拡張オブジェクト トラッキングの設定

拡張オブジェクトトラッキングの制約事項

すべてのトラッキング設定は、デバイスのリロード後にすべてのレイヤ 3 サブインターフェイスで再設定する必要があります。トラッキング設定を再設定する前に、すべてのレイヤ 3 サブインターフェイスがアクティブになるように、デバイスでのすべてのリロード操作を完了しておく必要があります。

拡張オブジェクト トラッキングに関する情報

ここでは、拡張オブジェクトトラッキングに関する情報について説明します。

拡張オブジェクト トラッキングの概要

拡張オブジェクト トラッキング機能が導入される前は、ホットスタンバイ ルータ プロトコル(HSRP)に単純なトラッキング メカニズムが内蔵されていますた。このメカニズムでは、インターフェイスのラインプロトコルのステートしか追跡することができませんでした。インターフェイスのラインプロトコル ステートがダウンになった場合、ルータの HSRP 優先度は削減され、より高い優先度のもう 1 つの HSRP ルータがアクティブになることができます。

拡張オブジェクト トラッキング機能は、HSRP からトラッキング メカニズムを分離させて、独立したトラッキング プロセスを別途生成します。これにより、HSRP 以外のプロセスがこのトラッキング プロセスを使用できます。この機能を使用すると、インターフェイスのラインプロトコルのステートに加えて他のオブジェクトも追跡できます。

HSRP、仮想ルータ冗長プロトコル(VRRP)、Gateway Load Balancing Protoco(GLBP)などのクライアント プロセスで、トラッキング オブジェクトに対する興味を登録し、追跡対象オブジェクトの状態が変化したときに通知を受け取るようにすることができます。

各追跡対象オブジェクトには、トラッキング コマンドライン インターフェイス(CLI)で指定される一意の番号があります。クライアント プロセスは、この番号を使用して特定のオブジェクトを追跡します。トラッキング プロセスは、追跡対象オブジェクトに値の変化がないかどうかを定期的にポーリングし、(アップまたはダウン値など)変化があれば登録されているクライアント プロセスに通知します。ただちに通知する場合と、指定された時間遅延後に通知する場合があります。同じオブジェクトを複数のクライアントが追跡して、オブジェクトのステートが変化した場合に、それぞれが異なるアクションを実行できます。

複数のオブジェクトを組み合わせて 1 つのリストにして追跡することもできます。このリストの状態判定には、重みしきい値またはパーセンテージを使用します。オブジェクトの組み合わせには、ブール ロジックを使用できます。「AND」ブール関数を使用する追跡リストの場合、リスト内の各オブジェクトがアップ ステートでないと追跡対象オブジェクトはアップになりません。「OR」ブール関数を使用する追跡リストの場合、リスト内の 1 つのオブジェクトだけがアップ ステートであれば追跡対象オブジェクトはアップになります。

インターフェイス ラインプロトコルまたは IP ルーティング ステートのトラッキング

インターフェイス ラインプロトコル ステートまたはインターフェイス IP ルーティング ステートのいずれかを追跡できます。IP ルーティング ステートを追跡する場合、オブジェクトをアップするには次の 3 つの条件が必要です。

  • インターフェイス上で IP ルーティングがイネーブル、かつアクティブになっている。

  • インターフェイス ラインプロトコル ステートが使用可能な状態(アップ)にある。

  • 既知のインターフェイス IP アドレスを使用している。

この 3 つの条件がすべて合致しないと、IP ルーティング ステートはダウンになります。

追跡リスト

オブジェクトの追跡リストは、ブール式、重みしきい値、またはパーセントしきい値を使用して設定できます。トラッキング対象リストには 1 つまたは複数のオブジェクトが含まれます。オブジェクトは存在していないと追跡リストに追加できません。

  • 設定にブール式による演算を指定する場合は、「AND」または「OR」演算子を使用します。

  • 追跡リストのステートを重みしきい値で判定する場合は、追跡リスト内の各オブジェクトに重み番号を割り当てます。追跡リストのステートは、このしきい値に合致したかどうかで判定されます。各オブジェクトのステートは、すべてのオブジェクトの重みの合計と各オブジェクトのしきい値の重みを比較して判定されます。

  • 追跡リストをパーセントしきい値で判定する場合は、追跡リスト内のすべてのオブジェクトにパーセントしきい値を割り当てます。各オブジェクトのステートは、各オブジェクトに割り当てたパーセンテージとリストを比較して判定されます。

他の特性のトラッキング

拡張オブジェクト トラッキングを使用して他の特性を追跡することもできます。

  • track ip route reachability グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用すると、IP ルートの到達可能性を追跡できます。

  • track ip route metric threshold グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用すると、ルートがしきい値を超えているか下回っているかを確認できます。

  • track resolution グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用すると、ルーティングプロトコルのメトリック解決のデフォルト値を変更できます。

  • track timer tracking コンフィギュレーション コマンドを使用すると、トラッキング対象オブジェクトを定期的にポーリングするようにトラッキングプロセスを設定できます。

拡張オブジェクトトラッキング設定を確認する場合は、 show track 特権 EXEC コマンドを使用してください。

IP SLA オブジェクト トラッキング

Cisco IOS IP サービス レベル契約(SLA)は、ネットワーク パフォーマンスの測定と診断を行うツールです。ネットワーク パフォーマンスを測定するためのトラフィック生成には、アクティブ モニタリングが使用されます。Cisco IP SLA 動作は、ネットワークのトラブルシューティングや設計、分析に使用できるリアルタイム メトリックを収集します。

IP SLA 動作のオブジェクト トラッキングを活用すると、クライアントは IP SLA オブジェクトの出力を追跡して、その情報をアクションのトリガーに使用できます。各 IP SLA 動作は、OK または OverThreshold のような簡易ネットワーク管理プロトコル(SNMP)動作の戻りコード値を保持しているため、トラッキング プロセス側で解釈できます。ステートと到達可能性という IP SLA 動作の 2 つの側面をトラッキングできます。ステートの場合、戻りコードが OK のとき、トラック ステートがアップします。リターン コードが OK ではないとき、トラック ステートはダウンします。到達可能性の場合、戻りコードが OK または OverThreshold のとき、到達可能性がアップします。リターン コードが OK ではないとき、到達可能性はダウンします。

スタティック ルート オブジェクト トラッキング

拡張オブジェクトトラッキングを使用したスタティック ルーティング サポートにより、デバイスで ICMP ping を使用して、設定済みのスタティックルートまたは DHCP ルートがダウンしていることを認識できます。トラッキングを有効にしている場合、システムはルート ステートを追跡し、ステートの変化をクライアントに通知できます。スタティック ルート オブジェクト トラッキングは、プライマリ ゲートウェイへの接続状態をモニターするために、Cisco IP SLA を使用して ICMP ping を生成します。

拡張オブジェクト トラッキングの設定方法

ここでは、拡張オブジェクトトラッキングに関する設定情報について説明します。

インターフェイスでのライン ステート プロトコルまたは IP ルーティング ステートのトラッキングの設定

インターフェイスのラインプロトコル ステートまたは IP ルーティング ステートを追跡するには、次の手順を実行します。

手順

  コマンドまたはアクション 目的

ステップ 1

enable

例:


Device> enable

特権 EXEC モードを有効にします。

パスワードを入力します(要求された場合)。

ステップ 2

configure terminal

例:


Device# configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

track object-number interface interface-id line-protocol

例:

Device(config)# track 33 interface gigabitethernet 1/0/1 line-protocol

(任意)インターフェイスのラインプロトコル ステートを追跡するための追跡リストを作成し、トラッキング コンフィギュレーション モードを開始します。

  • object-number:追跡対象オブジェクトの番号です。指定できる範囲は 1 ~ 500 です。

  • interface interface-id は、追跡されるインターフェイスです。

ステップ 4

delay { object-number up seconds [down seconds] | [up seconds] down seconds}

(任意)追跡対象オブジェクトのステート変更の通信を遅延させる時間(秒)を指定します。指定できる範囲は 1 ~ 180 秒です。

ステップ 5

exit

グローバル コンフィギュレーション モードに戻ります。

ステップ 6

track object-number interface interface-id ip routing

例:

Device(config)# track 33 interface gigabitethernet 1/0/1 ip routing

(任意)インターフェイスの IP ルーティング ステートを追跡するための追跡リストを作成し、トラッキング コンフィギュレーション モードを開始します。IP ルート追跡では、ルーティング テーブル内の IP ルートおよびインターフェイスの IP パケット ルーティング機能を追跡します。

  • object-number:追跡対象オブジェクトの番号です。指定できる範囲は 1 ~ 500 です。

  • interface interface-id は、追跡されるインターフェイスです。

ステップ 7

delay { object-number up seconds [down seconds] | [up seconds] down seconds}

(任意)追跡対象オブジェクトのステート変更の通信を遅延させる時間(秒)を指定します。指定できる範囲は 1 ~ 180 秒です。

ステップ 8

end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 9

show trackobject-number

指定したオブジェクトが追跡されているかどうかを確認します。

追跡リストの設定

ここでは、追跡リストに関する設定情報について説明します。

重みしきい値による追跡リストの設定

重みしきい値による追跡を行うには、複数オブジェクトを含んだ追跡リストを作成し、重みをしきい値として使用することを指定したあと、各オブジェクトに重み値を設定します。各オブジェクトのステートは、アップであるすべてのオブジェクトの重み合計と各オブジェクトのしきい値の重みを比較して判定されます。

重みしきい値のリストには、「NOT」ブール演算子を使用できません。

重みしきい値を使用してオブジェクトの追跡リストを作成し、各オブジェクトに重み値を設定するには、次の手順を実行します。

手順
  コマンドまたはアクション 目的

ステップ 1

enable

例:

Device> enable

特権 EXEC モードを有効にします。

パスワードを入力します(要求された場合)。

ステップ 2

configure terminal

例:

Device# configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

track track-number list threshold {weight}

例:
Device(config)# track 4 list threshold weight

トラッキング対象リスト オブジェクトを設定し、トラッキング コンフィギュレーション モードを開始します。指定できる track-number の範囲は 1 ~ 500 です。

  • threshold—追跡リストのステートがしきい値に基づくことを指定します。

  • weight— しきい値が重みに基づくことを指定します。

ステップ 4

object object-number [weight weight-number]

例:
Device(config)#object 2 weight 15

追跡対象のオブジェクトを指定します。指定できる範囲は 1 ~ 500 です。任意の weightweight-number には、オブジェクトのしきい値の重みを指定します。範囲は 1 ~ 255 です。

(注)  

 

オブジェクトは存在していないと追跡リストに追加できません。

ステップ 5

threshold weight {up number | [down number]}

例:
Device(config-track)# threshold weight up 30 down 10

(任意)重みしきい値を指定します。

  • upnumber :範囲は 1 ~ 255 です。

  • downnumber :(任意)範囲は upnumber で選択した数値によって異なります。upnumber を 25 に設定すると、down number の範囲は 0 ~ 24 になります。

ステップ 6

delay { up seconds [down seconds] | [up seconds] down seconds}

(任意)追跡対象オブジェクトのステート変更の通信を遅延させる時間(秒)を指定します。指定できる範囲は 1 ~ 180 秒です。

ステップ 7

end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 8

show track object-number

指定したオブジェクトが追跡されているかどうかを確認します。

ステップ 9

copy running-config startup-config

例:

Device# copy running-config startup-config 

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

パーセントしきい値による追跡リストの設定

パーセントしきい値による追跡を行うには、複数オブジェクトを含んだ追跡リストを作成し、パーセンテージをしきい値として使用することを指定したあと、リスト内のすべてのオブジェクトにパーセンテージを指定します。リストのステートは、各オブジェクトに割り当てたパーセンテージとリストを比較して判定されます。

パーセントしきい値のリストには、「NOT」ブール演算子を使用できません。

パーセントしきい値を使用してオブジェクトの追跡リストを設定するには、次の手順を実行します。

手順
  コマンドまたはアクション 目的

ステップ 1

enable

例:

Device> enable

特権 EXEC モードを有効にします。

パスワードを入力します(要求された場合)。

ステップ 2

configure terminal

例:

Device# configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

track track-number list threshold {percentage}

例:
Device(config)# track 4 list threshold percentage

トラッキング対象リスト オブジェクトを設定し、トラッキング コンフィギュレーション モードを開始します。指定できる track-number の範囲は 1 ~ 500 です。

  • threshold—追跡リストのステートがしきい値に基づくことを指定します。

  • percentage— しきい値がパーセンテージに基づくことを指定します。

ステップ 4

object object-number

例:
Device(config)# object 1

追跡対象のオブジェクトを指定します。指定できる範囲は 1 ~ 500 です。

(注)  

 

オブジェクトは存在していないと追跡リストに追加できません。

ステップ 5

threshold percentage {up number | [downnumber]}

例:
Device(config)# threshold percentage up 51 down 10

(任意)パーセントしきい値を指定します。

  • upnumber :範囲は 1 ~ 100 です。

  • downnumber :(任意)範囲は upnumber で選択した数値によって異なります。upnumber を 25 に設定すると、down number の範囲は 0 ~ 24 になります。

ステップ 6

delay { up seconds [down seconds] | [up seconds] down seconds}

(任意)追跡対象オブジェクトのステート変更の通信を遅延させる時間(秒)を指定します。指定できる範囲は 1 ~ 180 秒です。

ステップ 7

end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 8

show track object-number

指定したオブジェクトが追跡されているかどうかを確認します。

ステップ 9

copy running-config startup-config

例:

Device# copy running-config startup-config 

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

HSRP オブジェクト トラッキングの設定

特定のオブジェクトを追跡し、そのオブジェクトのステートに基づいて HSRP プライオリティを変更できるようにスタンバイ HSRP グループを設定するには、次の手順を実行します。

手順

  コマンドまたはアクション 目的

ステップ 1

enable

例:


Device> enable

特権 EXEC モードを有効にします。

  • パスワードを入力します(要求された場合)。

ステップ 2

configure terminal

例:


Device# configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

track object-number {interface interface-id {line-protocol | ip routing} | ip route ip address/prefix-length {metric threshold | reachability} list {boolean {and | or}} | {threshold {weight | percentage}}}

(任意)設定されたステートを追跡するための追跡リストを作成し、トラッキング コンフィギュレーション モードを開始します。

  • object-number:追跡対象オブジェクトの番号です。指定できる範囲は 1 ~ 500 です。

  • 追跡するインターフェイスを指定するには、interface interface-id を入力します。

  • インターフェイス ライン プロトコルの状態を追跡するには line-protocol を入力します。また、インターフェイス IP ルーティングの状態を追跡するには、ip routing を入力します。

  • IP ルートの状態を追跡するには、ip route ip-address/prefix-length を入力します。

  • しきい値メトリックを追跡する場合は metric threshold 、ルートが到達可能かどうかを追跡するには reachability を入力します。

    デフォルトの up しきい値は 254、デフォルトの down しきい値は 255 です。

  • リスト内の一連のオブジェクトを追跡するには、list を入力します。

    (注)  

     

    追跡するインターフェイスごとにこの手順を繰り返してください。

ステップ 4

exit

グローバル コンフィギュレーション モードに戻ります。

ステップ 5

interface { interface-id

インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 6

standby [group-number] ip [ip-address secondary]]

HSRP グループの番号および仮想 IP アドレスを使用して、HSRP グループを作成(またはイネーブルに)します。

  • (任意)group-number :HSRP をイネーブルにするインターフェイスのグループ番号を入力します。指定できる範囲は 0 ~ 255 です。デフォルトは 0 です。HSRP グループが 1 つしかない場合は、グループ番号を入力する必要はありません。

  • (1 つのインターフェイスで必須、それ以外は任意)ip-address :ホットスタンバイ ルータ インターフェイスの仮想 IP アドレスを指定します。少なくとも 1 つのインターフェイスに対して仮想 IP アドレスを入力する必要があります。他のインターフェイスは、その仮想 IP アドレスを学習します。

  • (任意)secondary :IP アドレスがセカンダリ ホット スタンバイ ルータ インターフェイスであることを指定します。このキーワードが省略された場合、設定されたアドレスはプライマリ IP アドレスになります。

ステップ 7

standby [group-number] track [object-number [decrement priority-decrement]]

特定のオブジェクトを追跡し、そのオブジェクト ステートに基づいてホットスタンバイ プライオリティを変更できるように HSRP を設定します。

  • (任意)group-number :追跡が適用されるグループ番号を入力します。

  • object-number :追跡対象のオブジェクト番号を入力します。指定できる範囲は 1 ~ 500 で、デフォルトは 1 です。

  • (任意)secondary :IP アドレスがセカンダリ ホット スタンバイ ルータ インターフェイスであることを指定します。このキーワードが省略された場合、設定されたアドレスはプライマリ IP アドレスになります。

  • (任意)decrementpriority-decrement :追跡対象のオブジェクトがダウンになった場合(またはアップに戻った場合)に、ルータのホットスタンバイの優先順位を減少(または増加)させる幅を指定します。指定できる範囲は 1 ~ 255 で、デフォルトは 10 です。

ステップ 8

end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 9

show standby

スタンバイ ルータの IP アドレスおよび追跡ステートを確認します。

ステップ 10

copy running-config startup-config

例:


Device# copy running-config startup-config 

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

IP SLA オブジェクト トラッキングの設定

IP SLA 動作のステートまたは IP SLA IP ホストの到達可能性を追跡するには、次の手順を実行します。

手順

  コマンドまたはアクション 目的

ステップ 1

enable

例:


Device> enable

特権 EXEC モードを有効にします。

パスワードを入力します(要求された場合)。

ステップ 2

configure terminal

例:


Device# configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

track object-number ip sla operation-number {state | reachability}

例:

Device(config)# track 2 ip sla 123 state

トラッキング コンフィギュレーション モードを開始し、IP SLA 動作のステートを追跡します。

  • object-number の範囲は 1 ~ 500 です。

  • operation-number の範囲は 1 ~ 2147483647 です。

ステップ 4

delay { upseconds [down seconds] | [up seconds] down seconds}

(任意)追跡対象オブジェクトのステート変更の通信を遅延させる時間(秒)を指定します。指定できる範囲は 1 ~ 180 秒です。

ステップ 5

end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 6

show track object-number

指定したオブジェクトが追跡されているかどうかを確認します。

ステップ 7

copy running-config startup-config

例:


Device# copy running-config startup-config 

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

スタティック ルート オブジェクト トラッキングの設定

ここでは、スタティック ルート オブジェクト トラッキングに関する設定情報について説明します。

スタティック ルーティング用のプライマリ インターフェイスの設定

スタティック ルーティングのプライマリ インターフェイスを設定するには、次の手順を実行します。

手順
  コマンドまたはアクション 目的

ステップ 1

enable

例:

Device> enable

特権 EXEC モードを有効にします。

パスワードを入力します(要求された場合)。

ステップ 2

configure terminal

例:

Device# configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

interface interface-id

プライマリまたはセカンダリ インターフェイスを選択し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 4

description string

インターフェイスに説明を追加します。

ステップ 5

ip address ip-address mask [secondary]

インターフェイスのプライマリまたはセカンダリ IP アドレスを設定します。

ステップ 6

exit

グローバル コンフィギュレーション モードに戻ります。

DHCP のプライマリ インターフェイスの設定

DHCP のプライマリ インターフェイスを設定するには、次の手順を実行します。

手順
  コマンドまたはアクション 目的

ステップ 1

enable

例:

Device> enable

特権 EXEC モードを有効にします。

パスワードを入力します(要求された場合)。

ステップ 2

configure terminal

例:

Device# configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

interface interface-id

プライマリまたはセカンダリ インターフェイスを選択し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 4

description string

インターフェイスに説明を追加します。

ステップ 5

ip dhcp client route track number

DHCP クライアントを設定し、追加されたルートを指定の追跡番号に関連付けます。有効な数値は 1 ~ 500 です。

ステップ 6

exit

グローバル コンフィギュレーション モードに戻ります。

IP SLA モニタリング エージェントの設定

プライマリ インターフェイスおよびエージェント状態をモニターするトラック オブジェクトを使用して、IP アドレスの ping を実行するように IP SLA エージェントを設定することができます。

Cisco IP SLA でネットワーク モニタリングを設定するには、次の手順を実行します。

手順
  コマンドまたはアクション 目的

ステップ 1

enable

例:

Device> enable

特権 EXEC モードを有効にします。

パスワードを入力します(要求された場合)。

ステップ 2

configure terminal

例:

Device# configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

ip sla operation number

Cisco IP SLA 動作の設定を開始し、IP SLA コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 4

icmp-echo { destination ip-address | destination hostname [source - ipaddr {ip-address | hostname source-interface interface-id]

Cisco IP SLA エンドツーエンド ICMP エコー応答時間動作を設定し、IP SLA ICMP エコー コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 5

timeout milliseconds

要求パケットの応答に対する動作の待機時間を設定します。

ステップ 6

frequency seconds

動作がネットワークに送信される頻度を設定します。

ステップ 7

threshold milliseconds

反応イベントを生成し、その動作の履歴情報を保存するしきい値(ヒステリシス)の上限を設定します。

ステップ 8

exit

IP SLA ICMP エコー コンフィギュレーション モードを終了します。

ステップ 9

ip sla schedule operation-number [life {forever | seconds}] start-time time | pending | now | after time] ageout seconds] [recurring]

例:
Device(config)# track 2 200 state

単一の IP SLA 動作のスケジューリング パラメータを設定します。

  • object-number の範囲は 1 ~ 500 です。

  • operation-number の範囲は 1 ~ 2147483647 です。

ステップ 10

track object-number rtr operation-number state reachability

Cisco IOS IP SLA 動作の状態を追跡し、トラッキング コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 11

end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 12

show track object-number

指定したオブジェクトが追跡されているかどうかを確認します。

ステップ 13

copy running-config startup-config

例:

Device# copy running-config startup-config 

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

ルーティング ポリシーおよびデフォルト ルートの設定

オブジェクト トラッキングを使用してバックアップ スタティック ルーティングのルーティング ポリシーを設定するには、次の手順を実行します。

手順
  コマンドまたはアクション 目的

ステップ 1

enable

例:

Device> enable

特権 EXEC モードを有効にします。

パスワードを入力します(要求された場合)。

ステップ 2

configure terminal

例:

Device# configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

access-list access-list-number

拡張 IP アクセス リストを定義します。オプションの文字を設定します。

ステップ 4

route-map map tag [permit | deny] [sequence-number]

ルートマップ コンフィギュレーション モードを開始し、特定のルーティングから別のルーティングへの再配信ルートの条件を定義します。

ステップ 5

match ip address {access-list number [permit|deny] [sequence-number]

標準または拡張アクセス リストに許可された宛先ネットワーク番号アドレスを持つルートを配信し、パケットのポリシー ルーティングを実行します。複数の番号または名前を入力できます。

ステップ 6

set ip next-hop dynamic dhcp

DHCP ネットワーク専用。DHCP クライアントが学んだ最新のゲートウェイへのネクスト ホップを設定します。

ステップ 7

set interface interface-id

スタティック ルーティング ネットワーク専用。ポリシー ルーティングのルート マップ一致条件をパスした出力パケットの送信場所を指定します。

ステップ 8

exit

グローバル コンフィギュレーション モードに戻ります。

ステップ 9

ip local policy route-map map tag

ルート マップを特定し、ローカル ポリシー ルーティングに使用します。

ステップ 10

ip route prefix mask {ip address | interface-id [ip address]} [distance] [name] [permanent | track track-number] [tag tag]

スタティック ルーティング ネットワーク専用。スタティック ルートを確立します。tracktrack-number を入力し、設定したトラックオブジェクトがアップの場合に限り、静的ルートがインストールされるように指定します。

ステップ 11

end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 12

show ip route track table

IP ルート トラック テーブルの情報を表示します。

ステップ 13

copy running-config startup-config

例:

Device# copy running-config startup-config 

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

拡張オブジェクト トラッキングのモニタリング

下の表に示す特権 EXEC コマンドまたはユーザー EXEC コマンドを使用して、拡張オブジェクトの追跡情報を表示します。

表 1. 追跡情報を表示するコマンド

コマンド

目的

show ip route track table

IP ルート トラック テーブルの情報を表示します。

show track [object-number]

すべての追跡リストまたは指定リストの情報を表示します。

show track brief

すべてのインターフェイスまたは指定されたインターフェイスに対する VTP のステータスおよび設定を表示します。

show track interface [brief]

追跡対象のインターフェイス オブジェクトに関する情報を表示します。

show track ip [object-number] [brief] route

追跡対象 IP ルート オブジェクトの情報を表示します。

show track resolution

追跡対象パラメータの解像度を表示します。

show track timer

追跡対象のポーリング インターバル タイマーを表示します。

拡張オブジェクトトラッキングの機能履歴

次の表に、このモジュールで説明する機能のリリースおよび関連情報を示します。

これらの機能は、特に明記されていない限り、導入されたリリース以降のすべてのリリースで使用できます。

リリース

機能

機能情報

Cisco IOS XE Everest 16.5.1a

拡張オブジェクト トラッキング

拡張オブジェクトトラッキングでは、インターフェイスのラインプロトコル ステート トラッキングのみを許可する HSRP と比較して、高度なトラッキングが可能です。

Cisco Feature Navigator を使用すると、プラットフォームおよびソフトウェアイメージのサポート情報を検索できます。Cisco Feature Navigator には、http://www.cisco.com/go/cfn [英語] からアクセスします。