概要

この章は、次の内容で構成されています。

Cisco IMC Supervisor について

Cisco IMC Supervisor は、大規模なラックマウント サーバを管理できる管理システムです。ラックマウント サーバのグループを作成して、グループ単位でモニタリングや資産管理を行うことができます。Cisco IMC Supervisor が、既存の UCS Director のコネクタとしてインストールされている場合は、Cisco IMC Supervisor の設定がデフォルトの Cisco IMC インストールに優先し、Cisco IMC Supervisor に関連するメニュー オプションとタブのみが表示されます。

Cisco IMC Supervisor を使用して、次のタスクを実行できます。

  • サーバの論理的なグループ化とグループごとのサマリーの表示

  • 管理対象サーバのインベントリの収集

  • サーバとグループのモニタリング

  • ファームウェアのダウンロード、アップグレードおよびアクティベーションを含むファームウェアの管理

  • サーバの検出、モニタ、管理とファームウェア アップグレードのプログラムによる実行のためのノースバウンド REST API の提供

  • 電源制御、LED 制御、ログの収集、KVM の起動、CIMC UI の起動など、スタンドアロン サーバのアクションの管理

  • ロールベース アクセス コントロール(RBAC)を使用したアクセスの制限

  • 電子メール アラートの設定

  • ポリシーおよびプロファイルを使用したサーバ プロパティの設定

  • ファームウェアのアップデートまたはサーバ検出などのタスクを延期するためのスケジュールの定義

  • UCS サーバ設定ユーティリティを使用したサーバのハードウェア問題の診断

  • Cisco Smart Call Home による、プロアクティブな診断、アラート、修復案の提供

  • Cisco UCS S3260 高密度ストレージ ラック サーバの管理

  • ネットワーク構成ポリシーよる DNS サーバおよびその他のネットワーク設定の設定

  • ゾーン分割ポリシーによるサーバへの物理ドライブの割り当て

  • さまざまな地理的場所にまたがる複数の診断イメージの設定

  • 個々のサーバを 1 つのグループに含めるための電子メール ルールのカスタマイズ

最小システム要件

サポートされているサーバ モデル

  • UCS C-220 M3 および M4

  • UCS C-240 M3 および M4

  • UCS C-460 M4

  • UCS C-22 M3

  • UCS C-24 M3

  • UCS C-420 M3

  • UCS E-160S M3

  • UCS C3160

  • UCS C3260

  • UCS EN120E M2

  • UCS EN120S M2

  • UCS EN140N M2

  • UCS E-140S M2

  • UCS E-160D M2

  • UCS E-180D M2

  • UCS E-140S M1

  • UCS E-140D M1

  • UCS E-160D M1

  • UCS E-140DP M1

  • UCS E-160DP M1

重要:

Cisco IMC Supervisor は 1000 台までの UCS C シリーズおよび E シリーズ サーバをサポートします。スケーラビリティの詳細については、「Cisco IMC Supervisor の導入とスケーラビリティ」を参照してください。

ファームウェアの最低バージョン

サーバ

ファームウェアの最低バージョン

UCS C シリーズ サーバ

1.5(4)

UCS E シリーズ サーバ

2.3.1

UCS C3260 サーバ

2.0(13e)


(注)  


Cisco IMC Supervisor バージョン 2.1.01 は、Cisco IMC バージョン 3.x をサポートしますが、Cisco IMC Supervisor バージョン 2.1 をサポートしません。


サポートされる PCIe カード

  • Cisco UCS VIC 1225

  • Cisco UCS VIC 1225T

  • Cisco UCS VIC 1227

  • Cisco UCS VIC 1227T

  • Cisco UCS VIC 1385

  • Cisco UCS VIC 1387

サポートされるハイパーバイザのバージョン

  • ESXi 5.1

  • ESXi 5.5

  • ESXi 6.0

  • Windows 2008 R2 with Hyper-V Manager バージョン 6.1.7
  • Windows 2012 R2 with Hyper-V Manager バージョン 6.3.9

最小ハードウェア要件

Cisco IMC Supervisor 環境は、次の表に示す最小システム要件を満たしている必要があります。

要素 サポートされる最小要件

vCPU

4

メモリ

12 GB

ハード ディスク

100 GB

ストレージの最小書き込み速度

10 MB/sec

Cisco IMC Supervisor の導入とスケーラビリティ

Inframgr プロパティの設定

  1. /opt/infra/inframgr/service.properties ファイルから、次のプロパティと値を変更します。

    • threadpool.maxthreads.inventory=50

    • cimc.inventory.max.thread.pool.size=100

  2. [Shell Admin] に移動して、Cisco IMC Supervisor サービスを停止してから開始することでサービスを再起動します。

Cisco IMC Supervisor は、管理対象のラック サーバの規模に基づいて以下を推奨しています。

要素

小規模展開(1 ~ 250 台のラック サーバ)

中規模展開(251 ~ 500 台のラック サーバ)

大規模展開(501 ~ 1000 台のラック サーバ)

vCPU

4

4

8

CPU 予約

10000 MHz

10000 MHz

10000 MHz

Cisco IMC Supervisor VM メモリ割り当て

12 GB

16 GB

20 GB

Cisco IMC Supervisor VM メモリ予約

12 GB

16 GB

20 GB

Inframgr メモリ割り当て

6 GB

8 GB

10 GB

Mysql InnoDB BufferPool 設定

1 GB

2 GB

3 GB

ディスク書き込み速度(Direct IO)

10 MB/sec

10 MB/sec

15 MB/sec

  1. /opt/infra/inframgr/ に移動し、vi エディタを使用して run.sh ファイルを開きます。

  2. -Xms6144m -Xmx6144m に移動して、-Xms10240m -Xmx10240m に置き換えます。

    Xms は最小を意味し、Xmx は最大を意味します。ここで inframgr メモリが割り当てられます。たとえば、1000 台のラック サーバを管理している場合は、inframgr メモリ割り当てを 10 GB に設定する必要があります。


    (注)  


    Inframgr メモリ割り当ては、VM に割り当てられているメモリを増やす場合にのみ増大させる必要があります。そうしないと、高負荷によってこのプロセスがクラッシュする可能性があります。したがって、vCenter UI を使用して IMCS VM のメモリを増やし、メモリ全体を予約してから、このパラメータを変更します。


  3. [Shell Admin] に移動して、Cisco IMC Supervisor サービスを停止してから開始することでサービスを再起動します。

InnoDB バッファ プールは、Cisco IMC Supervisor VM 内の mysqld プロセスによって使用される内蔵メモリです。負荷に基づいてメモリを増やす必要があります。このプール サイズを変更するには、次の手順を実行します。

  1. /etc/ に移動し、my.cnf ファイルを開きます。

  2. innodb_buffer_pool_size パラメータに移動します。

    たとえば、1000 台のサーバを管理している場合は、値を innodb_buffer_pool_size=3072M にする必要があります。

  3. [Shell Admin] に移動して、Cisco IMC Supervisor サービスおよびデータベースを停止してから開始することでサービスおよびデータベースを再起動します。

  1. Cisco IMC Supervisor VM を導入後、コマンド プロンプトに移動し、dd if=/dev/zero of=test.img bs=4096 count=256000 oflag=direct コマンドを入力します。たとえば、次の出力が表示されます。

    [root@localhost ~]# dd if=/dev/zero of=test.img bs=4096 count=256000 oflag=direct
    256000+0 records in
    256000+0 records out
    1048576000 bytes (1.0 GB) copied, 44.0809 s, 23.8 MB/s
    

    (注)  


    上記の例では、23.8 MB/s がディスクの入出力速度です。


サポートされているファイアウォール ポート

次の表に、該当するサービスおよびポートをリストします。

サービス

ポート番号

サーバ

ファームウェアの最低バージョン

SSH ポート

22

HTTP(S)

80/443

DHCP

UDP 67 および 68

Active Directory

TCP/UDP 389/636 および TCP 3268/3269

DNS

TCP/UDP 53

NTP

TCP/UDP 123

MySQL

3306

Cisco IMC Supervisor ↔ IMC の接続

UDP 80/443


(注)  


これらのポートとプロトコルがファイアウォールでブロックされている場合、Cisco IMC Supervisor をアップグレードするときにタイムアウトまたは内部エラーが発生することがあります。


ライセンスについて

Cisco IMC Supervisor では次の有効なライセンスが必要です。
  • Cisco IMC Supervisor 基本ライセンス。

  • Cisco IMC Supervisor 基本ライセンスのあとにインストールする Cisco IMC Supervisor バルク エンドポイント イネーブルメント ライセンス。

  • Cisco IMC Supervisor Advanced ライセンス。ポリシーやプロファイルの追加、編集、および削除は基本ライセンスで行えますが、サーバへのポリシーまたはプロファイルの適用には Advanced ライセンスが必要です。ポリシーを適用する際にこのライセンスがないとエラーが発生します。

  • デフォルトの組み込み Cisco IMC Supervisor 評価ライセンス。評価ライセンスは、エンドユーザが Cisco IMC Supervisor をインストールし、すべてのサービスを初めて起動するときに自動的に生成されます。50 個のサーバに適用可能です。

重要:
  • Cisco IMC Supervisor の評価ライセンスを使用している場合は、このライセンスの有効期限(ライセンスが生成されてから 90 日)が切れると、インベントリおよびシステム ヘルス情報(障害など)を取得できなくなることに注意してください。システム データの更新だけでなく、新しいアカウントの追加もできなくなります。その時点で、Cisco IMC Supervisor のすべての機能を使用するには、永久ライセンスをインストールする必要があります。

  • 評価時に追加したサーバの数が購入したサーバ ライセンスの数を超えると、インベントリ収集は評価時にすでに追加されているサーバの場合も行われますが、新しいサーバの追加は行えません。たとえば、評価時に約 100 台のサーバを追加し、購入しているのが 25 サーバ ライセンスの場合は、評価ライセンスの期限が切れた後に、新しいサーバを追加できなくなります。また、高度なライセンスなしでは設定に関連する操作を実行できなくなります。

  • インポートされた数のサーバがライセンス使用制限を超えると、Cisco IMC Supervisor は、制限を超えない範囲内でのみサーバをインポートし、追加のサーバではエラー メッセージを表示します。

いずれのライセンスも、入手してインストールするためのプロセスは同じです。ライセンスを取得するには、次の手順を実行します。

  1. Cisco IMC Supervisor をインストールする前に、Cisco IMC Supervisor ライセンス キーを生成し、証明書(製品アクセス キー)を要求します。

  2. シスコのソフトウェア ライセンス サイトに製品アクセス キー(PAK)を登録します(製品アクセス キーの契約履行 を参照してください)。

  3. Cisco IMC Supervisor をインストールした後、ライセンスの更新 の手順に従ってライセンスを更新します。

  4. ライセンスが検証されると、Cisco IMC Supervisor の使用を開始できます。

実行可能な他のさまざまなライセンス タスクについては、「ライセンス タスク」を参照してください。

製品アクセス キーの契約履行

シスコのソフトウェア ライセンス サイトで製品アクセス キー(PAK)を登録するには、次の手順を実行します。

はじめる前に

PAK 番号が必要です。

手順
    ステップ 1   シスコ ソフトウェア ライセンスの Web サイトに移動します。
    ステップ 2   [Product License Registration] ページに転送されたら、トレーニングを受けるか、[Continue to Product License Registration] をクリックして続行してください。
    ステップ 3   [Product License Registration] ページで、[Get New Licenses from a PAK or Token] をクリックします。
    ステップ 4   [Enter a Single PAK or TOKEN to Fulfill] フィールドに PAK 番号を入力します。
    ステップ 5   [Fulfill Single PAK/TOKEN] をクリックします。
    ステップ 6   PAK を登録するために、[License Information] でその他のフィールドに情報を入力します。

    フィールド

    説明

    Organization Name

    組織名。

    Site Contact Name

    サイトの連絡先の名前。

    Street Address

    組織の番地。

    City/Town

    市区町村名。

    State/Province

    都道府県名。

    Zip/Postal Code

    郵便番号。

    Country

    国名。

    ステップ 7   [Issue Key] をクリックします。

    ライセンス契約した機能が表示され、デジタル ライセンス契約書と zip 圧縮のライセンス ファイルが電子メールに添付されて、ユーザ指定の電子メール アドレスに送信されます。


    ライセンス タスク

    [License] メニューを使用して、ライセンスの詳細とリソースの使用率を確認できます。次のライセンス手順は、[Administration] > [License] メニューから使用できます。

    タブ

    説明

    License Keys

    このタブには、Cisco IMC Supervisor で使用されるライセンスの詳細が表示されます。このタブを使用してライセンスをアップグレードすることもできます。新しいバージョンの Cisco IMC Supervisor が使用可能な場合は、ライセンスをアップグレードできます。

    License Utilization

    このタブには、使用中のライセンスおよび各ライセンスの詳細(ライセンスの制限、使用可能期間、ステータス、備考など)が表示されます。ライセンスの監査もこのページから実行できます。

    Resource Usage Data

    このタブには、使用される各種リソースの詳細が表示されます。