アクセスポイントの設定と配置

このセクションでは、AP をコントローラに接続する方法を説明します。AP を設定する方法の詳細については、該当するリリースの『Cisco Wireless Controller Configuration Guide』を参照してください。

コントローラ ディスカバリ プロセス

Cisco AP が AP として機能するためには、コントローラに接続し、クライアントへのサービスを開始する必要があります。シスコは、コントローラ ディスカバリ プロセスと呼ばれるプロセスを使用して、コントローラに接続します。デバイスは、中央管理型アクセスポイントプロトコル(LWAPP)を使用して相互に通信します。AP は、ネットワーク内の物理的な場所や論理的な場所に関係なく、コントローラに接続して連携できます。新しい AP には、追加設定なしで、サブネットに関係なくどこでも接続できます。接続されると、コントローラを特定し、コントローラバージョンのソフトウェアイメージと設定を取得します。この情報が AP に送信された後、クライアントへのサービスを開始できます。

注意事項と制約事項

  • AP の名前にスペースが含まれていると、コントローラの CLI を使用して AP を編集したり、クエリを送信したりすることができません。

  • コントローラが現在の時刻に設定されていることを確認してください。コントローラをすでに経過した時刻に設定すると、その時刻には証明書が無効である可能性があり、AP がコントローラに接続できない場合があります。

AP をネットワークで有効にするには、コントローラが AP を検出する必要があります。AP では、次のコントローラ ディスカバリ プロセスがサポートされています。

  • ローカルに保存されたコントローラ IP アドレスによるディスカバリ:以前に AP がコントローラに接続されていた場合、プライマリ、セカンダリ、ターシャリの各コントローラの IP アドレスが AP の不揮発性メモリに保存されます。今後の導入用に AP にコントローラの IP アドレスを保存するこのプロセスは、「AP のプライミング」と呼ばれます。プライミングの詳細については、設置前の設定(任意) を参照してください。

  • DHCP サーバによるディスカバリ:この機能は、DHCP オプション 43 を使用して AP にコントローラの IP アドレスを割り当てます。Cisco スイッチでは、通常この機能に使用される DHCP サーバ オプションをサポートしています。DHCP オプション 43 の詳細については、DHCP オプション 43 の設定 を参照してください。

  • DNS ディスカバリ: AP はお客様のドメインネームサーバ(DNS)を介してコントローラを検出できます。AP でこれを実行するには、CISCO-CAPWAP-CONTROLLER.localdomain への応答としてコントローラの IP アドレスを返すよう、DNS を設定する必要があります。ここで、localdomain は APドメイン名です。CISCO-CAPWAP-CONTROLLER を設定することにより、お客様の既存の環境で下位互換性が実現します。AP は、DHCP サーバから IP アドレスと DNS の情報を受信すると、DNS に接続して CISCO-CAPWAP-CONTROLLER.localdomain を解決します。DNS からコントローラの IP アドレスのリストを受信すると、AP はコントローラに検出要求を送信します。

ワイヤレスネットワークへのアクセスポイントの導入

AP を取り付けた後、次の手順に従って AP をワイヤレスネットワークに導入します。

手順


ステップ 1

電源を接続し、AP の電源を入れます。

ステップ 2

AP の LED を確認します。

LED の説明については、アクセス ポイントの LED の確認を参照してください。

  1. AP の電源を入れると、電源投入シーケンスが開始されたことを AP の LED で確認できます。電源投入シーケンスに成功すると、検出および接続プロセスが開始されます。このプロセスの間、LED は緑色、赤色、消灯の順序で点滅します。AP がコントローラに接続すると、クライアントが関連付けられていない場合は LED が緑色になり、クライアントが関連付けられている場合は青色になります。

  2. LED が点灯していない場合は、おそらく AP に電源が供給されていません。

  3. LED が 5 分以上連続して点滅している場合、AP はプライマリ、セカンダリ、およびターシャリの各コントローラを検出できていません。AP とコントローラの間の接続を確認し、AP とコントローラが同じサブネット上にあることや、AP がプライマリ、セカンダリ、ターシャリの各コントローラに戻る経路があることを確認してください。AP がコントローラと同じサブネット上にない場合は、AP と同じサブネット上に正しく設定された DHCP サーバがあることを確認します。詳細については、DHCP オプション 43 の設定を参照してください。

ステップ 3

このコントローラがプライマリコントローラにならないように再設定します。

(注)  

 
プライマリコントローラは、AP のみを設定するために使用します。稼働中のネットワークでは、このコントローラを使用しないでください。

アクセス ポイントの LED の確認

AP のステータス LED の位置は、コネクタおよびポート に示されています。


(注)  


LED ステータスの色は、装置ごとに色の強さおよび色彩が若干異なります。これは、LED メーカーの仕様の正常な範囲内であり、障害ではありません。ただし、LED の強さはコントローラから変更できます。

AP のステータス LED はさまざまな状態を示します。次の表で詳細を説明します。

表 1. AP の LED 信号

LED メッセージ タイプ

意味

ブートローダの状態シーケンス

緑色の点滅

ブートローダの状態シーケンス

  • DRAM メモリ テスト中

  • DRAM メモリ テスト OK

  • ボードの初期化中

  • フラッシュ ファイル システムの初期化中

  • フラッシュ メモリ テスト OK

  • イーサネットの初期化中

  • イーサネット OK

  • AP OS の起動中

  • 初期化成功

ブートローダの警告

赤色の点滅

設定リカバリが進行中(リセット ボタンが 2 ~ 3 秒長押しされた場合)

赤色の点灯

イーサネット障害またはイメージ リカバリが発生(リセット ボタンが 20 ~ 30 秒長押しされた場合)

緑色の点滅

イメージリカバリが進行中(リセットボタンがリリースされた)

CAPWAP OS

アソシエーションの状態

点灯時間の短い緑色の点滅

この状態は、通常の動作状態を示します。ユニットはコントローラに結合されていますが、ワイヤレス クライアントが関連付けられていません。

緑色の点灯

正常な動作状態で、少なくとも 1 台のワイヤレスクライアントが装置にアソシエートされています。

動作状態

橙色の点滅

ソフトウェアアップグレードが進行中

緑色、赤色、橙色の繰り返し

検出または接続プロセスが進行中

赤色、緑色、橙色の点灯と消灯の素早い切り替わり

この状態は、AP のロケーションコマンドが呼び出されたことを示します。

赤色の点滅

この状態は、イーサネットリンクが機能していないことを示しています。

赤色、緑色、橙色の繰り返し

これは、インラインバワーが不十分な時の一般的な警告です。

Cisco URWB OS

リンク品質/SNR インジケータ

緑色の点滅

SNR 非常に良好(>=25)

フェードイン(緑色)

SNR 良好(15<=x<25)

フェードイン(橙色)

SNR 不良(10<=x<15)

フェードイン(赤色)

SNR 許容範囲外(<10)

動作状態

赤色、緑色、橙色の繰り返し

これは、インラインバワーが不十分な時の一般的な警告です。

リンボー(プロビジョニング)モード:フォールバック

点灯時間の短い橙色の点滅

DHCP サーバーに IP アドレスを要求している状態。

リンボー(プロビジョニング)モード:DHCP

橙色

このステータスは、IP アドレスが DHCP サーバーから取得されたことを示します。