ルータの接続
この章では、Cisco IR829 サービス統合型ルータ(ISR)をイーサネットデバイスとネットワークに接続する方法について説明します。この章の構成は、次のとおりです。
ルータを接続するための準備
デバイスにルータを接続する前に、第 1 章「ルータの設置」の手順に従ってルータを設置します。
ルータの損傷防止
ルータへの損傷を防ぐため、ルータにデバイスを接続するときには、次の注意事項を守ってください。
- すべての接続が完了するまで、デバイスおよびルータへの電源をオフにします。
CAUTION :ルータとの接続がすべて完了するまで、デバイスの電源をオンにしないでください。
PC、サーバ、またはワークステーションの接続
イーサネット スイッチ ポートに PC(またはその他のイーサネット デバイス)を接続する手順は、次のとおりです。
- イーサネット ケーブルの一端をルータのイーサネット スイッチ ポートに接続します。この例では、PC を GE LAN ポート 2 に接続しています。サーバ、PC、またはワークステーションの接続を参照してください。
1 |
イーサネット ケーブル |
3 |
PC、サーバ、またはワークステーションの RJ-45 ポート |
2 |
ルータのイーサネット スイッチ ポート |
- PC、サーバ、またはワークステーションに搭載された NIC(ネットワーク インターフェイス カード)の RJ-45 ポートに、ケーブルの反対側を接続します。
- (任意)その他のサーバ、PC、またはワークステーションをその他のイーサネット スイッチ ポートに接続します。
コンソール ポートへの端末または PC の接続
CLI を使用してソフトウェアを設定する場合、またはルータで発生した問題のトラブルシューティングを行う場合は、端末または PC をコンソール ポートに接続します。
端末または PC をルータのコンソール ポートに接続し、CLI にアクセスする手順は、次のとおりです。
- ケーブルのミニ USB 側をルータの USB コンソール ポートに接続します。図 2 にルータのコンソールポートのミニ USB の位置(1)を示します。
- ミニ USB ケーブルのもう一端をラップトップまたは PC の USB ポートに接続します。
- ルータと通信するため、ラップトップまたは PC で新しいデバイスが検出されるまで待ちます。
- ルータと通信する適切なドライバがないという警告がラップトップや PC に表示された場合は、ドライバをコンピュータ メーカーから入手するか、または次の URL を参照してください。 https://www.silabs.com/developers/usb-to-uart-bridge-vcp-drivers
- PC から端末エミュレーション アプリケーション(Tera Term など)を実行します。(標準オプションまたは拡張オプションから)「標準」のシリアル COM ポートを選択し、フロー制御なしで 9600 ボーレートに設定します。
DC 電源への接続
WARNING: この製品は、設置する建物に短絡(過電流)保護機構が備わっていることを前提に設計されています。保護装置の定格が 36 VDC、5 A 以下であることを確認します。ステートメント 1005
WARNING: この製品は、設置する建物に回路短絡(過電流)保護機構が備わっていることを前提に設計されています。一般および地域の電気規格に準拠するように設置する必要があります。ステートメント 1045
プラグおよびピン配置
IR829 は、電源接続に使用する 4 ピン ロック コネクタとピンを含む DC 電源アクセサリ キットとともに出荷されます。端子は 4 つありますが、使用するのは 3 つで、1 つはスペアです。Molex 電源コネクタは、シスコ部品番号 29-2562-01 です。
IR829 に電源入力レセプタクルがあります。ピン配置を電源コネクタのピン配置 に示します。
ピン番号 |
名前 |
説明 |
色 |
---|---|---|---|
1 |
DC In - |
DC 電源マイナス(GND-) |
黒 |
2 |
イグニッション |
イグニッション入力(IGN) |
青 |
3 |
DC In + |
DC 電源入力(BAT+) |
赤 |
4 |
該当なし |
該当なし |
該当なし |
電源ケーブルの作成
シスコでは電源ケーブルを提供しており、部品番号 IR829-DC-PWRCORD で発注できます。独自に電源ケーブルを構築する場合は、DC 電源を接続する際に特に注意してください。圧着接続ではミスが発生しやすくなりますが、Molex のサイト(http://www.molex.com/tnotes/crimp.html [英語])に非常にわかりやすいチュートリアルが用意されています。
配線の仕様は次のとおりです。
- 16 AWG(1.02 ~ 1.29 mm)
- UL1015 定格
- ワイヤは 1 インチごとに 1 回ねじる
電源ケーブル の例に、フェライトを取り付けた別の認定のケーブルを示します。ケーブルは、図の 2 と 3 を取り除き、フェライトなしで作成できます。
電源ケーブルの例の詳細は次のとおりです。
1 |
4 ピン ロック コネクタ |
|
2 |
DC 電源および電源回復ワイヤの 2 ループのみ。他のワイヤを使用する場合は、フェライトの外側に配線する必要があります。 |
注:現時点で、フェライトビーズとワイヤのループは不要です。 |
3 |
フェライト ビーズ |
注:現時点で、フェライトビーズとワイヤのループは不要です。 |
4 |
1 インチごと 1 回ねじったワイヤ |
DC 電源の配線
Cisco IR829 に DC 電源を接続するには、次の手順に従ってください。
1. |
DC 電源を確認し、4 本の銅線(16 AWG)(1.29 mm)が DC 電源に接続できるだけの長さであることを確かめます。 NOTE :ツイスト部分までのケーブルの最大長は 4.6 m(15 フィート)です。before |
|
2. |
16 ゲージ用のワイヤストリッパを使用して、各 DC 入力電源に接続されている導線の先端から、被覆を 6.3 mm(0.25 インチ)± 0.5 mm(0.02 インチ)だけはがします。6.8 mm(0.27 インチ)を超える絶縁体を導線からはがさないようにしてください。推奨されている長さ以上に被覆をはがすと、取り付け後に電源コネクタからむき出しの導線がはみ出る可能性があります。 |
|
3. |
キットに含まれる各ピンを導線に圧着します。 |
|
4. |
前述の図のガイダンスを参照して、ピンを電源コネクタに挿入します。 |
|
5. |
電源入力レセプタクルにコネクタを差し込みます。 |
自動車の接続
自動車の電源に接続する場合、イグニッション出力は(バッテリの電圧に応じて)+12 VDC または +24 VDC になることが予想されます。ルータのイグニッション入力(IGN)を自動車のイグニッション出力に接続します。DC 入力 + と DC 入力 - のリードは、バッテリに直接接続できますが、ヒューズの後に接続することをお勧めします。
重要 |
車両に設置する場合は、イグニッション入力(IGN)を接続し、ルータのイグニッション電源管理機能を使用する必要があります。これにより、車両の電源をオフにしてからオンに戻すたびに、ルータの不要な電源の再投入がなくなります。 |
(注) |
イグニッション電源管理ソフトウェアとその設定方法の詳細については、『Cisco IR800 Integrated Services Router Software Configuration Guide』を参照してください。 |
接続の確認
すべてのデバイスがルータに正しく接続されているかどうかを確認する場合は、最初にすべての接続デバイスの電源を入れ、LED をチェックします。ルータ動作の確認については、表 1 を参照してください。
LED の詳細については、第 1 章「LED」 を参照してください。
電源およびリンク |
確認する LED |
正常なパターン |
---|---|---|
PWR |
緑色の点灯 |
通常動作中 |
緑色(点滅) |
インターフェイスポートの初期化 |
|
橙 |
電源投入後に点灯:ハードウェア障害状態 60 秒後に点灯:ROM モニタモードでは 60 秒後に点灯:ルータへの到達不能 |
|
GE0 WAN |
点灯 |
リンクが確立 |
点滅 |
データの送受信中 |
|
消灯 |
ネットワーク アクティビティはありません。 |
|
イーサネット LAN スイッチ ポート |
各ポートの 1 つの LED |
消灯:リンクなし 緑の点灯:リンクが確立 緑の点滅:データの送受信中 橙:PoE のエラー(リンクなし) |
SIM カード |
SIM0/SIM1 |
消灯:USIM なし 緑:USIM が挿入されておりアクティブな状態 |
セルラー モデム |
CELLULAR0/CELLULAR1 |
消灯:モジュールの電源が投入されていない 点灯:モジュールの電源が投入されており、接続されているが、データを送受信していない 低速点滅:モジュールの電源が投入されており、接続を検索している 高速点滅:モジュールがデータを送受信している |
NOTE :IR829 では、シングル LTE SKU とデュアル LTE SKU を利用できます。詳細については 17 ページの表 8 を参照してください。