EtherChannel の概要
• 「EtherChannel の概要」
• 「ポート チャネル インターフェイス」
• 「ポート集約プロトコル」
• 「Link Aggregation Control Protocol」
• 「EherChannel の on モード」
• 「ロード バランシングおよび転送方式」
EtherChannel の概要
EtherChannel は、単一の論理リンクにバンドルされた個々のファスト イーサネットまたはギガビット イーサネット リンクで構成されます(図 35-1 を参照)。
図 35-1 EtherChannel の一般的な構成
EtherChannel は、24 のファスト イーサネット ポートを持つスイッチ上の Fast EtherChannel の場合、スイッチ間、またはスイッチとホスト間に最大 800 Mbps の全二重帯域幅を提供します。Gigabit EtherChannel の場合は、サポートされるギガビット イーサネット インターフェイス数に応じて、最大 8 Gbps(1 Gbps が 8 ポート)まで設定できます。
(注) Link Aggregation Control Protocol(LACP; リンク集約制御プロトコル)や Port Aggregation Protocol(PAgP; ポート集約プロトコル)をサポートしているのは、Network Node Interfaces(NNI; ネットワーク ノード インターフェイス)および Enhanced Network Interfaces(ENI; 拡張ネットワーク インターフェイス)だけです。port-type {eni | nni} インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用して、ENI または NNI としてポートを設定します。スイッチで 5 つ以上のポートを NNI として設定する場合は、メトロ IP アクセス イメージが稼動している必要があります。
各 EtherChannel には、最大 8 つの(設定に互換性のある)イーサネット ポートを含めることができます。各 EtherChannel 内のすべてのポートは、レイヤ 2 またはレイヤ 3 ポートのいずれかとして設定する必要があります。EtherChannel の数は 48 に制限されています。詳細については、「EtherChannel 設定時の注意事項」を参照してください。EtherChannel レイヤ 3 ポートは、ルーテッド ポートで構成されます。ルーテッド ポートは、 no switchport インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用してレイヤ 3 モードに設定された物理ポートです。詳細については、 第 10 章「インターフェイスの設定」 を参照してください。
EtherChannel には、Port Aggregation Protocol(PAgP; ポート集約プロトコル)、Link Aggregation Control Protocol(LACP; リンク集約制御プロトコル)、または on のいずれかのモードを設定できます。PAgP および LACP は、NNI および ENI 上でだけ使用できます。EtherChannel の両端は同じモードで設定します。
• EtherChannel の一端を PAgP または LACP モードのいずれかで設定すると、システムはチャネルのもう一端とネゴシエートして、アクティブになるポートを決定します。互換性のないポートは停止します。
• on モードで EtherChannel を設定した場合、ネゴシエーションは実行されません。スイッチは EtherChannel の互換性のあるポートすべてを強制的にアクティブにします。チャネルのもう一端(他のスイッチ上の)も on モードで設定する必要があります。そうしないと、パケット損失が発生します。
ローカル ポートは独立ステートとなり、他の単一リンクと同様にデータ トラフィックを継続して伝送します。ポート設定は変更されませんが、EtherChannel には参加しません。
EtherChannel 内のリンクで障害が発生すると、障害リンク上でそれまで伝送されていたトラフィックがその EtherChannel 内の残りのリンクに切り替えられます。障害の場合はトラップが送信され、スイッチ、EtherChannel、および障害リンクを識別します。EtherChannel の 1 つのリンクに着信したブロードキャストおよびマルチキャスト パケットが、EtherChannel の別のリンクに戻されることはありません。
ポート チャネル インターフェイス
EtherChannel を作成すると、ポート チャネル論理インターフェイスも作成されます。
• レイヤ 2 ポートの場合は、 channel-group インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用して、ポート チャネル論理インターフェイスを動的に作成します。
また、 interface port-channel port-channel-number グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用して、ポート チャネル論理インターフェイスを手動で作成することもできます。ただし、その場合、論理インターフェイスを物理ポートにバインドするには、 channel-group channel-group-number コマンドを使用する必要があります。 channel-group-number は port - channel-number と同じ値に設定したり、新しい番号を使用したりできます。新しい番号を使用した場合、 channel-group コマンドは動的に新しいポート チャネルを作成します。
• レイヤ 3 ポートの場合は、 interface port-channel グローバル コンフィギュレーション コマンド、およびそのあとに no switchport インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用して、論理インターフェイスを手動で作成する必要があります。そのあと、 channel-group インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用して、手動で EtherChannel にインターフェイスを割り当てます。
レイヤ 2 およびレイヤ 3 ポートのいずれの場合も、 channel-group コマンドを実行すると、物理ポートと論理インターフェイスがバインドされます(図 35-2 を参照)。
各 EtherChannel には、1 ~ 48 まで番号付けされたポート チャネルの論理インターフェイスがあります。このポート チャネル インターフェイスの番号は、 channel-group インターフェイス コンフィギュレーション コマンドにより指定された番号に対応します。
図 35-2 物理ポート、論理ポート チャネル、およびチャネル グループの関係
EtherChannel を設定したあとに、ポート チャネル インターフェイスの設定を変更すると、そのポート チャネル インターフェイスに割り当てられたすべての物理ポートの設定も変更されます。物理ポートの設定を変更した場合は、設定を適用したポートだけが影響を受けます。EtherChannel のすべてのポートのパラメータを変更するには、ポート チャネル インターフェイスにコンフィギュレーション コマンドを適用します。
ポート集約プロトコル
PAgP はシスコ独自のプロトコルで、シスコ製スイッチと、PAgP に対応するためにライセンスを得たベンダーのスイッチだけで動作します。PAgP を使用すると、イーサネット ポート間で PAgP パケットを交換することにより、EtherChannel を自動的に作成できます。
(注) PAgP を使用できるのは、NNI および ENI 上だけです。
スイッチは PAgP を使用することによって、PAgP をサポートできるパートナーの識別情報、および各ポートの機能を学習します。次に、設定が類似しているポートを単一の論理リンク(チャネルまたは集約ポート)に動的にグループ化します。設定が類似しているポートをグループ化するときの基準は、ハードウェア、管理、およびポート パラメータ制約です。たとえば、速度、デュプレックス モード、ネイティブ VLAN(仮想 LAN)、VLAN 範囲、トランキング ステータスおよびタイプが同じであるポートが PAgP によってグループ化されます。リンクが EtherChannel にグループ化されたあと、グループは PAgP によって単一のスイッチ ポートとしてスパニング ツリーに追加されます。
PAgP モード
表 35-1 に、channel-group インターフェイス コンフィギュレーション コマンドで NNI または ENI 上にユーザが設定できる EtherChannel PAgP モードを示します。
表 35-1 EtherChannel PAgPモード
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auto |
ポートをパッシブ ネゴシエーション ステートにします。このステートの場合、ポートは受信した PAgP パケットに応答しますが、PAgP パケット ネゴシエーションを開始しません。この設定では、PAgP パケットの伝送が最小化されます。 |
desirable |
ポートをアクティブ ネゴシエーション ステートにします。このステートの場合、ポートは PAgP パケットを送信し、他のポートとのネゴシエーションを開始します。 |
スイッチ ポートは、 auto モードまたは desirable モードに設定されたパートナー ポートだけと PAgP パケットを交換します。 on モードに設定されたポートは、PAgP パケットを交換しません。
auto モードおよび desirable モードの場合、ポートはパートナー ポートとネゴシエーションを行い、一定の基準に従って EtherChannel を形成します。その基準とは、ポート速度、およびレイヤ 2 EtherChannel の場合、トランキング ステートと VLAN 番号などです。
ポート間で PAgP モードが異なっていても、モードに互換性があれば EtherChannel を形成できます。次に例を示します。
• desirable モードのポートは、 desirable または auto モードの別のポートと EtherChannel を形成できます。
• auto モードのポートは、 desirable モードの別のポートと EtherChannel を形成できます。
auto モードのポートは、 auto モードの別のポートとは EtherChannel を形成することができません。どちらのポートも、PAgP ネゴシエーションを開始しないためです。
PAgP 機能を持つパートナーにスイッチが接続されている場合は、キーワード non-silent を使用して、非サイレント動作を行うようにスイッチ ポートを設定できます。 auto モードまたは desirable モードの場合は、 non-silent を指定しないとサイレント モードになります。
PAgP 機能を備えていない、または備えていてもパケット送信量がわずかしかないデバイスにスイッチが接続されている場合は、サイレント モードを使用します。サイレント パートナーの例としては、トラフィックを生成しないファイル サーバやパケット アナライザがあります。この場合、サイレント パートナーに接続された物理ポート上で PAgP を稼動させると、このスイッチ ポートが動作しなくなります。ただし、サイレント設定を使用すると、PAgP が動作したり、チャネル グループにポートを接続したり、ポートを伝送に使用したりできます。
PAgP と他の機能との相互作用
Cisco Discovery Protocol(CDP; シスコ検出プロトコル)は、EtherChannel の物理ポートを経由してパケットを送受信します。
(注) PAgP および CDP を使用できるのは、NNI および ENI 上だけです。User Network Interface(UNI; ユーザ ネットワーク インターフェイス)では、PAgP または CDP をサポートしていません。
トランク ポートは、番号が最小の VLAN 上で PAgP Protocol Data Unit(PDU; プロトコル データ ユニット)を送受信します。
レイヤ 2 EtherChannel では、チャネル内で最初に起動するポートが EtherChannel に MAC アドレスを渡します。このポートがバンドルから削除されると、バンドル内の他のポートの 1 つが EtherChannel に MAC アドレスを渡します。
PAgP は、auto または desirable モードに設定され、PAgP がイネーブルである稼動状態のポートからだけ PAgP PDU を送受信します。
Link Aggregation Control Protocol
LACP は IEEE 802.3ad 標準で定義されていて、シスコ製スイッチは、この標準に準拠するスイッチ間のイーサネット チャネルを管理できます。LACP を使用すると、イーサネット ポート間で LACP パケットを交換することにより、EtherChannel を自動的に作成できます。
(注) LACP を使用できるのは、NNI および ENI 上だけです。
スイッチは LACP を使用することによって、LACP をサポートできるパートナーの識別情報、および各ポートの機能を学習します。次に、設定が類似しているポー ト を単一の論理リンク(チャネルまたは集約ポート)に動的にグループ化します。設定が類似しているポートをグループ化するときの基準は、ハードウェア、管理、およびポート パラメータ制約です。たとえば、速度、デュプレックス モード、ネイティブ VLAN、VLAN 範囲、トランキング ステータスおよびタイプが同じであるポートが LACP によってグループ化されます。リンクが EtherChannel にグループ化されたあと、グループは LACP によって単一のスイッチ ポートとしてスパニング ツリーに追加されます。
LACP モード
表 35-2 に、channel-group インターフェイス コンフィギュレーション コマンドで NNI または ENI 上にユーザが設定できる EtherChannel LACP モードを示します。
表 35-2 EtherChannel LACP モード
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active |
ポートをアクティブ ネゴシエーション ステートにします。このステートの場合、ポートは LACP パケットを送信し、他のポートとのネゴシエーションを開始します。 |
passive |
ポートをパッシブ ネゴシエーション ステートにします。このステートの場合、ポートは受信した LACP パケットに応答しますが、LACP パケット ネゴシエーションを開始しません。この設定では、LACP パケットの伝送が最小化されます。 |
active モードおよび passive LACP モードの場合、ポートはパートナー ポートとネゴシエーションを行い、一定の基準に従って EtherChannel を形成します。その基準とは、ポート速度、レイヤ 2 EtherChannel の場合、トランキング ステートと VLAN 番号などです。
ポート間で LACP モードが異なっていても、モードに互換性があれば EtherChannel を形成できます。次に例を示します。
• active モードのポートは、 active モードまたは passive モードの別のポートと EtherChannel を形成できます。
• passive モードのポートは、 passive モードの別のポートとは EtherChannel を形成することができません。どちらのポートも、LACP ネゴシエーションを開始しないためです。
LACP と他の機能との相互作用
CDP は、EtherChannel の物理ポートを経由してパケットを送受信します。トランク ポートは、番号が最も小さい VLAN 上で LACP PDU を送受信します。
レイヤ 2 EtherChannel では、チャネル内で最初に起動するポートが EtherChannel に MAC アドレスを渡します。このポートがバンドルから削除されると、バンドル内の他のポートの 1 つが EtherChannel に MAC アドレスを渡します。
LACP は、active または passive モードに設定され、LACP がイネーブルである稼動状態のポートだけから LACP PDU を送受信します。
EherChannel の on モード
EherChannel の on モードを使用すると、手動で EherChannel を設定できます。on モードにすると、ポートはネゴシエーションせずに強制的に EtherChannel に加入されます。リモート デバイスで PAgP または LACP がサポートされていない場合に、on モードは便利な機能です。on モードでは、リンクの両端のスイッチが on モードで設定されている場合にだけ、EtherChannel を使用できます。
(注) UNI の場合、使用可能なモードは on だけです。
on モードで設定された同一チャンネル グループ内のポートは、速度およびデュプレックスなどのポート特性に互換性がある必要があります。on モードで設定されていても、互換性のないポートは停止します。
注意 on モードの使用には注意が必要です。これは手動の設定であり、EtherChannel の両端にあるポートで同じ設定になっている必要があります。グループの設定を誤ると、パケット損失またはスパニングツリーのループが発生することがあります。
ロード バランシングおよび転送方式
EtherChannel は、フレーム内のアドレスに基づいて形成されたバイナリ パターンを部分的に縮小し、チャネル内の 1 つのリンクを選択する数値にすることによって、チャネル内のリンク間でトラフィックの負荷を分散させます。EtherChannel のロード バランシングには、MAC アドレスや IP アドレス、送信元アドレスや宛先アドレス、または送信元と宛先の両方のアドレスを使用できます。選択したモードは、スイッチ上で設定されているすべての EtherChannel に適用されます。ロード バランシングおよび転送方法を設定するには、 port-channel load-balance グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。
送信元 MAC アドレス転送の場合、EtherChannel に転送されたパケットは、着信パケットの送信元 MAC アドレスに基づいてチャネル ポート間で分配されます。したがって、ロード バランシングを行うために、異なるホストからのパケットにはチャネル内の別のポート、同じホストからのパケットにはチャネル内の同じポートが使用されます。
宛先 MAC アドレス転送の場合、EtherChannel に転送されたパケットは、着信パケットに指定されている宛先ホストの MAC アドレスに基づいてチャネル ポート間で分配されます。したがって、同じ宛先へのパケットは同じポートを経由して転送され、異なる宛先へのパケットはチャネル内の別のポートを経由して送信されます。
ME-3400E スイッチ上では、宛先ホスト MAC アドレスに基づいた負荷分散がサポートしているポートは、EtherChannel ごとに 4 つだけです。EtherChannel 宛先 MAC アドレス ロード バランシングを設定する場合、チャンネル グループ内の 4 つのポート間だけでトラフィックが均等化されます。宛先 MAC アドレス負荷分散を使用して EtherChannel 内で 4 つを超えるポートを設定すると、4 つのポートだけによって、分散されたトラフィックが受信されます。この制限は、他の負荷分散方式には適用されません。
送信元/宛先 MAC アドレス転送の場合、EtherChannel に転送されたパケットは、送信元および宛先の両方の MAC アドレスに基づいてチャネル ポート間で分配されます。この転送方式は、送信元 MAC アドレス転送方式と宛先 MAC アドレス転送方式の負荷分散を組み合せたものです。特定のスイッチに対して送信元 MAC アドレス転送と宛先 MAC アドレス転送のいずれが適切であるかが不明な場合に使用できます。送信元/宛先 MAC アドレス転送の場合、ホスト A からホスト B、ホスト A からホスト C、およびホスト C からホスト B に送信されるパケットは、それぞれ異なるチャネル ポートを使用できます。
送信元 IP アドレスベース転送の場合、EtherChannel に転送されたパケットは、着信パケットの送信元 IP アドレスに基づいて EtherChannel ポート間で分配されます。したがって、ロード バランシングを行うために、異なる IP アドレスからのパケットにはチャネル内の別のポート、同じ IP アドレスからのパケットにはチャネル内の同じポートが使用されます。
宛先 IP アドレスベース転送の場合、EtherChannel に転送されたパケットは、着信パケットの宛先 IP アドレスに基づいて EtherChannel ポート間で分配されます。したがって、ロード バランシングを行うために、同じ送信元 IP アドレスから異なる宛先 IPアドレスに送信されるパケットは異なるチャネル ポートに送信される場合があります。ただし、異なる送信元 IP アドレスから同じ宛先 IP アドレスに送信されるパケットは、常に同じチャネル ポートに送信されます。
送信元/宛先 IP アドレスベース転送の場合、EtherChannel に転送されたパケットは、着信パケットの送信元および宛先の両方の IP アドレスに基づいて EtherChannel ポート間で分配されます。この転送方式は、送信元 IP アドレスベース転送方式と宛先 IP アドレスベース転送方式を組み合せたものです。特定のスイッチに対して送信元 IP アドレスベース転送と宛先 IP アドレスベース転送のいずれが適切であるかが不明な場合に使用できます。この方式では、IP アドレス A から IP アドレス B に、IP アドレス A から IP アドレス C に、および IP アドレス C から IP アドレス B に送信されるパケットは、それぞれ異なるチャネル ポートを使用できます。
ロード バランシング方式ごとに利点が異なります。ロード バランシング方式は、ネットワーク内のスイッチの位置、および負荷分散が必要なトラフィックの種類に基づいて選択する必要があります。図 35-3 では、4 台のワークステーションで構成された EtherChannel がルータと通信しています。ルータは単一の MAC アドレスを持つデバイスであるため、スイッチ EtherChannel で送信元ベース転送を行うことにより、ルータが使用できる全帯域をスイッチが使用するようになります。ルータは、宛先ベース転送を行うように設定されます。このように設定すると、多数のワークステーションで、ルータ EtherChannel からのトラフィックが均等に分散されることが保証されるためです。
設定には最も柔軟なオプションを使用してください。たとえば、チャネル上のトラフィックが単一 MAC アドレスを宛先とする場合、宛先 MAC アドレスを使用すると、チャネル内の同じリンクが常に選択されます。送信元アドレスまたは IP アドレスを使用した方が、ロード バランシングの効率がよくなることがあります。
図 35-3 負荷分散および転送方法
EtherChannel の設定
• 「EtherChannel のデフォルト設定」
• 「EtherChannel 設定時の注意事項」
• 「レイヤ 2 EtherChannel の設定」(必須)
• 「レイヤ 3 EtherChannel の設定」(必須)
• 「EtherChannel ロード バランシングの設定」(任意)
• 「PAgP 学習方式およびプライオリティの設定」(任意)
• 「LACP ホットスタンバイ ポートの設定」(任意)
(注) ポートが正しく設定されていることを確認してください。詳細については、「EtherChannel 設定時の注意事項」を参照してください。
(注) EtherChannel を設定したあとに、ポート チャネル インターフェイスの設定を変更すると、そのポート チャネル インターフェイスに割り当てられたすべての物理ポートの設定も変更されます。物理ポートの設定変更では、そのポートだけが変更されます。
EtherChannel のデフォルト設定
表 35-3 に、EtherChannel のデフォルト設定を示します。
表 35-3 EtherChannel のデフォルト設定
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チャネル グループ |
割り当てなし |
ポート チャネル論理インターフェイス |
定義なし。 |
PAgP モード |
デフォルトなし。 |
PAgP の学習方式 |
すべての NNI および ENI で集約ポート学習 |
PAgP プライオリティ |
すべての NNI および ENI で 128 |
LACP モード |
デフォルトなし。 |
LACP の学習方式 |
すべての NNI および ENI で集約ポート学習 |
LACP ポート プライオリティ |
すべての NNI および ENI で 32768 |
LACP システム プライオリティ |
32768. |
LACP システム ID |
LACP システム プライオリティおよびスイッチの MAC アドレス |
ロード バランシング |
スイッチの負荷分散は、着信パケットの送信元 MAC アドレスに基づいて行われます。 |
EtherChannel 設定時の注意事項
EtherChannel が正しく設定されていない場合、ネットワーク ループなどの問題を回避するために、一部の EtherChannel ポートが自動的にディセーブルになることがあります。設定上の問題を回避するために、次の注意事項に従ってください。
• 48 より多くの EtherChannel をスイッチで設定しようとしないでください。
• NNI だけ、または ENI だけを含む PAgP EtherChannel を設定してください。
• NNI だけ、または ENI だけを含む LACP EtherChannel を設定してください。
• EtherChannel 内のすべてのポートが、同じ速度および同じデュプレックス モードで動作するように設定してください。
• EtherChannel のすべてのポートは、同じタイプ(UNI、NNI、ENI のいずれか)になるようにする必要があります。1 つの EtherChannel 内で各種ポート タイプを混在できません。
• UNI では、EtherChannel モードが常に on に設定されている必要があります。
• EtherChannel のすべてのポートをイネーブルにしてください。 shutdown インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用してディセーブル化された EtherChannel のポートは、リンク障害として処理され、トラフィックは EtherChannel の残りのポートのいずれかに転送されます。UNI と ENI は、デフォルトでディセーブルに設定されています。NNI はデフォルトでイネーブルです。
• グループを初めて作成したときは、そのグループに最初に追加されたポートのパラメータ設定値をすべてのポートが引き継ぎます。次に示すパラメータのいずれかの設定を変更する場合は、グループ内のすべてのポートに関する設定も変更してください。
– 許可 VLAN リスト
– 各 VLAN のスパニング ツリー パス コスト
– 各 VLAN のスパニング ツリー ポート プライオリティ
– スパニング ツリーの PortFast 設定
(注) スパニング ツリー プロトコルがサポートされているのは、そのプロトコルが特にイネーブルにされている NNI または ENI 上だけです。
• ポートが複数の EtherChannel グループのメンバーにならないように設定してください。
• EtherChannel は、PAgP と LACP の両方のモードには設定しないでください。PAgP と LACP が稼動している EtherChannel グループは同じスイッチ上に共存できます。個々の EtherChannel グループは PAgP または LACP のどちらかを実行できますが、相互運用することはできません。
(注) PAgP および LACP を使用できるのは、NNI および ENI 上だけです。
• スイッチでメトロ アクセス イメージが稼動している場合、スイッチで同時に設定できる NNI は 4 つだけです。つまり、LACP および PAgP を同時にサポートできる EtherChannel 内のポートは 4 つだけになります。スイッチでメトロ IP アクセス イメージが稼動している場合、スイッチに設定できる NNI 数に制限はありません。
• EtherChannel の一部として Switched Port Analyzer (SPAN; スイッチド ポート アナライザ)宛先ポートを設定しないでください。
• EtherChannel の一部としてセキュア ポートを設定したり、その逆の設定を行ったりしないでください。
• プライベート VLAN ポートを EtherChannel の一部として設定しないでください。
• EtherChannel のアクティブ メンバーであるポートまたはまだアクティブ メンバーでないポートを 802.1x ポートとして設定しないでください。EtherChannel ポートで 802.1x をイネーブルにしようとすると、エラー メッセージが表示され、802.1x はイネーブルになりません。
• EtherChannel がスイッチ インターフェイスに設定されている場合、スイッチで 802.1x をグローバルにイネーブルにする前に、 dot1x system-auth-control グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用して EtherChannel 設定を削除します。
• レイヤ 2 EtherChannel の場合
– EtherChannel 内のすべてのポートを同じ VLAN に割り当てるか、またはトランクとして設定してください。複数のネイティブ VLAN に接続されているポートは、EtherChannel を形成することができません。
– トランク ポートから EtherChannel を設定する場合は、すべてのトランクでトランキング モードが同じであることを確認してください。EtherChannel ポートでトランク モードが統一されていない場合は、予想外の結果を招くことがあります。
– EtherChannel がサポートする VLAN の許容範囲は、トランキング レイヤ 2 EtherChannel 内のポートすべてで同じです。VLAN の許容範囲が同じでない場合は、PAgP が auto モードまたは desirable モードに設定されていても、ポートは EtherChannel を形成しません。
– NNI または ENI のスパニング ツリー パス コストが異なっていても、他の設定条件に矛盾がなければ、EtherChannel を形成できます。異なるスパニング ツリー パス コストを設定しても、それ自体は、EtherChannel の形成でポートに矛盾をもたらしません。
• レイヤ 3 EtherChannel の場合は、レイヤ 3 アドレスをチャネル内の物理ポートでなく、ポート チャネル論理インターフェイスに割り当ててください。
レイヤ 2 EtherChannel の設定
レイヤ 2 EtherChannel を設定するには、 channel-group インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用して、チャネル グループにポートを割り当てます。このコマンドにより、ポート チャネル論理インターフェイスが自動的に作成されます。
レイヤ 2 EtherChannel にレイヤ 2 イーサネット ポートを割り当てるには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。この手順は必須です。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
interface interface-id |
物理ポートを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 指定できるインターフェイスとして、物理ポートも含まれます。 PAgP EtherChannel の場合、同一タイプ、同一速度のポートを 8 つまで同一グループに設定できます。 LACP EtherChannel の場合は、同一タイプのイーサネット ポートを 16 まで設定できます。最大 8 個のポートをアクティブにして、最大 8 個のポートをスタンバイ モードにすることができます。 } インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを入力する必要があります。 |
ステップ 3 |
no shutdown |
必要に応じて、ポートをイネーブルにします。デフォルトでは、UNI および ENI はディセーブルに、NNI はイネーブルに設定されています。 |
ステップ 4 |
switchport mode { access | trunk } switchport access vlan vlan-id |
すべてのポートをスタティックアクセス ポートとして同じ VLAN に割り当てるか、またはトランクとして設定します。 ポートをスタティックアクセス ポートとして設定する場合は、ポートを 1 つの VLAN にだけ割り当ててください。指定できる範囲は 1 ~ 4094 です。 |
ステップ 5 |
channel-group channel -group-number mode { auto [ non-silent ] | desirable [ non-silent ] | on } | { active | passive } |
ポートをチャネル グループに割り当て、PAgP または LACP モードを指定します。 channel-group-number の範囲は 1 ~ 48です。 (注) UNI の場合、使用可能なモードは on だけです。 mode には、次のキーワードのいずれかを選択します。 • auto : PAgP デバイスが検出された場合にだけ、PAgP をイネーブルにします。ポートをパッシブ ネゴシエーション ステートにします。このステートの場合、ポートは受信した PAgP パケットに応答しますが、PAgP パケット ネゴシエーションを開始しません。 • desirable : PAgP を無条件でイネーブルにします。ポートをアクティブ ネゴシエーション ステートにします。このステートの場合、ポートは PAgP パケットを送信し、他のポートとのネゴシエーションを開始します。 • on : PAgP や LACP を使用せずに、ポートを強制的にチャネル化します。 on モードでは、 on モードのポート グループが on モードの別のポート グループに接続されている場合にだけ、EtherChannel を使用することが可能となります。 • non-silent : (任意)PAgP 対応のパートナーに接続されたスイッチのポートが auto モードまたは desirable モードの場合に、非サイレント動作を行うようにこのポートを設定します。 non-silent を指定しなかった場合は、サイレントが指定されたものと見なされます。サイレント設定は、ファイル サーバまたはパケット アナライザに接続する場合に使用します。この設定を使用すると、PAgP が動作したり、チャネル グループにポートを接続したり、ポートを伝送に使用したりできます。 • active : LACP デバイスが検出された場合にだけ、LACP をイネーブルにします。ポートをアクティブ ネゴシエーション ステートにします。このステートの場合、ポートは LACP パケットを送信し、他のポートとのネゴシエーションを開始します。 • passive : ポートで LACP をイネーブルにしてパッシブ ネゴシエーション ステートにします。このステートの場合、ポートは受信した LACP パケットに応答しますが、LACP パケット ネゴシエーションを開始しません。 スイッチとパートナー間で互換性のあるモードの詳細については、「PAgP モード」および「LACP モード」を参照してください。 |
ステップ 6 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 7 |
show running-config |
設定を確認します。 |
ステップ 8 |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
EtherChannel グループからポートを削除するには、 no channel-group インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。
次の例では、EtherChannel を設定する方法を示します。2 つのポートは VLAN 10 のスタティックアクセス ポートとして、PAgP モードが desirable であるチャネル 5 に割り当てられます。
Switch# configure terminal
Switch(config)# interface range fastethernet0/1 -2
Switch(config-if-range)# port-type nni
Switch(config-if-range)# switchport mode access
Switch(config-if-range)# switchport access vlan 10
Switch(config-if-range)# channel-group 5 mode desirable non-silent
Switch(config-if-range)# end
次の例では、EtherChannel を設定する方法を示します。2 つのポートは VLAN 10 のスタティックアクセス ポートとして、LACP モードが active であるチャネル 5 に割り当てられます 。
Switch# configure terminal
Switch(config)# interface range gigabitethernet0/1 -2
Switch(config-if-range)# switchport mode access
Switch(config-if-range)# switchport access vlan 10
Switch(config-if-range)# channel-group 5 mode active
Switch(config-if-range)# end
レイヤ 3 EtherChannel の設定
レイヤ 3 EtherChannel を設定するには、ポート チャネル論理インターフェイスを作成し、そのポート チャネルにイーサネット ポートを組み込みます。次に設定方法を説明します。
ポート チャネル論理インターフェイスの作成
レイヤ 3 EtherChannel を設定する場合、まず interface port-channel グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用し、ポート チャネル論理インターフェイスを手動で作成しなければなりません。次に、 channel-group インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用して論理インターフェイスをチャネル グループに配置します。
(注) 物理ポートから EtherChannel に IP アドレスを移動するには、物理ポートから IP アドレスを削除してから、その IP アドレスをポート チャネル インターフェイス上で設定する必要があります。
レイヤ 3 EtherChannel 用のポート チャネル インターフェイスを作成するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。この手順は必須です。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
interface port-channel port- channel-number |
ポート チャネル論理インターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 port - channel-numberの 範囲は 1 ~ 48です。 |
ステップ 3 |
no switchport |
ポート チャネル インターフェイスをレイヤ 3 モードにします。 |
ステップ 4 |
ip address ip-address mask |
EtherChannel に IP アドレスおよびサブネット マスクを割り当てます。 |
ステップ 5 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 6 |
show etherchannel channel-group-number detail |
設定を確認します。 |
ステップ 7 |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
ステップ 8 |
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レイヤ 3 EtherChannel にイーサネット ポートを割り当てます。詳細については、「物理インターフェイスの設定」を参照してください。 |
ポート チャネルを削除するには、 no interface port-channel port-channel-number グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。
次に、論理ポート チャネル 5 を作成し、IP アドレスとして 172.10.20.10 を割り当てる例を示します。
Switch# configure terminal
Switch(config)# interface port-channel 5
Switch(config-if)# no switchport
Switch(config-if)# ip address 172.10.20.10 255.255.255.0
物理インターフェイスの設定
レイヤ 3 EtherChannel にイーサネット ポートを割り当てるには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。この手順は必須です。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
interface interface-id |
物理ポートを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 指定できるインターフェイスとして、物理ポートも含まれます。 PAgP EtherChannel の場合、同一タイプ、同一速度のポートを 8 つまで同一グループに設定できます。 LACP EtherChannel の場合は、同一タイプのイーサネット ポートを 16 まで設定できます。最大 8 個のポートをアクティブにして、最大 8 個のポートをスタンバイ モードにすることができます。 } インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを入力する必要があります。 |
ステップ 3 |
no shutdown |
必要に応じて、ポートをイネーブルにします。デフォルトでは、UNI および ENI はディセーブルに、NNI はイネーブルに設定されています。 |
ステップ 4 |
no ip address |
この物理ポートに割り当てられている IP アドレスをすべて削除します。 |
ステップ 5 |
no switchport |
ポートをレイヤ 3 モードにします。 |
ステップ 6 |
channel-group channel -group-number mode { auto [ non-silent ] | desirable [ non-silent ] | on } | { active | passive } |
ポートをチャネル グループに割り当て、PAgP または LACP モードを指定します。 channel-group-number の範囲は 1 ~ 48です。この番号は、「ポート チャネル論理インターフェイスの作成」で設定された port-channel-number (論理ポート)と同じである必要があります。 (注) UNI の場合、使用可能なモードは on だけです。 mode には、次のキーワードのいずれかを選択します。 • auto :PAgP デバイスが検出された場合にだけ、PAgP をイネーブルにします。ポートをパッシブ ネゴシエーション ステートにします。このステートの場合、ポートは受信した PAgP パケットに応答しますが、PAgP パケット ネゴシエーションを開始しません。 • desirable :PAgP を無条件でイネーブルにします。ポートをアクティブ ネゴシエーション ステートにします。このステートの場合、ポートは PAgP パケットを送信し、他のポートとのネゴシエーションを開始します。 • on :PAgP や LACP を使用せずに、ポートを強制的にチャネル化します。 on モードでは、 on モードのポート グループが on モードの別のポート グループに接続されている場合にだけ、EtherChannel を使用することが可能となります。 • non-silent :(任意)PAgP 対応のパートナーに接続されたスイッチのポートが auto モードまたは desirable モードの場合に、非サイレント動作を行うようにこのポートを設定します。 non-silent を指定しなかった場合は、サイレントが指定されたものと見なされます。サイレント設定は、ファイル サーバまたはパケット アナライザに接続する場合に使用します。この設定を使用すると、PAgP が動作したり、チャネル グループにポートを接続したり、ポートを伝送に使用したりできます。 • active : LACP デバイスが検出された場合にだけ、LACP をイネーブルにします。ポートをアクティブ ネゴシエーション ステートにします。このステートの場合、ポートは LACP パケットを送信し、他のポートとのネゴシエーションを開始します。 • passive : ポートで LACP をイネーブルにしてパッシブ ネゴシエーション ステートにします。このステートの場合、ポートは受信した LACP パケットに応答しますが、LACP パケット ネゴシエーションを開始しません。 スイッチとパートナー間で互換性のあるモードの詳細については、「PAgP モード」および「LACP モード」を参照してください。 |
ステップ 7 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 8 |
show running-config |
設定を確認します。 |
ステップ 9 |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
次の例では、EtherChannel を設定する方法を示します。2 つのポートは、LACP モードが active であるチャネル 5 に割り当てられます。
Switch# configure terminal
Switch(config)# interface range gigabitethernet0/1 -2
Switch(config-if-range)# no ip address
Switch(config-if-range)# no switchport
Switch(config-if-range)# channel-group 5 mode active
Switch(config-if-range)# end
EtherChannel ロード バランシングの設定
ここでは、送信元ベースまたは宛先ベースの転送方法を使用し、EtherChannel のロード バランシングを設定する方法について説明します。詳細については、「ロード バランシングおよび転送方式」を参照してください。
EtherChannel のロード バランシングを設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。この手順は任意です。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
port-channel load-balance { dst-ip | dst-mac | src-dst-ip | src-dst-mac | src-ip | src-mac } |
EtherChannel のロード バランシング方法を設定します。 デフォルトは src-mac です。 次の負荷分散方式のいずれかを選択します。 • dst-ip :宛先ホスト IP アドレスに基づいて負荷分散を行います。 • dst-mac :着信パケットの宛先ホスト MAC アドレスに基づいて負荷分散を行います。 キーワードを入力すると、チャンネル グループ内の 4 つのポート間だけで、トラフィックが均等化されます。宛先 MAC アドレス負荷分散を使用して EtherChannel 内で 4 つを超えるポートを設定すると、4 つのポートだけによって、分散されたトラフィックが受信されます。この制限は、他の負荷分散方式には適用されません。 • src-dst-ip :送信元/宛先ホスト IP アドレスに基づいて負荷分散を行います。 • src-dst-mac :送信元/宛先ホスト MAC アドレスに基づいて負荷分散を行います。 • src-ip :送信元ホスト IP アドレスに基づいて負荷分散を行います。 • src-mac :着信パケットの送信元 MAC アドレスに基づいて負荷分散を行います。 |
ステップ 3 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 4 |
show etherchannel load-balance |
設定を確認します。 |
ステップ 5 |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
EtherChannel のロード バランシングをデフォルト設定に戻すには、 no port-channel load-balance グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。
PAgP 学習方式およびプライオリティの設定
ネットワーク デバイスは PAgP の物理ラーナーまたは集約ポート ラーナーとして分類されます。物理ポートでアドレスを学習し、その知識に基づいて伝送を指示するデバイスが物理ラーナーです。集約(論理)ポートでアドレスを学習するデバイスは、集約ポート ラーナーです。学習方式は、リンクの両端で同一の設定にする必要があります。
(注) PAgP を使用できるのは、NNI および ENI 上だけです。
デバイスとそのパートナーが両方とも集約ポート ラーナーである場合、これらは論理ポート チャネルのアドレスを学習します。このデバイスは EtherChannel のポートのいずれかを使用し、送信元にパケットを送信します。集約ポート学習の場合、どの物理ポートにパケットが着信するかは重要ではありません。
PAgP は、パートナー デバイスが物理ラーナーになる時期、および論理デバイスが集約ポート ラーナーになる時期を自動的には検出しません。したがって、物理ポートを使用してアドレスを学習する場合は、ローカル デバイスに手動で学習方式を設定する必要があります。負荷分散方式を送信元ベースに設定して、指定された送信元 MAC アドレスが常に同じ物理ポートに送信されるようにする必要もあります。
グループ内の 1 つのポートですべての伝送を行うように設定して、他のポートをホット スタンバイに使用することもできます。選択された 1 つのポートでハードウェア信号が検出されなくなった場合は、数秒以内にグループ内の未使用のポートに切り替えて動作させることができます。あるポートが常にパケット伝送に選択されるように設定するには、 pagp port-priority インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用してプライオリティを変更します。プライオリティが高いほど、そのポートが選択される可能性が高まります。
(注) キーワード physical-port が CLI(コマンドライン インターフェイス)に指定されている場合でも、スイッチは集約ポートでだけアドレス学習を実行できます。pagp learn-method コマンドおよび pagp port-priority コマンドは、スイッチのハードウェアには影響しませんが、PAgP が物理ポートによるアドレス ラーニングだけをサポートするデバイスと相互運用するのに必要となります。
スイッチのリンク パートナーが物理ラーナーである場合は、pagp learn-method physical-port インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用して、Cisco ME スイッチを物理ポート ラーナーとして設定することを推奨します。送信元 MAC アドレスに基づいて負荷分散方式を設定するには、port-channel load-balance src-mac グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。この設定により、送信元アドレスの学習元である EtherChannel 内の同じポートを使用して、パケットが物理ラーナー スイッチに送信されます。pagp learn-method コマンドは、この場合にだけ使用してください。
スイッチを PAgP 物理ポート ラーナーとして設定し、バンドル内の同じポートがパケット送信用として選択されるようにプライオリティを調整するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。この手順は任意です。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
interface interface-id |
伝送ポートを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 } インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを入力する必要があります。 |
ステップ 3 |
pagp learn-method physical-port |
PAgP 学習方式を選択します。 デフォルトでは、 aggregation-port 学習が選択されています。これにより、EtherChannel 内のいずれかのポートを使用して、パケットが送信元に送信されます。集約ポート学習の場合、どの物理ポートにパケットが着信するかは重要ではありません。 物理ラーナー である 別のスイッチに接続するには、 physical-port を選択します。 port-channel load-balance グローバル コンフィギュレーション コマンドは、必ず src-mac に設定してください(「EtherChannel ロード バランシングの設定」を参照)。 学習方式はリンクの両端で同一に設定する必要があります。 } インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを入力する必要があります。 |
ステップ 4 |
pagp port-priority priority |
選択したポートがパケット伝送用として選択されるように、プライオリティを割り当てます。 priority の範囲は 0 ~ 255 です。デフォルト値は 128 です。プライオリティが高いほど、ポートが PAgP 伝送に使用される可能性が高まります。 |
ステップ 5 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 6 |
show running-config または show pagp channel-group-number internal |
設定を確認します。 |
ステップ 7 |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
プライオリティをデフォルト設定に戻すには、 no pagp port-priority インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。学習方式をデフォルト設定に戻すには、 no pagp learn-method インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。
LACP ホットスタンバイ ポートの設定
LACP がイネーブルの場合、チャネル内に最大数の LACP 対応ポートを設定しようとします(最大 16 ポート)。同時にアクティブにできる LACP リンクは 8 つだけです。これ以上のリンクはソフトウェアによってホットスタンバイ モードになります。アクティブ リンクの 1 つが非アクティブになると、代わりにホットスタンバイ モードになっているリンクがアクティブになります。
(注) LACP を使用できるのは、NNI および ENI 上だけです。
EtherChannel グループに 8 リンクより多く設定されている場合、LACP プライオリティに基づいて、アクティブにするホットスタンバイ ポートがソフトウェアによって自動的に決定されます。ソフトウェアは LACP が動作するシステム間のリンクごとに、次の要素(プライオリティ順)からなる一意のプライオリティを割り当てます。
• LACP システム プライオリティ
• システム ID(LACP システム プライオリティとスイッチの MAC アドレスの組み合せ)
• LACP ポート プライオリティ
• ポート番号
プライオリティの比較においては、数値が小さいほどプライオリティが高くなります。ハードウェアの制限により互換性のあるポートの一部を集約できない場合は、プライオリティによって、スタンバイ モードにする必要があるポートが決定されます。
ポートは、集約でプライオリティが最高のリンクに付加されたポートからリンクプライオリティの順番でアクティブに使用されるよう考慮されます。各ポートは、以前の高いプライオリティ選択が維持される場合にも、アクティブに使用されるよう選択されます。維持されない場合、ポートはスタンバイ モードとして選択されます。
LACP システム プライオリティおよび LACP ポート プライオリティのデフォルト値を変更して、ソフトウェアによるアクティブおよびスタンバイ リンクの選択方法を変更できます。詳細については、「LACP システム プライオリティの設定」および「LACP ポート プライオリティの設定」を参照してください。
LACP システム プライオリティの設定
lacp system-priority グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用して、LACP で使用可能なすべての EtherChannel にシステム プライオリティを設定できます。各 LACP 設定チャネルにはシステム プライオリティを設定できません。この値をデフォルトから変更すると、アクティブおよびスタンバイ リンクの選択方法を変更できます。
ホットスタンバイ モードのポートを確認するには、 show etherchannel summary 特権 EXEC コマンドを使用します(ホットスタンバイ モードのポートには H ポートステート フラグが付加されます)。
LACP システム プライオリティを設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を行います。この手順は任意です。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
lacp system-priority priority |
LACP システム プライオリティを設定します。 priority の範囲は 1 ~ 65535 です。デフォルト値は 32768 です。 値が小さいほど、システム プライオリティは高くなります。 |
ステップ 3 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 4 |
show running-config または show lacp sys-id |
設定を確認します。 |
ステップ 5 |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
LACP システム プライオリティをデフォルト値に戻すには、 no lacp system-priority グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。
LACP ポート プライオリティの設定
すべてのポートは、デフォルトで同じポート プライオリティに設定されています。ローカル システムのシステム プライオリティおよびシステム ID の値がリモート システムよりも小さい場合は、LACP EtherChannel ポートのポート プライオリティをデフォルトよりも小さな値に変更して、最初にアクティブになるホットスタンバイ リンクを変更できます。ポート番号が小さなホットスタンバイ ポートほど、先にチャネル内でアクティブになります。ホットスタンバイ モードのポートを確認するには、 show etherchannel summary 特権 EXEC コマンドを使用します(ホットスタンバイ モードのポートには H ポートステート フラグが付加されます)。
(注) LACP が互換性のあるすべてのポートを集約できない場合(たとえば、リモート システムのハードウェア上の制限など)、EtherChannel にアクティブに含められないすべてのポートはホット スタンバイ ステートとなり、チャネル ポートのいずれかが故障した場合にだけ使用されます。
LACP ポート プライオリティを設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を行います。この手順は任意です。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
interface interface-id |
設定するポートを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 } インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを入力する必要があります。 |
ステップ 3 |
lacp port-priority priority |
LACP ポート プライオリティを設定します。 priority の範囲は 1 ~ 65535 です。デフォルト値は 32768 です。プライオリティが低いほど、ポートが LACP 伝送に使用される可能性が高まります。 |
ステップ 4 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 5 |
show running-config または show lacp [ channel-group-number ] internal |
設定を確認します。 |
ステップ 6 |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
LACP ポート プライオリティをデフォルト値に戻すには、 no lacp port-priority インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。
リンクステート追跡の概要
リンクステート追跡(トランク フェールオーバーとも呼ばれる)は、複数のインターフェイスのリンク ステートをバインドする機能です。たとえば、リンクステート追跡を Flex Link と一緒に使用すると、ネットワークの冗長性が実現されます。プライマリ インターフェイスでリンクが損失した場合、接続はセカンダリ インターフェイスに透過的に切り替えられます。
図 35-4 に示すように、Cisco ME 3400E スイッチの可能性あるスイッチは、Customer Premises Equipment(CPE; 顧客宅内機器)スイッチに接続されたプロバイダー ネットワークのエッジで、カスタマー側の User-facing Provider Edge(UPE)スイッチとして使用されます。UPE スイッチは、Service Provider(SP)ネットワークの Provider Edge(PE)スイッチに接続されます。クライアントなどの CPE スイッチに接続されているカスタマー デバイスは、SP ネットワークとの複数の回線を維持できます。この設定により、カスタマー側から SP へのトラフィック フロー(その逆も同様)が均等化されます。CPE に接続されるポートは、ダウンストリーム ポートと呼ばれ、PE スイッチに接続されるポートは、アップストリーム ポートと呼ばれます。
• UPE スイッチ A は、リンクステート グループ 1 を介して CPE へのリンクを提供します。ポート 1 および 2 は、CPE に接続されています。ポート 3 およびポート 4 は、リンクステート グループ 1 を介して PE スイッチ A に接続されています。
• UPE スイッチ B は、リンクステート グループ 2 を介する CPE へのリンクを提供します。ポート 1 および 2 は、CPE に接続されています。ポート 3 およびポート 4 は、リンクステート グループ 2 を介して PE スイッチ A に接続されます。
図 35-4 一般的なリンクステート追跡の設定
スイッチ上でリンクステート追跡をイネーブルにすると、ダウンストリーム ポートのリンク ステートは、1 つまたは複数のアップストリーム ポートのリンク ステートにバインドされます。一連のダウンストリーム ポートを一連のアップストリーム ポートに関連付けたあとで、すべてのアップストリーム ポートが使用不可になった場合、リンクステート追跡により関連付けられたダウンストリーム ポートが自動的に errdisable ステートになります。これにより、CPE プライマリ インターフェイスはセカンダリ インターフェイスにフェールオーバーします。
PE スイッチで障害が発生したり、ケーブルが切断されたり、またはリンクが損失したりした場合、アップストリーム インターフェイスの接続が切断される可能性があります。リンクステート追跡がイネーブルでない場合に、アップストリーム インターフェイスで接続が切断されても、ダウンストリーム インターフェイスのリンク ステートは変更されません。CPE は、アップストリームの接続が切断されたことを認識しないため、セカンダリ インターフェイスにフェールオーバーしません。
インターフェイスはポートの集約(EtherChannel)、アクセス モードまたはトランク モードでの単一の物理ポート、またはルーテッド ポートにできます。これらのインターフェイスはまとめてバンドルでき、各ダウンストリーム インターフェイスは複数のアップストリーム インターフェイスで構成される単一のグループ(リンクステート グループと呼ばれる)に関連付けることができます。
リンクステート グループでは、ダウンストリーム インターフェイスのリンク ステートはアップストリーム インターフェイスのリンク ステートによって異なります。リンクステート グループ内のすべてのアップストリーム インターフェイスがリンクダウン ステートである場合、関連付けられたダウンストリーム インターフェイスは強制的にリンクダウン ステートになります。リンクステート グループ内の任意のアップストリーム インターフェイスがリンクアップ ステートである場合、関連付けられたダウンストリーム インターフェイスはリンクアップ ステートに変更されるか、リンクアップ ステートのままにできます。
たとえば図 35-4 では、UPE スイッチ A 上のダウンストリーム インターフェイス 1 および 2 は、アップストリーム インターフェイス 3 および 4 を含むリンクステート グループ 1 に定義されます。同様に、UPE スイッチ B 上のダウンストリーム インターフェイス 1 および 2 は、アップストリーム インターフェイス 3 および 4 を含むリンクステート グループ 2 に定義されます。
アップストリーム インターフェイス 3 でリンクが損失した場合、ダウンストリーム インターフェイス 1 および 2 のリンク ステートは変更されません。アップストリーム インターフェイス 4 でもリンクが損失した場合は、ダウンストリーム インターフェイス 1 および 2 はリンクダウン ステートに変更されます。CPE スイッチは、PE スイッチ A へのトラフィック転送を停止して、PE スイッチ B へのトラフィック転送を開始します。
リンクステート グループから障害のあるダウンストリーム ポートを削除することにより、ダウンストリーム インターフェイスのリンクダウン状態から回復できます。複数のダウンストリーム インターフェイスを回復するには、リンクステート グループをディセーブルにします。