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この章では、IX システムの臨場感あふれるビデオ品質を保証するためのネットワークと帯域幅の要件について説明します。この章は、次の項で構成されています。
– パケット損失
– ジッター
– 遅延
(注) このセクションに記載されている帯域幅要件は、ジッターやパケット損失がない環境におけるネットワーク テストに基づいています。極めて解像度が高いビデオでは、わずかなパケット損失やジッターによってユーザ エクスペリエンスが大幅に損なわれることがあります。対話がリアルタイムで行われて自然な会話となるように、遅延を最小限に抑える必要があります。ネットワークの QoS 設定が適切でない場合や、WAN 経由のルーティング効率に問題がある場合は、ビデオ品質が損なわれる可能性があります。
このセクションでは、IX5000 と IX5200 のサービス品質(QoS)の考慮事項について簡単に説明します。IX システムの臨場感あふれる体験の品質には、パケット損失、遅延、ジッターを低減するために、ネットワーク全体の Cisco スイッチおよびルータ上で QoS メカニズムを設定することが必要です。可用性の高いインフラストラクチャを保証するには、ネットワーク障害またはトポロジ変更の発生後に迅速に収束する、冗長なデバイスおよびネットワーク リンクも重要です。後続のいくつかのセクションでは、IX システムのパケット損失、ジッター、および遅延の要件について説明します。
詳細については、以下にある『 Cisco Collaboration System 11.x Solution Reference Network Designs (SRND) 』のドキュメントを参照してください。
https://www.cisco.com/c/en/us/td/docs/voice_ip_comm/cucm/srnd/collab11/collab11.html
IX システムにとってパケット損失は非常に重大であるため、パケット損失が 0.05 % のターゲットを超えないようにネットワークを設定する必要があります。Cisco TelePresence コーデックは 1080pdisplay あたり約 5 Mbps(最大)で送信され、99 % 以上の圧縮に変換されます。パケット損失の総合的な影響は比例的に拡大し、2000 パケットのうちの 1 つが欠落しても(0.05 % のパケット損失)、エンド ユーザには重大な事態になります。
TelePresence Systems のパケット損失要件の詳細については、以下にある『 Cisco TelePresence Network Systems 1.1 Design Guide 』を参照してください。
https://www.cisco.com/c/dam/en/us/td/docs/solutions/TelePresence_Network_Systems_1-1_DG.pdf
ジッターは、ビデオ フレームがエンドポイントに到達する予定時間と到達した実時間との差と定義されます。ジッターには、パケット ジッターとビデオ フレーム ジッターの 2 種類があります。ビデオ フレームは、パケットで囲まれています。
パケット ジッターの場合、『 Cisco Collaboration System 11.x Solution Reference Network Designs(SRND) 』の「 Network Infrastructure 」セクションにあるガイドラインに従う必要があります 。 現在、パケット レベルのジッター レベルは最大 100 ミリ秒(ms)に設定されています。
ジッターは、パケット レベル(ネットワーク層)ではなく、Cisco TelePresence Systems のビデオ フレーム レベル(アプリケーション層)で測定する必要があります。パケット フレーム ジッターが 0 ms のネットワークは、コーデックの RX バッファーがパケットの数が多くて処理できない場合には、ビデオ フレーム レベルでジッターを持つこともできます。したがって、ビデオ フレーム間隔のクロック レートに基づいて、ビデオ フレーム全体の到達時間とそのフレームの到達予定時間とを測定する必要があります。30 fps のクロック レートは 33 ms、60 fps のクロック レートは 16.5 ms です。 表 1-1 にある情報をネットワークのジッターのガイドラインとして使用します。
遠端のシステム コーデックのイーサネット ポートから、近端のシステム コーデックのイーサネット ポートへのジッターを測定します。
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ジッター レートは色分けされています。125 ms 未満のジッター レートは緑色でマークされています。125 ~ 165 ms のジッター レートは黄色でマークされ、165 ms 以上のレートは赤色でマークされています。
ジッター レベルを超過したときにシステム アクションが実行されないとしても、ビデオ フレーム レベルでのジッターはドロップされたビデオ フレームに密接に関係しています。RX バッファーを超えた場合、システムはフレームのドロップを開始します。Cisco TelePresence System は、ドロップされたフレーム数に基づいて通話品質を変更します。
(注) Cisco TelePresence Server を使用するコールにはステータス バーは表示されません。ただし、バーが表示されるとしてもそうでないとしても、取られる手順は同じです。
IX のシステムは各フレームの到着時にジッターを測定し、10 秒ごとおよびコール平均ごとのベースでジッターを報告します。ジッター期間レポートは、最後の 10 秒間のジッター測定結果を示します。ジッター コール レポートは、コールごとの平均ジッター測定を示します。IX 管理インターフェイスでは、 [モニタリング(Monitoring)] > [コール統計(Call Statistics)] ページで両方のレポートにアクセスできます。
(注) IX システムは、ネットワーク デバイスに適用されるビデオ フレーム間(パケット フレーム間ではない)のジッターを測定します。ビデオ フレームは、画面の更新に使用される圧縮された写真です。
IX システムは、フレーム期間で指定された予定到達時間からの最大偏差(早期パケットと遅延パケットの両方)の合計としてジッターを計算します。(遅延パケットは、画像が再構成されて画面に送信された後に配信されるパケットです。これらのパケットは損失していないものの、ビデオ デコーダでは使用できないので、損失パケットと同じ影響があります。)IX システムは、フレームの最終パケットの到達時間に基づいてフレーム ジッターを計算します。
たとえば、測定期間が(10 秒間と 300 フレームではなく)165 ms または 5 フレームの 30 fps ビデオ ストリームの場合、IX システムは 5 回のジッター計算を実行します。ジッター(期間)は 5 ms(または 1 ms/フレーム [5 ms/5 フレーム = 1 ms ジッター/フレーム])と報告されます。
このコールに 2 ジッター期間しかなかった場合、最初の期間のジッター測定は 5 ミリ秒になり、2 番目の期間のジッター測定は 10 ミリ秒になります。ジッター/コールは 7.5 ミリ秒として報告されます。
IX システムは、他の Cisco TelePresence Systems と同様、ネットワーク遅延ターゲットは 150 ms です。このターゲットにはネットワーク フライト時間が含まれますが、コーデック処理時間は含まれません。TelePresence Systems の遅延要件の詳細については、以下にある『 Cisco TelePresence Network Systems 1.1 Design Guide 』を参照してください。
https://www.cisco.com/c/dam/en/us/td/docs/solutions/TelePresence_Network_Systems_1-1_DG.pdf
ここでは、IX5000 および IX5200 の帯域幅に関する考慮事項について説明します。それから、拡張帯域幅制御メカニズムと、それらのメカニズムが IX5000 および IX5200 にどのように実装されているかを説明します。
(注) このセクションは以前は、“IX ソフトウェア機能” sectionに記載されていました。
IX5000 および IX5200 で臨場感あふれるビデオ エクスペリエンスを提供するには、システムのピーク帯域幅要件を慎重に計画する必要があります。必ず、全体的なトラフィック要件に対応するのに十分な帯域幅がサービス プロバイダーからプロビジョニングされるようにしてください。IX は、次の帯域幅管理メカニズムをサポートしています。
ビデオ圧縮の性質上、TelePresence トラフィックの量はマイクロバーストによって変動する可能性があります。ビデオ会議中のピーク レートは、次のような場合によく発生します。
マイクロバーストが発生すると、ネットワーク パケット損失が発生し、修復フレームの作成がトリガーされ、それによって帯域幅利用プロファイルのトラフィックがさらに変動することがあります。IX システムでは、拡張エンコーダ レート コントロールとパケット ペーシングを使用して、一定の帯域幅の使用平均を維持し、ネットワーク データ トラフィックのマイクロバーストを抑制します。詳細については、“Gradual Decoder Refresh(GDR)” sectionおよび“エンコーダ ペーシング” sectionを参照してください。
Gradual Decoder Refresh は、フレーム修復要求を実行するために IDR(Instantaneous Decoder Refresh)の代わりに使用されます。IDR フレームは他のフレームよりもはるかに大きいため、IDR はビデオ トラフィックのマイクロバーストの原因となることがよくあります。GDR は、いくつかのフレームで画像を徐々にリフレッシュして、よりスムーズでバースト性の低いビットストリームを提供します。IX システムは、IX システムと以下のシステム間のポイントツーポイント コールにおける H.264 メイン ビデオ用に GDR をサポートしています。
GDR は、IX システムと以下のシステム間のコールにおける H.264 ポイントツーポイント プレゼンテーション ビデオ用にサポートされています。
GDR の詳細な概念情報については、『 Cisco Collaboration System 11.x Solution Reference Network Designs(SRND) 』の「Bandwidth Management」を参照してください。
エンコーダ ペーシングは、パケットを可能な限り均等に分散して帯域幅のバーストのピークを抑制するために使用される帯域幅管理の手法です。ネットワーク パケット ペーシングはビデオ エンコーダの後に IX5000 で使用されます。
エンコーダ ペーシングはすべてのコール シナリオでサポートされます。エンコーダ ペーシングの詳細な概念情報については、『 Cisco Collaboration System 11.x Solution Reference Network Designs(SRND) 』の「Bandwidth Management」を参照してください。
マイクロバーストは、帯域幅が比較的に短い間隔(100 ミリ秒など)で測定される場合に頻繁に発生します。マイクロバーストは、ビデオ コール中に帯域幅が 1 秒以上の間隔で測定される場合には、あまり頻繁に発生しません。
IX システムにおけるエンコーダ ペーシングの実行に関する帯域幅の統計を測定する場合は、以下のことに注意してください。
Touch 10 デバイスで表示される統計は、エンコーダとデコーダの動作およびジッター バッファ状態に関する瞬間的な測定値を示すものに過ぎません。それらの統計は、使用されている帯域幅の正確な測定値を必ずしも表すものではなく、エンコーダ ペーシング メカニズムが適用される前の帯域幅として見なす必要があります。
IX システムで臨場感あふれるビデオ エクスペリエンスを実現するため、確実に、サービス プロバイダーから十分な帯域幅がプロビジョニングされるようにしてください。他のシステムと同様、IX システムでは、ネットワーク オーバーヘッドとマイクロバーストによる吸収を考慮して、平均の帯域幅使用量に加え、帯域幅消費に余裕をもたせる必要があります。
表 1-2 、 表 1-3 、 表 1-4 、および 表 1-5 に、さまざまなコール シナリオに対応するためにサービス プロバイダーからプロビジョニングされる帯域幅の推奨量を示します。
推奨帯域幅に関するガイドラインには、次の情報が適用されます。
帯域幅要件の計算については、“エンドポイントが fps およびビデオ品質をどのように決定するかを理解する” sectionを参照してください。
表 1-2 に、H.264 における 1080p30 コンテンツの帯域幅のプロビジョニングに関するガイドラインを示します。
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IX システムから CTS または TX システム1 |
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IX システムから Cisco TelePresence Server2 |
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2.Cisco TelePresence Server では、TIP/MUX コールでのみ、「良」品質のモーションをサポートしています。 |
表 1-3 に、H.264 における 1080p5 コンテンツの帯域幅のプロビジョニングに関するガイドラインを示します。
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IX システムから CTS または TX システム3 |
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表 1-4 に、H.265 における 1080p30 コンテンツの帯域幅のプロビジョニングに関するガイドラインを示します。
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表 1-5 に、H.265 における 1080p5 コンテンツの帯域幅のプロビジョニングに関するガイドラインを示します。
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Cisco TelePresence IX5000 System は、ポイントツーポイント コール中に 60 fps(1 秒あたりのフレーム数)で 1080p の品質(1080p60)でメイン ビデオを送受信できます。ここでは、60 fps で 1080p のメイン ビデオ機能について説明します。
Cisco TelePresence 環境で 60 fps のメイン ビデオ機能をイネーブルにするには、次の設定が必要です。
– [電話の設定(Phone Configuration)] ページの [メインディスプレイの 1 秒あたりのフレーム数(Main Display Frames Per Second)] を「60 fps メイン(60 fps main)」に設定します。詳細については、『 Configuring Cisco Unified Communications Manager for the IX System 』の「 Product Specific Configuration Layout Area 」を参照してください。
– (任意)[電話の設定(Phone Configuration)] ページの [ビデオ帯域幅割り当ての重み付け(Video Bandwidth Allocation Weights)] を適切に設定します。このパラメータの詳細については、“ビデオ帯域幅割り当ての重み付け” sectionを参照してください。
必要な設定を行うと、IX エンドポイントが 60 fps の最大フレーム レートでメイン ビデオを送受信できるようになります。
Cisco TelePresence コール設定時に、送受信エンドポイントは送受信するビデオ ストリームの fps(30 または 60 fps)とビデオ品質(1080p または 720p)を決定します。
帯域幅の最小量は、Unified CM の [電話の設定(Phone Configuration)] ページの [メインディスプレイの 1 秒あたりのフレーム数と品質(ディスプレイあたり)(Main Display Frames Per Second and Quality (Per Display))] の設定によって決定されます。図 1-1 および 表 1-6 に、H.265 の場合の Unified CM 設定に基づく 30 fps および 60 fps のコールの帯域幅要件を示します。図 1-2 および 表 1-7 に、H.264 の場合の相当する帯域幅要件を示します。
リージョン設定を確認するには、Cisco Unified CM の管理 GUI にログインし、[ システム(System)] > [リージョン(Region) ] に移動します。最大レートは、[ビデオコールの最大ビットレート(オーディオを含む)(Max Video Call Bit Rate (Includes Audio))] フィールドに表示される値です。
表 1-6 および 表 1-7 では、表の最初の 3 つの列が必要条件を示しています。結果として送信できるビデオ ストリームが表の 4 番目の列に示されています。
いずれかの要素が最小要件を満たしていなければ、システムは、 表 1-10 に示すように、次に低いレートでビデオを送受信しようとします。
たとえば、ネットワークが 1080p 60 の最高ビデオ品質でビデオ ストリームを送信するための最小要件を満たすことができない場合、システムは 720p 60 のビデオ ストリームをネゴシエートしようとします。システムは、720p 60 のビデオ ストリームを送信するための要件を満たすことができない場合には、 表 1-10 に示すように、720p 30 のビデオ ストリームをネゴシエートしようとします。
コールが保留状態になり、その後再開された場合には、同じ要素を使用して帯域幅の量が再びネゴシエートされます。
(注) これらのレートは、ビデオ ストリームごとに指定され、プレゼンテーション ストリームを含みません。IX システムには 3 つのディスプレイ用に 3 つのビデオ ストリームがあるため、この数字に 3 を掛けます。それから、表 1-15 に示されているプレゼンテーションに必要な帯域幅を足して、必要なネットワーク帯域幅を算出します。
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図 1-1 は H.265 ビデオ圧縮形式を使用する場合に必要な帯域幅を示し、図 1-2 は H.264 形式を使用する場合に必要な帯域幅を示します。
図 1-1 Unified CM 品質ごとの H.265 帯域幅要件(ディスプレイあたり)
図 1-2 Unified CM 品質ごとの H.264 帯域幅要件(ディスプレイあたり)
表 1-8 に H.265 の場合の 30 fps と 60 fps のコールに対する帯域幅要件を示し、 表 1-9 に H.264 の場合の同じ情報を示します。
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60 fps 対応の Cisco TelePresence エンドポイントとデバイスは、次の状況では、30 fps でメイン ビデオ ストリームを送信します。
IX ソフトウェアがネットワーク品質の変化を検知すると、アイコンがメイン ディスプレイ画面に表示されます。接続品質が不良状態になると、コールは終了されます。
表 1-11 で、メイン ディスプレイに表示されるコール接続ステータス アイコンについて説明します。
(注) 5 本、4 本、3 本のバーを使用して、コールのビデオ レート(1080p、720p、または CIF)が示されます。残りのバーを使用してパケット損失が示されます。コールのバーの数が 1 本または 2 本までに減った場合は、表 1-11 に示すレートで過度のパケット損失がネットワークで発生していることを意味します。
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(注) Cisco TelePresence Server(TS)を使用して 30 fps で 1080p のコールを実行する場合は、パケット損失がなくてもバーは 4 本しか表示されません。 |
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ここでは、サポートされているプレゼンテーションの解像度およびプレゼンテーションのオーディオとビデオのケーブルに関する情報を説明し、次の項があります。
IX ソフトウェアを実行しているシステムは、1 秒あたり 30 フレームで最大 1080p(1080p 30)の高解像度(HD)プレゼンテーションをサポートしています。Cisco TelePresence IX5000 および IX5200 システムは、HD プレゼンテーション機能をサポートしています。
IX5000 システムのプレゼンテーション ケーブルには次のデジタル コネクタがあります:DisplayPort、ミニ DisplayPort、HDMI。
さまざまなサードパーティ製のプレゼンテーション デバイスが IX システムのプレゼンテーション ケーブルのコネクタでサポートされています。サポートされるプレゼンテーション デバイスは次のとおりです。
(注) 一部の Apple デバイスでは、プレゼンテーションの共有に使用されている場合、画面に点滅が表示されることがあります。この問題が発生した場合は、解像度の質を低い解像度に変更します。
HD プレゼンテーション信号の幅と高さの比例関係(別名 縦横比 )は 16:9 であるのに対し、アナログのプレゼンテーション信号の場合は 4:3 です。
表 1-12 に、プレゼンテーション デバイスによって共有される共通解像度、対応する縦横比、および解像度をサポートするプレゼンテーション デジタル ケーブルの概要を示します。IX システムは表に示すプレゼンテーション解像度のすべてをサポートしていますが、EDID(Extended Display Identification Data)は 1080p、720p および VGA のみをサポートしています。
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(注) 一部のプレゼンテーション解像度では、プレゼンテーション表示領域のすべてのスペースが占領されないことがあります。たとえば、プレゼンテーションを送信しているラップトップの解像度が 1600x900 に設定され、プレゼンテーション ディスプレイの解像度が 1920x1080 に設定されている場合、ディスプレイに表示される画像は 1600x900 ピクセルでその周りに黒枠が付き、ピクセルの合計サイズは 1920x1080 になります。
PC を使用しているときにプレゼンテーション ディスプレイの周りに表示される黒枠をなくすには、PC のコントロール パネルを開き、PC の [デスクトップの背景の変更(Change Desktop Background)] に移動して、画像位置を「塗りつぶし(Fill)」に変更します。
Binary Floor Control Protocol(BFCP)と TelePresence Interoperability Protocol(TIP)の両方がコールに対してネゴシエートされた場合、TIP が優先され、BFCP はプレゼンテーションの制御に使用されません。BFCP は、IX ソフトウェアを実行するシステムのプレゼンテーションを制御するための優先プロトコルとなります。
表 1-13 に、IX エンドポイントで機能するように HD プレゼンテーションをイネーブルにする Unified CM の設定について説明します。追加設定は必要ありません。
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各 IX エンドポイントでは、 BFCP を使用している場合でも 、SIP プロファイルに対し標準 SIP プロファイルを使用します(標準 SIP BFCP プロファイルではなく)。 |
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[電話の設定(Phone Configuration)] ウィンドウ内の [プロトコル固有情報(Protocol Specific Information)] 領域の [BFCP を使用するプレゼンテーション共有を許可(Allow Presentation Sharing Using BFCP)] チェックボックスを必ずオンにしてください。 |
BFCP の設定の詳細については、『 Configuring Cisco Unified Communications Manager for the IX System 』の「 Configuring the BFCP over UDP Collaboration Feature 」を参照してください。 |
電話の設定では、[ビデオ帯域幅割り当ての重み付け(Video Bandwidth Allocation Weights)] のデフォルト値は [8 メイン/2 プレゼンテーション(8 Main/ 2 Presentation)] です。必要に応じてこの設定を調整します。 |
このパラメータの詳細については、“ビデオ帯域幅割り当ての重み付け” sectionを参照してください。 |
Unified CM 設定の詳細については、『 Configuring Cisco Unified Communications Manager for the IX System 』を参照してください。
HD プレゼンテーションの場合は、コンテンツを共有している IX ソフトウェアを実行しているシステムは、共有されるコンテンツ(スライド プレゼンテーション、ドキュメント、ビデオなど)の解像度を自動的に変更できます。 表 1-14 に、一般的なプレゼンテーション デバイス ディスプレイの解像度と、IX エンドポイントによって拡大縮小および送信できるコンテンツの解像度の概要を示します。
一般に、HD プレゼンテーションは次の拡大縮小方式をサポートします。
拡大縮小はネットワークの低帯域幅に対応するために実行されます。IX ソフトウェアを実行しているシステムは、プレゼンテーションを拡大縮小する前に、プレゼンテーションのフレーム レートを下げます。これによりビデオのクリアさが維持されます。
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各タイプのビデオが送信される解像度とフレーム レートは、使用可能な帯域幅に基づいています。
表 1-8および表 1-9に、サポートされる 60 fps メイン ビデオ送信解像度とフレーム レートに必要な帯域幅を示し、 表 1-15 に、サポートされる HD プレゼンテーション送信解像度とフレーム レートに必要な帯域幅を示します。
(注) 表 1-15 での説明どおりにどの程度ネットワーク帯域幅が実際に使用されるかに関係なく、IX システムは必ず HD 表示(4000Kbps)用に最大量の帯域幅をネゴシエートします。
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4.これらの帯域幅レートは必要最小限のレートです。最大限のパフォーマンスを実現するには、さらに高い帯域幅が推奨最小帯域幅となります。 |
複数のプレゼンテーション ストリームをサポートするコールでは、追加分のストリームごとに必要な帯域幅を増やします。IX エンドポイント間の P2P コールで 2 つのプレゼンテーション ストリームを使用する場合、必要な帯域幅は 2 倍になります。たとえば、1080p60 の 2 つのプレゼンテーション ストリームでは 8 Mbps が必要です。
ビデオおよびプレゼンテーション コンテンツの帯域幅計算の詳細については、“サンプル帯域幅の計算” sectionを参照してください。
ヒント 制限された帯域幅のシナリオで、fps が高く解像度は低いプレゼンテーションを送信する場合は、プレゼンテーションの送信元でプレゼンテーションの解像度を変更できます。たとえば、最大レートが 1000 Kbps の条件で、1920x1080 のプレゼンテーションを 5 fps で送信する場合、プレゼンテーションの解像度を 640x480 に変更することで 640X480 のプレゼンテーションを 30 fps で送信できます。
IX と IX 間のポイントツーポイント会議では、最大 2 つのプレゼンテーション ストリーム(たとえば、1 つのプレゼンテーション コンテンツ ソースと 1 つのホワイトボード ソース)を共有できます。ビデオ会議を使用せずにローカルで会議を開く場合は、最大 3 つのプレゼンテーション ストリームを共有できます。
ビデオ帯域幅割り当ての重み付けパラメータを使用すると、会議中のメイン ビデオとプレゼンテーション ビデオの帯域幅比のバランスをとることができます。
この機能は、オーディオ、メイン ビデオ、およびプレゼンテーション ビデオのメディア ストリームを送信するために Cisco TelePresence エンドポイントが使用するセッション帯域幅の量が利用可能なセッション帯域幅を超えている場合に使用します。
Unified CM 管理コンソールの [プロダクト固有の設定(Product Specific Configuration Layout)] 領域の [帯域幅割り当ての重み付け(Bandwidth Allocation Weights)] フィールドにこの値を追加します。
重みは合計数 10m に基づくものであり、このパラメータのデフォルト値は、メイン ビデオの場合はウェイトが 8 で、プレゼンテーション ビデオの場合はウェイトが 2 です(8 メイン/2 プレゼンテーション)。
Cisco TelePresence System IX5000 は帯域割り当て機能をサポートしています。
次の値がこの機能に対してサポートされています。最初の値はメイン ビデオのウェイトで、2 番目の値はプレゼンテーション ビデオのウェイトです。
(注) 使用される帯域幅割り当てウェイトをシステム操作ログで参照する場合は、Unified CM リージョン設定を確認し、ビデオと臨場感あふれるビデオ コールのための十分なビデオ帯域幅が許可されていることを確認します。Unified CM リージョン設定により帯域幅割り当てウェイトが頻繁にトリガーされることがあり、これにより通話品質は大幅に低下する可能性があります。
1080p30 のプレゼンテーションを使用するフル 1080p60 の「最高」品質のコールでは、次の帯域幅が必要になります。
H.265:8.1 Mbps (メイン ビデオ)+ 4 Mbps(1080p30 のプレゼンテーション ビデオ)= 12.1 Mbps
H.264:13.5 Mbps(メイン ビデオ)+ 4 Mbps(1080p30 のプレゼンテーション ビデオ)= 17.5 Mbps
(注) メイン ビデオのレートは、ディスプレイごとのレートにディスプレイ数(3)を掛けて計算します。H.265 では、表 1-8 のレートの場合、画面ごとのレートは 1080p60(「高」品質)で 2.7 Mbps となり、H.264 では、表 1-9 のレートの場合、画面ごとのレートは 1080p60(「高」品質)で 4.5 Mbps となります。これらの数を掛けると、ビデオ レートはそれぞれ 8.1 Mbps と 13.5 Mbps になります。
使用可能な帯域幅に合わせるために、エンドポイントはビデオ帯域幅割り当ての重み付けパラメータの値を含むこれらの汎用式に基づいて計算を実行します。
セッション ビデオ帯域幅( SVB )= セッション帯域幅の合計 - オーディオ帯域幅
メイン ビデオのウェイト( Mwt )= メイン ビデオ ストリームに設定されたウェイト
メイン ビデオの総ウェイト( T_Mwt )= ストリーム数 X メイン ビデオのウェイト
プレゼンテーション ビデオのウェイト( Pwt )= プレゼンテーション ビデオ ストリームに設定されたウェイト
プレゼンテーション ビデオの総ウェイト( T_Pwt )= ストリーム数 X プレゼンテーション ビデオのウェイト
使用可能なネットワーク帯域幅の合計が 6.0 Mbps であり、プレゼンテーション ストリームが 1 つの場合は、次のようになります。
T_Mwt = (3(メイン ビデオ ストリームの数)X 8) (Mwt) = 24
T_Pwt = (1(プレゼンテーション ビデオ ストリームの数)X 2) (Pwt) = 2
割り当てられるメイン ビデオ帯域幅 = 6 X (24/26) = 5.53 Mbps(ディスプレイあたり 1.84 Mbps)
割り当てられるプレゼンテーション ビデオ帯域幅 = 6 X (2/26) = 0.47 Mbps
H.265 では、 表 1-8 のレートの場合、ディスプレイあたり1.84 Mbps は 720p60(「良」品質)または 1080p30(「高」品質)をサポートするには十分です。どちらの解像度になるかは、最初のコールが 60 fps であるか 30 fps であるかによって決まります。
H.264 では、 表 1-9 のレートの場合、ディスプレイあたり1.84 Mbps は 720p30(「良」品質)をサポートするには十分です。
H.264 と H.265 のどちらのエンコーディングでも、 表 1-15 のレートの場合、受信では 5 fps で解像度 720p のストリームを、送信では 5 fps で 640x480 のストリームをサポートします。
(注) この例では、ストリームが 1 つであると想定しています。コンテンツ ストリームの数が増えると、コンテンツごとに使用可能な帯域幅ストリームが 2 で割られるので、計算結果が変わります。