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―お仕事の関連で、今、特に力を入れているものは?
ここ 2年ほどは、女性のチャーミングなピンナップと立体写真の収集に凝っています。どちらも、かなり古いものなんですが、起源がよくわからない。ちょっとしたきっかけから、その始まりまで遡っていく過程が、スリリングだったんです。もう、とことんまで源に遡ると、物事の本質が見えてきました。
こういう世界には必ずマニアというか、先達がいますから、なるべくエライ人に近づいて「弟子にしてください」「教えてください」と頭を下げるのが話が早い (笑)。今はメールもあるし、外国語の翻訳ソフトもありますから、海外の人でも大丈夫。だいたいマニアは教えたがりなので、真剣に話を聴こうという人間は歓迎してくれるんです (笑)。
メールといえば、最近、一番感動したのが、南極にいる友達から氷山を接写した画像が送られてきたことですね。世界の果てと一瞬にしてつながり、そこの画像をほぼリアルタイムで目にすることができるなんて、これはもう、コワイくらいスゴイことですよ。インターネットもそうだけれど、デジカメの一眼レフというのがまたスゴイ発明だと、思わずしびれてしまいました。
―絶対にやり残して死ねない、と思うようなライフワークはありますか。
それはないですね。一生なんてはかないものですから。いつ死んでもいいくらいの気分で毎日を生きています。
お風呂に入らないとか、家が何軒もあるのに出版社に寝泊まりしているとか、おいしい食べ物に興味がないとか、デートもしないとか、どうもボクは、ハタから見ると不幸な人、かわいそうな人と思われているフシがあるんですが (笑)、毎日、疲れるくらい楽しんでいるつもりです。要は選択の問題ですから。
人生というのは何かを選んだら、その代わりの何かを切り捨てなければいけない。ボクの場合、世間的に幸せといわれるものを切り捨てて、好きなことに没頭できているわけだから、何も文句はありません。
世の中、あきらめが肝心という部分もありますし、「どうせ、この世は仮の世」というのが、常にボクの中にはあって、まあ、実際には、家族とか社会とか現実などともそこそこに折り合いをつけながら、あわてずに生きています。どっちみち、いつ死んでもいいように精一杯好きなことをやっていますんで、ボク自身はいつも幸せです。