概要

レイヤ 2 イーサネット スイッチングの概要

このデバイスは、レイヤ 2 イーサネット セグメント間の同時パラレル接続をサポートします。イーサネット セグメント間のスイッチド コネクションは、パケットが伝送されている間だけ維持されます。次のパケットには、別のセグメント間に新しい接続が確立されます。

デバイスは、高帯域幅デバイスや多数のユーザによって引き起こされるトラフィックの輻輳を解決するため、各デバイスにドメイン(サーバなど)を割り当てます。

イーサネット ネットワークではコリジョンによって深刻な輻輳が発生するため、全二重通信を使用することが有効な対処法の 1 つとなります。一般的に、10/100 Mbps イーサネットは半二重モードで動作するので、各ステーションは送信または受信のどちらかしか実行できません。これらのインターフェイスを全二重モードに設定すると、2 つのステーション間で同時に送受信を実行できます。パケットを双方向へ同時に送ることができるので、有効なイーサネット帯域幅は 2 倍になります。1/10 ギガビット イーサネットは、全二重モードだけで動作します。

VLANs

VLAN は、ユーザの物理的な位置に関係なく、機能、プロジェクト チーム、またはアプリケーションなどで論理的に分割されたスイッチド ネットワークです。VLAN は、物理 LAN と同じ属性をすべて備えていますが、同じ LAN セグメントに物理的に配置されていないエンド ステーションもグループ化できます。

どのようなスイッチ ポートでも VLAN に属すことができ、ユニキャスト、ブロードキャスト、マルチキャストのパケットは、その VLAN に属する端末だけに転送またはフラッディングされます。各 VLAN は 1 つの論理ネットワークであると見なされます。VLAN に属していないステーション宛てのパケットは、ブリッジまたはルータを経由して転送する必要があります。

デバイスの初回の起動時にすべてのポートがデフォルトの VLAN(VLAN1)に割り当てられます。

このデバイスは、IEEE 802.1Q 規格に基づき、4094 の VLAN をサポートします。これらの VLAN はいくつかの範囲に分かれています。各範囲の使用法は少しずつ異なります。一部の VLAN はデバイスの内部使用のために予約されているため、設定には使用できません。


Note


スイッチ間リンク(ISL)トランキングはサポートされません。


スパニングツリー

ここでは、スパニングツリー プロトコル(STP)の実装について説明します。このマニュアルでは、IEEE 802.1w および IEEE 802.1s を指す用語として、スパニング ツリーを使用します。このマニュアルで IEEE 802.1D 規格のスパニングツリー プロトコルについて記す場合は、802.1D であることを明記します。

STP の概要

STP は、レイヤ 2 レベルで、ループのないネットワークを実現します。レイヤ 2 LAN ポートは STP フレーム(ブリッジ プロトコル データ ユニット(BPDU))を一定の時間間隔で送受信します。ネットワーク デバイスは、これらのフレームを転送せずに、フレームを使用してループフリー パスを構築します。

802.1D は、オリジナルの STP 規格です。基本的なループフリー STP から、多数の改善を経て拡張されました。Per VLAN Spanning Tree(PVST+)では、各 VLAN に個別にループフリー パスを作成できます。また、機器の高速化に対応して、ループフリー コンバージェンス処理も高速化するために、規格全体が再構築されました。802.1w 規格は、高速コンバージェンスが統合された STP で、Rapid Spanning Tree(RSTP)と呼ばれています。

さらに、802.1s 規格のマルチ スパニングツリー(MST)では、複数の VLAN を単一のスパニングツリー インスタンスにマッピングできます。各インスタンスは、独立したスパニングツリー トポロジで実行されます。

ソフトウェアは、従来の 802.1D システムで相互運用できますが、デバイスでは Rapid PVST+ および MST が実行されます。特定の VDC に、Rapid PVST+ または MST のどちらかを使用できます。1 つの VDC では両方は使用できません。Rapid PVST+ はデフォルトの STP プロトコルです。


Note


Cisco NX-OS では、拡張システム ID と MAC アドレス リダクションが使用されます。これらの機能はディセーブルにできません。


また、シスコはスパニングツリーの動作を拡張するための独自の機能をいくつか作成しました。

Rapid PVST+

Rapid PVST+ は、ソフトウェアのデフォルトのスパニングツリー モードで、デフォルト VLAN および新規作成のすべての VLAN 上で、デフォルトでイネーブルになります。

設定された各 VLAN 上で RSTP の単一インスタンスまたはトポロジが実行され、VLAN 上の各 Rapid PVST+ インスタンスに 1 つのルート デバイスが設定されます。Rapid PVST+ の実行中には、VLAN ベースで STP をイネーブルまたはディセーブルにできます。

MST

このソフトウェアは、MST もサポートしています。MST を使用した複数の独立したスパニングツリー トポロジにより、データ トラフィック用に複数の転送パスを提供し、ロード バランシングを有効にして、多数の VLAN をサポートするために必要な STP インスタンスの数を削減できます。

MST には RSTP が統合されているので、高速コンバージェンスもサポートされます。MST では、1 つのインスタンス(転送パス)で障害が発生しても他のインスタンス(転送パス)に影響しないため、ネットワークのフォールト トレランスが向上します。


Note


スパニングツリー モードを変更すると、すべてのスパニングツリー インスタンスが前のモードで停止して新規モードで開始されるため、トラフィックが中断されます。


コマンドライン インターフェイスを使用すると、先行標準(標準ではない)の MST メッセージを指定インターフェイスで強制的に送信できます。

STP 拡張機能

このソフトウェアは、次に示すシスコ独自の機能をサポートしています。

  • スパニングツリー ポート タイプ:デフォルトのスパニングツリー ポート タイプは、標準(normal)です。レイヤ 2 ホストに接続するインターフェイスをエッジ ポートとして、また、レイヤ 2 スイッチまたはブリッジに接続するインターフェイスをネットワーク ポートとして設定できます。

  • ブリッジ保証:ポートをネットワーク ポートとして設定すると、ブリッジ保証によりすべてのポート上に BPDU が送信され、BPDU を受信しないポートはブロッキング ステートに移行します。この拡張機能を使用できるのは、Rapid PVST+ または MST を実行する場合だけです。

  • BPDU ガード:BPDU ガードは、BPDU を受信したポートをシャットダウンします。

  • BPDU フィルタ:BPDU フィルタは、ポート上での BPDU の送受信を抑制します。

  • ループ ガード:ループ ガードは、ポイントツーポイント リンク上の単方向リンク障害が原因で発生するブリッジング ループを防止します。

  • ルート ガード:ルート ガードは、ポートがルート ポートまたはブロッキングされたポートになることを防ぎます。ルート ガードに設定されたポートが上位 BPDU を受信すると、このポートはただちにルートとして一貫性のない(ブロッキングされた)状態になります。