VNF の初期設定またはデイゼロ設定は、VM タイプに基づいています。VNF 管理者は、VNF の展開時に各 VM タイプの初期テンプレートを設定します。同じ設定テンプレートが、その VM タイプのすべての展開済み VM と新しい VM に適用されます。テンプレートは、個々の VM の展開時に処理されます。デイゼロ設定は引き続き維持されるため、VM のすべての初期展開、修復、およびスケーリングには同じデイゼロテンプレートが使用されます。

デイゼロ設定タスクには、インターフェイスの起動、ネットワークの管理、静的または動的 IP（DHCP、IPAM）のサポート、SSH キー、VNF での NetConf 対応設定のサポートなどがあります。

（注）	ESC は、サービスの更新中に追加されたインターフェイスのデイゼロ設定をサポートしません。デイゼロ設定のリカバリの場合、ネットワーク インターフェイス カード ID を持つすべてのインターフェイスが設定されます。

データモデルでは、デイゼロ設定ファイルをさまざまな方法で指定できますが、一度に使用できるオプションは 1 つだけです。

• <file> URL </file>：URL は、ESC VM ファイルシステム上のファイル、またはレポート HTTP サーバでホストされるファイルを指定します。ESC は、URL で指定されたファイルをダウンロードします。このファイルは、このテンプレートで指定されたトークンを変数セクションで指定された値に置き換えるためのテンプレートとして使用されます。このテンプレートは、デイゼロ設定を生成するために使用されます。

• <data> インライン設定コンテンツ </data>：テンプレートの URL を指定します。これにより、インラインテキストをテンプレートとして使用できます。

• <encrypted_data> インライン設定コンテンツ </encrypted_data>：インライン設定の内容は、データに基づいて暗号化されます。

• <file_locators> ファイルロケータのリスト </file_locators> ：ファイルと同様に、file_locator は基本認証を使用してリモートサーバからダウンロードするファイルを定義します（必要な場合）。

  （注）	<file_locators> は ESC リリース 4.0 で廃止されました。

• <file_locator_name> 展開で定義された file_locator </file_locator_name> ：ファイルと同様に、file_locator_name は基本認証を使用してリモートサーバからファイルをダウンロードするために使用されます（必要な場合）。

Day 0 設定は、config_data タグの下にあるデータモデルで定義されます。各ユーザデータと設定ドライブファイルは、設定タグで定義されます。内容はテンプレートの形式です。ESC は、テンプレートを Apache Velocity Template Engine を介して処理した後で、VM に渡す前します。

config_data タグは、vm_group ごとに定義されます。同じ設定テンプレートが vm_group 内のすべての VM に適用されます。テンプレートファイルは、展開の初期化時に取得され、保存されます。テンプレートの処理は、VM の展開時に適用されます。設定ファイルの内容は、ファイルまたはデータから取得できます。

<file> url </file>
<data> inline config content </data>

宛先名は、<dst> によって設定に割り当てられます。ユーザデータは、<dst>--user-data</dst> を使用して特殊なケースとして扱われます。

サンプル設定データモデル

<config_data>
    <configuration>
        <file>file://cisco/userdata_file.txt</file>
        <dst>--user-data</dst>
        <variable>
            <name>CUSTOM_VARIABLE_FOR_USERDATA</name>
            <val>SOME_VALUE_XXX</val>
        </variable>
    </configuration>
    <configuration>
        <file>file://cisco/config.sh</file>
        <dst>config.sh</dst>
        <variable>
            <name>CUSTOM_VARIABLE_FOR_CONFIG</name>
            <val>SOME_VALUE_XXX</val>
        </variable>
    </configuration>
</config_data>

カスタム変数は、設定内の変数タグで指定できます。各設定には、ゼロ個以上の変数を含めることができます。各変数は複数の値を持つことができます。複数の値は、vm_group ごとに複数の VM を作成する場合にのみ役立ちます。また、スケールインとスケールアウトを実行する場合、VM グループに VM を追加したり削除したりできます。

（注）	変数タグに複数の値を指定する場合は、次の点に注意してください。

• 最初に展開された VM に割り当てられた変数値は一意であり、プールから取得されます。プールから値を割り当てる際に従うべき順序はありません。つまり、最初の VM はプールの 2 番目の値を使用できます。

• スケールアウトされた VM には、プールからの一意の変数値が必要です。

• （展開解除または再展開後に）復元された VM は、以前と同じ値を保持する必要があります。

<file> の内容は、Velocity Template Engine によって処理されるテンプレートです。ESC は、設定テンプレートを処理する前に、インターフェイスごとに一連の変数を入力します。

n は、データモデルのインターフェイス番号（0、1、2、3 など）です。

（注）	インターフェイス番号 n は、OpenStack の場合は 0、VMware の場合は 1 から始まります。

例

NICID_0_NETWORK_ID=0affdc19-60fd-4a4f-a02b-f062d7a66c27
NICID_0_MAC_ADDRESS=fa:16:3e:4d:c5:f8

NICID_0_0_IP_ALLOCATION_TYPE=DHCP
NICID_0_0_IP_ADDRESS=1.1.22.133
NICID_0_0_GATEWAY=1.1.0.1
NICID_0_0_CIDR_ADDRESS=1.1.0.0
NICID_0_0_CIDR_PREFIX=16
NICID_0_0_NETMASK=255.255.0.0

NICID_0_1_IP_ALLOCATION_TYPE=DHCP
NICID_0_1_IP_ADDRESS=fd04:1::a03
NICID_0_1_GATEWAY=fd04:1::1
NICID_0_1_CIDR_ADDRESS=fd04:1::/64
NICID_0_1_CIDR_PREFIX=64

デフォルトでは、ESC は展開中にデイゼロ設定ファイルの $ 変数を実際の値に置き換えます。設定ファイルごとに $ 変数の置換を有効または無効にできます。

vCD 展開のデイゼロ設定は、次のようなさまざまな方法で渡すことができます。

• ISO ファイルの作成

• OVF プロパティ

• カタログ内の既存の ISO ファイル（OOB ISO ファイル）

（注）	初回展開の場合、データモデルで定義されている VM グループの数は、vApp テンプレートの VM の数と同じである必要があります。展開では、各 VM グループのイメージ値は一意である必要があります。 アウトオブバンド（OOB）ISO ファイルは、ISO ファイルメソッドの構築時に一緒に使用できません。これは、 VM がいずれも考慮できるためです。ovf プロパティは、OOB ISO とともに使用することも、ISO を一緒に構築することもできます。

ISO ファイルの構築によるデイゼロ設定：

</rules>
            <config_data>
              <!-- take content from the file path and save it as config.sh into the ISO file -->
              <configuration>
                <dst>config.sh</dst>
                <file>file:///cisco/config.sh</file>
              </configuration>
              <!-- take content from the file path, replace variables with values, and save it as data/config.sh into the ISO file -->
              <configuration>
                <dst>data/params.cfg</dst>
                <file>file:///cisco/template.cfg</file>
                <variable>
                  <name>CF_VIP_ADDR</name>
                  <val>10.0.0.9</val>
                </variable>
                <variable>
                  <name>CF_DOMAIN_NAME</name>
                  <val>cisco.com</val>
                </variable>
                <variable>
                  <name>CF_NAME_SERVER</name>
                  <val>172.16.180.7</val>
                </variable>
              </configuration>
              <!-- take the data section as the content of the file, replace variables with values, and save it as user-data.txt into the ISO file-->
              <configuration>
                <dst>user-data.txt</dst>
                <data>#cloud-config
manage_etc_hosts: true
hostname: $HOST_NAME
local-hostname: $HOST_NAME
</data>
                <variable>
                  <name>$HOST_NAME</name>
                  <val>something.cisco.com</val>
                </variable>
              </configuration>
            </config_data>

OOB ISO ファイルによるデイゼロ設定：

         </rules>
            <config_data>
              <configuration>
                <!-- ISO file stored in catalog-1 -->
                <dst>vcdCatalog:catalog-1</dst>
                <data>h2.iso</data>
              </configuration>
            </config_data>

OVF プロパティによるデイゼロ設定：

           <config_data>
              <configuration>
                <!-- ovf properties as day0 -->
                <dst>ovfProperty:mgmt-ipv4-addr</dst>
                <data>$NICID_0_IP_ADDRESS/24</data>
              </configuration>
            </config_data>

vCD での VNF の導入については、VMware vCloud Director（vCD）での仮想ネットワーク機能の展開を参照してください。