この製品のドキュメントセットは、偏向のない言語を使用するように配慮されています。このドキュメントセットでの偏向のない言語とは、年齢、障害、性別、人種的アイデンティティ、民族的アイデンティティ、性的指向、社会経済的地位、およびインターセクショナリティに基づく差別を意味しない言語として定義されています。製品ソフトウェアのユーザインターフェイスにハードコードされている言語、RFP のドキュメントに基づいて使用されている言語、または参照されているサードパーティ製品で使用されている言語によりドキュメントに例外が存在する場合があります。シスコのインクルーシブ ランゲージの取り組みの詳細は、こちらをご覧ください。
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このドキュメントでは、さまざまなネットワーキングシナリオでマルチキャストを設定する方法の基本について説明します。
次の項目に関する専門知識があることが推奨されます。
このドキュメントの内容は、特定のソフトウェアやハードウェアのバージョンに限定されるものではありません。
このドキュメントの情報は、特定のラボ環境にあるデバイスに基づいて作成されました。このドキュメントで使用するすべてのデバイスは、クリアな(デフォルト)設定で作業を開始しています。本稼働中のネットワークでは、各コマンドによって起こる可能性がある影響を十分確認してください。
表記法の詳細については、『シスコ テクニカル ティップスの表記法』を参照してください。
IP マルチキャストは、単一の情報ストリームを数千もの企業や家庭に同時に配信することでトラフィックを軽減する帯域幅節約型のテクノロジーです。
マルチキャストを利用するアプリケーションには、ビデオ会議、企業コミュニケーション、通信教育、およびソフトウェア、株価情報、ニュースの配信などが含まれます。
特に新規の導入では、Protocol Independent Multicast(PIM)希薄(sparse)モード、とりわけ Auto-RP をできる限り使用することを推奨いたします。
しかし、稠密モードが望ましい場合は、グローバル コマンド ip multicast-routing とインターフェイス コマンド ip pim sparse-dense-mode を、マルチキャスト トラフィックを処理する必要のあるインターフェイスごとに設定してください。
このドキュメント内のすべての設定では、マルチキャストをグローバルに設定し、インターフェイスで PIM を設定することが、共通の必要条件となっています。
Cisco IOS(R) ソフトウェア リリース 11.1 の時点で、インターフェイス コマンド ip pim dense-mode および ip pim sparse-mode を、ip pim sparse-dense-mode コマンドによって同時に設定できるようになりました。
このモードでは、グループが稠密モードならばインターフェイスは稠密モードとして扱われます。グループが希薄モードならば(RP が既知の場合など)、インターフェイスは希薄モードとして扱われます。
注:このドキュメント全体を通して、例にある「Source」はマルチキャストトラフィックの送信元を表し、「Receiver」はマルチキャストトラフィックの受信者を表しています。
グループが稠密モードの場合、インターフェイスは稠密モードとして扱われます
ルータ A の設定 |
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ip multicast-routing interface ethernet0 ip address <address> <mask> ip pim sparse-dense-mode interface serial0 ip address <address> <mask> ip pim sparse-dense-mode |
ルータ B の設定 |
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ip multicast-routing interface serial0 ip address <address> <mask> ip pim sparse-dense-mode interface ethernet0 ip address <address> <mask> ip pim sparse-dense-mode |
通常、RP は送信元に最も近いルータであり、この例では、Router A が RP です。スタティックRPコンフィギュレーションでは、PIMドメイン内のすべてのルータでsame p pim rp-addressコマンドが設定されている必要があります。
RP は複数設定できますが、特定のグループごとに許される RP は 1 つだけです。
複数のRPを使用できるが、特定のグループごとにRPは1つだけ
ルータ A の設定 |
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ip multicast-routing ip pim rp-address 10.1.1.1 interface ethernet0 ip address <address> <mask> ip pim sparse-dense-mode interface serial0 ip address 10.1.1.1 255.255.255.0 ip pim sparse-dense-mode |
ルータ B の設定 |
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ip multicast-routing ip pim rp-address 10.1.1.1 interface serial0 ip address <address> <mask> ip pim sparse-dense-mode interface ethernet0 ip address <address> <mask> ip pim sparse-dense-mode |
この例では、Source-A は 224.1.1.1、224.1.1.2、および 224.1.1.3 に送信します。Source-B は 224.2.2.2、224.2.2.3、および 224.2.2.4 に送信します。RP 1 または RP 2 のどちらかのルータ 1 台をすべてのグループの RP にすることができます。
ただし、異なるRPで異なるグループを処理する場合は、どのグループがRPの処理対象となるのかを含めて、すべてのルータを設定する必要があります。
このタイプのスタティックRPコンフィギュレーションでは、PIMドメイン内のすべてのルータで同じip pim rp-address address acl コマンドが設定されている必要があります。
Auto-RP を使用することもできます。こちらの方が同じセットアップを実現するのに設定が簡単です。
Source-Aは224.1.1.1、224.1.1.2、および224.1.1.3に送信し、Source-Bは224.2.2.2、224.2.2.3、および224.2.2.4に送信します。
RP 1 の設定 |
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ip multicast-routing ip pim RP-address 10.1.1.1 2 ip pim RP-address 10.2.2.2 3 access-list 2 permit 224.1.1.1 access-list 2 permit 224.1.1.2 access-list 2 permit 224.1.1.3 access-list 3 permit 224.2.2.2 access-list 3 permit 224.2.2.3 access-list 3 permit 224.2.2.4 |
RP 2 の設定 |
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ip multicast-routing ip pim RP-address 10.1.1.1 2 ip pim RP-address 10.2.2.2 3 access-list 2 permit 224.1.1.1 access-list 2 permit 224.1.1.2 access-list 2 permit 224.1.1.3 access-list 3 permit 224.2.2.2 access-list 3 permit 224.2.2.3 access-list 3 permit 224.2.2.4 |
ルータ 3 および 4 の設定 |
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ip multicast-routing ip pim RP-address 10.1.1.1 2 ip pim RP-address 10.2.2.2 3 access-list 2 permit 224.1.1.1 access-list 2 permit 224.1.1.2 access-list 2 permit 224.1.1.3 access-list 3 permit 224.2.2.2 access-list 3 permit 224.2.2.3 access-list 3 permit 224.2.2.4 |
Auto-RP では、各 RP のアベイラビリティを RP およびマッピング エージェントとしてアナウンスするよう個々の RP を設定する必要があります。RP は 224.0.1.39 を使用して各自のアナウンスメントを送信します。
RP マッピング エージェントはアナウンスされたパケットを受信した後、ディスカバリ メッセージの中で RP 対グループのマッピングを送信します。ディスカバリ メッセージは 224.0.1.40 に送信されます。
これらのディスカバリメッセージは、RPからグループへのマップのために残りのルータによって使用されます。
1 つの RP をマッピング エージェントとしても機能するようにできます。また、冗長化の目的で複数の RP と複数のマッピング エージェントを構成することも可能です。
RP アナウンスメントの送信元となるインターフェイスを選択する際には、物理インターフェイスでなくループバックなどのインターフェイスを使用することを推奨いたします。
また、Switched VLAN Interface(SVI)を使用することも可能です。 RPアドレスをアナウンスするためにVLANインターフェイスが使用される場合は、ip pim [vrf vrf-name] send-rp-announce {interface-type interface-number | ip-address} scope ttl-value コマンドのinterface-type オプションにVLANインターフェイスとVLAN番号が含まれている必要があります。たとえば、コマンドはip pim send-rp-announceVlan500 scope 100 のようになります。
物理インターフェイスを選択する場合は、そのインターフェイスが常にアップしていることが前提となります。物理インターフェイスは常にアップしているとは限らないため、物理インターフェイスがダウンすると、ルータは RP としてのルータ自体のアドバタイジングを中止します。
ループバック インターフェイスを使用すると、常にアップした状態でダウンすることがないため、RP が使用可能な任意のインターフェイスを通して自身を RP としてアドバタイズし続けることが保証されます。
1 つまたは複数の物理インターフェイスで障害が発生した場合でも同様です。ループバック インターフェイスは、PIM が有効にされ Interior Gateway Protocol(IGP)によってアドバタイズされるか、またはスタティック ルーティングを使用して到達できる必要があります。
ループバックインターフェイスはPIM対応で、Interior Gateway Protocol(IGP;内部ゲートウェイプロトコル)によってアドバタイズされているか、スタティックルーティングを使用して到達可能である必要があります
ルータ A の設定 |
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ip multicast-routing ip pim send-rp-annouce loopback0 scope 16 |
ルータ B の設定 |
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ip multicast-routing interface ethernet0 ip address <address> <mask> ip pim sparse-dense-mode interface serial0 ip address <address> <mask> ip pim sparse-dense-mode |
この例のアクセス リストにより、RP を必要なグループだけの RP にすることができます。アクセス リストを設定しなければ、RP はすべてグループの RP として使用されます。
2 つの RP が各自のアベイラビリティを同じグループの RP としてアナウンスする場合、マッピング エージェントは「最も大きな IP アドレスを優先する」という規則を使用してこれらの競合を解決します。
2 つの RP がそのグループに対してアナウンスする際に、どのルータが特定のグループの RP なのかが指定されるように、それぞれのルータをループバック アドレスに設定できます。
優先されるRPに最大のIPアドレスを設定し、それからループバックインターフェイスをアナウンスパケットの送信元として使用します。たとえばip pim send-RP-announceloopback0 などです。
マッピング エージェントを複数使用すると、各エージェントにより RP マッピングに対する同じグループが 224.0.1.40 ディスカバリグループにアドバタイズされます。
優先RPに大きい方のIPアドレスを設定する
RP 1 の設定 |
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ip multicast-routing interface loopback0 ip address <address> <mask> ip pim sparse-dense-mode ip pim send-RP-announce loopback0 scope 16 group-list 1 |
RP 2 の設定 |
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ip multicast-routing interface loopback0 ip address <address> <mask> ip pim sparse-dense-mode access-list 1 deny 239.0.0.0 0.255.255.255 access-list 1 permit 224.0.0.0 10.255.255.255 |
インターネット サービス プロバイダー(ISP)から、インターネット内のマルチキャスト バックボーン(MBONE)にアクセスできるようにするため、ISP への Distance Vector Multicast Routing Protocol(DVMRP; ディスタンスベクトル マルチキャスト ルーティング プロトコル)トンネルを作成するように提案されることがあります。
DVMRP トンネルの設定に必要な最低限のコマンドを次に示します。
interface tunnel0 ip unnumbered <any pim interface> tunnel source <address of source> tunnel destination <address of ISPs mrouted box> tunnel mode dvmrp ip pim sparse-dense-mode
通常、ISPは、「mrouted」(DVMRP)が稼働するUNIXマシンにトンネルを確立するように指示します。 代わりに ISP から別のシスコのデバイスにトンネル伝送するよう指示された場合は、デフォルトの GRE トンネル モードを使用してください。
マルチキャスト パケットを受信するのではなく、MBONE の他のノードで参照されるマルチキャスト パケットを生成する場合は、送信元のサブネットをアドバタイズする必要があります。
マルチキャストの発信元のホスト アドレスが 172.16.108.1 であれば、そのサブネットの存在を MBONE にアドバタイズする必要があります。デフォルトでは、直接接続ネットワークはメトリック 1 でアドバタイズされます。
送信元が DVMRP トンネルでルータに直接接続されていない場合は、インターフェイス tunnel0 の下で次のように設定します。
ip dvmrp metric 1 list 3 access-list 3 permit 172.16.108.0 0.0.0.255
注:ユニキャストルーティングテーブル全体がMBONEにアドバタイズされないようにするには、このコマンドでアクセスリストを指定する必要があります。
セットアップが図に示したものと似ていて、DVMRPルートをドメイン経由で伝搬したい場合は、ルータAとルータBのserial0インターフェイスにip dvmrp unicast-routingcommandを設定します。
この操作により、DVMRPルートがPIMネイバーに転送され、PIMネイバーはリバースパス転送(RPF)に使用されるDVMRPルーティングテーブルを保持します。
DVMRP の学習ルートは、直接接続ルートを除いて、RPF では他のすべてのプロトコルで優先されます。
ドメインを介したDVMRPルートの伝播
Multiprotocol Border Gateway Protocol(MBGP)は、ユニキャスト ルーティング用に設定されたルートと、マルチキャスト ルーティング用に設定されたルートの、2 組のルートを搬送するための基本的な方式です。
MBGP は、マルチキャスト パケットがどこを流れることを許可するかを決めるのに必要な制御機能を提供します。マルチキャスト ルーティングに関連付けられたルートは、データ配送ツリーを構築するために PIM で使用されます。
MBGP は RPF パスを提供しますが、マルチキャスト ステートは作成しません。マルチキャスト パケットの転送のために PIM が引き続き必要になります。
マルチキャストパケットを転送するためにPIMが引き続き必要
ルータ A の設定 |
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ip multicast-routing interface loopback0 ip pim sparse-dense-mode ip address 192.168.2.2 255.255.255.0 interface serial0 ip address 192.168.100.1 255.255.255.0 interface serial1 ip pim sparse-dense-mode ip address 192.168.200.1 255.255.255.0 router bgp 123 network 192.168.100.0 nlri unicast network 192.168.200.0 nlri multicast neighbor 192.168.1.1 remote-as 321 nlri unicast multicast neighbor 192.168.1.1 ebgp-multihop 255 neighbor 192.168.100.2 update-source loopback0 neighbor 192.168.1.1 route-map setNH out route-map setNH permit 10 match nlri multicast set ip next-hop 192.168.200.1 route-map setNH permit 20 |
ルータ B の設定 |
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ip multicast-routing interface loopback0 ip pim sparse-dense-mode ip address 192.168.1.1 255.255.255.0 interface serial0 ip address 192.168.100.2 255.255.255.0 interface serial1 ip pim sparse-dense-mode ip address 192.168.200.2 255.255.255.0 router bgp 321 network 192.168.100.0 nlri unicast network 192.168.200.0 nlri multicast neighbor 192.168.2.2 remote-as 123 nlri unicast multicast neighbor 192.168.2.2 ebgp-multihop 255 neighbor 192.168.100.1 update-source loopback0 neighbor 192.168.2.2 route-map setNH out route-map setNH permit 10 match nlri multicast set ip next-hop 192.168.200.2 route-map set NH permit 20 |
ユニキャストのトポロジとマルチキャストのトポロジが一致している場合(たとえば、トポロジが同じリンクを通過する場合)、設定の主な違いはnlri unicast multicast コマンドによるものです。
次に例を示します。
network 192.168.100.0 nlri unicast multicast
トポロジが一致する場合の MBGP の使用には利点があります。つまり、トラフィックが同じパスを通過する場合でもユニキャスト BGP とマルチキャスト BGP とで異なるポリシーを適用できるという点です。
Multicast Source Discovery Protocol(MSDP)は複数の PIM-SM ドメイン同士を接続します。
PIM-SM ドメインはそれぞれ独立した RP を使用するため、他のドメインの RP に依存する必要がありません。
ドメインは MSDP を使用することで、マルチキャストの発信元を他のドメインから検出できます。MSDP ピアと BGP ピア関係を確立する場合は、MSDP に対して BGP で使用したものと同じ IP アドレスを使用する必要があります。
MSDP では、ピア RPF チェックを実行する際、BGP/MBGP が SA メッセージで指定されている RP でルート テーブル検索を実行する時に BGP/MBGP から与えられたものと MSDP ピアのアドレスが同じアドレスであることを前提とします。
ただし、MSDP ピアの間に BGP/MBGP パスがある場合、MSDP ピアとの間で BGP/MBGP を実行する必要はありません。
BGP/MBGP パスが存在せず、MSDP ピアが複数存在する場合は、ip msdp default-peer コマンドを使用する必要があります。
ここの例では、RP A および RP B はそれぞれのドメイン用の RP です。
Multicast Source Discovery Protocol(MSDP)により複数のPIM-SMドメインを接続
ルータ A の設定 |
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ip multicast-routing ip pim send-RP-announce loopback0 scope 16 group-list 1 |
ルータ B の設定 |
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ip multicast-routing ip pim send-RP-announce loopback0 scope 16 group-list 1 |
スタブ マルチキャスト ルーティングを使用すると、リモート ルータまたはスタブ ルータを IGMP プロキシ エージェントとして設定できます。これらのスタブ ルータは、PIM に全面的に参加するのではなく、ホストからアップストリームのマルチキャスト ルータに IGMP メッセージを転送します。
スタブルータがホストからアップストリームマルチキャストルータにIGMPメッセージを転送する方法
ルータ 1 設定 |
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int s0 ip pim sparse-dense-mode ip pim neighbor-filter 1 access-list 1 deny 192.168.140.1 |
ルータ 1 がルータ 2 を PIM ネイバーとして認識しないようにするため、ip pim neighbor-filter コマンドが必要になります。
Router 1 を希薄モードで設定した場合は、ネイバー フィルタは不要です。ルータ 2 は希薄モードで実行しないでください。
稠密モードでは、スタブ マルチキャストの発信元はバックボーン ルータにフラッディングできます。
ルータ 2 設定 |
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ip multicast-routing int e0 ip pim sparse-dense-mode ip igmp helper-address 192.168.140.2 int s0 ip pim sparse-dense-mode |
UniDirectional Link Routing(UDLR)は、単方向の衛星回線を経由して、バック チャネルを持つスタブ ネットワークにマルチキャスト パケットを転送するための手段を提供します。
この仕組みはスタブ マルチキャスト ルーティングに似ています。この機能がない場合、ダウンリンク ルータは送り返すことができないため、アップリンク ルータはどの IP マルチキャスト グループ アドレスを単方向の回線を経由して転送するのかを動的に学習できなくなります。
Unidirectional Link Routing(UDLR):マルチキャストパケットを転送する方法を提供します。
Uplink-rtr の設定 |
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ip multicast-routing interface Ethernet0 description Typical IP multicast enabled interface ip address 172.16.12.1 255.0.0.0 ip pim sparse-dense-mode interface Ethernet1 description Back channel which has connectivity to downlink-rtr ip address 172.16.11.1 255.0.0.0 ip pim sparse-dense-mode interface Serial0 description Unidirectional to downlink-rtr ip address 10.0.0.1 255.0.0.0 ip pim sparse-dense-mode ip igmp unidirectional-link no keepalive |
ダウンリンク ルータの設定 |
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ip multicast-routing interface Ethernet0 description Typical IP multicast enabled interface ip address 172.16.14.2 255.0.0.0 ip pim sparse-dense-mode ip igmp helper-address udl serial0 interface Ethernet1 description Back channel which has connectivity to downlink-rtr ip address 172.16.13.2 255.0.0.0 ip pim sparse-dense-mode interface Serial0 description Unidirectional to uplink-rtr ip address 10.0.0.2 255.0.0.0 ip pim sparse-dense-mode ip igmp unidirectional-link no keepalive |
ネットワーク内のすべてのルータでPIMv2が稼働している場合は、Auto-RPの代わりにBSRを設定できます。BSR と Auto-RP はよく似ています。
BSR コンフィギュレーションでは、BSR 候補(Auto-RP での RP アナウンスに類似)と BSR(Auto-RP のマッピング エージェントに類似)を設定する必要があります。 BSRを設定するには、次の手順を実行します。
候補 BSR で次を設定します。
ip pim bsr-candidate interface hash-mask-len pref
ここで、interface には BSR 候補の IP アドレスを指定します。必ずしもそうする必要はありませんが、hash-mask-Len はすべての BSR 候補で同じにすることを推奨いたします。最大の pref 値を持つ BSR 候補が、このドメインの BSR として選出されます。
コマンドの使用例を次に示します。
ip pim bsr-candidate ethernet0 30 4
PIMv2 BSR は、RP 候補の情報を収集して、各グループ プレフィクスに関連付けられた RP セット情報を伝搬します。シングル ポイント障害を回避するために、ドメイン内の複数のルータを BSR 候補として設定できます。
設定されたプリファレンス値をもとに、BSR 候補の中から BSR が自動的に選出されます。BSR 候補として機能するためには、ルータが接続され、ネットワークのダイヤルアップ エリア内ではなく、ネットワークのバックボーン内に設置する必要があります。
RP 候補ルータを設定します。次の例は、admin-scope アドレス範囲全体に対する、インターフェイス ethernet0 上の候補 RP を示したものです。
access-list 11 permit 239.0.0.0 0.255.255.255 ip pim rp-candidate ethernet0 group-list 11
グループ管理プロトコル(CGMP)を設定するには、スイッチに面するルータインターフェイスで次のように設定します。
ip pim sparse-dense-mode ip cgmp
そして、スイッチで次のように設定します。
set cgmp enable
Internet Group Management Protocol(IGMP)スヌーピングは、Catalyst 5000のリリース4.1で使用できます。IGMPスヌーピングにはスーパーバイザIIIカードが必要です。
ルータで IGMP スヌーピングを設定する際、PIM 以外の設定は不要です。IGMP クエリーを提供するために、IGMP スヌーピングではルータが引き続き必要になります。
ここに掲載した例は、スイッチで IGMP スヌーピングを有効にする方法を示したものです。
Console> (enable) set igmp enable IGMP Snooping is enabled. CGMP is disabled.
IGMPをイネーブルにしようとしても、CGMPがすでにイネーブルになっている場合は、次のように表示されます。
Console> (enable) set igmp enable Disable CGMP to enable IGMP Snooping feature.
Pragmatic General Multicast(PGM)は、複数の発信元から複数の受信側に対してマルチキャスト データを正しい順序で重複なく配信することを必要とするアプリケーションにとって、信頼性の高いマルチキャスト トランスポート プロトコルです。
PGM により、グループ内の受信側がすべて送信または再送信されたデータ パケットを受信すること、あるいは修復不可能なデータ パケットの損失を検出できることが保証されます。
PGM 用のグローバル コマンドはありません。PGM は ip pgm コマンドを使用してインターフェイスごとに設定します。インターフェイスで PIM を有効にするとともに、ルータでマルチキャスト ルーティングを有効にする必要があります。
Multicast Routing Monitor(MRM)により、大規模なマルチキャスト ルーティング インフラストラクチャでの自動障害検出が可能になります。MRM はマルチキャスト ルーティングの問題をネットワーク管理者にほぼリアルタイムで警告します。
MRM には MRM テスターと MRM マネージャの 2 つのコンポーネントがあります。MRM テスターは送信側または受信側になります。
MRM は Cisco IOS ソフトウェア リリース 12.0(5)T 以降で使用できます。MRMをサポートするCisco IOSバージョンを実行する必要があるのは、MRMテスターとマネージャだけです。
Multicast Routing Monitor(MRM)により、大規模なマルチキャストルーティングインフラストラクチャでの自動障害検出を促進
テスト送信側の設定 |
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interface Ethernet0 ip mrm test-sender |
テスト受信装置の設定 |
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interface Ethernet0 ip mrm test-receiver |
テスト マネージャの設定 |
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ip mrm manager test1 manager e0 group 239.1.1.1 senders 1 receivers 2 sender-list 1 access-list 1 permit 10.1.1.2 access-list 2 permit 10.1.4.2 |
テスト マネージャでの show ip mrm manager コマンドからの出力を次に示します。
Test_Manager# show ip mrm manager Manager:test1/10.1.2.2 is notrunning
Beacon interval/holdtime/ttl:60/86400/32 Group:239.1.1.1, UDP port test-packet/status-report:16384/65535 Test sender: 10.1.1.2 Test receiver: 10.1.4.2
ここに示したコマンドを使用してテストを開始します。テスト マネージャは、テスト パラメータで設定されたとおりに、テスト送信装置およびテスト受信装置にコントロール メッセージを送信します。
テスト受信側はグループに加入し、テスト送信側から送信されるテスト パケットを監視します。
Test_Manager# mrm start test1 *Feb 4 10:29:51.798: IP MRM test test1 starts ...... Test_Manager#
テスト マネージャのステータス レポートを表示するには、次のコマンドを入力します。
Test_Manager# show ip mrm status IP MRM status report cache: Timestamp Manager Test Receiver Pkt Loss/Dup (%) Ehsr *Feb 4 14:12:46 10.1.2.2 10.1.4.2 1 (4%) 29 *Feb 4 18:29:54 10.1.2.2 10.1.4.2 1 (4%) 15 Test_Manager#
この出力は、表示されているタイムスタンプ時に受信側から 2 つのステータス レポート(それぞれ 1 行ずつ)が送られたことを示しています。レポートにはそれぞれインターバル時間内(デフォルトは 1 秒)におけるパケット喪失が 1 つずつ含まれています。
「Ehsr」の値は、テスト送信側からの次のシーケンス推定数値を示しています。テスト受信側で重複パケットが検出されると、「Pkt Loss/Dup」の欄に負数が示されます。
テストを終了するには次のコマンドを入力します。
Test_Manager# mrm stop test1 *Feb 4 10:30:12.018: IP MRM test test1 stops Test_Manager#
テストの実行中、MRMの送信側は、設定されたグループアドレスに200ミリ秒のデフォルト間隔でRTPパケットを送信します。
受信側は、同じパケットを同じデフォルト間隔でモニタ(想定)します。
受信側が 5 秒のデフォルト時間インターバルの間にパケット喪失を検出した場合、受信側から MRM マネージャにレポートが送られます。
受信側からのステータス レポートは、マネージャで show ip mrm status コマンドを発行して表示できます。
ネットワークで IP マルチキャストを実装する場合に発生する最も一般的な問題には、ルータが RPF の障害または TTL 設定のためにマルチキャスト トラフィックを転送しないことがあります。
これらの問題やその他のよくある問題、症状、および解決策についての詳細は、『IP マルチキャストのトラブルシューティング ガイド』を参照してください。
改定 | 発行日 | コメント |
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1.0 |
26-Nov-2001 |
初版 |