基本的 BGP の設定

この章では、Cisco NX-OS スイッチでボーダー ゲートウェイ プロトコル(BGP)を設定する方法について説明します。

この章は、次の項で構成されています。

基本的な BGP について

Cisco NX-OS は BGP バージョン 4 をサポートします。BGP v4 に組み込まれているマルチプロトコル拡張機能を使用すると、IP マルチキャスト ルートおよび複数のレイヤ 3 プロトコル アドレス ファミリに関するルーティング情報を BGP に伝送させることができます。BGP では、他の BGP 対応スイッチとの間で TCP セッションを確立するための、信頼できるトランスポート プロトコルとして TCP を使用します。

BGP ではパスベクトル ルーティング アルゴリズムを使用して、BGP 対応ネットワーク スイッチまたは BGP スピーカ間でルーティング情報を交換します。各 BGP スピーカはこの情報を使用して、特定の宛先までのパスを判別し、なおかつルーティング ループを伴うパスを検出して回避します。ルーティング情報には、宛先の実際のルート プレフィックス、宛先に対する自律システムのパス、およびその他のパス属性が含まれます。

BGP はデフォルトで、宛先ホストまたはネットワークへのベスト パスとして、1 つだけパスを選択します。各パスは、BGP ベストパス分析で使用される well-known mandatory、well-known discretionary、optional transitive の各属性を伝送します。BGP ポリシーを設定し、これらの属性の一部を変更することによって、BGP パス選択を制御できます。詳細については、ルート ポリシーおよび BGP セッションのリセットを参照してください。

BGP は、ロード バランシングまたは等コスト マルチパス(ECMP)もサポートします。詳細については、「ロード シェアリングとマルチパス」の項を参照してください。

BGP 自律システム

自律システム(AS)とは、単一の管理エンティティにより制御されるネットワークです。自律システムは 1 つまたは複数の IGP および整合性のある一連のルーティング ポリシーを使用して、ルーティング ドメインを形成します。BGP は 16 ビットおよび 32 ビットの自律システム番号をサポートします。詳細については、「自律システム」を参照してください。

個々の BGP 自律システムは外部 BGP(eBGP)ピアリング セッションを通じて、ルーティング情報をダイナミックに交換します。同じ自律システム内の BGP スピーカは、内部 BGP(iBGP)を通じて、ルーティング情報を交換できます。

4 バイトの AS 番号のサポート

BGP では、2 バイトまたは 4 バイトの AS 番号をサポートしています。Cisco NX-OS は、プレーンテキスト表記で 4 バイト(つまり 32 ビットの整数)の AS 番号を表示します。4 バイトの AS 番号は、プレーンテキスト表記(たとえば 1 ~ 4294967295)または AS ドット表記(たとえば 1.0)で設定できます。詳細については、「自律システム」を参照してください。

アドミニストレーティブ ディスタンス

アドミニストレーティブ ディスタンスは、ルーティング情報源の信頼性を示す評価基準です。デフォルトで、BGP は次の表に示されたアドミニストレーティブ ディスタンスを使用します。

表 1. デフォルトの BGP アドミニストレーティブ ディスタンス

ディスタンス

デフォルト値

機能

外部

20

eBGP から学習したルートに適用されます。

内部

200

iBGP から学習したルートに適用されます。

ローカル

200

ルータを起点とするルートに適用されます。


(注)  


アドミニストレーティブ ディスタンスが BGP パス選択アルゴリズムに影響を与えることはありませんが、BGP で学習されたルートが IP ルーティング テーブルに組み込まれるかどうかを左右します。


詳細については、「アドミニストレーティブ ディスタンス」のセクションを参照してください。

BGP ピア

BGP スピーカーは他の BGP スピーカーを自動的に検出しません。ユーザ側で BGP スピーカ間の関係を設定する必要があります。BGP ピアは、別の BGP スピーカへのアクティブな TCP 接続を持つ BGP スピーカです。

BGP セッション

BGP は TCP ポート 179 を使用して、ピアとの TCP セッションを作成します。ピア間で TCP 接続が確立されると、各 BGP ピアは最初に相手と、それぞれのすべてのルートを交換し、BGP ルーティング テーブルを完成させます。初期交換以後、BGP ピアはネットワーク トポロジが変化したとき、またはルーティング ポリシーが変更されたときに、差分アップデートだけを送信します。更新と更新の間の非アクティブ期間には、ピアは「キープアライブ」と呼ばれる特別なメッセージを交換します。ホールド タイムは、は、次の BGP アップデートまたはキープアライブ メッセージを受信するまでに経過することが許容される、最大時間限度です。

Cisco NX-OS では、次のピア設定オプションをサポートしています。

  • 個別の IPv4 または IPv6 アドレス:BGP は、リモート アドレスと AS 番号が一致する BGP スピーカとのセッションを確立します。

  • 単一 AS 番号の IPv4 または IPv6 プレフィックス ピア:BGP は、プレフィックスおよび AS 番号が一致する BGP スピーカとのセッションを確立します。

  • ダイナミック AS 番号プレフィックス ピア:BGP は、プレフィックスと、設定済み AS 番号のリストに載っている AS 番号と一致する BGP スピーカとのセッションを確立します。

プレフィックス ピアおよびインターフェイス ピアのダイナミック AS 番号

[/bookmap/topic/concept/concept/concept/conbody {"../../../nexus_3500/6_x/nexus_3548_unicast_routing_configuration_guide/maps_and_wrappers/g_configuring_advanced_bgp.xml"})

Cisco NX-OS では、BGP セッションを確立する AS 番号の範囲またはリストを受け入れます。たとえば IPv4 プレフィックス 192.0.2.0/8 および AS 番号 33、66、99 を使用するように BGP を設定する場合、BGP は 192.0.2.1 および AS 番号 66 を使用してセッションを確立しますが、192.0.2.2 および AS 番号 50 からのセッションは拒否します。

Cisco NX-OS リリース 9.3(6) 以降、ダイナミック AS 番号のサポートは、プレフィックス ピアに加えてインターフェイス ピアにも拡張されています。IPv4 および IPv6 アドレス ファミリ向け IPv6 リンク ローカル経由の BGP インターフェイス ピアリングの設定を参照してください。

Cisco NX-OS では、セッションが確立されるまで内部 BGP(iBGP)または外部 BGP(eBGP)セッションとして、プレフィックス ピアをダイナミック AS 番号と関連付けません。iBGP および eBGP の詳細については、を参照してください。


(注)  


ダイナミック AS 番号プレフィックス ピア設定は、BGP テンプレートから継承した個々の AS 番号の設定よりも優先します。詳細については、 の章を参照してください。


(conbody]

BGP ルータ ID

ピア間で BGP セッションを確立するには、BGP セッションの確立時に、OPEN メッセージで BGP ピアに送信されるルータ ID を BGP に設定する必要があります。BGP ルータ ID は 32 ビット値であり、IPv4 アドレスで表すことがよくあります。ルータ ID はユーザ側で設定できます。デフォルトでは、Cisco NX-OS によって、ルータのループバック インターフェイスの IPv4 アドレスにルータ ID が設定されます。ルータ上でループバック インターフェイスが設定されていない場合は、BGP ルータ ID を表すためにルータ上の物理インターフェイスに設定されている最上位の IPv4 アドレスがソフトウェアによって選択されます。BGP ルータ ID は、ネットワーク内の BGP ピアごとに一意である必要があります。

BGP にルータ ID が設定されていない場合、BGP ピアとのピアリング セッションを確立できません。

BGP パスの選択

BGP は複数の送信元から、同じルートのアドバタイズメントを受信する可能性がありますが、BGP はベスト パスとして、パスを 1 つだけ選択します。BGP は、そのパスを IP ルーティング テーブルに格納し、ピアにパスを伝達します。

所定のネットワークでパスが追加または削除されるたびに、ベストパス アルゴリズムが実行されます。ベストパス アルゴリズムは、ユーザが BGP 設定を変更した場合にも実行されます。BGP は所定のネットワークで使用できる一連の有効パスの中から、最適なパスを選択します。

Cisco NX-OS は次の手順で、BGP ベストパス アルゴリズムを実行します。

手順


ステップ 1

2 つのパスを比較し、どちらが適切かを判別します(「ステップ 1 - 「パスの比較ペア」セクションを参照)。

ステップ 2

すべてのパスについて繰り返し、全体として最適なパスを選択するためにパスを比較する順序を決定します(ステップ 2:「比較順序の決定」のセクションを参照してください)。

ステップ 3

新しいベスト パスを使用するに足るだけの差が新旧のベスト パスにあるかどうかを判別します(ステップ 3:「ベストパス変更抑制の決定」セクションを参照)。



(注)  


重要なのは、パート 2 で決定される比較順序です。3 つのパス A、B、C があり、Cisco NX-OS が A と B を比較して A を選択し、Cisco NX-OS が B と C を比較して B を選択したとします。しかし、Cisco NX-OS が A と C を比較したときには、A を選択しないかもしれません。これは一部の BGP メトリックが同じネイバー自律システムからのパスだけに適用され、すべてのパスにわたっては適用されないからです。


パス選択には、BGP AS パス属性が使用されます。AS パス属性には、アドバタイズされたパスでたどる自律システム番号(AS 番号)のリストが含まれます。BGP 自律システムを自律システムの集合または連合に細分化する場合は、AS パスにローカル定義の自律システムを指定した連合セグメントが含まれます。

ステップ 1:パス ペアの比較

BGP ベストパス アルゴリズムの最初のステップでは、より適切なパスを判別するために 2 つのパスを比較します。次に、Cisco NX-OS が 2 つのパスを比較して、より適切なパスを判別する基本的なステップについて説明します。

  1. Cisco NX-OS は、比較する有効なパスを選択します(たとえば、到達不能なネクスト ホップがあるパスは無効です)。

  2. Cisco NX-OS は、重み値が最大のパスを選択します。

  3. Cisco NX-OS は、ローカル プリファレンスが最大のパスを選択します。

  4. パスの一方がローカル起点の場合、Cisco NX-OS はそのパスを選択します。

  5. Cisco NX-OS は、AS パスが短い方のパスを選択します。


    (注)  


    AS パス長を計算するときに、Cisco NX-OS は連合セグメントを無視し、AS セットを 1 として数えます。詳細については、「AS 連合」の項を参照してください。


  6. Cisco NX-OS は、オリジンが低い方のパスを選択します。内部ゲートウェイプロトコル(IGP)は EGP よりも低いと見なされます。

  7. 7. Cisco NX-OS は、multi exit discriminator(MED)が小さい方のパスを選択します。

    このステップが実行されるされないを左右する、一連のオプションを選択できます。Cisco NX-OS が両方のパスの MED を比較するのは、通常、同じ自律システムのピアからそれらのパスを受け取った場合です。それ以外の場合、Cisco NX-OS は MED の比較を省略します。

    パスのピア自律システムに関係なく、ベストパス アルゴリズムの MED 比較が必ず実行されるように、Cisco NX-OS を設定することもできます。詳細については、「最適パス アルゴリズムの調整」を参照してください。この設定を行わなかった場合、MED 比較が実行されるかどうかは、次のように比較する 2 つのパスの AS パス属性によって決まります。

    a. パスに AS パスがない、 または AS_SET から始まる AS パスがある場合、パスは内部であり、Cisco NX-OS は他の内部パスに対して MED を比較します。

    b. AS パスが AS_SEQUENCE から始まる場合、ピア自律システムがシーケンスで最初の AS 番号になり、Cisco NX-OS は同じピア自律システムを持つ他のパスに対して MED を比較します。

    c. AS パス に連合セグメントだけが含まれている場合、または連合セグメントで始まり、AS_SET が続いている場合、パスは内部であり、Cisco NX-OS は他の内部パスに対して MED を比較します。

    d. AS パスが連合セグメントで始まり、AS_SEQUENCE が続いている場合、ピア自律システムが AS_SEQUENCE で最初の AS 番号になり、Cisco NX-OS は同じピア自律システムを持つ他のパスに対して MED を比較します。


    (注)  


    Cisco NX-OS がパスで指定された MED 属性を受信しなかった場合、Cisco NX-OS は欠落 MED が使用可能な最大値になるようにユーザーがベストパス アルゴリズムを設定していない限り、 MED を 0 と見なします。詳細については、「最適パス アルゴリズムの調整」を参照してください。


    e. 非決定性の MED 比較機能がイネーブルの場合、ベスト-パス アルゴリズムでは Cisco IOS スタイルの MED 比較が使用されます。詳細については、「最適パス アルゴリズムの調整」を参照してください。

  8. 8. 一方のパスが内部ピアから、他方のパスが外部ピアからの場合、Cisco NX-OS は外部ピアからのパスを選択します。

  9. ネクストホップ アドレスへの IGP メトリックが異なるバスの場合、Cisco NX-OS は IGP メトリックが小さい方のパスを選択します。

  10. Cisco NX-OS は、最後に実行したベストパス アルゴリズムによって選択されたパスを使用します。

    ステップ 1 ~ 9 のすべてのパス パラメータが同じ場合、ルータ ID を比較するようにベストパス アルゴリズムを設定できます。詳細については、「最適パス アルゴリズムの調整」を参照してください。パスに発信元属性が含まれている場合、Cisco NX-OS はその属性をルータ ID として使用して比較します。発信もと属性が含まれていない場合、Cisco NX-OS はパスを送信したピアのルータ ID を使用します。パス間でルータ ID が異なる場合、Cisco NX-OS はルータ ID が小さい方のパスを選択します。

    属性の送信元をルータ ID として使用する場合は、2 つのパスに同じルータ ID を設定することができます。また、同じピア ルータとの 2 つの BGP セッションが可能です。したがって、同じルータ ID で 2 つのパスを受信できます。

  11. Cisco NX-OS は、クラスタ長が短いほうのパスを選択します。クラスタ リスト属性の指定されたパスを受け取らなかった場合、クラスタ長は 0 です。

  12. Cisco NX-OS は、IP アドレスが小さい方のピアから受信したパスを選択します。ローカル発生のパス(再配布のパスなど)は、ピア IP アドレスが 0 になります。

    ステップ 9 以降が同じパスは、マルチパスを設定している場合、マルチパスに使用できます。詳細については、「ロード シェアリングとマルチパス」の項を参照してください。

ステップ 2:比較順序の決定

BGP ベストパス アルゴリズム実装の 2 番めのステップでは、Cisco NX-OS がパスを比較する順序を決定します。

  1. Cisco NX-OS は、パスをグループに分けます。各グループ内で、Cisco NX-OS はすべてのパスにわたって MED を比較します。Cisco NX-OSは、ステップ 1:パス ペアの比較と同じルールを使用して、2 つのパス間で MED を比較できるかどうかを判断します。この比較では通常、ネイバー自律システムごとに 1 つずつグループが選択されます。bgp bestpath med always コマンドを設定すると、Cisco NX-OS はすべてのパスが含まれた 1 グループだけを選択します。

  2. Cisco NX-OS は、常に最適な方を維持しながら、グループのすべてのパスを反復することによって、各グループのベスト パスを決定します。Cisco NX-OS は、各パスをそれまでの一時的なベスト パスと比較します。それまでのベスト パスよりも適切な場合は、そのパスが新しく一時的なベスト パスになり、Cisco NX-OS はグループの次のパスと比較します。

  3. Cisco NX-OS は、ステップ 2 の各グループで選択されたベスト パスからなる、パス セットを形成します。Cisco NX-OS は、このパス セットでもステップ 2 と同様にそれぞれの比較を繰り返すことによって、全体としてのベスト パスを選択します。

ステップ 3:ベスト パス変更の抑制の決定

実装の次のパートでは、Cisco NX-OS が新しいベスト パスを使用するのか抑制するのかを決定します。新しいベスト パスが古いパスとまったく同じ場合、ルータは引き続き既存のベスト パスを使用できます(ルータ ID が同じ場合)。Cisco NX-OS では引き続き既存のベスト パスを使用することによって、ネットワークにおけるルート変更を回避できます。

抑制機能をオフにするには、ルータ ID を比較するようにベスト パス アルゴリズムを設定します。詳細については、「最適パス アルゴリズムの調整」を参照してください。この機能を設定すると、新しいベスト パスが常にに既存のベスト パスよりも優先されます。

次の条件が発生した場合に、ベスト パス変更を抑制できません。

  • 既存のベスト パスが無効になった。

  • 既存または新しいベスト パスを内部(または連合)ピアから受信したか、またはローカルに発生した(再配布などによって)。

  • 同じピアからパスを受信した(パスのルータ ID が同じ)。

  • パス間で重み値、ローカル プリファレンス、オリジン、またはネクストホップ アドレスに対する IGP メトリックが異なっている。

  • パス間で MED が異なっている。

BGP およびユニキャスト RIB

BGP はユニキャスト RIB(ルーティング情報ベース)と通信して、ユニキャスト ルーティング テーブルに IPv4 ルートを格納します。ベスト パスの選択後、ベスト パスの変更をルーティング テーブルに反映させる必要があると BGP が判別した場合、BGP はユニキャスト RIB にルート アップデートを送信します。

BGP はユニキャスト RIB における BGP ルートの変更に関して、ルート通知を受け取ります。さらに、再配布をサポートする他のプロトコル ルートに関するルート通知を受け取ります。

BGP はネクストホップの変更に関する通知も、ユニキャスト RIB から受け取ります。BGP はこれらの通知を使用して、ネクストホップ アドレスへの到達可能性および IGP メトリックを追跡します。

ユニキャスト RIB でネクストホップ到達可能性または IGP メトリックが変更されるたびに、BGP は影響を受けるルートについて、ベスト パス再計算を開始させます。

BGP プレフィックス独立コンバージェンス

BGP プレフィックス独立コンバージェンス(PIC)エッジ機能は、リンク障害が発生した場合に、BGP バックアップ パスへの BGP IP ルートのコンバージェンスを高速化します。

BGP PIC エッジ機能により、ネットワーク障害後の BGP コンバージェンスが向上します。このコンバージェンスは、IP ネットワークのエッジ障害に適用されます。この機能は、ルーティング情報ベース(RIB)と転送情報ベース(FIB)にバックアップ パスを作成して保存します。これによって、プライマリ パスの障害が発生した場合に、ただちにバックアップ パスが引き継ぐことができ、フォワーディング プレーンの迅速なフェールオーバーが可能になります。BGP PIC エッジは、IPv4 アドレス ファミリのみをサポートします。

BGP PIC エッジが設定されている場合、BGP は、プライマリ ベスト パスに加えて、2 番目のベスト パス(バックアップ パス)も計算します。BGP は、PIC サポートを持つプレフィクスのベスト パスとバックアップ パスの両方を BGP RIB にインストールします。また BGP は、API を介してリモートの次のホップとともにバックアップ パスを URIB にダウンロードし、その後バックアップとしてマークされたネクスト ホップで FIB を更新します。バックアップ パスにより、単一のネットワーク障害に対処する高速再ルーティング機能が提供されます。

この機能は、ローカル インターフェイスとリモート インターフェイス/リンクの両方の障害を検出して、バックアップ パスが使用されるようにします。

BGP PIC エッジは、ユニパスとマルチパスの両方をサポートします。

BGP の仮想化

BGP は、仮想ルーティングおよび転送(VRF)インスタンスをサポートします。デフォルトでは、特に別の VRF を設定しない限り、Cisco NX-OS はユーザーをデフォルトの VRF に配置します。詳細については、「レイヤ 3 仮想化の設定」を参照してください。

基本 BGP の前提条件

BGP を使用するには、次の前提条件を満たしている必要があります。

  • BGP 機能を有効にする必要があります(BGP 機能のイネーブル化のセクションを参照)。

  • システムに有効なルータ ID を設定しておく必要があります。

  • Regional Internet Registry(RIR)によって割り当てられたか、またはローカル管理の AS 番号を取得しておく必要があります。

  • 再帰ネクストホップ解決に対応できる IGP を 1 つ以上設定する必要があります。

  • BGP セッションを確立するネイバー環境で、アドレス ファミリを設定する必要があります。

BGP に関する注意事項と制約事項

BGP 設定時の注意事項および制約事項は、次のとおりです。

  • ダイナミック AS 番号プレフィックス ピア設定は、BGP テンプレートから継承した個々の AS 番号の設定よりも優先します。

  • AS 連合でプレフィックス ピアにダイナミック AS 番号を設定した場合、BGP はローカル連合の AS 番号のみでセッションを確立します。

  • ダイナミック AS 番号プレフィックス ピアで作成された BGP セッションは、設定済みの外部 BGP(eBGP)マルチホップ存続可能時間(TTL)値や直接接続ピアに対するディセーブル済みのチェックを無視します。

  • ルータ ID の自動変更およびセッション フラップを避けるために、BGP 用のルータ ID を設定する必要があります。

  • ピアごとに最大プレフィックス設定オプションを使用し、受信するルート数および使用するシステム リソース数を制限する必要があります。

  • update-source を設定し、BGP/eBGP マルチホップ セッションでセッションを確立する必要があります。

  • 再配布を設定する場合、BGP ポリシーを指定する必要があります。

  • VRF 内で BGP ルータ ID を定義する必要があります。

  • キープアライブおよびホールド タイマーの値を小さくすると、BGP セッション フラップが発生する可能性があります。

  • VRF を構成する場合は、望ましい VRF を入力します(「レイヤ 3 仮想化の設定」を参照)。

  • BGP PIC エッジ機能には、次のようなガイドラインと制約事項が適用されます。

    • Cisco NX-OS リリース 9.2(2) 以降、BGP PIC エッジは Cisco Nexus 3600 プラットフォーム スイッチでサポートされます。

    • BGP PIC エッジは、IPv4 アドレス ファミリのみをサポートします。

    • BGP PIC エッジは、VXLAN EVPN および MPLS セグメント ルーティングではサポートされていません。

    • BGP PIC エッジは、1 つの修復(バックアップ)パスのみをサポートします。

    • BGP PIC エッジが設定されている場合、BGP は最大 63 のアクティブ パスをサポートします。アクティブ パスが 64 個ある場合、バックアップ パスは追加されません。

CLI コンフィギュレーション モード

以下の項では、BGP に対応する各 CLI コンフィギュレーション モードの開始方法について説明します。現行のモードで ? コマンドを入力すると、そのモードで使用可能なコマンドを表示できます。

グローバル コンフィギュレーション モード

グローバル コンフィギュレーション モードは、BGP プロセスを作成したり、AS 連合、ルート ダンプニングなどの拡張機能を設定したりする場合に使用します。詳細については、高度な BGP の設定を参照してください。

次に、ルータ コンフィギュレーション モードを開始する例を示します。

switch# configuration
switch(config)# router bgp 64496
switch(config-router)#

BGP は仮想ルーティングおよび転送(VRF)をサポートします。ネットワークで VRF を使用する場合は、適切な VRF 内で BGP を設定できます。設定の詳細については、「仮想化の設定」の項を参照してください。

次に、VRF コンフィギュレーション モードを開始する例を示します。

switch(config)# router bgp 64497
switch(config-router)# vrf vrf_A
switch(config-router-vrf)#

アドレス ファミリ設定モード

任意で、BGP がサポートするアドレス ファミリを設定できます。アドレス ファミリ用の機能を設定する場合は、ルータ 設定モードで address-family コマンドを使用します。ネイバーに対応する特定のアドレス ファミリを設定する場合は、ネイバー設定モードで address-family コマンドを使用します。

ルート再配布、アドレス集約、ロード バランシングなどの拡張機能を使用する場合は、アドレス ファミリを設定する必要があります。

この例は、ルータ設定モードからアドレス ファミリ設定モードを開始する例を示します。

switch(config)# router bgp 64496
switch(config-router)# address-family ipv6 unicast
switch(config-router-af)#

この例は、VRF を使用している場合に、VRF アドレス ファミリ設定モードを開始する例を示します。

switch(config)# router bgp 64497
switch(config-router)# vrf vrf_A
switch(config-router-vrf)# address-family ipv6 unicast
switch(config-router-vrf-af)#

ネイバー コンフィギュレーション モード

Cisco NX-OS には、BGP ピアを設定するためのネイバー コンフィギュレーション モードがあります。ネイバー コンフィギュレーション モードを使用して、ピアのあらゆるパラメータを設定できます。

次に、ネイバー コンフィギュレーション モードを開始する例を示します。

switch(config)# router bgp 64496
switch(config-router)# neighbor 192.0.2.1
switch(config-router-neighbor)#

次に、VRF ネイバー コンフィギュレーション モードを開始する例を示します。

switch(config)# router bgp 64497
switch(config-router)# vrf vrf_A
switch(config-router-vrf)# neighbor 192.0.2.1
switch(config-router-vrf-neighbor)#

ネイバー アドレス ファミリ コンフィギュレーション モード

アドレス ファミリ固有のネイバー設定を入力し、ネイバーのアドレス ファミリをイネーブルにするには、ネイバー コンフィギュレーション サブモード内のアドレス ファミリ コンフィギュレーション サブモードを使用できます。このモードは、所定のネイバーに認められるプレフィックス数の制限、eBGP のプライベート AS 番号の削除といった拡張機能に使用します。

RFC 5549 が導入されているため、IPv6 アドレスを持つネイバーに IPv4 アドレス ファミリを設定できます。

この例は、IPv4 アドレスでネイバーのための IPv4 ネイバー アドレス ファミリ設定モードを入力する方法を示します。

switch(config)# router bgp 64496
switch(config-router# neighbor 192.0.2.1
switch(config-router-neighbor)# address-family ipv4 unicast
switch(config-router-neighbor-af)#

この例は、IPv6 アドレスでネイバーのための IPv4 ネイバー アドレス ファミリ設定モードを入力する方法を示します。

switch(config)# router bgp 64496
switch(config-router# neighbor 2001:db8::/64 eui64
switch(config-router-neighbor)# address-family ipv4 unicast
switch(config-router-neighbor-af)#

この例は、IPv4 アドレスでネイバーのための VRF IPv4 ネイバー アドレス ファミリ構成モードを入力する方法を示します。

switch(config)# router bgp 64497
switch(config-router)# vrf vrf_A
switch(config-router-vrf)# neighbor 209.165.201.1
switch(config-router-vrf-neighbor)# address-family ipv4 unicast
switch(config-router-vrf-neighbor-af)#

この例は、IPv6 アドレスでネイバーのための VRF IPv4 ネイバー アドレス ファミリ設定モードを入力する方法を示します。

switch(config)# router bgp 64497
switch(config-router)# vrf vrf_A
switch(config-router-vrf)# neighbor 2001:db8::/64 eui64
switch(config-router-vrf-neighbor)# address-family ipv4 unicast
switch(config-router-vrf-neighbor-af)#

デフォルト設定

次の表に、BFD パラメータのデフォルト設定をリストします。

表 2. デフォルトの BGP パラメータ

パラメータ

デフォルト

BGP 機能

ディセーブル

キープアライブインターバル

60 秒

ホールド タイマー

180 秒

BGP PIC エッジ

無効化

基本的 BGP の設定

ベーシック BGP を設定するには、BGP をイネーブルにして、BGP ピアを設定する必要があります。ベーシック BGP ネットワークの設定は、いくつかの必須作業と多数の任意の作業からなります。BGP ルーティング プロセスおよび BGP ピアの設定は必須です。

BGP 機能のイネーブル化

始める前に

BGP を設定する前に、BGP 機能をイネーブルにする必要があります。

手順の概要

  1. configure terminal
  2. feature bgp
  3. (任意) show feature
  4. (任意) copy running-config startup-config

手順の詳細

  コマンドまたはアクション 目的

ステップ 1

configure terminal

例:

switch# configure terminal
switch(config)#

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します

ステップ 2

feature bgp

例:

switch(config)# feature bgp

BGP 機能をイネーブルにします。

ステップ 3

(任意) show feature

例:

switch(config)# show feature
(任意)

有効および無効にされた機能を表示します。

ステップ 4

(任意) copy running-config startup-config

例:

switch(config)# copy running-config startup-config
(任意)

この設定変更を保存します。

no feature bgp コマンドを使用して、BGP 機能をディセーブルにし、関連するコンフィギュレーションをすべて削除します。

コマンド

目的

no feature bgp

例:

switch(config)# no feature bgp

BGP 機能をディセーブルにして、関連するすべての設定を削除します。

BGP インスタンスの作成

BGP インスタンスを作成し、BGP インスタンスにルータ ID を割り当てることができます。「BGP ルータ ID」のセクションを参照してください。Cisco NX-OS は、2 バイトまたは 4 バイトのプレーンテキスト表記または AS ドット表記による自律システム(AS)番号をサポートします。詳細については、4 バイト AS 番号のサポートのセクションを参照してください。

始める前に

BGP 機能を有効にしていることを確認します(BGP 機能の有効化のセクションを参照してください)。

BGP はルータ ID(設定済みループバック アドレスなど)を取得できなければなりません。

手順の概要

  1. configure terminal
  2. router bgp autonomous-system-number
  3. (任意) router-id ip-address
  4. (任意) address-family { ipv4 | ipv6 } { unicast | multicast }
  5. (任意) network ip-prefix [route-map map-name ]
  6. (任意) show bgp all
  7. (任意) copy running-config startup-config

手順の詳細

  コマンドまたはアクション 目的

ステップ 1

configure terminal

例:

switch# configure terminal
switch(config)#

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

router bgp autonomous-system-number

例:

switch(config)# router bgp 64496
switch(config-router)#

BGP を有効にして、ローカル BGP スピーカに AS 番号を割り当てます。AS 番号は 16 ビット整数または 32 ビット整数にできます。上位 16 ビット 10 進数と下位 16 ビット 10 進数による xx.xx という形式です。

ステップ 3

(任意) router-id ip-address

例:

switch(config-router)# router-id 192.0.2.255
(任意)

BGP ルータ ID を設定します。この IP アドレスによって、この BGP スピーカを特定します。このコマンドによって、BGP ネイバー セッションの自動通知およびセッション リセットが開始されます。

ステップ 4

(任意) address-family { ipv4 | ipv6 } { unicast | multicast }

例:

switch(config-router)# address-family ipv4 unicast
switch(config-router-af)#
(任意)

指定されたアドレス ファミリに対応するグローバル アドレス ファミリ コンフィギュレーション モードを開始します。このコマンドによって、すべての BGP ネイバー セッションの自動通知およびセッション リセットが開始されます。

ステップ 5

(任意) network ip-prefix [route-map map-name ]

例:

switch(config-router-af)# network 192.0.2.0
(任意)

ネットワークを、この自律システムに対してローカルに設定し、BGP ルーティング テーブルに追加します。

エクステリア プロトコルの場合、network コマンドでアドバタイズするネットワークを制御します。インテリア プロトコルでは、network コマンドを使用して、アップデートの送信先を決定します。

ステップ 6

(任意) show bgp all

例:

switch(config-router-af)# show bgp all
(任意)

すべての BGP アドレス ファミリに関する情報を表示します。

ステップ 7

(任意) copy running-config startup-config

例:

switch(config-router-af)# copy running-config startup-config
(任意)

この設定変更を保存します。

BGP プロセスおよび関連するすべての設定を削除するには、no router bgp コマンドを使用します。

コマンド

目的

no router bgp autonomous-system-number

例:

switch(config)# no router bgp 201

BGP プロセスおよび関連する設定を削除します。

次に、IPv4 ユニキャスト アドレス ファミリを指定して BGP をイネーブルに設定し、アドバタイズするネットワークを 1 つ追加する例を示します。

switch# configure terminal
switch(config)# router bgp 64496
switch(config-router)# address-family ipv4 unicast
switch(config-router-af)# network 192.0.2.0
switch(config-router-af)# copy running-config startup-config

BGP インスタンスの再起動

BGP インスタンスを再起動し、そのインスタンスのすべてのピア セッションをクリアできます。

BGP インスタンスを再起動し、関連付けられたすべてのピアを削除するには、次のコマンドを使用します。

コマンド

目的

restart bgp instance-tag

例:

switch(config)# restart bgp 201

BGP インスタンスを再起動し、すべてのピアリング セッションをリセットまたは再確立します。

BGP のシャットダウン

BGP プロトコルをシャットダウンして BGP を正常にディセーブルし、設定を保持できます。

BGP をシャットダウンするには、ルータ コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。

コマンド

目的

shutdown

例:

switch(config-router)# shutdown

BGP を正常にシャットダウンします。

BGP ピア設定

BGP プロセス内で BGP ピアを設定できます。BGP ピアごとに、関連付けられたキープアライブ タイマーとホールド タイマーがあります。これらのタイマーは、グローバルに設定することも、BGP ピアごとに設定することもできます。ピア設定はグローバル設定を上書きします。


(注)  


ピアごとに、ネイバー コンフィギュレーション モードでアドレス ファミリを設定する必要があります。


始める前に

BGP 機能を有効にしていることを確認します(BGP 機能のイネーブル化のセクションを参照してください)。

手順の概要

  1. configure terminal
  2. router bgp autonomous-system-number
  3. neighbor ip-address { ipv4 | ipv6 } remote-as as-number
  4. (任意) description text
  5. (任意) timers keepalive-time hold-time
  6. (任意) shutdown
  7. address-family { ipv4 | ipv6} { unicast | multicast}
  8. (任意) show bgp { ipv4 | ipv6} { unicast | multicast } neighbors
  9. copy running-config startup-config

手順の詳細

  コマンドまたはアクション 目的

ステップ 1

configure terminal

例:

switch# configure terminal
switch(config)#

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

router bgp autonomous-system-number

例:

switch(config)# router bgp 64496
switch(config-router)#

BGP を有効にして、ローカル BGP スピーカに AS 番号を割り当てます。AS 番号は 16 ビット整数または 32 ビット整数にできます。上位 16 ビット 10 進数と下位 16 ビット 10 進数による xx.xx という形式です。

ステップ 3

neighbor ip-address { ipv4 | ipv6 } remote-as as-number

例:

switch(config-router)# neighbor 209.165.201.1 remote-as 64497
switch(config-router-neighbor)#

リモート BGP ピアの指定アドレス タイプと AS 番号を構成します。The ip-address 形式は x.x.x.x です。IPv6 address-format の形式は A:B::C:D です。

ステップ 4

(任意) description text

例:

switch(config-router-neighbor)# description Peer Router B
switch(config-router-neighbor)#
(任意)

ネイバーの説明を追加します。最大 80 文字の英数字ストリングを使用できます。

ステップ 5

(任意) timers keepalive-time hold-time

例:

switch(config-router-neighbor )# timers 30 90
(任意)

ネイバーのキープアライブおよびホールド タイムを表す BGP タイマー値を追加します。指定できる範囲は 0 ~ 3600 秒です。デフォルトは、キープアライブ タイムで 60 秒、ホールド タイムで 180 秒です。

(注)  

 

ホールドタイマーが 10 秒以下の BGP セッションは、BGP セッションが 60 秒以上稼働するまで有効になりません。セッションが 60 秒間稼働すると、ホールドタイマーは構成どおりに動作します。

ステップ 6

(任意) shutdown

例:

switch(config-router-neighbor)# shutdown
(任意)

この BGP ネイバーを管理目的でシャットダウンします。このコマンドによって、BGP ネイバー セッションの自動通知およびセッション リセットが開始されます。

ステップ 7

address-family { ipv4 | ipv6} { unicast | multicast}

例:

switch(config-router-neighbor)# address-family ipv4 unicast
switch(config-router-neighbor-af)#

ユニキャスト指定のアドレス ファミリーに対応したネイバー アドレス ファミリー構成モードを開始します。

ステップ 8

(任意) show bgp { ipv4 | ipv6} { unicast | multicast } neighbors

例:

switch(config-router-neighbor-af)# show bgp ipv4 unicast neighbors
(任意)

BGP ピアに関する情報を表示します。

ステップ 9

copy running-config startup-config

例:

switch(config-router-neighbor-af) copy running-config startup-config

この設定変更を保存します。

次に、BGP ピアを設定する例を示します。

switch# configure terminal
switch(config)# router bgp 64496
switch(config-router)# neighbor 192.0.2.1 remote-as 64497
switch(config-router-neighbor)# description Peer Router B
switch(config-router-neighbor)# address-family ipv4 unicast
switch(config-router-neighbor-af)# copy running-config startup-config

デフォルト スタティック ルートをすべての BGP VRF に配布

BGP 機能が有効になっていることを確認します

始める前に

新しい CLI default-information originate が追加され、デフォルトのスタティック ルートをデフォルト以外の VRF からすべての BGP (VRF) 仮想ルータ コンテキストに配布し、そのルートをすべての BGP VRF のローカル BGP ルート テーブルにインストールします。

手順の概要

  1. configure terminal
  2. router bgp autonomous-system-number
  3. vrf vrf-name
  4. address-family { ipv4 | ipv6} { unicast | multicast }
  5. redistribute static route-map map-name
  6. default-information originate
  7. copy running-config startup-config

手順の詳細

  コマンドまたはアクション 目的

ステップ 1

configure terminal

例:

switch# configure terminal
switch(config)#

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

router bgp autonomous-system-number

例:

switch(config)# router bgp 64496
switch(config-router)#

BGP を有効にして、ローカル BGP スピーカに AS 番号を割り当てます。AS 番号は 16 ビット整数または 32 ビット整数にできます。上位 16 ビット 10 進数と下位 16 ビット 10 進数による xx.xx という形式です。

ステップ 3

vrf vrf-name

例:

switch(config-router)# vrf vrf1

VRF 名を構成します。

ステップ 4

address-family { ipv4 | ipv6} { unicast | multicast }

例:

switch(config-router-neighbor)# address-family ipv4 unicast
switch(config-router-neighbor-af)#

指定されたアドレス ファミリに対応するグローバル アドレス ファミリ コンフィギュレーション モードを開始します。このコマンドによって、すべての BGP ネイバー セッションの自動通知およびセッション リセットが開始されます。

ステップ 5

redistribute static route-map map-name

例:

switch(config-router-neighbor-af)# redistribute static route-map test

スタティック ルート マップを再配布します。

ステップ 6

default-information originate

例:

switch(config-router-neighbor-af)# default-information originate

デフォルトのスタティック ルートをデフォルト以外の VRF からすべての BGP (VRF) 仮想ルータ コンテキストに配布し、そのルートをすべての BGP VRF のローカル BGP ルート テーブルにインストールします。

ステップ 7

copy running-config startup-config

例:

switch(config-router-neighbor-af)# copy running-config startup-config

この設定変更を保存します。

デフォルトのスタティック ルートをデフォルト以外の VRF からすべての BGP (VRF) 仮想ルータ コンテキストに配布し、そのルートをすべての BGP VRF のローカル BGP ルート テーブルにインストールする方法の例を示します。

switch# configure terminal
switch(config)# router bgp 100
switch(config-router)# vrf green
switch(config-router-neighbor)# address-family ipv4 unicast
switch(config-router-vrf-af)# redistribute static route-map test
switch(config-router-vrf-af)# d efault-information originate
switch(config-router-vrf-af)# exit
switch(config)# copy running-config startup-confi g

次に、デフォルト以外の VRF グリーンから、別のデフォルト以外の VRF 共有にデフォルトのルート リークを構成する方法の例を示します。

router bgp 100
address-family ipv4 unicast
redistribute static route-map test
vrf Green
address-family ipv4 unicast
redistribute static route-map test
default-information originate
vrf Shared
address-family ipv4 unicast
redistribute static route-map test

更新アナウンス遅延タイマーの構成

advertisement-interval コマンドを使用すると、BGP ルーティング アップデートを送信する最小ルート アドバタイズメント インターバル(MRAI)を設定できます。ルート アップデートがトリガされるとすぐに通知するのではなく、BGP はアドバタイズメント間隔が満了するまで待ってから、アップデートを送信します。この間隔中に他の変更が発生した場合、BGP はそれらすべての変更を効率的にアナウンスできます。

この遅延タイマーは、新しいルート アナウンスメントに対してのみ設定され、ルート取り消しアナウンスメントには設定されません。ルートの取り消しはすぐにアナウンスする必要があります。

始める前に

BGP 機能が有効になっていることを確認します

手順の概要

  1. configure terminal
  2. router bgp autonomous-system-number
  3. neighbor prefix remote-as route-map map-name
  4. address-family { ipv4 | ipv6 }{ unicast | multicast }
  5. advertisement-interval seconds

手順の詳細

  コマンドまたはアクション 目的

ステップ 1

configure terminal

例:

switch# configure terminal
switch(config)#

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

router bgp autonomous-system-number

例:

switch(config)# router bgp 64496
switch(config-router)#

BGP を有効にして、ローカル BGP スピーカに AS 番号を割り当てます。AS 番号は 16 ビット整数または 32 ビット整数にできます。上位 16 ビット 10 進数と下位 16 ビット 10 進数による xx.xx という形式です。

ステップ 3

neighbor prefix remote-as route-map map-name

例:

switch(config-router)# neighbor 192.0.2.0/8 remote-as routemap BGPPeers
switch(config-router-neighbor)#

IPv4 プレフィックス、およびリモート BGP ピアの受け付けられた AS 番号のリストのルート マップを構成します。IPv4 の prefix 形式は、x.x.x.x/長さです。長さの範囲は 1 ~ 32 です。

map-name には最大 63 文字の英数字を使用できます。大文字と小文字は区別されます。

ステップ 4

address-family { ipv4 | ipv6 }{ unicast | multicast }

例:

switch(config-router-neighbor)# address-family ipv4 unicast
switch(config-router-neighbor-af)#

指定されたアドレス ファミリに対応するグローバル アドレス ファミリ コンフィギュレーション モードを開始します。このコマンドによって、すべての BGP ネイバー セッションの自動通知およびセッション リセットが開始されます。

ステップ 5

advertisement-interval seconds

例:

switch(config-router-neighbor-af)# advertisement-interval 300

新しいルート アップデートの通知を遅らせる間隔を構成します。

(注)  

 

この間隔は、ただちに行う必要があるルート取り消しの通知には適用されません。

間隔は、1 ~ 600 秒の範囲にすることができます。

次に、アップデート アナウンスメント遅延タイマーを構成する例を示します。

switch# configure terminal
switch(config)# router bgp 64496
switch(config-router)# neighbor 192.0.2.0/8 remote-as route-map BGPPeers
switch(config-router-neighbor)# address-family ipv4 unicast
switch(config-router-neighbor-af)# advertisement-interval 300

BGP 再接続間隔の構成

BGP セッションが再接続できるまでの間隔を構成できます。

始める前に

BGP 機能が有効になっていることを確認します

手順の概要

  1. configure terminal
  2. router bgp autonomous-system-number
  3. reconnect-interval interval
  4. (任意) copy running-config startup-config

手順の詳細

  コマンドまたはアクション 目的

ステップ 1

configure terminal

例:

switch# configure terminal
switch(config)#

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

router bgp autonomous-system-number

例:

switch(config)# router bgp 64496
switch(config-router)#

BGP を有効にして、ローカル BGP スピーカに AS 番号を割り当てます。AS 番号は 16 ビット整数または 32 ビット整数にできます。上位 16 ビット 10 進数と下位 16 ビット 10 進数による xx.xx という形式です。

ステップ 3

reconnect-interval interval

例:

switch(config-router)# reconnect-interval 20

ドロップされた BGP 接続を自動的に再接続できるようになるまでの間隔を構成します。間隔の範囲は 1 ~ 60 秒です。

間隔のデフォルト値は 30 秒です。

ステップ 4

(任意) copy running-config startup-config

例:

switch(config-router)# copy running-config startup-config
(任意)

この設定変更を保存します。

次に、BGP 再接続感覚を構成する例を示します。

switch# configure terminal
switch(config)# router bgp 64496
switch(config-router)# reconnect-interval 20
switch(config-router)# copy running-config startup-config

プレフィックス ピアのダイナミック AS 番号の設定

BGP プロセス内で複数の BGP ピアを設定できます。BGP セッションの確立をルート マップの単一の AS 番号または複数の AS 番号に制限できます。

プレフィックス ピアのダイナミック AS 番号を介して設定された BGP セッションは、 ebgp-multihop コマンドおよび disable-connected-check コマンドを無視します

ルート マップの AS 番号のリストは変更できますが、ルート マップ名を変更するには no neighbor コマンドを使用する必要があります。設定されたルート マップの AS 番号に変更を加えた場合、新しいセッションのみに影響します。

始める前に

BGP 機能が有効になっていることを確認します

手順の概要

  1. configure terminal
  2. router bgp autonomous-system-number
  3. neighbor prefix remote-as route-map map-name
  4. (任意) show bgp { ipv4 { unicast | multicast } neighbors
  5. (任意) copy running-config startup-config

手順の詳細

  コマンドまたはアクション 目的

ステップ 1

configure terminal

例:

switch# configure terminal
switch(config)#

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

router bgp autonomous-system-number

例:

switch(config)# router bgp 64496
switch(config-router)#

BGP を有効にして、ローカル BGP スピーカに AS 番号を割り当てます。AS 番号は 16 ビット整数または 32 ビット整数にできます。上位 16 ビット 10 進数と下位 16 ビット 10 進数による xx.xx という形式です。

ステップ 3

neighbor prefix remote-as route-map map-name

例:

switch(config-router)# neighbor 192.0.2.0/8 remote-as routemap BGPPeers
switch(config-router-neighbor)#

IPv4 プレフィックス、およびリモート BGP ピアの受け付けられた AS 番号のリストのルート マップを構成します。IPv4 の prefix 形式は、x.x.x.x/長さ長さの範囲は 1 ~ 32 です。

map-name には最大 63 文字の英数字を使用できます。大文字と小文字は区別されます。

ステップ 4

(任意) show bgp { ipv4 { unicast | multicast } neighbors

例:

switch(config-router-neighbor)# show bgp ipv4 unicast neighbors
(任意)

BGP ピアに関する情報を表示します。

ステップ 5

(任意) copy running-config startup-config

例:

switch(config-router-neighbor) copy running-config startup-config
(任意)

この設定変更を保存します。

次に、プレフィックス ピアのダイナミック AS 番号を設定する例を示します。

switch# configure terminal
switch(config)# route-map BGPPeers
switch(config-route-map)# match as-number 64496, 64501-64510
switch(config-route-map)# match as-number as-path-list List1, List2
switch(config-route-map)# exit
switch(config)# router bgp 64496
switch(config-router)# neighbor 192.0.2.0/8 remote-as route-map BGPPeers
switch(config-router-neighbor)# description Peer Router B
switch(config-router-neighbor)# address-family ipv4 unicast
switch(config-router-neighbor-af)# copy running-config startup-config

BGP PIC エッジの設定

BGP PIC エッジを設定するには、次の手順に従います。


(注)  


BGP PIC エッジ機能は、IPv4 アドレス ファミリのみをサポートします。


始める前に

BGP をイネーブルにする必要があります(「BGP のイネーブル化」の項を参照)。

手順の概要

  1. configure terminal
  2. router bgp autonomous-system-number
  3. neighbor ip-address
  4. remote-as as-number
  5. address-family ipv4 unicast
  6. additional-paths install backup
  7. (任意) copy running-config startup-config

手順の詳細

  コマンドまたはアクション 目的

ステップ 1

configure terminal

例:

switch# configure terminal
switch(config)#

コンフィギュレーション モードに入ります。

ステップ 2

router bgp autonomous-system-number

例:


switch(config)# router bgp 64496
switch(config-router)#

BGP を有効にして、ローカル BGP スピーカに AS 番号を割り当てます。AS 番号は 16 ビット整数または 32 ビット整数にできます。上位 16 ビット 10 進数と下位 16 ビット 10 進数による xx.xx という形式です。

ステップ 3

neighbor ip-address

例:

switch(config-router)# neighbor
209.165.201.1
switch(config-router-neighbor)#

リモート BGP ピアの IPv4 アドレスを設定します。ip-address の形式は x.x.x.x です。

ステップ 4

remote-as as-number

例:


switch(config-router-neighbor)# remote-as 64497

リモート BGP ピアの AS 番号を設定します。

ステップ 5

address-family ipv4 unicast

例:

switch(config-router-neighbor)#
address-family ipv4 unicast
switch(config-router-neighbor-af)#

IPv4 アドレス ファミリのネイバー アドレス ファミリ設定を開始します。

ステップ 6

additional-paths install backup

例:

switch(config-router-neighbor-af)#
additional-paths install backup

ルーティング テーブルにバックアップ パスをインストールする BGP をイネーブルにします。

ステップ 7

(任意) copy running-config startup-config

例:

switch(config-router-neighbor-af)# 
copy running-config startup-config
(任意)

この設定変更を保存します。

次の例は、IPv4 ネットワークで BGP PIC エッジをサポートするように、デバイスを設定する方法を示しています。


interface Ethernet2/2 ip address 1.1.1.5/24 no shutdown

interface Ethernet2/3 ip address 2.2.2.5/24 no shutdown

router bgp 100
neighbor 1.1.1.6
remote-as 200
address-family ipv4 unicast additional-paths install backup
address-family ipv4 unicast neighbor 2.2.2.6
remote-as 100
address-family ipv4 unicast

BGP が 2 つのネイバー(1.1.1.6 と 2.2.2.6)から同じプレフィックス(99.0.0.0/24 など)を受信した場合、両方のパスが URIB にインストールされます。一方はプライマリ パスになり、もう一方はバックアップ パスになります。

BGP 出力:


switch(config)# show ip bgp 99.0.0.0/24
BGP routing table information for VRF default, address family IPv4 Unicast BGP routing table entry 
for 99.0.0.0/24, version 4
Paths: (2 available, best #2)
Flags: (0x00001a) on xmit-list, is in urib, is best urib route

Path type: internal, path is valid, not best reason: Internal path, backup path AS-Path: 200 , path 
sourced external to AS
2.2.2.6 (metric 0) from 2.2.2.6 (2.2.2.6)
Origin IGP, MED not set, localpref 100, weight 0

Advertised path-id 1
Path type: external, path is valid, is best path AS-Path: 200 , path sourced external to AS
1.1.1.6 (metric 0) from 1.1.1.6 (99.0.0.1)
Origin IGP, MED not set, localpref 100, weight 0

Path-id 1 advertised to peers: 2.2.2.6

URIB 出力:


switch(config)# show ip route 99.0.0.0/24
IP Route Table for VRF "default" '*' denotes best ucast next-hop '**' denotes best mcast next-hop 
'[x/y]' denotes [preference/metric]
'%<string>' in via output denotes VRF <string>
99.0.0.0/24, ubest/mbest: 1/0
*via 1.1.1.6, [20/0], 14:34:51, bgp-100, external, tag 200
via 2.2.2.6, [200/0], 14:34:51, bgp-100, internal, tag 200 (backup)

UFIB 出力:


switch# show forwarding route 123.1.1.0 detail module 8
Prefix 123.1.1.0/24, No of paths: 1, Update time: Wed Jul 11 19:00:12 2018
Vobj id: 141   orig_as: 65002   peer_as: 65100  rnh: 10.3.0.2
10.4.0.2           Ethernet8/4         DMAC: 0018.bad8.4dfd
packets: 2  bytes: 3484   Repair path  10.3.0.2   Ethernet8/3 DMAC: 0018.bad8.4dfd packets: 0  
bytes: 1

BGP 情報の消去

BGP 情報を消去するには、次のコマンドを使用します。

コマンド

目的

clear bgp all { neighbor | * | as-number | peer-template name | prefix } [ vrf vrf-name ]

すべてのアドレス ファミリから 1 つ以上のネイバーをクリアします。* を指定すると、すべてのアドレス ファミリのすべてのネイバーが消去されます。引数は次のとおりです。

  • neighbor :ネイバーの IPv4 アドレス。

  • as-number :自律システム番号。AS 番号は 16 ビット整数または 32 ビット整数にできます。上位 16 ビット 10 進数と下位 16 ビット 10 進数による xx.xx という形式です。

  • name :ピア テンプレート名。名称は 64 文字以内の英数字のストリング(大文字と小文字を区別)で指定します。

  • prefix :IPv4 プレフィックス。そのプレフィックス内のすべてのネイバーがクリアされます

  • vrf-name :VRF 名。その VRF 内のすべてのネイバーがクリアされます。名称は 64 文字以内の英数字のストリング(大文字と小文字を区別)で指定します。

clear bgp all dampening [ vrf vrf-name ]

すべてのアドレス ファミリのルート フラップ ダンプニング ネットワークをクリアします。vrf-name には最大 64 文字の英数字文字列を指定します。大文字と-小文字は区別されます。

clear bgp all flap-statistics [ vrf vrf-name ]

すべてのアドレス ファミリのルート フラップ統計情報をクリアします。vrf-name には最大 64 文字の英数字文字列を指定します。大文字と小文字は区別されます。

clear bgp ipv4 { unicast | multicast } dampening [ vrf vrf-name ]

選択したアドレス ファミリのルート フラップ ダンプニング ネットワークをクリアします。vrf-name には最大 64 文字の英数字文字列を指定します。大文字と小文字は区別されます。
clear bgp ipv4 { unicast | multicast } flap-statistics [ vrf vrf-name ] 選択したアドレス ファミリのルート フラップ統計情報をクリアします。vrf-name には最大 64 文字の英数字文字列を指定します。大文字と小文字は区別されます。

clear bgp { ipv4 | ipv6 }{ unicast | multicast } { neighbor | * | as-number | peer-template name | prefix } [ vrf vrf-name ]

選択したアドレス ファミリから 1 つ以上のネイバーをクリアします。* を指定すると、そのアドレス ファミリのすべてのネイバーが消去されます。引数は次のとおりです。

  • neighbor:ネイバーの IPv4 アドレス。

  • as-number:自律システム番号。AS 番号は 16 ビット整数または 32 ビット整数にできます。上位 16 ビット 10 進数と下位 16 ビット 10 進数による xx.xx という形式です。

  • name:ピア テンプレート名。名称は 64 文字以内の英数字のストリング(大文字と小文字を区別)で指定します。

  • prefix:IPv4 プレフィックス。そのプレフィックス内のすべてのネイバーがクリアされます。

  • vrf-name:VRF 名。その VRF 内のすべてのネイバーがクリアされます。名称は 64 文字以内の英数字のストリング(大文字と小文字を区別)で指定します

clear ip bgp { ip { unicast | multicast }} { neighbor | * | as-number | peer-template name | prefix } [ vrf vrf-name ]

1 つ以上のネイバーをクリアします。* を指定すると、そのアドレス ファミリのすべてのネイバーが消去されます。引数は次のとおりです。

  • neighbor:ネイバーの IPv4 アドレス。

  • as-number:自律システム番号。AS 番号は 16 ビット整数または 32 ビット整数にできます。上位 16 ビット 10 進数と下位 16 ビット 10 進数による xx.xx という形式です。

  • name:ピア テンプレート名。名称は 64 文字以内の英数字のストリング(大文字と小文字を区別)で指定します。

  • prefix:IPv4 プレフィックス。そのプレフィックス内のすべてのネイバーがクリアされます。

  • vrf-name:VRF 名。その VRF 内のすべてのネイバーがクリアされます。名称は 64 文字以内の英数字のストリング(大文字と小文字を区別)で指定します。

clear ip bgp dampening [ ip-neighbor | ip-prefix ] [ vrf vrf-name ]

1 つ以上のネットワークのルート フラップ ダンプニングをクリアします。引数は次のとおりです。

  • neighbor:ネイバーの IPv4 または IPv6 アドレス。

  • ip-prefix: IPv4 または IPv6。そのプレフィックス内のすべてのネイバーがクリアされます。

  • vrf-name:VRF 名。その VRF 内のすべてのネイバーがクリアされます。名称は 64 文字以内の英数字のストリング(大文字と小文字を区別)で指定します。

clear ip bgp flap-statistics [ ip-neighbor | ip-prefix ] [ vrf vrf-name ]

1 つ以上のネットワークのルート フラップ統計情報をクリアします。引数は次のとおりです。

  • neighbor:ネイバーの IPv4 または IPv6 アドレス。

  • ip-prefix: IPv4 または IPv6。そのプレフィックス内のすべてのネイバーがクリアされます。

  • vrf-name:VRF 名。その VRF 内のすべてのネイバーがクリアされます。名称は 64 文字以内の英数字のストリング(大文字と小文字を区別)で指定します。

ベーシック BGP の設定の確認

BGP の設定情報を表示するには、次のいずれかの作業を行います。

コマンド

目的

show bgp all [summary] [vrf vrf-name]

すべてのアドレス ファミリについて、BGP 情報を表示します。

show bgp convergence [vrf vrf-name]

すべてのアドレス ファミリについて、BGP 情報を表示します。

show bgp { ipv4 { unicast | multicast } [ip-address] community { regexp expression | [community] [no-advertise] [no-export] [no-export-subconfed]} [vrf vrf-name]

BGP コミュニティと一致する BGP ルートを表示します。

show bgp [vrf vrf-name] { ip | ipv6} {unicast | multicast} [ip-address] community-list list-name [vrf vrf-name]

BGP コミュニティ リストと一致する BGP ルートを表示します。

show bgp ip { unicast | multicast } [ip-address] extcommunity {regexp expression | generic [non-transitive | transitive] aa4:nn [exact-match]} [vrf vrf-name]

BGP 拡張コミュニティと一致する BGP ルートを表示します。

show bgp ip { unicast | multicast } [ip-address] extcommunity-list list-name [exact-match] [vrf vrf-name]

BGP 拡張コミュニティ リストと一致する BGP ルートを表示します。

show bgp ip { unicast | multicast } [ip-address] {dampening dampened-paths [regexp expression]} [vrf vrf-name]

BGP ルート ダンプニングの情報を表示します。ルート フラップ ダンプニング情報を消去するには、clear bgp dampening コマンドを使用します。

show bgp ip { unicast | multicast } [ip-address] history-paths [regexp expression] [vrf vrf-name]

BGP ルート ヒストリ パスを表示します。

show bgp ip { unicast | multicast } [ip-address] filter-list list-name [vrf vrf-name]

BGP フィルタ リストの情報を表示します。

show bgp ip { unicast | multicast } [ ip-address] neighbors [ip-address] [vrf vrf-name]

BGP ピアの情報を表示します。これらのネイバーを消去するには、clear bgp neighbors コマンドを使用します。

show bgp ip { unicast | multicast } [ip-address] { nexthop | nexthop-database} [vrf vrf-name]

BGP ルート ネクスト ホップの情報を表示します。

show bgp paths

BGP パス情報を表示します。

show bgp ip { unicast | multicast } [ip-address] policy name [vrf vrf-name]

BGP ポリシー情報を表示します。ポリシー情報を消去するには、clear bgp policy コマンドを使用します。

show bgp ip { unicast | multicast } [ip-address] prefix-list list-name [vrf vrf-name]

プレフィックス リストと一致する BGP ルートを表示します。

show bgp ip { unicast | multicast } [ip-address] received-paths [vrf vrf-name]

ソフト再構成用に保管されている BGP パスを表示します。

show bgp ip { unicast | multicast } [ip-address] regexp expression [vrf vrf-name]

AS_path 正規表現と一致する BGP ルートを表示します。

show bgp ip { unicast | multicast } [ip-address] route-map map-name [vrf vrf-name]

ルート マップと一致する BGP ルートを表示します。

show bgp peer-policy name [vrf vrf-name]

BGP ピア ポリシー情報を表示します。

show bgp peer-session name [vrf vrf-name]

BGP ピア セッション情報を表示します。

show bgp peer-template name [vrf vrf-name]

BGP ピア テンプレート情報を表示します。ピア テンプレートのすべてのネイバーを消去するには、clear bgp peer-template コマンドを使用します。

show bgp process

BGP プロセス情報を表示します。

show ip bgp options

BGP のステータスと構成情報を表示します。このコマンドには複数のオプションがあります。

show running-configuration bgp

現在実行中の BGP コンフィギュレーションを表示します。

BGP 統計情報の表示

BGP の統計情報を表示するには、次のコマンドを使用します。

コマンド

目的

show bgp ip { unicast | multicast } [ip-address] flap-statistics [vrf vrf-name]

BGP ルート フラップの統計情報を表示します。これらの統計情報をクリアするには、clear bgp flap-statistics コマンドを使用します。

show bgp sessions [vrf vrf-name]

すべてのピアの BGP セッションを表示します。これらの統計情報をクリアするには、clear bgp sessions コマンドを使用します。

show bgp sessions [vrf vrf-name]

すべてのピアの BGP セッションを表示します。これらの統計情報をクリアするには、clear bgp sessions コマンドを使用します。

show bgp statistics

BGP 統計情報を表示します。

ベーシック BGP の設定例

次に、ベーシック BGP 設定の例を示します。

feature bgp
router bgp 64496
neighbor 192.0.2.1 remote-as 64496
address-family ipv4 unicast
next-hop-self

次の作業

次の機能の詳細については、高度な BGP の設定 を参照してください。

  • ピア テンプレート

  • ルートの再配布

  • ルート マップ

その他の参考資料

BGP の実装に関連する詳細情報については、次の項を参照してください。