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この章では、Cisco 7201 ルータのシステムの起動方法および基本設定について説明します。この章の内容は、次のとおりです。
• 「機能の概要」
• 「Cisco 7201 の ROMmon のアップグレード」
• 「複雑な設定」
この章では、ネットワークにアクセスする上での基本的なルータ コンフィギュレーションについて説明します。複雑な設定手順については、このマニュアルでは扱いません。ご使用の Cisco ハードウェアにインストールされているソフトウェア リリースに対応した、Cisco IOS ソフトウェア コンフィギュレーション マニュアル セットの、モジュラ コンフィギュレーション ガイドおよびコマンド リファレンスを参照してください。
コンソールから Cisco 7201 ルータを設定する場合は、ルータのコンソール ポートに端末を接続する必要があります。
ここでは、Cisco 7201 ルータの機能について概説します。このルータにおけるポート アダプタの番号方式とアドレッシング方式、環境モニタ機能とレポート機能、および活性挿抜(Online Insertion and Removal; OIR)について説明します。これらの情報は、Cisco 7201 ルータのさまざまな機能を理解する上で役立ちます。
Cisco 7201 ルータでは、ポート アダプタ スロット番号はポート アダプタを搭載するシャーシ スロットを表し、論理インターフェイス番号はポート アダプタ上のインターフェイス ポートの物理的な位置を表します。
Cisco 7201 ルータのポート アダプタ スロットはスロット 1 です。ポート アダプタ スロット 0 は論理ポート 10/100/1000 専用です。
MAC(メディア アクセス制御)(ハードウェア)アドレスは、特定のネットワーク インターフェイス タイプに不可欠な標準データ リンク レイヤ アドレスです。このアドレスは、各ポートに固有なアドレスであり、ネットワークの内の他のデバイスが同じアドレスを使用することはありません。Cisco 7201 ルータでは、ポート アダプタの MAC アドレスを特定の方式で割り当てて管理します。MAC アドレスの詳細については、「MAC アドレス」を参照してください。
ポート アダプタ スロットは、ソフトウェア コマンドを使用して調べることができます。すべてのポート アダプタ スロットについて調べる場合は、 show interfaces コマンドを使用します。特定のポート アダプタ スロットについて調べる場合は、 show interfaces コマンドにポート アダプタ タイプとスロット番号を指定して使用します。フォーマットは show interfaces port-adapter-type slot-number /port-number です。省略形のコマンド( sh int )を使用し、ポート アダプタ タイプとスロット番号(すなわち引数)を指定しなかった場合は、 show interfaces と解釈され、すべてのポート アダプタとポートのステータスが表示されます。
次に、 show interfaces コマンドの例を示します。引数を指定していないため、Cisco 7201 ルータのポート アダプタについて、物理ポート アダプタ番号を含むステータス情報が表示されています。
次の例では、各インターフェイスのステータス情報の大部分は省略されています。
インターフェイス タイプ(イーサネット、トークンリング、ATM[非同期転送モード] など)やポート アドレス(スロット番号/ポート番号)などの引数を使用し、特定のインターフェイスに関する情報のみを表示することもできます。
次に、ギガビット イーサネットの先頭ポートの表示例を示します。
Cisco 7201 ルータの設定に使用するコマンドの詳細および使用方法については、次の URL にある『Cisco IOS Configuration Fundamentals Configuration Guide』および『Cisco IOS Configuration Fundamentals Command Reference』を参照してください。
http://www.cisco.com/univercd/cc/td/doc/product/software/index.htm
すべての LAN インターフェイス(ポート)には、他と重複しない固有の MAC アドレス(別名 ハードウェア アドレス)が必要です。通常、インターフェイスの MAC アドレスはインターフェイス回路上に直接配置されたメモリ コンポーネントに保管されますが、活性挿抜機能を使用する場合は別の方法が必要です(活性挿抜の詳細については、活性挿抜 を参照してください)。
活性挿抜機能を使用すると、ポート アダプタを取り外し、まったく同じ構成のものと交換することができます。取り外したポート アダプタと新しいポート アダプタが同一の場合は、新しいポート アダプタがただちにオンラインになります。活性挿抜をイネーブルにするには、システムボードにある EPROM(電気的消去再書き込み可能 ROM)に、固有の MAC アドレスを持つアドレス アロケータを保管します。ルータの特定ポートおよびスロットごとに、アドレスが 1 つずつ予約されます。そのスロットにポート アダプタが搭載されているかどうかは関係ありません。Cisco 7201 のポート アダプタ スロットの MAC アドレスは、スロット 0 に指定されています。ポート アダプタを取り外して別のルータに取り付けても、MAC アドレスがネットワーク上で移動したり、複数の装置に割り当てられることはありません。
MAC アドレスが各ポート アダプタに保管されている場合、活性挿抜は機能しません。MAC アドレスが常に異なるため、あるポート アダプタを全く同一のポート アダプタと交換することは不可能だからです。さらに、ポート アダプタを交換するたびに、ネットワーク上の他の装置は新しいアドレスを使用してデータ構造を更新しなければなりません。他の装置が速やかに更新できないと、同じ MAC アドレスが同時に複数の装置で使用される可能性があります。
(注) すべてのスロットの MAC アドレスを中央の 1 箇所に保管しておけば、保管されているメモリ デバイスによってアドレスが維持されます。
Cisco 7201 ルータのポート アダプタおよびサービス アダプタはすべて活性挿抜に対応しています。ただし、アクティブなトラフィックが通過しているポート アダプタを取り外す際には、その前にインターフェイスをシャットダウンしてください。トラフィックがポートを通過中にポート アダプタを取り外すと、システムが停止する可能性があります。ポート アダプタを取り付ければ、ポートは元どおりアップの状態になります。
活性挿抜機能があると、ルータが稼働中にポート アダプタやサービス アダプタを取り付けたり交換したりすることができます。ソフトウェアに通知したり、システムの電源を切る必要はありません。ただし、ポート アダプタを取り外すときに、そのポート アダプタ上をトラフィックが通過しないようにしなければなりません。活性挿抜によって、ネットワーク上のエンド ユーザは途切れることなく接続を保ち、すべてのルーティング情報が維持され、セッションが継続されます。
ここでは、活性挿抜の基本的な機能について説明します。Cisco 7201 ルータのポートまたはサービス アダプタの取り付けおよび交換の具体的な手順については、各ポート アダプタまたはサービス アダプタに対応したオンラインのコンフィギュレーション ノートを参照してください。
各ポート アダプタまたはサービス アダプタには、ルータに接続するためのバス コネクタがあります。コネクタには、長さの異なる 3 種類の段状のピンがあり、これらのピンがポート アダプタまたはサービス アダプタに接触すると、システムに特定の信号が送信されます。システムは受信した信号とその順序を確認し、ポート アダプタまたはサービス アダプタが取り外されたのか、システムに装着されたのかを判別します。さらに、これらの信号に基づいて、新しいインターフェイスを再初期化するのか、または取り外したインターフェイスをシャットダウンするのかを判別します。
たとえば、ポート アダプタまたはサービス アダプタを装着すると、最も長いピンが最初にポート アダプタまたはサービス アダプタに接触し、最も短いピンが最後に接触することになります。システムはこの信号と受信順序を認識します。
Cisco 7201 ルータでポート アダプタまたはサービス アダプタの取り外しまたは取り付けを行うと、ピンが信号を送信してシステムに通知します。通知を受けたシステムは、次の作業を実行します。
2. 新しく搭載されたすべてのポート アダプタまたはサービス アダプタを初期化し、取り外されたインターフェイスおよび交換されたインターフェイスがあれば、管理上のシャットダウン状態にします。
3. ポート アダプタ上ですでに設定されていたすべてのインターフェイスを、取り外し前の状態に戻します。新しく取り付けられたインターフェイスがあれば、起動時に(未設定で)存在していた場合と同様に、管理上のシャットダウン状態にします。スロットに同じタイプのポート アダプタが再装着された場合は、元のポート アダプタと同じ数だけポートを設定し、オンラインにします(サービス アダプタには、設定可能なポートはありません)。
環境モニタおよびレポート機能により、システム動作が停止しないうちに、望ましくない条件を識別して解決し、正常な動作を維持できます。環境モニタ機能は、シャーシ内部の温度、DC 電源の電圧および電流を常時監視します。シャットダウンしきい値条件に達すると、過熱による機器の損傷を防止するため、システムが停止します。レポート機能は、測定した各種パラメータ値を定期的に記録し、あとで取り出して分析できるようにします。また、監視対象のパラメータのいずれかが規定のしきい値を超えた場合は、コンソールに警告が表示されます。
環境モニタ機能では、システム ボード前面エッジの下にあるセンサー 1(U12)と、ファンの近くにあるセンサー 2(U20)の 2 つのセンサーを使用します。温度が規定のしきい値を超えると、システム コントローラによってコンソール端末に警告メッセージが表示されます。温度がシャットダウンしきい値を超えた場合は、システム コントローラがシステムを停止させます。温度と DC 電圧の両方に関する現在のパラメータ測定値は、システムによって NVRAM(不揮発性 RAM)に保管されるため、最終的なシャットダウン パラメータのレポートとして、あとで取り出すことができます。
電源モジュール内部の温度または電圧がクリティカル レベルに達すると、電源モジュールはシステム プロセッサに通知せずに停止します。
環境モニタ機能は、次のステータス レベルを条件として使用し、システムを監視します。
• Normal(正常) ― 監視対象のすべてのパラメータが正常範囲内です。
• Warning(警告) ― 指定されたしきい値を超過しています。システム動作は継続されますが、正常な状態にシステムを戻す処置が望まれます。
• Critical(クリティカル) ― 許容範囲を超える温度または電圧状態が発生しています。システムの動作は継続されますが、やがてシステムはシャットダウンに至ります。早急な処置が必要です。
• Shutdown(シャットダウン) ― システム コンポーネントに物理的な損傷を与える可能性のある温度状態がプロセッサによって検出され、すべての内蔵コンポーネントに対して DC 電力の供給が停止されました。この状況下では、早急な対処が必要です。電源スイッチを切り替えるまで、すべての DC 電源は使用できません。シャットダウンの前に、監視対象パラメータのステータスが NVRAM に記録されるため、あとで取り出して問題の原因究明に役立てることができます。
• Power supply shutdown(電源モジュール停止) ― 電源モジュールが内部で許容範囲を超える過電圧、過電流、または過熱状態を検出し、自動的に停止しました。電源スイッチを切り替えるまで、すべての DC 電源は使用できません。
表3-1 に、Cisco 7201 ルータの一般的な温度しきい値を示します。 表3-2 に、標準、警告、およびクリティカル(電源モジュール監視対象)レベルの DC 電源しきい値を示します。
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表3-2 に、電源モジュール監視の一般的な DC 電圧しきい値を示します。
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Cisco 7201 ルータでは、シャーシの監視対象インターフェイス パラメータが規定のしきい値を超過した場合、コンソールに警告メッセージが表示されます。 show environment 、 show environment all 、 show environment last 、および show environment table コマンドを使用する方法でも、環境ステータス レポートを取り出して表示することができます。パラメータの測定およびレポート機能の更新は 60 秒間隔で実行されます。次に、各コマンドについて簡単に説明します。
show environment コマンドを使用すると、現在の環境に関するシステム ステータス レポートを取り出して表示できます。このレポートには、正常値の範囲にないパラメータが示されます。システム ステータスが正常な場合、パラメータは表示されません。次に示すのは、監視対象のすべてのパラメータが正常範囲内にあるシステムの出力例です。
環境ステータスが正常で ない 場合、レポートにはワーストケースのステータス レベルが示されます。次に示すのは、過電圧に関する警告の例です。
show environment last コマンドを使用すると、NVRAM 内のログを取り出して表示することができます。このログには、最後のシステム シャットダウンの理由(シャットダウンが電圧または温度に関連していた場合)、およびその時点での環境ステータスが示されています。温度が測定されて表示されるほか、電源モジュールが供給した DC 電圧も表示されます。
show environment last コマンドの出力例を示します。
show environment table コマンドを使用すると、各温度センサーおよび監視対象の各ステータス レベルについて、温度および電圧のしきい値が表示されます。これらのしきい値は、 表3-1 および 表3-2 の項目と対応しています。出力には、システムのシャットダウンしきい値も示されます。
次に、Cisco 7201 ルータに関する show environment table コマンドの出力例を示します。
sh ow environment all コマンドを使用すると、温度測定値と電圧測定値を含む広範なレポートが表示されます。 show environment all コマンドでは、搭載されている電源モジュール スロットおよび空のスロットを示すレポートも出力されます。
次に、搭載された AC 電源モジュールに関する show environment all コマンドの出力例を示します。
システム電源がオンのとき、5 つのファンはすべて作動状態になります。ファンに障害が発生しても、システムは動作し続けます。この場合は、次のメッセージが表示されます。
温度が規定のしきい値を超えると、システム コントローラによってコンソール端末に警告メッセージが表示されます。温度がシャットダウンしきい値を超えた場合は、システム コントローラがシステムを停止させます。
温度がシャットダウンしきい値を超えたためにシステムが停止した場合、システムの再起動時に、コンソール画面および環境表示に次のメッセージが出力されます。
環境モニタ コマンドの詳細および使用方法については、『 Cisco IOS Configuration Fundamentals Configuration Guide 』および『 Cisco IOS Configuration Fundamentals Command Reference 』を参照してください。これらのマニュアルはオンラインで入手できます。
• 各ポート アダプタがそれぞれ対応するスロットに搭載され、それぞれのポート アダプタ レバーがロック位置にある。
• ネットワーク インターフェイス ケーブルがポート アダプタに接続されている。
• SFP モジュールおよび光ファイバ ケーブルが取り付けられている。
• オプションの USB フラッシュ メモリ モジュールまたは Aladdin USB eToken Pro キーが取り付けられている。
• オプションのファスト イーサネット管理ポート ケーブルが取り付けられている。
この条件が満たされている場合、いつでもルータを起動できます。「システムの起動および初期条件の観察」に進んでください。
Cisco 7201 ルータを設置し、ケーブルを接続してから、次の手順でルータを起動します。
ステップ 1 ルータの前面で、電源モジュールの電源スイッチをオン(O)の位置にします。
ステップ 2 ファンの音を確認します。すぐに作動音が聞こえるはずです。
ステップ 3 ブート プロセスの間、システム LED を観察します。ポート アダプタの LED が不規則に点灯し、消灯します。短時間に、点灯してから消灯し、再び点灯する場合もあります。ルータのグリーンの STATUS LED が点灯します。
ステップ 4 初期化プロセスを観察します。システムの起動(数秒)が完了したあとで、プロセッサはポート アダプタおよび I/O サブシステムの初期化を開始します。この初期化中、ポート アダプタの LED は点滅することがあります。
初期化が完了すると、ポート アダプタの ENABLED LED が点灯し、コンソール画面に次のようなスクリプトおよびシステム バナーが表示されます。
ステップ 5 初回のルータ起動時には、自動的にセットアップ機能が開始され、搭載されているポート アダプタが判別されて、コンフィギュレーション情報の入力を求められます。システム バナーおよびハードウェア コンフィギュレーションの表示後、コンソール端末には次のような System Configuration Dialog のプロンプトが表示されます。
セットアップ機能を使用してインターフェイスの設定を続けることも、またはセットアップ機能を終了しコンフィギュレーション コマンドを使用してグローバル(システム全体)およびインターフェイス特定のパラメータを設定することもできます。インターフェイスをただちに設定する必要はありませんが、設定しないうちは、イネーブルにすることも、そのインターフェイスをネットワークに接続することもできません。
ほとんどのポート アダプタ LED は、インターフェイスを設定するまで点灯しません。各インターフェイスの動作を検証するには、最初の起動手順と設定の完了後、ポート アダプタのコンフィギュレーション ノートに記載されている LED の説明を参照し、インターフェイスのステータスを調べてください。
起動手順の各ステップを完了できない場合は、トラブルシューティングの推奨事項および手順について 第 5 章「最初の起動時のトラブルシューティング」 を参照してください。
以下の各項で説明する手順のいずれかを使用して、Cisco 7201 ルータを設定できます。
• 「グローバル コンフィギュレーション モードによる基本設定」
(注) ルータの設定を完了するには、事前にシステム管理者から有効なネットワーク アドレスを取得するか、またはネットワーク プランを参照して有効なアドレスを決定しておく必要があります。
設定作業を進める前に、 show version コマンドを入力し、ルータの現在の状態を確認してください。 show version コマンドを使用すると、ルータ上で使用できる Cisco IOS ソフトウェアのリリースが表示されます。show version コマンドの出力例は、「システム コンフィギュレーションの表示」を参照してください。
AutoInstall プロセスは、WAN への接続後に、Cisco 7201 ルータが自動的に設定されるように設計されています。AutoInstall を正常に動作させるには、あらかじめネットワーク上の TCP/IP ホストを設定し、必要なコンフィギュレーション ファイルが提供されるようにする必要があります。TCP/IP ホストは、次の2つの条件を満たすかぎり、ネットワーク上のどこにあってもかまいません。
1. ホストは、ルータ/WAN 間同期シリアル接続のリモート側になければなりません。
2. ルータと TCP/IP ホスト間で相互に UDP ブロードキャストが可能でなければなりません。
この機能は、TCP/IP ホストが配置されているサイトで、システム管理者が調整します。必要なファイルが TCP/IP ホスト上にない場合は、AutoInstall を使用できません。AutoInstall の機能については、『Cisco IOS Configuration Fundamentals Configuration Guide』および『Cisco IOS Configuration Fundamentals Command Reference 』を参照してください。
次の手順で、AutoInstall プロセス用に Cisco 7201 ルータを準備します。
ステップ 1 ルータの同期シリアル インターフェイス 0 に、適切な同期シリアル ケーブルを接続します。
ステップ 2 電源モジュールの電源スイッチをオン(O)の位置にします(この動作によってルータの AC 電源がオンになります)。
ルータはフラッシュ メモリからオペレーティング システムを読み込みます。WAN 接続のリモート側が接続され、正しく設定されていると、AutoInstall プロセスが開始されます。
ステップ 3 AutoInstall プロセスの完了後、 copy running-config startup-config コマンドを使用し、ルータの NVRAM にコンフィギュレーション データを書き込みます。次のステップを実行し、作業を完了します。
(注) ステップ 3 を終えると、AutoInstall プロセスによって作成されたコンフィギュレーションの設定値が NVRAM に保存されます。この作業を省くと、次回ルータをリロードした際に、設定したコンフィギュレーションが失われます。
AutoInstall を使用しない場合は、ルータのシリアル(WAN)ケーブルを CSU/DSU(チャネル サービス ユニット/データ サービス ユニット)に接続しないでください。WAN ケーブルが接続されていない場合、ルータはフラッシュ メモリから起動し、自動的にセットアップ機能を開始します。
(注) イネーブル プロンプト(#)にコマンド setup を入力すると、いつでもセットアップ機能を実行できます。
シリアル(WAN)ケーブルが CSU/DSU に接続され、ルータの NVRAM にコンフィギュレーションが保管されていない場合、ルータは起動時に AutoInstall を実行しようとします。リモート TCP/IP ホストに対して AutoInstall が設定されないことをルータが判別するまでに、数分を要する場合があります。AutoInstall が未設定であることを判別したルータは、デフォルトでセットアップ機能を開始します。
セットアップ プログラムを初めて起動したときに、グローバル パラメータを設定する必要があります。グローバル パラメータは、システム全体の設定を制御するために使用します。次の手順で、グローバル パラメータを入力します。
ステップ 1 コンソール ポートにコンソール端末を接続して、ルータを起動します。
システムはフラッシュ メモリから起動します。30 秒ほどで次の情報が表示されます。この情報が表示された場合、ルータは正常に起動しています。
コンフィギュレーション スクリプトの最初の 2 つのセクション(バナーおよび搭載ハードウェア)が表示されるのは、最初のシステム起動時だけです。以後セットアップ機能を使用すると、次の System Configuration Dialog からスクリプトが始まります。
ステップ 2 初期設定ダイアログを開始するかどうかが確認されたら、yes を入力します。
ステップ 3 基本管理設定を開始するかどうかが確認されたら、no を入力します。
ステップ 4 初期設定ダイアログを開始し、現在のインターフェイスの要約を表示する場合は、 yes を入力するか、または Return キーを押します。
次に、最初の起動時の Cisco 7201 ルータを示します。何も設定されていない状態です。
ステップ 5 インターフェイス上でサポートするプロトコルを選択します。IP 専用インストレーションの場合、ほとんどの質問にデフォルト値を使用してかまいません。ステップ 10 までは、IP、IPX、AppleTalk を使用する一般的なコンフィギュレーションです。
ステップ 6 イネーブル シークレット パスワード、イネーブル パスワード、仮想端末パスワードを入力します。
ステップ 7 システム管理を設定するかどうかが確認されたら、no を入力します。
ステップ 8 SNMP(簡易ネットワーク管理プロトコル)は、最も普及しているネットワーク管理標準規格です。SNMP を使用すると、ルータおよびコミュニケーション サーバのコンフィギュレーションおよびランタイム パラメータへのアクセスおよび設定が可能になります。SNMP では、ネットワーク要素のモニタおよび制御に使用する機能のセットを定義します。
SNMP 管理機能を使用する場合は、 yes を入力するか、または Return キーを押します。SNMP 管理機能を使用しない場合は、no を入力します。
ステップ 9 次のクエリでは、LAT、IP、RIP ルーティング、ブリッジング、AppletTalk、DECnet、CLNS、または IPX をイネーブルにしません。
ステップ 10 通常は IP ルーティングを使用します。IP ルーティングを使用する場合、内部ルーティング プロトコルも選択する必要があります。セットアップ機能を使用してシステムで稼働する内部ルーティング プロトコルを設定する場合、指定できるのは、Interior Gateway Routing Protocol(IGRP)またはRouting Information Protocol(RIP)のいずれか一方だけです。
IP ルーティングを設定するには、 yes (デフォルト値)を入力するか、または Return キーを押し、内部ルーティング プロトコルを選択します。
次の出力例には、ステップ 5 ~ 10 で選択したすべてのコンフィギュレーション パラメータが示されています。この例で選択されているプロトコルは、IP のみです。
ステップ 11 コンフィギュレーションを保存しない場合は、0 を選択してルータ コマンド構造に直接移動するか、またはメニューで 1 を選択して、設定メニューの先頭に戻ります。次に示すオプション 0、1、および 2 の出力を参照してください。設定を NVRAM に保存する場合は、オプション 2 を選択します(実行コンフィギュレーションの設定値の確認、およびNVRAM への実行コンフィギュレーションの保存を参照)。コンフィギュレーション モードおよびセットアップ機能でルータにコンフィギュレーションを作成した場合、その設定値を保存しておかないと、作成したコンフィギュレーションは次回ルータをリロードした際に失われます。
Cisco 7201 ルータは、Gigabit Ethernet SFP ポートを GigabitEthernet 0/0、GigabitEthernet 0/1、GigabitEthernet 0/2、および GigabitEthernet 0/3 として、RJ-45 ポートを GigabitEthernet 0/0 および Gigabit Ethernet 0/1 として報告します。GigabitEthernet 0/0 または Gigabit Ethernet 0/1 インターフェイスを設定する前に、まず media-type インターフェイス コマンドを使用して、メディア タイプ(sfp または rj45)を選択します。
特定のメディア ポートを使用できるようにするには、Cisco IOS を使用してメディア タイプを選択します。メディア タイプを選択するには、media-type インターフェイス コマンドを使用します。
メディア タイプを変更したら、新しいインターフェイスの特性に合わせて速度およびデュプレックス伝送モードを設定します。Cisco 7201 ルータのギガビット イーサネット インターフェイスの速度およびデュプレックスを変更するには、speed および duplex インターフェイス コマンドを使用します。
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full、half、auto 1 |
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sfp メディア タイプを使用する場合は、IEEE(米国電気電子学会)802.1z ギガビット イーサネット(1000 Mbps)自動ネゴシエーション プロトコルをイネーブルにするための negotiation auto コマンドを使用することもできます。
この negotiation auto 機能をオフにするには(デフォルトではオン)、no negotiation auto インターフェイス コマンドを使用します。このコマンドは、IEEE 802.1z 自動ネゴシエーションをサポートしない他のギガビット イーサネット機器への接続に役立ちます。speed および duplex の固定設定を使用することを推奨します。
negotiation auto が設定されているインターフェイスは、対応するモードをすべてアドバタイズします。リンクが起動するのは、ネゴシエーション プロセスによって Cisco 7201 SFP メディア タイプとリンク パートナーで共通のモードが検出された場合のみです。
sfp メディア タイプのデフォルト動作は、常に 1000 Mbps、全二重です。このモードで使用できる速度は、1000 Mbps だけです。1000 と auto のいずれを選択しても結果は同じです。GE 0/0、GE 0/1、および GE 0/2 は半二重および全二重モードを、GE 0/3 は全二重モードのみをサポートします。
(注) 銅製 SFP モジュールは、RJ-45 メディア タイプでなく、SFP メディア タイプとみなされます。GE 0/2 および GE 0/3 はオプティカル ポートです。RJ-45 コネクタを備えた銅製 SFP モジュールと標準 SFP モジュールのいずれが搭載されているかには関係しません。
(注) メディア タイプ RJ-45 を使用する場合、negotiation auto 機能はサポートされず、実行しようとしても無視されます(自動ネゴシエーションは常に RJ-45 モードで実行されます)。
イネーブルな RJ-45 インターフェイスは、対応するモードをすべてアドバタイズします。リンクが起動するのは、ネゴシエーション プロセスによって Cisco 7201 RJ-45 メディア タイプとリンク パートナーで共通のモードが検出された場合のみです。
sfp を rj-45 メディア タイプに変更する場合は、media type コマンドを実行して、インターフェイスが正しいモードで動作することを確認してから、speed および duplex を設定する必要があります。
フロー制御の詳細については、「ギガビット イーサネットのフロー制御」を参照してください。
Cisco IOS には、インターフェイスに関する情報を提供するコマンドとして、show interface GigabitEthernet 0/X (X は 0、1、2、または 3)および show controllers GigabitEthernet 0/X (X は 0、1、2、または 3)の 2 つがあります。
show interface コマンドの出力は、インターフェイスの現在の動作モード(速度/デュプレックス/メディア タイプ)および現在のインターフェイス統計を判別する場合に役立ちます。
show controllers コマンドの出力には、 Cisco 7201 ルータのギガビット イーサネット インターフェイス固有の詳細情報が表示されます。たとえば、検出されたリンク ステータス、速度、デュプレックスが表示され、自動ネゴシエーションの現在のステータスおよびリンク パートナーの機能も判別されます(自動ネゴシエーション対応インターフェイスの場合)。
show controllers コマンドを実行すると、ドライバおよびイーサネット コントローラ ハードウェアの現在の動作ステートも表示されます。show controllers コマンドはデバッグ時に特に問題のあるデバッグに関してユーザが支援を必要としている場合、シスコシステムズの技術者にとってきわめて有効なコマンドとなります。ギガビット イーサネット インターフェイスに問題がある場合は、この情報をシスコシステムズに提出して解析を行う必要があります。
インターフェイス カウンタをクリア(リセット)するには、次のコマンドを使用します。
clear counters GigabitEthernet 0/X (X は 0、1、2、または 3)
(注) このコマンドを使用しても、インターフェイスはリセットされません。
次に、LAN または WAN を経由して通信できるように、インターフェイスを設定する手順を示します。インターフェイス パラメータを設定するには、インターフェイス ネットワーク アドレスおよびサブネット マスク情報が必要です。ネットワーク管理者からこれらの情報を取得してください。
(注) Cisco 7201 ルータに搭載できるポート アダプタは 1 つのみです。次に、使用できる 3 つのインターフェイスの例を示します。
次に、スロット 1 の Asynchronous Transfer Mode(ATM; 非同期転送モード)インターフェイスを、IP を使用する ATM LAN 用に設定する例を示します。次の手順で、ATM インターフェイスを設定します。
ステップ 1 setup プロンプトに実際のアドレスおよびマスクを使用し、次のように応答します。
ステップ 2 このインターフェイスで IPX をイネーブルにするかどうかを決めます。イネーブルにする場合は、他と重複しない IPX ネットワーク番号を入力します。
ステップ 3 インターフェイス上で AppleTalk を使用する場合は、 yes を入力します。さらに yes を入力して拡張 AppleTalk ネットワーク用に設定し、ケーブル レンジ番号を入力します。ゾーン名およびローカル ゾーンに対応する他のゾーンを入力します。
ステップ 4 設定値を NVRAM に保存します(実行コンフィギュレーションの設定値の確認、およびNVRAM への実行コンフィギュレーションの保存を参照)。コンフィギュレーション モードおよびセットアップ機能でルータにコンフィギュレーションを作成した場合、その設定値を保存しておかないと、作成したコンフィギュレーションは次回ルータをリロードした際に失われます。
(注) システムに他の ATM インターフェイスがある場合は、それらの設定も同様に要求されます。
次の例では、スロット 1 のファスト イーサネット インターフェイスを、IP を使用するファスト イーサネット LAN 用に設定します。次の手順で、ファスト イーサネット インターフェイスを設定します。
ステップ 1 setup プロンプトに実際のアドレスおよびマスクを使用し、次のように応答します。
ステップ 2 このインターフェイスで IPX をイネーブルにするかどうかを決めます。イネーブルにする場合は、他と重複しない IPX ネットワーク番号を入力します。
ステップ 3 インターフェイス上で AppleTalk を使用する場合は、 yes を入力します。さらに yes を入力して拡張 AppleTalk ネットワーク用に設定し、ケーブル レンジ番号を入力します。ゾーン名およびローカル ゾーンに対応する他のゾーンを入力します。
ステップ 4 設定値を NVRAM に保存します(実行コンフィギュレーションの設定値の確認、およびNVRAM への実行コンフィギュレーションの保存を参照)。コンフィギュレーション モードおよびセットアップ機能でルータにコンフィギュレーションを作成した場合、その設定値を保存しておかないと、作成したコンフィギュレーションは次回ルータをリロードした際に失われます。
(注) システムに他のファスト イーサネット インターフェイスがある場合は、それらの設定も同様に要求されます。
同期シリアル インターフェイスを設定し、CSU/DSU 経由で WAN に接続できるようにします。次に、スロット 1 の同期シリアル インターフェイスを、IP を使用する WAN 接続用に設定する例を示します。次の手順で、同期シリアル インターフェイスを設定します。
ステップ 1 setup プロンプトに実際のアドレスおよびマスクを使用し、次のように応答します。
ステップ 2 このインターフェイスで IPX をイネーブルにするかどうかを決めます。イネーブルにする場合は、他と重複しない IPX ネットワーク番号を入力します。
ステップ 3 インターフェイス上で AppleTalk を使用する場合は、 yes を入力します。さらに yes を入力して拡張 AppleTalk ネットワーク用に設定し、ケーブル レンジ番号を入力します。ゾーン名およびローカル ゾーンに対応する他のゾーンを入力します。
ステップ 4 設定値を NVRAM に保存します(実行コンフィギュレーションの設定値の確認、およびNVRAM への実行コンフィギュレーションの保存を参照)。コンフィギュレーション モードおよびセットアップ機能でルータにコンフィギュレーションを作成した場合、その設定値を保存しておかないと、作成したコンフィギュレーションは次回ルータをリロードした際に失われます。
(注) システムに他の同期シリアル インターフェイスがある場合は、それらの設定も同様に要求されます。
最小限の設定が完了し、ルータが使用できる状態になりました。初期設定後にパラメータを変更する場合は、 setup コマンドを使用します。さらに複雑な設定が必要な場合は、 configure コマンドを使用します。
その他のインターフェイス コンフィギュレーションおよび具体的なシステム コンフィギュレーションについては、Cisco ハードウェアにインストールされているソフトウェア リリースに対応した Cisco IOS ソフトウェア コンフィギュレーション マニュアル セットの、モジュラ コンフィギュレーション ガイドおよびコマンド リファレンスを参照してください。
セットアップ機能または AutoInstall を使用しない場合、手動で Cisco 7201 ルータを設定することもできます。ルータを手動設定する場合の手順は、次のとおりです。
ステップ 1 コンソール端末をコンソール ポートに接続します。
ステップ 2 初期ダイアログを開始するかどうかについては no で応答し、ルータの通常の動作モードを開始します。
ステップ 3 数秒後にユーザ EXEC プロンプト(Router>)が表示されます。enable を入力し、イネーブル モードを開始します(イネーブル モードの場合のみコンフィギュレーションを変更できます)。
ステップ 4 イネーブル プロンプトに configure terminal コマンドを入力し、端末からコンフィギュレーション モードを開始します。
Router(config)# プロンプトに interface type slot/port コマンドを入力し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。
どちらかのコンフィギュレーション モードで、コンフィギュレーションに対する変更を入力できます。 Ctrl-Z を押す( Ctrl キーを押しながら Z キーを押す)か、 end を入力すると、コンフィギュレーション モードが終了し、EXEC コマンド インタープリタに戻ります。
ステップ 5 設定値を NVRAM に保存します(実行コンフィギュレーションの設定値の確認、およびNVRAM への実行コンフィギュレーションの保存を参照)。コンフィギュレーション モードおよびセットアップ機能でルータにコンフィギュレーションを作成した場合、その設定値を保存しておかないと、作成したコンフィギュレーションは次回ルータをリロードした際に失われます。
最小限の設定が完了したので、ルータは入力されたコンフィギュレーションを使用して起動します。使用できるコンフィギュレーション コマンドの一覧を表示するには、コンフィギュレーション モードでプロンプトに ? を入力します。
入力した設定値を確認する場合は、Router# プロンプトに show running-config コマンドを入力します。
コンフィギュレーションに対して行った変更を確認する場合は、EXEC モードの show startup-config コマンドを使用し、NVRAM 内の情報を表示します。
コンフィギュレーションに対して行った変更を確認する場合は、EXEC モードの show startup-config コマンドを使用し、NVRAM 内の情報を表示します。
コンフィギュレーションまたは変更した設定値を NVRAM 内のスタートアップ コンフィギュレーションに保存するには、Router# プロンプトに copy running-config startup-config コマンドを入力します。
このコマンドを使用し、ルータ上のコンフィギュレーション モードおよびセットアップ機能で作成したコンフィギュレーションの設定値を保存します。この作業を省くと、次回ルータをリロードした際に、設定したコンフィギュレーションが失われます。
ルータ用に基本的なスタートアップ コンフィギュレーションを作成したあとで、コンフィギュレーションの高度な変更を行う場合は、Cisco ハードウェアにインストールされているソフトウェア リリースに対応した Cisco IOS ソフトウェア コンフィギュレーション マニュアル セットの、モジュラ コンフィギュレーション ガイドおよびコマンド リファレンスを参照してください。これらのマニュアルには、 configure コマンドの詳しい使用方法が記載されています。
コンフィギュレーション マニュアルでは、次の作業手順についても説明しています。
• Remote Copy Protocol(RCP)または Trivial File Transfer Protocol(TFTP)によるコンフィギュレーション ファイルまたはシステム イメージのロード
書き込み可能 ROM monitor(ROMmon)をアップグレードすると、新しい ROMmon イメージをダウンロードできます。新規イメージを取得するためにハードウェア(Cisco 7201)を交換する必要はありません。
2 つの ROMmon イメージがあります。1 つは、システム付属の ReadOnly イメージ(Cisco 7201 ハードウェア EPROM バージョン 1.4 が搭載されていて、ソフトウェア C7201:Rommon バージョンが 12.3(4r)T2 以上である場合は、常に使用可能)、もう 1 つは、指定された TFTP ファイルの場所からダウンロードされるアップグレード可能 ROMmon イメージです。アップグレード可能 ROMmon イメージを指定するように、システムを設定できます。ブート時は ReadOnly イメージが最初に使用され、次にアップグレード可能 ROMmon イメージ(設定されている場合)が使用されます。アップグレード可能 ROMmon イメージの起動に失敗すると、ルータはこの ROMmon イメージに無効のマークを付けて、ReadOnly ROMmon イメージに戻ります。
新しい ROMmon イメージを初めて実行する場合は、ROMmon の起動後に、リセットや電源のオン/オフを実行できるようにする必要があります。ROMmon 実行プロセスが中断された場合、システムは新しい ROMmon イメージのブート時に障害が発生したと解釈し、ReadOnly イメージに戻ります。
(注) 起動できなかったアップグレード可能 ROMmon イメージには、無効とマークされます。初期ブート中は、ルータをリセットしないでください。
使用可能な ROMmon イメージを判別するには、Cisco IOS を使用している場合は show rom-monitor コマンドを、ROMmon を開始している場合は showmon を使用します。show rom-monitor または showmon コマンドで出力される情報については、次の例を参照してください。
• Cisco IOS が開始している場合は、show rom-monitor コマンドを使用します。
• ROMmon が開始している場合は、showmon コマンドを使用します。
ROMmon をプログラムするには、 upgrade rom-monitor file file_id コマンドを使用します。
次の upgrade rom-monitor コマンド例を参照してください。
(注) ROMmon をアップグレードしたら、既知の有効な Cisco IOS イメージをロードすることを推奨します。
ROMmon イメージを変更するには(読み取り専用またはアップグレード可能)、Cisco IOS が開始しているか、または ROMmon が開始しているかに応じて、次のいずれかのコマンドを使用します。
• Cisco IOS が開始している場合は、upgrade rom-monitor preference コマンドを使用して、ROMmon イメージを変更します。
ROMmon が開始している場合は、ROMmon CLI rommon-pref [readonly | upgrade] コマンドを使用して、ROMmon イメージを変更します。
ここでは、アップグレードに失敗した場合、またはアップグレードに成功したにもかかわらずアップグレードが破損している場合に表示されるエラー メッセージの例を示します。
アップグレードに失敗した場合、またはアップグレード イメージが破損している場合に、次のいずれかのエラー メッセージが表示されます。
• ROMmon イメージが ReadOnly イメージと互換性がない場合:
• ROMmon アップグレード イメージが大きすぎる場合:
• ハードウェアで ROMmon アップグレードがサポートされていない場合:
• アップグレード コマンドに指定したファイル タイプが正しくない場合:
Cisco 7201 には Field-Programmable Gate Array(FPGA)デバイスが搭載されています。FPGA デバイスは、ソフトウェアの個別アップグレードをサポートする Field-Programmable Device(FPD)の 1 つのタイプです。FPD 機能をサポートする Cisco イメージがリリースされると、その Cisco IOS ソフトウェア リリースに対応する FPD イメージ パッケージもリリースされます。FPD イメージ パッケージは Cisco.com から入手できます。Cisco Software Center ページからアクセスしてください。このページから、Cisco IOS ソフトウェア イメージもダウンロードできます。
FPGA アップグレード情報およびアップグレード手順については、次の URL にある
『 Field-Programmable Device Upgrades 』を参照してください。
http://www.cisco.com/univercd/cc/td/doc/product/software/ios124/124newft/124limit/124x/124xd4/fpd.htm
ここでは、イネーブル パスワードまたはコンソール ログイン パスワードを忘れた場合の回復方法、およびイネーブル シークレット パスワードを忘れた場合に、Cisco 7201 ルータ上で置換する方法について説明します。
(注) イネーブル パスワードまたはコンソール ログイン パスワードは回復可能です。イネーブル シークレット パスワードは暗号化されているので、新しいイネーブル シークレット パスワードに置換する必要があります。
ステップ 1 ルータにログインできる場合は、 show version コマンドを入力し、既存のコンフィギュレーション レジスタ値を調べます。
ステップ 2 Break キーを押し、ブートストラップ プログラム プロンプト(ROM モニタ)を開始します。ルータの電源をいったん切って再度入れることにより、システム イメージをリロードしなければならない場合があります。
(注) ルータで Break 機能が使用できない場合に忘れたパスワードを回復するには、ルータに物理的にアクセスする必要があります。
ステップ 3 次の機能がイネーブルになるように、コンフィギュレーション レジスタを変更します。
(注) 忘れたパスワードを回復させるには、スタートアップ コンフィギュレーション(通常は NVRAM 内)が無視されるように、コンフィギュレーション レジスタ ビット 6(0x0040)を設定することが不可欠です。この設定により、パスワードを使用しなくてもログインし、スタートアップ コンフィギュレーションのパスワードを表示できるようになります。
(注) ルータの電源をオフにした場合、電源を再投入するには 30 秒経過してから行うようにしてください。
ステップ 5 ルータにログインし、特権 EXEC モードを開始します。
ステップ 6 show startup-config コマンドを入力し、パスワードを表示します。
ステップ 8 コンフィギュレーション レジスタを元の設定値に戻します。
次の手順で、忘れたイネーブル パスワード、イネーブル シークレット パスワード、コンソール ログイン パスワードを回復または置換します。
ステップ 1 ルータのコンソール ポートに ASCII 端末を接続します。
ステップ 2 9600 ボー、8 データ ビット、パリティなし、1 ストップ ビットで動作するように、端末を設定します(9600 8N1)。
ステップ 3 一般ユーザとしてルータにログインできる場合は、 show version コマンドを入力し、既存のコンフィギュレーション レジスタ値を表示します。あとで使用できるように値を書き留め、ステップ 6 に進みます。ルータにログインできない場合は、次のステップへ進みます。
ステップ 4 Break キーを押すか、またはコンソール端末から Break を送信します。Break がイネーブルの場合、ROM モニタが開始され、ROM モニタ プロンプト(rommon1>)が表示されます。ステップ 6 に進みます。Break が使用できない場合は、ルータの電源をいったん切るか、または電源コードを抜いてから 30 秒後に再度電源を入れます。ステップ 5 に進みます。
ステップ 5 ルータの電源再投入から 60 秒以内に Break キーを押すか、または Break を送信します。この動作により、ROM モニタが開始され、ROM モニタ プロンプト(rommon1>)が表示されます。
ステップ 6 コンフィギュレーション レジスタ ユーティリティを使用し、コンフィギュレーション レジスタを設定します。ROM モニタ プロンプトで次のように confreg コマンドを入力します。
ステップ 7 [ignore system config info?] の質問に yes で応答し、現在のコンフィギュレーション レジスタの設定値を記録します。
ステップ 8 次のように reset コマンドを入力し、ルータを初期化します。
ルータが初期化され、コンフィギュレーション レジスタが 0x142 に設定されます。フラッシュ メモリからシステム イメージが起動され、次のように System Configuration Dialog プロンプトが開始されます。
ステップ 9 次のメッセージが表示されるまで、System Configuration Dialog のプロンプトに no で応答します。
ステップ 10 Return キーを押します。次のように、ユーザ EXEC プロンプトが表示されます。
ステップ 11 enable コマンドを入力し、特権 EXEC モードを開始します。さらに、次のように show startup-config コマンドを入力し、コンフィギュレーション ファイル内のパスワードを表示します。
ステップ 12 表示されたコンフィギュレーション ファイルをスキャンし、パスワードを探します(通常イネーブル パスワードはファイルの先頭近く、コンソール ログイン パスワードまたはユーザ EXEC パスワードはファイルの末尾近くにあります)。パスワードは次のように表示されます。
イネーブル シークレット パスワードは暗号化されているので、回復できません。置換する必要があります。イネーブル パスワードおよびコンソール ログイン パスワードは、暗号化されている場合も、されていない場合もあります。次のステップへ進み、イネーブル シークレット パスワード、コンソール ログイン パスワード、またはイネーブル パスワードを変更したものに置き換えます。イネーブル シークレット パスワードがない場合は、イネーブル パスワードとコンソール ログイン パスワードを書き留め(暗号化されていない場合)、ステップ 17 へ進みます。
ステップ 13 configure memory コマンドを入力し、実行メモリにスタートアップ コンフィギュレーション ファイルをロードします。この動作により、コンフィギュレーション内のパスワードを変更または置換できるようになります。
ステップ 14 特権 EXEC コマンド configure terminal を入力し、コンフィギュレーション モードを開始します。
ステップ 15 次のコマンドを使用し、3 種類のパスワードをすべて変更します。
コンフィギュレーションに必要なパスワードだけを変更します。 no 形式で上記のコマンドを使用することにより、個々のパスワードを削除できます。たとえば、 no enable secret コマンドを入力すると、イネーブル シークレット パスワードが削除されます。
ステップ 16 次のように、すべてのインターフェイスが管理上のシャットダウンにならないように設定する必要があります。
すべてのインターフェイスに、最初に設定されていたコマンドと同じコマンドを入力します。この作業を省くと、すべてのインターフェイスが管理上のシャットダウンになり、ルータを再起動しても使用できなくなります。
ステップ 17 config-register コマンドを使用し、ステップ 3 またはステップ 8 で記録した最初の値、または次のように、出荷時のデフォルト値である 0x2102 に、コンフィギュレーション レジスタを設定します。
ステップ 18 Ctrl-Z を押す( Ctrl キーを押しながら Z キーを押す)か、 end を入力すると、コンフィギュレーション モードが終了し、EXEC コマンド インタープリタに戻ります。
ステップ 19 copy running-config startup-config コマンドを入力し、新しいコンフィギュレーションを NVRAM に保存します。
ステップ 20 reload コマンドを入力し、ルータを再起動します。
ステップ 21 新しいパスワードまたは回復したパスワードを使用し、ルータにログインします。
忘れたイネーブル パスワード、イネーブル シークレット パスワード、コンソール ログイン パスワードを回復または置換する手順は以上で終了です。
show version、show hardware、および show diag コマンドを使用すると、Cisco 7201 ルータのハードウェア コンフィギュレーションに固有の情報を表示することができます。
show version(または show hardware)コマンドを使用すると、システム ハードウェア、プロセッサと搭載インターフェイスの数、ソフトウェア バージョン、コンフィギュレーション ファイルの名前とソース、ブート イメージが表示されます。
次に、Cisco 7201 ルータの show version コマンドの出力例を示します。
アクティブなギガビット イーサネット ポートのタイプ、または Cisco 7201 ルータに搭載されたポート アダプタのタイプを判別するには、 show diag コマンドを使用します。 show diag slot コマンドを使用して、ポート アダプタ スロットに関する情報を表示することもできます。
次に、Cisco 7201 ルータに対する show diag コマンドの出力例を示します。スロット 0 はネイティブ ギガビット イーサネット ポート専用です。
(注) ネイティブ SFP と RJ-45 ギガビット イーサネット ポートは両方とも、ギガビット イーサネット ポートとして報告されます。オプティカル ギガビット イーサネット ポートまたは銅製ギガビット イーサネット ポートを選択するには、media-type コマンドを使用します。「ネイティブ ギガビット イーサネット インターフェイスの設定」を参照してください。
show version 、show hardware、 show diag およびその他のソフトウェア コマンドに固有の情報については、シスコのハードウェアにインストールされているソフトウェア リリースに対応した Cisco IOS ソフトウェア コンフィギュレーション マニュアル セットの、モジュラ コンフィギュレーション ガイドおよびコマンド リファレンスを参照してください。
Cisco 7201 ルータ ハードウェアの設置後、すべての外部接続を確認し、システム電源をオンにして、システムを起動し、最小限のシステム設定を行いました。さらに複雑な設定が必要な場合もありますが、このマニュアルでは扱いません。
システム コンフィギュレーションおよびインターフェイス コンフィギュレーションの具体的な情報については、シスコのハードウェアにインストールされているソフトウェア リリースに対応した Cisco IOS ソフトウェア コンフィギュレーション マニュアル セットの、モジュラ コンフィギュレーション ガイドおよびコマンド リファレンスを参照してください。