PAgP ネゴシエーション SVI を使用したレイヤ 3 EtherChannel SVI を使用したレイヤ 3 EtherChannel は、ルーティング機能を実現するレイヤ 3 SVI を追加で使用し、レイヤ 2 EtherChannel と同じように作成されます。この方法では、トランスポートを提供するレイヤ 2 VLAN、および VLAN の終端とルーティングを提供する SVI を使用してレイヤ 3 EtherChannel を構成します。
レイヤ 3 EtherChannel 本来のレイヤ 3 EtherChannel は IP サブネットのみで特定され、レイヤ 2 VLAN は無関係です。前述のルーテッド インターフェイスと同様に、これは Cisco IOS ソフトウェアだけで通用する概念です。次の例は、レイヤ 3 EtherChannel を設定する際に使用するコマンドラインの構文です。
Cisco IOS システムの EtherChannel では、次の show コマンドが役立ちます。
Identity Based Networking Services(IBNS)― IEEE 802.1X 認証IEEE 802.1X は、クライアント/サーバ ベースのアクセス制御および認証プロトコルであり、パブリックにアクセス可能なポート経由で不正な装置が LAN に接続されるのを防ぎます。802.1X は、スイッチ ポートに接続されたユーザを認証した上で、スイッチまたは LAN のサービスを使用できるようにします。装置が認証されるまでの間、802.1X はデバイスが接続されているポート経由での Extensible Authentication Protocol over LAN(EAPOL)トラフィックだけを許可します。認証に成功すると、すべてのトラフィックをポート経由で送受信することができます。 CatOS および Cisco IOS はいずれも IEEE 802.1X のポートベース認証、802.1X 複数ホスト モード(仕様で定義済み)、および RADIUS サーバを使用する IEEE 802.1X の VLAN 割り当てをサポートしています。CatOS ではこのほかに、次の 802.1X 拡張機能もサポートしています。
例:Set port dot1x mod/port multiple-authentication enable
RADIUS サーバは、スイッチで 802.1X を有効にする前に指定する必要があります。その後、802.1X をグローバルで有効にして、最後に個々のポートのコンソールから有効にします(下記を参照)。下記には、複数のホストで設定を行う場合の構文も記載されています。
Catalyst 6500 における IEEE 802.1X の設定の詳細については、次の URL を参照してください。http://www.cisco.com/jp/service/manual_j/sw/cat60/iosscg/chapter47/3999_08_47.shtml シスコのセキュリティ ツールキットの機能シスコのセキュリティ ツールキット(12.2(18)SXE 以降の CatOS IOS のみでサポート)は、DoS や man-in-the-middle(MiM)攻撃の緩和に役立ちます。セキュリティ ツールキットは、DHCP スヌーピング、Dynamic ARP Inspection(DAI; ダイナミック ARP インスペクション)、IP ソースガードの 3 つの機能で構成されています。 DHCP スヌーピングは、特定の DoS 攻撃(DHCP ローグ サーバ攻撃)を防御します。この種の攻撃では、ローグ サーバはサーバ自身をネットワークに追加して、DHCP Discover や IP アドレスの DHCP Request に応答します。DHCP スヌーピングは、ポートを trusted(信頼する)または untrusted(信頼しない)に設定することにより、この種の攻撃を防ぎます。すべての untrusted ポートでは、DHCP Discover および DHCP Request の送信しかできません。逆に、trusted ポートでは、すべての DHCP トラフィック(IP アドレスの Request や Offer を含む)の送受信が可能です。 すべてのホストに接続されているポート、または未知のデバイスに接続されているすべてのポートでは、ポートの DHCP を untrusted に設定する必要があります。この場合、サーバが untrusted ポートに接続すると、サーバは要求元ホストに IP アドレスを発行できません。 また、DHCP スヌーピングでは DHCP スヌーピング テーブルが使用されます。DHCP スヌーピング テーブルには、クライアントの MAC アドレス、IP アドレス、リース期間、およびポート上の untrusted ホストの VLAN が格納されます。このテーブルは DAI などの他の機能でも、ポートに接続されているユーザがネットワークを攻撃するのを防ぐために使用されます。DAI はすべてのホストの IP アドレスと MAC アドレスの対応関係を検証することによって、ネットワークを保護します。次の例では、VLAN 20 で dhcp-snooping が有効になります。また、この VLAN のすべてのポートはデフォルトで untrusted です。
「DAI」はネットワーク内の ARP パケットを検証します。DAI を使用すると、ネットワーク管理者は(DHCP スヌーピング バインディング テーブルの記録に基づいて)、MAC アドレスと IP アドレスの対応関係が不正な ARP パケットを遮断、記録、および廃棄できます。DAI は一部の MiM 攻撃を防御します。次の例では、VLAN 20 のポート 4/2 からのすべての ARP トラフィックに対して DAI を有効にします(4/2 が untrusted に設定されているため)。
IP ソース ガードは、(Sup720 および Sup32 上の)CatOS でのみサポートされている機能で、特定のポートの DHCP スヌーピング バインディング テーブルに記録されている IP アドレスのみを許容することによって、IP スプーフィングを防止します。当初は、DHCP スヌーピングによって捕捉される DHCP パケットを除いて、ポート上のすべてのトラフィックがブロックされます。クライアントが DHCP の IP アドレスを受け取ると、PACL(ポートベース ACL)がその IP アドレスからのトラフィックを許可するポートにインストールされます。送信元 IP アドレスが PACL 許可リストに存在しない IP アドレスは除かれます。このようにして、ユーザがネイバの IP アドレスになりすまそうとするのを防ぎます。 IP ソース ガードを設定するには、ポートのセキュリティ ACL をポートベース モードにして、DHCP スヌーピングを有効にする必要があります。次の例では、ポート 4/2 で IP ソース ガードが有効になり、VLAN 10 で DHCP スヌーピングを有効にするセキュリティ ACL の「dhcpsnoop」が有効になります。
Secure Copy Protocol(SCP)Secure Copy Protocol(SCP)は現在、CatOS と IOS でサポートされています。SCP を使用すると、暗号イメージ ファイルを安全にコピーできます。SCP は Secure Shell(SSH; セキュア シェル)を使用します。SCP を使用すると、ネットワーク管理者は暗号化チャネルを経由して、システムとの間で SCP をコピーできます。 Time Domain Reflectometer(TDR)Time Domain Reflectometer(TDR; タイム ドメイン反射率計)を使用すると、ケーブル プラントのトラブルシューティングが可能になるため、スイッチの運用サポートが容易になります。48 ポート 10/100/1000 RJ-45 モジュールと 6148A 10/100 モジュールのポート インターフェイスに内蔵された TDR を使用すると、ネットワーク管理者は離れた場所からケーブルの損傷や不具合を識別できます。TDR テストはケーブルに信号を送信します。TDR では、ポート インターフェイスに組み込まれたインテリジェントな DSP を使用して、エコーが戻ってくる時間を測定し、損傷箇所までの距離を算出します。 オンライン テストである TDR を実行すると、ポートに接続されたワイヤ ペアと損傷箇所までの距離(損傷がある場合)が表示されます。実行コマンドは、次のとおりです。
ACLHybrid OS が稼働する Catalyst 6500 シリーズは、次のタイプの ACL をサポートしています。
Hybrid OS での IOS RACL の実装方法は、Cisco IOS(Catalyst 6500 または他の IOS ルータ)の場合と同じです。CatOS と Cisco IOS ソフトウェアの QoS ACL については、このホワイト ペーパーの QoS の項で説明します。ここでは、CatOS と Cisco IOS ソフトウェアでの VACL 実装方法の相違点、および CatOS での PACL 実装方法について説明します。 VLAN Access Control List(VACL)CatOS の場合、セキュリティ ACL ステートメントを設定すると VACL が作成されます。このステートメントは、セキュリティ ポリシーの match パラメータと action パラメータを設定する場合に使用されます。 Cisco IOS における VACL の設定は、従来型の IOS ACL の実装方法に基づいています。つまり、VACL は IOS の access-list コマンドを使用して、トラフィックのマッチング パラメータを定義します。ここから、すべての設定(ACL リファレンスおよびアクションなど)を「VLAN アクセスマップ」コンフィギュレーション モードで実行します。Cisco IOS の action は CatOS には存在しない CLI の概念ですが、ほぼ同様のキャプチャ、ログ、およびリダイレクト機能を提供します。これらのオプションの仕様については、ユーザ マニュアルを参照してください。次に、VACL の設定に関する CatOS と Cisco IOS の一般的な相違点を示します。 ******* PACL は、PFC3a 以降を搭載した CatOS バージョン 8.3 以降が稼働する Sup 720 のみでサポートされています。
注: IOS で VACL を作成すると、VLAN インターフェイスの SVI が自動的に作成されます。このインターフェイスが必要な場合、VACL を正常に動作させるために、インターフェイスを設定したり「UP」状態にしたりする必要はありません。 CatOS では、ACL を作成、変更、または削除すると、変更はメモリ内の編集バッファに一時的に保管されます。CatOS で ACL を有効にするには、ACL をコミットする必要があります。反対に Cisco IOS ソフトウェアでは、編集バッファは使用されません。IOS でポリシーを作成した場合には、VLAN またはインターフェイスにマッピングして ACL を有効にする必要があります。 VACL キャプチャVACL キャプチャは VACL の便利な拡張機能です。この機能は基本的に、指定されたフローと一致するパケットをキャプチャして、キャプチャ ポートから送信するポート ミラーリング機能です。VACL を作成すると、コピーを作成して分析(ネットワーク アナライザなどを使用)用の宛先ポートに送信するトラフィックを識別できます。この機能は、キャプチャされるトラフィックのパフォーマンスには影響しません。元のデータは目的どおりにデバイスを通過します。VACL キャプチャは、ネットワークのトラブルシューティングや分析に精度の高いツールとして機能するだけでなく、従来の Switched Port Analyzer(SPAN; スイッチド ポート アナライザ)に代わる拡張性の高い機能を実現します。
Port-Based Access Control List(PACL)PACL(Sup720 および Sup32 上の CatOS のみでサポート)は、物理ポートにマッピングされるアクセス リストです。PACL には、ポート単位で設定可能な 3 つの動作モード(ポートベース、VLAN ベース、およびマージ モード)があります。ポートベース モードでは、PACL は既存の VACL および Cisco IOS ACL よりも優先されます。VLAN モードでは、VACL および IOS ACL が PACL よりも優先されます。マージ モードでは、入力側の PACL、VACL、および IOS ACL がマージされます(VLAN ベース モードはデフォルト モードです)。 PACL を設定する場合は、モードを指定する必要があります。次の例では、ポートベース モードでポート 2/1 に PACL を設定し、ポート 2/2 に ACL「pacl_acl」をマッピングします。
QoSQoS という用語は、ネットワーク トラフィックの差別化と優先制御を行う各種機能を包括する概念です。これらの機能には、トラフィックの分類、マーキング、ポリシング、輻輳回避、およびスケジューリングなどがあります。Catalyst 6500 シリーズでは、QoS 機能は PFC(レイヤ 3 マーキング、ポリシング、および一部の分類機能に対応)とライン カード(輻輳回避、スケジューリング、および残りの分類機能に対応)で実行されます。CatOS の場合、PFC 非搭載のスーパーバイザでは、レイヤ 2 のみの QoS 分類とマーキングが実行できます。PFC と MSFC を搭載した Cisco IOS および Hybrid OS では、レイヤ 2/3/4 のすべての QoS 機能がサポートされます。 ここでは、QoS 機能の概要は省略し、次の設定例に関する CatOS と Cisco IOS ソフトウェアの違いについて説明します。
どちらの OS でも、QoS はデフォルトで無効になっています。Catalyst 6500 で QoS 機能を実行する場合は、最初に QoS をグローバルで有効に設定します。
インターフェイスの QoS 設定 信頼状態着信フレームの一部のフィールド(CoS、IP precedence、または DSCP など)を信頼(Trust)するようにポートを設定できます。次に、設定の例を示します。
CatOS および Cisco IOS は、IP フォンの音声トラフィックとワークステーションのデータ トラフィックを区別する拡張信頼機能をサポートしています。 デフォルトのポート CoSスイッチには、特定のポートに着信するすべてのトラフィックに CoS 値を設定する機能が用意されています。この機能は、どちらの OS でもサポートされています。
ポートベースおよび VLAN ベースの QoS モードQoS ポリシーを適用できるのは、ポート単位または VLAN 単位のいずれかです。QoS はデフォルトではポート単位で機能します。この場合、QoS ポリシーはすべて特定のポートに適用されます。VLAN に適用されるポリシーは、ポートベースとして設定されているポートの入力トラフィックには影響しません。ポリシーを VLAN にマッピングする場合、VLAN ポリシーを適用する VLAN 内の各ポートでは、QoS が VLAN ベースであることをインターフェイスに通知する必要があります。目的のインターフェイスで次のコマンドを実行すると、デフォルト QoS がポートベースから VLAN ベースに変更されます。
CoS/キュー マッピングここでは、標準受信キューおよび標準送信キューにおける CoS 値のキューまたはスレッシュホールドに対するマッピングについて説明します。Cisco IOS の場合、標準受信キューの設定では rcv-queue キーワードが使用され、ラウンドロビン送信キューでは wrr-queue キーワードが使用され、プライオリティ キューでは priority-queue キーワードが使用されます。 CatOS の場合、CoS/キュー マッピングはキュー タイプごとに設定されます(つまり、すべての 1p2q2t ポートの設定が同じになります)。Cisco IOS の場合、CoS/キュー マッピングはインターフェイスごとに設定され、設定の変更は同一のポート ASIC で管理されるすべてのポートに反映されます(ASIC とポート間の配置はライン カードによって異なりますが、変更に関する警告は CLI によって出力されます)。次の例では、802.1p の値 5 を完全優先キュー(rx および tx)にマッピングし、802.1p の値 0 および 1 をロー プライオリティ キューの最初のスレッシュホールドにマッピングします。
キュー サイズポート単位のバッファ総量は固定されています。ただし、大半のイーサネット ポートでは、キュー単位のパケット バッファの割り当てを設定することが可能です。具体的には、従来型のファスト イーサネット、すべてのギガビット イーサネット、およびすべての 10 ギガビット イーサネットのライン カードで送信バッファの割り当てを変更できます。受信バッファの割り当ては、ファブリック対応のファスト イーサネット ポート(6548、6524 ライン カード)および 10 ギガビット イーサネット ポート(6501、6502 ライン カード)で設定できます。
WRR スケジューリングWeighted Round-Robin(WRR; 重み付けラウンドロビン)スケジューリングは、出力ポートから送信するトラフィックの優先制御を行います。優先制御は関係する各キューの相対的な重み付けに基づいて処理され、プライオリティの高いキューはプライオリティの低いキューよりも先に処理されます。WRR スケジューリング機能は、すべてのイーサネット ライン カードの送信キューでサポートされています。次の例は、ギガビット イーサネット ポートの場合を表しています。CoS/キュー マッピングと同様に、WRR スケジューリングは ASIC 単位で設定されます。
QoS ポリシーの設定QoS ポリシーの設定は、Cisco IOS ソフトウェアと CatOS では大きく異なっています。CatOS の場合、QoS ACL ステートメントは、マーキングとポリシングのすべての match パラメータと action パラメータを設定する場合に使用されます。Cisco IOS の QoS は、Modular QoS CLI(MQC; モジュラ QoS CLI)構文を使用した分類、マーキング、およびポリシングをサポートしています。 Cisco IOS ポリシーはトラフィック クラス(class-map ステートメントを使用)を使用して、対象のトラフィックを識別します。これらのトラフィック クラスはさまざまなタイプのトラフィック フローに対して定義できます。たとえば IP トラフィック、IPX トラフィック、および MAC トラフィックに対して異なるクラスを設定できます。各トラフィック クラスは、IOS ベースの ACL またはクラスの match ステートメントを使用してトラフィックを識別します。policy-map(ポリシーマップ)には一致したトラフィックの処理方法(マーキング、ポリシング、信頼など)が設定されます。ポリシーマップで定義されたポリシーは、service-policy コマンドを使用してインターフェイスにマッピングされます。 例については以下を参照してください。 ACL による信頼ポート上のすべてのトラフィックを信頼状態に設定する(上記を参照)には、もう一つの方法として、特定の QoS ACL と一致するトラフィックを信頼するように QoS ポリシーを作成することも可能です。この機能は CatOS および Cisco IOS ソフトウェアの両方で使用できます。次の例は、CatOS の QoS ACL 構文と Cisco IOS の MQC 構文(上記を参照)の設定上の相違点を分かりやすく示しています。この例は、ギガビット イーサネット ポート 3/1 に着信するすべてのトラフィックに関して、ACL を使用して CoS を信頼する機能を比較しています。
CatOS ACL を作成、変更、または削除すると、変更はメモリ内の編集バッファに一時的に保管されます。CatOS で ACL を有効にするには、ACL をコミットする必要があります。Cisco IOS ソフトウェアでは、編集バッファは使用されません。IOS でポリシーを作成した場合は、ポートまたは VLAN にマッピングしてポリシーを有効にする必要があります。ポリシーを「UP」状態のインターフェイスにマッピングすると、ASIC ハードウェアに必要な情報が書き込まれ、該当するポリシーが有効になります。 ポリサーポリシング機能は、主にトラフィックを設定された速度にレート制限する場合に使用します。トラフィックが設定された速度を超過した場合、トラフィックを廃棄するか、またはより低いプライオリティに変更することができます。この機能は、サービスレベル アグリーメントの遵守やセキュリティ保護を実現する場合に役立ちます。ポリサーは集約ポリサーまたはマイクロフロー ポリサーのどちらでも構いません。集約ポリサーは、クラスまたはクラス グループ内のすべてのトラフィックを 1 つの集約レートにレート制限します。マイクロフロー ポリサーは、トラフィック クラスの各フロー(一意の SA/DA MAC アドレス、SA/DA IP アドレス、TCP/UDP ポート番号、User-Based Rate Limiting [UBRL] を使用した一意の SA または DA)を個別のレートにレート制限します。シャーシ単位で設定できるマイクロフローの総数は 63、集約の総数は 1023 です(OS には依存しません)。 CatOS の場合、最初にポリシング パラメータ(rate、burst、および関連するアクションなど)をポリサー ステートメントで定義します。ポリシングされるトラフィックを識別し、該当するポリサーを参照する QoS ACL を設定します。その後、通常の ACL の設定と同様に、QoS ACL をコミットしてポートまたは VLAN に適用する必要があります。 Cisco IOS ソフトウェアの場合、最初に ACL を定義します。ポリシング パラメータは、2 種類のコンフィギュレーション モードのうちいずれかを使用して定義します。これは実行するポリサーのタイプによって異なります(詳細はあとの項を参照)。 集約ポリサーCatalyst ソフトウェアで定義できる集約ポリサーは、共有集約ポリサーとインターフェイス別集約ポリサーの 2 種類です。 共有集約ポリサー(名前付き集約ポリサーともいう)は、インターフェイスまたは VLAN のグループに適用されて、すべてのインターフェイスまたはクラスのトラフィックを累積方式でポリシングします。共有集約ポリサーは、4 つの異なるインターフェイスの組み合わせに 100 Mbps のレート制限を適用する場合などに使用されます。このポリサーは、CatOS および Cisco IOS ソフトウェアの両方でサポートされています。次の例は、両者の設定を比較したものです。
注: CatOS の場合、レートは Kbps 単位で、バーストは Kb 単位です。Cisco IOS ソフトウェアの場合、レートは bps 単位で、バーストはバイト単位です。この違いはすべてのポリサー タイプに適用されます。 インターフェイス別集約ポリサーは、インターフェイスおよびトラフィック クラスに個々に適用されます。このポリサーは複数のインターフェイスに適用できますが、各インターフェイスのポリシングは個別に実行されます。インターフェイス別集約ポリサーは、4 つの異なるインターフェイスにそれぞれ 100 Mbps のレート制限を適用する場合などに使用されます。これらのポリサーは、Cisco IOS ソフトウェアでのみサポートされています。********
******** CatOS でも同様の機能を実現できますが、インターフェイスごとに固有のポリサーを設定する必要があります。Cisco IOS のインターフェイス別ポリサーでは、ポリサーの定義は一度だけですが、適用は個々に行う必要があります。 Supervisor Engine 2 および 720 で稼働する Cisco IOS ソフトウェアは、分散フォワーディング システム(1 つまたは複数の Distributed Forwarding Card [DFC] が搭載されたシステム)でのポート単位のポリシングをサポートしています。分散システムでは、VLAN 単位の集約ポリシングはサポートされていません。 マイクロフロー ポリサーCisco IOS ソフトウェアの場合、マイクロフロー ポリサーの有効化はスイッチ上でグローバルに実行する必要があります。この操作は CatOS では必要ありません。police flow コマンドを使用すると、Cisco IOS ソフトウェアのマイクロフロー ポリシングの設定が表示されます。残りの設定は、Cisco IOS ソフトウェアにおけるインターフェイス別集約ポリサーの設定と同様です。
UBRL(Cisco IOS が稼働する Sup 32 および Sup 720 専用)User-Based Rate Limiting(UBRL)機能は、Supervisor Engine 32 および Supervisor Engine 720 のみでサポートされています。UBRL は、多数の送信元 IP アドレスまたは宛先 IP アドレスを、個々のレートに制限するマイクロフロー ポリシング機能です。UBRL を設定すると、2 つの ACL を使用するだけで、数多くのユーザをサポートできます。UBRL がサポートされているのは Cisco IOS だけです。次の例では、ユーザグループ内の各ユーザの(サブネット 192.168.0.0/16 宛)トラフィックを、それぞれ 1 Mbps にレート制限する UBRL を示しています。
ACL によるマーキングACL と一致する特定のトラフィック クラスに対して、フレーム内のプライオリティ フィールド(CoS、DSCP、または ToS)を設定することができます。この方法を使用すると、ユーザはデフォルトのポート CoS 値によるマーキングよりも詳細で多様な設定が可能になります。 PFC QoS(IOS Release 12.1(12c)E1)で、信頼できないトラフィックのポリシー マップ クラス マーキングを行うには、set ip dscp および set ip precedence ポリシー マップ クラス コマンドを使用します。 次の表は、各 OS の設定パラメータの違いを比較したものです。
AutoQoS AutoQoS(CatOS のみでサポート)は、音声ポートで推奨される AVVID の設定に必要な QoS の設定を簡素化するマクロです。このマクロは、次の 2 つのコンポーネントに分けられます。
次の例では、AutoQoS を有効にして、すべての着信 CoS および DSCP マーキングを信頼するように設定します。最後の例では、ポート 3/1 に Cisco IP Phone の入力 QoS が設定されています。
注: AutoQoS マクロ コマンドの詳細については、次の URL(英語)を参照してください。http://www.cisco.com/en/US/partner/products/hw/switches/ps708/products_configuration_guide_chapter09186a0080121d11.html - 22805 SPAN SPAN は、スイッチ上の物理インターフェイスおよび論理インターフェイスで発着信されるトラフィックをミラーリングするトラブルシューティング分析機能です。SPAN セッションとは、モニタ対象の一連の SPAN 送信元ポートまたは VLAN と、ミラーリングされたトラフィックが送信される SPAN 宛先ポートを関連付けたものです。SPAN 宛先ポートはどの VLAN にも属さず、スパニングツリーにも加わりません。10M 100M 1G または 10G ポートは、SPAN 送信元または SPAN 宛先ポートとして設定できます(ファブリック対応および DFC 対応ライン カードを含む)。 CatOS と Cisco IOS ソフトウェアでは、SPAN の実装方式が異なります。CatOS は最大 2 つの入力専用 SPAN セッションまたは入力/出力 SPAN セッション、および 4 つの出力専用 SPAN セッションをサポートできます。Cisco IOS ソフトウェアは、送信元インターフェイスでの入出力トラフィックを含む 2 つの SPAN セッションをサポートします。異なる SPAN セッションに含まれる一連の送信元インターフェイスは、重複していても異なっていても構いません。SPAN 送信元にはスイッチポートとルーテッド ポートの両方を設定できます。異なる SPAN セッションには、重複のない一連の異なる宛先インターフェイスを含める必要があります。 入力 SPAN(Rx)は、送信元ポートが受信したネットワーク トラフィックを、宛先ポートで分析するためにコピーします。出力 SPAN(Tx)は、送信元ポートが送信したネットワーク トラフィックをコピーします。設定オプション「both」は、送信元ポートが受信および送信するネットワーク トラフィックを宛先ポートにコピーします。Cisco IOS ソフトウェアでは、128 の出力ソースまたは「both」ソースと最大 128 の入力ポートを送信元ポートとしてモニタできます。********* 最大で 64 の SPAN 宛先インターフェイスがサポートされます。 次の例では、ポート 5/1 ~ 2 を SPAN 送信元、ポート 5/3 を SPAN 宛先として設定します。
Remote SPAN(RSPAN)Remote SPAN(RSPAN)は、SPAN のほとんどの機能に加えて、ネットワーク内の複数のスイッチに分散された送信元ポートおよび宛先ポートに対するサポートも備えています。RSPAN のトラフィックは、ユーザが指定したその RSPAN セッション専用の RSPAN VLAN を使用して、関係するすべてのスイッチに伝送されます。 スイッチ単位で共存できる RSPAN セッションと SPAN セッションは最大 30 です。次の例では、VLAN 10 を RSPAN VLAN として、VLAN 5 を RSPAN 送信元ポートとして設定し、着信トラフィックと発信トラフィックの両方をモニタします。
カプセル化された Remote SPAN(RSPAN)12.2(18)SXE で導入された RSPAN により、Catalyst 6500 は Supervisor Engine 32 および Supervisor Engine 720 で GRE のハードウェア アクセラレーションを利用して、レイヤ 3 の境界を越えてネットワークをモニタリングできます。ERSPAN はリモート ネットワークのレイヤ 2 トラフィックをモニタし、すべてのレイヤ 2 ネットワークでネットワーク プローブの重複した要求を排除することでリソースを節約します。 ERSPAN と SPAN は、マルチキャスト フレームや Bridge Protocol Data Unit(BPDU; ブリッジ プロトコル データ ユニット)フレームなど、すべてのトラフィックをモニタできます。これらのフレームでは、RSPAN は BPDU モニタリングをサポートしていません。ERSPAN の設定例を次に示します。
ジャンボ フレームジャンボ フレーム機能では、スイッチ上でデフォルト値よりも大きなイーサネット MTU サイズ(1500 バイト)が 1 つ使用できます。MTU は 1500 ~ 10240 バイトの間で設定でき、デフォルト(推奨)MTU は 9216 バイトです。ジャンボ フレームはハードウェアでスイッチングされるため、イーサネット、ファスト イーサネット、ギガビット イーサネット、および 10 ギガビット イーサネット インターフェイスのパフォーマンスに影響を与えることはありません。これらのインターフェイスには、ルーテッド インターフェイス、アクセス スイッチ、トランク スイッチポート、または EtherChannel を使用できます(隣接デバイスによる制約に注意)。ジャンボ フレームは VLAN インターフェイス(SVI)でサポートされています。ただし、これが適用できるのはソフトウェアによってスイッチングされるトラフィックだけです。原則として(OS に関係なく)、ジャンボ フレームは特定の VLAN 内の全ポートで有効にするか、または全ポートで無効にします。 次の例は、CatOS と Cisco IOS ソフトウェアでのジャンボ フレームの設定を示しています。
上記のコマンドを使用すると、ギガビット インターフェイス上で 9216 バイトの MTU が有効になります。この場合、IP MTU サイズも自動的に変更されます。ただし、反対に ip mtu 9216 を使用して IP MTU を大きくしても、インターフェイスの MTU サイズは大きくなりません。 ハイ アベイラビリティCatalyst 6500 のハイ アベイラビリティは、プラットフォームの主要な差別化要因の 1 つで、障害を解消し、最高の稼働率を実現します。Non Stop Forwarding(NSF)や Stateful Switchover(SSO)のような機能と Generic Online Diagnostics(GOLD)を組み合わせることで、Catalyst 6500 は、パケット処理とシステム間障害検出機能を併用して、優れた信頼性と稼働時間を実現します。 Generic Online Diagnostics(GOLD) GOLD は、ハードウェア コンポーネントの状態を確認し、システム データとコントロール プレーンに適した動作を検証します。システムのブート時に有効になるテストもあれば、システムの動作中に有効になるテストもあります。図 7 に示すように、テストはブートアップ診断とランタイム診断の 2 つのカテゴリに分けられます。複数のテストを並行して実行することもできます。 GOLD の詳細については、次の URL を 参照してください。
IOS と CatOS における GOLD 機能の実装の比較を次に示します。
スーパーバイザの冗長性 Cisco IOS ソフトウェアと CatOS は、Catalyst 6500 シャーシ内でコンポーネント レベルの冗長性を実現する冗長スーパーバイザ エンジンの構成をサポートしています。ただし、Cisco IOS ソフトウェアと CatOS では、スーパーバイザ エンジンの冗長性を実現する動作モデルが異なります。 CatOS の場合、スーパーバイザの冗長性はハイ アベイラビリティ機能に基づいています。この機能を使用すると、スーパーバイザが二重化されたシステムで、アクティブ スーパーバイザ エンジンとスタンバイ スーパーバイザ エンジン間のプロトコル ステートを同期できます。アクティブ スーパーバイザに障害が発生すると、スタンバイ スーパーバイザは、スイッチ上で動作するプロトコルの正確な最新情報を使ってシステムの動作を引き継ぐことができます。これにより、スーパーバイザは 1 ~ 3 秒でフェールオーバーできるため、レイヤ 2、レイヤ 3、およびレイヤ 4 のプロトコルに関してネットワークを再コンバージェンスする必要はありません。ハイブリッド ソフトウェアでは、ルータ機能を担う MSFC エンジンを冗長構成にすることも可能です。ハイブリッド構成におけるハイ アベイラビリティの詳細については、http://www.cisco.com/jp/product/hs/switches/cat6500/prodlit/c6500ha_wp.shtml のホワイト ペーパーを参照してください。 Catalyst 6500 の Cisco IOS ソフトウェアは、Route Processor Redundancy(RPR)(Enhanced High System Availability [EHSA] ともいう)、Route Processor Redundancy Plus(RPR+)、および Non Stop Forwarding with Stateful Switchover(NSF/SSO)をサポートしています。この動作モードでは、一方のスーパーバイザ/MSFC だけが動作して、もう一方はスタンバイ モードになります。アクティブおよびスタンバイ状態のスーパーバイザを確認するには、show module コマンドを使用します。障害を素早く検出するために、アクティブとスタンバイの間ではハートビート メッセージが交換されます。RPR および RPR+ では、アクティブ スーパーバイザ エンジンとスタンバイ スーパーバイザ エンジン間でプロトコル ステートの同期は行いませんが、SSO はプロトコル ステートを同期します。次に、スーパーバイザの冗長性に関して、RPR、RPR+、および SSO で同等の特性を説明します。 Cisco IOS ソフトウェアの場合、スーパーバイザと MSFC はそれぞれ異なる機能とプロトコル(レイヤ 2 およびレイヤ 3)を処理します。ただしシステム上は、スーパーバイザと MSFC 両方のエンジンが正常に動作している必要があります。RPR/RPR+/SSO モードでスーパーバイザまたは MSFC どちらか一方に障害が発生すると、アクティブ スーパーバイザからスタンバイ スーパーバイザ/MSFC へのスイッチオーバーが行われます。CatOS の場合、一方の MSFC に障害が発生してもスーパーバイザは通常動作を継続できるため、スーパーバイザがスイッチオーバーする必要はありません。ただし、MSFC フェールオーバーのみが発生し、Catalyst OS が稼働するアクティブな PFC と Switch Processor(SP)がスロット 1 で完全に機能し、Route Processor(RP)/MSFC がスロット 2 で完全に機能するクロス モデルが許容される可能性があります。 スーパーバイザ/MSFC が冗長化されたハイブリッド システムでは、同一のシャーシ内に 2 つのアクティブ MSFC をオプションで搭載できます(デュアル ルータ モードという)。この構成では、2 つのアクティブ MSFC 間で Hot Standby Router Protocol(HSRP)が内部的に使用されます。Cisco IOS ソフトウェアでは、スタンバイ MSFC が完全に機能しないため、2 つの MSFC 間で HSRP を内部的に実行することができません。Cisco IOS ソフトウェアでは、RPR、RPR+、または NSF/SSO のどのモードを使用する場合でも、Cisco Catalyst 6500 からネットワーク内の他のルータへの外部 HSRP がサポートされています。 RPR または RPR+を使用するスーパーバイザ エンジン間のプロトコル冗長性はステートフルではありません。SSO 冗長性モードは、IOS のスーパーバイザ エンジン間でステートフルなプロトコル冗長性を提供しますが、Cisco Catalyst OS のハイ アベイラビリティ モードと同等の機能です。 次に、スーパーバイザの冗長性に関して、RPR、RPR+、および NSF/SSO での特性を説明します。 Route Processor Redundancy(RPR) RPR を有効にすると、アクティブなスーパーバイザおよび MSFC が動作して、パケット フォワーディングと各種機能がすべて処理されます。スタンバイ スーパーバイザおよび MSFC はリセット状態ではありませんが、すべてのサブシステムが起動しているわけではありません。スタンバイ スーパーバイザはギガビット アップリンク ポートが動作するところまで起動しますが、スーパーバイザまたは MSFC 上でプロトコルは稼働していません。 アクティブ スーパーバイザに障害が発生すると、RPR がその機能停止を検出して、スイッチオーバーを実行します。ライン カードの電源のオフ/オン、スーパーバイザと MSFC の完全な起動、およびすべてのレイヤ 2/3 プロトコルの初期化が実行されます。EHSA でシステムがトラフィックのフォワーディングを開始するのに必要なフェールオーバー時間は約 90 秒です。実際のフェールオーバー時間は、構成の規模や複雑さによって異なります。 RPR では、アクティブ スーパーバイザとスタンバイ スーパーバイザ間で、スタートアップ コンフィギュレーションとブート変数の同期が行われます。 Route Processor Redundancy Plus(RPR+) RPR+を有効にすると、アクティブなスーパーバイザおよび MSFC が動作して、パケット フォワーディングと各種機能がすべて処理されます。スタンバイ スーパーバイザと MSFC は完全に起動して、スタンバイ状態で動作します。RPR+ は RPR の拡張機能です。スタンバイ スーパーバイザが完全に起動しているため、RPR+では RPR よりも迅速なスーパーバイザのフェールオーバーが可能です。また、スーパーバイザのフェールオーバー時にライン カードの状態が維持されるため、フェールオーバー時間が短縮されます。ただし、ポートの状態は維持されないため、他のデバイスとの接続にフラッピングが発生します。 RPR+でシステムがトラフィックのフォワーディングを開始するのに必要なフェールオーバー時間は約 30 秒です。実際のフェールオーバー時間は、構成の規模や複雑さによって異なります。 Nonstop Forwarding with Stateful Switchover(NSF/SSO) Cisco IOS ソフトウェアと CatOS の両方で NSF with SSO がサポートされています。主な差別化要因は、これらの機能が IOS に最初に導入されるときよりも高度な形式で適用される場所とその方法にあります。SSO は RPR+ 機能を拡張し、スーパーバイザ エンジンに障害が発生した場合にレイヤ 2 プロトコルの透過的なフェールオーバーを提供します。SSO はレイヤ 2 プロトコルに対してステートフルです。Policy Feature Card(PFC; ポリシー フィーチャ カード)および Distributed Forwarding Card(DFC)ハードウェア テーブルは、スイッチオーバーの前後で保持されます。これにより、レイヤ 2 とレイヤ 4 で透過的なフェールオーバーが可能になります。NSF は SSO と連携して、スイッチオーバー後のレイヤ 3 の整合性を保持します。アクティブなスーパーバイザの障害が発生したルータでは、既知のルートを使用してデータ パケットのフォワーディングを続行する一方で、ルーティング プロトコル情報が復旧および検証されます。このフォワーディングは、ピアリング アレンジメントをフェールオーバー時に復旧させるグレースフル リスタート メカニズムを利用することで続行されるため、不要なルート フラップやネットワークの不安定化を防ぐことができます。 NSF/SSO の場合、フェールオーバー時間は 0 ~ 3 秒です。NSF/SSO の詳細については、次の URL を参照してください。http://www.cisco.com/jp/product/hs/switches/cat6500/prodlit/nfwssc6500_ds.shtml Hot Standby Router Protocol(HSRP)Hot Standby Router Protocol(HSRP; ホットスタンバイ ルータ プロトコル)は、IP ネットワークにネットワーク冗長性を提供し、ネットワーク エッジ デバイスまたはアクセス回線で、ユーザ トラフィックが最初のホップ障害から迅速かつ透過的に復旧できるようにします。HSRP は、2 つ以上のシスコ ルーティング デバイス間で共有されるレイヤ 2 およびレイヤ 3 の仮想アドレスを提供して、ネットワークの耐障害性を確保します。選出アルゴリズムを使用して、静的に割り当てられた仮想 IP アドレスと レイヤ 2 MAC アドレスを組み合わせることで、障害からの透過的な復旧が可能になります。 http://www.cisco.com/support/ja/index/Technologies/Hot_Standby_Router_Protoc_268435984.html Virtual Router Redundancy Protocol(VRRP)Virtual Router Redundancy Protocol(VRRP)は、シスコ独自の Hot Standby Router Protocol(HSRP)とよく似た機能を提供します。VRRP は、スタティックなデフォルト ルーティング環境に付きもののシングルポイント オブ フェイラーを解消するように設計されています。VRRP では、LAN 上のいずれかの VRRP ルータに、仮想ルータの役割をダイナミックに割り当てる選出プロトコルが定義されます。仮想ルータに割り当てられる IP アドレスを制御する VRRP ルータはマスターと呼ばれ、これらの IP アドレス宛に送信されるパケットのフォワーディングを行います。この選出プロセスでは、マスターが利用できなくなった場合、フォワーディングを行うデバイスのダイナミックなフェールオーバーが可能です。エンドホストは、LAN 上の仮想ルータの IP アドレスをデフォルトのファースト ホップ ルータとして使用できます。VRRP を使う利点は、すべてのエンドホストにダイナミック ルーティングやルータ ディスカバリ プロトコルを設定しなくても、デフォルト パスのアベイラビリティが向上することです。 Gateway Load Balancing Protocol(GLBP)Gateway Load Balancing Protocol(GLBP)は、1 つの仮想 IP アドレスと複数の仮想 MAC アドレスを使用して、複数のゲートウェイ間での負荷分散を可能にします。このプロトコルは、HSRP や VRRP に似ています。GLBP を使用すると、冗長ルータ間でのパケットの負荷分散を実現できるだけでなく、障害の発生したルータや回線からデータ トラフィックを保護できます。 付録 A:Cisco IOS ソフトウェアおよび CatOS の設定例の比較ここでは、次のサンプル トポロジー(図 8)を使用して、完全な Cisco IOS モードの設定と CatOS の設定を比較します。 ステップ 1:スイッチおよびルータに名前を設定し、プロンプト、時刻、およびパスワードを設定します。
ステップ 2:VTP をトランスペアレントに設定し、ステータスを確認します。
ステップ 3:VLAN を作成し、ステータスを確認します。
ステップ 4:ギガビット イーサネット アップリンクをルーテッド インターフェイスとして設定します。ギガビット イーサネット アップリンク 1/1 および 1/2 は、残りのネットワークと接続するために使用します。これらのポートはレイヤ 3 ルーティングの機能しか必要としないため、Cisco IOS ソフトウェアでは、以下のような単純なルーテッド インターフェイス コマンドを使用します。
注:この例の VLAN 89 および 90 は無作為に選んだ値です。 ステップ 5:ポート 2/1 ~ 3 を VLAN 2 のクライアント接続用アクセス ポートとして使用するように設定し、ポート 2/4 ~ 5 を VLAN 3、すべてのポートを速度 100 の全二重モードに設定します。
ステップ 6: トランク スイッチポートを設定します。3 つの VLAN は、すべてポート 2/6 を使って Catalyst B(レイヤ 2 Catalyst)に接続されます。トランクは IEEE 802.1Q のカプセル化を使用し、デフォルトで VLAN 1 になります。
ステップ 7: オプション設定:Catalyst 6500 スイッチはデフォルトでトランク上のすべての VLAN を許可します。VLAN 50 ~ 100 のリストをトランクから削除します。
ステップ 8: ルーテッド SVI の設定:ステップ 4 で、ギガビット イーサネット インターフェイスがルーテッド アップリンクとして設定されています。このステップでは、両方の VLAN にルーティング サービスを提供する 2 つの SVI インターフェイス(VLAN 間インターフェイス)を設定します。この設定では、VLAN 2 および VLAN 3 に HSRP を使用し、IPX ネットワーク番号も設定します。
付録 B:CatOS および Cisco IOS ソフトウェアのコマンド対応表
付録 C:変更手順Cisco Catalyst 6000 シリーズ スイッチで、ハイブリッドからネイティブの IOS にソフトウェアを変更する手順については、次の URL を参照してください。 日本語(自動翻訳):http://www.cisco.com/support/ja/473/catos-ios-conversion-6500k.shtml Cisco Catalyst 6000 シリーズ スイッチで、ネイティブの IOS からハイブリッドにソフトウェアを変更する手順については、次の URL を参照してください。 日本語(自動翻訳):http://www.cisco.com/support/ja/473/ios-catos-convert-cat65k.shtml |
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