Accelerating Customer Service -顧客サービスのアクセルを踏む

INDEX

  1. Accelerating Customer Service
  2. チャンスをつかむ
  3. コミュニケーションが一新
  4. 顧客にもっと近づく
  5. 生産性も向上する

チャンスをつかむ

写真3
「お客様からの電話の取次ぎがものすごく簡単になりました」と、IT マネージャーのバディ・コナー氏。

エリス氏と幹部たちは、地域経済が芳しくなく、自動車販売も横ばいを続けるなかでは、IP コミュニケーションを導入することがなお一層、ACC の競争優位向上に役立つと考えている。

「ショールームもサービス部門も大忙しです」とシューマッハ氏は言う。「毎日 100組以上のお客様が来店されます。もっとも商談が始まるのは多くの場合、その後の電話からですが」

コナー氏によると、新規店舗への移転は IP コミュニケーションを導入するのに絶好の機会だという。従来型の電話ネットワークを移設すれば、費用も高くつき、時間もかかる。その上、コンピュータのためのネットワークインフラを音声通信に活用するという効用は一切期待できない。

「社長は 1,500万ドルの予算で 1万平方フィートの施設を作る計画が始まった際に、顧客サービスと利益率の改善を同時に実現することが最優先課題だと明言しました。それによって、旧式の PBX システムを新しい施設に持って行くという選択肢は、自然に消えたのです」とコナー氏は説明する。

音声コミュニケーション環境の刷新は、別な面でも効果を発揮した。すでに移転前において、増大する電話をどうさばくかが課題となっていた。「会社が大きくなる過程では常に、新しいオフィスへの移動や新しい仕事の割り当てが発生します。当社の場合も電話配線の改修が定常的に発生し、1件につき 1~2 日かかる場合がありました」

その上、顧客からの電話件数が増え、PBX を操作する電話受付が対応しきれない事態も出始めていた。入ってきた電話の優先順位付けがうまくできないため、顧客の待ち時間が長くなってしまったり、通話が担当者に回らずに受付に戻されたりすることもあった。「お客様の電話を処理するのに頭を抱えていました」とコナー氏は言う。

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