クラスタ リカバリのシナリオ
この項では、SME クラスタ内で 1 つ以上のスイッチがオフラインであるか、または 1 つのスイッチから別のスイッチにマスター スイッチの割り当てを変更するときに使用する、リカバリ手順について説明します。手順は次のとおりです。
(注) この項の手順では、CLI を使用するトラブルシューティング ソリューションについて説明します。
(注) オフライン スイッチ向け SME クラスタ設定は、CLI を使用して行う必要があります。オンライン スイッチ向け SME クラスタ設定は、DCNM-SAN または CLI を使用して実行できます。
SME クラスタからのオフライン スイッチの削除
1 つ以上のスイッチがオフラインで、マスター スイッチがオンラインの場合にオフライン スイッチを削除するには、次の手順を実行します。
オフライン スイッチ(たとえば、switch2)で、この作業を実行してクラスタをシャットダウンします。
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ステップ 1 |
switch# config t |
コンフィギュレーション モードに入ります。 |
ステップ 2 |
switch(config)# sme cluster ABC switch(config-sme-cl)# shutdown |
オフライン スイッチの ABC クラスタをシャットダウンします。 |
(注) すべてのオフライン スイッチで手順を繰り返します。
クラスタ マスター スイッチで、この作業を実行してオフライン スイッチ(たとえば、switch2)を削除します。
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ステップ 1 |
switch# config t |
コンフィギュレーション モードに入ります。 |
ステップ 2 |
switch(config)# sme cluster ABC switch(config-sme-cl)# no node switch2 |
ABC クラスタ設定から switch2 を削除します。 (注) 手順 1 でシャットダウンされたあらゆるオフライン スイッチに対して、この手順を繰り返します。 |
オフライン スイッチ(switch2)では、この作業を実行してクラスタを削除します。
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ステップ 1 |
switch# config t |
コンフィギュレーション モードに入ります。 |
ステップ 2 |
switch(config)# no sme cluster ABC |
ABC クラスタ設定を削除します。 |
(注) 最初の手順でシャットダウンされたあらゆるオフライン スイッチでクラスタを削除します。
マスター スイッチがオンライン中の 1 つ以上のオフライン スイッチがある SME クラスタの削除
1 つ以上のオフライン スイッチおよびオンライン マスター スイッチが含まれている SME クラスタを削除するには、次の手順を実行します。
注意
クラスタ マスター スイッチをクラスタから削除せずに、オフライン スイッチのクラスタを活性化させるようにしてください。オフライン スイッチは運用クラスタの一部でなかったため、クラスタ マスターはオフライン スイッチの状態を超えて進行していた可能性があります。クラスタ マスターを削除し、オフライン スイッチ上のクラスタを活性化させると、データの破損が発生する可能性があります。
オフライン スイッチ(switch2)で、この作業を実行してクラスタをシャットダウンします。
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ステップ 1 |
switch# config t |
コンフィギュレーション モードに入ります。 |
ステップ 2 |
switch(config)# sme cluster ABC switch(config-sme-cl)# shutdown |
オフライン スイッチの ABC クラスタをシャットダウンします。 |
(注) すべてのオフライン スイッチで手順を繰り返します。
クラスタ マスター スイッチで、オフライン スイッチ(switch2)を削除し、この作業を実行してクラスタを削除します。
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ステップ 1 |
switch# config t |
コンフィギュレーション モードに入ります。 |
ステップ 2 |
switch(config)# sme cluster ABC switch(config-sme-cl)# no node switch2 |
ABC クラスタ設定から switch2 を削除します。 (注) 最初の手順でシャットダウンされたすべてのオフライン スイッチに対して、この手順を繰り返します。 |
ステップ 3 |
switch(config)# no sme cluster ABC |
ABC クラスタ設定を削除します。 |
オフライン スイッチ(switch2)では、この作業を実行してクラスタを削除します。
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ステップ 1 |
switch# config t |
コンフィギュレーション モードに入ります。 |
ステップ 2 |
switch(config)# no sme cluster ABC |
ABC クラスタ設定を削除します。 |
(注) 最初の手順でシャットダウンされたあらゆるオフライン スイッチでクラスタを削除します。
すべてのスイッチがオフラインの場合の SME クラスタの削除
マスター スイッチと他のすべてのスイッチでオフラインになっている場合に SME クラスタを削除するには、次の手順を実行します。
(注) すべてのスイッチがオフラインの場合、クラスタはオフラインです。
オフライン スイッチ(たとえば、switch2)で、この作業を実行してクラスタをシャットダウンします。
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ステップ 1 |
switch# config t |
コンフィギュレーション モードに入ります。 |
ステップ 2 |
switch(config)# sme cluster ABC switch(config-sme-cl)# shutdown |
オフライン スイッチの ABC クラスタをシャットダウンします。 |
(注) すべてのオフライン スイッチでこの手順を繰り返します。
クラスタ マスター スイッチで、クラスタをシャットダウンしてからこの作業を実行してクラスタを削除します。
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ステップ 1 |
switch# config t |
コンフィギュレーション モードに入ります。 |
ステップ 2 |
switch(config)# sme cluster ABC switch(config-sme-cl)# shutdown |
ABC クラスタをシャットダウンします。 |
ステップ 3 |
switch(config)# no sme cluster ABC |
ABC クラスタ設定を削除します。 |
オフライン スイッチ(switch2)では、この作業を実行してクラスタを削除します。
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ステップ 1 |
switch# config t |
コンフィギュレーション モードに入ります。 |
ステップ 2 |
switch(config)# no sme cluster ABC |
ABC クラスタ設定を削除します。 |
(注) 最初の手順でシャットダウンされたあらゆるオフライン スイッチでクラスタを削除します。
SME クラスタの活性化
SME 設定が最新版のスイッチでクラスタを活性化するには、次の手順を実行します。
1 つ以上のスイッチがオフラインで、クラスタが動作不能(たとえば、クォーラム損失による)の場合、次の手順を実行してクラスタを活性化します。このリカバリ手順には、1 つ以上のオフライン スイッチの削除、また残りのスイッチのクラスタの活性化が含まれます。
注意
SME クラスタは、
show sme cluster detail コマンドに表示されているように、SME 設定が最新版のスイッチでのみ活性化する必要があります。設定のバージョンが最も高いものではないスイッチのクラスタを活性化させると、データが損傷する可能性があります。
次のタスクに従って、すべてのスイッチ上のクラスタ設定をシャットダウンします。
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ステップ 1 |
switch# config t |
コンフィギュレーション モードに入ります。 |
ステップ 2 |
switch(config)# sme cluster ABC |
ABC という名前の SME クラスタを作成します。 |
ステップ 3 |
switch(config-sme-cl)# shutdown This change can be disruptive.Please ensure you have read the "SME Cluster Recovery Procedure" in the configuration guide.-- Are you sure you want to continue? (y/n) [n] y switch(config-sme-cl)# |
スイッチの ABC クラスタをシャットダウンします。 |
前の項でシャットダウンした、オフライン スイッチ上のクラスタ設定を、次の作業を実行して削除します。
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ステップ 1 |
switch# config t |
コンフィギュレーション モードに入ります。 |
ステップ 2 |
switch(config)# no sme cluster ABC |
オフライン スイッチの ABC クラスタをシャットダウンします。 |
クラスタ マスター スイッチ上で、次の作業を実行して、すべてのスイッチを削除します。
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ステップ 1 |
switch# config t |
コンフィギュレーション モードに入ります。 |
ステップ 2 |
switch(config)# sme cluster ABC |
ABC という名前の SME クラスタを作成します。 |
ステップ 3 |
switch(config-sme-cl)# no node switchname switch(config)# |
設定からスイッチを削除します。 (注) 削除する必要のあるすべてのスイッチに繰り返します。 |
残りのスイッチ上のクラスタ設定を、次の作業を実行して再起動します。
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ステップ 1 |
switch# config t |
コンフィギュレーション モードに入ります。 |
ステップ 2 |
switch(config)# sme cluster ABC |
ABC という名前の SME クラスタを作成します。 |
ステップ 3 |
switch(config-sme-cl)# no shutdown This change can be disruptive.Please ensure you have read the "SME Cluster Recovery Procedure" in the configuration guide.-- Are you sure you want to continue? (y/n) [n] y switch(config-sme-cl)# |
スイッチ上の ABC クラスタを起動します。 |
トラブルシューティング シナリオ
この項では、次のシナリオについて説明します。
DNS がクラスタ内のすべてのスイッチ上で設定されているのではない場合
DNS がクラスタ内のすべてのスイッチ上で設定されているのではない場合には、IP アドレスまたは名前の選択に sme.useIP を使用できます。
sme.useIP を smeserver.properties で使用して、スイッチ名の代わりに IP アドレスを使用可能にできます。デフォルトでは、sme.useIP は [false] に設定されており、DNS 名が使用されます。DNS が設定されていないと、DCNM-SAN はスイッチ名を解決できません。
sme.useIP を [true] に設定すると、DCNM-SAN は IP アドレスを使用して、SSH でクラスタ内のスイッチと通信します。すべてのスイッチが、IP アドレスでクラスタに追加されます。ローカル スイッチを追加すると、ネーム サーバがスイッチ上で設定されていればスイッチ名が使用され、そうでない場合は IP アドレスが使用されます。
sme.useIP が [false] である場合、DCNM-SAN はスイッチ名を使用してインターフェイスを選択します。クラスタに追加したすべてのスイッチは、名前で識別されます。このタイプの設定には、ネーム サーバが必要です。それがない場合には、スイッチは他のスイッチと通信してクラスタを形成することができず、DCNM-SAN はスイッチ名を解決できません。
MSM-18/4 モジュールを別の MSM-18/4 モジュールに交換することが必要な場合
既存の MDS 9000 ファミリ プラットフォームでは、モジュールを別のモジュールに交換しても設定の変更はありません。SME では、セキュリティ上の理由により、MSM-18/4 モジュールがクラスタの一部として設定されていると、別の MSM-18/4 モジュールと交換することはできません。設定されていない場合には、SME インターフェイスは非アクティブ状態で起動します。正しい手順として、SME インターフェイスをクラスタから削除し、それからインターフェイスをクラスタに再び追加します。
SME クラスタが正常に作成されていない場合
SME クラスタを正常に作成できない場合には、次の 3 つの主な理由があります。
- SSH は、SME クラスタの一部であるすべてのスイッチ上でイネーブルでなければなりません。
(注) DCNM-SAN Web クライアントを使用する SME クラスタ設定では、SSH/dsa または SSH/rsa のみがサポートされます。DCNM-SAN Web クライアント 3.2.2(SME 機能があるバージョン)による SME クラスタ設定では、SSH/rsa1 はサポートされません。これは将来のリリースでサポートされる可能性があります(サポートされない場合もあります)。
- SME スイッチが(ホスト名または FQDN の代わりに)その IP アドレスで管理されている場合には、「sme.useIP=true」エントリを smeserver.properties ファイル内に設定する必要があります。smeserver.properties ファイルを変更した後に、必ず DCNM-SAN を再起動してください。
- DNS サーバを設定する必要があります。
- また、不適切に設定された(Cisco DCNM-SAN で稼働する)個人用ファイアウォール ソフトウェアが原因で、作成された SME クラスタが「保留中」状態となってしまう場合もあります。DCNM-SAN、DCNM-SAN Web クライアント、スイッチの間での必要なトラフィックを許可する適正なファイアウォール規則を作成してください。
SME インターフェイスの作成エラー
SME インターフェイスの作成中にエラーが発生した場合は、次の点を確認します。
- サービス モジュールのステータスがオンラインであることを確認します。
- ストレージ サービス インターフェイス(SSI)のブート変数がサービス モジュールに対して設定されていないことを確認します。SSI ブート変数がサービス モジュール用に設定されている場合、SME インターフェイスの作成は失敗します。
クラスタで SME インターフェイスが起動しません
SME インターフェイスが起動しない場合は、次の事柄が原因である可能性があります。
- SME ライセンスがインストールされていないか、またはライセンスの有効期限が切れています。
- MSM-18/4 モジュールが、SME インターフェースを設定した後に交換されています。
- copy running-config startup-config コマンドが、クラスタで SME インターフェイスを追加または削除した後、あるいはスイッチをリブートする前に入力されていません。
2 番目と 3 番目のシナリオでは、まずインターフェイスをクラスタから削除して再び追加し、次に copy running-config startup-config コマンドを入力する必要があります。
パスを選択すると、メッセージ「no paths found」メッセージが表示されます
テープ ライブラリのコントローラやロボットは、[Select Tape Drives] ウィザードでターゲットとして表示される場合があります。コントローラまたはロボットをターゲットとして選択すると、「no paths found」というメッセージが表示されます。選択したターゲットがコントローラまたはロボットでないかどうかを確認する必要があります。
「no paths found」メッセージが表示される場合は、 show tech コマンドと show tech-support sme コマンドを入力します。
新しく追加したテープ ドライブがクラスタ内に表示されません
SME がすでに使用可能なテープ ドライブを検出した後に、新しいテープ ドライブを LUN としてテープ ライブラリに追加した場合は、新しい LUN を検出するためにホストからの再スキャンが必要です。
カスタマー サポート担当者または Cisco TAC への問い合わせが必要な場合
追加の支援を受けるために、カスタマー サポート担当者または Cisco TAC への問い合わせが必要になることがあります。これを行う前に、 show tech details コマンドと show tech sme コマンドを入力して、すべてのログを C:\Program Files\Cisco Systems\MDS 9000\logs ディレクトリから収集しておき、それからサポート組織に問い合わせます。
起動コンフィギュレーション内で SME により設定されている Cisco MDS スイッチのブート時に syslog メッセージが表示されます
起動コンフィギュレーション ファイルにクラスタ設定を保存している Cisco MDS スイッチがリブートすると、次の syslog メッセージが表示される場合があります。
<timestamp> <switch name> %CLUSTER-2-CLUSTER_DB_SYNC_FAIL: Cluster <cluster-id> application 3 dataset 1 database synchronization failed, reason="Invalid cluster API registration"
このエラー メッセージは予期されており、無視しても構いません。
ボリューム グループ ファイルをインポートすると「wrap key object not found」メッセージが出されます
テープ ボリューム グループが作成され、ボリューム グループがファイルにエクスポートされました。テープ ボリューム グループは削除され、新しいテープ ボリューム グループが作成されました。同じボリューム グループのインポート時に、インポート操作が失敗し、エラー メッセージ「wrap key object not found」が表示されます。
このエラーは、インポート操作の実行先になる現在のボリューム グループと同じインデックス(ただしバージョンは異なる)を持つ Key Management Center 内に、別のアクティブなボリューム グループ キーがあるために発生します。
アカウンティング ログ ファイルに、キーのレプリケーションが失敗したことが示されます
クラスタのキーのレプリケーションは、トランザクション コンテキストが無効であるかまたは期限切れである場合には失敗します。キー エントリは、Sme_repl_error_key テーブルに移されます。このレコードを Sme_repl_error_key テーブルから手動で削除して Sme_repl_pending_key テーブルに移し、レプリケーション プロセスを再試行する必要があります。
スマート カードまたはカード リーダーに関する問題
スマート カードの動作に問題がある場合、次のようにすると正常であるかどうかを確認できます。
- リブート後に、サポートされている 1 インスタンスのブラウザのみを使用します。
- アプレット/ウィザードがロードを開始するときに、リーダーにスマート カードがないことを確認します。
- カードを挿入したもののウィザードで変更が認識されない場合は、カードを取り出して、再び挿入します。場合によってはこれで正しい認識がトリガーされることがあります。
- 最後の手段として、Java classloader キャッシュのクリアが効果的である場合があります。classloader キャッシュをクリアするには、Java コンソールを開いて x を押します。ブラウザを再起動して、再試行してください。