ネットワーク上のルータは、受信者からのアドバタイズメントを検出して、マルチキャスト データの要求対象となるグループを特定します。その後、ルータは送信元からのデータを複製して、対象の受信者へと転送します。グループ宛のマルチキャスト データが送信されるのは、そのデータを要求する受信者を含んだ
LAN セグメントだけです。
次の図に、1 つの送信元から 2 つの受信者へと、マルチキャスト データを送信する場合の例を示します。この図で、中央のホストが属する LAN セグメントにはマルチキャスト データを要求する受信者が存在しないため、このホストは受信者にデータを転送しません。
送信元ツリーは、送信元からネットワーク経由でマルチキャスト トラフィックを伝送する場合の最短パスです。特定のマルチキャスト グループへと送信されたマルチキャスト トラフィックが、同じグループのトラフィックを要求する受信者へと転送されます。送信元ツリーは、最短パスとしての特性から、最短パス
ツリー(SPT)と呼ばれることがあります。この図は、ホスト A を起点とし、ホスト B および C に接続されているグループ 224.1.1.1 の送信元ツリーを示しています。
図 2. 送信元ツリー
表記(S, G)は、グループ G の任意の送信元からのマルチキャスト トラフィックを表します。この図の SPT は、(192.0.2.1, 224.1.1.1)と記述されます。同じグループの複数の送信元からトラフィックを送信できます。
共有ツリー
共有ツリーとは、共有ルート、つまりランデブー ポイント(RP)から各受信者に、ネットワーク経由でマルチキャスト トラフィックを伝送する共有配信パスを表します(RP は各ソースへの SPT を作成します。)共有ツリーは、RP ツリー(RPT)とも呼ばれます。この図は、ルータ
D に RP を持つ、グループ 224.2.2.2 の共有ツリーを示しています。データは送信元ホスト A およびホスト D からルータ D(RP)に送信され、そこから受信者ホスト B およびホスト C にトラフィックが転送されます。
図 3. 共有ツリー
表記(*, G)は、グループ G の任意の送信元からのマルチキャスト トラフィックを表します。図の共有ツリーは、(*, 224.2.2.2)と記述されます。
双方向共有ツリー
双方向共有ツリーとは、共有ルート、つまりランデブー ポイント(RP)から各受信者に、ネットワーク経由でマルチキャスト トラフィックを伝送する共有配信パスを表しますマルチキャスト データは、RP への経路上にある受信者に転送されます。次の表に、双方向共有ツリーの利点を示します。マルチキャスト
トラフィックは、ルータ B および C を通して、ホスト A からホスト B に直接送られます。共有ツリーの場合、送信元ホスト A から送信されたデータは、まず RP(ルータ D)に送信され、ルータ B に転送されてからホスト B に伝送されます。
図 4. 双方向共有ツリー
表記(*, G)は、グループ G の任意のソースからのマルチキャスト トラフィックを表します。図の双方向ツリーは、(*, 224.2.2.2)と記述されます。
マルチキャスト転送
マルチキャスト トラフィックは任意のホストを含むグループ宛に送信されるため、ルータはリバース パス フォワーディング(RPF)を使用して、グループのアクティブな受信者にデータをルーティングします。受信者がグループに加入すると、送信元方向へ向かうパス(SSM モード)、または RP 方向へ向かうパス(ASM または Bidir モード)が形成されます。送信元から受信者へのパスは、受信者がグループに加入したときに作成されたパスと逆方向になります。