ここでは、MRA のパブリック（外部）とローカル（内部）ドメインネームシステム（DNS）の要件について説明します。詳細については、[Jabber インストールおよびアップグレードガイド（Jabber Install and Upgrade Guides）] ページの『Cisco Jabber 計画ガイド』を参照してください。

重要	バージョン X8.8 以降では、すべての Expressway-E システムに対して順方向および逆方向の DNS エントリを作成する必要があります。これにより、それらへの TLS 接続を行うシステムが FQDN を解決し、証明書を検証できます。

パブリック ドメインネームシステム（DNS）（外部ドメイン）

エンドポイントがモバイルおよびリモートアクセスに使用する Expressway-E を検出できるようにするため、パブリックの外部ドメインネームシステム（DNS）は、_collab-edge._tls.<domain> SRV レコードで設定する必要があります。  また、一般的な展開（特に MRA 用ではない）の SIP サービスレコードも必要です。たとえば、2 つの Expressway- E システムのクラスタの場合は、次のようになります。

ローカル ドメインネームシステム（DNS）（内部ドメイン）

ローカルの内部ドメインネームシステム（DNS）を _cisco-uds._tcp.<domain> SRV レコードで構成することが推奨されていても、これは、X12.5 以降で要件ではなくなります。レコードの例：

MRA を使用するすべての Unified Communications ノードに対する正引きおよび reverse ルックアップの両方に内部ドメインネームシステム（DNS）を作成します。これにより、IPアドレスまたはホスト名が FQDNの代わりに使用されている場合に、のノードを検索することができます。

cisco-uds SRV レコードが内部ネットワーク外で解決できないことを確認します。解決できてしまうと、Jabber クライアントが Expressway-E 経由で MRA を開始しません。

次に、Expressway で使用される sip（RFC 3263）および H.323 の DNS SRV クエリのフォーマットを示します。

• _sips._tcp.<fully.qualified.domain>

• _sip._tcp.<fully.qualified.domain>

• _sip._udp.<fully.qualified.domain> ：ビデオ コールにはお勧めしません。オーディオ専用コールのみに使用します。

• _h323ls._udp.<fully.qualified.domain>：LRQ などの UDP の場所（RAS）シグナリングに使用します。

• _h323cs._tcp.<fully.qualified.domain> ：H.323 コール シグナリングに使用します。

次に、エンドポイントにより通常使用される sip（RFC 3263）および H.323 の DNS SRV クエリのフォーマットを示します。

• _sips._tcp.<fully.qualified.domain>

• _sip._tcp.<fully.qualified.domain>

• _sip._udp.<fully.qualified.domain> ：ビデオ コールにはお勧めしません。オーディオ専用コールのみに使用します。

• _h323ls._udp.<fully.qualified.domain>：LRQ などの UDP の場所（RAS）シグナリングに使用します。

• _h323cs._tcp.<fully.qualified.domain> ：H.323 コール シグナリングに使用します。

• _h323rs._udp.<fully.qualified.domain> ：H.323 登録に使用します。

UDP はビデオシグナリング向けに推奨されたトランスポートメディアではありません。ビデオシステムの SIP メッセージングはデータグラムベース（ストリームベースではなく）のトランスポートを信頼できる形で続行するには大きすぎます。

Expressway クラスタ名（[システム（System）] > [クラスタリング（Clustering）] ページで構成）は FQDN である必要があります。ドメイン部分は、その Expressway クラスタを指す SRV レコードに使用されるドメインです。

例

example.com の Expressway-E クラスタ の 2 ピアの DNS SRV レコード

定義：

• Expressway-E ピア 1 の FQDN：expe1.example.com

• Expressway-E ピア 2 の FQDN：expe2.example.com

• Expressway-E クラスタの FQDN：cluster.example.com

_sips._tcp.example.com. 86400 IN SRV 1 1 5061 expe1.example.com. 
_sips._tcp.example.com. 86400 IN SRV 1 1 5061 expe2.example.com.

_sip._tcp.example.com. 86400 IN SRV 1 1 5060 expe1.example.com. 
_sip._tcp.example.com. 86400 IN SRV 1 1 5060 expe2.example.com.

_h323ls._udp.example.com. 86400 IN SRV 1 1 1719 expe1.example.com. 
_h323ls._udp.example.com. 86400 IN SRV 1 1 1719 expe2.example.com.

_h323cs._tcp.example.com. 86400 IN SRV 1 1 1720 expe1.example.com. 
_h323cs._tcp.example.com. 86400 IN SRV 1 1 1720 expe2.example.com.

_h323rs._udp.example.com. 86400 IN SRV 1 1 1719 expe1.example.com. 
_h323rs._udp.example.com. 86400 IN SRV 1 1 1719 expe2.example.com.

（注）	優先順位はすべて同じです。1 つのプライマリクラスタから別のクラスタ（セカンダリ）へのフェールオーバーを許可する異なるクラスタが設定されている場合は、異なる優先順位のみを使用します。この場合、プライマリクラスタピアに 1 つの値が必要であり、その他（セカンダリ）クラウドピアにはより大きな値が必要になります。 各ピアが均等に使用されるように、ウェイトは同じである必要があります。

例：example.com への SIP アクセス、および 557120、557121、557122 の列挙型ルックアップ

$ORIGIN example.com.

IN    NAPTR    10    100    "s"    "SIPS+D2T"    ""    _sips._tcp.example.com. 
IN    NAPTR    12    100    "s"    "SIP+D2T"     ""    _sip._tcp.example.com. 
IN    NAPTR    14    100    "s"    "SIP+D2U"     ""    _sip._udp.example.com.

$ORIGIN www.example.com.

IN    NAPTR    10    100    "s"    "http+I2R"    ""    _http._tcp.example.com. 
IN    NAPTR    10    100    "s"    "ftp+I2R"     ""    _ftp._tcp.example.com.

$ORIGIN 0.2.1.7.5.5.enum.lookup.com.

IN    NAPTR    10    100    "u"    "E2U+sip"     "!^.*$!john.smith@tandberg.com!"          . 
IN    NAPTR    12    100    "u"    "E2U+h323"    "!^.*$!john.smith@tandberg.com!"          . 
IN    NAPTR    10    100    "u"    "mailto+E2U"  "!^.*$!mailto:john.smith@tandberg.com!"   .

$ORIGIN 1.2.1.7.5.5.enum.lookup.com.

IN    NAPTR    10    100    "u"    "E2U+sip"    "!^.*$!mary.jones@tandberg.com!"    .

$ORIGIN 2.2.1.7.5.5.enum.lookup.com.

IN    NAPTR    10    100    "u"    "E2U+h323" "!^.*$!peter.archibald@myco.com!"    . 

IN = Internet routing NAPTR = record type 
        10 = order value (use lowest order value first) 
                100 = preference value if multiple entries have the same order value 
                        "u" = the result is a routable URI 
                        "s" = the result is a DNS SRV record 
                        "a" = the result is an ‘A’or ‘AAAA’ record 
                                "E2U+sip" to make SIP call 
                                "E2U+h323" to make h.323 call 
                                        Regular expression: 
                                        ! = delimiter 
                                        "" = no expression used 
                                        … usual Regex expressions can be used 
                                                Replace field; . = not used

dig 4.3.7.8.enum4.example.com. NAPTR

; <<>> ;; global options: printcmd 
;; Got answer: 
;; ->>HEADER<<- opcode: QUERY, status: NOERROR, id: 38428 
;; flags: qr aa rd ra; QUERY: 1, ANSWER: 2, AUTHORITY: 1, ADDITIONAL: 2 

;; QUESTION SECTION: 
;4.3.7.8.enum4.example.com. IN NAPTR 

;; ANSWER SECTION:
4.3.7.8.enum4.example.com. 60 IN NAPTR 10 100 "u" "E2U+sip" "!^.*$!bob@example.com!" . 
4.3.7.8.enum4.example.com. 60 IN NAPTR 10 100 "u" "E2U+h323" "!^.*$!bob@example.com!" . 

;; AUTHORITY SECTION: 
enum4.example.com. 60 IN NS int-server1.example.com. 

;; ADDITIONAL SECTION: 
int-server1.example.com. 3600 IN A 10.44.9.144 
int-server1.example.com. 3600 IN AAAA 3ffe:80ee:3706::9:144 

;; Query time: 0 msec

~ # dig -t NAPTR example.com
; <<>> DiG 9.4.1 <<>> -t NAPTR example.com
;; global options: printcmd
;; Got answer:
;; ->>HEADER<<- opcode: QUERY, status: NOERROR, id: 1895
;; flags: qr rd ra; QUERY: 1, ANSWER: 3, AUTHORITY: 6, ADDITIONAL: 4 

;; QUESTION SECTION:
;example.com. IN NAPTR 

;; ANSWER SECTION:
example.com. 2 IN NAPTR 50 50 "se" "SIPS+D2T" "" _sips._tcp.example.com.
example.com. 2 IN NAPTR 90 50 "se" "SIP+D2T" "" _sip._tcp.example.com.
example.com. 2 IN NAPTR 100 50 "se" "SIP+D2U" "" _sip._udp.example.com. 

;; AUTHORITY SECTION:
example.com. 320069 IN NS nserver2.example.com.
example.com. 320069 IN NS nserver.euro.example.com.
example.com. 320069 IN NS nserver.example.com.
example.com. 320069 IN NS nserver3.example.com.
example.com. 320069 IN NS nserver4.example.com.
example.com. 320069 IN NS nserver.asia.example.com. 

;; ADDITIONAL SECTION:
nserver.example.com. 56190 IN A 17.111.10.50
nserver2.example.com. 57247 IN A 17.111.10.59
nserver3.example.com. 57581 IN A 17.22.14.50
nserver4.example.com. 57452 IN A 17.22.14.59

;; Query time: 11 msec

クラスタで Conference Factory（Multiway）を使用する場合は、次の点に注意してください。

• Conference Factory アプリケーション設定はクラスタ間で複製されません。

• Conference Factory テンプレートは、各 Expressway ピアで異なる必要があります。

Multiway をサポートするようにクラスタを設定するには、次の手順を実行します。

1. 各ピアで同じ Conference Factory エイリアスを設定します（エイリアスは、Multiway 会議を開始するときにエンドポイントによりコールされます）。

2. 各ピアで異なる Conference Factory テンプレートを設定します（これにより、各ピアで独自の Multiway 会議 ID が生成されます）。

たとえば、アドホック会議の MCU サービスプレフィックスが 775 の場合、プライマリ Expressway は 775001%%@domain のテンプレート、ピア 2 は 775002%%@domain のテンプレート、ピア 3 は 775003%%@domain のテンプレートを使用する場合があります。Expressway が会議 ID を提供する場合、他の Expressway と共有する可能性がある会議 ID を提供することはできません。

これは、ネットワーク間でも同様です。ネットワークで Conference Factory 機能を提供する複数の Expressway または Expressway クラスタがある場合、各 Expressway およびすべての Expressway は、同じ会議 ID が使用されないように、独自の範囲の値を提供する必要があります。

詳細については、『Cisco TelePresence Multiway 導入ガイド』を参照してください。